JP2821693B2 - 油性固形化粧料 - Google Patents

油性固形化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は油性固形化粧料に関し、更に詳しくは、融点
が特定範囲内にある側鎖を有する飽和炭化水素と、ジイ
ソステアリン酸ジグリセリル及び/又はトリイソステア
リン酸ジグリセリルとを含有し、形状保持性に優れ、使
用感が良好な油性固形化粧料に関する。
〔従来の技術〕
従来、油性固形化粧料の形状を保持するための固化剤
としては、ミツロウ等の動物性ワックス;カルナウバワ
ックス、キャンデリラワックス等の植物性ワックス;セ
レシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス等の鉱物性ワックスが使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来用いられている動、植物性ワック
ス、鉱物性ワックスは固化力が劣るため、形状保持性を
得るには充分満足できるものではなかった。また、これ
らを多量に使用すると、塗布時ののびやなめらかさなど
の使用感が損われてしまうという問題もあった。
このため、優れた形状保持性と使用感を併せもつ油性
固形化粧料の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは鋭意研究を行なっ
た結果、固化剤として融点が特定範囲内にある側鎖を有
する飽和炭化水素を用い、これに液状油剤としてジイソ
ステアリン酸ジグリセリル及び/又はトリイソステアリ
ン酸ジグリセリルを組み合わせて用いれば、形状保持性
と使用感に優れた油性固形化粧料が得られることを見出
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(a)及び(b) (a)融点が85℃を超え105℃以下である側鎖を有する
飽和炭化水素 (b)ジイソステアリン酸ジグリセリル及び/又はトリ
イソステアリン酸ジグリセリル を含有することを特徴とする油性固形化粧料を提供する
ものである。
本発明で用いられる(a)の飽和炭化水素は、融点が
85℃を超え105℃以下で、側鎖を有するものであるが、
特に融点が87〜95℃であるものが好ましい。融点が85℃
以下のものは固化力が劣るため充分な形状保持性が得ら
れず、また105℃を越えると、使用感が悪く、製造時に
高温にしなければならないため使用しずらいので好まし
くない。前記範囲内に含まれる飽和炭化水素は、天然又
は合成のものであり、具体的には融点が85℃を超え105
℃以下であるマイクロクリスタリンワックスやポリエチ
レンワックス、フィッシャートロプシュワックスが挙げ
られる。これらの市販品としては、モービル190Y(モー
ビル社製)、ハイミック2095(日本製蝋社製)、サンワ
ックスE−200、サンワックスE−300(以上、三洋化成
工業社製)、フィッシャートロプシュワックスFT−95、
フィッシャートロプシュワックスFT−100H、フィッシャ
ートロプシュワックスFT−150、フィッシャートロプシ
ュワックスFT−200(以上、サゾール公社製)、ビース
クエア185、ビースクエア190、ビースクエア195、ポリ
ワックス500、ポリワックス655(以上、バリコ社製)等
が挙げられ、好適に使用し得る。
これら飽和炭化水素は、全組成中に3〜30重量%、特
に3〜20重量%配合するのが好ましい。3重量%未満で
は、充分な形状保持性が得られず、30重量%を越えると
固さが著しく増して使用感が悪くなるので好ましくな
い。
また、本発明で用いられる(b)のジイソステアリン
酸ジグリセリル及びトリイソステアリン酸ジグリセリル
は、ジグリセリンに2個又は3個のイソステアリン酸を
縮合させたエステル化合物であり、液状油剤として使用
されるものである。これらの市販品としては、コスモー
ル42、43(共に日清製油(株)製)等が挙げられる。
これらジイソステアリン酸ジグリセリル及び/又はト
リイソステアリン酸ジグリセリルは、全組成中に10〜90
重量%、特に30〜50重量%配合するのが好ましい。10重
量%未満では本発明の効果が得られず、90重量%を越え
ると前記飽和炭化水素等の他の成分の配合量が少なくな
り、形状保持性が損われるので好ましくない。
さらに、本発明の油性固形化粧料には、前記必須成分
の他、化粧目的等に応じ、通常の化粧料に用いられる成
分、例えば前記以外の油剤、粉体、着色剤、香料、保湿
剤、防腐剤、美容成分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、樹
脂、高分子、界面活性剤、薬剤、アルコール等を適宜選
択して配合することができる。
本発明の油性固形化粧料は、通常の方法に従って製造
することができ、口紅、リップクリーム、ファンデーシ
ョン、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ
などとして適用することができる。
〔実施例〕
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 第1表に示す組成のスティック状口紅を調製し、折れ
強度及び使用感について評価した。結果を第1表に示
す。
(製法) A.(1)〜(10)を120〜130℃にて加熱溶解する。
B.Aに(11)を加えて均一に混合する。
C.Bを脱泡後(12)、(13)を加えて均一に混合する。
D.Cを型に流し込み充填後、冷却して成型する。
(評価方法) 折れ強度・・・レオメーターNRM−2002J(不動工業
(株)製)により測定し、充分な形状保持性を有するも
のから成型困難なものまでを◎〜×の4段階で評価し
た。
使用感・・・・20名からなる女子パネルを対象とした使
用テストにより、塗布時ののび、なめらかさについて評
価した。評価は、のびが良く、なめらかに塗布できると
判定した人数で行い、次の通り表わした。
15人以上の場合:◎ 10〜14人の場合:○ 5〜9人の場合:△ 0〜4人の場合:× 尚「−」は折れ強度が低いため、使用感を評価すること
が困難であった。
第1表から明らかな如く、本発明のスティック状口紅
は、折れ強度が高く、形状保持性に優れ、しかも塗布時
ののび、なめらかさ等の使用感が良好であり、また色む
らや発汗等もなく、成型状態も良好であった。
これに対し、固化剤として融点の低いマイクロクリス
タリンワックスやパラフィンワックスを用いた場合(比
較品[1]、[2])、固化力が弱いために折れやす
く、配合量を多くして折れ強度を上げると(比較品
[3])、のびやなめらかさが悪くなり、使用感が低下
してしまった。また、液状油剤としてジイソステアリン
酸ジグリセリル及びトリイソステアリン酸ジグリセリル
以外のものを用いた場合(比較品[4]〜[7])、い
ずれも折れ強度が充分でなかったり、使用感触上満足で
きるものではなかった。
実施例2 スティック状アイシャドウ (処方) (重量%) (1)マイクロクリスタリンワックス 10.0 (融点95℃) (2)流動パラフィン 10.0 (3)トリイソステアリン酸ジグリセリル 28.8 (4)ワセリン 5.0 (5)ソルビタンセスキオレート 1.0 (6)マ イ カ 10.0 (7)雲母チタン 20.0 (8)着色顔料 15.0 (9)香 料 0.2 (製法) A.(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.Aに(6)〜(8)を加えて混合撹拌する。
C.Bを脱気後(9)を加えて、繰り出し容器に直接流し
込み、冷却して成型する。
上記の如くして得られたスティック状アイシャドウ
は、形状保持性に優れ、しかも使用感も良好なものであ
った。
実施例3 油性ファンデーション (処方) (重量%) (1)流動パラフィン 24.5 (2)トリイソステアリン酸ジグリセリル 10.0 (3)パルミチン酸イソプロピル 5.0 (4)ラノリンアルコール 2.0 (5)ラノリン 3.0 (6)マイクロクリスタリンワックス 7.0 (融点95℃) (7)オゾケライト 8.0 (8)キャンデリワックス 0.5 (9)酸化チタン 10.0 (10)カオリン 14.8 (11)タ ル ク 10.0 (12)着色顔料 5.0 (13)香 料 0.2 (製法) A.(1)〜(8)を加熱溶解する。
B.(9)〜(12)を混合撹拌する。
C.AにBを加え、ロールミルで混合撹拌する。
D.Cを再溶解後、撹拌を続けながら冷却し、(13)を加
えて容器に流し込み成型する。
上記の如くして得られた油性ファンデーションは、形
状保持性に優れ、しかも使用感も良好なものであった。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明の油性固形化粧料は、形状
保持性に優れ、しかも塗布時ののびやなめらかさが良好
で優れた使用感をも併せもつ、極めて有用なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)及び(b) (a)融点が85℃を超え105℃以下である側鎖を有する
    飽和炭化水素 (b)ジイソステアリン酸ジグリセリル及び/又はトリ
    イソステアリン酸ジグリセリル を含有することを特徴とする油性固形化粧料。
  2. 【請求項2】(a)成分を3〜30重量%、(b)成分を
    10〜90重量%含有することを特徴とする請求項1記載の
    油性固形化粧料。
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