JP2805218B2 - スティック化粧料 - Google Patents

スティック化粧料

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JP2805218B2 JP1230746A JP23074689A JP2805218B2 JP 2805218 B2 JP2805218 B2 JP 2805218B2 JP 1230746 A JP1230746 A JP 1230746A JP 23074689 A JP23074689 A JP 23074689A JP 2805218 B2 JP2805218 B2 JP 2805218B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスティック化粧料、更に詳細には、形状保持
性に優れ、かつ塗布時ののび、なめらかさ等の使用感が
良好で、塗布後ににじみを生じないスティック化粧料に
関する。
〔従来の技術〕 従来、スティック化粧料において、その形状を保持す
るための基材としては、ミツロウ等の動物系ワックス;
カルナウバワックス、キャンデリラワックス等の植物系
ワックス;セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワッ
クスが使用されている。
しかしながら、上記の如き従来公知の動・植物系、鉱
物系及び石油系ワックスは固化力が劣るため、充分な形
状保持性を得ることができなかった。また、形状保持性
を向上させるためにこれらワックスを多量に使用する
と、塗布時ののび、なめらかさ等の使用感が損われると
いう問題があった。
これらのワックスの中でも、粧原基に収載されている
融点60〜85℃のマイクロクリスタリンワックスは、これ
を動・植物系ワックスと併用すると結晶の成長を抑制し
柔軟性を付与できると共に、通常スティック化粧料に配
合される液体油によって引き起される発汗現象を防止す
ることができることから、当該基材として広く使用され
ているが、これも形状保持性の点で満足できるものでは
なかった。
従って、形状保持性に優れた基材についての多くの研
究がなされており、例えば融点80〜105℃のエチレンプ
ロピレンコポリマー、特にこれに従来の固化剤であるキ
ャンデリラワックスを組合せて配合したスティック化粧
料が報告されている(特開昭64−61409号)。
しかしながら、このスティック化粧料も、形状保持性
及び経時安定性は改善されたが、塗布時ののび及び塗布
後のにじみ発生等においてまだ充分に満足できるもので
はなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、形状保持性に優れ、かつ塗布時の
のび等の使用感が良好で、しかも塗布後ににじみを生じ
ないスティック化粧料を提供することを目的とするもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者は鋭意研究を行った結
果、上記のエチレンプロピレンコポリマーに、従来ステ
ィック化粧料の基材として使用されたことのない特定の
融点のマイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワ
ックスまたはフィッシャートロプシュワックスを組合せ
て配合すれば、上記条件を具備したスティック化粧料が
得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)融点80〜105℃のエチレ
ンプロピレンコポリマーを2〜50重量%及び(B)融点
が85℃を超え105℃以下であるマイクロクリスタリンワ
ックス、ポリエチレンワックスまたはフィッシャートロ
プシュワックスを2〜50重量%含有し、かつ成分(A)
と(B)の合計が5〜55重量%であることを特徴とする
スティック化粧料を提供するものである。
本発明に用いられる(A)成分のエチレンプロピレン
コポリマーは、その融点が80〜105℃のものであるが、
特に85〜100℃のものが好ましい。融点が80℃未満であ
ると充分な形状保持性が得られず、105℃を超えると塗
布時ののび、なめらかさ等の使用感が悪くなり、またス
ティック化粧料製造時の溶解の際に高温状態を維持しな
ければならないため、他の成分が劣化しやすくなる。ま
た、その分子量分布が約300〜800の範囲内で平均分子量
が500〜750の範囲内にあるものが好ましい。かかるエチ
レンプロピレンコポリマーとしては、例えばペトロライ
トCP−7(バリコ社製)等が挙げられる。本発明スティ
ック化粧料中への(A)成分のエチレンプロピレンコポ
リマーの配合量は、2〜50重量%であるが、特に3〜20
重量%が好ましい。
本発明に用いられる(B)成分のマイクロクリスタリ
ンワックス、ポリエチレンワックスまたはフィッシャー
トロプシュワックスは、その融点が85℃を超え105℃以
下のものであるが、特に87〜95℃のものが好ましい。従
来基材として使用されている融点85℃以下のワックス類
では充分な形状保持性が得られず、105℃を超えると塗
布時ののび、なめらかさ等の使用感が悪くなり、またス
ティック化粧料製造時の溶解の際に高温状態を維持しな
ければならないため、他の成分が劣化しやすくなる。か
かるマイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワッ
クスまたはフィッシャートロプシュワックスとしては具
体的には、モービル190Y(モービル社製)、ハイミック
2095(日本製蝋社製)、サンワックスE−200、サンワ
ックスE−300(以上、三洋化成工業社製)、フィッシ
ャートロプシュワックスFT−95、フィッシャートロプシ
ュワックスFT−100H、フィッシャートロプシュワックス
FT−150、フィッシャートロプシュワックスFT−200(以
上、サゾール公社製)、ビースクエア185、ビースクエ
ア190、ビースクエア195、ポリワックス500、ポリワッ
クス655(以上、バリコ社製)等が挙げられる。本発明
スティック化粧料中への(B)成分のマイクロクリスタ
リンワックス、ポリエチレンワックスまたはフィッシャ
ートロプシュワックスの配合量は、2〜50重量%である
が、特に3〜20重量%が好ましい。
また、本発明スティック化粧料中における上記(A)
成分及び(B)成分の合計配合量は5〜55重量%であ
る。合計配合量が5重量%未満では充分な形状保持性が
得られず、55重量%を超えると固さが著しく増加して塗
布時ののび等の使用感が悪くなる。
本発明のスティック化粧料には、上記必須成分の他、
通常スティック化粧料に用いられる油剤、ワックス、粉
体、顔料、染料、高分子化合物、香料、界面活性剤、酸
化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、美容成分等を、本発
明の効果を損わない範囲で製品種や化粧目的に応じて適
宜配合することができる。
本発明のスティック化粧料は、例えば口紅、リップグ
ロス、リップクリーム、ファンデーション、ほほ紅、ア
イシャドウ、アイライナー、アイクリーム等の種々のス
ティック化粧料の剤型とすることができる。
更に、本発明のスティック化粧料は、各々の製品種に
おいて、通常の方法に従って製造することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1〜7 第1表に示す組成のスティック化粧料(口紅)を調製
し、形状保持性、塗布時ののび、塗布後のにじみについ
て評価した。結果を第1表に示す。尚、表中の配合量は
重量%である。
(製法) A.成分(1)〜(8)を加熱溶解する。
B.Aに成分(9)を加え均一に混合する。
C.Bを脱気後、成分(10)を加え混合し繰り出し容器に
直接流し込み、冷却して成型する。
(形状保持性(折れ強度)の評価) 各々のスティック化粧料の折れ強度をレオメーターNR
M−2002J(不動工業株式会社製)で測定し、下記基準に
より評価した。
評価基準: 300g以上 ……◎ 250〜299g ……○ 1〜249g ……× (塗布時ののび及び塗布後のにじみの評価) 女性20名の専門パネルを対象として使用テストを行
い、塗布時ののび及び塗布後のにじみについて評価を行
なった。
評価基準: 塗布時ののびが良いと評価した人数及び塗布後のにじ
みがないと評価した人数により判定した。
15人以上の場合 ……◎ 10〜14人の場合 ……○ 5〜9人の場合 ……△ 0〜4人の場合 ……× 第1表から明らかな如く、本発明のスティック化粧料
は、形状保持性に優れ、塗布時ののびが良く、塗布後の
にじみも生じないものであった。
実施例4 スティック状アイシャドウ (成分) (重量%) (1)エチレンプロピレンコポリマー (融点85℃) 6.0 (2)マイクロクリスタリンワックス (融点91℃) 4.0 (3)流動パラフィン 38.9 (4)ワセリン 5.0 (5)ソルビタンセスキオレート 1.0 (6)マイカ 10.0 (7)雲母チタン 20.0 (8)着色顔料 15.0 (9)香料 0.1 上記組成のスティック状アイシャドウを、下記方法に
より製造した。
(製法) A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.Aに成分(6)〜(9)を加えて混合撹拌する。
C.脱気して繰り出し容器に直接流し込み、冷却して成型
する。
実施例5 スティック状ほほ紅 (成分) (重量%) (1)ポリエチレンワックス (融点87℃) 6.0 (2)エチレンプロピレンコポリマー (融点90℃) 3.0 (3)ワセリン 5.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)トリイソステアリン酸ジグリセリル 25.5 (6)大豆リン脂質 0.5 (7)着色顔料 49.9 (8)香料 0.1 上記組成のスティック状ほほ紅を、下記方法により製
造した。
(製法) A.成分(1)〜(6)を加熱溶解する。
B.Aに成分(7)〜(8)を加えて混合撹拌する。
C.脱気して繰り出し容器に直接流し込み、冷却して成型
する。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明のスティック化粧料は、形
状保持性に優れ、塗布時ののび、なめらかさ等の使用感
が良好で、塗布後のにじみも生じないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−61409(JP,A) 特開 昭55−81810(JP,A) 特開 昭60−181011(JP,A) 特開 昭56−166264(JP,A) 特開 昭57−109706(JP,A) 特開 昭63−139103(JP,A) 特開 昭63−139107(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)融点80〜105℃のエチレンプロピレ
    ンコポリマーを2〜50重量%及び(B)融点が85℃を超
    え105℃以下であるマイクロクリスタリンワックス、ポ
    リエチレンワックスまたはフィッシャートロプシュワッ
    クスを2〜50重量%含有し、かつ成分(A)と(B)の
    合計が5〜55重量%であることを特徴とするスティック
    化粧料。
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