JP2005238030A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 洗浄性能に優れ、かつ低コストな洗浄装置を提供する。
【解決手段】 洗浄装置は、調理室内に装着される洗浄ロッド41並びにすすぎロッド45と、熱交換室13内に設けられる循環ファン18、並びに循環ファン18の駆動を制御するための制御装置を主体として構成される。このうち、洗浄ロッド41の備えるノズル45から洗剤が噴霧されると、噴霧された洗剤は循環ファン18によって起こされる循環風を介して庫内の各壁面に付着されることとなるが、この時、制御装置は循環ファン18の駆動を正逆反転させたり、或いは変速運転させる。これにより、洗剤は循環風の流れの陰となる部分にも隈無く付着される。
【選択図】 図9

Description

本発明は、加熱調理器の主として調理室を洗浄するための洗浄装置に関する。
従来より、加熱調理器の調理室を洗浄するための洗浄装置として、洗浄時に調理室内に噴霧ヘッドを備えた噴霧アームを取り付けて、前記噴霧ヘッドより調理室内に洗剤等を噴霧させて洗浄を行うものが知られている(特許文献1)。
このものは、調理室に対する噴霧アームの取り付けをホルダを介して行うが、噴霧アームはホルダに昇降可能に支持されている。そして、噴霧アームの先端にはヘッドホルダを介して噴霧ヘッドが回動自在に装着されている。
そのため、洗浄中には、噴霧アームが昇降動作を行うとともに、噴霧ヘッドが回動運動を行う。これにより、噴霧ヘッドから噴霧される洗剤を調理室内の四方にくまなく吹き付けるようにしている。
特表2002−523723公報
しかしながら、上記構成によると、ホルダ、噴霧アーム、ヘッドホルダ、噴霧ヘッドがそれぞれ別部品となるため構造が複雑となり、また、低コスト化の要請に応ずることが出来ない。そこで、構造を簡便なものとするには、例えば、庫内に噴霧された洗剤を庫内ファンによって循環させることが考えられるが、単に、庫内ファンによって洗剤を循環させるのみでは、調理室内に洗剤をくまなく吹き付けることが出来ないという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって洗浄性能に優れ、かつ低コストな洗浄装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、調理庫内を洗浄をするための洗浄装置であって、前記調理庫内に装着され、前記調理庫内に洗剤あるいはすすぎ水を噴霧可能とされた噴霧器と、前記調理庫内に付設され、前記噴霧器より噴霧された洗剤あるいはすすぎ水を前記調理庫内に循環させるファンと、前記洗剤等を循環させる際に、前記ファンの回転速度を定速回転させる定速モードと、変速回転させる変速モードに制御可能な制御装置とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記制御装置は前記ファンの回動方向を正逆反転可能な構成であるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記調理庫内には同庫内を前記調理室と熱交換室とに仕切る仕切板が設けられるとともに、前記熱交換室内には前記仕切板に対向するようにして前記ファンが配置される一方、前記仕切板には板面に吸い込み口が形成され、外周部に吹き出し部が形成されることで、前記ファンが駆動されると、前記調理室内の空気は吸い込み口を介して前記熱交換室に吸引され、同熱交換室からは吸い込まれた空気が前記吹き出し部を介して再び前記調理室内へ送風されることで空気の循環が行われるものにおいて、前記制御装置による前記ファンの制御には、前記循環中に前記ファンの回動を停止させる休止モードが含まれるとともに、前記噴霧器は前記休止モード中に、前記洗剤あるいは前記すすぎ水を前記仕切板に直接吹き付け可能な構成であるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記すすぎ水を前記噴霧器に供給する供給路に同供給路を開閉する制御弁が設けられたものにおいて、前記制御装置は、前記噴霧器よりすすぎ水を噴霧して前記調理室内の洗剤を洗い流す際に、前記制御弁を間欠的に作動させるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記調理庫には、熱源を有する水槽を備え前記調理庫内に前記水槽内で発生する蒸気を供給可能な蒸気供給装置が付設されるとともに、前記調理庫を洗浄工程中に前記洗剤及びすすぎ水の噴霧が停止される停止期間が設けられたものにおいて、前記制御装置は、前記停止期間中に、前記蒸気供給装置を駆動させて前記調理庫内に蒸気を供給させるところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、ファンの駆動モードには定速モードと変速モードが設けられている。従って、変速モードで運転を行えば、調理庫内に隈無く洗剤を行き渡らせることが出来る。定速モードで運転を行えば、風の流れが一定となるからよごれが付着しやすい特定の場所を重点的に洗浄することも可能である。
このように、洗剤を調理庫内に隈無く付着させることが出来るから、洗浄性能にも優れるものとなる。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、ファンの駆動方向を正逆反転させることが可能である。仮に、回転方向が一定の方向に定まっていると、流れの影となるところができるからそこに洗剤が付着し難くなるが、回転方向を反転させることで、これを解消することが出来る。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、仕切板は空気の流れのかげとなる部分であるから、同仕切板に洗剤或いは、すすぎ水がどうしてもかかり難くなる。しかし、ファンを停止させた状態で洗剤等を噴霧させるようにしたから仕切板についてもしっかりと洗浄出来る。
<請求項4の発明>
すすぎ水を連続して流した場合には、洗剤が過剰に泡だって排水に支障を来す虞が生ずるが、請求項4の発明によれば、すすぎを行う際には、調理室内にすすぎ水が間欠的に供給される。したがって、調理室内の洗剤がスムーズに排水される。
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、洗浄工程に含まれる停止期間中には蒸気供給装置から調理庫内に蒸気が投入される。そのため、庫内の油分(こびり付いた汚れ)を壁面から浮きだたせることが出来き、洗浄性能に優れる。
本発明の一実施形態を図1から図11を参照して説明する。
本実施形態に適用された加熱調理器Mはホットエアによるオーブン調理と、スチームによるスチーム調理及びこれらを複合的に使用するオーブン・スチーム調理が可能なスチームコンベンションオーブンである。図1において1はケーシングであって、内部には断熱壁に覆われた箱形の調理庫10が収容されている。
調理庫10内には仕切板15が設けられている。この仕切板15は調理庫10内を左右の2室に仕切っており、図示右側の部屋は熱交換室13、左側の部屋が調理室11とされている。この熱交換室13には後述する熱パイプ25の全体及び蒸気パイプ35の開口端が導入されるとともに、内部には仕切板15と向かい合うようにして撹拌用の循環ファン18が設けられている。また、調理室11の前面(図1における下側の面)には横開き可能な取っ手付きのドア19が設けられており、そこから食材を出し入れすることが出来るようになっている。
調理庫10の側方(図1における右側)には加熱器20並びに蒸気発生器(本発明の蒸気供給装置に相当する)30が配置されている。加熱器20は加熱用の加熱バーナ22を内部に備える燃焼室21を主体として構成されている。一方、熱交換室13内には、図3に示すように、略U字状に屈曲形成された熱パイプ25が循環ファン18の外周を取り囲むように配置されている。この熱パイプ25の一端側は燃焼室21に接続され、他端側は熱気を外気に開放する排気口とされている。そのため、加熱バーナ22が駆動すると温められた熱気が熱パイプ25を介して熱交換室13内に伝わり、この配管の熱によって配管周囲の空気(熱交換室13内の空気)が暖められるようになっている。
蒸気発生器30は内部に水槽33と蒸気発生用のスチームバーナ32を備えてなる。水槽33の上部には蒸気パイプ35が接続されており、蒸気パイプ35の先端は調理庫10内に引き込まれている。従って、スチームバーナ22が作動すると、図2に示すように水槽32内で加熱された蒸気が蒸気パイプ35を介して熱交換室13ひいては調理庫10内に供給される。
ところで、仕切板15のうち循環ファン18と対向する部分には多数のパンチ孔により構成される吸い込み口15Aが設けられている。また、仕切板15の上部、下部、側部はいずれも調理室11の壁面との間に隙間15Bを保有しているが、そこは送風のための吹き出し部とされている。そのため、循環ファン18が駆動されると、調理室11内の空気は一旦吸い込み口15Aを介して熱交換室13内に吸引される。その後、熱交換室13からは四方の吹き出し部15Bを介して調理室11内に循環風が送り出される。循環風は、図1に示すように仕切板15に隣接する各壁面11Bに沿って奥側へと押し出されてゆき、奥壁11Aに突き当たったところで、それぞれ内向きに進路を変え、その後、再び、循環ファン18によって吸引される。かくして、循環ファン18が駆動すると、調理庫10内には空気の循環が生ずる。
次に、制御装置(図示せず)は例えば、調理庫10の前面であって、ドア19に隣接した位置に配置されている。一方、調理室11内及びこれに繋がる排水管49には温度センサ(いずれも図示せず)が設けられている。このうち調理室11内に設けられる温度センサは庫内の温度変化を検知するためのものであり、排水管49に設けられる温度センサは排水管49を流れる蒸気温から調理室11内の蒸気圧の変化を検知するものである。
そして、これらセンサからの検出値に基づいて温度並びに蒸気圧の変化が読みとられると、制御装置は調理モードに応じて前記加熱器20、蒸気発生器30、蒸気抜き(排水管49内に付設される冷却ノズルからの冷水噴霧)を駆動或いは停止させることで庫内が所望の調理環境となるように制御するようになっている。また、この制御装置は庫内洗浄の際(詳細は後記する)に、循環ファン18の駆動を正転・逆転或いは変速駆動させることで庫内に噴霧された洗剤等を均一に散布させる役割を果たすようになっている。
ところで、調理室11内には庫内洗浄を行うための洗浄ロッド(本発明の噴霧器に相当)41並びにすすぎロッド(本発明の噴霧器に相当)51が脱着可能に取り付けられるようになっている。具体的に説明すると、洗浄ロッド41は管状をなし内部に洗剤の流路が形成されたロッド本体42と、ロッド本体42の下端部に取り付けられるU字状のノズル連結管43とを主体として構成されている。このノズル連結管43の先端部分にはノズル45が上向きに装着されるようになっており、そこから、洗剤を霧状に噴霧することが出来るようになっている。
また、ノズル45はノズル連結管43に対して脱着可能な構成とされ、更に、ノズル連結管43の底面にはプラグ46が取り外し可能に装着されているが、これはメンテナンス性を考慮したものである。
ロッド本体42の上端部には側方に張り出す一対の鍔片48が形成されている。一方、調理室11の天井面11Cであって、吸い込み口15Aの前方部分には第1接続管63が下向きに突設されている。この第1接続管63は図2に示すように、洗剤供給管R1を介してポンプP、洗剤タンクTに接続されている。また、この第1接続管63の左右両側には一対の受け部64が向き合うように配置されている。受け部64は側方に開口するコの字状をなすとともに、側方から鍔片48を両対向面間に受け入れることが出来るようになっている。
そのため、まず、洗浄ロッド41を第1接続管63に正対させた状態で天井面11Cに突き当てて洗浄ロッド41内に第1接続管63を収容させる。その後、洗浄ロッド41を90度回動させることで、鍔片48が受け部61の両対向面間に側方から進入して同受け部61に対して係止する。これにより、洗浄ロッド41は仕切板15の前方において同仕切板15と正対、すなわち吸い込み口15Aと対面した状態で、調理室11の天井面11Cから釣り下げられる。そして、この連結状態においては、洗剤タンクTと洗浄ロッド41との間が洗剤供給管R1を介して繋がった状態となる。
また、洗浄ロッド41の内壁の上部側にはシールリング47が設けられており、取り付け状態においては、第1接続管63と洗浄ロッド41の嵌合部分がシールされるようになっている。
次に、すすぎロッド51及びその取り付け構造について説明する。すすぎロッド51は洗浄ロッド41と同様に、ロッド本体52とロッド本体52の下部に装着されるノズル連結管53とを主体として構成される。ノズル連結管53は上向きに屈曲する4本のアーム54を備えた錨型をなし、各アーム54の先端部分にはそれぞれノズル55が装着されている。また、すすぎロッド51に使用されるロッド本体52は、その径サイズが洗浄ロッド41に使用されるロッド本体42の径サイズよりいくらか大径とされているが、これは洗浄時に噴霧されるすすぎ水の量が洗剤の量に比べて多いためである。
取り付け構造については洗浄ロッド41と同様であって、ロッド本体52側には鍔片58が設けられる一方、調理室11の天井面11Cであって、第1接続管63の奥側(図1における上部側)に、第2接続管68並びに受け部(図示せず)がそれぞれ設けられている。これにより、組付け時においては、すすぎロッド51は洗浄ロッド41とともに調理室11の天井面11Cから吊り下げられるようになっている。
尚、第2接続管68は図2に示すように、給水管R2を介して給水口Sに接続されており、給水管R2の備える第2電磁弁(本発明の制御弁に相当)72を開閉することで、すすぎロッド51に対してすすぎ水を供給するようになっている。また、本実施形態においては給水管R2と洗剤供給管R1との間に第1電磁弁71を備えた連絡管R3が介設されており給水口S、連絡管R3、洗剤供給管R1の経路を経て、洗浄ロッド41にすすぎ水が供給可能な配管構成となっている。そして、洗剤供給管R1或いは給水管R2にはそれぞれ洗剤或いはすすぎ水の逆流を防止するための逆止弁75が設けられている。
次に、洗浄工程について説明する。図8に示すように洗浄工程はおおまかには、蒸らし工程、洗剤噴霧工程、すすぎ工程、乾燥・冷却工程からなり、前記制御装置がこれら各工程を順に行うように各装置の駆動・停止を制御している。
蒸らし工程においては洗剤及びすすぎ水の噴霧が停止した状態(本発明の停止期間に相当)で前記した蒸気発生器30並びに循環ファン18が駆動される。これにより調理室11内には循環風が発生し、更には、蒸気発生器30から蒸気パイプ(図示せず)を介して熱交換室13に蒸気が供給される。そのため、熱交換室13からは循環風とともに蒸気が調理室11内に吹き出される。このように調理室11内に蒸気を送り込むことで、庫内の壁面に付着した油分(汚れ)を浮き立たせることが出来る。この蒸らし工程は約1分間持続され、その後洗剤噴霧工程に移行する。
洗剤噴霧工程においては、循環ファン18は引き続き駆動され、更に、ポンプPが駆動される。これによりタンクTから洗剤供給管R1を介して洗剤が供給され、庫内のノズル45より洗剤が噴霧される。すると、噴霧された洗剤は仕切板15の吸い込み口15Aを通じて熱交換室13内に吸い込まれる。その後、吸い込まれた洗剤は仕切板15の吹き出し部15Bを介して前記循環風とともに調理室11内の各壁面11B、11Cに沿って庫内を循環してゆく。これにより、洗剤は庫内の壁面に斑なく付着することとなる。
ところで、本実施形態において制御装置には循環ファン18の制御プログラム(制御モード)が種々書き込まれており、これら制御モードに基づいて循環ファン18を駆動制御するようになっている。具体的には正転モード、休止モード、反転モードとが設けられ、更に、正転・反転モードが変速モードと定速モードとから構成されている。
まず、正転モード(図9に示す(1)の区間)が開始されると、循環ファン18の回転数がゼロから徐々に上昇してゆく(変速モード)。これにより、仕切板15に隣接する4枚の壁面11B、11Cのほぼ全体、すなわち吹き出し部15Bに近い付近から奥壁11A付近に至るまで隈無く洗剤を付着させることが出来る。 というのも、循環ファン18を駆動開始直後から高い回転数で運転すると、噴霧された洗剤は吹き出し部15Bを介して調理室11内に強く送風される。従って、吹き出し部15B付近においては、どうしても洗剤の塗布量が少なくなる。この点、本実施形態では循環ファン18の回転数がゼロから徐々に上昇してゆく。そのため、循環ファン18の回転数が低い初期段階においては、風力が弱いから洗剤の大部分は吹き出し部15Bの付近に付着するが、風力が強まるにつれて洗剤は吹き出し部15Bから離れた部分に付着する。
やがて、循環ファン18の回転数が最大値に達すると、これ以降の約5秒間、制御装置は循環ファン18の回転数を最大値に維持した状態で駆動させる(定速モード)。この定速モード期間中、洗剤は奥壁11A並びに他の壁面11B、11Cに吹き付けられる。そして、制御装置は定速モードに続いて再び、回転数を最大値からゼロになるまで徐々に下げてゆく(変速モード)。これにて、正転モードが終了して休止モードに移行する。尚、この正転モードは全体としては約15秒間持続され、変速モードでの運転が全体で約10秒、定速モードでの運転が約5秒行われるようになっている。
休止モード(図9における(2)の区間)においては循環ファン18の駆動は停止される。一方、ノズル45からは洗剤が噴霧され続ける。これにより調理室11内の循環風が停止した状態で洗剤が噴霧される。
ところで、仕切板45は循環ファン18の吸い込み方向前方に位置しているからよごれが最も付着しやすい場所の一つである。しかしながら洗浄の際に仕切板15は循環風の流れの陰となる場所であるため、循環ファン18を駆動させたままの状態では洗剤を十分に吹き付けることが困難である。この点に関し本実施形態では、休止モード中は、先に述べたように循環ファン18の駆動が停止された状態で洗剤が噴霧され、しかも、洗浄用のノズル45は仕切板15と対向して位置している。従って、噴霧された洗剤は仕切板15の吸い込み口15Aに吸い込まれず、仕切板15の壁面に対して付着する。かくして、約5秒間循環ファン18の駆動が停止されると休止モードは終了し、今度は反転モードに移行する。
反転モード(図9における(3)の区間)は、前記循環ファン18を正転モード時の回転方向とは正逆反転させて駆動させるモードであって、回転数制御の設定、並びに持続時間の設定に関しては正転モードの場合と全く同じである。このように、循環ファン18を正逆反転させて運転を行うことで、例えば、循環風の陰(仕切板以外の場所)となるような部分にたいしても洗剤を吹き付けることが可能となる。その後、再び、前記休止モードでの運転、すなわち循環ファン18が停止された状態で、ノズル45から洗剤が噴霧され続ける(図9における(4)の区間)。これにて、洗剤噴霧サイクルが完了する。洗剤噴霧工程のトータル時間は約1分から2分とされており、この時間が経過するまで上記サイクルが繰り返し行われるようになっている。
この後約5分間の完全な休止、すなわち洗剤の噴霧も循環ファン18の駆動もなされない状態を経て、すすぎ工程に移行する。
このすすぎ工程においては粗すすぎ工程、むらし工程、仕上げすすぎ工程が設けられており、これら各工程が順に行われることとなる。まず、粗すすぎ工程が開始されると図10に示すように、第1電磁弁71がON、第2電磁弁72がOFF制御されるとともに、循環ファン18が駆動される(図10における(1)の制御状態)。これにより給水口S、連絡管R3、洗剤供給管R1、洗浄ロッド41の経路を通って洗剤噴霧用のノズル45からすすぎ水が噴霧される。このように洗浄用のノズル45からすすぎ水を噴霧するのは、洗剤供給管R1及びノズル45内に洗剤が残らないように水洗浄するためである。
この粗すすぎ状態が1〜2分維持されると、今度は、第1電磁弁71については引き続きON状態が維持され、第2電磁弁72については間欠的にON・OFFを繰り返す様に制御される(図10における(2)の制御状態)。これにより給水口S、給水管R2、すすぎロッド51の経路を経てすすぎ用のノズル55にすすぎ水が供給される。そのため、洗浄用のノズル45からの噴霧に加えて、すすぎ用のノズル55から間欠的にすすぎ水が噴霧されることとなる。このように、すすぎ用のノズル55から間欠的にすすぎ水を噴霧させるのは、すすぎロッド51は洗浄ロッド41に比べてその内径が太く、単位時間当たりの噴霧量が多い。そのため、すすぎ用のノズル55からすすぎ水を放出し続けると、すすぎ水によって洗い流される洗剤が過剰に泡だって排水を妨げる虞がある。そこで、すすぎ用のノズル55からすすぎ水を間欠的に噴霧させることで、排水管49を通じて洗剤の排水が良好に行われるようにしてある。
そして、この間欠的な噴霧状態が約1〜2分継続されると、今度は、第1電磁弁71については引き続きON状態が維持され、第2電磁弁72についてもON状態が持続されるようになる(図10における(3)の制御状態)。これにより、両ノズル45、55からすすぎ水が経時的に噴霧される。この噴霧状態は数分間行われ、これにて粗すすぎ工程が完了する。尚、この段階では、調理室11内の各内壁に付着した油分(よごれ)の一部は取り除かれた状態にあるが、その大半は未だ壁面に残された状態にある。
その後、粗すすぎ工程に続いて前記した蒸らし工程を再び行う。
制御装置は第1電磁弁71、第2電磁弁72並びにポンプPをいずれもOFF状態とし、その一方で、蒸気発生器30及び循環ファン18をいずれもON状態とする(本発明の停止期間に相当)。これにより調理室11内には、循環ファン18を介して蒸気が投入され、調理室11内の湿度並びに温度が上昇する。これにより、調理室11及び熱交換室13内の壁面に付着した油分を洗剤とともに同壁面から浮きだたせることが出来る。この蒸らしは約10分間続けられるようになっており、蒸らし工程が完了すると、今度は、仕上げすすぎ工程に移行する。
仕上げすすぎ工程においては図11に示すように、第1電磁弁71び第2電磁弁72のいずれもON状態となり、更に、循環ファン18がON状態となる。これにより、洗浄及びすすぎの両ノズル45、55からはすすぎ水が経時的に噴霧される。そして、噴霧されたすすぎ水は仕切板15の吸い込み口15Aから熱交換室13側に吸われて、吹き出し部15Bより循環風とともに調理室11内に送り込まれる。これにより、調理室11内の各壁面にはすすぎ水が吹きかけられることとなり、庫内における残留油分が洗剤とともに排水される。この仕上げすすぎ工程は約10分間継続される。このように粗すすぎ、仕上げすすぎ工程を経て、油分が段階的に取り除かれるようになっている。
尚、上記した粗すすぎ工程並びに仕上げすすぎ工程の際も、循環ファン18は洗剤噴霧工程の際と同様に正転・反転を交互に行うとともに、変速・定速・休止を組み合わせて運転されるようになっている。だだし、洗剤噴霧工程においては、先に述べたように変速、定速、休止がほぼ5秒ずつ均等に行われたが、すすぎ工程においては定速が約30秒と長くとられており、他は約5秒の設定とされている。
上記したすすぎ工程の完了に続いて、乾燥・冷却工程に移行する
乾燥・冷却工程においては、まず加熱器20並び循環ファン18が駆動され、調理室11内に熱気が供給されることで同室内を乾燥させる。乾燥に続いて今度は、循環ファン18のみを駆動させる。これにより調理室11内には循環風のみが送風されることとなるから暖められた庫内温度が徐々に下がってゆく。これにて庫内の自動洗浄が完了する。
また、制御装置には、洗剤噴霧工程並びに粗すすぎ工程を数回繰り返す制御パターンが書き込まれており、よごれの付き具合に応じて、パネル操作によってサイクル回数を選択出来るようになっている。尚、本実施形態ではサイクル数は1サイクル〜4サイクルまでの4段階の設定とされている。
このように、本実施形態によれば、循環ファン18の駆動モードには定速モードと変速モードが設けられている。従って、変速モードで運転を行えば、調理室11内に隈無く洗剤を行き渡らせることが出来る。加えて、循環ファン18の駆動方向を正逆反転させることが可能である。仮に、回転方向が一定の方向に定まっていると、流れの影となるところができるからそこに洗剤が付着し難くなるが、回転方向を反転させることで、これを解消することが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態によれば、循環ファンの回転数を連続的に変化させたが、段階的に変化させるものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る加熱調理器の水平断面図 加熱調理器の垂直断面図 熱パイプを示す図 洗浄ロッドの取りつけ構造を示す図 同じく、洗浄ロッドの取りつけ構造を示す図 すすぎロッドの正面図 すすぎロッドの平面図 洗浄工程のフローチャート 洗剤噴霧工程のタイムチャート 粗すすぎ工程のタイムチャート 仕上げすすぎ工程のタイムチャート
符号の説明
10…調理庫
15…仕切板
18…循環ファン
41…洗浄ロッド(噴霧器)
45…ノズル(噴霧器)

Claims (5)

  1. 調理庫内を洗浄をするための洗浄装置であって、
    前記調理庫内に装着され、前記調理庫内に洗剤あるいはすすぎ水を噴霧可能とされた噴霧器と、
    前記調理庫内に付設され、前記噴霧器より噴霧された洗剤あるいはすすぎ水を前記調理庫内に循環させるファンと、
    前記洗剤等を循環させる際に、前記ファンの回転速度を定速回転させる定速モードと、変速回転させる変速モードに制御可能な制御装置とを備えたことを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記制御装置は前記ファンの回動方向を正逆反転可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記調理庫内には同庫内を前記調理室と熱交換室とに仕切る仕切板が設けられるとともに、
    前記熱交換室内には前記仕切板に対向するようにして前記ファンが配置される一方、前記仕切板には板面に吸い込み口が形成され、外周部に吹き出し部が形成されることで、
    前記ファンが駆動されると、前記調理室内の空気は吸い込み口を介して前記熱交換室に吸引され、同熱交換室からは吸い込まれた空気が前記吹き出し部を介して再び前記調理室内へ送風されることで空気の循環が行われるものにおいて、
    前記制御装置による前記ファンの制御には、前記循環中に前記ファンの回動を停止させる休止モードが含まれるとともに、
    前記噴霧器は前記休止モード中に、前記洗剤あるいは前記すすぎ水を前記仕切板に直接吹き付け可能な構成であることを特徴とする請求項1ないし2に記載の洗浄装置。
  4. 前記すすぎ水を前記噴霧器に供給する供給路に同供給路を開閉する制御弁が設けられたものにおいて、
    前記制御装置は、前記噴霧器よりすすぎ水を噴霧して前記調理室内の洗剤を洗い流す際に、前記制御弁を間欠的に作動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の洗浄装置。
  5. 前記調理庫には、熱源を有する水槽を備え前記調理庫内に前記水槽内で発生する蒸気を供給可能な蒸気供給装置が付設されるとともに、
    前記調理庫を洗浄する洗浄工程中に前記洗剤及びすすぎ水の噴霧が停止される停止期間が設けられたものにおいて、
    前記制御装置は前記停止期間中に、前記蒸気供給装置を駆動させて前記調理庫内に蒸気を供給させることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のいずれかに記載の洗浄装置。
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