JP2005230026A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱収縮包装された包装用シートの不正な取外しを防止可能であり且つ遊技ホールへの設置作業及び遊技を支障なく行うことが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 熱収縮によって遊技機P1外周に密着した包装用シートSを遊技機P1からずらして取り外そうとする際に、包装用シートSがシート取外し防止用突起10b等に当接して係止されることにより包装用シートSの不正な取外しが確実に防止される。また、シート取外し防止用突起10b等を構成する突起部材11は外枠10の内側から取り付けネジ12によって固定されているので、包装された遊技機P1本体における突起部材11の取外しが防止される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機、特に、不正改造防止を考慮した熱収縮包装が施される遊技機に関する。
従来、パチンコ機等の遊技機の出荷には、遊技機全体をホールに納入する形態と、いわゆる板替えの際に遊技板をホールに納入する形態とがあるが、遊技機全体を製造して納入する場合、遊技機の製造ラインにて、遊技機全体を製造し、製造した遊技機の遊技板や基板ボックスやROMに証紙を貼付した後、不正改造防止のため遊技機全体をビニール袋に密封するように袋詰めされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、遊技機全体を包装したビニール袋を開封して遊技機を取り出し、制御装置に不正改造を行った後、ビニール袋内に遊技機を戻し、ビニール袋の開封部分を何らかの方法によって塞ぐなどの細工が行われた場合は、元の包装状態と殆ど見分けが付かない場合も生じうるという問題が指摘されている。
一方、不正改造防止とパチンコ機の外径寸法の確認作業容易化の観点から、内枠と外枠とから構成されるパチンコ機の内枠のみを封印包装して外枠と共に配送可能としたパチンコ機の包装方法が提案されている。具体的には、(1)伸縮性の有るビニールシートを伸張して内枠の機能、製品に支障のない強度で制御装置部分に横方向に巻きつけ、巻きつけた箇所を接着材や熱溶着、又はパチンコ機メーカのロゴ等が明示されているテープなどで封印包装する方法、(2)内枠全体を袋状のシートに上から入れて、上部で密封する方法、(3)内枠に対して縦方向に制御装置部分にシートを巻きつけテープで封印する方法、(4)シートを分割して制御装置部分に巻きつけてテープで封印する方法、(5)制御装置部分にテープのみを巻きつける方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載されたパチンコ機の包装方法では、作業性や不正改造発見の観点で欠点がある。例えば、(1)、(3)又は(4)の各方法では、ビニールシートを伸張して内枠に巻きつけるため、シートの伸張強度が強すぎるとシートの破れや不正改造保護部分の破損を生じる可能性があり、弱すぎると不正改造保護部分への密着性が不足し、元の包装状態と見分けがつかないように再包装を行うことが容易になってしまうという欠点がある。また、(2)又は(5)の方法についても、元の包装状態と略同様の外観を呈するように再包装を行うことが比較的容易であるという欠点がある。
そこで、本出願人は、このような問題点に鑑みて、特願2003−317588号において、メイン基板等の遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを遊技機の外周に被着するシート被着工程と、遊技機の外周に被着された包装用シートの少なくとも一部に熱風の吹きつけ等による熱処理を施す熱処理工程とを備えた遊技機の包装方法を提案している。さらに、本出願人は、特願2004−325340号において、この包装方法を実施するための包装装置を提案している。そして、これら本出願人提案による遊技機の包装方法及び包装装置によれば、包装用シートの被熱処理部分が収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着するので、不正改造の発見がより確実になると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。
特開2003−93623号公報 特開2002−52157号公報
しかしながら、熱収縮した包装用シートを引っ張って拡げながら、遊技機本体外周における外方への突出が少ない方向へ丁寧にずらしつつ遊技機から取り外すことにより、シートに痕跡を殆ど残すことなく包装を開封することもが全く不可能とは断定できないという問題がある。そこで、このような問題を対応するために、シートの取外しを防止するための突起を遊技機の外周に設けることも考えられるが、遊技ホールで遊技機を設置する際又は遊技機を使用して遊技を行う際に、シート取外し防止用の突起が邪魔になるという新たな問題が生じる可能性もある。
解決しようとする課題は、熱収縮包装された包装用シートの不正な取外しを防止可能であると共に、遊技ホールへの設置や遊技に支障のない遊技機を提供することである。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.開閉可能に設けられた複数の構成部材によって本体が構成されると共に、熱可塑性の包装用シートを本体外周に被着させて熱収縮包装される遊技機であって、
前記複数の構成部材の少なくとも一つに突起部材が着脱可能に取り付けられることによってシート取外し防止用突起が形成され、
前記突起部材は、前記複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、シート取外し防止用突起によって包装用シートが係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、遊技機における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。また、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態とする必要がある。よって、遊技機本体が包装用シートによって包装された状態では、突起部材を取外すことができないので、包装用シートの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、遊技機が遊技ホール等に納入された後、突起部材を取り外してシート取外し防止用突起の無い状態とすることができるので、遊技機の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
2.前記複数の構成部材には、遊技領域を有する遊技板が設けられた本体枠と、その本体枠に対して開閉可能に設けられて前記遊技板を背面側から覆う機構板とが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記機構板が前記本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、機構板が本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに機構板を開放することが必要とされ、包装された遊技機本体における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
3.前記突起部材は、前記機構板に取り付けられ、且つその機構板を前記本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、突起部材が機構板に取り付けられ、且つ機構板を本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されているので、機構板が本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
4.前記突起部材は、前記本体枠に取り付けられ、且つその機構板を前記本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段4によれば、突起部材が本体枠に取り付けられ、且つ機構板を本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されているので、機構板が本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
5.前記複数の構成部材には、遊技領域を有する遊技板が設けられた本体枠と、その本体枠に対して開閉可能に設けられて前記遊技板を前面側から覆う前面枠とが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記前面枠が前記本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能に取り付けられたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段5によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、前面枠が本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに前面枠を開放することが必要とされ、遊技機本体の包装状態における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
6.前記突起部材は、前記前面枠に取り付けられ、且つその前面枠を前記本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されたことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
手段6によれば、突起部材が前面枠に取り付けられ、且つ前面枠を本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されているので、前面枠が本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
7.前記突起部材は、前記本体枠に取り付けられ、且つ前記前面枠を前記本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されたことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
手段7によれば、突起部材が本体枠に取り付けられ、且つ前面枠を本体枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されているので、前面枠が本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
8.前記複数の構成部材には、遊技領域を有する遊技板が設けられた本体枠と、矩形開口を有する枠状に構成されて前記本体枠を開閉可能に支持する外枠とが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記本体枠が前記外枠に対して開放された状態でのみ取外し可能に取り付けられたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段8によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、本体枠が外枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに本体枠を開放することが必要とされ、遊技機本体の包装状態における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
9.前記突起部材は、前記外枠に取り付けられ、且つその外枠の内側から固定されたことを特徴とする手段8に記載の遊技機。
手段9によれば、突起部材が外枠に取り付けられ、且つ外枠の内側から固定されているので、本体枠が外枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
10.前記突起部材は、前記本体枠に取り付けられ、且つその本体枠を前記外枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されたことを特徴とする手段8に記載の遊技機。
手段10によれば、突起部材が本体枠に取り付けられ、且つ本体枠を外枠側へ閉じた状態で内側となる位置で固定されているので、本体枠が外枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
11.前記複数の構成部材には、遊技領域を有する遊技板が設けられた本体枠と、その本体枠に対して開閉可能に設けられて前記遊技板を背面側から覆う機構板と、矩形開口を有する枠状に構成されて前記本体枠を開閉可能に支持する外枠とが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記機構板に取り付けられ、且つ前記本体枠が前記外枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段11によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、機構板に取り付けられ、且つ本体枠が外枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに本体枠を開放することが必要とされ、包装された遊技機本体における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
12.前記複数の構成部材には、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールが収容される本体キャビネットと、その本体キャビネットの前面を覆うように開閉可能に取り付けられ、各回転リールの図柄を視認可能な表示窓を設けたフロントパネルとが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記フロントパネルが前記本体キャビネットに対して開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段12によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、フロントパネルが本体キャビネットに対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらにフロントパネルを開放することが必要とされ、包装された遊技機本体における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
13.前記突起部材は、前記フロントパネルに取り付けられ、且つそのフロントパネルの内側から固定されたことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
手段13によれば、突起部材がフロントパネルに取り付けられ、且つフロントパネルの内側から固定されているので、フロントパネルが本体キャビネットに対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
14.前記突起部材は、前記本体キャビネットに取り付けられ、且つその本体キャビネットの内側から固定されたことを特徴とする手段12に記載の遊技機。
手段14によれば、突起部材が本体キャビネットに取り付けられ、且つ本体キャビネットの内側から固定されているので、フロントパネルが本体キャビネットに対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
15.前記複数の構成部材には、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールが収容される本体枠と、その本体枠の前面を覆うように開閉可能に取り付けられ、各回転リールの図柄を視認可能な表示窓を設けたフロントパネルとが少なくとも含まれ、
前記突起部材は、前記フロントパネルが前記本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段15によれば、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、フロントパネルが本体枠に対して開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらにフロントパネルを開放することが必要とされ、包装された遊技機本体における突起部材の取外しを確実に防止することができる。
16.前記突起部材は、前記フロントパネルに取り付けられ、且つそのフロントパネルの内側から固定されたことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
手段16によれば、突起部材がフロントパネルに取り付けられ、且つフロントパネルの内側から固定されているので、フロントパネルが本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
17.前記突起部材は、前記本体枠に取り付けられ、且つその本体枠の内側から固定されたことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
手段17によれば、突起部材が本体枠に取り付けられ、且つ本体枠の内側から固定されているので、フロントパネルが本体枠に対して開放された状態でのみ突起部材が取外し可能とされる。
18.前記シート取外し防止用突起は、遊技機本体外周において前記包装用シートによって覆われる所定領域の外側に設けられたことを特徴とする手段1乃至17のいずれかに記載の遊技機。
手段18によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、包装用シートによって覆われる遊技機本体外周の所定領域の外側に設けられたシート取外し防止用突起に当接して係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。
19.前記シート取外し防止用突起は、前記所定領域を挟む両側の領域に設けられたことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
手段19によれば、所定領域を挟む両側の領域にシート取外し防止用突起部が設けられているので、包装用シートをいずれの方向にずらした場合にもシート取外し防止用突起によって係止されることにより包装用シートの不正な取外しが防止される。
20.前記シート取外し防止用突起は、前記所定領域の端部に近接した位置に設けられたことを特徴とする手段18又は19に記載の遊技機。
手段20によれば、所定領域の外側であって所定領域の端部に近接した位置にシート取外し防止用突起が設けられているため、包装用シートのシート取外し防止用突起側への移動が確実に禁止される。
21.前記シート取外し防止用突起の突出高さは、前記所定領域内で最も突出した箇所よりも高く設定されたことを特徴とする手段18乃至20のいずれかに記載の遊技機。
手段21によれば、シート取外し防止用突起の突出高さが、所定領域内で最も突出した箇所よりも高く設定されているので、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側に設けられたシート取外し防止用突起に確実に当接して係止される。
22.前記遊技機本体外周の所定領域には、遊技機の制御に関連する部分が含まれることを特徴とする手段18乃至21のいずれかに記載の遊技機。
手段22によれば、熱収縮によって遊技機の制御に関連する部分を含む遊技機本体外周の所定領域に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側の領域に設けられたシート取外し防止用突起によって係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、遊技機の制御に関連する部分への不正改造の未然防止及び不正改造の発見容易化を図ることができる。
23.前記遊技機の制御に関連する部分には、遊技機背面に設けられたLED基板、ランプ制御基板、音声制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板の少なくとも一つを覆う役物カバーが含まれることを特徴とする手段22に記載の遊技機。
手段23によれば、熱収縮によって役物カバーを含む遊技機本体外周の所定領域に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側の領域に設けられたシート取外し防止用突起に当接して係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、LED基板、ランプ制御基板、音声制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板等への不正改造の未然防止及び不正改造の発見容易化を図ることができる。
24.前記遊技機の制御に関連する部分には、遊技機背面に設けられて遊技機の主制御を行う主制御基板を収容する主制御基板ボックスが含まれることを特徴とする手段22又は23に記載の遊技機。
手段24によれば、熱収縮によって主制御基板ボックスを含む遊技機本体外周の所定領域に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側の領域に設けられたシート取外し防止用突起に当接して係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、主制御基板への不正改造の未然防止及び不正改造の発見容易化を図ることができる。
25.前記遊技機の制御に関連する部分には、遊技機背面に設けられて遊技球の払出し制御を行う払出制御基板を収容する払出制御基板ボックスが含まれることを特徴とする手段22乃至24のいずれかに記載の遊技機。
手段25によれば、熱収縮によって払出制御基板ボックスを含む遊技機本体外周の所定領域に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側の領域に設けられたシート取外し防止用突起に当接して係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、払出制御基板への不正改造の未然防止及び不正改造の発見容易化を図ることができる。
26.前記シート取外し防止用突起は、遊技機本体外周において前記包装用シートによって覆われる所定領域内に設けられたことを特徴とする手段1乃至25のいずれかに記載の遊技機。
手段26によれば、包装用シートが熱収縮することにより遊技機本体外周の所定領域に密着すると共に、所定領域内に設けられたシート取外し防止用突起に係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。
27.前記シート取外し防止用突起は、遊技機本体外周の複数箇所に設けられたことを特徴とする手段1乃至26のいずれかに記載の遊技機。
手段27によれば、シート取外し防止用突起が遊技機本体外周の複数箇所に設けられているので、包装用シートが複数箇所でシート取外し防止用突起に係止されて取外しがより確実に防止される。
28.前記シート取外し防止用突起は、少なくとも遊技機本体外周の左右両側に設けられたことを特徴とする手段27に記載の遊技機。
手段28によれば、シート取外し防止用突起が遊技機本体外周の左右両側に設けられているので、包装用シートが左右でシート取外し防止用突起によって係止されて取外しがより確実に防止される。
29.前記シート取外し防止用突起は、少なくとも遊技機本体外周の上下両側に設けられたことを特徴とする手段27又は28に記載の遊技機。
手段29によれば、シート取外し防止用突起が遊技機本体外周の上下両側に設けられているので、包装用シートがシート取外し防止用突起によって上下両方向における取外しが確実に防止される。
30.前記シート取外し防止用突起は、少なくとも遊技機前面側に突出するように設けられたことを特徴とする手段1乃至29のいずれかに記載の遊技機。
手段30によれば、包装用シートが遊技機前面に突出するシート取外し防止用突起に係止されて取外しが防止される。
31.前記シート取外し防止用突起は、少なくとも遊技機背面側に突出するように設けられたことを特徴とする手段1乃至30のいずれかに記載の遊技機。
手段31によれば、包装用シートが遊技機背面側に突出するシート取外し防止用突起に係止されて取外しが防止される。
32.前記シート取外し防止用突起は、少なくとも遊技機側面側に突出するように設けられたことを特徴とする手段1乃至31のいずれかに記載の遊技機。
手段32によれば、包装用シートが遊技機側面側に突出するシート取外し防止用突起に係止されて取外しが防止される。
33.前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする手段1乃至11、又は18乃至32のいずれかに記載の遊技機。
手段33によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートをパチンコ機からずらして取り外そうとする際に、シート取外し防止用突起によって包装用シートが係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、パチンコ機における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。また、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態とする必要がある。よって、パチンコ機本体が包装用シートによって包装された状態では、突起部材を取外すことができないので、包装用シートの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、パチンコ機が遊技ホール等に納入された後、突起部材を取り外してシート取外し防止用突起の無い状態とすることができるので、パチンコ機の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
34.前記遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする手段1、12乃至14、18乃至22、又は26乃至32のいずれかに記載の遊技機。
手段34によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートをスロットマシンからずらして取り外そうとする際に、シート取外し防止用突起によって包装用シートが係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、スロットマシンにおける不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。また、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態とする必要がある。よって、スロットマシン本体が包装用シートによって包装された状態では、突起部材を取外すことができないので、包装用シートの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、スロットマシンが遊技ホール等に納入された後、突起部材を取り外してシート取外し防止用突起の無い状態とすることができるので、スロットマシンの設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
35.前記遊技機は、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールを有し、前記各回転リールの回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて遊技球が払い出されるパチロット機であることを特徴とする手段1、又は15乃至32のいずれかに記載の遊技機。
手段35によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートをパチロット機からずらして取り外そうとする際に、シート取外し防止用突起によって包装用シートが係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、パチロット機における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。また、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態とする必要がある。よって、パチロット機本体が包装用シートによって包装された状態では、突起部材を取外すことができないので、包装用シートの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、パチロット機が遊技ホール等に納入された後、突起部材を取り外してシート取外し防止用突起の無い状態とすることができるので、パチロット機の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
本発明によれば、熱収縮によって遊技機本体外周に密着した包装用シートを遊技機からずらして取り外そうとする際に、シート取外し防止用突起によって包装用シートが係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、遊技機における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。また、シート取外し防止用突起を構成する突起部材は、複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であるので、突起部材を取り外すためには、まず包装用シートを開封し、さらに複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態とする必要がある。よって、遊技機本体が包装用シートによって包装された状態では、突起部材を取外すことができないので、包装用シートの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。また、遊技機が遊技ホール等に納入された後、突起部材を取り外してシート取外し防止用突起の無い状態とすることができるので、遊技機の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
以下、本発明の遊技機の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。最初に、第一の実施形態における遊技機P1の概略構成について図1乃至図4を参照しつつ説明する。遊技機P1は、図1乃至図4に示すように、外枠10、本体枠20、遊技板30、前面枠60及び機構板80を備えて構成されるパチンコ機である。なお、図1は遊技機P1を正面から見て示す正面図であり、図2は図1の遊技機P1を上面から見て示す上面図であり、図3は図1の遊技機P1を背面から見て示す背面図であるが、実際の出荷時にはガラス枠61の背面に段ボール紙製の遊技板保護材90が挿入されており、遊技領域31は隠れた状態となっている(図12参照)。また、図4は、本体枠20を外枠10に対して開放すると共に、前面枠60を本体枠20に対して開放した状態を示す遊技機P1の斜視図である(但し、図4では遊技板30は省略されている)。尚、外枠10、本体枠20、前面枠60及び機構板80が、本発明における開閉可能に設けられた複数の構成部材を構成するものである。
外枠10は、遊技機P1のベースとなる枠であり、板材により全体として矩形状に構成され、矩形板状の本体枠20よりも僅かに大きいサイズの矩形開口10aを有している。また、出荷時には、外枠10の左側面上下及び右側面上下の4箇所に、長さ十数cm程度の細長い板状の突起部材11がそれぞれ取り付けられ、遊技機P1上部の左右両側にて数cm程度前方側へ突出するシート取外し防止用突起10b,10b、同じく背面側へ突出するシート取外し防止用突起10c,10c、遊技機P1下部の左右両側にて数cm程度前方側へ突出するシート取外し防止用突起10d,10d、同じく背面側へ突出するシート取外し防止用突起10e,10eがそれぞれ形成されている。また、上部のシート取外し防止用突起10b,10b,10c,10cは、後述する役物カバー85よりも上方に設けられ、背面側のシート取外し防止用突起10c,10cの下端が、役物カバー85上端に対して上側から近接する位置関係となっている。一方、下部のシート取外し防止用突起10d,10d,10e,10eは、後述する払出制御基板ボックス86よりも下方に設けられ、背面側のシート取外し防止用突起10e,10eの上端が、払出制御基板ボックス86下端に対して下側から近接する位置関係となっている。
また、突起部材11は、図4の分解斜視図に示すように、外枠10の内側から取り付けネジ12によって締結固定されている。以下、突起部材11の取り付け構造の詳細について、図5を参照しつつ説明する。尚、図5は図3におけるA−A線矢視方向におけるシート取外し防止用突起10b,10c付近の拡大断面図であり、(a)は本体枠20が外枠10側へ閉じた状態を、(b)は本体枠20が外枠10に対して開放された状態で取り付けネジ12が取り外される様子をそれぞれ表わしている。取り付けネジ12は、外枠10の内側から挿通孔10fに挿通され、突起部材11に形成されたネジ孔11aに螺合される。また、図5(a)に示すように、本体枠20が外枠10側へ閉じた状態では、本体枠20及び機構板80上の遊技球タンク81が、外枠10の内側にて露出するネジ頭12aに近接した位置で対向しているため、ドライバの先端をネジ頭12aに差し込むことはできず、取り付けネジ12を弛めて突起部材11を取り外すことは不可能である。一方、図5(b)に示すように、本体枠20が外枠10に対して開放された状態では、外枠10内側のネジ頭12a付近が本体枠20等によって遮られることがないため、ドライバを用いて取り付けネジ12を弛めることができ、これにより突起部材11を取り外すことができる。従って、遊技機P1が遊技ホール等に納入されると、まず、包装用シートSを開封し、さらに本体枠20を外枠10に対して開放した状態で4個の突起部材11を取り外した後に、遊技機P1の設置作業が行われる。
本体枠20は、遊技板30が取り付けられる枠であり、図1において矩形開口10aの左端にて枢支されており、図示しない回転軸を中心に回動し、外枠10に対して開閉可能かつ着脱可能に装着される。また、本体枠20の前面下部20aは、合成樹脂、より具体的には、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂等の熱可塑性樹脂により構成されている。
遊技板30は、前面では、図1において下端中央から右巻きに概略一回転する外枠レールに取り囲まれる略円形の領域が遊技球を流下させる遊技領域31となっている。この遊技領域31には、多数の釘や、複数の入賞口や、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト球回収口や、遊技の状況を表示する表示装置などが配設されている。
前面枠60は、遊技板30の前面側に設けられる合成樹脂製の枠であり、図1において本体枠20の左端にて枢支される。前面枠60には、遊技領域31を臨むガラス板が嵌め込まれるガラス枠61、ガラス枠61の周囲を取り囲むように配置される装飾ランプ62、上皿63が設けられており、遊技板30の前面側となるように本体枠20に取り付けられる。装飾ランプ62は、図示しない電球と、電球を覆うように取り付けられ、電球の光を透過可能な合成樹脂製のランプカバー62aとから構成される。また、上皿63は、払い出された遊技球及び遊技者が投入した遊技球を発射機構40へ供給する樹脂からなる受皿部材である。本体枠20の下部には、遊技球の発射機構40と、概略矩形形状に形成された樹脂製流路板50とが取り付けられる。また、流路板50の前面側にて下皿70が本体枠20下部に枢支されて取り付けられる。下皿70は、上皿63より誘導された遊技球を受けて貯留する樹脂からなる受皿部材である。さらに、本体枠前面下部20aには、発射機構40の一部を構成する発射ハンドル41が取り付けられる。発射ハンドル41は、合成樹脂により構成され、遊技球を発射するために遊技者の手により回動操作される。
機構板80は、合成樹脂により構成されており、本体枠20の背面側に設けられたヒンジ金具により支持されて開閉可能に取り付けられる。同機構板80は、遊技板30を背面側から覆うカバーの役割を果たすとともに、遊技球タンク81に貯留された遊技球を上皿63や下皿70に払い出す遊技球の流路としての役割も果たすようになっている。遊技球タンク81は、遊技機背面の機構板80上部に設けられて払い出し用の遊技球を貯留する樹脂からなるタンク部材である。
本体枠20背面の上下方向中央から上部には、図示しないLED基板、ランプ制御基板、音声制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板等が設けられ、機構板80にはこれらの基板を覆うように、透明の合成樹脂からなる役物カバー85が設けられている。また、本体枠20背面の役物カバー85によって覆われるLED基板等の下方には、透明の合成樹脂からなる主制御基板ボックスとしてのメイン基板ボックス82が設けられており、同基板ボックス82には遊技板の種類に応じたROM83や図示しないCPUやRAM等を備えて遊技機の主制御を行う主制御基板としてのメイン基板84が収容されている。また、本体枠20背面のメイン基板ボックス82の下方には、透明の合成樹脂からなる払出制御基板ボックス86が設けられており、同基板ボックス86には遊技球の払出し制御を行う払出制御基板87が収容されている。
次に、遊技機P1の熱収縮包装に用いる包装装置101の構成について図6及び図7を参照しつつ説明する。ここで、図6は、包装装置101の全体構成を示す正面図であり、図7は、遊技機P1が第1コンベア装置113によって搬送される状態を示す包装装置101の平面図である。尚、図6は、遊技機P1は遊技機背面側を正面とする横向きの起立状態で搬送される状態を表わしており、図7では、機枠115,支柱125等の図示を省略している(図9も同様)。
包装装置101は、図6に示されるように、シート被着機構111と、熱処理機構151と、シート被着機構111及び熱処理機構151の各部と電気的に接続され、装置全体の動作制御を行う制御装置191とから構成される。以下、シート被着機構111及び熱処理機構151の詳細構成について順に説明する。
シート被着機構111は、遊技機P1の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、包装用シートSを遊技機P1の外周に被着するための装置であり、図6及び図7に示されるように、シート供給機構112と、第1コンベア装置113と、熱溶着切断機構114とから構成されている。
シート供給機構112には、機枠115の上流側端部近傍に第1コンベア装置113を挟んで一対の回転軸116,116が回転自在に立設されている。そして、回転軸116,116に、包装用シートSを巻き込んだシートロールRの中空軸をそれぞれ嵌め込むことにより、一対のシートロールR,Rが縦置きで回転自在に設けられる。
ここで、包装用シートSは、熱可塑性材料、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる長尺状のシートである。包装用シートSの幅は、役物カバー85、メイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86の全体を覆うことができるように、役物カバー85の上端から払出し制御基板ボックス86下端までの長さよりも若干長く設定されることが好ましい。
また、送りローラ117,117及び118,118は、シートロールR,Rの下流側近傍に設けられ、一方の送りローラ118,118を図示しないモータ制御装置により回転駆動するように設けられている。また、複数(図7では3個)の中間ローラ119,119、及び第1コンベア装置113の下流側端部近傍に設けられた一対のガイドローラ120,120は、それぞれ回転自在に設けられている。そして、シート供給機構111は、図7に示すように、送りローラ117,117及び118,118が図示しないモータ装置の回転制御によってシートロールRからシートSを繰り出し、中間ローラ119を経てガイドローラ120側に供給する。
第1コンベア装置113は、公知のベルトコンベア装置であり、横向き起立姿勢の遊技機P1を上流側から搬入する。第1コンベア装置113は、図示しない電動モータにより駆動される駆動ローラ軸121を回転自在に設け、その駆動ローラ軸121に細長い搬送フレーム122の一端部を相対回転可能に設ける。そして、その搬送フレーム122の下流側端部のローラ123と駆動ローラ軸121とに無端状の搬送ベルト124が掛け渡され、その搬送ベルト124上に載置された遊技機P1を装置下流側へ搬送する。
熱溶着切断機構114は、シート供給機構112から供給されるシートS,Sを、遊技機P1の搬送方向前方側及び後方側でそれぞれ重ね合わせて縦方向に熱溶着し且つ溶着箇所の中間で切断する装置である。熱溶着切断機構114は、第1コンベア装置113の下流側端部近傍に設けられ、図7に示すように、第1コンベア装置113を挟んで左右両側の支柱125,125に、上下に配置されたガイドロッド126が水平方向に進退自在に設けられ、その支柱125に取り付けた空圧シリンダ127のロッドの先端部が、それらのガイドロッド126先端のベース部分に固定する。対向状に配置された一方のベース部分には、2列の縦長の熱溶着バー129を取り付け、他方のベース部分に取り付けた熱溶着バー131の内面に切断用ヒーター線132を縦方向に張設する。そして、一対の熱溶着バー129,131は、各空圧シリンダ127,127により開閉自在に設けられ、それら熱溶着バー129,131を閉じて包装用シートSに熱溶着を施すと共に、その溶着箇所の中間を切断用ヒーター線132により切断するように構成される。
熱処理機構151は、第2コンベア装置152と、第3コンベア装置153と、熱風発生装置154と、第1送風管161〜第8送風管168と、第1ノズル171〜第8ノズル178とから構成されている。
第2コンベア装置152は、第1コンベア装置113の装置下流側に設けられ、遊技機P1を熱溶着切断位置H1から熱処理位置H3まで搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。
第3コンベア装置153は、第2コンベア装置152の下流側に設けられ、熱処理位置H3から下流側へ搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。尚、第2コンベア装置152及び第3コンベア装置153は、第1コンベア装置113と同様の構成であるので、詳細説明を省略する。
熱風発生装置154は、図示しない電動ファンとヒータとを内蔵して熱風を発生する装置であり、発生した熱風を送出するための第1送風管161〜第8送風管168が接続されおり、第1送風管161〜第8送風管168の先端に第1ノズル171〜第8ノズル178が設けられている。従って、熱風発生装置154は、電動ファンを駆動させることにより周囲から吸い込まれた空気がヒータによって熱せられ、第1送風管161〜第8送風管168へ送出されて、第1ノズル171〜第8ノズル178から熱風として吹き出すようになっている。
ここで、第1ノズル171〜第8ノズル178の配設位置について説明する。第1ノズル171〜第2ノズル172は、遊技機P1の搬送方向において、第2コンベア装置152の上流側端部からやや下流寄りの位置(予備熱処理位置H2)に、第3ノズル173〜第8ノズル178は、第2コンベア装置152の下流側端部と第3コンベア装置153の上流側端部との間の位置(熱処理位置H3)にそれぞれ設けられる。
そして、第1ノズル171は、遊技機P1が第2コンベア装置152上を搬送される状態において、遊技機P1前面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。また、同様の状態で、第2ノズル172は、遊技機P1背面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
第3ノズル173は、遊技機P1が第2コンベア装置152上から第3コンベア装置153上へ搬送される状態において、遊技機P1の前面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第4ノズル174は、遊技機P1前面上下方向中間に向かって、第5ノズル175は、遊技機P1前面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
一方、第6ノズル176は、遊技機P1が第2コンベア装置152から第3コンベア装置153にかけて搬送される状態において、遊技機P1の背面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第7ノズル177は、遊技機P1の背面上下方向中間に向かって、第8ノズル178は、遊技機P1の背面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
尚、熱風発生装置154は、第1送風管161〜第2送風管162を介して第1ノズル171〜第2ノズル172へ送出される熱風の温度と、第3送風管163〜第8送風管168を介して第3ノズル173〜第8ノズル178へ送出される熱風の温度とを制御装置191において個別に設定可能に構成されている。すなわち、予備熱処理位置H2に設けられた第1ノズル171〜第2ノズル172から吹き出される熱風の温度は、例えば、150℃程度に設定され、熱処理位置H3に設けられた第3ノズル173〜第8ノズル173から吹き出される熱風の温度は、例えば、300℃程度に設定される。ここで、第1〜第2ノズル171〜172から吹き出される熱風の温度が相対的に低く設定されるのは、予備熱処理位置H2における熱風の吹きつけは、遊技機P1に緩く巻きつけられた包装用シートSがずり落ちない程度に熱収縮させればよいため比較的低温で十分だからである。一方、第3ノズル173〜第8ノズル178から吹き出される熱風の温度が相対的に高く設定されるのは、熱処理位置H3における熱風の吹きつけは、包装用シートSを十分に熱収縮させて遊技機P1に強固に密着させるため、ある程度高温とする必要があるからである。
次に、包装装置101により遊技機P1に熱収縮包装を実施する際における作用について図6〜図10を参照しつつ説明する。遊技機P1の組み立てが完了すると、遊技機P1のガラス枠61に遊技板保護材90が装着される。そして、遊技板保護材90が装着された遊技機P1が本装置101の上流側から第1コンベア装置113へ投入され、搬送ベルト124上に載置された遊技機P1が第1コンベア装置113の下流側端部まで搬送されると、包装用シートS,Sは熱溶着切断機構114の一対の熱溶着バー129,131が閉じることによって熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線132によって切断される(図7参照)。これにより、当該遊技機P1を包装するための包装用シートS,Sが、先行して搬送される遊技機を包装するための包装用シートから分離される。そして、熱溶着により接合され且つガイドローラ120,120によって張設された包装用シートS,Sが、遊技機P1の搬送方向先端側の側面に当接し、遊技機P1が搬送ベルト124上を搬送されるのに伴って、包装用シートS,Sがシート供給機構112を介してシートロールR,Rからそれぞれ繰り出されて遊技機P1側へ供給されることにより、遊技機P1の前面側及び背面側が包装用シートS,Sによって徐々に覆われていく。
このとき、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた包装用シートSの上部は、予備熱処理位置H2を通過する際に、所定温度(例えば、約150℃)の熱風が第1ノズル171から前面枠60上部に対して、第2ノズル172から遊技機P1背面上部に対してそれぞれ吹きつけられることにより収縮する。尚、以下の説明において、包装用シートSへの第1ノズル171及び第2ノズル172による熱風の吹きつけを「予備熱処理」と称し、後述する第3ノズル173〜第8ノズル178による熱風の吹きつけを単に「熱処理」と称することにより、両者を区別することとする。図8は、当該遊技機P1に巻きつけられた包装用シートへ予備熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
遊技機P1が第1コンベア装置113上から第2コンベア装置152上へ移り、遊技機P1の搬送方向後方側の側面が熱溶着位置H1を通過すると、包装用シートS,Sは熱溶着機構114の一対の熱溶着バー129,131が閉じることによって遊技機P1の搬送方向後方側で熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線132によって切断されることにより筒状に成形される。ここで、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた包装用シートSの上部は、予備熱処理位置H2を通過する際に、第1ノズル171及び第2ノズル172からの熱風の吹きつけによる予備熱処理によって収縮するため、包装用シートS,Sが切断されてシートロールR側の包装用シートS,Sから分離されても下方へずり落ちることはない。
次に、第2コンベア装置152により遊技機P1が熱処理位置H3へ搬送されると、図9に示すように、第2コンベア装置152及び/又は第3コンベア装置153によって遊技機P1が搬送されながら、第3ノズル173〜第8ノズル178から遊技機P1へ被着された包装用シートSへ所定温度(例えば、約300℃)の熱風が吹きつけられる。そして、包装用シートSの熱風が吹きつけられた箇所が熱収縮することにより、包装用シートSが遊技機P1本体外周へ略密着する。図10は、当該遊技機P1に巻きつけられた包装用シートSへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
具体的には、図10に示されるように、第3ノズル173が、前面枠60前面上部に対して、第4ノズル174が、上皿63を含む前面枠60下部に対して、第5ノズル175が下皿70、発射ハンドル41を含む本体枠前面下部20aに対して、第6ノズル176が遊技機P1背面上部の役物カバー85上縁部に対して、第7ノズル177が遊技機P1背面上下方向中間のメイン基板ボックス82下部及び払出制御基板ボックス86上部に対して、第8ノズル178が、遊技機P1背面下部の払出制御基板ボックス86下縁部に対してそれぞれ熱風を吹きつけることにより、包装用シートSが熱収縮して遊技機P1に略密着する。
次いで、遊技機P1は第3コンベア装置153により下流側へ搬送される間に常温で冷却されて包装用シートSの熱収縮部分が硬化するので、包装用シートSの遊技機P1への略密着状態が保たれる。以上により、包装装置101による遊技機P1への包装が完了する。
図11は、熱収縮包装が完了した遊技機P1の側面図であり、図12は、同じく遊技機P1を前面側から視た斜視図である。図11及び図12より、熱収縮した包装用シートSは、遊技機P1本体上部に設けられたシート取外し防止用突起10b,10b,10c,10cよりも下方且つ遊技機P1本体下部に設けられたシート取外し防止用突起10d,10d,10e,10eよりも上方において、遊技機P1本体の外周の段差形状に沿って略密着していることがわかる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、熱収縮によって遊技機P1外周に密着した包装用シートSを遊技機P1からずらして取り外そうとする際に、包装用シートSによって覆われる所定領域(役物カバー85から払出制御基板ボックス86までの領域)の外側に設けられたシート取外し防止用突起10b等に包装用シートSが当接して係止されることにより包装用シートSの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートSの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、パチンコ機である遊技機P1における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。特に、包装用シートSによって覆われる所定領域内に設けられた遊技機の制御に関連する部分、すなわち、役物カバー85に覆われるLED基板、ランプ制御基板、音声制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板等、メイン基板ボックス82に収容されるメイン基板84、払出制御基板ボックス86に収容される払出制御基板87への不正改造の未然防止及び不正改造発見の容易化を図ることができる。
また、シート取外し防止用突起10b等を構成する突起部材11は外枠10に取り付けられ、且つ外枠10の内側から取り付けネジ12によって固定されているので、突起部材11を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに本体枠20が外枠10に対して開放された状態とする必要がある。よって、遊技機P1本体が包装用シートSによって包装された状態では、突起部材11を取外すことができないので、包装用シートSの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。また、遊技機P1が遊技ホール等に納入された後、包装用シートSを開封し、さらに本体枠20を外枠10に対して開放した状態で4個の突起部材11を取り外し、シート取外し防止用突起10b等の無い状態とすることができるので(図13参照)、遊技機P1の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。尚、図13は、包装用シートS及び各突起部材11を取り外した状態を示す遊技機P1の斜視図である。
また、包装用シートSによって覆われる所定領域を挟む上下両側の領域に各シート取外し防止用突起部10b等が設けられているので、包装用シートSを上下いずれの方向にずらした場合にも不正な取外しが防止される。特に、シート取外し防止用突起10c,10cの下端は役物カバー85上端に、シート取外し防止用突起10e,10eの上端は払出制御基板ボックス86下端にそれぞれ近接した位置あるため、包装用シートSの上下方向への移動が確実に禁止される。また、シート取外し防止用突起10b等は外枠10の左右両側に設けられているので、包装用シートSが一対のシート取外し防止用突起10b等によって同時に係止されて不正な取外しがより確実に防止される。
次に、本実施形態に関する第一の変形例について図14を参照しつつ説明する。本変形例は、シート取外し防止用突起80a,80aを構成する突起部材13が、本体枠20に対して機構板80が開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする。すなわち、側面視L字形の突起部材13は、機構板80の遊技機P1背面側の左右2箇所に取り付けられると共に、機構板80を本体枠20側へ閉じた状態で内側となる位置(つまり、機構板80の本体枠20に対向する面)で取り付けネジ12によってそれぞれ締結固定される。本変形例によれば、突起部材13を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに機構板80を本体枠20に対して開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材13の取外しを確実に防止することができる。
次に、第二の変形例について図15を参照しつつ説明する。本変形例は、シート取外し防止用突起60a,60a,60b,60bを構成する突起部材14が、本体枠20に対して前面枠60が開放された状態でのみ取外し可能に取り付けられたことを特徴とする。すなわち、側面視L字形の突起部材14は、前面枠60の遊技機P1前面側の上部左右及び下部左右の4箇所に取り付けられると共に、前面枠60を本体枠20側へ閉じた状態で内側となる位置(つまり、前面枠60の本体枠20に対向する面)で取り付けネジ12によって締結固定される。本変形例によれば、突起部材14を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに前面枠60を本体枠20に対して開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材14の取外しを確実に防止することができる。
次に、第三の変形例について図16を参照しつつ説明する。本変形例は、第二の変形例と同様にシート取外し防止用突起を構成する突起部材が、本体枠20に対して前面枠60が開放された状態でのみ取外し可能に取り付けられたものであって、特に、突起部材を本体枠20に取り付けたものである。すなわち、シート取外し防止用突起20b,20b,20c,20cを構成する長方形板状の突起部材15,15は本体枠20の上面に、シート取外し防止用突起20d,20eを構成する突起部材16は本体枠20の下部側面にそれぞれ取り付けられると共に、前面枠60を本体枠20側へ閉じた状態で内側となる位置で取り付けネジ12によってそれぞれ締結固定される。本変形例によれば、突起部材15,15,16を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに前面枠60を本体枠20に対して開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材15等の取外しを確実に防止することができる。
次に、本発明の第二の実施形態について、図17乃至図22を参照しつつ説明する。第二の実施形態における遊技機P2は、スロットマシンであり、図17に示すように、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表示された複数(3個)の回転リール221が収容される本体キャビネット220と、本体キャビネット220の前面を覆うように開閉可能に取り付けられ、各回転リール221の図柄を視認可能な表示窓を設けたフロントパネル260とを備えている。尚、本体キャビネット220及びフロントパネル260が、本発明における開閉可能に設けられた複数の構成部材を構成するものである。
本体キャビネット220は、天板、左右の側板、底板、裏板などから構成され、例えば、薄板板金素材を切断、孔あけ、曲げ加工等して所定のパネル形状に加工した後、これ等の部材を溶接して図示する正面側に開口する箱状に形成される。また、図18の側面図及び図19の背面図に示すように、出荷時には、本体キャビネット220の背面の上下左右4箇所に直方体状の突起部材222がそれぞれ取り付けられ、上部の左右両側にシート取外し防止用突起220a,220aが、下部の左右両側にシート取外し防止用突起220b,220bがそれぞれ形成されている。また、上部のシート取外し防止用突起220a,220aは、包装用シートSによって覆われる所定領域よりも上方に設けられ、下部のシート取外し防止用突起220b,220bは、上記所定領域よりも下方に設けられている。
また、突起部材222は、図20に示すように、雄ネジが螺刻された取り付け軸222aを設け、本体キャビネット220内側においてナット223の締結により固着されている。尚、図20は図19におけるB−B線矢視方向におけるシート取外し防止用突起220a付近の拡大断面図であり、(a)は突起部材222が本体キャビネット220へ固定された状態を、(b)は突起部材222を取り外した状態をそれぞれ表わしている。フロントパネル260が本体キャビネット220側へ閉じた状態では、本体キャビネット220の内側にて締結されたナット223が外部に露出していないので、ナット223を弛めることはできない。一方、フロントパネル260が本体キャビネット220に対して開放された状態では、図20(b)に示すように、ナット223を弛めて突起部材222を取り外すことができる。
フロントパネル260は、合成樹脂の成型加工によって、本体キャビネット220の開口部分を覆う扉状に形成される。フロントパネル260には、本体キャビネット220に収容された左・中・右の回転リール221の前面側に対向する位置に、ガラスが嵌め込まれた表示窓263が設けられ、各回転リール221に表示された図柄が視認可能となっている。フロントパネル260上部には装飾ランプ262が設けられている。装飾ランプ262は、図示しない電球と、電球を覆うように取り付けられ、電球の光を透過可能な合成樹脂製のランプカバー262aとから構成される。
表示窓263の下方には、前方に突出する台状の操作部264が設けられている。この操作部264の上面には、クレジットされている遊技メダルを投入するためのベットスイッチや、クレジットされているメダルを払い出すためのキャンセルスイッチ等を含む各種スイッチ265、及び遊技メダルを投入するためのメダル投入口266が設けられている。また、操作部264の前面には、回転リール221の回転起動操作を行うスタートレバー267、及び左・中・右の回転リール221にそれぞれ対応して設けられたストップスイッチ268が設けられている。ここで、各種スイッチ265、スタートレバー267の先端に設けられた握り部267a及びストップスイッチ268は、それぞれ合成樹脂により構成されている。
フロントパネル260上部の装飾ランプ262と表示窓263との間の領域には、入賞図柄の説明が表示された化粧パネル271が、フロントパネル260上下方向中央に設けられた操作部264の下方の領域には、遊技機P2の機種名称等が描かれた化粧パネル272がそれぞれ取り付けられており、これらの化粧パネル271,272は合成樹脂により構成されている。
フロントパネル260の下部には、各回転リール221の回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて払い出された遊技メダルを受けて貯留するメダル受皿270が設けられている。メダル受皿270は、合成樹脂の成型加工により上面が開口する箱状に形成されている。
次に、包装装置101により遊技機P2に熱収縮包装を実施する場合において、遊技機P2へ被着された包装用シートSへ、第3ノズル173〜第8ノズル178から所定温度(例えば、約300℃)の熱風が吹きつけられる際の作用について説明する。図21は、当該遊技機P2に巻きつけられた包装用シートSへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。また、図22は、熱収縮包装が完了した遊技機P2の背面図である。図21及び図22に示されるように、遊技機P2に被着された包装用シートSにおいて、第3ノズル173が、遊技機P2前面上部に対して、第4ノズル174が、遊技機P2前面の操作部264上部に対して、第5ノズル175が同じく操作部264下部に対して、第6ノズル176が本体キャビネット220背面の上端近傍に対して、第7ノズル177が本体キャビネット220背面の上下方向中央に対して、第8ノズル178が、本体キャビネット220背面の下端近傍に対してそれぞれ熱風を吹きつけることにより、包装用シートSのそれぞれの箇所が熱収縮して、遊技機P2のシート取外し防止用突起220a,220aよりも下方且つシート取外し防止用突起220b、220bよりも上方の領域に略密着する。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、熱収縮によって遊技機P2外周に密着した包装用シートSを遊技機P2からずらして取り外そうとする際に、包装用シートSによって覆われる所定領域の外側に設けられたシート取外し防止用突起220a,220a,220b,220bに包装用シートSが当接して係止されることにより包装用シートSの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートSの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、スロットマシンである遊技機P2における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。
また、シート取外し防止用突起220a等を構成する突起部材222は本体キャビネット220に取り付けられ、且つ本体キャビネット220の内側からナット223によって固定されているので、突起部材222を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらにフロントパネル260が本体キャビネット220に対して開放された状態とする必要がある。よって、遊技機P2本体が包装用シートSによって包装された状態では、突起部材222を取外すことができないので、包装用シートSの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、遊技機P2が遊技ホール等に納入された後、突起部材222を取り外し、シート取外し防止用突起220a等の無い状態とすることができるので、遊技機P2の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
次に、本発明の第三の実施形態について、図23乃至図27を参照しつつ説明する。第三の実施形態における遊技機P3は、複数種類の図柄が表示された複数の回転リールを有し、各回転リールの回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて遊技球が払い出されるパチロット機である。遊技機P3は、図23に示すように、正面側に開口すると共に、複数種類の図柄が表示された複数(3個)の回転リール321が収容される本体枠320と、本体枠320の前面を覆うように開閉可能に取り付けられ、各回転リール321の図柄を視認可能な表示窓363を設けた合成樹脂製のフロントパネル360とを備えている。尚、本体枠320及びフロントパネル360が、本発明における開閉可能に設けられた複数の構成部材を構成するものである。
本体枠320の背面側は、図24に示すように、上述した第一の実施形態の遊技機P1と略同様の構成となっており、機構板380、役物カバー385、メイン基板ボックス382、払出制御基板ボックス386、遊技球タンク381が設けられ、これらの各部材が合成樹脂により構成されている。
また、フロントパネル360は、上述した第二の実施形態の遊技機P2のフロントパネル260に類似した構成となっており、上から順に装飾ランプ362、入賞図柄の説明が表示された化粧パネル371、前方に突出する台状の操作部364、各回転リール321の回転停止時の図柄の組合わせに基づく入賞態様に応じて払い出される遊技球を受けて貯留する遊技球受皿370がそれぞれ設けられている。また、操作部364の上面には、クレジットされている遊技球を投入するためのベットスイッチや、クレジットされている遊技球を払い出すためのキャンセルスイッチ等を含む各種スイッチ365、及び遊技球を投入するための遊技球投入口266が設けられている。また、操作部364の前面には、回転リール321の回転起動操作を行うスタートレバー367、及び左・中・右の回転リール321にそれぞれ対応して設けられたストップスイッチ368が設けられている。そして、装飾ランプ362のランプカバー362a、化粧パネル371、各種スイッチ365、スタートレバー367の先端に設けられた握り部367a、ストップスイッチ368及び遊技球受皿370の各部材は合成樹脂により構成されている。
さらに、図23の正面図及び図24の側面図に示すように、出荷時には、フロントパネル360の前面の上下左右4箇所に円柱状の突起部材322がそれぞれ取り付けられ、上部の左右両側にシート取外し防止用突起360a,360aが、下部の左右両側にシート取外し防止用突起360b,360bがそれぞれ形成されている。また、上部のシート取外し防止用突起360a,360aは、包装用シートSによって覆われる所定領域よりも上方に設けられ、下部のシート取外し防止用突起360b,360bは、上記所定領域よりも下方に設けられている。
また、突起部材322は、図25に示すように、雄ネジが螺刻された取り付け軸322aを設け、フロントパネル360内側においてナット323の締結により固着されている。尚、図25は図23におけるC−C線矢視方向におけるシート取外し防止用突起360a付近の拡大断面図であり、(a)は突起部材322がフロントパネル360へ固定された状態を、(b)は突起部材322を取り外した状態をそれぞれ表わしている。フロントパネル360が本体枠320側へ閉じた状態では、フロントパネル360の内側にて締結されたナット323が外部に露出していないので、ナット323を弛めることはできない。一方、フロントパネル360が本体枠320に対して開放された状態では、図25(b)に示すように、ナット323を弛めて突起部材322を取り外すことができる。
次に、包装装置101により遊技機P3に熱収縮包装を実施する場合において、遊技機P3へ被着された包装用シートSへ、第3ノズル173〜第8ノズル178から所定温度(例えば、約300℃)の熱風が吹きつけられる際の作用について説明する。図26は、当該遊技機P3に巻きつけられた包装用シートSへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。図27は、熱収縮包装が完了した遊技機P3の正面図である。そして、図26及び図27に示されるように、第3ノズル173が、遊技機P3前面上部に対して、第4ノズル174が、遊技機P3前面の操作部364上部に対して、第5ノズル175が同じく操作部364下部に対して、第6ノズル176が遊技機P3背面上部の役物カバー385上縁部に対して、第7ノズル177が遊技機P3背面上下方向中間のメイン基板ボックス382下部及び払出制御基板ボックス386上部に対して、第8ノズル178が、遊技機P3背面下部の払出制御基板ボックス386下縁部に対してそれぞれ熱風を吹きつけることにより、包装用シートSが熱収縮して遊技機P3のシート取外し防止用突起360a,360aよりも下方且つシート取外し防止用突起360b、360bよりも上方の領域に略密着する。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、熱収縮によって遊技機P3外周に密着した包装用シートSを遊技機P3からずらして取り外そうとする際に、包装用シートSによって覆われる所定領域の外側に設けられたシート取外し防止用突起360a,360a,360b,360bに包装用シートSが当接して係止されることにより包装用シートSの不正な取外しが確実に防止される。よって、包装用シートSの一部を切断する等のシートに開封時の痕跡が残る作業以外では包装の開封が不可能となり、パチロット機である遊技機P3における不正改造の未然防止が図られると共に、不正改造が行われた場合にはシート開封時の痕跡によって確実に発見することができる。
また、シート取外し防止用突起360a等を構成する突起部材322はフロントパネル360に取り付けられ、且つフロントパネル360の内側からナット323によって固定されているので、突起部材322を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらにフロントパネル360が本体枠320に対して開放された状態とする必要がある。よって、遊技機P3本体が包装用シートSによって包装された状態では、突起部材322を取外すことができないので、包装用シートSの不正な取外しの防止をより確実に図ることができる。さらに、遊技機P3が遊技ホール等に納入された後、突起部材322を取り外し、シート取外し防止用突起360a等の無い状態とすることができるので、遊技機P3の設置作業及び設置後の遊技を支障なく行うことができる。
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
例えば、シート取外し防止用突起を形成する突起部材の取り付け位置は、上述した各実施形態に示した態様に限られず、適宜変更して実施することが可能である。要するに、シート取外し防止用突起が着脱可能な突起部材によって構成され、且つ遊技機本体を構成する開閉可能に設けられた複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ突起部材が取外し可能であればよいのである。具体的には、前記第一の実施形態において、外枠10の外側面に突起部材11を取り付けて内側から固定する構造としたが、外枠10の内側面に突起部材11を取り付け且つ内側から固定することによりシート取外し防止用突起が背面側にのみ突出する構造としてもよい。
或いは、図28に示すように、突起部材17を本体枠20に取り付け、且つ本体枠20を外枠10側へ閉じた状態で内側となる位置で固定することによりシート取外し防止用突起20bを構成するようにしてもよい。尚、図28(a)は本体枠20を開放した状態を、(b)は本体枠20を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。すなわち、上面視L字形の突起部材17は、本体枠20右端に取り付けられると共に、本体枠20を外枠10側へ閉じた状態で内側となる位置(つまり、本体枠20の開閉軸近傍で外枠10に対向する面)で取り付けネジ12によって締結固定される。本変形例によれば、突起部材17を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに本体枠20を外枠10に対して開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材17の取外しを確実に防止することができる。
また、前記第一の実施形態の第一の変形例では、シート取外し防止用突起を構成する突起部材を機構板80に取り付けた例を示したが、図29に示すように、突起部材18を本体枠20に取り付け、且つ機構板80を本体枠20側へ閉じた状態で内側となる位置で固定することにより、シート取外し防止用突起20cを構成するようにしてもよい。尚、図29(a)は機構板80を開放した状態を、(b)は機構板80を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。すなわち、長方形板状の突起部材18は、本体枠20の左端に取り付けられると共に、機構板80を本体枠20側へ閉じた状態で内側となる位置(つまり、本体枠20の機構板80に対向する面)で取り付けネジ12によって締結固定される。本変形例によれば、突起部材18を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに機構板80を本体枠20に対して開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材18の取外しを確実に防止することができる。
或いは、図30に示すように、上面視L字形の突起部材19を機構板80の開閉軸側の側面に取り付け、取り付けネジ12によって外側から内側に向かって締結固定することにより、シート取外し防止用突起80aを構成するようにしてもよい。尚、図30(a)は本体枠20を開放した状態を、(b)は本体枠20を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。本変形例では、機構板80が取り付けられた本体枠20が外枠10側へ閉じた状態では、取り付けネジ12が締結された機構板80の側面と外枠10の内側面とが対向するため、取り付けネジ12を弛めることがができない。従って、突起部材19を取り外すためには、まず包装用シートSを開封し、さらに外枠10に対して本体枠20を開放することが必要とされ、包装された遊技機P1本体における突起部材19の取外しを確実に防止することができる。
また、前記各実施形態において、シート取外し防止用突起を遊技機本体の前面、側面、背面のいずれの方向に向かって突出するように形成してもよい。さらに、シート取外し防止用突起の突出高さを、包装用シートSによって覆われる所定領域内で最も突出した箇所よりも高く設定するようにしてもよい。本変形例によれば、熱収縮によって遊技機P1等の外周に密着した包装用シートSを遊技機P1等からずらして取り外そうとする際に、所定領域の外側に設けられたシート取外し防止用突起により確実に当接して係止される。
また、前記各実施形態において、シート取外し防止用突起を遊技機本体外周において包装用シートによって覆われる所定領域の外側に設けたが、所定領域内に設ける構成としてもよい。本変形例によれば、包装用シートが熱収縮することにより遊技機本体外周の所定領域に密着すると共に、所定領域内に設けられたシート取外し防止用突起に係止されることにより包装用シートの不正な取外しが確実に防止される。
本発明は、パチンコ機、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとを融合した遊技機等の不正改造を防止するための包装が必要とされる各種遊技機へ適用可能である。
本発明の第一の実施形態の遊技機を示す正面図である。 図1の遊技機の上面図である。 図1の遊技機の背面図である。 本体枠及び前面枠を開放した状態を示す遊技機の分解斜視図である。 図3におけるA−A線断面図であり、(a)は本体枠が外枠側へ閉じた状態を、(b)は本体枠が外枠に対して開放された状態をそれぞれ表わす図である。 遊技機の熱収縮包装に用いる包装装置の正面図である。 遊技機が包装装置によって熱収縮包装される様子を示す平面図である。 第1ノズル及び第2ノズルの配設位置及び遊技機に巻きつけられた包装用シートへ予備熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 遊技機が包装装置によって包装される様子を示す他の平面図である。 第3ノズル〜第8ノズルの配設位置及び遊技機に巻きつけられた包装用シートへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 熱収縮包装が完了した遊技機の側面図である。 熱収縮包装が完了した遊技機を前面側から視た斜視図である。 包装用シート及び突起部材が取り外された遊技機を前面側から視た斜視図である。 第一の変形例における機構板の斜視図である。 第二の変形例において本体枠及び前面枠を開放した状態を示す遊技機の斜視図である。 第三の変形例において本体枠及び前面枠を開放した状態を示す遊技機の斜視図である。 第二の実施形態の遊技機を示す正面図である。 図17の遊技機の側面図である。 図17の遊技機の背面図である。 図19におけるB−B線断面図であり、(a)は突起部材がナットで固定された状態を、(b)は突起部材を取り外した状態を示す図である。 図17の遊技機に巻きつけられた包装用シートへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 熱収縮包装が完了した図17の遊技機の背面図である。 第三の実施形態の遊技機を示す正面図である。 図23の遊技機の側面図である。 図23におけるC−C線断面図であり、(a)は突起部材がナットで固定された状態を、(b)は突起部材を取り外した状態を示す図である。 図23の遊技機に巻きつけられた包装用シートへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 熱収縮包装が完了した図23の遊技機の正面図である。 本体枠の開閉軸近傍にて突起部材を固定した変形例を示す図であり、(a)は本体枠を開放した状態を、(b)は本体枠を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。 本体枠の機構板側の面にて突起部材を固定した変形例を示す図であり、(a)は機構板を開放した状態を、(b)は機構板を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。 機構板の開閉軸近傍にて突起部材を固定した変形例を示す図であり、(a)は本体枠を開放した状態を、(b)は本体枠を閉じた状態をそれぞれを示す上面図である。
符号の説明
S 包装用シート
P1 遊技機(パチンコ機)
P2 遊技機(スロットマシン)
P3 遊技機(パチロット機)
10 外枠(開閉可能な構成部材)
10b〜10e シート取外し防止用突起
11 突起部材
12 取り付けネジ
13〜19 突起部材
20 本体枠(開閉可能な構成部材)
20b〜20e シート取外し防止用突起
60 前面枠(開閉可能な構成部材)
60a〜60b シート取外し防止用突起
80 機構板(開閉可能な構成部材)
80a シート取外し防止用突起
81 遊技球タンク
85 役物カバー
86 払出制御基板ボックス
220 本体キャビネット(開閉可能な構成部材)
220a〜220b シート取外し防止用突起
222 突起部材
223 ナット
260 フロントパネル(開閉可能な構成部材)
320 本体枠(開閉可能な構成部材)
322 突起部材
323 ナット
360 フロントパネル(開閉可能な構成部材)
360a〜360b シート取外し防止用突起

Claims (1)

  1. 開閉可能に設けられた複数の構成部材によって本体が構成されると共に、熱可塑性の包装用シートを本体外周に被着させて熱収縮包装される遊技機であって、
    前記複数の構成部材の少なくとも一つに突起部材が着脱可能に取り付けられることによってシート取外し防止用突起が形成され、
    前記突起部材は、前記複数の構成部材の少なくとも一つが開放された状態でのみ取外し可能であることを特徴とする遊技機。
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