しかしながら、上述した特許文献2に記載されたパチンコ機の包装方法では、作業性や不正改造発見の観点で欠点がある。例えば、(1)、(3)又は(4)の各方法では、ビニールシートを伸張して内枠に巻きつけるため、シートの伸張強度が強すぎるとシートの破れや不正改造保護部分の破損を生じる可能性があり、弱すぎると不正改造保護部分への密着性が不足し、元の包装状態と見分けがつかないように再包装を行うことが容易になってしまうという欠点がある。また、(2)又は(5)の方法についても、元の包装状態と略同様の外観を呈するように再包装を行うことが比較的容易であるという欠点がある。さらに、特許文献2に記載された包装方法を人間が手作業で行うことは、パチンコ機が大きいことから、作業効率が悪いという問題があると共に、大量に遊技機に包装を施す場合にシートの巻きつけ状態にバラツキが生じて不正の発見が困難になることが想定される。すなわち、個々の遊技機に対してバラツキのない安定した包装が施されている場合には、シートの巻きつけ状態が他と僅かに異なっているだけで直ちに不正が行われたことを認識することができるが、各遊技機におけるシートの巻きつけ状態にバラツキがある場合には、たとえ不正が行われていたとしても、これを作業者が看過してしまう可能性がある。
解決しようとする課題は、遊技機への不正改造の発見を容易にし且つ不正改造の防止を図るための二重包装を自動化した遊技機の包装システムを提供することである。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.全体として矩形状に構成された外枠と、その外枠に枢支され遊技板が設けられる本体枠と、その本体枠の背面側に設けられ制御を行う部分とを備えてなる遊技機を包装するためのシステムであって、
前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる内包装用シートを前記遊技機の外周へ被着するシート被着手段と、前記遊技機の外周へ被着された前記内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施す熱処理手段とを有し、前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように前記遊技機の外周に前記内包装用シートを略密着させて包装する内包装装置と、
前記遊技機の下方に二つ折りの外包装用シートを展開状に通過させつつ両側縁を上方として繰り出すシート展開供給手段と、そのシート展開供給手段によって繰り出された前記外包装用シートの前記遊技機前方側及び後方側にて縦方向に熱溶着及び切断を施す縦方向熱溶着切断手段と、その縦方向熱溶着切断手段により分離形成されて前記遊技機を収容する前記外包装用シートからなる袋の開口部を熱溶着する袋口熱溶着手段とを有し、前記内包装装置によって前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように前記内包装用シートが外周に略密着して包装された前記遊技機の全体を前記外包装用シートにより密封状に包装する外包装装置と、
を備えたことを特徴とする遊技機の包装システム。
手段1によれば、まず、内包装装置において、シート被着手段が、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる内包装用シートを遊技機の外周に被着する。次に、熱処理手段が、遊技機の外周に被着された内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すと、内包装用シートが熱可塑性材料からなるため、当該被熱処理部分が収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。熱処理手段による熱処理の終了後、熱可塑性材料からなる内包装用シートの被熱処理部分が常温で冷却されて硬化するので、包装用シートが遊技機の外周へ略密着する状態が保たれる。つまり、内包装装置により、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを遊技機の外周に被着させる工程と、遊技機の外周に被着された内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施して収縮させ、内包装用シートを遊技機の外周形状に沿って略密着させる工程とを自動的に実施することができる。
また、内包装装置は、内包装用シートを被着した状態で熱処理により収縮させて遊技機の外周へ略密着させるので、シートを伸張させて遊技機へ巻きつけて包装する従来方法のようにシートの伸張強度や巻きつけ強度を調整することは必要とされない。このため、内包装用シートの破れや、内包装用シートの巻きつけにより遊技機の各構成部材へ悪影響を与える等の不具合が生じることがない。
続いて、外包装装置において、シート展開供給手段が、遊技機の下方に二つ折りの外包装用シートを展開状に通過させつつ両側縁を上方として繰り出し、縦方向熱溶着切断手段が、シート展開供給手段によって繰り出された包装用シートの遊技機前方側及び後方側にて縦方向に熱溶着及び切断を施し、袋口熱溶着手段が、縦方向熱溶着切断手段により分離形成されて遊技機を収容する外包装用シートからなる袋の開口部を熱溶着する。よって、袋を形成する外包装用シートの供給から、内包装用シートが外周に包装された遊技機の全体を外包装用シートにより密封状に包装するまでの一連の工程を自動化することができる。
このように、手段1によれば、内包装装置により、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように遊技機の外周に内包装用シートを略密着させて包装し、さらに、外包装装置により、内包装用シートが外周に包装された遊技機の全体を外包装用シートにより密封状に包装する。つまり、手段1により、遊技機に対して内包装用シートによる包装を施す工程と、外包装用シートによる包装を施す工程とを自動的且つ連続的に実施することができる。
そして、手段1によって包装された遊技機は、内包装用シートと外包装用シートとにより二重包装が施されているため、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。すなわち、メイン基板等の遊技機の制御を行う部分に不正改造を行うためには、まず外包装用シートを切断・開封し、さらに、内包装用シートを切断・開封する必要がある。このため、不正な改造が行われた場合には外包装用シート及び内包装用シートが開封されていることから、不正改造を確実に感知することができる。また、内包装用シートを一旦、切断・開封してから、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように遊技機の外周に略密着させて再度包装して元通りの状態に戻すことは極めて困難であり、さらに、遊技機全体が外包装用シートによって密封されることによって埃等の付着が防止されるだけでなく、内包装用シートによる包装状態も確実に保持されるため、不正改造を行った者によって再度包装が行われた場合には確実にこれを感知することができる。さらに、遊技機に対して内包装用シート及び外包装用シートによって従来よりも厳重な二重包装が施されていることから、不正改造を試みようとする者の意欲を減退させて、不正改造を未然に防止する効果が発揮されることも期待される。
2.前記外包装用シートは、透明又は半透明のシートであることを特徴とする手段1に記載の遊技機の包装システム。
手段2によれば、内包装用シートの遊技機外周への包装状態を、透明又は半透明の外包装用シートを通して容易に視認することができるので、不正改造を容易に感知することができると共に、不正改造の困難性を認識させて不正改造の未然防止を図ることができる。
3.前記内包装用シートは着色されたシートであり、且つ前記外包装用シートは略無色又は前記内包装用シートとは異なる色に着色された透明又は半透明のシートであることを特徴とする手段2に記載の遊技機の包装システム。
手段3によれば、着色された内包装用シートの遊技機外周への包装状態を、略無色又は内包装用シートとは異なる色に着色された透明又は半透明の外包装用シートを通して容易に視認することができるので、不正改造を容易に感知することができると共に、不正改造の困難性を認識させて不正改造の未然防止を図ることができる。さらに、所定の色に着色された包装用シートの入手困難性により、不正改造後に再包装を行うことの困難性がより一層高められる。
4.前記内包装用シートは、透明又は半透明のシートであることを特徴とする手段2又は3に記載の遊技機の包装システム。
手段4によれば、内包装用シート及び外包装用シートが共に透明又は半透明であるので、二重に包装が施された遊技機の状態を容易に視認することができ、不正改造を容易に感知することができる。
5.前記遊技機を包装する前記内包装用シート及び/又は前記外包装用シートに前記遊技機に関する情報を印刷する印刷手段を備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段5によれば、印刷手段により、遊技機を包装する内包装用シート及び/又は外包装用シートに遊技機に関する情報が印刷されるので、大量生産される遊技機において、出荷、納品、ホールへの設置作業等の際に内包装用シート及び外包装用シートを開封することなく遊技機に関する情報を視認することができる。また、内包装用シート及び/又は外包装用シートに遊技機に関する情報が印刷されることにより包装用シートの偽造困難性が高められ、不正改造の発見がより確実になると共に、不正改造の未然防止効果の向上を図ることができる。尚、遊技機に関する情報として、例えば、遊技機の管理番号や納品先に関する情報を印刷するように構成してもよい(以下の各手段においても同様)。
6.前記印刷手段は、
前記内包装装置によって前記遊技機の外周に包装された前記内包装用シートに前記遊技機に関する情報を印刷する第1印刷手段と、
前記外包装装置によって前記遊技機全体に包装された前記外包装用シートに前記遊技機に関する情報を印刷する第2印刷手段と、
を備えたことを特徴とする手段5に記載の遊技機の包装システム。
手段6によれば、第1印刷手段により、遊技機を包装する内包装用シートに遊技機に関する情報が印刷され、更に、第2印刷手段により、遊技機を包装する外包装用シートに遊技機に関する情報が印刷されるので、各包装用シートの偽造困難性が高められ、不正改造の発見がより確実になると共に、不正改造の未然防止効果の向上を図ることができる。また、内包装用シート及び外包装用シートにそれぞれ遊技機に関する情報が印刷されているので、出荷、納品、ホールへの設置作業等の際に容易に情報を視認することができる。
7.前記第1印刷装置は、前記内包装装置によって包装された内包装用シートに前記遊技機に関する第1の情報を印刷し、
前記第2印刷装置は、前記外包装装置によって包装された外包装用シートに前記第1の情報とは少なくとも一部が異なる第2の情報を印刷することを特徴とする手段6に記載の遊技機の包装システム。
手段7によれば、内包装装置によって包装された内包装用シートには、遊技機に関する第1の情報が印刷され、外包装装置によって包装された外包装用シートには、第1の情報とは少なくとも一部が異なる第2の情報が印刷されるので、それぞれの包装用シートの用途に応じて異なる情報の印刷を行うことができる。
8.前記第1の情報には、少なくとも前記遊技機を識別可能な識別情報が含まれ、
前記第2の情報には、少なくとも前記遊技機の納品先に関する情報が含まれていることを特徴とする手段7に記載の遊技機の包装システム。
手段8によれば、内包装用シートには少なくとも遊技機を識別可能な識別情報が含まれた第1の情報が印刷されているので、内包装用シートが包装された状態で遊技機を識別できると共に、内包装用シートが当該遊技機に固有のものとなり、包装用シートの偽造防止を図ることができる。また、外包装用シートには少なくとも遊技機の納品先に関する情報が含まれた第2の情報が印刷されているので、外包装用シートを視認することにより納品先に関する情報(例えば、納品先名や納品先住所等)を知ることができる。
9.前記第1の情報と前記第2の情報とは、少なくとも一部が共通していることを特徴とする手段7又は8に記載の遊技機の包装システム。
手段9によれば、内包装用シートに印刷される第1の情報と外包装用シートに印刷される第2の情報とは、少なくとも一部が共通しているので、内包装用シートと外包装用シートとが正しい組合わせで包装されていることを確認することができる。従って、例えば、何らかの理由により包装ラインが一旦停止し、その後、稼働が再開された場合にも内包装用シートと外包装用シートとの組合わせが正しいか否かを確認することができる。尚、第1の情報と第2の情報との共通の情報としては、台数管理情報(例えば、遊技機の納品総数と当該遊技機の通し番号)等を用いることができる。
10.前記遊技機に付された当該遊技機を識別可能な情報を取得する識別情報取得手段を更に備え、
前記印刷手段は、前記識別情報取得手段によって取得された情報に基づいて前記遊技機に関する情報の印刷を行うことを特徴とする手段5乃至9のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段10によれば、識別情報取得手段が、遊技機に付された当該遊技機を識別可能な情報を正確且つ迅速に取得し、印刷手段は、識別情報取得手段によって取得された情報に基づいて遊技機に関する情報の印刷を行うので、作業者が遊技機に貼り付けられた証紙を視認して識別情報としての管理番号を端末に入力する等の手作業を省くことができる。
11.前記シート被着手段は、少なくとも前記遊技機の主制御を行う主制御装置の一部又は全体を覆うように前記内包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段11によれば、少なくとも遊技機の主制御を行う主制御装置の一部又は全体を覆うように内包装用シートが被着され、且つ熱処理によって内包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、主制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
12.前記シート被着手段は、少なくとも前記遊技機に設けられたLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板のいずれか一つ以上を含んでなる役物制御装置の一部又は全体を覆うように前記内包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段12によれば、少なくとも遊技機に設けられたLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板のいずれか一つ以上を含んでなる役物制御装置の一部又は全体を覆うように内包装用シートが被着され、且つ熱処理によって内包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、役物制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
13.前記シート被着手段は、少なくとも賞球の払出し制御を行う払出し制御装置の一部又は全体を覆うように前記内包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段13によれば、少なくとも賞球の払出し制御を行う払出し制御装置の一部又は全体を覆うように内包装用シートが被着され、且つ熱処理によって内包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、払出し制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
14.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートの特定箇所へ局所的に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段14によれば、内包装用シートの特定箇所へ局所的に熱処理を施して熱収縮させるので、効率的に内包装用シートを遊技機の外周に略密着させることができると共に、不必要な箇所へ熱処理を施さないことによりエネルギーの無駄な消費を抑えることができる。
15.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、前記遊技機の制御を行う部分の電子部品搭載箇所を覆う部分を避けて熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段15によれば、内包装用シートにおいて制御を行う部分の電子部品搭載箇所を覆う部分避けて熱処理を施すので、熱処理によって電子部品を損傷することが防止される。ここで、電子部品とは、内包装用シートに熱処理が施された場合に耐熱温度を超える可能性がある部品であり、例えば、遊技機の各部を制御するためのCPUや制御プログラムが記憶されたROM等を指している。
16.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機外周における一又は複数の段差部分近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至15のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段16によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい段差部分近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、当該箇所において確実に熱収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
17.前記遊技機の背面には一又は複数の基板ボックスが配設され、
前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前記一又は複数の基板ボックスのいずれかの端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段17によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい基板ボックスの端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すので、遊技機背面における当該箇所において確実に熱収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
18.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも最上位置の基板ボックスの上端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17に記載の遊技機の包装システム。
手段18によれば、内包装用シートにおいて最上位置の基板ボックスの上端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すことにより、遊技機背面における内包装用シートの上部を確実に収縮させて遊技機外周へ略密着させることができる。
19.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも最下位置の基板ボックスの下端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17又は18に記載の遊技機の包装システム。
手段19によれば、内包装用シートにおいて最下位置の基板ボックスの下端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すので、遊技機背面における内包装用シートの下部を確実に収縮させて遊技機外周へ略密着させることができる。
20.前記遊技機の背面には複数の基板ボックスが隣接して配設され、
前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の一の基板ボックスと隣接する他の基板ボックスとの間を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17乃至19のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段20によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい一の基板ボックスと隣接する他の基板ボックスとの間を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機背面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
21.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された上皿近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段21によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい上皿近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
22.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された下皿近傍に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段22によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい下皿近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
23.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された上皿と下皿との間を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至22のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段23によれば、内包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい上皿と下皿との間を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
24.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至23のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段24によれば、内包装用シートにおいて遊技機の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
25.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の金属製部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段24に記載の遊技機の包装システム。
手段25によれば、内包装用シートにおいて遊技機各部に設けられた金属製部材を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
26.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の熱硬化性樹脂製部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段24に記載の遊技機の包装システム。
手段26によれば、内包装用シートにおいて遊技機に設けられた熱硬化性樹脂製部材(例えば、遊技機前面に設けられた灰皿等)を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
27.前記熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記内包装用シートにおいて、少なくとも前記内包装用シートと前記遊技機との間に所定の距離が確保される箇所に熱処理を施すことを特徴とする手段1乃至26のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段27によれば、内包装用シートにおいて内包装用シートと遊技機との間に所定の距離が確保される箇所に熱処理が施されるので、遊技機に対する熱伝導が少なく、熱処理による遊技機の損傷を防止することができる。さらに、当該箇所の包装用シートを熱処理によって収縮させることにより、遊技機の外周へ密着させることができる。尚、包装用シートと遊技機との間に所定の距離が確保される箇所とは、例えば、遊技機前面の上皿、下皿の端部近傍及び上皿と下皿との間、遊技機背面の基板ボックスの端部近傍、隣接する基板ボックスの間等である。
28.前記内包装用シートが被着された前記遊技機を装置下流方向へ搬送しつつ前記熱処理手段による熱処理を行うように構成されたことを特徴とする手段1乃至27のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段28によれば、内包装用シートが被着された遊技機を装置下流方向へ搬送しつつ熱処理手段による熱処理を行うので、熱処理手段を固定配置した状態で包装用シートの広い領域に熱処理を施すことができる。
29.前記熱処理手段は、200℃〜400℃の温度で熱処理を施すことを特徴とする手段1乃至28のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段29によれば、熱処理手段が200℃〜400℃の温度で熱処理を施すので、熱可塑性材料からなる内包装用シートを確実に収縮させることができると共に、熱によって遊技機を損傷させることがない。
30.前記熱処理手段は、熱風を発生させる熱風発生手段からなることを特徴とする手段1乃至29のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段30によれば、シート被着手段によって、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる内包装用シートが遊技機の外周に被着されると、熱風発生手段によって発生した熱風が、遊技機に被着された内包装用シートの少なくとも一部に向かって吹きつけられることにより確実に熱処理が施され、当該被熱処理部分が確実に熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。また、熱風の吹きつけにより熱処理を施す構成としたので、熱風発生手段(例えば、熱風を噴出させるノズル)を遊技機に被着された内包装用シートの表面から離隔させた位置に配置することができる。
31.前記熱風発生手段は、熱風を継続的に発生させることを特徴とする手段30に記載の遊技機の包装システム。
手段31によれば、熱風発生手段が熱風を継続的に発生させるので、内包装用シートに対する熱処理温度が変動することが防止され、多数の遊技機に均一な包装を施すことができる。
32.前記シート被着手段は、
前記遊技機を搬送する搬送手段と、
前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、前記内包装用シートを供給するシート供給手段と、
前記内包装用シートに熱溶着及び切断を施す熱溶着切断手段と、
を備え、
前記熱処理手段は、前記遊技機の外周に巻きつけられた前記内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことを特徴とする手段1乃至31のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段32によれば、搬送手段は、遊技機を搬送し、シート供給手段は、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを供給する。これにより、包装用シートは、遊技機が搬送手段によって搬送されるのに伴って、遊技機の外周に緩く巻きつけられる。次いで、熱溶着切断手段は、包装用シートに熱溶着及び切断を施すことにより、当該遊技機を包装するための包装用シート全体が筒状に形成されると共に、他の遊技機を包装するための包装用シートから分離される。次いで、熱処理手段が、遊技機の外周に巻きつけられた包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことにより、当該被熱処理部分が熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。熱処理手段による熱処理の終了後、熱可塑性材料からなる内包装用シートの被熱処理部分が常温で冷却されて硬化するので、内包装用シートが遊技機の外周へ略密着する状態が保たれる。
33.前記搬送手段によって前記遊技機が搬送されつつ前記シート供給手段によって前記内包装用シートが供給されることにより前記遊技機の外周へ巻きつけられる前記内包装用シート上部の少なくとも一部に予備熱処理を施す予備熱処理手段を、
更に備え、
前記熱処理手段は、前記内包装用シートに前記予備熱処理が施された後、前記遊技機の外周に巻きつけられた前記内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことを特徴とする手段32に記載の遊技機の包装システム。
手段33によれば、予備熱処理手段が、搬送手段によって前記遊技機が搬送されつつシート供給手段によって内装用シートが供給されることにより遊技機の外周へ巻きつけられる内包装用シート上部の少なくとも一部に予備熱処理を施す。よって、内包装用シートの上部を熱収縮させることによってずり落ちを防止しつつ、内包装用シートを遊技機外周へ緩く巻きつけることができる。次いで、内包装用シートに前記予備熱処理が施された後、遊技機の外周に巻きつけられた内包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことにより、当該被熱処理部分が熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。
34.前記予備熱処理手段による予備熱処理の温度は、前記熱処理手段による熱処理の温度よりも低く設定されたことを特徴とする手段33に記載の遊技機の包装システム。
手段34によれば、予備熱処理手段による予備熱処理の温度が熱処理手段による熱処理の温度よりも低く設定されているので、遊技機に緩く巻きつけられた内包装用シートがずり落ちない程度に熱収縮させることができる。一方、熱処理手段による熱処理温度が相対的に高く設定されることにより、内包装用シートを十分に熱収縮させて遊技機に強固に密着させることができる。
35.前記熱可塑性材料は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする手段1乃至34のいずれかに記載の遊技機の包装システム。
手段35によれば、内包装用シートが熱可塑性樹脂からなるので、遊技機を確実に保護することができると共に、熱処理によって容易に収縮させ、且つ常温で冷却して硬化させることができる。
36.前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロンのいずれかであることを特徴とする手段35に記載の遊技機の包装システム。
手段36によれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロンのいずれかの熱可塑性樹脂からなる安価な包装用シートを用いて、遊技機を確実に保護することができると共に、熱処理によって容易に収縮させ、且つ常温で冷却して硬化させることができる。
本発明によれば、遊技機に対して内包装用シートによる包装を施す工程と、外包装用シートによる包装を施す工程とを自動的且つ連続的に実施することができる。そして、本発明のシステムによって包装された遊技機は、内包装用シートと外包装用シートとにより二重包装が施されているため、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。すなわち、メイン基板等の遊技機の制御を行う部分に不正改造を行うためには、まず外包装用シートを切断・開封し、さらに、内包装用シートを切断・開封する必要がある。このため、不正な改造が行われた場合には外包装用シート及び内包装用シートが開封されていることから、不正改造を確実に感知することができる。また、内包装用シートを一旦、切断・開封してから、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように遊技機の外周に略密着させて再度包装して元通りの状態に戻すことは極めて困難であり、さらに、遊技機全体が外包装用シートによって密封されることによって埃等の付着が防止されるだけでなく、内包装用シートによる包装状態も確実に保持されるため、不正改造を行った者によって再度包装が行われた場合には確実にこれを感知することができる。さらに、遊技機に対して内包装用シート及び外包装用シートによって従来よりも厳重な二重包装が施されていることから、不正改造を試みようとする者の意欲を減退させて、不正改造を未然に防止する効果が発揮されることも期待される。
以下、本発明の遊技機の包装システムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。最初に、被包装物である遊技機P1の概略構成について図1乃至図3を参照しつつ説明する。
遊技機P1は、図1乃至図3に示すように、外枠10、本体枠20、遊技板30、前面枠60及び機構板80を備えて構成されるパチンコ機である。尚、図1は遊技機P1を正面から見て示す正面図であり、図2は図1の遊技機P1を上面から見て示す上面図であり、図3は図1の遊技機P1を背面から見て示す背面図であるが、実際の出荷時にはガラス枠61の背面に出荷時用の所定の紙が挿入されており、遊技領域31は隠れた状態となっている。
外枠10は、遊技機P1のベースとなる枠であり、板材により全体として矩形状に構成され、矩形板状の本体枠20よりも僅かに大きいサイズの矩形開口10aを有している。
本体枠20は、図3において矩形開口10aの左端にて枢支されており、図示しない回転軸を中心に回動し、外枠10に対して開閉可能かつ着脱可能に被着される。
遊技板30は、前面では、図3において下端中央から右巻きに概略一回転する外枠レールに取り囲まれる略円形の領域が遊技領域31となっている。この遊技領域31には、多数の釘や、複数の入賞口や、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト球回収口や、遊技の状況を表示する表示装置などが配設されている。
前面枠60は、樹脂製とされており、図3において本体枠20の左端にて枢支される。この前面枠60には、遊技領域31を臨むガラス枠61、ガラス枠61の周囲を取り囲むように配置される装飾ランプ62、上皿63が設けられており、遊技板30の前面側となるように本体枠20に取り付けられる。本体枠20の下部には、遊技球の発射機構40と、概略矩形形状に形成された樹脂製流路板50とが取り付けられる。また、流路板50の前面側にて下皿70が本体枠20に枢支されて取り付けられる。さらに、前面枠60の前方には、発射機構40の一部を構成する発射ハンドル41が取り付けられる。
機構板80は、樹脂製とされており、本体枠20の背面側に設けられたヒンジ金具により支持されて取り付けられる。同機構板80は、遊技板30を背面側から覆うカバーの役割を果たすとともに、遊技球タンク81に貯留された遊技球を上皿63や下皿70に払い出す遊技球の流路としても役割も果たすようになっている。機構板80の中央部には、透明の樹脂ケースとされた役物カバー85が設けられており、役物カバー85には、図示しないLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板等が収容されている。また、役物カバー85の下方には、透明の樹脂ケースとされたメイン基板ボックス82が設けられており、同基板ボックス82には遊技板の種類に応じたROM83や図示しないCPUやRAM等を備えるメイン基板84が収容されている。また、メイン基板ボックス82の下方には、透明の樹脂ケースとされた払出し制御基板ボックス86が設けられており、同基板ボックス86には図示しない払出し制御基板87が収容されている。尚、メイン基板ボックス82、役物カバー85、払出し制御基板ボックス86が、本発明における遊技機の制御を行う部分及び基板ボックスに相当するものであり、メイン基板ボックス82が主制御装置に、役物カバー85が役物制御装置に、払出し制御基板ボックス86が払出し制御装置にそれぞれ相当するものである。
次に、遊技機包装ラインAの概略について、図4のブロック図を参照しつつ説明する。遊技機包装ラインAは、製品として保管又は出荷される遊技機P1に対して包装を施すためのラインである。遊技機組み立てラインで組み立てが完成し、動作確認や汚れ確認等の最終検査が終了した遊技機P1は、遊技機包装ラインAに投入されると、図4に示すように、証紙貼付け工程S1と、管理番号取得工程S2と、内包装工程S3と、第1印刷工程S4と、外包装工程S5と、第2印刷工程S6とを順に経て二重に包装が施された後、保管又は出荷される。尚、図4に示すように、管理番号取得工程S2はCCD撮像装置131〜133により、内包装工程S3は内包装装置201により、第1印刷工程S4は第1印刷装置180により、外包装工程S5は外包装装置301により、第2印刷工程S6は第2印刷装置190によりそれぞれ実施される。以下、証紙貼付け工程S1〜第2印刷工程S6の詳細内容と、第1印刷工程S4及び第2印刷工程S6で包装用シートに発送情報を印刷するために設けられる発送管理システム100の構成及び作用について説明する。尚、第1印刷装置180及び第2印刷装置190が、本発明の印刷手段を、第1印刷装置180が第1印刷手段を、第2印刷装置190が第2印刷手段を、CCD撮像装置131〜133が識別情報取得手段をそれぞれ構成するものである。また、発送情報が本発明の「遊技機に関する情報」に相当するものである。
(1)証紙貼付け工程S1
遊技機包装ラインAでは、最初に、動作確認や汚れ確認等の最終検査が終了した遊技機P1における所定の3箇所に検査済みを意味する証紙を貼付する(証紙貼付け工程S1、図4参照)。前面側では、図1に示すように遊技板30の右下に証紙P11を貼付し、背面側では、図3に示すようにROM83に証紙P12を貼付するとともにメイン基板ボックス82に証紙P13を貼付する。ここで、証紙P11には製品である遊技機を識別する管理番号が印字され、証紙P12にはROM83のロットを識別するロット管理番号が印字され、証紙P13にはメイン基板ボックス82を識別する部品管理番号が印字されている。すなわち、証紙P11に印字された管理番号は、製品である遊技機に付されるとともに同製品を識別する識別情報であり、証紙P13に印字された部品管理番号は、遊技機を構成する部品に付されるとともに同部品を識別する識別情報である。また、ROM83に貼付される証紙P12に印字されたロット管理番号は、ROMの同一ロット(例えば、1000個)では同じ番号とされ、ロット別に異なる番号とされている。同ロット管理番号は、透明なメイン基板ボックス82を介して視認可能となっている。尚、遊技機の種類によりメイン基板ボックスの取り付け位置が異なる場合があるが、このような場合にはメイン基板ボックスやROMに応じた位置に証紙が貼付されることになる。
(2)管理番号取得工程S2
次に、証紙に印字された管理番号をCCD撮像装置を使用して取得する(管理番号取得工程S2、図4参照)。すなわち、図5に示すように、証紙P11〜P13に印字された管理番号を撮像するために、それぞれ、CCD撮像素子を有してデジタルの画像データを出力するCCD撮像装置131〜133が設けられている。尚、図5は、管理番号取得工程S2〜第2印刷工程S6に相当する遊技機包装ラインAの様子を模式的に示す側面図である。遊技機包装ラインAは、互いに接続された制御盤121,122の制御に基づいて動作するようになっている。すなわち、制御盤122は、最下階の制御盤121と連携しながらCCD撮像装置131〜133、内包装装置201、第1印刷装置180、外包装装置301、ベルトコンベア151,152,153、昇降リフト160の動作の制御を行う。また、最下階の制御盤121は、制御盤122と連携し、昇降リフト160の動作を検出しながら、ベルトコンベア170や、第2印刷装置190の制御を行っている。ここで、遊技機P1は側面を進行方向としてベルトコンベア151上を移送されるようになっており、遊技板に貼付された証紙P11を撮像するCCD撮像装置131と、ROMとメイン基板ボックスに貼付された証紙P12,P13を撮像するCCD撮像装置132,133とは対向する位置に配置されている。また、証紙P11〜P13を照らすための図示しない照明も取り付けられている。
CCD撮像装置131〜133は、光学部と制御部とから構成され、光学部に光学レンズ系や電子シャッターやマトリクス状に配置されたCCD撮像素子やA/Dコンバータが設けられている。また、制御部はCPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って撮像を行い、CCD撮像素子からA/Dコンバータを介してデジタルの画像データを取り込み可能である。CCD撮像装置131〜133は制御盤122とともにコンピュータ110に接続されており、制御盤122の制御により所定タイミングで証紙P11〜P13に印字された管理番号やロット管理番号や部品管理番号を撮像し、通信I/Oを介して撮像したデジタルの画像データをコンピュータ110に対して出力可能である。尚、本実施形態では、証紙P12,P13に印字されたロット管理番号や部品管理番号を撮像するためにCCD撮像装置132,133を別々に設けているが、1台のCCD撮像装置により証紙P12,P13に印字されたロット管理番号や部品管理番号を一緒に撮像するようにしてもよい。また、証紙P11〜P13に印字された管理番号等を移動可能な1台のCCD撮像装置により順次撮像するようにしてもよい。制御盤122の制御により遊技機P1をベルトコンベア151により所定の撮像位置まで移送すると、遊技機P1を一時的に停止させ、CCD撮像装置131〜133により撮像を行う。コンピュータ110は、文字認識用のソフトウェアを記憶しており、撮像時にCCD撮像素子を介して取り込んだ画像データに対してパターン・マッチング法等により所定の標準文字パターンを参照しつつ文字認識を行い、文字データに置き換える処理を行う。
すなわち、CCD撮像装置131〜133は、管理番号取得工程S2では、証紙に印字された管理番号とロット管理番号と部品管理番号を画像データとして取り込み、取り込まれた画像データに基づいて管理番号等を取得するようになっている。尚、CCD撮像装置は、従来から使用されている一般的なCCD撮像装置を採用することができるため、詳しい説明を省略する。また、コンピュータに記憶させる文字認識用のソフトウェアも、従来から使用されている一般的なソフトウェアを採用することができる。
(3)内包装工程S3
管理番号取得工程S2で管理番号等が撮像された後、ベルトコンベア151により遊技機P1を内包装装置201に移送し、遊技機P1の外周へ内包装用シートSH1の密着包装を施す(内包装工程S3、図4)。以下、内包装装置201の構成及び作用について図6及び図7を参照しつつ説明する。ここで、図6は、包装装置201の全体構成を示す正面図であり、図7は、遊技機P1が第1コンベア装置213によって搬送される状態を示す包装装置201の平面図である。尚、図6は、遊技機P1は遊技機背面側を正面とする横向きの起立状態で搬送される状態を表わしており、図7では、機枠215,支柱225等の図示を省略している(図8,9,11,13も同様)。
内包装装置201は、図6に示されるように、シート被着機構211と、熱処理機構251と、シート被着機構211及び熱処理機構251の各部と電気的に接続され、装置全体の動作制御を行う制御装置291とから構成される。以下、シート被着機構211及び熱処理機構251の詳細構成について順に説明する。
シート被着機構211は、遊技機P1の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、内包装用シートSH1を遊技機P1の外周に被着するための装置であり、図6及び図7に示されるように、シート供給機構212と、第1コンベア装置213と、熱溶着切断機構214とから構成されている。尚、シート供給機構212が、本発明のシート供給手段を、第1コンベア装置213、後述する第2コンベア装置252及び第3コンベア装置253が搬送手段を、熱溶着切断機構214が熱溶着切断手段をそれぞれ構成するものである。
シート供給機構212には、機枠215の上流側端部近傍に第1コンベア装置213を挟んで一対の回転軸216,216が回転自在に立設されている。そして、回転軸216,216に、内包装用シートSH1を巻き込んだシートロールR1の中空軸をそれぞれ嵌め込むことにより、一対のシートロールR1,R1が縦置きで回転自在に設けられる。
ここで、内包装用シートSH1は、熱可塑性材料、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる長尺状のシートであり、所定の色(例えば、黄色)に着色された透明又は半透明のシートである。内包装用シートSH1の幅は、役物カバー85、メイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86の全体を覆うことができるように、役物カバー85の上端から払出し制御基板ボックス86下端までの長さよりも若干長く設定されることが好ましい。
また、送りローラ217,217及び218,218は、シートロールR1,R1の下流側近傍に設けられ、一方の送りローラ218,218を図示しないモータ制御装置により回転駆動するように設けられている。また、複数(図7では3個)の中間ローラ219,219、及び第1コンベア装置213の下流側端部近傍に設けられた一対のガイドローラ220,220は、それぞれ回転自在に設けられている。そして、シート供給機構211は、図7に示すように、送りローラ217,217及び218,218が図示しないモータ装置の回転制御によってシートロールR1から内包装用シートSH1を繰り出し、中間ローラ219を経てガイドローラ220側に供給する。
第1コンベア装置213は、公知のベルトコンベア装置であり、横向き起立姿勢の遊技機P1を上流側から搬入する。第1コンベア装置213は、図示しない電動モータにより駆動される駆動ローラ軸221を回転自在に設け、その駆動ローラ軸221に細長い搬送フレーム222の一端部を相対回転可能に設ける。そして、その搬送フレーム222の下流側端部のローラ223と駆動ローラ軸221とに無端状の搬送ベルト224が掛け渡され、その搬送ベルト224上に載置された遊技機P1を装置下流側へ搬送する。
熱溶着切断機構214は、シート供給機構212から供給される内包装用シートSH1,SH1を、遊技機P1の搬送方向前方側及び後方側でそれぞれ重ね合わせて縦方向に熱溶着し且つ溶着箇所の中間で切断する装置である。熱溶着切断機構214は、第1コンベア装置213の下流側端部近傍に設けられ、図7に示すように、第1コンベア装置213を挟んで左右両側の支柱225,225に、上下に配置されたガイドロッド226が水平方向に進退自在に設けられ、その支柱225に取り付けた空圧シリンダ227のロッドの先端部が、それらのガイドロッド226先端のベース部分に固定する。対向状に配置された一方のベース部分には、2列の縦長の熱溶着バー229を取り付け、他方のベース部分に取り付けた熱溶着バー231の内面に切断用ヒーター線232を縦方向に張設する。そして、一対の熱溶着バー229,231は、各空圧シリンダ227,227により開閉自在に設けられ、それら熱溶着バー229,231を閉じて内包装用シートSH1に熱溶着を施すと共に、その溶着箇所の中間を切断用ヒーター線232により切断するように構成される。
熱処理機構251は、第2コンベア装置252と、第3コンベア装置253と、熱風発生装置254と、第1送風管261〜第8送風管268と、第1ノズル271〜第8ノズル278とから構成されている。尚、熱風発生装置254、第1送風管261〜第2送風管262及び第1ノズル271〜第2ノズル272が、本発明の予備熱処理手段を構成するものである。また、熱風発生装置254、第3送風管263〜第8送風管268及び第3ノズル273〜第8ノズル278が、本発明の熱処理手段を構成するものである。
第2コンベア装置252は、第1コンベア装置213の装置下流側に設けられ、遊技機P1を熱溶着切断位置H1から熱処理位置H3まで搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。
第3コンベア装置253は、第2コンベア装置252の下流側に設けられ、熱処理位置H3から下流側へ搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。尚、第2コンベア装置252及び第3コンベア装置253は、第1コンベア装置213と同様の構成であるので、詳細説明を省略する。
熱風発生装置254は、図示しない電動ファンとヒータとを内蔵して熱風を発生する装置であり、発生した熱風を送出するための第1送風管261〜第8送風管268が接続されおり、第1送風管261〜第8送風管268の先端に第1ノズル271〜第8ノズル278が設けられている。従って、熱風発生装置254は、電動ファンを駆動させることにより周囲から吸い込まれた空気がヒータによって熱せられ、第1送風管261〜第8送風管268へ送出されて、第1ノズル271〜第8ノズル278から熱風として吹き出すようになっている。
ここで、第1ノズル271〜第8ノズル278の配設位置について説明する。第1ノズル271〜第2ノズル272は、遊技機P1の搬送方向において、第2コンベア装置252の上流側端部からやや下流寄りの位置(予備熱処理位置H2)に、第3ノズル273〜第8ノズル278は、第2コンベア装置252の下流側端部と第3コンベア装置253の上流側端部との間の位置(熱処理位置H3)にそれぞれ設けられる。
そして、第1ノズル271は、遊技機P1が第2コンベア装置252上を搬送される状態において、遊技機P1前面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。また、同様の状態で、第2ノズル272は、遊技機P1背面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
また、第1ノズル271及び第2ノズル272には、それぞれ、熱風を噴出させる熱風噴出口271a、272aに対して開閉可能にシャッタ281及びこれを駆動するピニオン・アンド・ラック機構であるシャッタ開閉機構282が設けられている。シャッタ281は、金属材料等からなる板状部材であり、常には開状態とされて、熱風噴出口271a、272aから噴出される熱風を内包装用シートSH1へ吹きつけ可能とされ、第2コンベア装置252の搬送が所定時間継続して停止したことが検出された場合に閉状態とされて、熱風噴出口271a、272aからの熱風の吹きつけを遮断する。
第3ノズル273は、遊技機P1が第2コンベア装置252上から第3コンベア装置253上へ搬送される状態において、遊技機P1の前面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第4ノズル274は、遊技機P1前面の上皿63と下皿70との間に向かって、第5ノズル275は、遊技機P1前面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
一方、第6ノズル276は、遊技機P1が第2コンベア装置252から第3コンベア装置253にかけて搬送される状態において、遊技機P1の背面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第7ノズル277は、遊技機P1背面のメイン基板ボックス82と払出し制御基板86との間に向かって、第8ノズル278は、遊技機P1背面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
尚、熱風発生装置254は、第1送風管261〜第2送風管262を介して第1ノズル271〜第2ノズル272へ送出される熱風の温度と、第3送風管263〜第8送風管268を介して第3ノズル273〜第8ノズル278へ送出される熱風の温度とを制御装置291において個別に設定可能に構成されている。すなわち、予備熱処理位置H2に設けられた第1ノズル271〜第2ノズル272から吹き出される熱風の温度は、内包装用シートSH1の材質その他の条件により異なるが、例えば、100℃〜200℃、好ましくは、150℃程度に設定される。一方、熱処理位置H3に設けられた第3ノズル273〜第8ノズル273から吹き出される熱風の温度も、内包装用シートSH1の材質その他の条件により異なるが、例えば、200℃〜400℃、好ましくは、300℃程度に設定される。ここで、第1〜第2ノズル271〜272から吹き出される熱風の温度が相対的に低く設定されるのは、予備熱処理位置H2における熱風の吹きつけは、遊技機P1に緩く巻きつけられた内包装用シートSH1がずり落ちない程度に熱収縮させればよいため比較的低温で十分だからである。一方、第3ノズル273〜第8ノズル278から吹き出される熱風の温度が相対的に高く設定されるのは、熱処理位置H3における熱風の吹きつけは、内包装用シートSH1を十分に熱収縮させて遊技機P1に強固に密着させるため、ある程度高温とする必要があるからである。
次に、内包装装置201により遊技機P1に包装を実施する際の各部の作用について図7〜図17を参照しつつ説明する。尚、図7,8,9,11,13では、当該遊技機P1への包装に注目して説明を行うため、当該遊技機P1を実線で示し、内包装装置201において当該遊技機P1に先行又は後続する他の遊技機については点線で示す。
内包装装置201の上流側から第1コンベア装置213へ遊技機P1が投入され、搬送ベルト224上に載置された遊技機P1が第1コンベア装置213の下流側端部まで搬送されると(図7参照)、内包装用シートSH1,SH1は熱溶着切断機構214の一対の熱溶着バー229,231が閉じることによって熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線232によって切断される(図8参照)。これにより、当該遊技機P1を包装するための内包装用シートSH1,SH1が、先行して搬送される遊技機を包装するための包装用シートから分離される。そして、熱溶着により接合され且つガイドローラ220,220によって張設された内包装用シートSH1,SH1が、遊技機P1の搬送方向先端側の側面に当接し、遊技機P1が搬送ベルト224上を搬送されるのに伴って、内包装用シートSH1,SH1がシート供給機構212を介してシートロールR1,R1からそれぞれ繰り出されて遊技機P1側へ供給されることにより、遊技機P1の前面側及び背面側が内包装用シートSH1,SH1によって徐々に覆われていく(図9参照)。
このとき、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた内包装用シートSH1の上部は、予備熱処理位置H2を通過する際に、第1ノズル271及び第2ノズル272によって所定温度(例えば、約150℃)の熱風が吹きつけられて収縮する。尚、以下の説明において、内包装用シートSH1への第1ノズル271及び第2ノズル272による熱風の吹きつけを「予備熱処理」と称し、後述する第3ノズル273〜第8ノズル278による熱風の吹きつけを、単に「熱処理」と称することにより、両者を区別することとする。図10は、当該遊技機P1に巻きつけられた内包装用シートSH1へ予備熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
遊技機P1が第1コンベア装置213上から第2コンベア装置252上へ移り、遊技機P1の搬送方向後方側の側面が熱溶着位置H1を通過すると、包装用シートS,Sは熱溶着機構214の一対の熱溶着バー229,231が閉じることによって遊技機P1の搬送方向後方側で熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線232によって切断されることにより筒状に成形される(図11参照)。ここで、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた内包装用シートSH1の上部は、予備熱処理位置H2を通過する際に、第1ノズル271及び第2ノズル272からの熱風の吹きつけによる予備熱処理によって収縮するため、内包装用シートSH1,SH1が切断されてシートロールR1側の内包装用シートSH1,SH1から分離されても下方へずり落ちることはない。ここで、図12は、遊技機P1の外周に筒状に成形された内包装用シートSH1が被着された状態を示す斜視図である。図12に示されるように、内包装用シートSH1の上部は予備熱処理により収縮して遊技機P1上部に略密着し、且つ上部以外の部分は遊技機P1外周に緩く被着されている。
次に、第2コンベア装置252により遊技機P1が熱処理位置H3へ搬送されると、図13に示すように、第2コンベア装置252及び/又は第3コンベア装置253によって遊技機P1が搬送されながら、第3ノズル273〜第8ノズル278から遊技機P1へ被着された内包装用シートSH1へ所定温度(例えば、約300℃)の熱風が吹きつけられる。そして、内包装用シートSH1の熱風が吹きつけられた箇所が熱収縮することにより、内包装用シートSH1が遊技機外周へ略密着する。図14は、当該遊技機P1に巻きつけられた内包装用シートSH1へ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
具体的には、図14に示されるように、遊技機P1に被着された内包装用シートSH1において、第3ノズル273が、遊技機P1前面の上端近傍を覆う箇所に、第4ノズル274が、上皿63と下皿70との間を覆う箇所に、第5ノズル275が遊技機P1前面の下端(下皿70の下端)近傍を覆う箇所に、第6ノズル276が遊技機P1背面の上端近傍(役物カバー85上端近傍を含む)を覆う箇所に、第7ノズル277がメイン基板ボックス82と払出し制御基板ボックス86との間を覆う箇所に、第8ノズル278が、遊技機P1背面の下端近傍(払出し制御基板ボックス86下端近傍を含む)を覆う箇所に、それぞれ熱風を吹きつけることにより、内包装用シートSH1のそれぞれの箇所が熱収縮して遊技機P1に略密着する。
次いで、遊技機P1は第3コンベア装置253により下流側へ搬送される間に常温で冷却されて内包装用シートSH1の熱収縮部分が硬化するので、内包装用シートSH1の遊技機P1への略密着状態が保たれる。以上により、内包装装置201による遊技機P1への包装が完了する。
ここで、図15は、包装が完了した遊技機P1の側面図であり、図16は、遊技機P1の下部を拡大して示す側面図であり、(a)はシート巻きつけ後、熱処理前(予備熱処理位置H2通過後、熱処理位置H3通過前)の状態を、(b)は熱処理後(熱処理位置H3通過後)の状態を表わしている。図15により、遊技機P1の外周の段差形状に沿って内包装用シートSH1が略密着していることがわかる。また、図16より、内包装用シートSH1が第3ノズル273〜第8ノズル278による熱風の吹きつけによる熱処理によって熱収縮して強く張られた状態となり、遊技機P1前面においては上皿63及び下皿70に、背面においてはメイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86にそれぞれ密着した状態になっていることがわかる。
(4)第1印刷工程S4
内包装工程S3で内包装用シートSH1が密着包装された遊技機P1は、ベルトコンベア152により装置下流へ移送する。ベルトコンベア152の搬送経路の途中には、コンピュータ110に接続された第1印刷装置180が設けられている。第1印刷装置180は、インクジェット方式により内包装用シートSH1に対して印字するプリンタヘッド182や、図示しないCPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。プリンタヘッド182は、それぞれ別内容を同時に印刷出力可能な2つのプリンタヘッド182a,182bから構成され、一方のプリンタヘッド182aは、ベルトコンベア152上を搬送される遊技機P1の前面側に、他方のプリンタヘッド182bは、遊技機P1の背面側にヘッド先端が対向し、且つ搬送される遊技機P1表面より所定距離(例えば、数cm〜十数cm)離隔する位置にそれぞれ配置されている。ここで、遊技機P1のメイン基板等の制御基板に対向する位置にプリンタヘッドを配置すると、万が一、内包装用シートSH1に破れがあった場合に、制御基板へインクが付着して不良が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、このような不具合が生じることを防止するためプリンタヘッド182a,182bを、制御基板を避けた位置に対向するように配置されている。プリンタヘッド182a,182bはピエゾ素子を有しており、コントロール回路が印加電圧パターンを生成して同ピエゾ素子を駆動する。すると、プリンタヘッド182a,182bは、ドット単位でインクを吐出する。また、通信I/Oを介してコンピュータ110から入力される情報をRAMに記憶し、同情報を印刷する制御を行う。コンピュータ110から遊技機P1の発送を管理する発送情報が入力されると、ベルトコンベア152上を搬送される遊技機P1に被着された内包装用シートSH1に対してプリンタヘッド182a,182bにより発送情報を印刷する(第1印刷工程S4)。
具体的には、遊技機前面側に対向配置されたプリンタヘッド182aにより内包装用シートSH1の前面側に遊技機名、識別番号、納品総数が、背面側に対向配置されたプリンタヘッド182bにより内包装用シートSH1の背面側に納品先名がそれぞれ印刷される。ここで、図17は内包装工程及び第1印刷工程終了後における遊技機P1の前面側を示す斜視図であり、内包装用シートSH1の上下方向中央部に遊技機名等の発送情報が印刷されている。尚、ベルトコンベア152による搬送に同期してプリンタヘッド182a,182bからそれぞれ発送情報に基づいたドットパターンのインクが吐出されるため、ベルトコンベア152で遊技機P1を搬送しながら(すなわち、搬送を停止することなく)印刷を行うことができると共に、プリンタヘッド182a,182bを走査駆動する手段を設ける必要がない。。また、上述したとおり、内包装用シートSH1は熱処理によって収縮し、遊技機P1外周へ略密着して表面が平らになっているので、インクジェット方式のプリンタヘッド182a,182bにより内包装用シートSH1表面へ鮮明な印刷を行うことができる。
さらに、内部のRAMに印刷データを保持しているときには通信I/Oを介してコンピュータ110に印刷データ保持中を意味する信号を送出するとともに、印刷データを入力可能となったときには通信I/Oを介して印刷データ入力可能を意味する信号を送出する。尚、第1印刷装置180は、ナイロン等の樹脂材料製シートに対して印刷可能な公知の印刷装置を採用することができる。
(5)外包装工程S5
第1印刷工程S4で内包装用シートSH1に発送情報が印刷された後、遊技機P1をベルトコンベア152により外包装装置301に移送し、遊技機P1全体を外包装用シートSH2にて密封するように袋詰めを行う(外包装工程S5)。
以下、外包装装置301の構成及び作用について図を参照しつつ説明する。ここで、図18は外包装装置301の正面図、図19は同、平面図、図20はシート供給装置311の説明図、図21はシート把持装置を遊技機の搬入側から示した正面図、図22は縦方向熱溶着切断機構340の正面図、図23は袋緊張装置375の正面図、図24は袋口熱溶着機構385の正面図、図25は二重包装が完了した遊技機P1を示す斜視図である。尚、外包装工程S5で用いられる外包装用シートSH2は、内包装用シートSH1と同様の熱可塑性樹脂等の材質からなる略無色又は内包装用シートSH1とは異なる色に着色された透明又は半透明のシートである。また、シート供給装置311が、本発明のシート展開供給手段を、縦方向熱溶着切断機構340が縦方向熱溶着切断手段を、袋口熱溶着機構385が袋口熱溶着手段をそれぞれ構成するものである。
図18、図19に示す外包装装置301のシート供給装置311には、機枠312の供給フレーム313の手前側に上下2段に配置された一対のスピンドル315、316の先端が対向するように回転自由に設けられている。一方のスピンドル315の外端部にはハンドル317が取り付けられ、ハンドル317の回転操作によりスピンドル315が軸方向に進退自在に設けられている。そして、そのスピンドル315、316間に、長手方向に二つに折り重ねられた外包装用シートSH2を巻き込んだシートロールR2の中空軸をはめ込むことにより、シートロールR2が横向きで回転自由に設けられている。このシートロールR2については、スピンドル315側に折り重ねた部分をセットする。
供給フレーム313の上下位置に回転自由に支持された一対の送りローラ318、319は、一方の送りローラ318がモータ装置10により回転駆動するように設けられる。ダンシングローラ321、中間ローラ322、一対のガイドローラ323,323は、供給フレーム313に回転自由に設けられている。そして、図20に示すように、モータ装置10の回転制御によってシートロールR2から外包装用シートSH2を繰り出し、ダンシングローラ321、中間ローラ322を介してガイドローラ323、323側に適時に送り込むように設けたシート送り機構325が設けられている。
丸棒材からなるほぼU字形のシート折込みガイド326は、ガイドローラ323、323の一端中央近くに円弧状の屈曲部327を配置し、その屈曲部327から左右両側に延びるガイド部328をガイドローラ323の他端上方に配置して傾斜状に設けられて機枠312に固定されている。
第1コンベア装置330は、横向きの起立姿勢の被包装物たる遊技機P1をシート折込みガイド326の屈曲部327側から搬入する装置である。第1コンベア装置330は、供給フレーム313の外側に設置された架台331上にモータ装置332により駆動される駆動ローラ軸333を回転自由に設け、駆動ローラ軸333に細長い搬送フレーム334の一端部を相対回転可能に設ける。その搬送フレーム334の自由端部のローラ335と駆動ローラ軸333とに無端ベルト336が掛け渡された搬送部337を、シート折込みガイド326内の中央位置に臨ませ、フレーム333を架台331に片持ち支持するように設けている。
以上により、シートロールR2からモータ装置320の回転制御によって外包装用シートSH2を繰り出し、ダンシングローラ321、中間ローラ322を介して送り込まれてガイドローラ323を通過した外包装用シートSH2を、シート折込みガイド326のガイド部328の外方から内方に滑り込ませて展開状に反転させ、その底部を第1コンベア装置330の搬送部337の下方を通過させる共に、その両側縁SH2’を上方として繰り出すように設けたシート供給装置311が構成される。
縦方向熱溶着切断機構340は、シート供給装置311から繰り出される外包装用シートSH2の縦方向部分を溶着する装置である。図22に示すように、左右両側の支柱312aにそれぞれ固定された取付板341には、上下に配置されたガイドロツド342を水平方向に進退自由に設け、取付板341に取り付けた空圧シリンダ344のロッドの先端部344aを、それらのガイドロツド342の先端に取り付けたベース343に固定する。対向状に配置された一方のベース343には2列の縦長の熱溶着バー345を取り付け、他方のベース343に取り付けた熱溶着バー346の内面にヒーター線347を縦方向に張設する。そして、各空圧シリンダ344により一対の熱溶着バー345、346を開閉自在に設け、それら熱溶着バー345、346を閉じて外包装用シートSH2に縦方向熱溶着を施すと共に、その溶着部の中間をヒーター線347により縦方向に切断するように設ける。
シート把持装置350は、縦方向熱溶着切断機構340により縦方向熱溶着及び切断を施された外包装用シートSH2の上端部を把持するため装置である。図21に示すように、このシート把持装置350は、機枠312の天枠312bに固定された取付板351に、空圧シリンダを内蔵すると共に一対のガイドロツド353を同シリンダによって上下動自在に設けたシリンダ装置352を取り付けている。そのガイドロツド353の下端部には伏コ字形の支持フレーム354を取り付け、保持片356をロッドの先端部に取り付けた空圧シリンダ355を支持フレーム354の左右両側に対向状に設け、各空圧シリンダ355により保持片356、356を外包装用シートSH2に対して開閉自在に設けている。
第2コンベア装置50は、遊技機P1を間欠的に搬送する装置である。機枠312に固定された架台361にはフレーム362を取り付け、そのフレーム362には、スプロケット364を固定した駆動軸363と、スプロケット366を固定した被動軸365を一定間隔を置いて回転自由に設け、それらのスプロケット364、366にキャタピラ状の無端チェン367を掛け渡す。モータ装置368は、駆動軸363を間欠駆動する。この第2コンベア装置360の搬送部369は、図19に示すように、第1コンベア装置330の搬送部337と直線状に配置されている。また、第2コンベア装置360の搬出側には、一般的な強制駆動式のローラコンベア370を搬送部369に直線状に設置する。
袋緊張装置375は、袋口が開放された袋aの上端部を把持してその袋を縦方向に緩く緊張保持させるための装置である。図23に示すように、この袋緊張装置375は、天枠312cに固定された取付板376に、空圧シリンダを内蔵すると共に一対のガイドロツド378を同シリンダによって上下動自在に設けたシリンダ装置377を取り付けている。そのガイドロツド378の下端部に固定されたベース379には、空圧シリンダを内蔵すると共に一対のガイドロツド381を水平方向に移動自在に設けたシリンダ装置380を左右両側に対向状に設け、各ガイドロツド381の先端部に保持片382を夫々設ける。しかして、シリンダ装置380、380により保持片382、382を袋aに対して開閉自在に設け、袋aの上端部を保持片382、382により把持してシリンダ装置377によってベース379を上昇させることにより袋aを縦方向に緩く緊張保持するように構成する。
袋aの開口部bを溶着する袋口熱溶着機構385は、図18、図24に示すように、機枠312の横桁312dに固定された各取付板386に、空圧シリンダ388を内蔵すると共に一対のガイドロツド389を同シリンダによって上下動自在に設けたシリンダ装置387を取り付け、シリンダ装置387を左右両側に対向状に設けている。それらのガイドロツド389の先端部に固定されたベース390には、横長の熱溶着バー391を夫々取り付ける。しかして、シリンダ装置387、387により一対の熱溶着バー391を開閉自在に設け、それら熱溶着バー391を閉じて袋緊張装置375により緊張保持された袋aの開口部bを溶着するように設ける。
次に、上述した構成を有する外包装装置301の作動について説明する。まず、シートロールRからシート送り機構325によってガイドローラ323側に送り出された二つ折りの外包装用シートSH2は、シート折込みガイド326のガイド部328の外方から内方に滑り込んで展開状に反転され、その底部が第1コンベア装置330の搬送部337の下方を通過する共にその両側縁SH2′を上方として繰り出される。
次に、シート供給装置311から繰り出された外包装用シートSH2は、縦方向熱溶着切断機構340により縦方向熱溶着を施され、その溶着部の中間がヒーター線347によって縦方向に切断される。このとき、切断された外包装用シートSH2の上端部はシート把持装置350の保持片356により把持され、この状態において、横向きで起立姿勢とされた遊技機P1が第1コンベア装置330により外包装用シートSH2の収容空間内に搬送される。
次いで、シート把持装置350の保持片356が開き、第1コンベア装置330と第2コンベア装置360が同期作動して上記収容空間内に収められた遊技機P1を、所定距離だけ移動させて第2コンベア装置360の搬送部369上に停止させる。
そこで、遊技機P1の後側(搬入側)に相当する位置において、外包装用シートSH2に対して縦方向熱溶着切断機構340により2回目の縦方向熱溶着が施され、その縦方向熱溶着の溶着部の中間が縦方向に切断される。このようにして、遊技機P1は、縦方向熱溶着が前後両側に施されて後続の外包装用シートSH2から分離形成された1つの袋aにより包まれた状態とされる。
次いで、袋aに収められた遊技機P1が、第2コンベア装置360により袋口熱溶着機構385の位置まで移動されて停止すると、図24に示すように、その袋aはその上端部を袋緊張装置375の保持片382により把持されて縦方向に緩く緊張保持される。その状態において、袋口熱溶着機構385の熱溶着バー391が閉じて、その袋aの開口部bが溶着される。その溶着後、それら熱溶着バー391が開き、遊技機P1は完全に密封包装される(後述する図25参照)。上述した一連の動作が繰り返し行われることにより、第1コンベア装置330により連続的に送り込まれる遊技機P1は1台毎に包装されて、第2コンベア装置360、ローラコンベア370により外部に送り出される。
(6)第2印刷工程
外包装工程S5で遊技機P1全体が外包装用シートSH2により密封包装されると、ベルトコンベア153により包装された遊技機P1を昇降リフト160に移送し、最下階に移送する。昇降リフト160は、遊技機P1の上下を保持する上下動可能な保持部161,161を有し、制御盤122の制御により所定のタイミングで、密封包装された遊技機P1を保持部161,161にて保持して下方に移送する。密封包装された遊技機P1を最下階に移送すると、ベルトコンベア170により所定の記録位置まで移送する。同記録位置には、コンピュータ110に接続された第2印刷装置190が設けられている。
第2印刷装置190は、上述した第1印刷装置180と同様のものであるので、印刷装置の構成についての説明は省略する。但し、第2印刷装置190のプリンタヘッド192は、ベルトコンベア上を移動する遊技機の前面側のみに対向配置される。コンピュータ110から遊技機の発送を管理する発送情報が入力されると、ベルトコンベア170上を移動する遊技機P1全体を密封包装する外包装用シートSH2上にプリンタヘッド192により発送情報を印刷する(第2印刷工程S6)。具体的には、プリンタヘッド192により外包装用シートSH2の前面側に納品先名、住所、運送会社、納品総数が印刷される。ここで、図25は外包装工程及び第2印刷工程終了後における遊技機P1の前面側を示す斜視図であり、遊技機P1全体を密封包装する外包装用シートSH2の上下方向中央部に遊技機名等の発送情報が印刷されている。
さらに、内部のRAMに印刷データを保持しているときには通信I/Oを介してコンピュータ110に印刷データ保持中を意味する信号を送出するとともに、印刷データを入力可能となったときには通信I/Oを介して印刷データ入力可能を意味する信号を送出する。
外包装用シートSH2に発送情報が印刷された後、遊技機P1をベルトコンベア170により移送し、生産ラインの最終工程として、保管倉庫に一時保管したり、出荷用トラックに積み込んで出荷したりする。この包装ラインでは、証紙に印字された管理番号に対応した発送情報が自動的に内包装用シートSH1,2に対して印刷されるので、作業者が視認することにより遊技機に貼付された証紙の管理番号と発送管理用の発送情報とを照合して発送を管理する必要がなくなることになる。尚、この処理を行うコンピュータ110については、後で詳述する。
(7)発送管理システム
次に、上述した包装ラインに適用される発送管理システム100の構成について、図26を参照しつつ説明する。図26は、発送管理システム100をコンピュータ110の内部構成とともに示した概略ブロック図である。図26において、コンピュータ110の内部では、バス110aに、CPU111、タイマ回路111a、ROM112、RAM113、I/O回路114、ハードディスクドライブ115a、プリンタインターフェイス119、等が接続されている。ハードディスクドライブ115aには、各種制御プログラムや、製品の発送を管理する各種発送情報を記憶したハードディスク115が接続されている。また、CRTインターフェイスを介してディスプレイ116や、音声出力インターフェイスを介して音声出力器117や、入力インターフェイスを介してキーボード118も接続されている。そして、ROM112やハードディスク115に記憶された制御プログラムに基づいて、CPUがRAMをワークエリアとして利用しながら各部を制御するようになっている。
プリンタインターフェイス119には、プリンタ119aが接続されている。プリンタ119aは、図示しないCPU、ROM、RAM、コントロールIC、プリンタヘッド、通信I/O、等を備えており、CPUがRAMをワークエリアとして利用しながらROMに書き込まれたプログラムに従ってプリンタ各部を制御するようになっている。そして、通信I/Oを介してコンピュータ110から入力される印刷データをRAMに一時的に記憶し、印刷を行う。
I/O回路114には、生産ラインに設けられたCCD撮像装置131〜133,231〜233、第1印刷装置180,190、制御盤121等が接続されている。すなわち、コンピュータ110は、I/O回路114を介してCCD撮像装置131〜133からの画像データを取り込むことができ、印刷装置180,190に対して印刷させる情報を出力可能である。また、制御盤121からの信号も取り込んだり、制御盤121にライン停止信号を出力したりすることが可能である。尚、CCD撮像装置や印刷装置や制御盤との接続は様々な態様が考えられ、例えば、汎用のUSBインターフェイスを利用してもよいし、RS−232Cインターフェイスを利用してもよい。
ハードディスク115には、上記管理番号や部品管理番号等と発送情報とを対応させて記憶した発送情報記憶領域が設けられている。図27は、同発送情報記憶領域に記憶されている情報の構造の一例を模式的に示している。ここで、管理番号は製品としての遊技機に付されるとともに同製品を識別する識別情報であり、部品管理番号は同製品を構成する部品に付されるとともに同部品を識別する識別情報であり、発送情報は同製品の発送を管理する情報である。本実施形態では管理番号と部品管理番号も発送情報に含まれるものとして扱うが、管理番号と部品管理番号が発送情報に含まれないものとして扱うことも可能である。遊技機の発送情報には、遊技機を納品するホール名のコード、同ホールの担当支社、同遊技機の品名、同遊技機を納品する数量、同製品の納品日、同製品を運送する運送業者が、遊技板に付される管理番号(上記証紙P11の管理番号)、ROMに付されるロット管理番号(上記証紙P12のロット管理番号)、基板ボックスに付される部品管理番号(上記証紙P13の部品管理番号)と対応して格納されている。むろん、発送情報は様々な構造にて構成することができ、これらの情報の一部がなくても発送情報を構成することができるし、他の情報を含めて発送情報を構成することもできる。また、発送情報を管理番号に対応させるのも様々な構造が可能であり、例えば、納品する数量分について発送情報を構成するホール名、担当支社、品名、数量、納品日、運送業者は同じ情報となることから、同発送情報に対応して管理番号と部品管理番号の一覧を発送情報記憶領域に格納するようにしてもよい。
次に、発送管理システム100の動作について説明する。まず、遊技機を生産するにあたり、発送情報をコンピュータ110に対して入力しておく必要がある。そのためには、コンピュータ110の電源をオンにし、本発送管理システム 100用の制御プログラムを起動させる必要がある。図28は、コンピュータ110が行う処理の概略を示すフローチャートである。コンピュータ110の電源をオンにすると、図29で示すメニュー画面を表示する(S205)。図において、選択可能なメニュー内容D11が番号とともに表示される。画面下部には番号入力欄D12が設けられており、キーボード118の操作入力によりメニュー内容を選択することが可能となっている。ここで、メニュー内容には、発送情報を入力する「発送情報入力」、生産ラインの動作を管理する「ライン管理」、発送情報を検索する「検索実行」、その他の処理を行う「オプション」、起動中の制御プログラムを終了させる「終了」がある。
次に、キーボード118により番号入力欄D12に対して画面に表示された番号の操作入力が行われたかどうかを判断する(S210)。条件不成立の場合は、画面に表示された番号の操作入力が行われるまでS210の処理を繰り返し行う。画面に表示された番号の操作入力が行われた場合、操作入力された番号が「終了」メニューに相当するかどうかを判断する(S215)。条件成立の場合、本フローを終了する。一方、操作入力された番号が「終了」メニュー以外であれば、操作入力された番号別の処理を行い(S220)、S205に戻って再びメニュー画面を表示する。
メニュー画面で「発送情報入力」が選択入力されると、S220で発送情報入力処理が実行され、発送情報入力画面にて納品する数量分について同じ情報となるホール名(コード)、担当支社、品名、数量、納品日、運送業者に対応する入力欄への入力に対して、遊技板に付される複数の管理番号、基板ボックスに付される複数の部品管理番号が操作入力される。また、メニュー画面で「検索実行」が選択入力されると、S220において検索情報出力処理が実行され、発送情報の検索が行われる。
メニュー画面において「ライン管理」が選択入力されると、S220でライン管理処理が実行される。ここで、図30及び図31は、ライン管理処理の内容を示すフローチャートである。本フローでは、証紙に印字された管理番号とロット管理番号と部品管理番号とを取得し、対応する発送情報を製品の包装に対して印刷する処理を行う。まず、図32に示すライン管理画面をディスプレイ116に表示する(図30のS402)。次に、CCD撮像装置131〜133から画像データが入力されているかどうかを判断する(S404)。図5において、ベルトコンベア151上を移動する遊技機P1が所定の撮像位置となると、CCD撮像装置131〜133が証紙P11〜P13の管理番号とロット管理番号と部品管理番号とを撮像する。すると、CCD撮像装置131〜133は、画像データを出力する要求とともに、撮像したデジタルの画像データをコンピュータ110に対して出力する。コンピュータ110は、I/O回路114を介して画像データを出力する要求が入力されているかどうかを検出することにより、画像データが入力されているかどうかを判断する。画像データが入力されていない場合、図31のS436に進み、第1印刷装置、第2印刷装置に対して印刷データを出力する処理を行うようにしている。
画像データが入力されている場合、S406に進み、CCD撮像装置131〜133から画像データを入手し、入手した画像データに対してパターン・マッチング法等により文字認識を実行し、文字データに置き換える。そして、置き換えられた文字データから、証紙P11〜P13に印字された管理番号とロット管理番号と部品管理番号を取得し、ディスプレイ116に表示する(S408)。尚、取得される管理番号は遊技板30に貼付された証紙P11に印字された番号であり、ロット管理番号はROM83に貼付された証紙P12に印字された番号であり、部品管理番号は基板ボックス82に貼付された証紙P13に印字された番号である。
ここで、万一、管理番号やロット管理番号や部品管理番号を正確に取得することができなかったことを想定し、S410では取得した管理番号等が所定のフォーマットであるかどうかを判断する。図27の例では、管理番号と部品管理番号の場合であれば、9桁の数字とされているので、取得した管理番号と部品管理番号が9桁の数字となっているかどうかを判断する。条件成立の場合、S418に進む。一方、所定のフォーマットでないと判断したときには、例えば「管理番号を取り込むことができませんでした」といった管理番号、ロット管理番号または部品管理番号を取得することができなかった旨のエラー情報を作成する(S412)。その後、ライン管理画面のエラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示するとともに、音声出力器117からブザー音を音声出力する(S414)。そして、制御盤121に対してライン停止信号を出力し(S416)、S404に戻る。すると、制御盤121は生産ラインの動作を停止させるので、管理番号等を取得することができなかった原因を解消した後、生産ラインの動作を再開させることができる。このように、管理番号や部品管理番号等を取得することができなかった旨が外部に出力されるので、確実に製品の発送を管理することができる。尚、CCD撮像装置131〜133の近傍にランプや音声出力器を取り付け、取得した管理番号等が所定のフォーマットでない場合に同ランプを発光させるとともに同音声出力器から警告音を音声出力させるようにしてもよい。
S410にて取得した管理番号等が所定のフォーマットであると判断した場合、発送情報記憶領域を参照して、管理番号とロット管理番号と部品管理番号とが対応しているかどうかを判断する(S418)。図27の例では、CCD撮像装置からの画像データから管理番号「010901001」が取得された場合、ROMの部品管理番号として「010703」、基板ボックスの部品管理番号として「010802071」が取得されていればこれらの管理番号等が対応していることになり、同番号が取得されていなければこれらの管理番号等は対応していないことになる。条件成立の場合、S422に進む。一方、これらの管理番号等が対応していない場合には、例えば「三つの管理番号が対応していません」といった管理番号とロット管理番号と部品管理番号とが対応していない旨のエラー情報を作成する(S420)。その後、上述したS414〜S416のフローを利用して、エラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示し、音声出力器117からブザー音を音声出力するとともに、制御盤121に対してライン停止信号を出力してS404に戻る。
このように、S404〜S416,S418〜S420の処理は、CCD撮像装置とともに、製品としての遊技機に付された識別情報と、同製品を構成する部品に付された識別情報とを取得する識別情報取得手段を構成する。尚、図5において、管理番号等が取得された遊技機P1は、ベルトコンベア151により移送され、内包装装置201により第1の包装が施された後、ベルトコンベア152により内包装用シートSH1へ印刷を行う位置まで移送され、さらに、外包装装置301により第2の包装が施された後、ベルトコンベア153と昇降リフト160とベルトコンベア170により外包装用シートSH2へ印刷を行う位置まで移送されることになる。
S422では、取得した管理番号と部品管理番号とに対応する発送情報が発送情報記憶領域に記憶されているかどうかを判断する。図27の例では、管理番号として「010901001」、部品管理番号として「010802071」が取得された場合、発送情報記憶領域には同管理番号等に対応する発送情報が格納されているので、対応する発送情報が記憶されていることになる。条件成立の場合、図31のS432に進む。一方、取得した管理番号等に対応する発送情報が記憶されていない場合には、例えば「対応する発送情報がありません」といった発送情報が無い旨のエラー情報を作成する(S424)。その後、上述したS414〜S416のフローの処理を行い、S404に戻る。すなわち、発送情報が無い旨も外部に出力されるので、より確実に製品の発送を管理することができる。
図31のS432では、取得した管理番号と部品管理番号に対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する。そして、管理番号等を取得した順番に発送情報をRAM113に蓄積する(S434)。ここで、RAM113には、図33に示すように、管理番号と部品管理番号に対応させて発送情報を順番に蓄積していくようにしている。図の例は、<1>〜<5>の順に遊技機5台分の発送情報が取得されて蓄積されていることを示している。
S436では、第1印刷装置180に対して発送情報を印刷データとして出力可能であるかどうかを判断する。第1印刷装置180が内部のRAMに印刷データを保持しているときには印刷データ保持中を意味する信号を送出しているので、条件不成立となり、S440に進む。また、第1印刷装置180に出力していない発送情報がRAM113に蓄積されていないときにも、条件不成立となり、S440に進む。第1印刷装置180に対して発送情報を出力可能であると判断した場合、出力していない発送情報のうち、最も早く取得した発送情報を第1印刷装置180に対して出力する(S438)。すると、第1印刷装置180は同発送情報を入手し、遊技機外周を密着包装する内包装用シートSH1の前面側及び背面側に対して発送情報を印刷する。例えば、前面側には、遊技機名、識別番号、納品総数を印刷し、背面側には納品先を印刷する。図34(a)は、内包装用シートSH1前面側の上下方向における略中間部に印刷された発送情報の一例を、同図(b)は背面側に印刷された発送情報の一例をそれぞれ示している。同図では、発送情報のすべてが1行で印刷されている。むろん、印刷は様々なフォーマットにより行うことができ、複数行にわたって発送情報を印刷してもよい。
S438の処理を行う際、第1印刷装置に対して出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタを利用する。同ポインタは、初期状態では「1」とされており、発送情報を第1印刷装置に対して出力する毎に「1」が加算される。図33の例では、RAM113に蓄積されている発送情報のうち、<1>と<2>に相当する発送情報を既に第1印刷装置に対して出力しており、出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタは「3」となっている。そこで、<3>に相当する発送情報を第1印刷装置に対して出力し、ポインタに「1」を加算する。すると、発送情報を取得した順番にベルトコンベアにて移送される遊技機の内包装用シートSH1に対して発送情報を印刷することになる。したがって、遊技機の連続生産を行う際、製品の移送に時間がかかるラインであっても効率よく製品の包装と発送情報の記録とを連続して行うことができる。
次に、S440で、第2印刷装置190に対して発送情報を印刷データとして出力可能であるかどうかを判断する。第2印刷装置190が内部のRAMに印刷データを保持しているときには印刷データ保持中を意味する信号を送出しているので、条件不成立となり、S404に戻って管理番号等を取得する処理を行う。また、第2印刷装置190に出力していない発送情報がRAM113に蓄積されていないときにも、条件不成立となり、S404に戻る。第2印刷装置190に対して発送情報を出力可能であると判断した場合、出力していない発送情報のうち、最も早く取得した発送情報を第2印刷装置190に対して出力する(S442)。すると、第2印刷装置190は同発送情報を入手し、遊技機全体を包装する外包装用シートSH2に対して発送情報を印刷する。例えば、外包装用シートSH2の前面側に、納品先名、納品先住所、運送会社、納品総数を印刷する。図35は、外包装用シートSH2前面側の上下方向における略中間部に印刷された発送情報の一例を示している。同図では、発送情報のすべてが1行で印刷されているが、上述した内包装用シートSH1へ印刷と同様、様々なフォーマットにより印刷を行うことができ、複数行にわたって発送情報を印刷してもよい。
S442の処理を行う際、第2印刷装置に対して出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタを利用する。同ポインタは、初期状態では「1」とされており、発送情報を第1印刷装置に対して出力する毎に「1」が加算される。図33の例(第2印刷装置への出力状況)では、RAM113に蓄積されている発送情報のうち、<1>に相当する発送情報を既に第2印刷装置に対して出力しており、出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタは「2」となっている。そこで、<2>に相当する発送情報を第2印刷装置に対して出力し、ポインタに「1」を加算する。すると、発送情報を取得した順番にベルトコンベア及び昇降リフトにて移送される遊技機の外包装用シートSH2に対して発送情報を印刷することになる。したがって、遊技機の連続生産を行う際、製品の移送に時間がかかるラインであっても効率よく製品の包装と発送情報の記録とを連続して行うことができる。
尚、第1印刷装置201、第2印刷装置301が印刷データ保持中を示す信号を出力する機能を有していない場合には、図5で示したベルトコンベア152上で第1印刷装置201の手前となる位置及びベルトコンベア170上で第2印刷装置301の手前となる位置にコンピュータ110と接続された光電スイッチをそれぞれ設け、S436又はS440にて各光電スイッチの検出信号に応じて発送情報を第1印刷装置201又は第2印刷装置301に出力可能かどうかを判断すればよい。また、第1印刷装置201、第2印刷装置301が複数の印刷データを一時記憶して順番に印刷する機能を有していれば、S434〜S442の処理を行う代わりにS432で取得した発送情報を管理番号とともに即座に第1印刷装置201、第2印刷装置301に対してそれぞれ出力すればよい。
その後、ライン管理を終了するかどうか、すなわち、ライン管理画面の番号入力欄D34に「ライン管理終了」に相当する番号が選択入力されたかどうかを判断する(S440)。ライン管理を終了しない場合には、S404に戻り、繰り返しCCD撮像装置を使用して管理番号等を取得し、印刷装置に対して印刷データを出力する処理を行う。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の遊技機包装ラインAによれば、内包装装置201により、遊技機P1の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように遊技機P1の外周に内包装用シートSH1を略密着させて包装し、さらに、外包装装置により、内包装用シートSH1が外周に包装された遊技機P1の全体を外包装用シートSH2により密封状に包装する。つまり、遊技機P1に対して内包装用シートSH1による包装を施す工程(内包装工程S3)と、外包装用シートSH2による包装を施す工程(外包装工程S5)とを自動的且つ連続的に実施することができる。
そして、遊技機包装ラインによって包装された遊技機P1は、内包装用シートSH1と外包装用シートSH2とにより二重包装が施されているため、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。すなわち、メイン基板等の遊技機の制御を行う部分に不正改造を行うためには、まず外包装用シートSH2を切断・開封し、さらに、内包装用シートSH1を切断・開封する必要がある。このため、不正な改造が行われた場合には外包装用シートSH2及び内包装用シートSH1が開封されていることから、不正改造を確実に感知することができる。また、内包装用シートSH1を一旦、切断・開封してから、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように遊技機P1の外周に略密着させて再度包装して元通りの状態に戻すことは極めて困難であり、さらに、遊技機P1全体が外包装用シートSH2によって密封されることによって埃等の付着が防止されるだけでなく、内包装用シートSH1による包装状態も確実に保持されるため、不正改造を行った者によって再度包装が行われた場合には確実にこれを感知することができる。さらに、遊技機P1に対して内包装用シートSH1及び外包装用シートSH2によって従来よりも厳重な二重包装が施されていることから、不正改造を試みようとする者の意欲を減退させて、不正改造を未然に防止する効果が発揮されることも期待される。
また、着色された内包装用シートSH1の遊技機P1外周への包装状態を、略無色又は内包装用シートとは異なる色に着色された透明又は半透明の外包装用シートSH2を通して容易に視認することができるので、不正改造を容易に感知することができると共に、不正改造の困難性を認識させて不正改造の未然防止を図ることができる。さらに、所定の色に着色された内包装用シートSH1の入手困難性により、不正改造後に再包装を行うことの困難性がより一層高められる。また、内包装用シートSH1及び外包装用シートSH2が共に透明又は半透明であるので、二重に包装が施された遊技機P1の状態を容易に視認することができ、不正改造を容易に感知することができる。
また、第1印刷装置180により、遊技機P1を包装する内包装用シートSH1に各遊技機を識別可能な識別情報としての管理番号を含む発送情報が印刷され、更に、第2印刷装置190により、遊技機P1を包装する外包装用シートSH2にも発送情報が印刷されるので、内包装用シートSH1及び外包装用シートSH2の両方が、大量生産される各遊技機に対してそれぞれ固有のものとなり、各包装用シートSH1,SH2の偽造困難性が高められ、不正改造の発見がより確実になると共に、不正改造の未然防止効果の向上を図ることができる。また、内包装用シートSH1及び外包装用シートSH2にそれぞれ識別情報が印刷されているので、出荷、納品、ホールへの設置作業等の際に容易に識別情報を視認して遊技機を識別することができる。
また、識別情報取得手段としてのCCD撮像装置131〜133が、遊技機P1に貼り付けられた証紙より当該遊技機を識別可能な管理番号を正確且つ迅速に取得し、第1印刷装置180及び第2印刷装置190が、CCD撮像装置131〜133によって取得された管理番号に基づいて発送情報の印刷を行うので、作業者が証紙を視認して包装用シートへ印刷するための情報入力を行う等の手作業を省くことができる。
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
例えば、前記実施形態の内包装装置201において熱風を吹きつける箇所は、一例を示したものであり、遊技機の形状等に応じて適宜変更して実施することが可能であることはいうまでもない。例えば、上皿63近傍を覆う箇所に熱処理を施すことにより、遊技機P1前面の当該箇所において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。また、熱処理工程で、内包装用シートSH1において、少なくとも遊技機P1の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理を施すようにしてもよい。例えば、内包装用シートSH1において遊技機P1各部に設けられた金属製部材を覆う箇所に熱処理を施してもよい。また、内包装用シートSH1において遊技機P1に設けられた熱硬化性樹脂製部材(例えば、遊技機前面に設けられた灰皿等)を覆う箇所に熱処理を施してもよい。このように、内包装用シートSH1において金属製部材や熱硬化性樹脂製部材等の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機P1が熱処理によって損傷することを防止することができる。
また、前記実施形態の内包装装置201では、ノズルから熱風を吹きつけることにより遊技機P1の外周に被着された内包装用シートSH1へ熱処理を施す構成としたが、遊技機の搬送経路の両側に熱処理手段としてのヒータを配置し、ヒータから発せられる熱により内包装用シートSH1へ熱処理を施す構成としてもよい。
また、前記実施形態の内包装装置201では、内包装用シートSH1により役物カバー85、メイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86を一体的に覆う例を示したが、各基板ボックスを個別に覆うようにしてもよく、或いは、最も不正改造防止の必要性が高いメイン基板ボックス82のみを内包装用シートSH1により覆うように遊技機P1の外周へ巻きつけてもよい。本変形例では、遊技機P1背面側のメイン基板ボックス82の上端部近傍及び下端部近傍に向かって熱風を吹きつけ可能な位置にノズルを配置して熱風の吹きつけを実施することにより、内包装用シートSH1を遊技機外周へ密着させることができる。
また、前記実施形態の内包装装置201において、内包装用シートSH1及び/又は外包装用シートSH2として、遊技機メーカー等のロゴが印刷された包装用シートを用いて包装を行うようにしてもよい。ロゴが印刷された入手困難な包装用シートを用いて包装を行うことにより、不正改造後の再包装をより一層確実に防止することができる。
また、前記実施形態において、上述した外包装装置301に代えて、従来から使用されている一般的な袋詰め機を採用する構成としてもよい。例えば、袋詰め機として、筒状とされてロール状に巻かれた外包装用シートの先端部を把持する一対のアームや熱溶着機構等を有し、同先端部を把持した一対のアームを離反位置とさせて遊技機P1の前後において上から下方向へ移送させた後、遊技機P1の下方において近接位置とさせて、遊技機P1の上下において熱溶着を行い、熱溶着の際、外包装用シートのロールから遊技機P1を包装した部分を切り離すように構成されたものを用いてもよい。