JP2005095555A - 遊技機の包装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技機の不正改造の発見をより確実にし、包装用シート巻きつけ時のずり落ちを防止しつつ包装工程を自動化して安定した包装を可能とした遊技機の包装装置を提供する。
【解決手段】 シート被着機構111が、メイン基板ボックス82、役物カバー85、払出し制御基板ボックス86を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートSを遊技機P1の外周に巻きつける。このとき、包装用シートSへ第1ノズル171〜第2ノズル172より熱風の吹きつけを行うと、包装用シートS上部が熱収縮し、遊技機P1上部外周に略密着してずり落ちが防止される。さらに、第3ノズル173〜第8ノズル178より熱風の吹きつけを行うことにより、包装用シートSの当該被熱処理部分が熱収縮して遊技機P1の外周形状に沿って略密着する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機を自動的に包装するための装置、特に、遊技機の不正改造防止を考慮した遊技機の包装を自動で行うための包装装置に関する。
従来、パチンコ機等の遊技機の出荷には、遊技機全体をホールに納入する形態と、いわゆる板替えの際に遊技板をホールに納入する形態とがあるが、遊技機全体を製造して納入する場合、遊技機の製造ラインにて、遊技機全体を製造し、製造した遊技機の遊技板や基板ボックスやROMに証紙を貼付した後、不正改造防止のため遊技機全体をビニール袋に密封するように袋詰めされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、遊技機全体を包装したビニール袋を開封して遊技機を取り出し、制御装置に不正改造を行った後、ビニール袋内に遊技機を戻し、ビニール袋の開封部分を何らかの方法によって塞ぐなどの細工が行われた場合は、元の包装状態と殆ど見分けが付かない場合も生じうるという問題が指摘されている。
一方、不正改造防止とパチンコ機の外径寸法の確認作業容易化の観点から、内枠と外枠とから構成されるパチンコ機の内枠のみを封印包装して外枠と共に配送可能としたパチンコ機の包装方法が提案されている。具体的には、(1)伸縮性の有るビニールシートを伸張して内枠の機能、製品に支障のない強度で制御装置部分に横方向に巻きつけ、巻きつけた箇所を接着材や熱溶着、又はパチンコ機メーカのロゴ等が明示されているテープなどで封印包装する方法、(2)内枠全体を袋状のシートに上から入れて、上部で密封する方法、(3)内枠に対して縦方向に制御装置部分にシートを巻きつけテープで封印する方法、(4)シートを分割して制御装置部分に巻きつけてテープで封印する方法、(5)制御装置部分にテープのみを巻きつける方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−93623号公報 特開2002−52157号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載されたパチンコ機の包装方法では、作業性や不正改造発見の観点で欠点がある。例えば、(1)、(3)又は(4)の各方法では、ビニールシートを伸張して内枠に巻きつけるため、シートの伸張強度が強すぎるとシートの破れや不正改造保護部分の破損を生じる可能性があり、弱すぎると不正改造保護部分への密着性が不足し、元の包装状態と見分けがつかないように再包装を行うことが容易になってしまうという欠点がある。また、(2)又は(5)の方法についても、元の包装状態と略同様の外観を呈するように再包装を行うことが比較的容易であるという欠点がある。
さらに、特許文献2に記載された包装方法を人間が手作業で行うことは、パチンコ機が大きいことから、作業効率が悪いという問題があるが、(1)、(3)又は(4)の各方法におけるシートの巻きつけを機械に実現する際に、シートのずり落ちの発生が問題となる可能性がある。また、大量に遊技機に包装を施す場合に、シートのずり落ちに起因してシートの巻きつけ状態にバラツキが生じた場合には、不正の発見が困難になることが想定される。すなわち、個々の遊技機に対してバラツキのない安定した包装が施されている場合には、シートの巻きつけ状態が他と僅かに異なっているだけで直ちに不正が行われたことを認識することができるが、各遊技機におけるシートの巻きつけ状態にバラツキがある場合には、たとえ不正が行われていたとしても、これを作業者が看過してしまう可能性がある。
解決しようとする課題は、遊技機の不正改造の発見をより確実にし、包装用シート巻きつけ時のずり落ちを防止しつつ包装工程を自動化して安定した包装を可能とした遊技機の包装装置を提供することである。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.遊技機を包装する装置であって、
前記遊技機を搬送する搬送手段と、
前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを供給するシート供給手段と、
前記包装用シートに熱溶着及び切断を施す熱溶着切断手段と、
前記搬送手段によって前記遊技機が搬送されつつ前記シート供給手段によって前記包装用シートが供給されることにより前記遊技機の外周へ巻きつけられる前記包装用シート上部の少なくとも一部に第1の熱処理を施す第1の熱処理手段と、
前記包装用シートに前記第1の熱処理が施された後、前記遊技機の外周に巻きつけられた前記包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施す第2の熱処理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機の包装装置。
手段1によれば、搬送手段は、遊技機を搬送し、シート供給手段は、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを供給する。これにより、包装用シートは、遊技機が搬送手段によって搬送されるのに伴って、遊技機の外周に緩く巻きつけられる。次いで、熱溶着切断手段は、包装用シートに熱溶着及び切断を施すことにより、当該遊技機を包装するための包装用シート全体が筒状に形成されると共に、他の遊技機を包装するための包装用シートから分離される。
一方、第1の熱処理手段は、搬送手段によって遊技機が搬送されつつシート供給手段によって包装用シートが供給されることにより遊技機の外周へ巻きつけられる包装用シート上部の少なくとも一部に第1の熱処理を施す。よって、包装用シートの上部を熱収縮させることによってずり落ちを防止しつつ、包装用シートを遊技機外周へ緩く巻きつけることができる。次いで、第2の熱処理手段が、遊技機の外周に巻きつけられた包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことにより、当該被熱処理部分が熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。第2の熱処理手段による第2の熱処理の終了後、熱可塑性材料からなる包装用シートの被熱処理部分が常温で冷却されて硬化するので、包装用シートが遊技機の外周へ略密着する状態が保たれる。
つまり、手段1により、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを、第1の熱処理によってずり落ちを防止しつつ遊技機の外周に被着させる工程と、遊技機の外周に被着された包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施して収縮させ、包装用シートを遊技機の外周形状に沿って略密着させる工程とを自動的に実施することができる。
そして、手段1によって包装された包装用シートは、遊技機の外周形状に沿って略密着しているため、包装用シートを一旦切断・開封して、遊技機の制御を行う部分等に不正改造を行った後、元の包装状態と全く見分けがつかないように再包装することは不可能である。よって、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。また、第1の熱処理によって包装用シートのずり落ちが防止されることにより、大量生産される個々の遊技機に対して安定した包装を施すことが可能となるため、不正改造の発見がより容易になるという利点がある。
また、包装用シートを被着した状態で熱処理により収縮させて遊技機の外周へ略密着させるので、シートを伸張させて遊技機へ巻きつけて包装する従来方法のようにシートの伸張強度や巻きつけ強度を調整することは必要とされない。このため、包装用シートの破れや、包装用シートの巻きつけにより遊技機の各構成部材へ悪影響を与える等の不具合が生じることがない。
尚、第1の熱処理を行う箇所は、遊技機に巻きつけられる包装用シート上部の前面側又は背面側のいずれか一面でもよく、或いは前面側及び背面側の両方でもよく、さらに包装用シートの上部に加えて下部にも第1の熱処理を施してもよい。
2.前記搬送手段は、前記遊技機を起立姿勢で搬送し、
前記シート供給手段は、前記遊技機の搬送経路を挟んで両側に設けられ、熱可塑性材料からなる長尺状の包装用シートがそれぞれ巻回された一対のシートロールより前記包装用シートをそれぞれ繰り出し、前記搬送手段によって搬送される前記遊技機の両側から前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、前記包装用シートを供給し、
前記熱溶着切断手段は、開閉自在に設けられた一対の熱溶着バーが設けられると共に、一方の熱溶着バーの内面に切断用ヒータ線が設けられ、前記シート供給手段により供給された前記一対の包装用シートに前記遊技機の搬送方向前方側及び後方側でそれぞれ熱溶着及び切断を施し、
前記第1の熱処理手段は、前記熱溶着切断手段により前記一対の包装用シートに前記遊技機の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施される前に、前記搬送手段によって前記遊技機が搬送されつつ前記シート供給手段によって前記包装用シートが供給されることにより前記遊技機の外周へ巻きつけられる前記包装用シート上部の少なくとも一部に第1の熱処理を施し、
前記第2の熱処理手段は、前記熱溶着切断手段により前記遊技機の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施された後、前記遊技機の外周に巻きつけられた前記包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施すことを特徴とする手段1に記載の遊技機の包装装置。
手段2によれば、シート供給手段は、遊技機の搬送経路を挟んで両側に設けられた一対のシートロールより包装用シートをそれぞれ繰り出して、搬送手段によって搬送される起立姿勢の遊技機の両側から包装用シートを供給する。次いで、熱溶着切断手段は遊技機の搬送方向前方側で一対の熱溶着バーを閉じ、一対の包装用シートを重ね合わせて熱溶着を施すと共に、切断用ヒータ線により溶着部分の中間で切断する。これにより、当該遊技機を包装するための包装用シートが搬送方向前方側で接合されると共に、先行して搬送される他の遊技機を包装するための包装用シートから分離される。次に、包装用シートは、遊技機が搬送手段によって搬送されるのに伴って、搬送方向前方側の遊技機側面に当接すると共に、シートロールよりさらに繰り出されて遊技機の外周に緩く巻きつけられる。そして、遊技機が搬送手段によってさらに搬送されると、熱溶着切断手段は、遊技機の搬送方向後方側で再び一対の熱溶着バーを閉じ、一対の包装用シートを重ね合わせて熱溶着を施すと共に、切断用ヒータ線により溶着部分の中間で切断する。これにより、当該遊技機を包装するための包装用シートが搬送方向後方側で接合されて全体が筒状に形成されると共に、後続して搬送される他の遊技機を包装するための包装用シートから分離される。
一方、第1の熱処理手段は、熱溶着切断手段により一対の包装用シートに遊技機の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施される前に、搬送手段によって遊技機が搬送されつつシート供給手段によって包装用シートが供給されることにより遊技機の外周へ巻きつけられる包装用シート上部の少なくとも一部に第1の熱処理を施す。よって、包装用シートの上部を熱収縮させることによってずり落ちを防止しつつ、包装用シートを遊技機外周へ緩く巻きつけることができる。次いで、遊技機の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施された後、第2の熱処理手段が、遊技機の外周に巻きつけられた包装用シートの少なくとも一部に熱処理を施すことにより、当該被熱処理部分が熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。第2の熱処理手段による第2の熱処理の終了後、熱可塑性材料からなる包装用シートの被熱処理部分が常温で冷却されて硬化するので、包装用シートが遊技機の外周へ略密着する状態が保たれる。
3.前記第1の熱処理手段は、前記遊技機の外周に巻きつけられる包装用シートの前記遊技機前面及び背面の上部を覆う箇所に第1の熱処理を施すことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機の包装装置。
手段3によれば、第1の熱処理手段が、遊技機の外周に巻きつけられる包装用シートの遊技機前面及び背面の上部を覆う箇所に第1の熱処理を施すので、包装用シートにおける遊技機前面及び背面の上部を覆う箇所を確実に熱収縮させてずり落ちを防止することができる。
4.前記第1の熱処理手段による第1の熱処理温度は、前記第2の熱処理手段による第2の熱処理温度よりも低く設定されたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段4によれば、第1の熱処理手段による第1の熱処理温度が第2の熱処理手段による第2の熱処理温度よりも低く設定されているので、遊技機に緩く巻きつけられた包装用シートがずり落ちない程度に熱収縮させることができる。一方、第2の熱処理手段による第2の熱処理温度が相対的に高く設定されることにより、包装用シートを十分に熱収縮させて遊技機に強固に密着させることができる。
5.前記第1の熱処理手段による第1の熱処理の温度は、100〜200℃に設定されたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段5によれば、第1の熱処理手段による第1の熱処理の温度は、100〜200℃に設定されているので、遊技機に緩く巻きつけられた包装用シートがずり落ちない程度に熱収縮させることができると共に、遊技機を必要以上に加熱して損傷を与えることを防止できる。
6.前記第1の熱処理手段は、熱風を発生させる熱風発生手段からなることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段6によれば、熱溶着切断手段により一対の包装用シートに遊技機の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施される前に、搬送手段によって遊技機が搬送されつつシート供給手段によって包装用シートが供給されることにより遊技機の外周へ巻きつけられる包装用シート上部の少なくとも一部に熱風を吹きつけて熱収縮させるので、包装用シートのずり落ちを防止しつつ遊技機外周へ緩く巻きつけることができる。また、熱風の吹きつけにより熱処理を施す構成としたので、熱風発生手段(例えば、熱風を噴出させるノズル)を遊技機に被着される包装用シートの表面から離隔させた位置に配置することができる。
7.前記熱風発生手段は、熱風を継続的に発生させることを特徴とする手段6に記載の遊技機の包装装置。
手段7によれば、熱風発生手段が熱風を継続的に発生させるので、包装用シートに対する熱処理温度が変動することが防止され、多数の遊技機に均一な包装を施すことができる。
8.前記搬送手段による前記遊技機の搬送状態を検出する搬送状態検出手段と、
前記熱風発生手段の熱風噴出口に対して開閉可能に設けられたシャッタ手段と、
前記搬送状態検出手段による搬送停止の検出に基づいて、前記シャッタ手段を閉状態とするシャッタ制御手段と、
を備えたことを特徴とする手段7に記載の遊技機の包装装置。
手段8によれば、搬送状態検出手段が、搬送手段による遊技機の搬送状態を検出し、シャッタ制御手段が、搬送状態検出手段による搬送停止の検出に基づいて、熱風発生手段の熱風噴出口に対して開閉可能に設けられたシャッタ手段を閉状態とするので、搬送が停止した遊技機に巻きつけられる包装用シートへ、熱風発生手段より継続的に発生する熱風によって必要以上の熱処理が施されることを防止できる。
9.前記シャッタ制御手段は、前記搬送状態検出手段により所定時間以上の搬送停止が検出されたことに基づいて、前記シャッタ手段を閉状態とすることを特徴とする手段8に記載の遊技機の包装装置。
手段9によれば、シャッタ制御手段が、搬送状態検出手段により所定時間以上の搬送停止が検出されたことに基づいてシャッタ手段を閉状態とするので、包装用シートに必要以上の熱処理が施されることを防止することができる。一方、所定時間未満の短時間の搬送停止では、包装用シートへの熱処理が過度になることはないと考えられるため、シャッタ手段は開状態のまま維持される。
10.前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ手段が閉状態にある場合、前記搬送状態検出手段により搬送再開が検出されたことに基づいて、前記シャッタ手段を開状態とすることを特徴とする手段8又は9に記載の遊技機の包装装置。
手段10によれば、シャッタ制御手段は、シャッタ手段が閉状態にある場合、搬送状態検出手段により搬送再開が検出されたことに基づいて、シャッタ手段を開状態とするので、搬送再開時には自動的に第1の熱処理が再開される。
11.前記シート被着手段は、少なくとも前記遊技機の主制御を行う主制御装置の一部又は全体を覆うように前記包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段11によれば、少なくとも遊技機の主制御を行う主制御装置の一部又は全体を覆うように包装用シートが被着され、且つ熱処理によって包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、主制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
12.前記シート被着手段は、少なくとも前記遊技機に設けられたLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板のいずれか一つ以上を含んでなる役物制御装置の一部又は全体を覆うように前記包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段12によれば、少なくとも遊技機に設けられたLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板のいずれか一つ以上を含んでなる役物制御装置の一部又は全体を覆うように包装用シートが被着され、且つ熱処理によって包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、役物制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
13.前記シート被着手段は、少なくとも賞球の払出し制御を行う払出し制御装置の一部又は全体を覆うように前記包装用シートを被着することを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段13によれば、少なくとも賞球の払出し制御を行う払出し制御装置の一部又は全体を覆うように包装用シートが被着され、且つ熱処理によって包装用シートが収縮して遊技機の外周に略密着した状態とされるので、払出し制御装置への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
14.前記第1の熱処理手段及び/又は第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートの特定箇所へ局所的に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段14によれば、包装用シートの特定箇所へ局所的に熱処理を施して熱収縮させるので、効率的に包装用シートを遊技機の外周に略密着させることができると共に、不必要な箇所へ熱処理を施さないことによりエネルギーの無駄な消費を抑えることができる。
15.前記第1の熱処理手段及び/又は第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、前記遊技機の制御を行う部分の電子部品搭載箇所を覆う部分を避けて熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段15によれば、包装用シートにおいて制御を行う部分の電子部品搭載箇所を覆う部分避けて熱処理を施すので、熱処理によって電子部品を損傷することが防止される。ここで、電子部品とは、包装用シートに熱処理が施された場合に耐熱温度を超える可能性がある部品であり、例えば、遊技機の各部を制御するためのCPUや制御プログラムが記憶されたROM等を指している。
16.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機外周における一又は複数の段差部分近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至15のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段16によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい段差部分近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、当該箇所において確実に熱収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
17.前記遊技機の背面には一又は複数の基板ボックスが配設され、
前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前記一又は複数の基板ボックスのいずれかの端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至16のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段17によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい基板ボックスの端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すので、遊技機背面における当該箇所において確実に熱収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
18.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも最上位置の基板ボックスの上端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17に記載の遊技機の包装装置。
手段18によれば、包装用シートにおいて最上位置の基板ボックスの上端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すことにより、遊技機背面における包装用シートの上部を確実に収縮させて遊技機外周へ略密着させることができる。
19.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも最下位置の基板ボックスの下端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17又は18に記載の遊技機の包装装置。
手段19によれば、包装用シートにおいて最下位置の基板ボックスの下端部近傍を覆う箇所に熱処理を施すので、遊技機背面における包装用シートの下部を確実に収縮させて遊技機外周へ略密着させることができる。
20.前記遊技機の背面には複数の基板ボックスが隣接して配設され、
前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の一の基板ボックスと隣接する他の基板ボックスとの間を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段17乃至19のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段20によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい一の基板ボックスと隣接する他の基板ボックスとの間を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機背面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
21.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された上皿近傍を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段21によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい上皿近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
22.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された下皿近傍に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段22によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい下皿近傍を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
23.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の前面に配設された上皿と下皿との間を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至22のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段23によれば、包装用シートにおいて遊技機外周との間に隙間が生じやすい上皿と下皿との間を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機前面の当該箇所において確実に収縮させて遊技機の外周へ略密着させることができる。
24.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至23のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段24によれば、包装用シートにおいて遊技機の高耐熱性部材を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
25.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の金属製部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段24に記載の遊技機の包装装置。
手段25によれば、包装用シートにおいて遊技機各部に設けられた金属製部材を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
26.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記遊技機の熱硬化性樹脂製部材を覆う箇所に熱処理を施すように構成されたことを特徴とする手段24に記載の遊技機の包装装置。
手段26によれば、包装用シートにおいて遊技機に設けられた熱硬化性樹脂製部材(例えば、遊技機前面に設けられた灰皿等)を覆う箇所に熱処理が施されるので、遊技機が熱処理によって損傷することを防止することができる。
27.前記第1の熱処理手段及び/又は前記第2の熱処理手段は、前記遊技機に被着された前記包装用シートにおいて、少なくとも前記包装用シートと前記遊技機との間に所定の距離が確保される箇所に熱処理を施すことを特徴とする手段1乃至26のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段27によれば、包装用シートにおいて包装用シートと遊技機との間に所定の距離が確保される箇所に熱処理が施されるので、遊技機に対する熱伝導が少なく、熱処理による遊技機の損傷を防止することができる。さらに、当該箇所の包装用シートを熱処理によって収縮させることにより、遊技機の外周へ密着させることができる。尚、包装用シートと遊技機との間に所定の距離が確保される箇所とは、例えば、遊技機前面の上皿、下皿の端部近傍及び上皿と下皿との間、遊技機背面の基板ボックスの端部近傍、隣接する基板ボックスの間等である。
28.前記包装用シートが被着された前記遊技機を装置下流方向へ搬送しつつ前記熱処理手段による第1の熱処理及び/又は第2の熱処理を行うように構成されたことを特徴とする手段1乃至27のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段28によれば、包装用シートが被着された遊技機を装置下流方向へ搬送しつつ熱処理手段による熱処理を行うので、第1の熱処理手段及び/又は第2の熱処理手段を固定配置した状態で包装用シートの広い領域に熱処理を施すことができる。
29.前記第2の熱処理手段は、200℃〜400℃の温度で熱処理を施すことを特徴とする手段1乃至28のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段29によれば、第2の熱処理手段が200℃〜400℃の温度で熱処理を施すので、熱可塑性材料からなる包装用シートを確実に収縮させることができると共に、熱によって遊技機を損傷させることがない。
30.前記第2の熱処理手段は、熱風を発生させる熱風発生手段からなることを特徴とする手段1乃至29のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段30によれば、シート被着手段によって、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートが遊技機の外周に被着されると、熱風発生手段によって発生した熱風が、遊技機に被着された包装用シートの少なくとも一部に向かって吹きつけられることにより確実に熱処理が施され、当該被熱処理部分が確実に熱収縮して遊技機の外周形状に沿って略密着する。また、熱風の吹きつけにより熱処理を施す構成としたので、熱風発生手段(例えば、熱風を噴出させるノズル)を遊技機に被着された包装用シートの表面から離隔させた位置に配置することができる。
31.前記熱風発生手段は、熱風を継続的に発生させることを特徴とする手段30に記載の遊技機の包装装置。
手段31によれば、熱風発生手段が熱風を継続的に発生させるので、包装用シートに対する熱処理温度が変動することが防止され、多数の遊技機に均一な包装を施すことができる。
32.前記熱風発生手段による熱風の吹きつけ位置よりも装置下流側における遊技機の搬送が停止した場合に、前記熱風の吹きつけ位置よりも装置上流側にて遊技機1台以上が待機可能に構成されたことを特徴とする手段31に記載の遊技機の包装装置。
手段32によれば、熱風発生手段による熱風の吹きつけ位置よりも装置下流側における遊技機の搬送が停止した場合に、熱風の吹きつけ位置よりも装置上流側にて遊技機1台以上が待機可能であるので、熱風発生手段より継続的に発生する熱風によって包装用シートに必要以上の熱処理が施されることを防止できる。
33.前記第1の熱処理手段及び前記第2の熱処理手段のうち少なくとも一方は、ヒータからなることを特徴とする手段1乃至32のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段33によれば、第1の熱処理手段及び第2の熱処理手段のうち少なくとも一方が、構造が簡単で安価なヒータによって構成され、ヒータより発せられる熱によって、遊技機に被着される包装用シートに第1の熱処理及び/又は第2の熱処理を確実に施すことができる。
34.前記第1の熱処理手段は、熱風を発生させる熱風発生手段からなり、
前記第2の熱処理手段は、ヒータからなることを特徴とする手段33に記載の遊技機の包装装置。
手段34によれば、熱風発生手段より発生する熱風によって包装用シートの上部に第1の熱処理を施すことにより包装用シートのずり落ちを防止し、更に、ヒータからの発熱によって第2の熱処理を施すことにより包装用シートを収縮させて、遊技機の外周に密着させることができる。
35.前記ヒータは、前記包装用シートが被着される前記遊技機の前面側及び背面側の略全体に対向するように配設されたことを特徴とする手段34に記載の遊技機の包装装置。
手段35によれば、熱風発生手段より発生する熱風によって包装用シートの上部に第1の熱処理を施すことにより包装用シートのずり落ちを防止し、更に、包装用シートが被着される遊技機の前面側及び背面側の略全体に対向するように配設されたヒータからの発熱によって第2の熱処理を施すことにより包装用シートを全体に亘って熱収縮させて、遊技機の外周に密着させることができる。
36.前記第1の熱処理手段及び前記第2の熱処理手段のうち少なくとも一方の先端部分は、可動であることを特徴とする手段1乃至35のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段36によれば、第1の熱処理手段及び第2の熱処理手段のうち少なくとも一方の先端部分が可動であるので、包装用シートに偏り無く熱処理を施すことができる。例えば、熱処理手段としてノズルの先端より熱風を噴出させる構成を採用した場合、ノズルの先端を上下に首振り状に動かすことにより、遊技機の外周に被着された包装用シートへ上下に万遍なく熱風を吹きつけて均一に熱処理を施すことができる。
37.前記熱可塑性材料は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする手段1乃至36のいずれかに記載の遊技機の包装装置。
手段37によれば、包装用シートが熱可塑性樹脂からなるので、遊技機を確実に保護することができると共に、熱処理によって容易に収縮させ、且つ常温で冷却して硬化させることができる。
38.前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロンのいずれかであることを特徴とする手段37に記載の遊技機の包装装置。
手段38によれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロンのいずれかの熱可塑性樹脂からなる安価な包装用シートを用いて、遊技機を確実に保護することができると共に、熱処理によって容易に収縮させ、且つ常温で冷却して硬化させることができる。
本発明によれば、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを、第1の熱処理によってずり落ちを防止しつつ遊技機の外周に被着させる工程と、遊技機の外周に被着された包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施して収縮させ、包装用シートを遊技機の外周形状に沿って略密着させる工程とを自動的に実施することができる。
そして、本発明の装置によって包装された包装用シートは、遊技機の外周形状に沿って略密着しているため、包装用シートを一旦切断・開封して、遊技機の制御を行う部分等に不正改造を行った後、元の包装状態と全く見分けがつかないように再包装することは不可能である。よって、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。また、第1の熱処理によって包装用シートのずり落ちが防止されることにより、大量生産される個々の遊技機に対して安定した包装を施すことが可能となるため、不正改造の発見がより容易になるという利点がある。
また、包装用シートを被着した状態で熱処理により収縮させて遊技機の外周へ略密着させるので、シートを伸張させて遊技機へ巻きつけて包装する従来方法のようにシートの伸張強度や巻きつけ強度を調整することは必要とされない。このため、包装用シートの破れや、包装用シートの巻きつけにより遊技機の各構成部材へ悪影響を与える等の不具合が生じることがない。
以下、本発明の遊技機の包装装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。最初に、被包装物である遊技機P1の概略構成について図1乃至図3を参照しつつ説明する。
遊技機P1は、図1乃至図3に示すように、外枠10、本体枠20、遊技板30、前面枠60及び機構板80を備えて構成されるパチンコ機である。なお、図1は遊技機P1を正面から見て示す正面図であり、図2は図1の遊技機P1を上面から見て示す上面図であり、図3は図1の遊技機P1を背面から見て示す背面図であるが、実際の出荷時にはガラス枠61の背面に出荷時用の所定の紙が挿入されており、遊技領域31は隠れた状態となっている。
外枠10は、遊技機P1のベースとなる枠であり、板材により全体として矩形状に構成され、矩形板状の本体枠20よりも僅かに大きいサイズの矩形開口10aを有している。
本体枠20は、図3において矩形開口10aの左端にて枢支されており、図示しない回転軸を中心に回動し、外枠10に対して開閉可能かつ着脱可能に被着される。
遊技板30は、前面では、図3において下端中央から右巻きに概略一回転する外枠レールに取り囲まれる略円形の領域が遊技領域31となっている。この遊技領域31には、多数の釘や、複数の入賞口や、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト球回収口や、遊技の状況を表示する表示装置などが配設されている。
前面枠60は、樹脂製とされており、図3において本体枠20の左端にて枢支される。この前面枠60には、遊技領域31を臨むガラス枠61、ガラス枠61の周囲を取り囲むように配置される装飾ランプ62、上皿63が設けられており、遊技板30の前面側となるように本体枠20に取り付けられる。本体枠20の下部には、遊技球の発射機構40と、概略矩形形状に形成された樹脂製流路板50とが取り付けられる。また、流路板50の前面側にて下皿70が本体枠20に枢支されて取り付けられる。さらに、前面枠60の前方には、発射機構40の一部を構成する発射ハンドル41が取り付けられる。
機構板80は、樹脂製とされており、本体枠20の背面側に設けられたヒンジ金具により支持されて取り付けられる。同機構板80は、遊技板30を背面側から覆うカバーの役割を果たすとともに、遊技球タンク81に貯留された遊技球を上皿63や下皿70に払い出す遊技球の流路としての役割も果たすようになっている。機構板80の中央部には、透明の樹脂ケースとされた役物カバー85が設けられており、役物カバー85には、図示しないLED基板、音声ランプ制御基板、液晶パネル制御基板、図柄制御基板、図柄情報基板等が収容されている。また、役物カバー85の下方には、透明の樹脂ケースとされたメイン基板ボックス82が設けられており、同基板ボックス82には遊技板の種類に応じたROM83や図示しないCPUやRAM等を備えるメイン基板84が収容されている。また、メイン基板ボックス82の下方には、透明の樹脂ケースとされた払出し制御基板ボックス86が設けられており、同基板ボックス86には図示しない払出し制御基板87が収容されている。尚、メイン基板ボックス82、役物カバー85、払出し制御基板ボックス86が、本発明における遊技機の制御を行う部分及び基板ボックスに相当するものであり、メイン基板ボックス82が主制御装置に、役物カバー85が役物制御装置に、払出し制御基板ボックス86が払出し制御装置にそれぞれ相当するものである。
次に、本発明の一実施形態である遊技機の包装装置101の構成について図4及び図5を参照しつつ説明する。ここで、図4は、包装装置101の全体構成を示す正面図であり、図5は、遊技機P1が第1コンベア装置113によって搬送される状態を示す包装装置101の平面図である。尚、図4は、遊技機P1は遊技機背面側を正面とする横向きの起立状態で搬送される状態を表わしており、図5では、機枠115,支柱125等の図示を省略している(図6,7,9,11も同様)。
包装装置101は、図4に示されるように、シート被着機構111と、熱処理機構151と、シート被着機構111及び熱処理機構151の各部と電気的に接続され、装置全体の動作制御を行う制御装置191とから構成される。以下、シート被着機構111及び熱処理機構151の詳細構成について順に説明する。
シート被着機構111は、遊技機P1の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、包装用シートSを遊技機P1の外周に被着するための装置であり、図4及び図5に示されるように、シート供給機構112と、第1コンベア装置113と、熱溶着切断機構114とから構成されている。尚、シート供給機構112が、本発明のシート供給手段を、第1コンベア装置113、後述する第2コンベア装置152及び第3コンベア装置153が搬送手段を、熱溶着切断機構114が熱溶着切断手段をそれぞれ構成するものである。
シート供給機構112には、機枠115の上流側端部近傍に第1コンベア装置113を挟んで一対の回転軸116,116が回転自在に立設されている。そして、回転軸116,116に、包装用シートSを巻き込んだシートロールRの中空軸をそれぞれ嵌め込むことにより、一対のシートロールR,Rが縦置きで回転自在に設けられる。
ここで、包装用シートSは、熱可塑性材料、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる長尺状のシートである。包装用シートSの幅は、役物カバー85、メイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86の全体を覆うことができるように、役物カバー85の上端から払出し制御基板ボックス86下端までの長さよりも若干長く設定されることが好ましい。
また、送りローラ117,117及び118,118は、シートロールR,Rの下流側近傍に設けられ、一方の送りローラ118,118を図示しないモータ制御装置により回転駆動するように設けられている。また、複数(図5では3個)の中間ローラ119,119、及び第1コンベア装置113の下流側端部近傍に設けられた一対のガイドローラ120,120は、それぞれ回転自在に設けられている。そして、シート供給機構111は、図5に示すように、送りローラ117,117及び118,118が図示しないモータ装置の回転制御によってシートロールRからシートSを繰り出し、中間ローラ119を経てガイドローラ120側に供給する。
第1コンベア装置113は、公知のベルトコンベア装置であり、横向き起立姿勢の遊技機P1を上流側から搬入する。第1コンベア装置113は、図示しない電動モータにより駆動される駆動ローラ軸121を回転自在に設け、その駆動ローラ軸121に細長い搬送フレーム122の一端部を相対回転可能に設ける。そして、その搬送フレーム122の下流側端部のローラ123と駆動ローラ軸121とに無端状の搬送ベルト124が掛け渡され、その搬送ベルト124上に載置された遊技機P1を装置下流側へ搬送する。
熱溶着切断機構114は、シート供給機構112から供給されるシートS,Sを、遊技機P1の搬送方向前方側及び後方側でそれぞれ重ね合わせて縦方向に熱溶着し且つ溶着箇所の中間で切断する装置である。熱溶着切断機構114は、第1コンベア装置113の下流側端部近傍に設けられ、図4に示すように、第1コンベア装置113を挟んで左右両側の支柱125,125に、上下に配置されたガイドロッド126が水平方向に進退自在に設けられ、その支柱125に取り付けた空圧シリンダ127のロッドの先端部が、それらのガイドロッド126先端のベース部分に固定する。対向状に配置された一方のベース部分には、2列の縦長の熱溶着バー129を取り付け、他方のベース部分に取り付けた熱溶着バー131の内面に切断用ヒーター線132を縦方向に張設する。そして、一対の熱溶着バー129,131は、各空圧シリンダ127,127により開閉自在に設けられ、それら熱溶着バー129,131を閉じて包装用シートSに熱溶着を施すと共に、その溶着箇所の中間を切断用ヒーター線132により切断するように構成される。
熱処理機構151は、第2コンベア装置152と、第3コンベア装置153と、熱風発生装置154と、第1送風管161〜第8送風管168と、第1ノズル171〜第8ノズル178とから構成されている。尚、熱風発生装置154、第1送風管161〜第2送風管162及び第1ノズル171〜第2ノズル172が、本発明の第1の熱処理手段を構成するものである。また、熱風発生装置154、第3送風管163〜第8送風管168及び第3ノズル173〜第8ノズル178が、本発明の第2の熱処理手段を構成するものである。
第2コンベア装置152は、第1コンベア装置113の装置下流側に設けられ、遊技機P1を熱溶着切断位置H1から第2の熱処理位置H3まで搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。
第3コンベア装置153は、第2コンベア装置152の下流側に設けられ、第2の熱処理位置H3から下流側へ搬送するために設けられた公知のベルトコンベア装置である。尚、第2コンベア装置152及び第3コンベア装置153は、第1コンベア装置113と同様の構成であるので、詳細説明を省略する。
熱風発生装置154は、図示しない電動ファンとヒータとを内蔵して熱風を発生する装置であり、発生した熱風を送出するための第1送風管161〜第8送風管168が接続されおり、第1送風管161〜第8送風管168の先端に第1ノズル171〜第8ノズル178が設けられている。従って、熱風発生装置154は、電動ファンを駆動させることにより周囲から吸い込まれた空気がヒータによって熱せられ、第1送風管161〜第8送風管168へ送出されて、第1ノズル171〜第8ノズル178から熱風として吹き出すようになっている。
ここで、第1ノズル171〜第8ノズル178の配設位置について説明する。第1ノズル171〜第2ノズル172は、遊技機P1の搬送方向において、第2コンベア装置152の上流側端部からやや下流寄りの位置(第1の熱処理位置H2)に、第3ノズル173〜第8ノズル178は、第2コンベア装置152の下流側端部と第3コンベア装置153の上流側端部との間の位置(第2の熱処理位置H3)にそれぞれ設けられる。
そして、第1ノズル171は、遊技機P1が第2コンベア装置152上を搬送される状態において、遊技機P1前面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。また、同様の状態で、第2ノズル172は、遊技機P1背面側上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
また、第1ノズル171及び第2ノズル172には、それぞれ、熱風を噴出させる熱風噴出口171a、172aに対して開閉可能にシャッタ181が設けられている。シャッタ181は、金属材料等からなる板状部材であり、常には開状態とされて、熱風噴出口171a、172aから噴出される熱風を包装用シートSへ吹きつけ可能とされ、第2コンベア装置152の搬送が所定時間継続して停止したことが検出された場合に閉状態とされて、熱風噴出口171a、172aからの熱風の吹きつけを遮断する。尚、シャッタ181を開閉するためのシャッタ開閉機構182の構成及びその作用については後述する。また、シャッタ181及びシャッタ開閉機構182が本発明のシャッタ手段を構成するものである。
第3ノズル173は、遊技機P1が第2コンベア装置152上から第3コンベア装置153上へ搬送される状態において、遊技機P1の前面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第4ノズル174は、遊技機P1前面の上皿63と下皿70との間に向かって、第5ノズル175は、遊技機P1前面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
一方、第6ノズル176は、遊技機P1が第2コンベア装置152から第3コンベア装置153にかけて搬送される状態において、遊技機P1の背面上部に向かって熱風を吹きつけ可能な位置に設けられ、同様の状態において、第7ノズル177は、遊技機P1背面のメイン基板ボックス82と払出し制御基板86との間に向かって、第8ノズル178は、遊技機P1背面下部に向かってそれぞれ熱風を吹きつけ可能な位置に設けられる。
尚、熱風発生装置154は、第1送風管161〜第2送風管162を介して第1ノズル171〜第2ノズル172へ送出される熱風の温度と、第3送風管163〜第8送風管168を介して第3ノズル173〜第8ノズル178へ送出される熱風の温度とを制御装置191において個別に設定可能に構成されている。すなわち、第1の熱処理位置H2に設けられた第1ノズル171〜第2ノズル172から吹き出される熱風の温度は、包装用シートSの材質その他の条件により異なるが、例えば、100℃〜200℃、好ましくは、150℃程度に設定される。一方、第2の熱処理位置H3に設けられた第3ノズル173〜第8ノズル173から吹き出される熱風の温度も、包装用シートSの材質その他の条件により異なるが、例えば、200℃〜400℃、好ましくは、300℃程度に設定される。ここで、第1〜第2ノズル171〜172から吹き出される熱風の温度が相対的に低く設定されるのは、第1の熱処理位置H2における熱風の吹きつけは、遊技機P1に緩く巻きつけられた包装用シートSがずり落ちない程度に熱収縮させればよいため比較的低温で十分だからである。一方、第3ノズル173〜第8ノズル178から吹き出される熱風の温度が相対的に高く設定されるのは、第2の熱処理位置H3における熱風の吹きつけは、包装用シートSを十分に熱収縮させて遊技機P1に強固に密着させるため、ある程度高温とする必要があるからである。
次に、包装装置101により遊技機P1に包装を実施する際の各部の作用について図5〜図15を参照しつつ説明する。尚、図5,6,7,9,11では、当該遊技機P1への包装に注目して説明を行うため、当該遊技機P1を実線で示し、包装装置101において当該遊技機P1に先行又は後続する他の遊技機については点線で示す。
本装置101の上流側から第1コンベア装置113へ遊技機P1が投入され、搬送ベルト124上に載置された遊技機P1が第1コンベア装置113の下流側端部まで搬送されると(図5参照)、包装用シートS,Sは熱溶着切断機構114の一対の熱溶着バー129,131が閉じることによって熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線132によって切断される(図6参照)。これにより、当該遊技機P1を包装するための包装用シートS,Sが、先行して搬送される遊技機を包装するための包装用シートから分離される。そして、熱溶着により接合され且つガイドローラ120,120によって張設された包装用シートS,Sが、遊技機P1の搬送方向先端側の側面に当接し、遊技機P1が搬送ベルト124上を搬送されるのに伴って、包装用シートS,Sがシート供給機構112を介してシートロールR,Rからそれぞれ繰り出されて遊技機P1側へ供給されることにより、遊技機P1の前面側及び背面側が包装用シートS,Sによって徐々に覆われていく(図7参照)。
このとき、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた包装用シートSの上部は、第1の熱処理位置H2を通過する際に、第1ノズル171及び第2ノズル172によって所定温度(例えば、約150℃)の熱風が吹きつけられて収縮する。尚、以下の説明において、包装用シートSへの第1ノズル171及び第2ノズル172による熱風の吹きつけを「第1の熱処理」と称し、後述する第3ノズル173〜第8ノズル178による熱風の吹きつけを「第2の熱処理」と称することにより、両者を区別することとする。図8は、当該遊技機P1に巻きつけられた包装用シートへ第1の熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
遊技機P1が第1コンベア装置113上から第2コンベア装置152上へ移り、遊技機P1の搬送方向後方側の側面が熱溶着位置H1を通過すると、包装用シートS,Sは熱溶着機構114の一対の熱溶着バー129,131が閉じることによって遊技機P1の搬送方向後方側で熱溶着が施され、同時に熱溶着部分の中間が切断用ヒータ線132によって切断されることにより筒状に成形される(図9参照)。ここで、遊技機P1外周に緩く巻きつけられた包装用シートSの上部は、第1の熱処理位置H2を通過する際に、第1ノズル171及び第2ノズル172からの熱風の吹きつけによる第1の熱処理によって収縮するため、包装用シートS,Sが切断されてシートロールR側の包装用シートS,Sから分離されても下方へずり落ちることはない。ここで、図10は、遊技機P1の外周に筒状に成形された包装用シートSが被着された状態を示す斜視図である。図10に示されるように、包装用シートSの上部は第1の熱処理により収縮して遊技機P1上部に略密着し、且つ上部以外の部分は遊技機P1外周に緩く被着されている。
次に、第2コンベア装置152により遊技機P1が第2の熱処理位置H3へ搬送されると、図11に示すように、第2コンベア装置152及び/又は第3コンベア装置153によって遊技機P1が搬送されながら、第3ノズル173〜第8ノズル178から遊技機P1へ被着された包装用シートSへ所定温度(例えば、約300℃)の熱風が吹きつけられる。そして、包装用シートSの熱風が吹きつけられた箇所が熱収縮することにより、包装用シートSが遊技機外周へ略密着する。図12は、当該遊技機P1に巻きつけられた包装用シートSへ第2の熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。
具体的には、図12に示されるように、遊技機P1に被着された包装用シートSにおいて、第3ノズル173が、遊技機P1前面の上端近傍を覆う箇所に、第4ノズル174が、上皿63と下皿70との間を覆う箇所に、第5ノズル175が遊技機P1前面の下端(下皿70の下端)近傍を覆う箇所に、第6ノズル176が遊技機P1背面の上端近傍(役物カバー85上端近傍を含む)を覆う箇所に、第7ノズル177がメイン基板ボックス82と払出し制御基板ボックス86との間を覆う箇所に、第8ノズル178が、遊技機P1背面の下端近傍(払出し制御基板ボックス86下端近傍を含む)を覆う箇所に、それぞれ熱風を吹きつけることにより、包装用シートSのそれぞれの箇所が熱収縮して遊技機P1に略密着する。
次いで、遊技機P1は第3コンベア装置153により下流側へ搬送される間に常温で冷却されて包装用シートSの熱収縮部分が硬化するので、包装用シートSの遊技機P1への略密着状態が保たれる。以上により、包装装置101による遊技機P1への包装が完了する。
ここで、図13は、包装が完了した遊技機P1の側面図であり、図14は、遊技機P1の下部を拡大して示す側面図であり、(a)はシート巻きつけ後、熱処理前(第1の熱処理位置H2通過後、第2の熱処理位置H3通過前)の状態を、(b)は熱処理後(第2の熱処理位置H3通過後)の状態を表わしている。また、図15は包装が完了した遊技機P1の斜視図である。図13、図15により、遊技機P1の外周の段差形状に沿って包装用シートSが略密着していることがわかる。また、図14より、包装用シートSが第3ノズル173〜第8ノズル178による熱風の吹きつけによる熱処理によって熱収縮して強く張られた状態となり、遊技機P1前面においては上皿63及び下皿70に、背面においてはメイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86にそれぞれ密着した状態になっていることがわかる。
次に、第1ノズル171及び第2ノズル172に設けられたシャッタ181を開閉するためのシャッタ開閉機構182の構成及び作用について図16及び図17を参照しつつ説明する。図16は、シャッタ開閉機構182の概略構成を示す正面図であり、図16(a)は、シャッタ181の開状態を、図16(b)は、シャッタ181の閉状態をそれぞれ表わしている。また、図17は、シャッタ181の開閉を示す平面図であり、図17(a)は図16(a)に、図17(b)は図16(b)にそれぞれ対応する。尚、図16及び図17では、後述するラック185等を支持するために設けられるフレーム等の支持部材の図示を省略し、図17では、シャッタ開閉機構182の図示を省略している。
シャッタ開閉機構182は、図16に示すように、モータ183と、モータ183のモータ軸183aに取り付けられたピニオンギア184と、ピニオンギア184に噛み合うラック185とから構成され、そのラック185にシャッタ181が取り付けられている。従って、モータ183によってピニオンギア184が回転駆動され、これと噛み合うラック185が水平方向に移動することによって、シャッタ181の開状態と閉状態とが切り換えられるように構成されている。図16(a),図17(a)に示す開状態でモータ183を時計回りに回転させることにより図16(b),図17(b)に示す閉状態となり、逆に、図16(b),図17(b)に示す閉状態でモータ183を反時計回りに回転させることにより図16(a),図17(a)に示す開状態となる。シャッタ181が開状態のとき、図17(a)に示すように、第1ノズル171(第2ノズル172)の熱風噴出口171a(熱風噴出口172a)から噴出される熱風は、包装用シートSに吹きつけられる。一方、シャッタ181が閉状態のとき、図17(b)に示すように、第1ノズル171(第2ノズル172)の熱風噴出口171a(熱風噴出口172a)から噴出される熱風は、シャッタ181により遮断されるため、包装用シートSに熱風は吹きつけられない。
次に、第2コンベア装置152における遊技機P1の搬送が何らかの理由により停止した場合のシャッタ開閉制御の内容について、図17に示すシャッタ開閉制御ルーチンのフローチャートを参照しつつ説明する。シャッタ開閉制御ルーチンは、第2コンベア装置172が稼働停止した場合に制御装置191において実行される。第2コンベア装置152が稼働停止してシャッタ開閉制御ルーチンが呼び出されると、まず、タイマがリセット(すなわち、タイマ値Tに初期値0が設定)され(ステップ1。以下、S1と略記する。他のステップも同様。)、続いて、タイマのカウントが開始される(S2)。次に、タイマ値Tが所定値T1以上であるか否かを判定する(S3)。ここで、所定値T1は、第2コンベア装置152の稼働停止からシャッタ181を閉じるまでの所定時間(例えば、10〜30秒程度)の長さに相当する値である。タイマ値Tが所定値T1未満である場合(S3:No)、第2コンベア装置152の稼働が再開されたか否かを判定する(S4)。第2コンベア装置152の稼働が再開された場合は(S4:Yes)、タイマのカウントを停止し(S5)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。すなわち、所定時間に満たない短時間の搬送停止では、包装用シートSへの熱処理が過度になることはないと考えられるため、シャッタ181は開状態のまま維持される。
一方、第2コンベア装置152の稼働が再開されない場合は(S4:No)、S3へ戻り、S3でYesとなるまでS3〜S4の処理を繰り返す。タイマ値Tが所定値T1以上となった場合(S3:Yes)、タイマのカウントを停止し(S6)、モータ183を時計回りに回転駆動してシャッタ181を閉状態とする(S7)。これにより、第1ノズル171及び第2ノズル172から噴出する熱風がそれぞれシャッタ181によって遮断される。よって、第2コンベア装置152による搬送が停止した遊技機P1に巻きつけられる包装用シートSへ、第1ノズル171及び第2ノズル172より継続的に発生する熱風によって必要以上の熱処理が施されることを防止できる。次に、第2コンベア装置152の稼働が再開されたか否かを判定し(S8)、YesとなるまでS8を繰り返す。第2コンベア装置152の稼働が再開された場合(S8:Yes)、モータ183を反時計回りに回転駆動してシャッタ181を開状態とし(S9)、本ルーチンの処理を終了してリターンする。よって、第2コンベア装置152による遊技機P1の搬送再開時には自動的に第1ノズル171及び第2ノズル172から包装用シートS上部への熱風の吹きつけが再開される。尚、S1〜S5のステップが本発明の搬送状態検出手段として、S6〜S9のステップがシャッタ制御手段としてそれぞれ機能するものである。
以上詳述したことから明らかなように、上述した本実施形態における遊技機の包装装置101によれば、遊技機P1の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施される前に、遊技機P1が搬送されつつ包装用シートS,Sが供給されることにより遊技機P1の外周へ巻きつけられる包装用シートS,Sの上部に、第1ノズル171及び第2ノズル172により熱風の吹きつけによる第1の熱処理を施すので、包装用シートS,Sの上部を熱収縮させることによってずり落ちを防止しつつ、包装用シートS,Sを遊技機P1外周へ緩く巻きつけることができる。よって、遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを、第1の熱処理によってずり落ちを防止しつつ遊技機の外周に被着させる工程と、遊技機の外周に被着された包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施して収縮させ、包装用シートを遊技機の外周形状に沿って略密着させる工程とを自動的に実施することができる。
従って、包装装置101によって包装が行われた結果、包装用シートSが遊技機P1の外周形状に沿って略密着しているため、包装用シートSを一旦切断・開封して、メイン基板84等に不正改造を行った後、元の包装状態と全く見分けがつかないように再包装することは不可能である。よって、不正改造の発見をより確実にすると共に、不正改造の未然防止を図ることができる。また、第1の熱処理によって包装用シートのずり落ちが防止されることにより、大量生産される個々の遊技機に対して安定した包装を施すことが可能となるため、不正改造の発見がより容易になるという利点がある。すなわち、個々の遊技機におけるシートの巻きつけ状態にバラツキがある場合には、たとえ不正が行われていたとしても、これを作業者が看過してしまう可能性があるが、手段1によれば、各遊技機に対してバラツキのない安定した包装が施されるので、シートの巻きつけ状態が他と僅かに異なっているだけで直ちに不正が行われたことを認識することができる。
また、包装用シートSを被着した状態で熱処理により収縮させて遊技機P1の外周へ略密着させるので、シートを伸張させて遊技機P1へ巻きつけて包装する従来方法のようにシートの伸張強度や巻きつけ強度を調整することは必要とされない。このため、包装用シートSの破れや、包装用シートSの巻きつけにより遊技機の各構成部材へ悪影響を与える等の不具合が生じることがない。
また、遊技機P1の主制御を行うメイン基板84を収容するメイン基板ボックス82全体を覆うように包装用シートSが被着され、且つ熱処理によって包装用シートSが収縮して遊技機P1の外周に略密着した状態とされるので、メイン基板84への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
同様に、役物カバー85、払出し制御基板ボックス86についてもそれぞれ全体を覆うように包装用シートSが被着され、且つ熱処理によって包装用シートSが収縮して遊技機P1の外周に略密着した状態とされるので、役物制御装置及び払出し制御基板への不正改造の発見を容易にすると共に不正改造の未然防止を図ることができる。
また、遊技機P1の搬送方向後方側で熱溶着及び切断が施された後、第3ノズル173〜第8ノズル178により、包装用シートSの特定箇所へ局所的に熱風の吹きつけによる第2の熱処理を施すので、効率的に包装用シートSを収縮させて遊技機P1の外周に略密着させることができると共に、不必要な箇所へ熱処理を施さないことによりエネルギーの無駄な消費を抑えることができる。また、熱風の吹きつけにより熱処理を施す構成としたので、第1ノズル171〜第8ノズル178を遊技機P1に被着された包装用シートSの表面から離隔させた位置に配置することができる。
また、第3ノズル173〜第8ノズル178により、各制御基板の電子部品(熱処理が施された場合に耐熱温度を超える可能性がある部品、例えば、遊技機P1の各部を制御するためのCPUや制御プログラムが記憶されたROM等)が搭載された箇所を避けて熱処理が施されるので、第2の熱処理によって電子部品を損傷することが防止される。
また、第3ノズル173〜第8ノズル178により、包装用シートSにおいて遊技機P1外周との間に隙間が生じやすい段差部分近傍を覆う箇所に第2の熱処理が施されるので、当該箇所において確実に収縮させて遊技機P1の外周へ略密着させることができる。さらに、これらの段差部分近傍は、包装用シートSと遊技機P1との間に所定の距離が確保される箇所であるので、遊技機P1に対する熱伝導が少なく、第2の熱処理による遊技機P1の損傷を防止することができる。
すなわち、各基板ボックス82,85,86の端部近傍を覆う箇所に第3ノズル173〜第8ノズル178からの熱風の吹きつけによる第2の熱処理が施されるので、遊技機P1背面における当該箇所において確実に収縮させて遊技機P1の外周へ略密着させることができる。
また、包装用シートSが被着された遊技機P1を第3コンベア装置153により装置下流方向へ搬送しつつ第3ノズル173〜第8ノズル178による第2の熱処理を行うので、第3ノズル173〜第8ノズル178を固定配置した状態で包装用シートSの広い領域に熱処理を施すことができる。
より具体的には、遊技機P1前面においては、第3ノズル173により遊技機P1前面の上部に第2の熱処理が施されるので、遊技機P1前面の上部において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。また、第4ノズルにより、上皿63と下皿70との間を覆う箇所に第2の熱処理が施されるので、遊技機P1前面の当該箇所において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。さらに、第5ノズル175により、下皿70近傍を覆う箇所に第2の熱処理が施されるので、遊技機P1前面の下部において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。
また、遊技機P1背面においては、第6ノズル176により、最上位置の基板ボックス(役物カバー85)の上端部近傍を覆う箇所に第2の熱処理を施すことにより、遊技機P1背面における包装用シートSの上部を確実に遊技機P1外周へ略密着させることができる。また、第7ノズル177により、一の基板ボックス(メイン基板ボックス82)と隣接する他の基板ボックス(払出し制御基板ボックス86)との間を覆う箇所に第2の熱処理が施されるので、遊技機P1背面の当該箇所において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。さらに、第8ノズル178により、最下位置の基板ボックス(払出し制御基板ボックス86)の下端部近傍を覆う箇所に第2の熱処理を施すことにより、遊技機P1背面における包装用シートSの下部を確実に遊技機P1外周へ略密着させることができる。
また、第1ノズル171〜第8ノズル178が熱風を継続的に発生させるので、包装用シートSに対する熱処理温度が変動することが防止され、多数の遊技機P1に均一な包装を施すことができる。
また、図9等に示されるように、第2の熱処理位置H3と装置上流側の第1の熱処理位置H2との間に位置する第2コンベア装置152は、1台以上の遊技機P1を載置可能な長さが確保されている。従って、例えば、何らかの理由により第2の熱処理位置H3よりも装置下流側における遊技機P1の搬送が停止した場合に、第2の熱処理位置H3よりも装置上流側で第1の熱処理位置H2よりも下流側の第2コンベア装置152上にて遊技機P1を待機させるように搬送停止の制御を行うことにより、第3ノズル173〜第8ノズル178より継続的に発生する熱風によって包装用シートSに必要以上の熱処理が施されることを防止できる。
尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
例えば、前記実施形態では、第1の熱処理を施す箇所を、遊技機P1に巻きつけられる包装用シートS上部の前面側及び背面側の両方としたが、前面側又は背面側のいずれか一面でもよく、さらに包装用シートS上部に加えて下部にも第1の熱処理を施してもよい。
例えば、前記実施形態において熱風を吹きつける箇所は、一例を示したものであり、遊技機の形状等に応じて適宜変更して実施することが可能であることはいうまでもない。例えば、上皿63近傍を覆う箇所に第2の熱処理を施すことにより、遊技機P1前面の当該箇所において確実に遊技機P1の外周へ略密着させることができる。また、第2の熱処理工程で、包装用シートSにおいて、少なくとも遊技機P1の高耐熱性部材を覆う箇所に第2の熱処理を施すようにしてもよい。例えば、包装用シートSにおいて遊技機P1各部に設けられた金属製部材を覆う箇所に第2の熱処理を施してもよい。また、包装用シートSにおいて遊技機P1に設けられた熱硬化性樹脂製部材(例えば、遊技機前面に設けられた灰皿等)を覆う箇所に第2の熱処理を施してもよい。このように、包装用シートSにおいて金属製部材や熱硬化性樹脂製部材等の高耐熱性部材を覆う箇所に第2の熱処理が施されるので、遊技機P1が熱処理によって損傷することを防止することができる。
また、前記実施形態において、第1ノズル171〜第8ノズル178の先端を可動とし、包装用シートSに偏り無く熱風を吹きつける構成としてもよい。これにより、例えば、第1ノズル173〜第8ノズル178のいずれかの先端を上下に首振り状に動かすことにより、遊技機P1の外周に被着された包装用シートSへ上下に万遍なく熱風を吹きつけて熱処理を施すことができる。
また、前記実施形態では、ノズルから熱風を吹きつけることにより遊技機P1の外周に被着された包装用シートSへ第1の熱処理及び第2の熱処理を施す構成としたが、遊技機の搬送経路の両側に熱処理手段としてのヒータを配置し、ヒータから発せられる熱により包装用シートSへ第1の熱処理及び/又は第2の熱処理を施す構成としてもよい。本変形例によれば、第1の熱処理手段及び/又は第2の熱処理手段を、構造が簡単で安価なヒータによって構成することができる。具体的には、例えば、上述した実施形態と同様に、第1の熱処理を第1ノズル171及び第2ノズル172からの熱風により行うと共に、遊技機P1の前面側及び背面側の略全体に対向するようにヒータを配設したヒータボックスを第2の熱処理手段として設け、そのヒータボックス内に包装用シートSが被着された遊技機P1を通過させる構成としてもよい。図19は、包装用シートSが巻きつけられる遊技機P1の前面側及び背面側の略全体に対向するようにヒータを配設した例を示している。本変形例によれば、第1ノズル171及び第2ノズル172より発生する熱風によって包装用シートSの上部に第1の熱処理を施すことにより包装用シートSのずり落ちを防止し、更に、包装用シートSが被着される遊技機P1の前面側及び背面側の略全体に対向するように配設されたヒータからの発熱によって第2の熱処理を施すことにより包装用シートSを全体に亘って熱収縮させて、遊技機P1の外周に密着させることができる。
また、前記実施形態では、シャッタ開閉機構182としてモータ及びピニオン・アンド・ラック機構を採用した例を示したが、これには限られず、公知の種々のアクチュエータを採用可能である。例えば、電磁ソレノイドを採用した機構によりシャッタ181を開閉するように構成してもよい。
また、前記実施形態では、包装用シートSにより役物カバー85、メイン基板ボックス82及び払出し制御基板ボックス86を一体的に覆う例を示したが、各基板ボックスを個別に覆うようにしてもよく、或いは、図20に示す変形例のように、最も不正改造防止の必要性が高いメイン基板ボックス82のみを包装用シートSにより覆うように遊技機P1の外周へ巻きつけてもよい。本変形例では、遊技機P1背面側のメイン基板ボックス82の上端部近傍及び下端部近傍に向かって熱風を吹きつけ可能な位置にノズルを配置して熱風の吹きつけを実施することにより、包装用シートSを遊技機外周へ密着させることができる。
また、前記各実施形態において、遊技機メーカー等のロゴが印刷された包装用シートを用いて包装を行うようにしてもよい。或いは、包装前又は包装後に、包装用シートの表面に製品識別情報等を印刷するようにしてもよい。このようにロゴや製品識別情報等が印刷された包装用シートを用いて包装を行うことにより、不正改造後の再包装をより一層確実に防止することができる。
パチンコ機だけでなくスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合した遊技機等の不正改造の防止が必要とされる遊技機を包装するための包装装置にも適用できる。
本発明の包装装置により包装される遊技機の斜視図である。 図1の遊技機の上面図である。 図1の遊技機の背面図である。 本発明の一実施形態における遊技機の包装装置の正面図である。 当該遊技機が第1コンベア装置によって搬送される状態を示す包装装置の平面図である。 当該遊技機の搬送方向前方側で包装用シートの熱溶着及び切断が行われる様子を示す包装装置の平面図である。 当該遊技機へ包装用シートの巻きつけ及び第1の熱処理が施される様子を示す包装装置の平面図である。 第1ノズル及び第2ノズルの配設位置及び当該遊技機に巻きつけられた包装用シートへ第1の熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 当該遊技機の搬送方向後方側で包装用シートの熱溶着及び切断が行われる様子を示す包装装置の平面図である。 包装用シートの巻きつけ完了後の遊技機の斜視図である。 当該遊技機に巻きつけられた包装用シートへ熱処理が施される様子を示す包装装置の平面図である。 第3ノズル〜第8ノズルの配設位置及び当該遊技機に巻きつけられた包装用シートへ熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 包装が完了した遊技機の側面図である。 遊技機下部を拡大して示す側面図であり、(a)はシート巻きつけ後(第1の熱処理位置H2通過後、第2の熱処理位置H3通過前)の状態を、(b)は包装が完了した状態をそれぞれ表わしている。 包装が完了した遊技機の斜視図である。 シャッタ開閉機構の概略構成を示す正面図であり、(a)はシャッタ開状態を、(b)はシャッタ閉状態をそれぞれ表わしている。 シャッタの開閉を示す平面図であり、(a)は図16(a)に、(b)は図16(b)にそれぞれ対応する。 シャッタ開閉制御ルーチンのフローチャートである。 第2の熱処理手段としてヒータを採用した変形例におけるヒータの配設位置及び当該遊技機に巻きつけられた包装用シートへ第2の熱処理が施される様子を表わす搬送方向前方側から視た図である。 メイン基板ボックスのみを覆うように包装を施す構成とした変形例を説明するための遊技機の側面図であり、(a)はノズルの配設位置及びシート巻きつけ後(第1の熱処理位置H2通過後、第2の熱処理位置H3通過前)の状態を、(b)は包装が完了した状態をそれぞれ表わしている。
符号の説明
S 包装用シート
R シートロール
P1 遊技機
63 上皿
70 下皿
82 メイン基板ボックス(遊技機の制御を行う部分、主制御装置、基板ボックス)
85 役物カバー(遊技機の制御を行う部分、役物制御装置、基板ボックス)
86 払出し制御基板ボックス(遊技機の制御を行う部分、払出し制御装置、基板ボックス)
101 遊技機の包装装置
111 シート被着機構
112 シート供給機構(シート供給手段)
113 第1コンベア装置(搬送手段)
114 熱溶着切断機構(熱溶着切断手段)
129,131 熱溶着バー
132 切断用ヒータ線
151 熱処理機構
152 第2コンベア装置(搬送手段)
153 第3コンベア装置(搬送手段)
154 熱風発生装置(熱風発生手段、第1の熱処理手段,第2の熱処理手段)
161,162 第1,第2送風管(第1の熱処理手段,熱風発生手段)
163〜168 第3〜第8送風管(第2の熱処理手段,熱風発生手段)
171,172 第1,第2ノズル(第1の熱処理手段,熱風発生手段)
171a,172a 熱風噴出口
173〜178 第3〜第8ノズル(第2の熱処理手段,熱風発生手段)
181 シャッタ(シャッタ手段)
182 シャッタ開閉機構(シャッタ手段)

Claims (1)

  1. 遊技機を包装する装置であって、
    前記遊技機を搬送する搬送手段と、
    前記遊技機の制御を行う部分の少なくとも一部を覆うように、熱可塑性材料からなる包装用シートを供給するシート供給手段と、
    前記包装用シートに熱溶着及び切断を施す熱溶着切断手段と、
    前記搬送手段によって前記遊技機が搬送されつつ前記シート供給手段によって前記包装用シートが供給されることにより前記遊技機の外周へ巻きつけられる前記包装用シート上部の少なくとも一部に第1の熱処理を施す第1の熱処理手段と、
    前記包装用シートに前記第1の熱処理が施された後、前記遊技機の外周に巻きつけられた前記包装用シートの少なくとも一部に第2の熱処理を施す第2の熱処理手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技機の包装装置。
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