JP2005225981A - 成形用フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】
耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐衝撃性および耐湿熱性を兼ね備え、特に引っ張り伸度とMIT屈曲試験回数が優れている成形用フィルムを提供する。
【解決手段】
無配向であるポリフェニレンスルフィド樹脂からなる成形用フィルムであって、100℃以上280℃以下の温度で加熱処理したあとの引っ張り伸度が25℃で20%以上100%未満、衝撃強度が0.2N/μm以上1N/μm未満であり、そしてMIT屈曲試験回数が300回以上1000回未満である成形用フィルム。
【選択図】 なし
耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐衝撃性および耐湿熱性を兼ね備え、特に引っ張り伸度とMIT屈曲試験回数が優れている成形用フィルムを提供する。
【解決手段】
無配向であるポリフェニレンスルフィド樹脂からなる成形用フィルムであって、100℃以上280℃以下の温度で加熱処理したあとの引っ張り伸度が25℃で20%以上100%未満、衝撃強度が0.2N/μm以上1N/μm未満であり、そしてMIT屈曲試験回数が300回以上1000回未満である成形用フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、成形用フィルムに関するものである。更に詳しくは本発明は、現在自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッドカーなどに好適に使用されるカーエアコン用モータや給湯器の電気絶縁材に適した、特に加工性に優れた成形用フィルムに関するものである。
従来、ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルムは、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性および低吸湿性などの性質を有しており、電気・電子機器、機械部品および自動車部品などに使用されている。
近年、その電気絶縁性や低吸湿性の高さを活かし、電気絶縁材料へのPPSフィルムの適用が進められている。例えば、従来、(1)二軸配向ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称することがある)フィルムを電気絶縁材料として用いることが、知られており(特許文献1参照)、(2)無配向であるPPSのシートも知られている(特許文献2および特許文献3参照)。また、(3)無配向であるPPS層に二軸配向PPS層が接着剤を介することなく積層されている積層体がで知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、上記の従来のフィルムやシート、積層フィルムおよび積層体は、下記のような問題点を有している。すなわち、上記(1)のフィルムは、耐衝撃性や引裂り強さが乏しく、例えば、モーターのスロットライナーやウェッジとして用いる場合、フィルムが裂けてしまったり、フィルムがデラミネーションしてしまったりする問題があった。また、上記(2)の無配向であるシートは、引裂き強さには富んでいるが引っ張り伸度が小さく、また融点付近の温度にさらされると急激に強度が低下し、形態保持性が著しく悪化してしまうという課題があった。さらに、上記(3)の積層体は、接着剤を介させずに耐衝撃性に富んでいるが、引っ張り伸度が小さく加工性にも問題があった。
特開昭55-35456号公報
特開昭56-34426号公報
特開昭57-121052号公報
特開平2-45144号公報
本発明は、これらの問題点を解消し、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐衝撃性および耐湿熱性を兼ね備え、さらに引っ張り伸度が大きい成形用フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明の成形用フィルムは、上記課題を解決するために主として次の構成を有するものである。すなわち、本発明の成形用フィルムは、無配向ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂からなり、100℃以上280℃以下の温度で加熱処理したあとの引っ張り伸度が25℃で20%以上100%未満であることを特徴とする成形用シートである。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対しオレフィン系共重合体を5〜15重量部配合してなり、該オレフィン系共重合体が、α-オレフィン、α,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびエポキシ基含有ビニルモノマーを共重合してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分として含有している。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記エポキシ基含有オレフィン系共重合体中、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計において、α-オレフィンの割合が52〜95重量%でα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの割合が5〜48重量%であり、かつ、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計の割合が85〜99.5重量%でエポキシ基含有ビニルモノマーの割合が0.5〜15重量%であるエポキシ基含有オレフィン系共重合体が用いられる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記成形用フィルムの衝撃強度は0.2N/μm以上1N/μm未満であり、MIT屈曲試験回数は300回以上1000回未満である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐衝撃性および耐湿熱性を兼ね備え、さらに引っ張り伸度が大きい成形用フィルムを得ることができる。
また、本発明の無配向であるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂からなる成形用フィルムは、耐熱性、耐湿熱性および難燃性などに優れており電気絶縁材料に特に有用であり、また、引っ張り伸度とMIT屈曲試験回数も大きく加工性に優れている。
以下、本発明の成形用フィルムについて、最良の実施形態を例示説明する。
本発明おいてポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂とは、ポリフェニレンスルフィドにオレフィン系共重合体を配合してなる樹脂のことをいう。ここで言うアロイとは、異種のポリマーを配合させる技術のことを指し、共重合とは異なる意味で用いられる。
本発明で用いられるオレフィン系共重合体としては、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびエポキシ基含有ビニルモノマーを共重合してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体が特に好ましく用いられる。
また、特に好適なオレフィン系共重合体としては、共重合比率が、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計において、α−オレフィンの割合が52〜95重量%でα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの割合が5〜48重量%であり、かつ、エポキシ基含有オレフィン系共重合体中、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計の割合が85〜99.5重量%で、エポキシ基含有ビニルモノマーの割合が0.5〜15重量%であるエポキシ基含有オレフィン系共重合体が挙げられる。更に好ましくは、共重合比率が、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計において、α−オレフィンの割合が60〜85重量%でα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの割合が15〜40重量%であり、かつ、エポキシ基含有オレフィン系共重合体中、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計の割合が85〜99.5重量%で、エポキシ基含有ビニルモノマーの割合が0.5〜15重量%であるエポキシ基含有オレフィン系共重合体が挙げられる。
かかる特に好適なエポキシ基含有オレフィン系共重合体のモノマー成分である、α−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、デセン−1およびオクテン−1などが挙げられ、中でもエチレンが好ましく用いられる。また、これらは2種以上を同時に使用することもできる。
また、特に好適なエポキシ基含有オレフィン系共重合体の他のモノマー成分である、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数3〜8個の不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸等のアルキルエステルであって、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルおよびメタクリル酸ヘキシルなどを例示することができ、これらのうちでもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびメタクリル酸n−ブチルが好ましく用いられる。また、これらは2種以上を同時に使用することもできる。
また、特に好適なエポキシ基含有オレフィン系共重合体のもう一つのモノマー成分である、エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルやグリシジルエーテルなどを例示することができ、特に下記一般式で示される構成単位からなるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルが好ましく用いられる。
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
かかるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジルなどが挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが特に好ましく用いられる。
かかるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジルなどが挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが特に好ましく用いられる。
本発明においてポリフェニレンスルフィド(PPS)とは、繰り返し単位の70モル%以上(好ましくは85モル以上)が、次の構造式
かかる繰り返し単位の成分が70モル%未満ではポリマー(重合体)の結晶性、熱転移温度などが低くなり、PPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの特徴である耐熱性、寸法安定性および機械的特性を損なうことがある。繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未満であれば、共重合可能なスルフィド結合が含有する単位が含まれていても差し支えない。また、該重合体の共重合の仕方は、ランダム型でもブロック型でもよい。
本発明で用いられるPPSの溶融粘度は、溶融混練可能であれば特に制限はないが、通常100〜1,000ポイズ(温度310℃、剪断速度1,000/sec)の範囲のものが使用され、100〜5000ポイズの範囲のものがより好ましく用いられる。
本発明で用いられるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂は、既述のとおり、ポリフェニレンスルフィドにオレフィン系共重合体を配合してなるものであるが、オレフィン系共重合体の配合割合は、ポリフェニレンスルフィド100重量部に対し好ましくは5〜15重量部であり、より好ましくは10〜15重量部である。オレフィン系共重合体の配合割合が5重量部より少ないと、成形用フィルムが脆くなり、15重量部をこえるとPPSの特徴である耐熱性が低下する。
本発明で用いられるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂の調製方法は特に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなどの通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出式により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
本発明で用いられるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂の溶融粘度は、島津製作所(株)のフローテスターCFT−500を使用し、温度310℃、剪断速度1000/secでJIS−Z−8803にしたがい測定した。単位はポイズで表す。
本発明で用いられるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂の溶融粘度は、溶融混練可能であれば特に制限はないが、通常100〜10000ポイズ(温度310℃、剪断速度1000/sec)のものが使用され、100〜5000ポイズの範囲のものがより好ましく用いられる。
本発明において、成形用フィルムの取り扱い性や加工性を更に向上させるために、不活性粒子を添加しても良い。ここで言う不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バイウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機フィラー、および300℃で溶融しない有機の高分子化合物(例えば架橋ポリスチレン等)の粒子挙げられる。
本発明の成形用フィルムは、上記のポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂を、溶融してシート状に成形した状態のものをいう。ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂をシート状に成形する方法は特に限定されないが、厚み斑や口金スジ対策から、静電気を印加して冷却ドラムに密着させてシート化してから巻取る方法や、カレンダーロールにより押し出されたポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂をカレンダリングしてから巻取る方法が好ましい。
例えば、上記ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂を一軸または二軸の小型押出機に供給し、溶融混練した後、口金からシート状に吐出する。吐出した溶融シートを、印可電圧4〜10kVで静電印加キャスト方式で5℃〜90℃のクロムメッキロールに密着させて冷却固化し、シート状フィルムを得る方法が好ましい。
本発明の成形用フィルムは、100℃以上280℃以下の温度で加熱処理したあとの引っ張り伸度が、耐久性から25℃において100%未満20%以上であり、より好ましくは50%未満20%以上である。引っ張り伸度を前記範囲にするためには、上記溶融成形時の冷却ドラム温度が重要である。具体的には、冷却ドラム温度を5℃〜90℃の範囲とすることで引っ張り伸度を100%未満20%以上とすることができ、また、冷却ドラム温度を60℃〜90℃の範囲に設定することにより引っ張り伸度を50%未満20%以上とすることができる。
また、本発明の成形用フィルムの衝撃強度は、耐久性から0.2N/μm以上1N/μm未満であることが好ましい。また、本発明の成形用フィルムのMIT屈曲試験回数は、耐久性から300回以上1000回未満であることが好ましい。ここで耐久性とは、モーターなどの電気絶縁材料などで、連続使用されたときの外力による経時変化をいう。
衝撃強度やMIT屈曲回数を前記の範囲にするためには、上記溶融成形時の冷却ドラム温度が重要である。具体的には、冷却ドラム温度を5℃〜90℃の範囲とすることで衝撃強度を0.2N/μm以上、1N/μm未満とすることができ、またMIT屈曲回数を300回以上、1000回未満とすることができる。
本発明の成形用フィルムの少なくとも片面には、必要に応じコロナ放電処理やプラズマ処理を施すこともできる。また、本発明の成形用フィルム全体の厚さは電気絶縁材料で使用されているフィルムの厚み範囲から20〜700μmの範囲が好ましい。
本発明の無配向であるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂からなる成形用フィルムは、耐熱性、耐湿熱性および難燃性などに優れており電気絶縁材料に特に有用であり、また、引っ張り伸度とMIT屈曲試験回数も大きく加工性に優れた素材である。
[特性の測定方法]
(A) 成形用フィルムの引っ張り伸度
150℃と180℃の各々雰囲気化で30分間の加熱処理を施したサンプルを、“テンシロン”(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃、65%RHの条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行う。
(B) 成形用フィルムの衝撃強度
シャルピー衝撃試験を、ASTM D256に法に従って測定する。
(C) 成形用フィルムのMIT屈曲試験
MIT屈曲試験を、JIS−P−8115法に従って測定する。
(A) 成形用フィルムの引っ張り伸度
150℃と180℃の各々雰囲気化で30分間の加熱処理を施したサンプルを、“テンシロン”(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃、65%RHの条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行う。
(B) 成形用フィルムの衝撃強度
シャルピー衝撃試験を、ASTM D256に法に従って測定する。
(C) 成形用フィルムのMIT屈曲試験
MIT屈曲試験を、JIS−P−8115法に従って測定する。
(実施例1〜24)
本発明の実施例で用いるPPSアロイ樹脂の調製方法を以下に示す。
(a)PPS樹脂:
直鎖状PPS樹脂、溶融粘度500ポイズ(310℃、剪断速度1000/sec)、
灰分量0.05重量%
(b)エポキシ基含有オレフィン系共重合体:
b1:エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート
=64/30/6(重量%)共重合体。
本発明の実施例で用いるPPSアロイ樹脂の調製方法を以下に示す。
(a)PPS樹脂:
直鎖状PPS樹脂、溶融粘度500ポイズ(310℃、剪断速度1000/sec)、
灰分量0.05重量%
(b)エポキシ基含有オレフィン系共重合体:
b1:エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート
=64/30/6(重量%)共重合体。
b2:エチレン/アクリル酸n-ブチル/グリシジルメタクリレート
=79/15/6(重量%)共重合体。
=79/15/6(重量%)共重合体。
b3:エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート
=38.7/59/2.3(重量%)共重合体。
=38.7/59/2.3(重量%)共重合体。
b4:エチレン/グリシジルメタクリレート=88/12(重量%)共重合体。
b5:エチレン/ブテン=92/8(重量%)共重合体。
上記の(a)PPS樹脂と、上記の(b)エポキシ基含有オレフィン系共重合体を、表1に示す割合でドライブレンドした後、シリンダー温度280℃(ホッパー側)〜320℃(先端側)に設定した2軸押し出し機で溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化し、120℃で1晩乾燥した。得られたPPSアロイ樹脂を、表1のとおりそれぞれ樹脂1〜4とする。
次に、本発明の実施例で用いる無配向PPSアロイ樹脂フィルムの調製方法を以下に示す。 表1のように調整した各PPSアロイ樹脂ペレットを、シリンダー温度285℃(ホッパー側)〜300℃(先端側)に設定した小型押出機に供給し、溶融混練した後、口金からシート状に吐出した。吐出した溶融シートを、印加電圧7kVで静電印加キャスト方式でクロムメッキロール上に密着させて、表2〜4の冷却ドラム温度で冷却固化し、シート状フィルムを得た。このようにして得られたシート状フィルムを、表1のとおりそれぞれシート1〜4とする。また、冷却ドラムの回転速度を変更し、表2〜4の厚みの違うそれぞれのフィルムを得た。
上記方法で得られたシート1〜4に、表2〜4のとおり150℃と180℃の各々雰囲気化で30分間の加熱処理を施した。このようにして得られたフィルムについて、引っ張り伸度と衝撃強度とMIT屈曲試験回数を測定した。結果を表2〜4に示す。
(比較例1〜6)
無配向PPS樹脂フィルムの調製方法を以下に示す。エポキシ基含有オレフィン系共重合体を配合しない上記(a)だけのPPS樹脂を、シリンダー温度285℃(ホッパー側)〜300℃(先端側)に設定した小型押出機に供給し、溶融混練した後、口金からシート状に吐出した。吐出した溶融シートを、印加電圧7kVで静電印加キャスト方式でクロムメッキロール上に密着させて、表5の冷却ドラム温度で冷却固化し、シート状フィルムを得た。このようにして得られたシート状フィルムを、表1のとおりシート5とする。冷却ドラムの回転速度を変更し、表5の厚みの違うそれぞれのフィルムを得た。
無配向PPS樹脂フィルムの調製方法を以下に示す。エポキシ基含有オレフィン系共重合体を配合しない上記(a)だけのPPS樹脂を、シリンダー温度285℃(ホッパー側)〜300℃(先端側)に設定した小型押出機に供給し、溶融混練した後、口金からシート状に吐出した。吐出した溶融シートを、印加電圧7kVで静電印加キャスト方式でクロムメッキロール上に密着させて、表5の冷却ドラム温度で冷却固化し、シート状フィルムを得た。このようにして得られたシート状フィルムを、表1のとおりシート5とする。冷却ドラムの回転速度を変更し、表5の厚みの違うそれぞれのフィルムを得た。
上記方法で得られたシート5に、表5のとおり150℃と180℃の各々雰囲気化で30分間の加熱処理を施した。このようにして得られたフィルムについて、引っ張り伸度と衝撃強度とMIT屈曲試験回数を測定した。結果を表5に示す。
本発明の無配向であるポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂からなる成形用フィルムは、耐熱性、耐湿熱性および難燃性などに優れており電気絶縁材料に特に有用であり、また、引っ張り伸度とMIT屈曲試験回数も大きく加工性に優れた素材である。
そのため、自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッドカーなどに使用されるカーエアコン用モータや給湯器の電気絶縁材として有用である。
Claims (5)
- 無配向ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂からなり、100℃以上280℃以下の温度で加熱処理したあとの引っ張り伸度が25℃で20%以上100%未満であることを特徴とする成形用フィルム。
- ポリフェニレンスルフィドアロイ樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対しオレフィン系共重合体を5〜15重量部配合してなり、該オレフィン系共重合体が、α-オレフィン、α,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびエポキシ基含有ビニルモノマーを共重合してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体を必須成分として含有していることを特徴とする請求項1記載の成形用フィルム。
- エポキシ基含有オレフィン系共重合体中、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計において、α-オレフィンの割合が52〜95重量%でα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの割合が5〜48重量%であり、かつ、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸アルキルエステルの合計の割合が85〜99.5重量%でエポキシ基含有ビニルモノマーの割合が0.5〜15重量%であることを特徴とする請求項2記載の成形用フィルム。
- 衝撃強度が0.2N/μm以上1N/μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形用フィルム。
- MIT屈曲試験回数が300回以上1000回未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形用フィルム。
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---|---|---|---|
JP2004036260A JP2005225981A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 成形用フィルム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010143970A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 高分子組成物、成形体、電子写真用転写ベルト、および画像形成装置 |
JP2014055219A (ja) * | 2012-09-12 | 2014-03-27 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物成形品、その製造方法 |
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2004
- 2004-02-13 JP JP2004036260A patent/JP2005225981A/ja active Pending
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JP2014055219A (ja) * | 2012-09-12 | 2014-03-27 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物成形品、その製造方法 |
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