JP5168150B2 - 飽和ポリエステル系樹脂組成物及び該組成物を含む接着剤組成物 - Google Patents

飽和ポリエステル系樹脂組成物及び該組成物を含む接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、飽和ポリエステル樹脂と非結晶性ポリオレフィン系樹脂と、結晶性ポリオレフィン系樹脂とを含有する飽和ポリエステル系樹脂組成物及び該樹脂組成物を含む接着剤組成物に関する。
飽和ポリエステル系樹脂は、電気的及び熱的特性が優れており、また、ポリエステル樹脂等のプラスチック材料及び銅・アルミニウム等の金属材料への密着性に優れる。この特性から、飽和ポリエステル系樹脂は、自動車分野及び電気電子分野における各種部品、並びにラミネートフィルムの接着剤として広く用いられている。例えば、近年、ガスバリヤー性及び薬品安定性を付与する目的で、アルミニウム蒸着フィルム及びアルミニウム箔貼り合わせフィルムが、食品包装材料及び電解液封止材料として用いられている。飽和ポリエステル系樹脂は、このフィルムの接着剤として使用されている。
飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤は、アルミニウムへの接着強度が優れている。しかし、アルミニウム表面には、安定な酸化皮膜ができ易い。この酸化皮膜のため、飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤とアルミニウムとの表面密着性が不十分となり、アルミニウムと接着剤との接着界面で剥離が起こることがある。その結果、ガスバリヤー性の低下及び液漏れ等の問題が発生するおそれがある。
そこで従来、飽和ポリエステル系樹脂に種々の樹脂成分を添加・混合したホットメルト接着剤組成物が提案されている。例えば、特許文献1では、飽和ポリエステル系樹脂に低密度ポリエチレン樹脂や高密度ポリエチレン樹脂を添加し、かつエポキシ系樹脂を添加した飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、飽和ポリエステル系樹脂にフェノール樹脂を添加した飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物が提案されている。更に、特許文献3では、結晶性ポリエステル系樹脂と非結晶性ポリエステル系樹脂、及びエポキシ系樹脂からなる飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物が提案されている。
特開2004−269654号公報 特開2003−327940号公報 特開2002−138269号公報
特許文献1〜3に記載された接着剤組成物によれば、アルミニウムと接着剤との剥離強度は、主成分である飽和ポリエステル樹脂単体より向上している。しかしながら、特許文献1〜3に記載された接着剤組成物では、アルミニウムと接着剤との接着界面での剥離は解決していない。従って、該接着剤組成物を用いたフィルムは、ガスバリヤー性及び液封止の信頼性に劣る。
本発明は、飽和ポリエステル系樹脂組成物の構成を改良する発明である。本発明は、この改良により、銅及びアルミニウム等の金属材料並びにポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料に対する接着強度及び接着界面の剥離状態を改善できる組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討した。その結果、本発明者らは、飽和ポリエステル樹脂に特定のポリオレフィン系樹脂を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕飽和ポリエステル樹脂(A)と非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)と、結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)とを含有する飽和ポリエステル系接着剤組成物であって、
前記飽和ポリエステル樹脂(A)はテレフタル酸残基及び1,4−ブタンジオール残基を有し、テレフタル酸の割合が全酸成分に対して30〜90モル%であり、かつ、1,4−ブタンジオールの割合が全アルコール成分に対して30モル%以上であり、
前記飽和ポリエステル樹脂(A)、非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)及び結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の合計量100質量%に対して、前記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)の含有量は1〜30質量%であり、結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量は3〜30質量%であることを特徴とする飽和ポリエステル系接着剤組成物。
〔2〕上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の結晶の融解熱量が50J/g以上である上記〔1〕に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
〔3〕上記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)の結晶の融解熱量が10J/g以下である上記〔1〕又は〔2〕に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
〔4〕上記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)100質量部に対する上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の割合は、60〜250質量部である上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
〔5〕上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
本発明の飽和ポリエステル系樹脂組成物を接着剤(ホットメルト接着剤等)として用いた接着部材は、優れた密着性能を有する。その結果、銅及びアルミニウム等の金属材料並びにポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料に対する接着強度が向上し、且つ破壊形態を改善することができる。特に、低温における接着強度と破壊形態が改善される。また、接着剤と被着材との界面剥離状態が改善されることから、シール性及びガスバリヤー性の優れた接着部材を得ることができる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。しかし、本発明はこれに限定されない。
本発明の飽和ポリエステル系樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という。)は、飽和ポリエステル樹脂(A)(以下、「樹脂成分(A)」ともいう。)と、非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)(以下、「樹脂成分(B)」ともいう。)とを含むことを特徴とする。また、本発明の接着剤組成物及びホットメルト接着剤は、本発明の樹脂組成物を含有することを特徴とする。
〔1〕樹脂成分(A)
樹脂成分(A)を構成するモノマーである酸成分及びポリオール成分には特に限定はない。上記酸成分としては、芳香族二塩基性酸、脂肪族二塩基性酸、及び脂環族二塩基性酸、並びにこれらのエステル形成体等が使用できる。芳香族二塩基性酸及びそのエステル形成体の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、α−ナフタレンジカルボン酸、及びβ−ナフタレンジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成体(例えば、メチルエステル及びエチルエステル等のC1〜C3アルキルエステル)等が挙げられる。脂肪族二塩基性酸及びそのエステル形成体の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデシレン酸、及びドデカン二酸、並びにこれらのエステル形成体(例えば、メチルエステル及びエチルエステル等のC1〜C3アルキルエステル)等が挙げられる。脂環族二塩基性酸及びそのエステル形成体の具体例としては、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、及びヘキサヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
上記酸成分のうち、テレフタル酸及びそのエステル形成体が、接着強度の点で好ましい。テレフタル酸の割合は、全酸成分に対して30モル%以上であることが好ましい。テレフタル酸成分が30モル%に満たないときは、本発明の樹脂組成物の凝集力及び硬さが不足し、接着強度が低くなる。テレフタル酸の割合の上限値は、通常、全酸成分に対して100モル%、好ましくは90モル%、更に好ましくは80モル%である。
また、上記酸成分として、トリメリット酸及びピロメリット酸等の多価カルボン酸も併用することができる。該多価カルボン酸は、ポリエステル合成時のゲル化が生じない範囲内又は接着強度を損なわない範囲内で併用することが可能である。上記多価カルボン酸は、例えば、全酸成分に対して5モル%以下の範囲で使用することができる。尚、上記多価カルボン酸の使用割合の下限値は、通常、全酸成分に対して0.1モル%、好ましくは0.5モル%、更に好ましくは1モル%である。
上記ポリオール成分としては、例えば、脂肪族グリコール及び脂環族グリコールの2価アルコール、並びに多価アルコールが使用できる。上記脂肪族グリコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記脂環族グリコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ポリオール成分として、上記脂肪族グリコールの1種又は2種以上と、上記脂環族グリコールの1種又は2種以上とを併用してもよい。
脂肪族グリコールとしては、例えば、炭素数2〜14、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8の脂肪族グリコールが挙げられる。上記脂肪族グリコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、2,2,3−トリメチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びジプロピレングリコールが挙げられる。脂環族グリコールの具体例としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水添ビスフェノールAが挙げられる。
また、上記ポリオール成分として、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール等の多価アルコールも使用することができる。該多価アルコールは、例えば、全アルコール成分に対して5モル%以下の範囲で使用することができる。尚、上記多価カルボン酸の使用割合の下限値は、通常、全アルコール成分に対して0.1モル%、好ましくは0.5モル%、更に好ましくは1モル%である。
上記二価アルコールとしては、1,4−ブタンジオールが好ましい。1,4−ブタンジオールの割合は、全アルコール成分に対して30モル%以上が好ましい。1,4−ブタンジオールの割合が30モル%未満であると、得られた樹脂成分(A)は、凝集力に欠け、接着強度が低く、耐熱性が不足する。
融解熱ピーク温度で示される樹脂成分(A)の融点は、50〜200℃が好ましく、60〜150℃が更に好ましい。尚、「融解熱ピーク温度」は、示差走査熱量計(以下、「DSC」ともいう。)の測定による融解熱量が1J/g以上である主たる吸熱ピーク温度で示される。この融点が50℃未満のときは、本発明の樹脂組成物の耐熱性が不足し、200℃を超えるときは、塗工温度及び接着温度が高くなるため、接着基材シートの熱劣化が起こり、接着不良の原因となる。
樹脂成分(A)は、通常の方法により合成・製造することができる。樹脂成分(A)の製造方法としては、例えば、(1)原料及び触媒を仕込み、生成物の融点以上の温度で加熱する溶融重合法、(2)生成物の融点以下で重合する固相重合法、(3)溶媒を使用する溶液重合法が挙げられる。樹脂成分(A)の製造方法として、いずれの方法を採用しても良いが、本発明の目的に沿う適度な重合度のポリエステルを得るため、及び経済性の面から、溶融重合法が好ましい。樹脂成分(A)は、例えば、エステル交換法又は直接エステル化法により製造される。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤において、樹脂成分(A)の含有量は、樹脂成分(A)及び(B)の合計量に対して、50〜99質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好まく、60〜90質量%であることが特に好ましい。樹脂成分(A)の割合が50質量%に満たない場合は、本発明の樹脂組成物自体の強度が低下するため、得られる剥離強度が低下する傾向がある。一方、99質量%を越える場合は、接着基材への濡れ性が低下し、界面剥離が起き易くなる。
〔2〕樹脂成分(B)
樹脂成分(B)は、アルミニウム等の接着基材への密着性を改善する機能を有する。接着基材への密着性を向上する手段として、〔1〕接着剤の接着基材への濡れ性の向上、及び〔2〕接着剤組成物の柔軟性により、接着剤と接着基材界面への剥離応力の応力集中を防ぐ事が重要である。結晶性ポリオレフィン系樹脂は、加熱溶融状態で結晶化度が低い場合、表面自由エネルギーが低いため、接着基材への濡れが良好である。しかし、冷却・固化した結晶性ポリオレフィン系樹脂は、結晶化と共に表面自由エネルギーが上昇し、接着基材へ濡れなくなり、自然と剥離してしまう。一方、非結晶性ポリオレフィン系樹脂は、冷却・固化した状態でも、表面自由エネルギーが低いため、接着基材への密着性を向上する事ができる。更に、樹脂成分(B)は、室温でも柔軟性が高いため、剥離応力に対して接着剤と接着基材界面への応力集中を防ぐことができる(尚、本説明は、本発明の理解を助けるための説明である。本発明は、樹脂成分(B)の機能及び範囲を定義するための説明ではなく、また、樹脂成分(B)の機能及び範囲を限定するための説明でもない。)。
樹脂成分(B)を構成する主モノマー成分は、不飽和二重結合を有するビニルモノマーである。該ビニルモノマーとして具体的には、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等の炭素数2〜20のα−オレフィン、及び脂環族オレフィン系モノマー等のオレフィン系モノマーからなるモノマー群の1種又は2種以上が挙げられる。該ビニルモノマーとして好ましくは、例えば、特開平11−80233号公報及び特開2000−198820号公報に示すように、プロピレン、エチレン、及び1−ブテンを主成分とするモノマーが挙げられる。樹脂成分(B)を構成する主モノマーが、オレフィン系以外のモノマーであると、本発明の樹脂組成物の表面自由エネルギーが高くなり、接着基材への密着性が低下し、界面剥離状態になり易い。尚、上記ビニルモノマーは1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。
また、樹脂成分(B)を構成するモノマー成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、他のモノマーの1種又は2種以上を用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、スチレン及びα−メチルスチレン等の芳香族系ビニルモノマー、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル系ビニルモノマー、並びにアクリル酸及び無水フタル酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーが挙げられる。
樹脂成分(B)は、結晶化度が低いことを特徴とする。ここで、「結晶化度」とは、DSCで測定した融解熱量で示される。樹脂成分(B)は、DSCで測定した融解熱量が10J/g以下であることが好ましい。特に、樹脂成分(B)は、上記融解熱量が5J/g以下であることがより好ましい。更に、樹脂成分(B)は、上記融解熱量が3J/g以下であることがより好ましい。樹脂成分(B)の融解熱量10J/gを超えると、結晶化度が高くなるため、接着基材への濡れ性が低下し、また、剥離応力が接着界面へ集中するため、界面剥離状態になり易い。尚、樹脂成分(B)が完全に非結晶である場合は、融解熱量0J/gである。樹脂成分(B)の融解熱量0〜10J/gとすることができ、また、樹脂成分(B)の融解熱量は、0J/gから上記の各々の上限値までとすることもできる。
樹脂成分(B)の溶融粘度には特に限定はない。溶融粘度は、例えば、メルトインデックス値(以下「MI値」ともいう。)として示すことができる。樹脂成分(B)のMI値(温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定)は、通常、0.5〜150g/10分、更に好ましくは1〜120g/10分である。MI値が0.5g/10分未満の場合、溶融粘度が高すぎるため、樹脂成分(A)との混合が不均一となり、安定した接着強度が得られない。また、MI値が150g/10分を超えると、樹脂組成物が柔らかくなりすぎるため、接着強度が低下する。
本発明の樹脂組成物、接着剤及びホットメルト接着剤において、樹脂成分(B)の含有量は、樹脂成分(A)及び樹脂成分(B)の合計量100質量%に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましく、10〜40質量%が更に好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%が特に好ましい。樹脂成分(B)の含有量が1質量%に満たない場合は、接着基材への濡れ性が低いために界面剥離する傾向がある。一方、50質量%を越える場合は、該組成物の自体の強度が低下するため、得られる剥離強度が低下する。
〔3〕結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、更に結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)(以下、「樹脂成分(C)」ともいう。)が含有される。樹脂成分(C)は、接着基材界面への剥離応力集中を防ぐ役割を担う。樹脂成分(C)は、通常、接着剤組成物中に微細分散した状態で存在する。その分散粒子表面と主成分である樹脂成分(A)の界面との濡れ性が低いため、樹脂成分(A)と樹脂成分(C)の分散粒子との界面に、剥離応力を分散させることができる。その結果、接着剤と接着基材界面との剥離状態を改善することができる(尚、本説明は、本発明の理解を助けるための説明である。本発明は、樹脂成分(C)の機能及び範囲を定義するための説明ではなく、また、樹脂成分(C)の機能及び範囲を限定するための説明でもない。)。従って、樹脂成分(C)の表面自由エネルギーが高くなるように、樹脂成分(C)として、結晶化度の高いポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記のように、樹脂成分(C)は、結晶化度の高いポリオレフィン系樹脂が好ましい。より具体的には、例えば、樹脂成分(C)は、DSCで測定した場合の融解熱量が50J/g以上であることが好ましい。特に、樹脂成分(C)は、融解熱量が80J/g以上通常220J/g以下)であることがより好ましい。即ち、樹脂成分(C)の融解熱量は、50〜220J/gとすることができ、80(上記の下限値)〜220J/gとすることもできる。樹脂成分(C)の融解熱量50J/g未満であると、樹脂成分(A)と樹脂成分(C)の粒子表面との界面密着性が高くなるため、接着剤と接着基材界面での剥離が起こり易くなる。
樹脂成分(C)を構成する成分は、不飽和二重結合を有するビニル系モノマーの1種又は2種以上から選択される。該ビニル系モノマーとしては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等の炭素数2〜20のオレフィン系ビニルモノマーが挙げられる。好ましくは、エチレンを主成分とした高密度ポリエチレン樹脂(例えば、密度0.94〜0.97g/cm3)及び低密度ポリエチレン樹脂(例えば、密度0.91〜0.93g/cm3)である。上記ビニル系モノマーとしてより好ましくは、低密度ポリエチレンである。
樹脂成分(C)の溶融粘度には特に限定はない。溶融粘度は、例えば、MI値として示すことができる。樹脂成分(C)のMI値(温度190℃、荷重21.2Nの条件で測定)は、通常、0.5〜150g/10分、好ましくは1〜120g/10分である。MI値が0.5g/10分未満の場合、溶融粘度が高すぎるため、飽和ポリエステル系樹脂組成物との混合が不均一となり、安定した接着強度が得られない。また、MI値が150g/10分を超えると、接着剤組成物が柔らかくなりすぎるため、接着強度が低下する。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤が樹脂成分(B)及び(C)を含有する場合、各々の樹脂成分の含有量には特に限定はない。各々の樹脂成分の含有量は、任意の範囲とすることができる。しかし、両樹脂成分を含有することによる作用効果を十分に得るためには、樹脂成分(A)〜(C)の合計含有量を100質量%とした場合に、樹脂成分(B)は1〜30質量%、樹脂成分(C)は3〜30質量%であることが好ましい。特に、樹脂成分(B)は5〜25質量%、樹脂成分(C)は5〜25質量%であることがより好ましい。更に、樹脂成分(B)は10〜20質量%、樹脂成分(C)は10〜20質量%であることがより好ましい。
また、樹脂成分(B)及び(C)の割合にも特に限定がない。例えば、樹脂成分(B)100質量部に対する樹脂成分(C)の割合は60〜250質量部、好ましくは70〜230質量部、更に好ましくは75〜200質量部とすることができる。
〔4〕その他
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の粘着付与剤の1種又は2種以上を用いることができる。上記粘着付与剤は、通常、本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤の耐熱性及び弾性率の調整並びに接着基材への密着性の調整に有効に用いられる。上記粘着付与剤としては、例えば、任意の樹脂型粘着付与剤が挙げられる。該樹脂型粘着付与剤として、例えば、(1)ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂型粘着付与剤、(2)テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及び水添テルペン樹脂等のテルペン樹脂型粘着付与剤、(3)ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂型粘着付与剤、並びに(4)脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、及び芳香族系石油樹脂等の石油樹脂型粘着付与剤を用いることができる。上記樹脂型粘着付与剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記樹脂型粘着付与剤のR&B軟化点は、50〜180℃が好ましい。R&B軟化点とは、JIS K−6863−1994によって規定される樹脂物性である。
また、上記粘着付与剤(例えば、上記樹脂型粘着付与剤)の使用量は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して30質量部以下(例えば、0.1〜30質量部)、好ましくは、20質量部以下である。上記粘着付与剤の使用量の下限値は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して0.1質量部、好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の充填剤を用いることができる。上記充填剤は、通常、本発明の樹脂組成物の耐熱性、弾性率、耐ブロッキング性、及び生産性等の調整に有効に用いられる。上記充填剤として、例えば、(1)タルク、有機表面処理タルク、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、フュームドシリカ、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラスファイバー、スメクタイト型層状珪酸塩化合物、及び有機処理スメクタイト型層状珪酸塩化合物等の無機化合物型充填剤、並びに(2)カーボンブラック及び化学繊維等の有機化合物型充填剤を用いることができる。上記充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記充填剤の使用量は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して30質量部以下(例えば、0.1〜30質量部)、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記充填剤の使用量の下限値は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して0.1質量部、好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の安定剤を用いることができる。上記安定剤は、通常、本発明の樹脂組成物の熱分解又は加水分解を抑制し、接着性能の安定性を調整するのに有効に用いられる。上記安定剤として、例えば、ポリカルボジイミド等の加水分解防止剤、並びにフェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、及びチオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤を用いることができる。上記安定剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記安定剤の使用量は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して10質量部以下(例えば、0.1〜10質量部)、好ましくは5質量部以下である。上記安定剤の使用量の下限値は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して0.1質量部、好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意のカップリング剤を用いることができる。上記カップリング剤は、通常、本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤の接着基材表面に作用し、耐湿熱安定性の調整に有効に用いられる。上記カップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カップリング剤として、例えば、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、及びチタネート系カップリング剤を用いることができる。
上記シランカップリング剤として具体的には、例えば、ジメチルジメトキシシラン等のアルキル系シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、及びビニルトリアセトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤が挙げられる。上記アルミニウム系カップリング剤として具体的には、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが挙げられる。上記チタネート系カップリング剤として具体的には、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが挙げられる。これらの添加剤は、本発明の特徴を更に向上させる場合があり、適宜使用することが可能である。
上記カップリング剤の使用量は、本発明の樹脂組成物100質量部に対して、5質量部以下(例えば、0.1〜5質量部)であり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。上記カップリング剤の使用量の下限値は、通常、本発明の樹脂組成物100質量部に対して0.1質量部、好ましくは0.5質量部、更に好ましくは1質量部である。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意のその他の添加剤を1種又は2種以上用いることができる。例えば、本発明の樹脂組成物には、臭素系難燃剤及びリン系難燃剤等の難燃剤、紫外線吸収剤、可塑剤、並びに結晶核剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法には特に限定はない。本発明の樹脂組成物は、樹脂成分(A)、樹脂成分(B)、及び樹脂成分(C)を任意の方法により混合させて得ることができる。本発明の樹脂組成物は、例えば、単軸押出機、噛合い形同方向平行軸二軸押出機、噛合い形異方向平行軸二軸押出機、噛合い形異方向斜軸二軸押出機、非噛合い形二軸押出機、不完全噛合い形二軸押出機、コニーダー形押出機、プラネタリギヤ形押出機、トランスファミックス押出機、ラム押出機、ローラ押出機等の押出成形機又はニーダー等により、各原料を混合することにより得ることができる。また、上記混合に先立って、ヘンシェルミキサー又はタンブラー等を使用して、原料を予備混合することもできる。尚、本発明の樹脂組成物の各原料成分の形状及び性状には特に限定はない。ペレット形状、パウダー形状、及び液状等の任意の形状又は性状の原料成分を使用することができる。
本発明の樹脂組成物を接着剤として用いる場合の形態には特に限定はなく、任意の形態とすることができる。例えば、本発明の樹脂組成物を接着剤として用いる場合、ペレット形状、粉末状、シート・フィルム状、棒状、溶媒に溶解させた溶液状等として使用することができる。
本発明の樹脂組成物の使用形態には特に限定はない。例えば、本発明の樹脂組成物は、ペレット形状、粉末状、シート・フィルム状、棒状、及び溶媒に溶解させた溶液状として使用することができる。
本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤は、各種金属及びプラスチック材料に対する接着強度、特に密着性に優れている。本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤は、様々な分野に用いることができる。例えば、本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤は、電子・電機分野において、部品の接着剤、シール材、及び封止材等として用いることができる。また、本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤は、包装分野において、積層フィルム間又は積層シート間の接着剤として用いることができる。更に、本発明の樹脂組成物、接着剤、及びホットメルト接着剤は、自動車分野において、内装材の接着剤及びワイヤハーネスのシール材等として用いることができる。
(飽和ポリエステル系樹脂の製造)
撹拌装置、窒素導入管、留出管及び温度計を備えた四ツ口フラスコに、テレフタル酸ジメチル0.6モル、1,4−ブタンジオール1.6モル、1,6−ヘキサンジオール0.2モル、及び触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート0.2×10-2モルを仕込んだ。次いで、窒素を導入しながら昇温し、130〜200℃でメタノールを留出させた後、イソフタル酸0.15モル及びセバチン酸0.25モルを加えて、200〜240℃で水を留出させた。その後、引き続き、徐々に減圧にしながら、250℃で1mmHgの減圧下で3時間反応させて飽和ポリエステル系樹脂(A−1)を得た。
飽和ポリエステル系樹脂(A−1)の融点(DSCを用い10℃/分の昇温条件で測定)は135℃であり、ガラス転移点は−18℃であり、メルトフローレート(JIS−K−7660−1981に準じ、190℃、荷重21.2Nの条件で測定)は80g/10minであった。また、NMR分析によって飽和ポリエステル系樹脂(A−1)のモノマー組成を分析した。該モノマー組成は、モル比でテレフタル酸/イソフタル酸/セバチン酸/1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=60/15/25/80/20であった。
(組成物1の製造方法)
樹脂成分(A)として、飽和ポリエステル系樹脂(A−1)1424g、樹脂成分(B)として、住友化学株式会社製「タフセレンSCC−24」(以下、「非晶PO−1」ともいう。)292g、樹脂成分(C)として、低密度ポリエチレン(LDPE)(日本ポリオレフィン社製「ジェイレックスLD JM910」)284gを用いた。JIS−K7122に準じた方法によるDSC(セイコーインスツル社製RDC220使用、試料量;8mg、昇温条件;10℃/分、空気雰囲気下)の測定で、上記「非晶PO−1」の融解熱量を測定したところ、2.5J/gであった。
樹脂成分(A)〜(C)を予め均一混合し、池貝社製30mm2軸押出機「PCM−30」に投入し、160℃で溶融混合した。押出機よりストランド形状で吐出した溶融樹脂を水槽で冷却固化した。固化した樹脂をペレタイザーにてペレット形状に切断して、組成物1を500g得た。
(組成物/銅試験片の作成方法)
組成物1を180℃の条件で熱プレス(1kg/cm2、30秒)して、およそ100μm(80〜120μm)の厚さのシートを作成した。得られたシートを幅25mm、長さ50mmに切断し、接着剤シートを作成した。また、接着基材の銅板(材質C−1100P、厚さ150μm)を幅25mm、長さ75mmに切断した。引張つかみ代の長さを約25mm残すように、接着剤シートを2枚の接着基材の間に挟み、180℃、0.1MPaの条件で、30秒間熱プレスして、組成物1/銅試験片を作成した。
(銅基材への接着強度試験)
(実施例1)
組成物1/銅試験片がT字型になるように、組成物1/銅試験片を引張試験機(島津製作所社製オートグラフ「DSS−500」)のチャックに固定し、23℃、5mm/分の引張速度の条件で引張荷重を測定した。この条件での引張強さは11.0kgfであった。また、引張速度を20mm/分及び50mm/分とした時の引張強さがそれぞれ、15.8kgf及び16.3kgfであった。更に引張速度を200mm/分とした場合の引張強さは、15.6kgfであり、剥離形態を目視で確認したところ、接着剤の凝集破壊が認められた。
(比較例1)
飽和ポリエステル系樹脂(A−1)1666g、樹脂成分(C)「ジェイレックスLDJH527」334gを均一混合し、組成物1と同様の方法で組成物2を得た。また、組成物1/銅試験片と同様の条件で、組成物2/銅試験片を作成した。そして、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。その結果、引張速度が5mm/分、20mm/分、50mm/分、及び200mm/分の場合、それぞれの引張強さは、5.2kgf、6.7kgf、7.8kgf及び11.4kgfであった。また、いずれの引張速度の条件においても、剥離形態を目視で確認したところ、銅試験片と接着剤の界面での界面剥離が認められた。
実施例1は、比較例1と比較して、引張強さが約2倍程度高くなったことが認められた。また、実施例1は、界面剥離より凝集破壊が起こり易くなった。この結果から、非結晶性ポリオレフィン系樹脂(樹脂成分(B))を飽和ポリエステル樹脂に添加することにより、銅基材への密着性が高くなり、接着性能及びシール性能が高くなったと判断できる。
(組成物3〜11の製造方法)
表1記載の組成物配合比で、組成物1の製造方法と同様の方法で、組成物3〜11を得た。
(実施例2〜3及び14、参考例1並びに比較例2)
組成物3〜5及び10〜11を用いて、組成物/銅試験片を作成した。実施例1と同様の方法で引張強さを測定し、剥離形態を目視で確認した。その結果を表2の実施例2〜3及び14、参考例1並びに比較例2に示す。
Figure 0005168150
Figure 0005168150
比較例2は、エポキシ樹脂型粘着付与剤を使用した例である。表2によれば、比較例1と比較して、5mm/分の引張速度条件で、引張強さが若干強くなっているが、破壊形態の改善は認められていない。
一方、実施例2及び3は、比較例1や比較例2と比較して引張強さが約2倍程度高くなったことが認められた。また、実施例2及び3は、界面剥離より凝集破壊が起こり易くなった。この結果から、銅基材への密着性が高く、接着性能及びシール性能が高くなったと判断できる。更に実施例1〜3では、用いられている非結晶性ポリオレフィン系樹脂の溶融粘度がそれぞれ、124g/10分、3g/10分、10g/10分と異なるにも関わらず、銅基材への密着性は優れていた。
(アルミニウム基材への接着強度試験)
(実施例4〜6、及び比較例3)
接着基材としてアルミニウム板(材質AL5052、厚さ300μm)を用いた他は、銅試験片と同様の方法で、組成物/アルミニウム試験片を作成した。実施例1と同様の方法で引張強さを測定し、剥離形態を目視で確認した。その結果を表3に示す。
Figure 0005168150
表3によれば、実施例4及び実施例5は、エポキシ樹脂系粘着付与剤を使用した比較例3と比べ、非結晶性ポリオレフィン系樹脂の溶融粘度に関わらず、破壊形態が凝集破壊になり易く、アルミニウムへの密着性及びシール性に優れていることが認められた。また実施例6では、非結晶性ポリオレフィン系樹脂の添加量を実施例5よりも少なくしているにも関わらず、比較例3よりも凝集破壊が起こり易く、アルミニウムへの密着性及びシール性に優れていた。
(ポリエチレンテレフタレートフィルムへの接着強度試験)
(実施例7〜10、及び比較例4)
接着基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」ともいう。)を用いた他は、銅試験片と同様の方法で、組成物/PETフィルム試験片を作成した。実施例1と同様の方法で引張強さを測定し、剥離形態を目視で確認した。その結果を表4に示す。
Figure 0005168150
表4によれば、実施例7は、エポキシ樹脂系粘着付与剤を使用した比較例4と比べ、引張強さが2倍以上高く、破壊形態が凝集破壊になり易い。この結果から、非結晶性ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物は、エポキシ樹脂系粘着付与剤を含む樹脂組成物よりもポリエチレンテレフタレートへの密着性及びシール性に優れていることが確認された。一方、実施例8及び実施例9では、非結晶性ポリオレフィン系樹脂の添加量に関わらず、比較例4よりも凝集破壊が起こり易く、ポリエチレンテレフタレートへの密着性及びシール性に優れていた。更に、実施例10では、結晶性ポリエチレン樹脂の使用量が実施例7よりも少ない組成物を用いているが、凝集破壊が起こり易く、密着性やシール性に悪影響は見られなかった。
(接着強度の温度依存性試験)
(実施例11〜12、及び比較例5〜6)
表5に示す組成物/PETフィルム試験片について、引張試験の温度条件を40℃及び5℃に設定し、引張速度を200mm/分の場合の引張強度を測定し、剥離形態を目視で確認した。その結果を表5に示す。
Figure 0005168150
表5によれば、実施例11及び実施例12は、40℃及び5℃においてもPETフィルム基材への密着性が高い。また、実施例11及び実施例12では、凝集破壊及びPETフィルム基材の材料破壊が観察された。一方、比較例5及び比較例6では、PETフィルム基材への密着性が不足するために、接着強度が低く、かつ剥離形態が界面剥離となった。
本発明の樹脂組成物及び該樹脂組成物を含むホットメルト接着剤等の接着剤は、金属材料及び樹脂材料への接着強度が高く、密着性にも優れた材料である。従って、本発明の樹脂組成物及び接着剤は、電気・電子分野及び自動車分野のシール材及び封止材、又は異種材料(金属/樹脂)の接着への利用に適している。更に、本発明の樹脂組成物及び接着剤は、ガスバリヤー性が要求される包装分野へ活用することができる。

Claims (5)

  1. 飽和ポリエステル樹脂(A)と非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)と、結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)とを含有する飽和ポリエステル系接着剤組成物であって、
    前記飽和ポリエステル樹脂(A)はテレフタル酸残基及び1,4−ブタンジオール残基を有し、テレフタル酸の割合が全酸成分に対して30〜90モル%であり、かつ、1,4−ブタンジオールの割合が全アルコール成分に対して30モル%以上であり、
    前記飽和ポリエステル樹脂(A)、非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)及び結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の合計量100質量%に対して、前記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)の含有量は1〜30質量%であり、結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量は3〜30質量%であることを特徴とする飽和ポリエステル系接着剤組成物。
  2. 上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の結晶の融解熱量が50J/g以上である請求項1に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
  3. 上記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)の結晶の融解熱量が10J/g以下である請求項1又は2に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
  4. 上記非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B)100質量部に対する上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(C)の割合は、60〜250質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の飽和ポリエステル系接着剤組成物を含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
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