JP2005221597A - アナモフィックコンバーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結像光学系の像側のレンズ群内に、挿脱可能としたアナモフィックコンバーターであって、前記アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、前記結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1、前記レンズ群の像側に配置された撮像手段の有効領域におけるアスペクト比をAR2としたとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)>1
の条件を満足するように構成する。
【選択図】 図1
Description
シネ用アナモフィックコンバーターとしては、適切なアスペクト比変換がなされること、ケラレが生じないこと、結像光学系の有効像面を十分活用可能なこと、周辺光量低下が少ないこと、結像光学系のズーム・フォーカス全域で高い光学性能を有することが必要である。
すなわち、本発明のアナモフィックコンバーターは、結像光学系の像側のレンズ群内に、挿脱可能としたアナモフィックコンバーターであって、前記アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、前記結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1、前記レンズ群の像側に配置された撮像手段の有効領域におけるアスペクト比をAR2としたとき、つぎの条件
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)>1
を満足することを特徴としている。
また、本発明のアナモフィックコンバーターは、結像光学系の物体側に配置するアナモフィックコンバーターであって、該アナモフィックコンバーターは、物体側より順に少なくとも2つのアナモフィックレンズa1,a2を有し、該アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面をX、光軸を含み前記断面Xに垂直な断面をYとし、該アナモフィックレンズa1と該アナモフィックレンズa2の前記断面Yにおける屈折力をφa1,φa2としたとき、つぎの条件
φa1>0
φa2<0
を満足することを特徴としている。
つぎに、本発明の実施形態の一つとして、結像光学系(合焦用のレンズ群)Fの像側のレンズ群内に、挿脱可能とした実施形態1におけるアナモフィックコンバーターについて説明する。
図2は本実施の形態を説明するアスペクト比の概念図、図3は本実施の形態を説明する結像光学系の像面におけるイメージサークル、撮像範囲の概念図、図4は本実施の形態を説明するコンバーターによる変換後のイメージサークル、撮像範囲の概念図、図5は本発明の実施の形態を説明する撮像手段の有効領域の概念図、図6は本発明の実施の形態を説明する映写時の出力画像の表示領域の概念図である。
すなわち、前記コンバーターの光軸を含む任意の断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2としたとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1 (1)
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)>1 (2)
となるように条件設定をする。
上記(1)式は、適切なアスペクト比変換を行うための条件である。
AR = X / Y (5)
で表される。図3に結像光学系の撮像範囲の模式図を、また図4に撮像手段の撮像範囲の模式図を示す。図3より、結像光学系の像面における撮像範囲の有効画面寸法の横の長さをX1、縦の長さをY1、アスペクト比をAR1とし、図4より撮像手段の撮像範囲における横の長さをX2、縦の長さをY2、アスペクト比をAR2としたとき、
AR1/AR2 = (X1・Y2)/(X2・Y1) (6)
で表される。
βx = X2 / X1 (7)
βy = Y2 / Y1 (8)
であることが望ましい。
(6)〜(8)式より、理想的なアスペクト比変換の為の条件は、
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1 (9)
となる。
(2)式はアスペクト比変換に伴うケラレを防止するための条件である。コンバーターを結像光学系の像側に配置する場合、イメージサークルは結像光学系側の有効径で規制されるため、変換倍率を1より小さくしても広角化はできず画面周辺でケラレを生じてしまう。 図3に示すように、結像光学系のイメージサークルI1は、
I1=(X12+Y12)1/2= Y1・(AR12+1)1/2 (10)
で表される。また図4に示すように、撮像手段の対角長I2は、
I2=(X22+Y22)1/2= βy・Y1・(AR22+1)1/2
(11)
で表される。
I3={(βx・X1)2+(βy・Y1)2}1/2
=βy・Y1・(AR22+1)1/2 (12)
で表される。したがってアスペクト比変換後の像が撮像手段の対角長を包括しケラレを防止するためには、I3>I2でなければならない。したがって、(11)式、(12)式より、
I32/I22>1 (13)
{βy2・(AR22+1)}/(AR12+1)>1 (2)
となる。
X4 = βx’・X2 (14)
Y4 = βy’・Y2 (15)
で表される。ここで変換倍率βx’、βy’は、任意の定数をmとして
βx’ = m/βx (16)
βy’ = m/βy (17)
と表せる。
すなわち、物体側より順に、少なくとも2つのアナモフィックレンズa1、a2を有し、該アナモフィックレンズa1、a2の光軸を含む任意の断面Xまたは光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける屈折力を、φa1、φa2としたとき、φa1 > 0 (3)
φa2 < 0 (4)
となるように条件設定をする。
つぎに、本発明の実施形態の他の形態として、結像光学系の物体側に配置するようにした実施形態2におけるアナモフィックコンバーターについて説明する。図7は本実施の形態を説明するアスペクト比の概念図、図8は本実施の形態を説明する結像光学系の像面におけるイメージサークル、撮像範囲の概念図、図9は本実施の形態を説明する変換後のイメージサークル、撮像範囲の概念図、図10は本実施の形態を説明する撮像手段の有効領域の概念図、図11は本実施の形態を説明する映写時の出力画像の表示領域の概念図、図12は本実施の形態を説明するアスペクト比変換方法の概念図である。
すなわち、物体側より順に少なくとも2つのアナモフィックレンズa1,a2を有するアナモフィックコンバーターにおいて、該アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面をX、光軸を含み前記断面Xに垂直な断面をYとし、該アナモフィックレンズa1と該アナモフィックレンズa2の前記断面Yにおける屈折力をφa1,φa2としたとき、
φa1>0 (1−1)
φa2<0 (1−2)
の条件を満足するように条件設定をする。
すなわち、前記断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、前記断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、前記結像光学系の像側に配置された撮像手段の有効領域におけるアスペクト比をAR2としたとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1 (2−1)
の条件を満足するように条件設定をする。
(2−1)式は適切なアスペクト比変換を行うための条件式である。
AR = X / Y (3−1)
で表される。図8に結像光学系の撮像範囲の模式図を、また図9に撮像手段の撮像範囲の模式図を示す。図8より、結像光学系の像面における撮像範囲の有効画面寸法の横の長さをX1、縦の長さをY1、アスペクト比をAR1とし、図9より撮像手段の撮像範囲における横の長さをX2、縦の長さをY2、アスペクト比をAR2としたとき、
AR1/AR2 = (X1・Y2)/(X2・Y1) (4−1)
で表される。
また、図10にアナモフィックコンバーターによるアスペクト比変換後の撮像範囲の概念図を示す。適切なアスペクト比変換がなされるためには、アナモフィックコンバーターの横方向における変換倍率βxおよび縦方向における変換倍率βyは、
βx = X2 / X1 (5−1)
βy = Y2 / Y1 (6−1)
であることが望ましい。
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1 (7−1)
となる。実際は10%程度の誤差は視覚的に影響が少ないため、(2−1)式を満たすことにより適切なアスペクト比変換が実現できる。
なお、図11に映写時の出力画像の概念図を示す。映写時には撮像時と逆のアスペクト比変換を行い、元のアスペクト比に戻す必要がある。
X4 = βx’・X2 (8−1)
Y4 = βy’・Y2 (9−1)
で表される。ここで変換倍率βx’、βy’は、任意の定数をmとして
βx’ = m/βx (10−1)
βy’ = m/βy (11−1)
と表せる。
[実施例1]
本発明の結像光学系の像側にアナモフィックコンバーターを配した構成を適用した実施例1の構成例について説明する。
図1は本発明の実施例1における構成を示す図であり、(a)はアナモフィックコンバーター挿入時のY方向におけるレンズ構成を示す断面図、(b)はアナモフィックコンバーター挿入時のX方向におけるレンズ構成を示す断面図である。また図13は実施例1における数値実施例のfx=10.3mm、fy=13.6mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図、
図14は実施例1における数値実施例のfx=10.3mm、fy=13.6mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図、
図15は実施例1における数値実施例のfx=39.5mm、fy=52.1mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図、
図16は実施例1における数値実施例のfx=39.5mm、fy=52.1mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図、
図17は実施例1における数値実施例のfx=151.1mm、fy=199.7mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図、
図18は実施例1における数値実施例のfx=151.1mm、fy=199.7mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図である。
図20は実施例1における数値実施例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=10.3mm、物体距離2.5mにおける縦収差図、
図21は実施例1における数値実施例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=39.5mm、物体距離2.5mにおける縦収差図、
図22は実施例1における数値実施例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=151.1mm、物体距離2.5mにおける縦収差図、
図23は本発明の実施例2における構成を示す図であり、(a)はアナモフィックコンバーター挿入時のX方向におけるレンズの断面図、(b)はアナモフィックコンバーター挿入時のY方向におけるレンズの断面図である。
SPは絞り、Rは第4群としての正の屈折力の変倍中固定のリレ−群である。Pは色分解プリズムや光学フィルタ−等であり、同図ではガラスブロックとして示している。
第4群は略アフォーカルな間隔Aを有し、アナモフィックコンバーターANが前記間隔Aに挿脱可能に構成されている。ANは2枚のシリンドリカルレンズa1、a2で構成されており、各シリンドリカルレンズはX方向の曲率がゼロ、Y方向にのみ曲率を有している。前記a1,a2のY方向の屈折力φa1、φa2は、
φa1 = +0.0162
φa2 = −0.0214
であり、(3)式、(4)式の条件を満たす。
AR1=2.35 (18)
AR2=1.78 (19)
である。
また、X方向の変換倍率βxおよびY方向の変換倍率βyは
βx=1.0 (20)
βy=1.32 (21)
である。
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1.00 (22)
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)=1.11 (23)
で(1)式、(2)式の条件を満たしており、光学性能が良好でかつ、ケラレがない内蔵コンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成している。
以下に本実施例における数値実施例を示す。
[実施例1における数値実施例]
本発明のアナモフィックコンバーターを結像光学系の物体側に配置するようにした構成を適用した実施例2における構成例について説明する。
図23は本実施例における構成を示す図であり、(a)はアナモフィックコンバーター挿入時のX方向におけるレンズの断面図、(b)はアナモフィックコンバーター挿入時のY方向におけるレンズの断面図、図24は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時における広角端X方向の縦収差図、図25は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時における広角端Y方向の縦収差図、図26は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時におけるfx=38.85mm,fy=51.36のX方向の縦収差図、図27は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時におけるfx=38.85mm,fy=51.36のY方向の縦収差図、図28は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時における望遠端X方向の縦収差図、図29は本実施例における数値実施例の物体距離無限遠時における望遠端Y方向の縦収差図である。
AR1=2.35 (12−1)
AR2=1.78 (13−1)
であり、X方向の変換倍率βxおよびY方向の変換倍率βyは
βx=1.00 (14−1)
βy=1.32 (15−1)
である。したがって、
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1.00 (16−1)
で(2)式の条件を満たしており、小型で光学性能が良好なフロントコンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成している。
r1からr4が本実施例におけるアナモフィックコンバーターを構成するシリンドリカルレンズであり、断面Xの曲率半径はゼロである。
以下に本実施例における数値実施例を示す。
Claims (4)
- 結像光学系の像側のレンズ群内に、挿脱可能としたアナモフィックコンバーターであって、
前記アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、前記結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1、前記レンズ群の像側に配置された撮像手段の有効領域におけるアスペクト比をAR2としたとき、つぎの条件を満足することを特徴とするアナモフィックコンバーター。
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)>1 - 前記アナモフィックコンバーターは、物体側より順に、少なくとも2つのアナモフィックレンズa1、a2を有し、該アナモフィックレンズa1、a2の光軸を含む任意の断面Xまたは光軸を含み前記Xに垂直な断面Yにおける屈折力を、φa1、φa2としたとき、つぎの条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のアナモフィックコンバーター。
φa1 > 0
φa2 < 0 - 結像光学系の物体側に配置するアナモフィックコンバーターであって、該アナモフィックコンバーターは、物体側より順に少なくとも2つのアナモフィックレンズa1,a2を有し、該アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意の断面をX、光軸を含み前記断面Xに垂直な断面をYとし、該アナモフィックレンズa1と該アナモフィックレンズa2の前記断面Yにおける屈折力をφa1,φa2としたとき、つぎの条件を満足することを特徴とするアナモフィックコンバーター。
φa1>0
φa2<0 - 前記断面Xにおける焦点距離変換倍率をβx、前記断面Yにおける焦点距離変換倍率をβyとし、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、前記結像光学系の像側に配置された撮像手段の有効領域におけるアスペクト比をAR2としたとき、つぎの条件を満足することを特徴とする請求項3に記載のアナモフィックコンバーター。
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
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