JP4458324B2 - アナモフィックコンバーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は結像光学系の像側に配置してアスペクト比を変換し、撮像素子(撮像手段)と異なるアスペクト比の映像を撮影するフィルムカメラやテレビカメラそしてビデオカメラ等に好適なアナモフィックコンバーター及びそれを用いたレンズ装置及びフィルムカメラやテレビカメラそしてビデオカメラ等の撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像のアスペクト比を変換して記録・再生する技術としては、従来から種々提案されてきている。特に映画用としては、アスペクト比2.35:1のシネマスコープ形式の映像記録・再生システムとして、アナモフィックレンズを用いて光学的に水平方向を圧縮してフィルムに撮影し、再生時にもアナモフィックレンズを用いて光学的にフィルム上の画像を水平方向に拡大して映写する方式が一般に用いられている。アナモフィックコンバーターとしては、結像光学系の物体側に取り付けるフロントコンバーターが多数提案されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
また、結像光学系の像側に取り付けるリアコンバーターが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【0004】
また、35mm用レンズを2/3型CCDのHDTVカメラで使用するためのコンバーターレンズ等、主レンズの焦点距離を所定の変換倍率で変換し、異なるイメージサイズのレンズを使用するためのリアコンバーターが種々提案および製品化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭48−24048号公報
【特許文献2】
特開平2−13916号公報
【特許文献3】
特開平3−25407号公報
【特許文献4】
特開平5−188271号公報
【特許文献5】
特開平5−188272号公報
【特許文献6】
特開平6−82691号公報
【特許文献7】
特許第2817074号公報
【特許文献8】
特許第3021985号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年ビデオ技術の高画質化が進み、HDTVシステムで映画を撮影するデジタルシネマシステムが一般化しつつある。デジタルシネマシステムではアスペクト比16:9(1.78:1)の撮像素子を用いることが一般的であるが、アスペクト比2.35:1のシネマスコープ形式での撮影のために、撮像素子側の画素を有効に活用して画質を向上するためのアナモフィックコンバーターが要望されている。
【0007】
シネ用アナモフィックコンバータとしては、適切なアスペクト比変換がなされること、ケラレが生じないこと、結像光学系の有効像面を十分活用可能なこと、周辺光量低下が少ないこと、ズーム・フォーカス全域で高い光学性能を有することが必要である。
【0008】
フロントコンバーター型は、特許文献2、特許文献6、特許文献7等で提案されているように構成がシンプルで、変換比率によらず適切な有効径を確保することによりケラレが生じないといった利点がある反面、大型化や、フォーカスによる非点収差変化が生じるといった問題点があった。
【0009】
また、フォーカスによる非点収差補正の技術として、特許文献1、特許文献3、特許文献4、特許文献5等が提案されているが、結像光学系のフォーカスに連動してコンバーター内の補正手段を駆動しなければならず、複雑な機構が必要となる問題点があった。
【0010】
リアコンバーター型はフォーカスによる非点収差変化がないという利点があるが、水平側と垂直側の変換倍率を適切に設定しないとケラレが生じたり、結像光学系の画角が変化して有効像面を十分に活用できなくなる問題点があった。
【0011】
リアコンバーター型はフォーカスによる非点収差変化がないという利点があるが、水平側と垂直側の変換倍率を適切に設定しないとケラレが生じたり、結像光学系の画角が変化して有効像面を十分に活用できなくなる問題点があった。リアコンバーター型としては図31に示すような一次結像のない方式と図32に示すような一次結像させる方式がある。
【0012】
α1は、結像光学系からの出射角、α2、α3は、ACからの出射角である。
【0013】
一次結像なし型では、図31に示すように、結像光学系からの射出光束を負レンズで略アフォーカルにする必要があるが、同時に軸外主光線を跳ね上げてしまうためにコンバーター最終面からの軸外主光線出射高hb2が大きくなりビネッティングが増大して周辺光量が低下したり、軸外主光線出射傾角αb2が増大して、射出瞳が短くなり色分解光学系によるカラーシェーディングの影響が発生しやすい問題点があった。
【0014】
一次結像のない方式、すなわち焦点距離変換倍率βx、βyが共に正のリアコンバーターとしては特許文献8が提案されているが、水平方向に正の屈折力、垂直方向に負の屈折力であることを規定しているために、アスペクト比変換効果に加え長焦点化効果を有してしまうために画角が狭くなったり、画角を確保しようとするとより大きなイメージサイズの撮像手段が必要となったり、前記大きなイメージサイズの撮像手段を用いると相対的に射出瞳位置が短くなって画面周辺部の軸外光線の射出角が大きくなり、シェーディング等の問題が発生するという問題点があった。
【0015】
本発明は特にシネ用として最適な、特に主レンズのイメージサイズより小さな撮像手段で撮影するための小型で光学性能の高いリアコンバーター方式のアナモフィックコンバーターを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮像手段と、物体からの光を前記撮像手段に導く結像光学系と、前記撮像手段と前記結像光学系との間に配置され、アナモフィックレンズを少なくとも1枚有するアナモフィックコンバーターとを有する撮影装置において、前記アナモフィックコンバータが、アフォーカル群内に配置されており、前記アナモフィックコンバータが、前記結像光学系側から順に、負の第1群、少なくとも2枚以上のアナモフィックレンズを含む第2群、正の第3群で構成されており、前記アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意のX断面における焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記X断面に垂直なY断面における焦点距離変換倍率をβyとし、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2としたとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
(AR2 2 +1)・βy 2 /(AR1 2 +1)<1
を満足し、且つ前記βx、βyは共に正であり、前記X断面およびY断面において、共に正の屈折力を有することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明における撮像装置は、撮像手段と、物体からの光を前記撮像手段に導く結像光学系と、前記撮像手段と前記結像光学系との間であって且つアフォーカル群内に配置されたアナモフィックコンバーターを備えている。このアナモフィックコンバーターは結像光学系側から順に、負の第1群、少なくとも2枚以上のアナモフィックレンズを含む第2群、正の第3群で構成されており、且つ少なくとも1枚のアナモフィックレンズを有している。ここで、このアナモフィックコンバーターの光軸を含む任意のX断面における焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記X断面に垂直なY断面における焦点距離変換倍率をβyとする。そして、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2とする。このとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1 (1)
(AR2 2 +1)・βy 2 /(AR1 2 +1)<1 (2)
を満足し、且つ前記βx、βyは共に正であり、前記X断面およびY断面において、共に正の屈折力を有することを特徴としている。
【0018】
上記の特徴部により、アナモフィックコンバーターの変換倍率を適切に規定することにより、ケラレを生じることなく適切なアスペクト比変換を行うことができる。
【0019】
(1)式は適切なアスペクト比変換を行うための条件である。図15に示すように像面の横の長さをX、像面の縦の長さをYとすると、アスペクト比ARは、
AR = X / Y (3)
で表される。図16に主レンズの撮像範囲の模式図を、また図17に撮像手段の撮像範囲の模式図を示す。図16より、主レンズの像面における撮像範囲の有効画面寸法の横の長さをX1、縦の長さをY1、アスペクト比をAR1とし、図17より撮像手段の撮像範囲における横の長さをX2、縦の長さをY2、アスペクト比をAR2としたとき、
AR1/AR2 = (X1・Y2)/(X2・Y1) (4)
で表される。また図18にアナモフィックコンバーターによるアスペクト比変換後の撮像範囲の概念図を示す。適切なアスペクト比変換がなされるためには、アナモフィックコンバーターの横方向における変換倍率βxおよび縦方向における変換倍率βyは、
βx = X2 / X1 (5)
βy = Y2 / Y1 (6)
であることが望ましい。(6)〜(8)式より、理想的なアスペクト比変換の為の条件は、
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1 (7)
となる。実際は10%程度の誤差は視覚的に影響が少ないため、(1)式を満たすことにより適切なアスペクト比変換が実現できる。
【0020】
(2)式は主レンズのイメージサイズより小さな対角長の撮像素子を使用するための条件である。通常コンバーターを主レンズの像側に配置する場合、主レンズの横収差はコンバーターの変換倍率で拡大される。また、イメージサークルは主レンズ側の有効径で規制されるため、変換倍率を1より小さくしても広角化はできず画面周辺でケラレを生じてしまう。
【0021】
図16に示すように、主レンズのイメージサークルI1は、
I1=(X12+Y12)1/2= Y1・(AR12+1)1/2 (8)
で表される。また図17に示すように、撮像手段の対角長I2は
I2=(X22+Y22)1/2= Y2・(AR22+1)1/2 (9)
で表される。図18に示すように、アナモフィックコンバーターでアスペクト比変換された像の対角長I3は、
I3={(βx・X1)2+(βy・Y1)2}1/2
=βy・Y1・(AR22+1)1/2 (10)
で表される。したがってアスペクト比変換後の像の対角長が主レンズのイメージサイズと合致するためには、I3=I1でなければならない。したがって、(8)式、(10)式より、
I32/I12=1 (11)
{βy2・(AR22+1)}/(AR12+1)=1 (11)’
となる。ここで撮像手段の対角長I2が主レンズのイメージサイズI1より小さければ、(11)’式の左辺が1未満でもケラレない。したがって、(2)式を満たすことにより、主レンズのイメージサイズより小さい対角長の撮像手段を使用する場合に最適なアナモフィックコンバーターを達成できる。また、コンバーターの変換倍率を低くすることができるので、主レンズの収差の拡大を抑制し、光学性能を良好とすることができる。なお、本発明は主レンズのズーム・フォーカス・絞り等の使用条件を制約して実質的に主レンズのイメージサイズを大きくして使用する場合も同様である。
【0022】
なお、図19に映写時の出力画像の概念図を示す。映写時には撮像時と逆のアスペクト比変換を行い、元のアスペクト比に戻す必要がある。したがって、図20の横の長さX4、縦の長さY4はそれぞれ、
X4 = βx’・X2 (12)
Y4 = βy’・Y2 (13)
で表される。ここで変換倍率βx’、βy’は、任意の定数をmとして
βx’ = m/βx (14)
βy’ = m/βy (15)
と表せる。
【0026】
上記特徴部により、結像光学系による一次結像なしにアスペクト比変換するためのアナモフィックコンバーターのパワー配置を適切に規定し、光学性能を良好とすることができる。
【0027】
一次結像させないためには焦点距離変換倍率βx、βyが共に正であることが必要である。さらに前記X断面およびY断面において、共に正の屈折力を有することにより長焦点化効果を低減している。このことにより、結像光学系単体に対し、画角が狭くなりすぎず、かつ射出瞳を長く保つことを可能な一次結像なし型のアナモフィックコンバーターとしている。
【0028】
また、断面Xと断面Yで異なる変換倍率とするためには、X断面とY断面で異なる曲率を持ついわゆるトーリックレンズまたは、ある断面のみ曲率をもつシリンドリカルレンズを少なくとも2枚使用して、前記X断面と前記Y断面で異なる角倍率のアフォーカルコンバーター(アナモフィックコンバーター)を形成する必要がある。また、結像光学系の像側にコンバーターを配置するためには、結像光学系からの収束光束を発散させるための負の屈折力の第1群、さらにその光束を結像させるための正の屈折力のレンズ群が必要である。したがって、前記負の第1群と前記正レンズ群の間を略アフォーカルとし、第2群としてアナモフィックレンズを含むレンズ群を導入することにより一次結像なしのアナモフィックコンバーターを達成できる。
【0035】
本発明で用いられるアナモフィックレンズは、トーリックレンズ、シリンドリカルレンズを含む概念で用いられ、X方向のパワーとY方向のパワーが異なるレンズを意味する。
【0036】
また、本発明で用いられるアナモフィックレンズは、回折系の作用を備えたものでも良い。
【0037】
更に、本発明の結象光学系は、変倍系でも定倍系(変倍なし)でも良い。
【0038】
【実施例】
(第1の実施例)
本実施例は、一次結像なし型のアナモフィックコンバーターである。
【0039】
次に本発明におけるアナモフィックコンバーターの具体的な構成について説明する。図1は本発明の数値実施例1における、アナモフィックコンバーター挿入時のY方向及びX方向のレンズ断面図である。また図20に数値実施例1におけるアナモフィックコンバーター挿入前の断面図を示す。
【0040】
図21〜図23は、数値実施例1、2、3のアナモフィックコンバーター挿入前の縦収差図を示す。
【0041】
図1において、Fは第1群としての正の屈折力の前玉レンズ群である。Vは第2群としての変倍用の負の屈折力のバリエ−タであり、光軸上を像面側へ単調に移動させることにより、広角端(ワイド)から望遠端(テレ)への変倍を行っている。Cは第3群としての負の屈折力のコンペンセ−タであり、変倍に伴う像面変動を補正するために光軸上を物体側へ凸の軌跡を有して非直線的に移動している。バリエ−タVとコンペンセ−タCとで変倍系を構成している。
【0042】
SPは絞り、Rは第4群としての正の屈折力の変倍中固定のリレ−群である。Pは色分解プリズムや光学フィルタ−等であり、同図ではガラスブロックとして示している。
【0043】
フォーカス群Fとバリエ−タVとコンペンセ−タCとリレ−群Rで結像光学系を構成しいる。
【0044】
次に、数値実施例1におけるアナモフィックコンバーターACの特徴について説明する。ACは負の屈折力をもつ第1群G1、2枚のシリンドリカルレンズからなる第2群G2、結像作用を有し正の屈折力をもつ第3群G3から構成されている。前記G2のシリンドリカルレンズは、いずれもX方向にのみ曲率を有し、X方向の焦点距離を短焦点化する効果をもつ。結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比AR1、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2は、
AR1=2.35 (18)
AR2=1.78 (19)
であり、X方向の変換倍率βxおよびY方向の変換倍率βyは
βx=0.767 (20)
βy=1.013 (21)
である。したがって、各条件式の値は
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1.00 (22)
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)=0.656 (23)
で(1)式、(2)式の条件を満たしており、光学性能が良好でかつ、ケラレがない内蔵コンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成している。
【0045】
また、AC単体でのX方向の焦点距離fACxおよびY方向の焦点距離fACyは、
fACx=+23.383 (24)
fACy=+40.894 (25)
で、共に正の屈折力を有し、実施態様3の条件を満たす。
【0046】
本実施例で用いられるシリンドリカルレンズの材質は、ガラスである。以下の第2、3の実施例でも同様な材質のものが使用されている。
【0047】
図2〜図7は、数値実施例1のX方向又はY方向の縦収差図である。fxはX方向の焦点距離であり、fyはY方向の焦点距離であり、FxはX方向のFナンバーであり、FyはY方向のFナンバーであり、2ωは画角である。
【0048】
数値実施例1
fx=7.90〜115.83
fy=10.44〜153.12
Fx=1.57〜1.78
Fy=2.08〜2.35
2ω=56.2〜4.2deg.
【外1】
【0049】
r40〜r43はシリンドリカルレンズ。Y方向の曲率はゼロである。
【外2】
【0050】
(第2の実施例)
本実施例は、一次結像なし型のアナモフィックコンバーターである。
図8は本発明の数値実施例2における、アナモフィックコンバーター挿入時のY方向及びX方向のレンズ断面図である。また図20に数値実施例2におけるアナモフィックコンバーター挿入前の断面図を示す。
【0051】
図8において、Fは第1群としての正の屈折力の前玉レンズ群である。Vは第2群としての変倍用の負の屈折力のバリエ−タであり、光軸上を像面側へ単調に移動させることにより、広角端(ワイド)から望遠端(テレ)への変倍を行っている。Cは第3群としての負の屈折力のコンペンセ−タであり、変倍に伴う像面変動を補正するために光軸上を物体側へ凸の軌跡を有して非直線的に移動している。バリエ−タVとコンペンセ−タCとで変倍系を構成している。
SPは絞り、Rは第4群としての正の屈折力の変倍中固定のリレ−群である。Pは色分解プリズムや光学フィルタ−等であり、同図ではガラスブロックとして示している。
【0052】
フォーカス群Fとバリエ−タVとコンペンセ−タCとリレ−群Rで結像光学系を構成しいる。
【0053】
次に、数値実施例2におけるアナモフィックコンバーターACの特徴について説明する。ACは負の屈折力をもつ第1群G1、2枚のシリンドリカルレンズからなる第2群G2、結像作用を有し正の屈折力をもつ第3群G3から構成されている。前記G2のシリンドリカルレンズは、いずれもY方向にのみ曲率を有し、Y方向の焦点距離を長焦点化する効果をもつ。結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比AR1、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2は、
AR1=2.35 (26)
AR2=1.78 (27)
であり、X方向の変換倍率βxおよびY方向の変換倍率βyは
βx=0.713 28)
βy=0.942 (29)
である。したがって、各条件式の値は
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1.00 (30)
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)=0.567 (31)
で(1)式、(2)式の条件を満たしており、光学性能が良好でかつ、ケラレがない内蔵コンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成している。
また、AC単体でのX方向の焦点距離fACxおよびY方向の焦点距離fACyは、
fACx=+22.999 (32)
fACy=+38.486 (33)
で、共に正の屈折力を有し、実施態様3の条件を満たす。
図8〜図14は、数値実施例2のX方向又はY方向の縦収差図である。fxはX方向の焦点距離であり、fyはY方向の焦点距離であり、FxはX方向のFナンバーであり、FyはY方向のFナンバーであり、2ωは画角である。
【0054】
数値実施例2
fx=7.34〜107.72
fy=9.71〜142.41
Fx=1.46〜1.65
Fy=1.93〜2.19
2ω=56.2〜4.2deg.
【外3】
【0055】
*r40〜r43はシリンドリカルレンズ。X方向の曲率はゼロである。
【外4】
【0056】
図24は、参考例としての撮像装置のアナモフィックコンバーターを示している。この参考例における、アナモフィックコンバーター挿入時のY方向及びX方向のレンズ断面図である。また図20に数値実施例3におけるアナモフィックコンバーター挿入前の断面図を示す。
【0057】
図24において、Fは第1群としての正の屈折力の前玉レンズ群である。Vは第2群としての変倍用の負の屈折力のバリエ−タであり、光軸上を像面側へ単調に移動させることにより、広角端(ワイド)から望遠端(テレ)への変倍を行っている。Cは第3群としての負の屈折力のコンペンセ−タであり、変倍に伴う像面変動を補正するために光軸上を物体側へ凸の軌跡を有して非直線的に移動している。バリエ−タVとコンペンセ−タCとで変倍系を構成している。
SPは絞り、Rは第4群としての正の屈折力の変倍中固定のリレ−群である。Pは色分解プリズムや光学フィルタ−等であり、同図ではガラスブロックとして示している。
【0058】
フォーカス群Fとバリエ−タVとコンペンセ−タCとリレ−群Rで結像光学系を構成しいる。
【0059】
次に、参考例におけるアナモフィックコンバーターACの特徴について説明する。ACは負の屈折力をもつ第1群G1、2枚のシリンドリカルレンズからなる第2群G2、結像作用を有し正の屈折力をもつ第3群G3から構成されている。前記G2のシリンドリカルレンズは、いずれもY方向にのみ曲率を有し、Y方向の焦点距離を長焦点化する効果をもつ。結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比AR1、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2は、
AR1=2.35 (34)
AR2=1.78 (35)
であり、X方向の変換倍率βxおよびY方向の変換倍率βyは
βx=―0.691 (36)
βy=−0.913 (37)
である。したがって、各条件式の値は
(AR1・βx)/(AR2・βy)=1.00 (38)
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)=0.533 (39)で(1)式、(2)式の条件を満たしており、光学性能が良好でかつ、ケラレがない内蔵コンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成している。
また、AC単体でのX方向の焦点距離fACxおよびY方向の焦点距離fACyは、
fACx= −88.42 (40)
fACy=−123.52 (41)
と絶対値が大きく屈折力は微小であり、ほぼ両側テレセントリックを達成している。
【0060】
図24〜図30は、参考例のX方向又はY方向の縦収差図である。fxはX方向の焦点距離であり、fyはY方向の焦点距離であり、FxはX方向のFナンバーであり、FyはY方向のFナンバーであり、2ωは画角である。
【0061】
参考例
fx=−7.11〜−104.37
fy=−9.40〜−137.96
Fx=−1.42〜−1.60
Fy=−1.87〜−2.12
2ω=56.2〜4.2deg.
【外5】
【0062】
【外6】
【0063】
*r41〜r44はシリンドリカルレンズ。X方向の曲率はゼロである。
【外7】
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、結像光学系の像側に配置するアナモフィックコンバーターにおいて、光軸を含む各断面A,Bの変換倍率を規定し、レンズ構成を適切に設定することにより、特にシネ用として最適な、光学性能が良好でかつ、結像光学系のイメージサイズより小さな対角長の撮像手段を使用するためのリアコンバーター方式のアナモフィックコンバーターを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 数値実施例1の広角端のX、Y方向における断面図
【図2】 数値実施例1のfx=7.90mm、fy=10.44mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図3】 数値実施例1のfx=7.90mm、fy=10.44mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図4】 数値実施例1のfx=30.24mm、fy=39.98mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図5】 数値実施例1のfx=30.24mm、fy=39.98mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図6】 数値実施例1のfx=115.83mm、fy=153.12mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図7】 数値実施例1のfx=115.83mm、fy=153.12mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図8】 数値実施例2の広角端のX、Y方向における断面図
【図9】 数値実施例2のfx=7.34mm、fy=9.71mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図10】 数値実施例2のfx=7.34mm、fy=9.71mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図11】 数値実施例2のfx=28.12mm、fy=37.18mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図12】 数値実施例2のfx=28.12mm、fy=37.18mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図13】 数値実施例2のfx=107.72mm、fy=142.41mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図14】 数値実施例2のfx=107.72mm、fy=142.41mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図15】 アスペクト比の概念図
【図16】 主レンズの像面におけるイメージサークル、撮像範囲の概念図
【図17】 本発明のコンバーターによる変換後のイメージサークル、撮像範囲の概念図
【図18】 撮像手段の有効領域の概念図
【図19】 映写時の出力画像の表示領域の概念図
【図20】 数値実施例1,2,参考例のアナモフィックコンバーター挿入前の広角端における断面図
【図21】 数値実施例1,2,参考例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=10.3mm、物体距離2.5mにおける縦収差図
【図22】 数値実施例1,2,参考例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=39.5mm、物体距離2.5mにおける縦収差図
【図23】 数値実施例1,2,参考例のアナモフィックコンバーター挿入前のf=151.1mm、物体距離2.5mにおける縦収差図
【図24】 参考例の広角端のX、Y方向における断面図
【図25】 参考例のfx=−7.11mm、fy=−9.40mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図26】 参考例のfx=−7.11mm、fy=−9.40mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図27】 参考例のfx=−27.25mm、fy=−36.01mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図28】 参考例のfx=−27.25mm、fy=−36.01mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図29】 参考例のfx=−104.37mm、fy=−137.96mm、物体距離2.5mにおけるX方向の縦収差図
【図30】 参考例のfx=−104.37mm、fy=−137.96mm、物体距離2.5mにおけるY方向の縦収差図
【図31】 一次結像なし型のアナモフィックコンバーターの概念図
【図32】 一次結像有り型のアナモフィックコンバーターの概念図
【符号の説明】
F フォーカスレンズ群
V バリエータレンズ群
C コンバータレンズ群
SP 絞り
R リレーレンズ群
AC アナモフィックコンバーター
P 色分解光学系
Claims (1)
- 撮像手段と、物体からの光を前記撮像手段に導く結像光学系と、前記撮像手段と前記結像光学系との間に配置され、アナモフィックレンズを少なくとも1枚有するアナモフィックコンバーターとを有する撮影装置において、
前記アナモフィックコンバータが、アフォーカル群内に配置されており、
前記アナモフィックコンバータが、前記結像光学系側から順に、負の第1群、少なくとも2枚以上のアナモフィックレンズを含む第2群、正の第3群で構成されており、
前記アナモフィックコンバーターの光軸を含む任意のX断面における焦点距離変換倍率をβx、光軸を含み前記X断面に垂直なY断面における焦点距離変換倍率をβyとし、結像光学系の像面における撮像範囲のアスペクト比をAR1とし、撮像手段の有効領域のアスペクト比をAR2としたとき、
0.9<(AR1・βx)/(AR2・βy)<1.1
(AR22+1)・βy2/(AR12+1)<1
を満足し、且つ
前記βx、βyは共に正であり、前記X断面およびY断面において、共に正の屈折力を有することを特徴とする撮影装置。
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