JP2017032927A - 結像光学系、画像投射装置、および、撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォーカシングの際に、歪曲収差の変動を低減しつつ像面湾曲を補正可能な結像光学系を提供する。【解決手段】拡大共役側から縮小共役側へ順に、第1群と、第2群と、第3群と、正のパワーを有する第4群とから構成される結像光学系であって、結像光学系は中間実像を形成するように構成されており、第1群と、第2群と、第3群と、第4群とのうち隣接する各群の間隔はフォーカシングの際に変化し、フォーカシングに際し、第1群は固定であり、少なくとも第2群および第3群は移動する。【選択図】図1

Description

本発明は、結像光学系に係り、特に画角の広い結像光学系に関する。
近年、画像投射装置の設置スペースの制約やプレゼンテータが投写光を気にせずにプレゼンテーションを行うため、広角短投写の画像投射装置が要求されている。
特許文献1には、屈折光学系内に中間実像を形成する赤外線ズームレンズが開示されている。特許文献2には、広い画角を有しつつ、歪曲収差を良好に補正可能な、中間実像を形成する結像光学系が開示されている。
特許第5126669号 特開2014−29392号公報
しかしながら、特許文献1の赤外線ズームレンズでは、最も拡大共役側に配された第1レンズ群を移動させることにより合焦を行う。このような合焦方式では、画角の広いレンズにおいてズーミングを行う場合、移動群内における軸外主光線の高さ変動が大きいことにより、歪曲収差の変動を低減しつつ合焦することは困難である。
特許文献2の結像光学系は、中間実像と縮小共役面との間のレンズを移動させることにより合焦を行う。このような合焦方式では、リレー部にのみ移動群を設けることにより、像面湾曲の補正の際における歪曲収差の変動を低減可能であるが、中間実像に対する広角部のバックフォーカスが変動する。この結果、広角部で像面湾曲が発生し、リレー部のみで像面湾曲を良好に補正することは困難である。
そこで本発明は、フォーカシングの際に、歪曲収差の変動を低減しつつ像面湾曲を補正可能な結像光学系、画像投射装置、および、撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての結像光学系は、拡大共役側から縮小共役側へ順に、第1群と、第2群と、第3群と、正のパワーを有する第4群とから構成される結像光学系であって、前記結像光学系は、中間実像を形成するように構成されており、前記第1群と、前記第2群と、前記第3群と、前記第4群とのうち隣接する各群の間隔は、フォーカシングの際に変化し、前記フォーカシングに際し、前記第1群は固定であり、少なくとも前記第2群および前記第3群は移動する。
本発明の他の側面としての画像投射装置は、光を変調する光変調素子と、前記光変調素子からの光を被投射面に投射する前記結像光学系とを有する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記結像光学系と、前記結像光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、フォーカシングの際に、歪曲収差の変動を低減しつつ像面湾曲を補正可能な結像光学系、画像投射装置、および、撮像装置を提供することができる。
実施例1における結像光学系の断面図である。 実施例1における結像光学系の収差図(物体距離:360mm)である。 実施例1における結像光学系の収差図(物体距離:200mm)である。 実施例1における結像光学系の収差図(物体距離:1000mm)である。 実施例2における結像光学系の断面図である。 実施例2における結像光学系の収差図(物体距離:360mm)である。 実施例2における結像光学系の収差図(物体距離:200mm)である。 実施例2における結像光学系の収差図(物体距離:1000mm)である。 実施例3における結像光学系の断面図である。 実施例3における結像光学系の収差図(物体距離:360mm)である。 実施例3における結像光学系の収差図(物体距離:180mm)である。 実施例3における結像光学系の収差図(物体距離:2000mm)である。 実施例4における結像光学系の断面図である。 実施例4における結像光学系の収差図(物体距離:368.5mm)である。 実施例4における結像光学系の収差図(物体距離:270mm)である。 実施例4における結像光学系の収差図(物体距離:1000mm)である。 実施例5における画像投射装置の概略図である。 実施例6における撮像装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の結像光学系は、拡大共役側から縮小共役側へ順に、凸面鏡、第1光学系、中間実像、および、第2光学系からなる光学系であって、適切なフォーカス群を選定することにより、遠方端から至近端にかけて良好に歪曲収差を低減しつつ像面湾曲を補正する。また本実施形態の結像光学系は、再結像型屈折光学系であり、中間実像を挟み拡大共役側に配される第1光学系と縮小共役側に配される第2光学系とで収差補正の分担を行う。このとき、遠方端(無限端)から至近端にかけて合焦する際、像面湾曲調整群として群内に中間実像を有するようフォーカス群を選定することにより、歪曲収差を低減しつつ像面湾曲調整を行う。
従来の広角系においては、合焦時の像面湾曲補正を、前球の負レンズを用いて行う方式が多い。しかし、この方式では、軸外主光線の高さ変動が大きく発生し、歪曲収差の変化が大きく発生してしまう。
また、再結像型屈折光学系において、合焦時の像面湾曲補正を、中間実像付近のレンズを移動させて行うと、第1光学系が有する画角に対し第2光学系の画角を小さくすることができる。このため、歪曲収差を良好に低減しつつ像面湾曲を補正することが可能となる。しかしながら、この移動群を第2光学系のみで構成する場合、中間実像に最も近いレンズに正レンズを配すると、合焦時の歪曲収差変動を低減することはできるが、軸外主光線が良好に分離されていない位置に非球面の負レンズを配する必要がある。このため、基準位置における歪曲収差の除去が困難である。
中間実像に最も近い位置に負レンズを配する場合、第2光学系の有する画角を低画角化することにより、合焦時の歪曲収差変動を低減することができる。しかしながら、この方法を採用すると、基準位置において歪曲収差補正を行うため、中間実像の近傍に配された負レンズを強パワー化することが必要である。このため、中間実像と第2光学系の絞りとの間に配される正レンズが大径化または多数化するという問題がある。
そこで本実施形態の結像光学系は、遠方から至近にかけての合焦時において、群内に中間実像を形成するフォーカス群を設ける。この結果、基準位置における歪曲収差を良好に除去し、かつ、合焦時の歪曲収差変動を低減しつつ像面湾曲を補正する合焦方式を提供することができる。
以下、各実施例において具体的に説明する。
まず、図1乃至図4を参照して、本発明の実施例1における結像光学系について説明する。図1は、本実施例における結像光学系1(広角レンズ)の断面図である。図2は、結像光学系1の収差図(物体距離:360mm)である。図3は、結像光学系1の収差図(物体距離:200mm)である。図4は、結像光学系1の収差図(物体距離:1000mm)である。図2乃至図4の各収差図において、FnoはF値、ωは画角である。各図の左側からそれぞれ、球面収差、非点収差、歪曲収差、色収差(倍率色収差)を示している。球面収差に関して、実線は波長525nm、一点鎖線は620nm、破線は450nmの収差を示している。横軸のスケールはデフォーカス量であり、−0.10〜+0.10[mm]である。非点収差に関して、実線はサジタル面、破線はメリディオナル面における像面湾曲をそれぞれ示している。横軸は、球面収差と同様である。歪曲収差に関しては、横軸のスケールが−1.0〜+1.0[%]で示されている。倍率色収差に関して、波長525nmに対して、620nmと450nmの倍率色収差を示しており、横軸は−0.01〜+0.01[mm]である。この点は、後述の各実施例の収差図に関しても同様である。
本実施例の結像光学系1は、主に、画像投射装置(プロジェクタ)用の投写光学系として設計されている。ただし、本実施例の結像光学系は、これに限定されるものではなく、撮像装置などの他の光学系にも適用可能である。この結像光学系において、縮小共役面から出射した光は、第2光学系および第1光学系の順で通過し、凸面鏡MR(ミラー)で反射され、拡大共役面に向かう。本実施例において、最も凸面鏡MR側に配置されたレンズから順に(拡大共役側から縮小共役側へ順に)、第1レンズ、第2レンズ、…第Nレンズという。本実施例の結像光学系は、第1〜第17レンズで構成されているが、これに限定されるものではない。
本実施例において、凸面鏡MRから第8レンズにより第1光学系が構成され、第9レンズから第17レンズにより第2光学系が構成される。また本実施例の結像光学系は、第8レンズと第9レンズとの間に中間実像IRIを形成するように構成されている。すなわち、第1光学系は中間実像IRIよりも拡大共役側に配置された光学系であり、第2光学系は中間実像IRIよりも縮小共役側に配置された光学系である。
本実施例において、凸面鏡MRおよび第1レンズから第7レンズにより第1群(第1レンズ群)が構成される。なお本実施例の結像光学系において、凸面鏡MRは第1群に含まれるが、凸面鏡MRを第1群とは別に設けてもよい。同様に、本実施例において、第8レンズから第10レンズにより第2群(第2レンズ群)、第11レンズから第15レンズ(絞りSTOを含む)により第3群(第3レンズ群)、第16レンズおよび第17レンズにより第4群(第4レンズ群)が構成される。第1群から第4群は、隣接する各群の光軸OAに沿った方向(光軸方向)における間隔が合焦(フォーカシング)の際に変化する群として定義される。
以下、本実施例における数値実施例1を示す。数値実施例1において、面番号は、拡大共役側から縮小共役側へ順に、凸面鏡MR(ミラー)と各レンズの面に付される番号を示している。rは曲率半径、dは面間隔(次の面との実空間距離)、n、νはガラス材料のd線の屈折率およびアッベ数を示している。これらは、後述の数値実施例2、3に関しても同様である。また、面番号の左側に「*」印が付記されている面は、以下の関数に従った非球面形状であることを示す。関数の各係数は、数値実施例1に示されている。また、yは径方向の座標、xは光軸方向の座標を示す。
x=(y2/R)/[1+{1−(1+K)(y2/R2)}1/2]+Ay4+By6+Cy8+Dy10+Ey12+Fy14+Gy16

(数値実施例1)
本実施例の結像光学系1は、屈折光学系内に中間実像IRIを形成することにより、広角レンズにおいても最も拡大共役側に配されるレンズを小径化可能な光学系である。高画角の光学系では、遠方から至近への距離変化の際に像面湾曲が大きく発生するため、この像面湾曲を良好に補正することが必要である。
そこで本実施例の結像光学系1は、拡大共役側から縮小共役側へ向けて、正のパワーを有する第1群B1、正のパワーを有する第2群B2、正のパワーを有する第3群B3、および、正のパワーを有する第4群B4から構成される。また本実施例の結像光学系1は、遠方から至近への合焦(フォーカシング)に際し、第1群B1は固定であり、少なくとも第2群B2および第3群B3は移動するように構成されている。
第1群B1は、最も拡大共役側に設けられているため、群の移動による軸外主光線の高さ変動が大きい。そこで本実施例では、大きな歪曲収差の発生を低減するため、フォーカシングの際に第1群は固定される。一方、第2群B2および第3群B3は、遠方(無限)から至近へのフォーカシングの際、縮小共役側へ移動することにより、物体距離の変化に応じて発生する像面湾曲の補正と、光軸のピント移動とを補正することが可能となる。
本実施例の結像光学系1は、第2群B2の内部(本実施例では、第8レンズと第9レンズとの間)に中間実像IRIを形成する。また本実施例において、中間実像IRIの近傍に非球面の負レンズ(本実施例では、第9レンズ)を配置して移動させることにより、像面湾曲の補正を良好に行うことができる。ここで、第2群B2を、第1光学系の一部を含むように構成することにより、基準位置における歪曲収差補正、合焦時における歪曲収差変動低減、および、合焦時における像面湾曲補正を達成することができる。
仮に、第2光学系のうち最も中間実像IRIの近傍に正レンズを配置すると、軸外主光線が良好に分離されていない位置に非球面の負レンズを配置する必要がある。その結果、基準位置における歪曲収差補正を良好に行うことができない。また、第2光学系のうち最も中間実像IRIの近傍に非球面の負レンズを配置すると、合焦時における歪曲収差変動低減のために第2光学系の画角を低画角化する必要がある。しかし、ここに配置される非球面の負レンズは、第1光学系で発生した歪曲収差を補正するために強パワー化しなければならない。このため、以降の第2光学系の絞りSTOまでに配置される正レンズが大径化または多数化してしまう。
本実施例の結像光学系1は、第3群B3の内部に絞りSTOを含む。また結像光学系1は、絞りSTOと縮小共役面との間(絞りSTOよりも縮小共役側)において、少なくとも一つの負のパワーを有するレンズを含む。第3群B3の内部において、軸外主光線の高さ位置が絞りSTOを挟み正負逆転することにより、合焦時の距離変動における軸外主光線の高さ変化の影響を低減することができる。また、絞りSTOと縮小共役面との間に負のパワーを有するレンズを配置することにより、第2群により十分に補正できない像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
仮に、第3群B3の内部に絞りSTOが設けられてない場合、距離変動における軸外主光線の対称性の崩れにより、歪曲収差などが大きくなってしまう。また、絞りSTOと縮小共役面との間に負のパワーを有するレンズが配置されていない場合、第2群B2のみで像面湾曲を補正する必要があるため、像面湾曲補正を良好に行うことが難しい。
好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(1)を満たす。
0.010<|f/f_B3|<0.500 … (1)
より好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(1a)を満たす。
0.050<|f/f_B3|<0.200 … (1a)
条件式(1)、(1a)において、fは結像光学系1の全系の焦点距離、f_B3は第3群B3の焦点距離である。条件式(1)の下限値を下回ると、第3群B3のパワーが弱くなりすぎるため、合焦機能が殆ど失われてしまうか、または、第3群B3の移動距離が長距離化して第2光学系の全長が伸びてしまう。また、条件式(1)の上限値を上回ると、第3群B3のパワーが強すぎて軸上色収差が大きくなってしまう。
好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(2)を満たす。
0.010<|f_B3/f_B2|<1.000 … (2)
より好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(2a)を満たす。
0.010<|f_B3/f_B2|<0.600 … (2a)
条件式(2)、(2a)において、f_B2は第2群B2の焦点距離である。条件式(2)の上限値を上回ると、第2群B2のパワーが強くなりすぎるため、合焦時の軸外主光線の高さ変化による歪曲収差の変動が大きくなってしまう。また、条件式(2)の下限値を下回ると、第3群B3のパワーが強くなりすぎるため、軸上色収差が大きくなってしまう。
好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(3)を満たす。
1.000<|f_B3/f_B4|<5.000 … (3)
より好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(3a)を満たす。
1.500<|f_B3/f_B4|<4.000 … (3a)
条件式(3)、(3a)において、f_B4は第4群B4の焦点距離である。条件式(3)の下限値を下回ると、第3群B3のパワーが強すぎて軸上色収差が大きなってしまう。また、条件式(3)の上限値を上回ると、第3群B3のパワーが弱くなりすぎるため、合焦機能が低下し第3群B3の移動距離が長距離化して、第2光学系の全長が伸びてしまう。
好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(4)を満たす。
0.500<|f_ASPH1/f_ASPH2|<2.000 … (4)
より好ましくは、本実施例の結像光学系1は、以下の条件式(4a)を満たす。
0.800<|f_ASPH1/f_ASPH2|<1.600 … (4a)
条件式(4)、(4a)において、f_ASPH1は、第1群B1において最も拡大共役側に配置された非球面形状を有する負レンズ(本実施例では第1レンズ)である。また、f_ASPH2は、第2群B2において最も強いパワーかつ非球面形状を有する負レンズ(本実施例では第9レンズ)の焦点距離である。本実施例の結像光学系1は、第1群B1に配置された負レンズと第2群B2に配置された負レンズとにより、歪曲収差を打ち消すように構成されている。条件式(4)の上限値を上回る場合、または、条件式(4)の下限値を下回る場合、歪曲収差が大きなってしまう。
以下、本実施例の結像光学系1に関する各条件式の数値(数値実施例1a)を示す。
(数値実施例1a)
本実施例の結像光学系1において、フォーカシングの際に、第4群B4は固定されていても移動してもよい。第3群B3および第4群B4が移動する場合、第4群B4に合焦機能の一部を負担させることにより、球面収差の変動を低減したフォーカシングが可能となる。
また本実施例において、最も拡大共役側に凸面鏡MRを配置しているが、鏡の面形状は限定されるものではなく(凹面でも平面でも良い)、反射面を有さない場合にも、本実施例は適用可能である。凸面鏡MRを設けない場合、第1群B1は最も拡大共役側に配置されたレンズ(第1レンズ)から第7レンズにより構成されるレンズ群となる。また、本実施例1及び後述する実施例においても、絞りSTOはいずれのレンズ面とも異なる位置に配置されており、レンズを保持する鏡筒の一部がこの絞りSTOを構成している。しかしながら、この限りではなく、第3群B3に設けられる絞りSTOに代えて、レンズの保持部が絞りの機能を有する(レンズ面と同じ位置に絞りが存在する)ように構成してもよい。
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の実施例2における結像光学系について説明する。図5は、本実施例における結像光学系1aの断面図である。図6は、結像光学系の収差図(物体距離:360mm)である。図7は、結像光学系の収差図(物体距離:200mm)である。図8は、結像光学系の収差図(物体距離:1000mm)である。
本実施例の結像光学系1aは、実施例1の結像光学系1に比べて、画角が63.6度に広がっている。これにより、結像光学系とスクリーンとの間の距離をより近づけて、実施例1と同サイズの画像投影や画像読み取りを行うことができ、画像投射装置や画像読み取り装置などの設置スペースを節約することが可能である。
以下、本実施例における数値実施例2を示す。
(数値実施例2)
次に、図9乃至図12を参照して、本発明の実施例3における結像光学系について説明する。図9は、本実施例における結像光学系1bの断面図である。図10は、結像光学系1bの収差図(物体距離:360mm)である。図11は、結像光学系1bの収差図(物体距離:180mm)である。図12は、結像光学系1bの収差図(物体距離:2000mm)である。
本実施例の結像光学系1bは、実施例1の結像光学系1と比べて、合焦範囲が広がっている。遠方端では物体距離が2000mm、至近端では物体距離が180mmとなっている。合焦範囲を広げることにより、画像投射装置や画像読み取り装置などの設置可能領域を広げることができる。その結果、様々な設置状況に対応可能となる。
以下、本実施例における数値実施例3を示す。

(数値実施例3)
次に、図13乃至図16を参照して、本発明の実施例4における結像光学系について説明する。図13は、本実施例における結像光学系1cの断面図である。図14は、結像光学系1cの収差図(物体距離:368.5mm)である。図15は、結像光学系1cの収差図(物体距離:270mm)である。図16は、結像光学系1cの収差図(物体距離:1000mm)である。
本実施例の結像光学系1cは、実施例1〜3のそれぞれの結像光学系に比べて、絞り値(F値)が小さい。例えば、実施例1〜3におけるF値(=2.3)を、2.0に変更している。これにより、光源からの光の取り込み効率を向上させている。この結果、実施例1〜3の場合と同一の光源を用いて投射する場合、または、同一の被写体を撮影する場合、明るさを向上させることができる。
以下、本実施例における数値実施例4を示す。数値実施例4において、面番号の左側に「*」印が付記されている面は、以下の関数に従った非球面形状であることを示している。関数の各係数は、数値実施例4に示されている。また、yは径方向の座標、xは光軸方向の座標を示す。
x=(y/R)/[1+{1−(1+K)(y/R)}1/2]+C+C+C+C+C+C+C+C1010+C1111+C1212+C1313+C1414+C1515+C1616

(数値実施例4)
次に、図17を参照して、実施例1〜4のいずれかの結像光学系を備えた画像投射装置について説明する。図17は、本実施例における画像投射装置(プロジェクタ100)の概略図である。図17は、各実施例の結像光学系をプロジェクタ100(3板式のカラー液晶プロジェクタ)に適用した例を示している。
図17に示されるように、プロジェクタ100は、光を変調して原画を形成する複数の液晶表示素子(R、G、Bの3枚のパネル)を有する。液晶表示素子は、画像表示素子または光変調素子である。またプロジェクタ100は、複数の液晶表示素子からの複数の色光(画像情報)を合成する色合成手段としてのプリズム200を有する。そしてプロジェクタ100は、プリズム200により1つの光路に合成された画像情報を、各実施例の結像光学系からなる投射レンズ300を用いてスクリーン400(被投射面)上に投影(拡大投射)する。
このように、各実施例の結像光学系をプロジェクタなどに適用することにより、高い光学性能を有する画像投射装置を実現することができる。
次に、図18を参照して、実施例1〜4のいずれかの結像光学系を備えた撮像装置について説明する。図18は、本実施例の撮像装置(一眼レフカメラ)の概略構成図である。図18において、10は、実施例1〜4のいずれかの結像光学系(撮像レンズ1)を有するレンズ装置である。撮影レンズ1は、保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体である。カメラ本体20は、レンズ装置10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、レンズ装置10の像形成位置に配置された焦点板4、および、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5を有する。またカメラ本体20は、その正立像を観察するための接眼レンズ6などを備えている。
7は撮像面であり、撮像面7には、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)が配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避し、撮像面7上にレンズ装置10によって像が形成される。このように撮像素子は、撮影レンズ1(結像光学系)を介して形成された光学像を光電変換して画像データを出力する。
なお、本実施例の撮影レンズ1はクイックリターンミラー3のない撮像装置にも適用可能である。このように、各実施例の結像光学系を、ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置に適用することにより、高い光学性能を有する撮像装置を実現することができる。
このように各実施例において、結像光学系は、拡大共役側から縮小共役側へ順に、第1群B1と、第2群B2と、第3群B3と、正のパワーを有する第4群B4とから構成される。また結像光学系は、中間実像IRIを形成するように構成されている。また、第1群B1と、第2群B2と、第3群B3と、第4群B4とのうち隣接する各群の間隔は、フォーカシングの際に変化する。フォーカシングに際し、第1群B1は固定であり、少なくとも第2群B2および第3群B3は移動する。
好ましくは、結像光学系は、第2群B2の内部に中間実像IRIを形成する。また好ましくは、第1光学系において最も中間実像IRIの近傍に配置された第1光学素子(例えば第8レンズ)、または、第2光学系において最も中間実像IRIの近傍に配置された第2光学素子(例えば第9レンズ)のうち少なくとも一つは非球面形状を有する。また好ましくは、第2群B2は、少なくとも一つの負のパワーを有するレンズ(例えば、第9レンズ)を含み、中間実像IRIよりも拡大共役側において、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズ(例えば第8レンズ)を含む。
好ましくは、結像光学系は、第3群B3の内部に絞りSTOを含む。より好ましくは、結像光学系は、絞りSTOよりも縮小共役側において、少なくとも一つの負のパワーを有するレンズ(例えば第12レンズ)を含む。また好ましくは、結像光学系は、絞りSTOよりも縮小共役側において、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズ(例えば第13レンズ)を含む。また好ましくは、結像光学系は、絞りSTOと中間実像IRIとの間に、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズ(例えば第10レンズ)を含む。
好ましくは、第2群B2および第3群B3は、無限から至近へのフォーカシングの際に、縮小共役側へ移動する。また好ましくは、第2群B2および第3群B3は、無限から至近へのフォーカシングの際に、第2群B2と第3群B3との間隔が狭くなるように移動する。
好ましくは、第1群B1において最も拡大共役側に配置された第1負レンズ(例えば第1レンズ)は、非球面形状を有し、第1負レンズよりも縮小共役側に配置されて第1負レンズに最も近い凸レンズ(例えば第3レンズ)は、非球面形状を有する。より好ましくは、第1群B1は、第1負レンズと凸レンズとの間に第2負レンズ(例えば第2レンズ)を有する。また好ましくは、第2群B2は、非球面形状を有する第3負レンズ(例えば第9レンズ)を有する。また好ましくは、第1群B1は、最も拡大共役側にミラー(凸面鏡MR)を有する。
各実施例によれば、フォーカシングの際に、歪曲収差の変動を低減しつつ像面湾曲を補正可能な結像光学系、画像投射装置、および、撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 結像光学系
B1 第1群
B2 第2群
B3 第3群
B4 第4群

Claims (20)

  1. 拡大共役側から縮小共役側へ順に、第1群と、第2群と、第3群と、正のパワーを有する第4群とから構成される結像光学系であって、
    前記結像光学系は、中間実像を形成するように構成されており、
    前記第1群と、前記第2群と、前記第3群と、前記第4群とのうち隣接する各群の間隔は、フォーカシングの際に変化し、
    前記フォーカシングに際し、前記第1群は固定であり、少なくとも前記第2群および前記第3群は移動する、ことを特徴とする結像光学系。
  2. 前記結像光学系は、前記第2群の内部に前記中間実像を形成することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
  3. 前記結像光学系は、
    前記第1群と、前記第2群と、前記第3群と、前記第4群とのうち、前記中間実像よりも前記拡大共役側に配置された光学系を第1光学系、該中間実像よりも前記縮小共役側に配置された光学系を第2光学系とするとき、
    前記第1光学系において最も前記中間実像の近傍に配置された第1光学素子、または、前記第2光学系において最も該中間実像の近傍に配置された第2光学素子のうち少なくとも一つは非球面形状を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の結像光学系。
  4. 前記第2群は、
    少なくとも一つの負のパワーを有するレンズを含み、
    前記中間実像よりも前記拡大共役側において、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結像光学系。
  5. 前記結像光学系は、前記第3群の内部に絞りを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の結像光学系。
  6. 前記結像光学系は、前記絞りよりも前記縮小共役側において、少なくとも一つの負のパワーを有するレンズを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の結像光学系。
  7. 前記結像光学系は、前記絞りよりも前記縮小共役側において、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズを含む、ことを特徴とする請求項5または6に記載の結像光学系。
  8. 前記結像光学系は、前記絞りと前記中間実像との間に、少なくとも一つの正のパワーを有するレンズを含む、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の結像光学系。
  9. 前記結像光学系の全系の焦点距離をf、および、前記第3群の焦点距離をf_B3とするとき、
    0.010<|f/f_B3|<0.500
    を満たす、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の結像光学系。
  10. 前記第2群の焦点距離をf_B2、および、前記第3群の焦点距離をf_B3とするとき、
    0.010<|f_B3/f_B2|<1.000
    を満たす、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の結像光学系。
  11. 前記第3群の焦点距離をf_B3、および、前記第4群の焦点距離をf_B4とするとき、
    1.000<|f_B3/f_B4|<5.000
    を満たす、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の結像光学系。
  12. 前記第2群および前記第3群は、無限から至近への前記フォーカシングの際に、前記縮小共役側へ移動する、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の結像光学系。
  13. 前記第2群および前記第3群は、無限から至近への前記フォーカシングの際に、該第2群と該第3群との間隔が狭くなるように移動する、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の結像光学系。
  14. 前記第1群において最も前記拡大共役側に配置された第1負レンズは、非球面形状を有し、
    前記第1負レンズよりも前記縮小共役側に配置されて該第1負レンズに最も近い凸レンズは、非球面形状を有する、ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の結像光学系。
  15. 前記第1群は、前記第1負レンズと前記凸レンズとの間に第2負レンズを有する、ことを特徴とする請求項14に記載の結像光学系。
  16. 前記第2群は、非球面形状を有する第3負レンズを有する、ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の結像光学系。
  17. 前記第1群において最も前記拡大共役側に配置された非球面形状を有する負レンズの焦点距離をf_ASPH1、および、前記第2群において最も強いパワーかつ非球面形状を有する負レンズの焦点距離をf_ASPH2とするとき、
    0.500<|f_ASPH1/f_ASPH2|<2.000
    を満たす、ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の結像光学系。
  18. 前記第1群は、最も前記拡大共役側にミラーを有する、ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の結像光学系。
  19. 光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子からの光を被投射面に投射する請求項1乃至18のいずれか1項に記載の結像光学系と、を有することを特徴とする画像投射装置。
  20. 請求項1乃至18のいずれか1項に記載の結像光学系と、
    前記結像光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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