JP6830470B2 - 結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 - Google Patents

結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、中間像を形成する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、およびこの結像光学系を備えた撮像装置に関するものである。
従来、液晶表示素子やDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)表示素子等のライトバルブを用いた投写型表示装置が広く用いられている。
この種の投写型表示装置に用いられる結像光学系には、ライトバルブの解像度に見合った良好な収差補正が求められている。また、スクリーンまでの距離設定の自由度を高めることを考慮して、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系を投写型表示装置に搭載したいという要望も強くなっている。
このような要望に応えるべく、縮小側結像面と共役な位置に中間像を形成し、この中間像を拡大側結像面に再結像させる結像光学系が提案されている。(例えば、特許文献1、2)
特開2017−102239号公報 特開2015−179270号公報
しかしながら、特許文献1のレンズは、変倍比が1.3倍程度、画角が100°程度と、昨今の要求に達し切れていない。また、特許文献2のレンズは、変倍比が1.9倍程度と高倍率であるが、画角は120°程度であり十分に広角であるとはいいきれず、また変倍に伴う収差変動が大きい等の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、中間像を形成する方式の結像光学系において、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、および、この結像光学系を備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の結像光学系は、拡大側から順に、拡大側結像面と共役な位置に中間像を形成する第1結像光学系と、中間像を縮小側結像面に再結像させる第2結像光学系とからなり、変倍時に隣り合う群との光軸方向の間隔が変化する群を一つのレンズ群とした場合、第2結像光学系は、変倍時に移動する移動レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群からなり、第2結像光学系の中で、広角端における最大空気間隔を挟んで拡大側に配置された移動レンズ群をまとめて拡大側移動群、縮小側に配置された移動レンズ群をまとめて縮小側移動群とした場合、広角端から望遠端への変倍時に、拡大側移動群の中の移動レンズ群は縮小側に移動し、縮小側移動群の中の移動レンズ群は拡大側に移動し、縮小側移動群は、少なくとも2つの移動レンズ群を有し、広角端における第1結像光学系の焦点距離をf1w、広角端における全系の焦点距離をfw、望遠端における第1結像光学系の焦点距離をf1t、望遠端における全系の焦点距離をft、縮小側における有効像円半径をYmax、縮小側移動群の中で最も縮小側の移動レンズ群の焦点距離をfBLとした場合、条件式(1)および(4)を満足する。
1.15<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<5 …(1)
8<fBL/|fw|<40 …(4)
なお、条件式(1−1)を満足することがより好ましい。
1.2<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<3.5 …(1−1)
本発明の結像光学系においては、全体として6つまたは7つのレンズ群からなり、全体の中で最も拡大側のレンズ群と最も縮小側のレンズ群は、変倍時に縮小側結像面に対して固定された正の屈折力を有するレンズ群であることが好ましい。
また、望遠端における縮小側移動群の横倍率をβBt、広角端における縮小側移動群の横倍率をβBwとした場合、条件式(2)を満足することが好ましく、条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
1.3<βBt/βBw<3 …(2)
1.35<βBt/βBw<2.5 …(2−1)
また、望遠端における拡大側移動群の横倍率をβAt、広角端における拡大側移動群の横倍率をβAwとした場合、条件式(3)を満足することが好ましく、条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.8<βAt/βAw<1.2 …(3)
0.85<βAt/βAw<1.15 …(3−1)
なお、条件式(4−1)を満足することが好ましい
0.5<fBL/|fw|<35 …(4−1)
また、全体の中で最も縮小側のレンズ群は、1枚の単レンズからなることが好ましい。
また、第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、正の屈折力を有する第2Cレンズ群と、負の屈折力を有する第2Dレンズ群と、正の屈折力を有する第2Eレンズ群と、正の屈折力を有する第2Fレンズ群とからなり、変倍時に、第2Bレンズ群、第2Cレンズ群、第2Dレンズ群、および第2Eレンズ群は移動し、第2Fレンズ群は縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
また、第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、負の屈折力を有する第2Cレンズ群と、正の屈折力を有する第2Dレンズ群と、正の屈折力を有する第2Eレンズ群とからなり、変倍時に、第2Aレンズ群、第2Bレンズ群、第2Cレンズ群、および第2Dレンズ群は移動し、第2Eレンズ群は縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
また、第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、正の屈折力を有する第2Cレンズ群と、正の屈折力を有する第2Dレンズ群とからなり、変倍時に、第2Aレンズ群、第2Bレンズ群、および第2Cレンズ群は移動し、第2Dレンズ群は縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
本発明の投写型表示装置は、画像データに基づく光学像を出力するライトバルブと、上記記載の本発明の結像光学系とを備え、結像光学系は、ライトバルブから出力された前記光学像をスクリーン上に投写する。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の結像光学系を備える。
なお、上記「〜からなる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタやミラーやプリズム等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、手ぶれ補正機構等の機構部分、等を含んでもよいことを意図するものである。
また、上記「レンズ群」とは、レンズ以外にも、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタやミラーやプリズム等のレンズ以外の光学要素等を含んでもよいことを意図するものである。
また、各条件式の記号のうち、焦点距離および横倍率については、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離が無限遠の場合の焦点距離を意味する。
本発明の結像光学系は、拡大側から順に、拡大側結像面と共役な位置に中間像を形成する第1結像光学系と、中間像を縮小側結像面に再結像させる第2結像光学系とからなり、変倍時に隣り合う群との光軸方向の間隔が変化する群を一つのレンズ群とした場合、第2結像光学系は、変倍時に移動する移動レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群からなり、広角端における第1結像光学系の焦点距離をf1w、広角端における全系の焦点距離をfw、望遠端における第1結像光学系の焦点距離をf1t、望遠端における全系の焦点距離をft、縮小側における有効像円半径をYmaxとした場合、条件式(1)を満足するようにしたので、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、および、この結像光学系を備えた撮像装置を提供することができる。
1.15<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<5 …(1)
本発明の一実施形態にかかる結像光学系(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例6の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例7の結像光学系のレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例1の結像光学系の各収差図 本発明の実施例2の結像光学系の各収差図 本発明の実施例3の結像光学系の各収差図 本発明の実施例4の結像光学系の各収差図 本発明の実施例5の結像光学系の各収差図 本発明の実施例6の結像光学系の各収差図 本発明の実施例7の結像光学系の各収差図 本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図 本発明の一実施形態に係る撮像装置の前側の斜視図 図18に示す撮像装置の背面側の斜視図
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる結像光学系のレンズ構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1の結像光学系の構成と共通である。図1においては、光路を展開したときに、左側が拡大側、右側が縮小側となるように記載している。また、図1は、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離が無限遠の状態を示しており、上段に広角端の状態を示し、光束として軸上光束Waおよび最大画角の光束Wbを併せて記入し、下段に望遠端の状態を示し、光束として軸上光束Taおよび最大画角の光束Tbを併せて記入している。
この結像光学系は、例えば投写型表示装置に搭載されて、ライトバルブに表示された画像情報をスクリーンへ投写するものとして使用可能である。図1では、投写型表示装置に搭載される場合を想定して、色合成部または照明光分離部に用いられるフィルタやプリズムなどを想定した光学部材PPと、ライトバルブの画像表示面Simも合わせて図示している。投写型表示装置においては、画像表示素子上の画像表示面Simで画像情報を与えられた光束が、光学部材PPを介して、この結像光学系に入射され、この結像光学系により不図示のスクリーン上に投写されるようになる。
図1に示す通り、本実施形態の結像光学系は、拡大側から順に、拡大側結像面と共役な位置に中間像MIを形成する第1結像光学系G1と、中間像MIを縮小側結像面(画像表示面Sim)に再結像させる第2結像光学系G2とから構成されている。なお、図1中において中間像MIは模式的に示されたものであり、実際の形状を示したものではない。
このように、中間像MIを形成する結像光学系では、第1結像光学系G1のバックフォーカスを短縮できるとともに、第1結像光学系G1の拡大側のレンズ径を小さくすることが可能であり、全系の焦点距離を短くして広角化に適した構成とすることができる。
また、変倍時に隣り合う群との光軸Z方向の間隔が変化する群を一つのレンズ群とした場合、第2結像光学系G2は、変倍時に移動する移動レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群から構成されている。このように、第2結像光学系G2に主な変倍作用を担わせることによって、結像光学系の変倍作用について、第2結像光学系G2のリレー倍率変化、すなわち中間像MIのサイズの変化により主な変倍を行う事になるため、結像光学系の光学的構成を簡素化することができる。
また、広角端における第1結像光学系G1の焦点距離をf1w、広角端における全系の焦点距離をfw、望遠端における第1結像光学系G1の焦点距離をf1t、望遠端における全系の焦点距離をft、縮小側における有効像円半径をYmaxとした場合、条件式(1)を満足するように構成されている。
1.15<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<5 …(1)
条件式(1)は、広角と高倍率を両立させるための条件式であり、広角と高倍率を両立させるには、第2結像光学系G2の広角端と望遠端でのリレー倍率を適切に設定する必要がある。条件式(1)の下限以下とならないようにすることによって、広角端と望遠端のリレー倍率の差が小さくなり過ぎるのを防ぐことができるため、所望の変倍比の確保に有利となる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることによって、リレー倍率の差が大きくなり過ぎるのを防ぐことができるため、所望の画角および変倍比を確保しつつ、第1結像光学系G1の拡大側のレンズ径の小型化、および広角端での歪曲収差および像面湾曲の補正に有利となる。なお、条件式(1−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
1.2<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<3.5 …(1−1)
本実施形態の結像光学系においては、全体として6つまたは7つのレンズ群からなり、全体の中で最も拡大側のレンズ群と最も縮小側のレンズ群は、変倍時に縮小側結像面に対して固定された正の屈折力を有するレンズ群であることが好ましい。このように、変倍時に、最も拡大側のレンズ群を固定とすることによって、レンズ全長の変動のないレンズ構成とすることができる。また、最も縮小側のレンズ群を固定とすることによって、テレセントリック性を保ちつつ、変倍時の収差変動を少なくすることが可能となる。
また、第2結像光学系G2の中で、広角端における最大空気間隔を挟んで拡大側に配置された移動レンズ群をまとめて拡大側移動群、縮小側に配置された移動レンズ群をまとめて縮小側移動群とした場合、広角端から望遠端への変倍時に、拡大側移動群の中の移動レンズ群は縮小側に移動し、縮小側移動群の中の移動レンズ群は拡大側に移動することが好ましい。
なお、図1に示す例では、第2結像光学系G2は、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、第2Eレンズ群G2E、および第2Fレンズ群G2Fから構成されており、この内、第2Bレンズ群G2Bが拡大側移動群に該当し、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当する。
縮小側移動群は変倍の主な作用を担う群、拡大側移動群は変倍による像面位置の変動を主に補正する群であり、広角端から望遠端への変倍時に、拡大側移動群の中の移動レンズ群が縮小側に移動し、縮小側移動群の中の移動レンズ群が拡大側に移動することによって、変倍時の球面収差および非点収差の変動を良好に補正することが可能となる。
また、望遠端における縮小側移動群の横倍率をβBt、広角端における縮小側移動群の横倍率をβBwとした場合、条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の下限以下とならないようにすることによって、縮小側移動群の変倍作用が小さくなり過ぎるのを防ぐことができるため、変倍比の確保に有利となる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることによって、縮小側移動群の変倍作用が大きくなり過ぎるのを防ぐことができるため、変倍時の収差変動の抑制に有利となる。なお、条件式(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
1.3<βBt/βBw<3 …(2)
1.35<βBt/βBw<2.5 …(2−1)
また、望遠端における拡大側移動群の横倍率をβAt、広角端における拡大側移動群の横倍率をβAwとした場合、条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の下限以下とならないようにすることによって、拡大側移動群の変倍作用が小さくなり過ぎるのを防ぐことができるため、変倍に寄与している縮小側移動群の移動量を抑え、レンズ全系の小型化に有利となる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることによって、拡大側移動群の変倍作用が大きくなり過ぎるのを防ぐことができるため、変倍時の収差変動の抑制に有利となり、さらに変倍による像面位置の変動の補正にも有利となる。なお、条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.8<βAt/βAw<1.2 …(3)
0.85<βAt/βAw<1.15 …(3−1)
また、縮小側移動群は、少なくとも2つの移動レンズ群を有し、縮小側移動群の中で最も縮小側の移動レンズ群の焦点距離をfBL、広角端における全系の焦点距離をfwとした場合、条件式(4)を満足することが好ましい。このように、変倍作用を担う縮小側移動群に2つ以上の移動レンズ群を持たすことで、高倍率化に伴う収差変動の補正に有利となる。条件式(4)の下限以下とならないようにすることによって、変倍作用が強くなり過ぎるのを防ぐことができるため、変倍時の軸上色収差および球面収差の変動を小さくすることができる。条件式(4)の上限以上とならないようにすることによって、変倍作用が弱くなり過ぎるのを防ぐことができるため、所望の変倍比を確保するための移動量を抑え、レンズ全長の小型化に有利となる。なお、条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
8<fBL/|fw|<40 …(4)
10.5<fBL/|fw|<35 …(4−1)
また、広角端における全系のバックフォーカスをBfw、広角端における全系の焦点距離をfwとした場合、条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の下限以下とならないようにすることによって、バックフォーカスが短くなり過ぎるのを防ぐことができるため、色合成プリズム等を配置する場合に有利となる。なお、条件式(5−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。条件式(5−1)の上限以上とならないようにすることによって、バックフォーカスも含めたレンズ全系の小型化に有利となる。
7<Bfw/|fw| …(5)
9<Bfw/|fw|<20 …(5−1)
また、全体の中で最も縮小側のレンズ群は、1枚の単レンズからなることが好ましい。このような構成とすることによって、レンズ構成として必要な最小枚数での構成となるため、コストダウンに有利となる。
また、第2結像光学系G2は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、正の屈折力を有する第2Cレンズ群G2Cと、負の屈折力を有する第2Dレンズ群G2Dと、正の屈折力を有する第2Eレンズ群G2Eと、正の屈折力を有する第2Fレンズ群G2Fとからなり、変倍時に、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eは移動し、第2Fレンズ群G2Fは縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
後述の実施例1〜3の構成が、この構成に該当する。第2Aレンズ群G2Aおよび/または第2Bレンズ群G2Bが拡大側移動群に該当し、主に像面位置の補正に寄与する。第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当するか、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当し、主に変倍作用を担っている。第2Fレンズ群G2Fを変倍時に固定することによって、テレセントリック性を保ちつつ、変倍時の収差変動を少なくすることが可能となる。第2結像光学系G2についてこのような構成にすることによって、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系とすることができる。
また、第2結像光学系G2は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、負の屈折力を有する第2Cレンズ群G2Cと、正の屈折力を有する第2Dレンズ群G2Dと、正の屈折力を有する第2Eレンズ群G2Eとからなり、変倍時に、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、および第2Dレンズ群G2Dは移動し、第2Eレンズ群G2Eは縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
後述の実施例4〜6の構成が、この構成に該当する。第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、主に像面位置の補正に寄与する。第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、および第2Dレンズ群G2Dが縮小側移動群に該当し、主に変倍作用を担っている。第2Eレンズ群G2Eを変倍時に固定することによって、テレセントリック性を保ちつつ、変倍時の収差変動を少なくすることが可能となる。第2結像光学系G2についてこのような構成にすることによって、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系とすることができる。
また、第2結像光学系G2は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、正の屈折力を有する第2Cレンズ群G2Cと、正の屈折力を有する第2Dレンズ群G2Dとからなり、変倍時に、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2B、および第2Cレンズ群G2Cは移動し、第2Dレンズ群G2Dは縮小側結像面に対して固定されるものとしてもよい。
後述の実施例7の構成が、この構成に該当する。第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、主に像面位置の補正に寄与する。第2Bレンズ群G2Bおよび第2Cレンズ群G2Cが縮小側移動群に該当し、主に変倍作用を担っている。第2Dレンズ群G2Dを変倍時に固定することによって、テレセントリック性を保ちつつ、変倍時の収差変動を少なくすることが可能となる。第2結像光学系G2についてこのような構成にすることによって、広角かつ高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系とすることができる。
また、図1に示す例では、レンズ系と画像表示面Simとの間に光学部材PPを配置した例を示したが、ローパスフィルタや特定の波長域をカットするような各種フィルタ等をレンズ系と画像表示面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよく、あるいは、いずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
次に、本発明の結像光学系の数値実施例について説明する。まず、実施例1の結像光学系について説明する。実施例1の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図1に示す。図1および後述の実施例2〜7に対応した図2〜7においては、左側が拡大側、右側が縮小側である。また、図1〜7は、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離が無限遠の状態を示しており、上段に広角端の状態を示し、光束として軸上光束Waおよび最大画角の光束Wbを併せて記入し、下段に望遠端の状態を示し、光束として軸上光束Taおよび最大画角の光束Tbを併せて記入している。
実施例1の結像光学系は、拡大側から順に、第1結像光学系G1と、第2結像光学系G2とから構成されている。第1結像光学系G1は、レンズL1a〜レンズL1jの10枚のレンズと、第1光路折り曲げ手段R1と、第2光路折り曲げ手段R2とから構成されている。第2結像光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2aの1枚のレンズのみから構成される第2Aレンズ群G2Aと、レンズL2b〜レンズL2eの4枚のレンズから構成される第2Bレンズ群G2Bと、レンズL2fの1枚のレンズのみから構成される第2Cレンズ群G2Cと、レンズL2g〜レンズL2jの4枚のレンズおよび開口絞りStから構成される第2Dレンズ群G2Dと、レンズL2k〜レンズL2lの2枚のレンズから構成される第2Eレンズ群G2Eと、レンズL2mの1枚のレンズのみから構成される第2Fレンズ群G2Fとから構成されている。実施例1の結像光学系においては、第2Bレンズ群G2Bが拡大側移動群に該当し、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当する。
実施例1の結像光学系の基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、変化する面間隔に関するデータを表3に、非球面係数に関するデータを表4に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜7についても基本的に同様である。
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も拡大側の構成要素の面を1番目として縮小側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、nの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))における屈折率を示し、νの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm(ナノメートル))におけるアッベ数を示す。また、曲率半径の符号は、面形状が拡大側に凸の場合を正、縮小側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りSt、光学部材PPも含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。また、表1のレンズデータにおいて、変倍時に間隔が変化する面間隔の欄にはそれぞれDD[面番号]と記載している。このDD[面番号]に対応する数値は表3に示している。
表2の諸元に関するデータに、焦点距離|f|、バックフォーカスBf、FナンバーFNo.、全画角2ω(°)の値を示す。
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表4の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。表4の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Amの値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数
であり、非球面深さZdにおけるΣはmに関する総和を意味する。
基本レンズデータおよび諸元に関するデータにおいて、角度の単位としては°を用い、長さ(距離)については広角端における焦点距離|f|=1で規格化した数値を記載している。
実施例1の結像光学系の各収差図を図8に示す。なお、図8の上段(広角端)、中段(中間位置)、下段(望遠端)の各々において、左側から順に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.3288とした場合の球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。球面収差、非点収差、および歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm(ナノメートル))を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm(ナノメートル))、C線(波長656.3nm(ナノメートル))、およびF線(波長486.1nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ実線、長破線、および短破線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm(ナノメートル))およびF線(波長486.1nm(ナノメートル))についての収差をそれぞれ長破線および短破線で示す。なお、球面収差図のFNo.はFナンバー、その他の収差図のωは半画角を意味する。
次に、実施例2の結像光学系について説明する。実施例2の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図2に示す。実施例2の結像光学系の群構成は、第2Aレンズ群G2Aおよび第2Bレンズ群G2Bが拡大側移動群に該当し、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当する以外は、実施例1の結像光学系と同じである。また、実施例2の結像光学系の基本レンズデータを表5に、諸元に関するデータを表6に、変化する面間隔に関するデータを表7に、非球面係数に関するデータを表8に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.3274とした場合の各収差図を図9に示す。
次に、実施例3の結像光学系について説明する。実施例3の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図3に示す。
実施例3の結像光学系において、第1結像光学系G1は、レンズL1a〜レンズL1kの11枚のレンズから構成されている。第2結像光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2a〜レンズL2dの4枚のレンズから構成される第2Aレンズ群G2Aと、レンズL2eの1枚のレンズのみから構成される第2Bレンズ群G2Bと、レンズL2f〜レンズL2gの2枚のレンズから構成される第2Cレンズ群G2Cと、レンズL2h〜レンズL2iの2枚のレンズおよび開口絞りStから構成される第2Dレンズ群G2Dと、レンズL2j〜レンズL2kの2枚のレンズから構成される第2Eレンズ群G2Eと、レンズL2lの1枚のレンズのみから構成される第2Fレンズ群G2Fとから構成されている。実施例3の結像光学系においては、第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、第2Dレンズ群G2D、および第2Eレンズ群G2Eが縮小側移動群に該当する。
また、実施例3の基本レンズデータを表9に、諸元に関するデータを表10に、変化する面間隔に関するデータを表11に、非球面係数に関するデータを表12に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.4567とした場合の各収差図を図10に示す。
次に、実施例4の結像光学系について説明する。実施例4の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図4に示す。
実施例4の結像光学系において、第1結像光学系G1は、レンズL1a〜レンズL1kの11枚のレンズから構成されている。第2結像光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2a〜レンズL2dの4枚のレンズから構成される第2Aレンズ群G2Aと、レンズL2eの1枚のレンズのみから構成される第2Bレンズ群G2Bと、レンズL2f〜レンズL2iの4枚のレンズおよび開口絞りStから構成される第2Cレンズ群G2Cと、レンズL2j〜レンズL2kの2枚のレンズから構成される第2Dレンズ群G2Dと、レンズL2lの1枚のレンズのみから構成される第2Eレンズ群G2Eとから構成されている。実施例4の結像光学系においては、第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、および第2Dレンズ群G2Dが縮小側移動群に該当する。
また、実施例4の結像光学系の基本レンズデータを表13に、諸元に関するデータを表14に、変化する面間隔に関するデータを表15に、非球面係数に関するデータを表16に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.6038とした場合の各収差図を図11に示す。
次に、実施例5の結像光学系について説明する。実施例5の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図5に示す。
実施例5の結像光学系において、第1結像光学系G1は、レンズL1a〜レンズL1lの12枚のレンズから構成されている。第2結像光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2a〜レンズL2dの4枚のレンズから構成される第2Aレンズ群G2Aと、レンズL2eの1枚のレンズのみから構成される第2Bレンズ群G2Bと、レンズL2f〜レンズL2iの4枚のレンズおよび開口絞りStから構成される第2Cレンズ群G2Cと、レンズL2jの1枚のレンズのみから構成される第2Dレンズ群G2Dと、レンズL2kの1枚のレンズのみから構成される第2Eレンズ群G2Eとから構成されている。実施例5の結像光学系においては、第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、第2Bレンズ群G2B、第2Cレンズ群G2C、および第2Dレンズ群G2Dが縮小側移動群に該当する。
また、実施例5の結像光学系の基本レンズデータを表17に、諸元に関するデータを表18に、変化する面間隔に関するデータを表19に、非球面係数に関するデータを表20に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.5390とした場合の各収差図を図12に示す。
次に、実施例6の結像光学系について説明する。実施例6の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図6に示す。実施例6の結像光学系の群構成は、第1結像光学系G1が、拡大側から順に、レンズL1a〜レンズL1jの10枚のレンズから構成される第1Aレンズ群G1Aと、レンズL1k〜レンズL1lの2枚のレンズから構成される第1Bレンズ群G1Bとから構成されている以外は、実施例5の結像光学系と同じである。また、実施例6の結像光学系の基本レンズデータを表21に、諸元に関するデータを表22に、変化する面間隔に関するデータを表23に、非球面係数に関するデータを表24に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を115.9808とした場合の各収差図を図13に示す。
次に、実施例7の結像光学系について説明する。実施例7の結像光学系のレンズ構成を示す断面図を図7に示す。
実施例7の結像光学系において、第1結像光学系G1は、拡大側から順に、レンズL1a〜レンズL1jの10枚のレンズから構成される第1Aレンズ群G1Aと、レンズL1k〜レンズL1lの2枚のレンズから構成される第1Bレンズ群G1Bとから構成されている。第2結像光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2a〜レンズL2dの4枚のレンズから構成される第2Aレンズ群G2Aと、レンズL2eの1枚のレンズのみから構成される第2Bレンズ群G2Bと、レンズL2f〜レンズL2jの5枚のレンズおよび開口絞りStから構成される第2Cレンズ群G2Cと、レンズL2kの1枚のレンズのみから構成される第2Dレンズ群G2Dとから構成されている。実施例7の結像光学系においては、第2Aレンズ群G2Aが拡大側移動群に該当し、第2Bレンズ群G2Bおよび第2Cレンズ群G2Cが縮小側移動群に該当する。
また、実施例7の結像光学系の基本レンズデータを表25に、諸元に関するデータを表26に、変化する面間隔に関するデータを表27に、非球面係数に関するデータを表28に、拡大側結像面から第1結像光学系までの距離を116.0142とした場合の各収差図を図14に示す。
実施例1〜7の結像光学系の条件式(1)〜(5)に対応する値を表29に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表29に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータから、実施例1〜7の結像光学系は全て、条件式(1)〜(5)を満たしており、全画角が125°以上と広角で、かつ変倍比が1.5倍以上と高倍率でありながら、諸収差が良好に補正された高い光学性能を有する結像光学系であることが分かる。
次に、本発明の実施形態に係る投写型表示装置について説明する。図15は、本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図15に示す投写型表示装置100は、本発明の実施形態に係る結像光学系10と、光源15と、各色光に対応したライトバルブとしての透過型表示素子11a〜11cと、色分解のためのダイクロイックミラー12、13と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14と、コンデンサレンズ16a〜16cと、光路を偏向するための全反射ミラー18a〜18cとを有する。なお、図15では、結像光学系10は概略的に図示している。また、光源15とダイクロイックミラー12の間にはインテグレーターが配されているが、図15ではその図示を省略している。
光源15からの白色光は、ダイクロイックミラー12、13で3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解された後、それぞれコンデンサレンズ16a〜16cを経て各色光光束にそれぞれ対応する透過型表示素子11a〜11cに入射して光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により色合成された後、結像光学系10に入射する。結像光学系10は、透過型表示素子11a〜11cにより光変調された光による光学像をスクリーン105上に投写する。
図16は、本発明の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図16に示す投写型表示装置200は、本発明の実施形態に係る結像光学系210と、光源215と、各色光に対応したライトバルブとしてのDMD素子21a〜21cと、色分解および色合成のためのTIR(Total Internal Reflection)プリズム24a〜24cと、照明光と投写光を分離する偏光分離プリズム25とを有する。なお、図16では結像光学系210を概略的に図示している。また、光源215と偏光分離プリズム25の間にはインテグレーターが配されているが、図16ではその図示を省略している。
光源215からの白色光は、偏光分離プリズム25内部の反射面で反射された後、TIRプリズム24a〜24cにより3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ対応するDMD素子21a〜21cに入射して光変調され、再びTIRプリズム24a〜24cを逆向きに進行して色合成された後、偏光分離プリズム25を透過して、結像光学系210に入射する。結像光学系210は、DMD素子21a〜21cにより光変調された光による光学像をスクリーン205上に投写する。
図17は、本発明のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図17に示す投写型表示装置300は、本発明の実施形態に係る結像光学系310と、光源315と、各色光に対応したライトバルブとしての反射型表示素子31a〜31cと、色分離のためのダイクロイックミラー32、33と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム34と、光路偏向のための全反射ミラー38と、偏光分離プリズム35a〜35cとを有する。なお、図17では、結像光学系310は概略的に図示している。また、光源315とダイクロイックミラー32の間にはインテグレーターが配されているが、図17ではその図示を省略している。
光源315からの白色光はダイクロイックミラー32、33により3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ偏光分離プリズム35a〜35cを経て、各色光光束それぞれに対応する反射型表示素子31a〜31cに入射して光変調され、クロスダイクロイックプリズム34により色合成された後、結像光学系310に入射する。結像光学系310は、反射型表示素子31a〜31cにより光変調された光による光学像をスクリーン305上に投写する。
図18、図19は、本発明の一実施形態に係る撮像装置であるカメラ400の外観図である。図18は、カメラ400を前側から見た斜視図を示し、図19は、カメラ400を背面側から見た斜視図を示す。カメラ400は、交換レンズ48が取り外し自在に装着される、レフレックスファインダーを持たない一眼形式のデジタルカメラである。交換レンズ48は、本発明の実施形態にかかる光学系である結像光学系49を鏡筒内に収納したものである。
このカメラ400はカメラボディ41を備え、カメラボディ41の上面にはシャッターボタン42と電源ボタン43とが設けられている。またカメラボディ41の背面には、操作部44、45と表示部46とが設けられている。表示部46は、撮像された画像や、撮像される前の画角内にある画像を表示するためのものである。
カメラボディ41の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント47が設けられ、マウント47を介して交換レンズ48がカメラボディ41に装着されるようになっている。
カメラボディ41内には、交換レンズ48によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子(図示せず)、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体などが設けられている。このカメラ400では、シャッターボタン42を押すことにより静止画または動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明の結像光学系は、上記実施例のものに限られるものではなく種々の態様の変更が可能であり、例えば各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、およびアッベ数を適宜変更することが可能である。
また、本発明の投写型表示装置も、上記構成のものに限られるものではなく、例えば、用いられるライトバルブおよび光束分離または光束合成に用いられる光学部材は、上記構成に限定されず、種々の態様の変更が可能である。ライトバルブは、光源からの光を画像表示素子により空間変調して、画像データに基づく光学像として出力する態様に限定されず、自発光型の画像表示素子から出力された光自体を、画像データに基づく光学像として出力する態様であってもよい。自発光型の画像表示素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)またはOLED(Organic Light Emitting Diode)等の発光素子が2次元配列された画像表示素子が挙げられる。
また、本発明の撮像装置も、上記構成のものに限られるものではなく、例えば、一眼レフ形式のカメラや、フィルムカメラ、およびビデオカメラなどに適用することも可能である。
10、210、310 結像光学系
11a〜11c 透過型表示素子
12、13、32、33 ダイクロイックミラー
14、34 クロスダイクロイックプリズム
15、215、315 光源
16a〜16c コンデンサレンズ
18a〜18c、38 全反射ミラー
21a〜21c DMD素子
24a〜24c TIRプリズム
25、35a〜35c 偏光分離プリズム
31a〜31c 反射型表示素子
41 カメラボディ
42 シャッターボタン
43 電源ボタン
44、45 操作部
46 表示部
47 マウント
48 交換レンズ
49 結像光学系
100、200、300 投写型表示装置
105、205、305 スクリーン
400 カメラ
G1 第1結像光学系
G1A 第1Aレンズ群
G1B 第1Bレンズ群
G2 第2結像光学系
G2A 第2Aレンズ群
G2B 第2Bレンズ群
G2C 第2Cレンズ群
G2D 第2Dレンズ群
G2E 第2Eレンズ群
G2F 第2Fレンズ群
L1a〜L2m レンズ
MI 中間像
PP 光学部材
R1 第1光路折り曲げ手段
R2 第2光路折り曲げ手段
Sim 画像表示面
Ta 望遠端における軸上光束
Tb 望遠端における最大画角の光束
Wa 広角端における軸上光束
Wb 広角端における最大画角の光束
Z 光軸

Claims (14)

  1. 拡大側から順に、拡大側結像面と共役な位置に中間像を形成する第1結像光学系と、前記中間像を縮小側結像面に再結像させる第2結像光学系とからなり、
    変倍時に隣り合う群との光軸方向の間隔が変化する群を一つのレンズ群とした場合、前記第2結像光学系は、変倍時に移動する移動レンズ群を少なくとも2つ含む複数のレンズ群からなり、
    前記第2結像光学系の中で、広角端における最大空気間隔を挟んで拡大側に配置された前記移動レンズ群をまとめて拡大側移動群、縮小側に配置された前記移動レンズ群をまとめて縮小側移動群とした場合、広角端から望遠端への変倍時に、前記拡大側移動群の中の前記移動レンズ群は縮小側に移動し、前記縮小側移動群の中の前記移動レンズ群は拡大側に移動し、
    前記縮小側移動群は、少なくとも2つの前記移動レンズ群を有し、
    広角端における前記第1結像光学系の焦点距離をf1w、
    広角端における全系の焦点距離をfw、
    望遠端における前記第1結像光学系の焦点距離をf1t、
    望遠端における全系の焦点距離をft、
    縮小側における有効像円半径をYmax
    前記縮小側移動群の中で最も縮小側の前記移動レンズ群の焦点距離をfBLとした場合、
    1.15<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<5 …(1)
    8<fBL/|fw|<40 …(4)
    で表される条件式(1)および(4)を満足する結像光学系。
  2. 全体として6つまたは7つのレンズ群からなり、
    全体の中で最も拡大側のレンズ群と最も縮小側のレンズ群は、変倍時に前記縮小側結像面に対して固定された正の屈折力を有するレンズ群である
    請求項1記載の結像光学系。
  3. 望遠端における前記縮小側移動群の横倍率をβBt、
    広角端における前記縮小側移動群の横倍率をβBwとした場合、
    1.3<βBt/βBw<3 …(2)
    で表される条件式(2)を満足する
    請求項1または2記載の結像光学系。
  4. 望遠端における前記拡大側移動群の横倍率をβAt、
    広角端における前記拡大側移動群の横倍率をβAwとした場合、
    0.8<βAt/βAw<1.2 …(3)
    で表される条件式(3)を満足する
    請求項1から3のいずれか1項記載の結像光学系。
  5. 全体の中で最も縮小側のレンズ群は、1枚の単レンズからなる
    請求項1からのいずれか1項記載の結像光学系。
  6. 前記第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、正の屈折力を有する第2Cレンズ群と、負の屈折力を有する第2Dレンズ群と、正の屈折力を有する第2Eレンズ群と、正の屈折力を有する第2Fレンズ群とからなり、
    変倍時に、前記第2Bレンズ群、前記第2Cレンズ群、前記第2Dレンズ群、および前記第2Eレンズ群は移動し、前記第2Fレンズ群は前記縮小側結像面に対して固定される
    請求項1からのいずれか1項記載の結像光学系。
  7. 前記第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、負の屈折力を有する第2Cレンズ群と、正の屈折力を有する第2Dレンズ群と、正の屈折力を有する第2Eレンズ群とからなり、
    変倍時に、前記第2Aレンズ群、前記第2Bレンズ群、前記第2Cレンズ群、および前記第2Dレンズ群は移動し、前記第2Eレンズ群は前記縮小側結像面に対して固定される
    請求項1からのいずれか1項記載の結像光学系。
  8. 前記第2結像光学系は、拡大側から順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と、正の屈折力を有する第2Bレンズ群と、正の屈折力を有する第2Cレンズ群と、正の屈折力を有する第2Dレンズ群とからなり、
    変倍時に、前記第2Aレンズ群、前記第2Bレンズ群、および前記第2Cレンズ群は移動し、前記第2Dレンズ群は前記縮小側結像面に対して固定される
    請求項1からのいずれか1項記載の結像光学系。
  9. 1.2<(f1w/|fw|−f1t/|ft|)×Ymax/|fw|<3.5 …(1−1)
    で表される条件式(1−1)を満足する
    請求項1記載の結像光学系。
  10. 1.35<βBt/βBw<2.5 …(2−1)
    で表される条件式(2−1)を満足する
    請求項記載の結像光学系。
  11. 0.85<βAt/βAw<1.15 …(3−1)
    で表される条件式(3−1)を満足する
    請求項記載の結像光学系。
  12. 10.5<fBL/|fw|<35 …(4−1)
    で表される条件式(4−1)を満足する
    請求項記載の結像光学系。
  13. 画像データに基づく光学像を出力するライトバルブと、
    請求項1から12のいずれか1項記載の結像光学系とを備え、
    前記結像光学系は、前記ライトバルブから出力された前記光学像をスクリーン上に投写する投写型表示装置。
  14. 請求項1から12のいずれか1項記載の結像光学系を備えた撮像装置。
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