JP2017010023A - 結像光学系、光学機器および画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような問題に対して、特許文献3にて開示された結像光学系では、屈折光学系の内部に中間実像を形成することで、最も拡大側共役面側に配置される凸面鏡を小径化している。
本発明は、屈折光学系と反射光学系(凸面鏡)を有する結像光学系であって、反射光学系を小径化するとともに諸収差を良好に補正できるようにした結像光学系およびこれ用いた光学機器等を提供する。
0.01≦│fL/fM│≦0.50
なる条件を満足することを特徴とする。
まず、後述する各実施例に共通する事項について説明する。各実施例の結像光学系は、拡大側共役面および縮小側共役面のうち一方の共役面上の像を他方の共役面に結像させる光学系であり、縮小側共役面から拡大側共役面に向かって順に配置された屈折光学系と反射光学系とにより構成されている。
中間結像位置を挟んで拡大側共役面側に配置された第1の部分屈折光学系と縮小側共役面側に配置された第2の部分屈折光学系とが収差補正を分担する。そして、この結像光学系のうち最も拡大側共役面側に凸面鏡を配置することで、第2の部分屈折光学系の収差補正に対する負担を軽減しつつ、さらに良好な収差補正を可能としている。このとき、凸面鏡のパワーを適切な範囲に設定することが主として軸外で発生する収差を良好に補正することにつながる。
0.01≦│fL/fM│≦0.50 (1)
なる条件を満足する。式(1)の条件は、全屈折光学系の内部に中間実像を形成する再結像型屈折光学系と凸面鏡とを組み合わせたときのこれら再結像型屈折光学系と凸面鏡の広角化に対する寄与率に関する条件である。fL/fMが式(1)の上限値を超えると、広角化に対する凸面鏡の負担が大きくなり過ぎ、凸面鏡で発生する大きな像面湾曲を全屈折光学系のレンズによって十分に補正できなかったり歪曲が大きく発生したりするので、好ましくない。また、fL/fMが式(1)の下限値を下回ると、収差補正に対する凸面鏡の負担が極端に少なくなり、凸面鏡が殆ど広角化に寄与しなくなるので、好ましくない。
0.02≦│fL/fM│≦0.25 (1)′
また、縮小側共役面上の像と中間実像との間の横倍率(第2の部分屈折光学系が縮小側共役面上の像を中間実像として結像させる際の倍率)をβとし、中間実像が縮小側共役面上の像より大きいときの横倍率βをβ<−1.0とする。このとき、βは、
−2.0≦β≦−0.5 (2)
なる条件を満足する。なお、中間実像が縮小側共役面上の像より縮小されるときのβは−1<β<0である。βが式(2)の範囲にあることで、良好な色収差補正を行うことができる。βが式(2)の下限値を下回ると、βの二乗で加算される縮小側共役面上での軸上色収差が大きくなるので、好ましくない。一方、βが式(2)の上限値を超えると、中間実像を形成する軸外主光線の高さが高くなり、この結果レンズ径が大きくなるので、好ましくない。
−1.5≦β≦−0.7 (2)′
この式(2)′の下限値を−1.30としてもよいし、上限値を−1.01としてもよい。
0.3≦│fl1/fl2│≦0.8 (3)
なる条件を満足するのが好ましい。式(3)の条件は、第1の部分屈折光学系と第2の部分屈折光学系と広角化の分担比に関する条件である。│fl1/fl2│が式(3)の範囲を逸脱すると、第1および第2の部分屈折光学系のいずれかの広角化に対する負担が大きくなり過ぎ、一方の部分屈折光学系で発生した歪曲収差を他方の部分屈折光学系で補正することができなくなる。この結果、良好な収差補正が行えなくなるので、好ましくない。また、一方の部分屈折光学系のパワーが強くなり過ぎて、この部分屈折光学系により球面収差を良好に補正することが困難となるので、好ましくない。
0.4≦│fl1/fl2│≦0.6 (3)′
また、各実施例では、全屈折光学系において、最も凸面鏡側(反射光学系側)に配置されたレンズから順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ…と呼ぶ。このとき、最も凸面鏡側に配置された第1レンズに非球面形状を与えることで、歪曲収差の発生を抑制することができる。また、中間実像に近いレンズに非球面形状かつ負のパワーを与えることで、歪曲収差の補正を行うことができる。さらに、最も縮小側共役面側に配置されたレンズに非球面形状を与えることでも、歪曲収差の発生を抑制することができる。
0.2≦ΦG1/ΦGmax≦2.0 (4)
なる条件を満足すると、倍率色収差を良好に補正することができるので、好ましい。ΦG1/ΦGmaxが式(4)の下限値を下回ると、全屈折光学系に対して第1レンズの有効径が極端に小さくなり、これにより軸外光線の各像高における光束がオーバーラップしてしまう。この結果、第1レンズに非球面を用いても、歪曲収差の補正が困難となるので好ましくない。また、ΦG1/ΦGmaxが式(4)の上限値を超えると、第1レンズを通るそれぞれの像高の光が互いに重ならなくなって軸外収差を良好に補正できるものの、第1レンズの有効径が大きくなるので、好ましくない。
0.5≦ΦG1/ΦGmax≦1.2 (4)′
さらに、各実施例では、凸面鏡と第1レンズとの間隔をDとし、結像光学系全系の全長(最も縮小側共役面側のレンズから最も凸面鏡側のレンズまでの距離)をTLとする。このとき、DとTLは、
0.01≦D/TL≦0.30 (5)
なる条件を満足することが好ましい。D/TLが式(5)の上限値を超えると、結像光学系全系の長さに対して凸面鏡と第1レンズとの間隔が広がり過ぎる。このことで、fM、fl1およびfl2を上記条件を満足するように設定した場合の凸面鏡の有効径を大きくしなければならなくなる。一方、D/TLが式(5)の下限値を下回ると、凸面鏡に入射した光に対して凸面鏡で大きな画角を与えつつ反射させることが必要となる。つまり、凸面鏡のパワーを強くしなければならず、これにより大きな軸外収差が発生するので、好ましくない。
0.05≦D/TL≦0.20 (5)′
その他、第1レンズと凸面鏡との間において、凸面鏡における最大反射角の光と最小反射角の光とが互いに交差しないようにすることが好ましい。これにより歪曲収差の発生を抑制することができる。
さらに、第8レンズG8と第9レンズG9の間に中間結像位置MMがあり、ここに中間実像が形成される。STOは絞りであり、Bはプリズム等の光学ブロックである。これらの符号の説明は、後述する他の実施例でも同じである。
なお、本実施例においては、絞りをレンズとは独立した部材として構成しているが、この限りではない。具体的には、レンズの保持部を絞りの代わりとして用いても構わない。例えば数値実施例1においては、レンズ面22(または21)のレンズ保持部あるいはレンズ面24(または25)のレンズ保持部が絞りを兼ねてもよい。
x=(y2 /R)/[1+{1−(1+K)(y2 /R2 )}1/2 ]+Ay4+By6+Cy8+Dy10+Ey12+Fy14 (A)
(表1)
(表2)
(表3)
表4には、本実施例における式(1)〜(5)中の値を示す。
(表4)
(表5)
(表6)
表7には、特許文献3の実施例1(比較例1とする)および実施例2(比較例2とする)に開示された投射光学系の諸数値と式(1)〜(5)中の値を示す。これら比較例1,2ではいずれも、式(1),(3)および(5)で示した条件が満足されておらず(表7に×でしめす)、式(2)および(4)で示した条件については不明である。
(表7)
L1 第1の部分屈折光学系
L2 第2の部分屈折光学系
M 凸面鏡
MM 中間結像位置
Claims (11)
- 拡大側共役面および縮小側共役面のうち一方の共役面上の像を他方の共役面に結像させる結像光学系であって、
前記縮小側共役面から前記拡大側共役面に向かって順に配置された屈折光学系と反射光学系とを有し、
前記屈折光学系は、該屈折光学系の内部における中間結像位置に中間実像を形成し、
前記反射光学系は、最も前記拡大側共役面の側に設けられた凸面鏡を備えており、
前記屈折光学系の焦点距離をfLとし、前記反射光学系の焦点距離をfMとするとき、
0.01≦│fL/fM│≦0.50
なる条件を満足することを特徴とする結像光学系。 - 前記反射光学系は前記凸面鏡から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
- 前記縮小側共役面上の像と前記中間実像との間の横倍率をβとし、前記中間実像が前記縮小側共役面上の像より大きいときの前記横倍率βをβ<−1.0とするとき、
−2.0≦β≦−0.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の結像光学系。 - 前記屈折光学系のうち前記反射光学系と前記中間結像位置との間に配置された第1の部分屈折光学系の焦点距離をfl1とし、前記中間結像位置と前記縮小側共役面との間に配置された第2の部分屈折光学系の焦点距離をfl2とするとき、
0.3≦│fl1/fl2│≦0.8
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の結像光学系。 - 前記屈折光学系のうち最も前記反射光学系側に配置されたレンズを第1レンズとするとき、
前記第1レンズが非球面形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の結像光学系。 - 前記第1レンズの有効径をΦG1とし、前記屈折光学系のうち前記第1レンズ以外で最も有効径が大きいレンズの有効径をΦGmaxとするとき、
0.2≦ΦG1/ΦGmax≦2.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項5に記載の結像光学系。 - 前記反射光学系と前記第1レンズとの間隔をDとし、該結像光学系の全長をTLとするとき、
0.01≦D/TL≦0.30
なる条件を満足することを特徴とする請求項5または6に記載の結像光学系。 - 前記第1レンズと前記反射光学系との間において、該反射光学系における最大反射角の光と最小反射角の光とが互いに交差しないことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の結像光学系。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の結像光学系を有することを特徴とする光学機器。
- 光を変調する光変調素子と、
該光変調素子からの光を被投射面に投射する請求項1から8のいずれか一項に記載の結像光学系とを有することを特徴とする画像投射装置。 - 撮像素子と、前記被投射面上の像を前記撮像素子上に形成する撮影光学系と、を備える撮像装置をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の画像投射装置。
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