JP4352289B2 - ズームレンズおよび画像変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的に応じて複数の交換用レンズを選択的に装着可能なズームレンズ、および、フィルムに記録された画像等を映像信号等に画像変換するための画像変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
映画フィルムに記録された映像には、記録前の元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるような状態で記録されたものと、記録前の元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一となるような状態で記録されたものとがある。例えば、光学的に縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるアナモフィック(anamorphic)レンズを用いて映画撮影を行ったような場合には、一般的に、映画フィルムに映像が横方向に圧縮されて記録されることになる。
【0003】
一方、映画フィルムに記録された映像を、別のフィルムヘの転写やテレビ用の映像に適したものに画像変換するような変換装置がある。例えば、アナモフィックレンズを用いて撮影されたフィルム映像を、撮影時とは逆方向の縦横比率を有するアナモフィックレンズにより、正規の縦横比率の映像に戻し、別のフィルムヘの転写やテレビ用の映像に適したものに変換する変換装置がある。このような変換装置は、例えば、映画フィルムに記録された映像をカメラで撮影して映像信号に変換するようなテレシネ装置等に利用されている。
【0004】
従来、このような変換装置としては、光学系の途中で一旦空中像(中間像)を結んだ後、この空中像をリレーして最終的な像を得る中間像方式のものが多く使用されている。このような中間像方式では、瞳整合のために中間像の付近にフィールドレンズが設置される。また、中間像方式の他にも、中間像を用いずに被写体から直接的に像を結像する直接結像方式がある。この直接結像方式では、例えば、物体側から順に、被写体の縦横比率を変換するアナモフィック・コンバータレンズと、撮影倍率変更時に鏡胴内でレンズ群を光軸方向に移動できる構造を備えた単焦点レンズとが配置されて構成された光学装置が用いられている。このアナモフィック・コンバータレンズと、単焦点レンズとを組み合わせた構成の光学装置は、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるような状態で記録された映画フィルムのフォーマットに対応できるほか、アナモフィック・コンバータレンズ部分を、全ての面が光軸に対して回転対称な形状を有したレンズに交換することで、縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一の状態で記録された映画フィルムのフォーマットにも対応可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空中像を用いる中間像方式の場合には、被写体と結像面との間の距離が大きくなり、装置全体が大きくなるという問題がある。また、中間像方式では、瞳整合のために中間像部に設置されるフィールドレンズが像面湾曲を発生しやすく、結像した像の周辺部の解像度が中心部に劣る傾向もある。
【0006】
一方、中間像を用いない直接結像方式では、以下で説明するように、ピント調整が困難であるという問題がある。テレシネ装置等において、縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一の状態で映像を記録した映画フィルムを用いた画像変換を行う場合、被写体(映画フィルム)とカメラとの距離が、被写体を撮影する際の像倍率により決定されるため、結像倍率を変更するときには、カメラまたは被写体を光軸方向に移動させる必要がある。一方、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なる状態で映像を記録した映画フィルムを用いた画像変換を行う場合において、結像倍率を変更するときには、カメラを光軸方向に移動して、被写体とカメラとの距離を調整すると共に、被写体とアナモフィック・コンバータレンズとの距離を一定の値に設定する必要がある。このとき、映像のピントを合わせるためには、カメラで被写体の映像を見ながら、単焦点レンズの光軸方向の位置調整、および、被写体とアナモフィックレンズとの距離調整の双方を行う必要がある。
【0007】
従って、直接結像方式では、ピントが合わない場合、単焦点レンズの光軸方向の位置調整、または、被写体とアナモフィックレンズとの距離調整のどちらの調整に起因するのかを判断することが難しく、再調整を繰り返す必要がある。実際のテレシネ装置等の運用においては、被写体の撮影範囲を任意に変更する場合、つまり、結像倍率を変更する場合が多く、前述の煩雑な調整作業をさらに繰り返す必要がある。
【0008】
また、直接結像方式では、カメラまたは被写体を移動させるための機構を設ける必要があるため、装置が複雑化しコストの上昇を招くほか、移動に伴ってカメラおよび被写体に振動が生ずる場合が多くなるという問題もある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる利用目的に対応して良好な結像性能を得ることができると共に、テレシネ装置等に適用して良好に画像変換を行うことが可能なズームレンズおよび画像変換装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるズームレンズは、光軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとを、第1および第2の交換用レンズの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着可能であると共に、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系を備えたものである。
【0011】
ここで、変倍光学系は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、負の屈折力を有する第2のレンズ群と、正の屈折力を有する第3のレンズ群と、正の屈折力を有する第4のレンズ群とが配置されて構成されると共に、第2のレンズ群および第3のレンズ群が光軸に沿って移動することにより、変倍作用をもたらすように構成されていることが望ましい。
【0012】
また、本発明による画像変換装置は、光学的に提供された画像を、変換光学系を介して光学的に画像変換を行う画像変換装置であって、変換光学系が、光軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとを、第1および第2の交換用レンズの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着可能であると共に、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系を備えるようにしたものである。
本発明のズームレンズまたは画像変換装置において、第1の交換用レンズは、第1の光学系と、第1の光学系の物体側に配置されると共に、接写に適した光学性能を有する接写用の第2の光学系とで構成され、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるような所定のフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものである。第2の交換用レンズは、所定のフォーマットとは異なるフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものである
【0013】
本発明によるズームレンズおよび画像変換装置では、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系に、光軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとが、利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図3および図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る画像変換装置としてのテレシネ装置の全体構成について説明する。これらの図において、図3は、テレシネ装置の全体構成を示し、図4は、図3における映像再生部20の詳細な構成を示している。これらの図に示したように、テレシネ装置1は、映像および音声が記録された映画フィルム2を供給する供給リール11と、この供給リール11から供給された映画フィルム2を巻き取る巻取リール19と、供給リール11と巻取リール19との間に配置されると共に、映画フィルム2に記録された映像を再生する映像再生部20とを備えている。映画フィルム2は、図示しないが、幅方向の両端部に、走行同期を取るためのパーフォレーションと呼ばれる送り穴が、所定間隔毎に順次設けられている。この映画フィルム2の幅方向の両端部に設けられた2つのパーフォレーションの列の間には映像を光学的に記録した映像記録領域が設けられている。また、映画フィルム2の幅方向の少なくとも1つの端部には、デジタル音声を光学的に記録したデジタル音声記録領域とアナログ音声を光学的に記録したアナログ音声記録領域とが設けられている。
【0016】
供給リール11と映像再生部20との間には、映画フィルム2を走行させるためのローラ12,13、スプロケット14およびスプロケットシュー15が配置されている。供給リール11と映像再生部20との間には、更に、映画フィルム2に記録されたデジタル音声を再生するデジタル音声再生部50が配置されている。映像再生部20と巻取リール19との間には、映画フィルム2を走行させるためのスプロケット16およびローラ17,18が配置されている。映像再生部20と巻取リール19との間には、更に、映画フィルム2に記録されたアナログ音声を再生するアナログ音声再生部60が配置されている。
【0017】
デジタル音声再生部50は、映画フィルム2のデジタル音声記録領域に光を照射する光源51と、映画フィルム2を透過した光を受光するデジタル音声センサ52とを有している。デジタル音声センサ52は、受光した透過光によって得られた映画フィルム2のデジタル音声記録領域におけるデジタルパターン像に応じた信号電圧を送出するようになっている。アナログ音声再生部60は、映画フィルム2にアナログ音声記録領域を避けるように接触するドラム61と、映画フィルム2のアナログ音声記録領域に光を照射する光源62と、光源62から照射されると共に、映画フィルム2を透過した光を受光するアナログ音声センサ63とを有している。アナログ音声センサ63は、図示しない光電変換素子を有し、受光した透過光の光量に応じたレベルの信号を送出するようになっている。
【0018】
映像再生部20は、ローラ12,13、スプロケット14およびスプロケットシュー15を介して供給リール11から供給される映画フィルム2を、ゲート部21および間欠送り部22を介して巻取リール19側に順次送り出すようになっている。ゲート部21は、ピクチャゲート21Aおよびプレッシャプレート21B間において映画フィルム2を挟み込むような構成となっている。ピクチャゲート21Aの映画フィルム2との対向面にはスチールバンド31(図4)が設けられている。プレッシャプレート21Bの映画フィルム2との対向面には対向面が湾曲した形状のガイドシュー32(図4)が設けられている。ピクチャゲート21Aおよびプレッシャプレート21Bには、図示しないピクチャアパーチャが設けられている。
【0019】
ゲート部21は、映画フィルム2の幅方向および長手方向の位置振れ量を検出することが可能となっている。この位置振れ量の検出は、例えば、映画フィルム2の幅方向の両端部に設けられたパーフォレーションの幅方向および長手方向の映画フィルム2の停止位置からの位置振れ量を、ピクチャアパーチャを基準として検出することにより可能となる。また、ゲート部21は、図4に示したように、映画フィルム2が間欠送りされているときに、映画フィルム2の長手方向の位置振れ量を検出した後に、差分検出部33を介して得られる長手方向の位置振れ量に対応した検出信号S1を主制御部34および後述の光軸制御部40の駆動制御部42に送出するようになっている。また、これと同様に、ゲート部21は、映画フィルム2の幅方向の位置振れ量を検出した後に、差分検出部33を介して得られる幅方向の位置振れ量に対応した検出信号S2を主制御部34および後述の光軸制御部40の駆動制御部42に送出するようになっている。
【0020】
間欠送り部22は、間欠送り用の間欠送りスプロケット22Aおよびスプロケットシュー22B間において映画フィルム2を挟み込むような構成となっている。この間欠送り部22において、間欠送りスプロケット22Aは、サーボモータ23(図4)の駆動制御に基づいて、所定のタイミングで所定角度ずつ順次回転し、これにより、映画フィルム2の各画像記録領域がゲート部21に瞬間的に(例えば、24回/秒の割合で)順次停止するように映画フィルム2を間欠送りするようになっている。
【0021】
映像再生部20は、更に、ゲート部21に停止した映画フィルム2に向けて投影用の光L1を投射するためのランプハウス部24と、ランプハウス部24からの投射光によって形成された映画フィルム2の投影像を撮影する撮影カメラ25と、ランプハウス部24から投射された投影用の光L1の光軸を補正する光軸制御部40(図4)とを備えている。
【0022】
ランプハウス部24は、図4に示したように、投影用の光L1を発する光源24Aと、映画フィルム2の間欠送り動作に連動して開閉するシャッタ24Bと、このシャッタ24Bの駆動を行うモータ24Cとを有している。撮影カメラ25は、図4に示したように、内部に撮像素子28およびカメラ部29が設けられたカメラ本体26と、このカメラ本体26の先端部に取り付けられ、本実施の形態に係るズームレンズを内蔵したレンズ部27とを有している。撮像素子28は、例えばCCD(電荷結合素子)からなるものであり、レンズ部27を介して撮像面に映画フィルム2に記録された映像の光学的な像が結像されると共に、結像された光学像に応じた撮像信号を出力するようになっている。カメラ部29は、撮像素子28からの撮像信号を映像信号TELに変換して出力する。なお、カメラ部29は、主制御部34からの同期制御信号S7に基づいて、間欠送り部22のサーボモータ23およびランプハウス部24のモータ24Cの回転駆動に同期した所定のタイミングで、撮像素子28に結像した映画フィルム2の記録映像を所定フィールドずつ走査するようになっている。
【0023】
光軸制御部40は、撮影カメラ25とゲート部21との間に配置されると共に、実質的に投影用の光L1の光軸を補正する光軸補正部41と、ゲート部21によって検出された映画フィルム2の位置振れ量に基づいて光軸補正部41を制御する駆動制御部42とを有している。
【0024】
駆動制御部42には、映画フィルム2がゲート部21に停止していない走行状態にあるときに、主制御部34から補正制御信号S3,S4が出力される。駆動制御部42は、図示しない2つのドライブ部を有し、主制御部34からの補正制御信号S3,S4に基づいて、差分検出部33からの検出信号S1,S2を補正制御信号S3,S4に同期させ、各ドライブ部に供給することにより、各ドライブ部を介して光軸補正部41を制御する。
【0025】
光軸補正部41は、図5に示したように、光学的に透明な第1の平板130および第2の平板131を有している。これらの平板130,131は、例えば、同一の屈折率を有するガラス部材によって形成されている。
【0026】
第1の平板130には、両側端部にそれぞれモータ70の出力軸を同軸とする軸棒132,133が一体化して取り付けられている。第1の平板130は、軸棒132,133を回動軸として図中矢印cで示す方向またはこれとは逆方向に回動可能になっている。また、軸棒132はモータ70の出力軸と連結されている。
【0027】
第2の平板131には、両側端部にそれぞれモータ72の出力軸を同軸とする軸棒134,135が一体化して取り付けられている。第2の平板131は、軸棒134,135を回動軸として図中矢印bで示す方向またはこれとは逆方向に回動可能になっている。また、軸棒134はモータ72の出力軸と連結されている。
【0028】
モータ70,72の出力軸は、互いに垂直な位置関係となるように配置されている。モータ70には角度センサ63が設けられており、軸棒132の回転角に基づいて第1の平板130の回転量を検出し、光源24Aからの投影用の光L1の光軸のY方向での補正量を検出可能になっている。また、モータ72には、角度センサ65が設けられており、軸棒134の回転角に基づいて第2の平板131の回転量を検出し、光源24Aからの投影用の光L1の光軸のX方向での補正量を検出可能になっている。
【0029】
図6は、図5に示した光軸補正部41の構成要素のうち、第1の平板130の一断面を表すものである。尚、この断面は、投影用の光L1の光軸とモータ72の出力軸とを含む平面で切った断面を示すものである。第1の平板130がモータ70,72の出力軸を含む平面と平行になるような位置関係にあるときには、入射側の光軸AX1と出射側の光軸AX2は共に一致する。次に、第1の平板130を軸棒132および133を中心として矢印cで示す方向またはこれとは逆方向に回転移動させて角度θだけ傾けた場合には、出射側の光軸AX2は入射側の光軸AX1に対して距離Sだけ平行移動することとなる。
【0030】
なお、第2の平板131を投影用の光L1の光軸とモータ70の出力軸とを含む平面で切った断面内においても上記と同様である。
【0031】
以上のようにして、光軸補正部41によりランプハウス24内の光源24Aから投射された投影光の光軸補正がX,Yの2軸方向で行われ、その結果、光軸に対して任意の方向への平行移動補正がなされる。これにより、ゲート部21において映画フィルム2の位置振れが生じたとしても撮影カメラ25に到達する投影像は振れが補正される。
【0032】
このような構成のテレシネ装置1では、供給リール11から映画フィルム2がローラ12,13、スプロケット14およびスプロケットシュー15を介して映像再生部20に供給されると共に、供給された映画フィルム2がスプロケット16およびローラ17,18を介して巻取リール19に巻き取られる。映像再生部20に配置された間欠送り部22の間欠送りスプロケット22Aは、所定のタイミングで所定角度ずつ順次回転し、これにより、映画フィルム2の各画像記録領域がゲート部21に瞬間的に順次停止するように映画フィルム2が間欠送りされる。
【0033】
映画フィルム2に記録されたデジタル音声は、供給リール11と映像再生部20の間に配置されたデジタル音声再生部50において再生される。また、映画フィルム2に記録されたアナログ音声は、映像再生部20と巻取リール19との間に配置されたアナログ音声再生部60において再生される。映画フィルム2に記録された映像は、映像再生部20において再生される。映像再生部20では、ゲート部21の所定位置において映画フィルム2の映像記録領域が停止したときに、映画フィルム2の映像記録領域にランプハウス24からの光が投射される。フィルム2の映像記録領域を透過した投影光は、レンズ部27を介して撮影カメラ25の撮像素子28の撮像面上に結像する。このとき、ゲート部21に停止した映画フィルム2に位置振れがあったとしても、レンズ部27とゲート部21との間に配置された光軸補正部41によって、その位置振れの影響が除去されるようにレンズ部27に入射する投影光の光軸が補正される。撮像素子28は、撮像面に結像された光学像に応じた撮像信号を出力する。撮影カメラ25のカメラ部29は、撮像素子28からの撮像信号を映像信号TELに変換して出力する。
【0034】
なお、映画フィルム2に記録された映像には、記録前の元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なる状態で記録されたものと、記録前の元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一の状態で記録されたものとがある。本実施の形態におけるレンズ部27は、後述するように、利用目的の異なる2つの着脱可能な交換用レンズGα,Gβを選択的に装着可能なレンズ構成となっており、これにより、上述の異なる2つのフォーマットの映画フィルム2に対応可能となっている。
【0035】
次に、レンズ部27に適用される本実施の形態に係る変換光学系としてのズームレンズの構成および作用について詳細に説明する。
【0036】
図1および図2は、レンズ部27のレンズ構成の一例を示すものである。なお、図1に示したレンズ構成は、記録された映像が元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるフォーマットの映画フィルム2に対して使用されるものであり、図2に示したレンズ構成は、記録された映像が縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一のフォーマットの映画フィルム2に対して使用されるものである。また、図1において、(A),(B)は、互いに直交する面内におけるレンズの断面構造を示しており、(A)が映画フィルム2の縦方向の断面に対応する。なお、以下の説明において、(A)の断面方向を水平方向、(B)の断面方向を垂直方向ということにする。
【0037】
図1および図2に示したように、レンズ部27は、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系GMを備え、この変倍光学系GMの物体側に第1の交換用レンズGα(図1)または第2の交換用レンズGβ(図2)を選択的に装着可能となっている。なお、交換用レンズGα,Gβと変倍光学系GMとの取り付けは、図示しないマウント部材を介して行われる。このとき、特に、第1の交換用レンズGαの取り付けは、後述するようにアナモフィックコンバータ光学系を有しているため、アナモフィックコンバータ光学系と映画フィルム2とにおける水平方向と垂直方向との位置関係が、適切な関係となるように位置合わせして取り付けが行われる。
【0038】
まず、図1に示したレンズ構成について説明する。同図に示したように、交換用レンズGαは、物体側に配置されると共に、接写に適した光学性能を有するいわゆるマクロ光学系を形成したマクロレンズ群Gα−1と、このマクロレンズ群Gα−1よりも像側に配置されると共に、光軸Oを含んで互いに直交する面内における光学的な倍率がそれぞれ異なるいわゆるアナモフィックコンバータ光学系を形成したアナモフィックコンバータレンズ群Gα−2とを有している。同図に示したレンズ構成では、変倍光学系GMに、マクロ光学系を有する交換用レンズGαが装着されることにより、全体として、いわゆるマクロズームレンズが形成されている。なお、マクロレンズ群Gα−1が、本発明における「第2の光学系」の一具体例に対応し、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2が、本発明における「第1の光学系」の一具体例に対応する。
【0039】
マクロレンズ群Gα−1は、全体として正の屈折力を有し、両凸レンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、両凸レンズL3とが物体側より順に配置されて構成されている。
【0040】
アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2は、少なくとも1つの貼り合わせ面を有している。同図に示したレンズ構成では、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2は、マクロレンズ群Gα−1と変倍光学系GMの第1レンズ群GM−1との間に位置している。このアナモフィックコンバータレンズ群Gα−2は、全体として、水平方向に屈折力を有し、垂直方向に屈折力を有さないシリンドリカル構成となっており、水平方向において全体的に負の屈折力を有する前側レンズ群(以下、前群という。)GFと水平方向において全体的に正の屈折力を有する後側レンズ群(以下、後群という。)GRとを備えている。前群GFは、水平方向において物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL4と水平方向において両凹形状のレンズL5とからなる接合レンズによって構成されている。後群GRは、水平方向において両凸形状のレンズL6と水平方向において物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL7とからなる接合レンズによって構成されている。
【0041】
変倍光学系GMは、全ての面が光軸Oに対して回転対称な形状となっており、正の屈折力を有する第1レンズ群GM−1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GM−2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GM−3と、正の屈折力を有する第4レンズ群GM−4とを備えている。変倍光学系GMの第1レンズ群GM−1〜第4レンズ群GM−4は、広角端から望遠端への変倍に際して、第2レンズ群GM−2および第3レンズ群GM−3が光軸Oに沿って移動し、変倍作用をもたらすようになっている。なお、第1レンズ群GM−1および第4レンズ群GM−4は、変倍に際して、移動せず固定されている。
【0042】
変倍光学系GMの第1レンズ群GM−1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8および凸レンズL9からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL10とが物体側より順番に配置されて構成されている。第2レンズ群GM−2は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズレンズL11および両凹レンズL12からなる接合レンズと、両凹レンズL13および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14からなる接合レンズと、両凹レンズL15とが物体側より順番に配置されて構成されている。第3レンズ群GM−3は、両凸レンズL16と、両凸レンズL17および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18からなる接合レンズとが物体側より順番に配置されて構成されている。第4レンズ群GM−4は、両凸レンズL19と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL20と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL21と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と、両凹レンズL23および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL24からなる接合レンズと、両凸レンズL25とが物体側より順番に配置されて構成されている。
【0043】
図7および図8は、図1に示したレンズ構成におけるズームレンズの諸元値を示すものである。これらの図において、fは焦点距離を、Bfはバックフォーカスを表している。面番号は、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を示している。屈折率およびアッベ数は、それぞれd線(波長λ=587.6nm)に対する値を示している。曲率半径、面間隔、焦点距離fおよびバックフォーカスBfの値の単位はミリメートル(mm)である。なお、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の各レンズ面の曲率半径は、水平方向における値のみを示している。アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の垂直方向における各レンズ面の曲率半径は無限大∞(平面)である。
【0044】
ここで、図1に示したレンズ構成のズームレンズにおいては、広角端から望遠端への変倍に際して、第2レンズ群GM−2および第3レンズ群GM−3が光軸Oに沿って移動するため、面番号19と面番号20との間の面間隔d19,面番号27と面番号28との間の面間隔d27,面番号32と面番号33との間の面間隔d32が、変倍動作に応じて変化する。図8では、これらの面間隔d19,d27,d32として、広角端(最短焦点距離状態)、望遠端(最長焦点距離状態)および中間焦点距離状態における値を、水平方向((A))および垂直方向((B))のそれぞれについて示している。また、図8では、各焦点距離状態におけるFナンバー(FNo)も同時に示している。なお、図1に示した構成のズームレンズでは、水平方向においては、図8に示したように、最短焦点距離が63.9mm、最長焦点拒離が125.7mmである。また、図1に示した構成のズームレンズでは、垂直方向においては、最短焦点距離が46.8mm、最長焦点拒離が89.3mmである。
【0045】
なお、物体面とレンズの最も物体側の面との間、すなわち、物体面とマクロレンズ群Gα−1との間には、光軸補正部41の平板130,131(図5)や各種フィルタ等の平行平面板が配置されている(図7においては面番号1,2に相当する。)。また、レンズの最も像側の面と像面との間、すなわち、第4レンズ群GM−4と像面との間にも、各種フィルタや色分解プリズム等の平行平面板が配置されている。図1に示した構成のズームレンズでは、これらの平行平面板を含めて収差補正されているため、図では、これらの平行平面板の諸元値も併せて示している。なお、図1では、第4レンズ群GM−4と像面との間に配置された平行平面板L26,L27のみを示し、マクロレンズ群Gα−1の前に配置される平行平面板については図示を省略している。
【0046】
ここで、図1に示した構成のズームレンズにおいては、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の横倍率をβ、角倍率をγ、前側レンズ群GFの最も物体に近い面(面番号9)と後側レンズ群GRの最も物体から遠い面(面番号14)との距離をLとすると、以下の条件式(1),(2)が満たされるように構成されている。すなわち、本実施の形態においては、β=2.016,L=77,γ=0.501であり、0.98γ=0.491,1.02γ=0.511,1/β=0.496であるから、条件式(1)を満足している。また、Lβ=38.192であるから、条件式(2)を満足している。これらの条件式(1),(2)を満たすことによる光学的な作用については、後に詳述する。
【0047】
0.98γ<1/β<1.02γ …(1)
20<Lβ<40 …(2)
【0048】
図9ないし図12は、図1に示した構成のズームレンズの諸収差を示す図であり、これらの図において、(A)は広角端における諸収差を、(B)は中間焦点距離状態における諸収差を、(C)は望遠端における諸収差をそれぞれ示している。図9および図10は、水平方向における諸収差を示す図であり、図9は、球面収差を示し、図10は、非点収差および歪曲収差を示している。また、図11および図12は、垂直方向における諸収差を示す図であり、図11は、球面収差を示し、図12は、非点収差および歪曲収差を示している。
【0049】
また、これらの各収差図において、Yは像高を、dはd線(波長λ=587.6nm)を、FはF線(波長λ=486.1nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図においてSはサジタル像面を、Tはタンジェンシャル像面を示している。各収差図から明らかなように、図1に示したレンズ構成のズームレンズは、水平方向および垂直方向の両方向において、各焦点距離状態に対して諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0050】
次に、図1に示した構成のズームレンズの光学的な性能について詳細に考察する。
【0051】
例えば、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2を、マクロ光学系を構成するマクロレンズ群Gα−1の物体側に配置したとすると、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2においてもフォーカス機構が必要となり、装置が複雑化するとともに、フォーカス操作が困難になる。また、変倍光学系GMの最も像側の第4レンズ群GM−4の像側にアナモフィックコンバータレンズ群Gα−2を配置したとすると、バックフォーカスの間隔が小さくなりすぎる。また、このときバックフォーカスを伸ばそうとすると装置の大型化につながる。従って、本実施の形態においては、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2を、マクロレンズ群Gα−1と変倍光学系GMの最も物体側の第1レンズ群GM−1との間の光路中に配置することにより、フォーカス調整および映像を部分的に削除するようなトリミングの操作性の向上を図ると共に、レンズ性能の高性能化を図っている。
【0052】
また、図1に示したレンズ構成では、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2を、物体側より順に、所定面内(光軸Oを含む水平方向面内)において負の屈折力を有する前群GFと所定面内において正の屈折力を有する後群GRとで構成し、且つ少なくとも1つの貼り合わせ面を有するように構成している。これにより、収差を良好に補正し、小型軽量化および構成の簡素化が図られている。貼り合わせ面を有することによる効果は、例えば、色収差の改善が挙げられる。
【0053】
上述の条件式(1)は、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の横倍率βと角倍率γの関係を規定している。横倍率βと角倍率γが条件式(1)の条件を満たすことで、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2が、光軸Oを含む所定面内および光軸Oを含んで所定面に直交する直交面内の双方において、ほぼアフォーカル系となる。これにより、マクロレンズ群Gα−1、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2および変倍光学系GMの各々において、それぞれ、マクロ光学系、アナモフィック光学系および変倍光学系としての役割を明確に持たせることができ、良好な結像性能を得ることが可能となる。
【0054】
また、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2により所定画面方向において画面が圧縮されるが、横倍率βの値により圧縮の度合いが規定される。上述の条件式(2)は、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の横倍率βと光学系全体の適切なレンズ長との関係を規定している。条件式(2)の下限値を下回ると、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の屈折力をさらに大きくし、レンズ長を短くしなければならない。その結果、諸収差が増大し、良好な収差補正が困難となってしまう。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2により所定画面内方向において画面が所定の寸法に圧縮されなくなったり、レンズ長が大きくなってしまう。図1に示したレンズ構成では、条件式(2)の条件を満足しているため、これらの問題が改善されている。
【0055】
次に、図2に示したレンズ構成について説明する。なお、同図に示したレンズ構成は、図1に示したレンズ構成に対して、変倍光学系GMの物体側に装着された第1の交換用レンズGαに代えて、第2の交換用レンズGβを装着したものであるため、図1における構成要素と同一の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0056】
交換用レンズGβは、記録された映像が縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一のフォーマットの映画フィルム2に対して使用されるものであり、全ての面が光軸Oに対して回転対称な形状を有し、全体として正の屈折力を有したマクロ光学系を形成している。図2に示したレンズ構成では、変倍光学系GMに、マクロ光学系を形成する交換用レンズGβが装着されることにより、全体として、いわゆるマクロズームレンズが形成されている。
【0057】
交換用レンズGβは、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズLβ1と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズLβ2と、両凸レンズLβ3と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズLβ4とが物体側より順に配置されて構成されている。
【0058】
図13および図14は、図2に示したレンズ構成におけるズームレンズの諸元値を示すものである。これらの図において、fは焦点距離を、Bfはバックフォーカスを表している。面番号は、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を示している。屈折率およびアッベ数は、それぞれd線(波長λ=587.6nm)に対する値を示している。曲率半径、面間隔、焦点距離fおよびバックフォーカスBfの値の単位はミリメートル(mm)である。
【0059】
ここで、図2に示したレンズ構成のズームレンズにおいては、広角端から望遠端への変倍に際して、第2レンズ群GM−2および第3レンズ群GM−3が光軸Oに沿って移動するため、面番号15と面番号16との間の面間隔d15,面番号23と面番号24との間の面間隔d23,面番号28と面番号29との間の面間隔d28が、変倍動作に応じて変化する。なお、面間隔d15,d23,d28は、それぞれ図1に示したレンズ構成における面間隔d19,d27,d32に対応する。図14では、これらの面間隔d15,d23,d28として、広角端(最短焦点距離状態)、望遠端(最長焦点拒離状態)および中間焦点距離状態における値をそれぞれ示している。また、図14では、各焦点距離状態におけるFナンバー(FNo)も同時に示している。なお、図2に示した構成のズームレンズでは、図14に示したように、最短焦点距離が76.0mm、最長焦点拒離が162.4mmである。
【0060】
なお、物体面とレンズの最も物体側の面との間、すなわち、物体面と交換用レンズGβとの間には、光軸補正部41の平板130,131(図5)や各種フィルタ等の平行平面板が配置されている(図13においては面番号1,2に相当する。)。また、レンズの最も像側の面と像面との間、すなわち、変倍光学系GMの第4レンズ群GM−4と像面との間にも、各種フィルタや色分解プリズム等の平行平面板が配置されている。図2に示した構成のズームレンズでは、これらの平行平面板を含めて収差補正されているため、図では、これらの平行平面板の諸元値も併せて示している。なお、図2では、第4レンズ群GM−4と像面との間に配置された平行平面板L26,L27のみを示し、交換用レンズGβの前に配置される平行平面板については図示を省略している。
【0061】
図15および図16は、図2に示した構成のズームレンズの諸収差を示す図であり、これらの図において、(A)は広角端における諸収差を、(B)は中間焦点距離状態における諸収差を、(C)は望遠端における諸収差をそれぞれ示している。また、図15は、球面収差を示し、図16は、非点収差および歪曲収差を示している。
【0062】
また、これらの各収差図において、Yは像高を、dはd線(波長λ=587.6nm)を、FはF線(波長λ=486.1nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図においてSはサジタル像面を、Tはタンジェンシャル像面を示している。各収差図から明らかなように、図2に示したレンズ構成のズームレンズは、図1に示した構成のズームレンズと同様に、各焦点距離状態に対して諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態に係るズームレンズによれば、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系GMに、異なるフィルムフォーマットに利用される異なる2つの着脱可能な交換用レンズGα,Gβを、それぞれの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着できるようにしたので、異なる交換用レンズGα,Gβを装着した状態でも双方において光学性能を劣化させることなく、異なるフィルムフォーマットの映画フィルム2に柔軟に対応して良好な結像性能を得ることが可能であり、テレシネ装置2の光学系に好適に利用することがきる。
【0064】
また、本実施の形態に係るズームレンズによれば、交換用レンズGα,Gβの像側に変倍光学系GMを配置しているので、従来、結像倍率を変更するときに行っていたピント調整に係る煩雑な調整作業、例えば、倍率変更のために撮影用のカメラを光軸方向に移動させるような調整作業を繰り返し行う必要がなく、変倍光学系GMの第2レンズ群GM−2および第3レンズ群GM−3を光軸Oに沿って所定量移動させるのみで、光学系の変倍を行うことができ、良好に映像に対する任意のトリミング等を行うことができる。更に、本実施の形態に係るズームレンズによれば、記録された映像が元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるフォーマットの映画フィルムに対応した交換用レンズGαを装着した場合のレンズ構成が、マクロ光学系、アナモフィック光学系および変倍光学系としての役割分担が各光学系で明確になされた構成となっており、各光学系毎の諸収差を補正し易いため、レンズ系全体で良好な結像性能を得ることができる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態においては、変倍光学系GMに2つの交換用レンズGα,Gβを装着した例について説明したが、変倍光学系GMに交換用レンズGα,Gβ以外の他の構成の交換用レンズを装着するようにしてもよい。例えば、上記実施の形態においては、交換用レンズの一例として、水平方向において屈折力を有し、且つ垂直方向において屈折力を有しないシリンドリカル構成のアナモフィックコンバータレンズ群Gα−2を有した交換用レンズGαについての例を挙げたが、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の部分を、垂直方向においても水平方向と異なる屈折力を有するトーリック構成の光学系にした交換用レンズを用いることも可能である。また、アナモフィックコンバータレンズ群Gα−2の部分を、互いに直交する方向以外の光軸を含んだ互いに異なる2つの面内において、光学的な倍率がそれぞれ異なるような光学系にすることも可能である。
【0066】
また、本発明のズームレンズは、テレシネ装置に限らず、光学的に提供された画像が、その画像内の互いに異なる2つの方向において異なる倍率で画像変換されるよう、変換光学系を介して光学的に画像変換を行う画像変換装置に広く適用することが可能である。例えば、電子的な映像をフィルムに転写するような装置の光学系や、フィルムに記録された映像を更に別のフィルムに転写するような装置の光学系等にも適用することが可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のズームレンズまたは画像変換装置によれば、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系に、光軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとを、第1および第2の交換用レンズの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着可能にしたので、異なる利用目的に対応して良好な結像性能を得ることができると共に、例えば、記録された映像が元映像に対して縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるフォーマットの映画フィルム等を画像変換するテレシネ装置等に適用して良好に画像変換を行うことが可能であるという効果を奏する。
【0068】
特に、請求項2記載のズームレンズによれば、変倍光学系が、交換用レンズとして、全体として正の屈折力を有すると共に、全ての面が光軸に対して回転対称な形状を有する第2の交換用レンズを装着可能となっているので、例えば、記録された映像が縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一のフォーマットの映画フィルム等を画像変換するテレシネ装置等に対応可能となるという効果を奏する。
【0069】
更に、請求項3記載のズームレンズによれば、変倍光学系を、物体側より順に、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、負の屈折力を有する第2のレンズ群と、正の屈折力を有する第3のレンズ群と、正の屈折力を有する第4のレンズ群とを配置して構成すると共に、第2のレンズ群および第3のレンズ群が光軸に沿って移動することにより、変倍作用をもたらすように構成したので、従来のように、倍率変更のために光学系全体を光軸方向に沿って移動させる必要がなく、第2のレンズ群および第3のレンズ群のみを移動させるだけで容易に変倍作用をもたらすことができるので、装置の複雑化やフォーカス操作の困難性の改善を行うことができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るズームレンズの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るズームレンズの他の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る画像変換装置としてのテレシネ装置の全体構成を示す構成図である。
【図4】図3に示したテレシネ装置における映像再生部の詳細な構成を示す構成図である。
【図5】図4に示した映像再生部における光軸補正部の詳細な構成を示す構成図である。
【図6】図5に示した光軸補正部の光学的な作用を説明するための説明図である。
【図7】図1に示したズームレンズの光学的な諸元値を示す説明図である。
【図8】図1に示したズームレンズの変倍に係る光学的な諸元値を示す説明図である。
【図9】図1に示したズームレンズの水平方向の球面収差を示す収差図である。
【図10】図1に示したズームレンズの水平方向の非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図11】図1に示したズームレンズの垂直方向の球面収差を示す収差図である。
【図12】図1に示したズームレンズの垂直方向の非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図13】図2に示したズームレンズの光学的な諸元値を示す説明図である。
【図14】図2に示したズームレンズの変倍に係る光学的な諸元値を示す説明図である。
【図15】図2に示したズームレンズの球面収差を示す収差図である。
【図16】図2に示したズームレンズの非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【符号の説明】
Gα,Gβ…交換用レンズ、Gα−1…マクロレンズ群、Gα−2…アナモフィックコンバータレンズ群、GM…変倍光学系、GM−1…第1レンズ群、GM−2…第2レンズ群、GM−3…第3レンズ群、GM−4…第4レンズ群、1…テレシネ装置、2…映画フィルム、20…映像再生部、25…撮影カメラ、27…レンズ部、41…光軸補正部。

Claims (8)

  1. 軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、前記第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとを、前記第1および第2の交換用レンズの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着可能であると共に、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系を備え
    前記第1の交換用レンズは、前記第1の光学系と、前記第1の光学系の物体側に配置されると共に、接写に適した光学性能を有する接写用の第2の光学系とで構成され、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるような所定のフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものであり、
    前記第2の交換用レンズは、前記所定のフォーマットとは異なるフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものである
    ズームレンズ。
  2. 前記第2の交換用レンズは、全体として正の屈折力を有すると共に、全ての面が光軸に対して回転対称な形状を有する請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記変倍光学系は、物体側より順に、正の屈折力を有する第1のレンズ群と、負の屈折力を有する第2のレンズ群と、正の屈折力を有する第3のレンズ群と、正の屈折力を有する第4のレンズ群とが配置されて構成されると共に、前記第2のレンズ群および前記第3のレンズ群が光軸に沿って移動することにより、前記変倍作用をもたらすように構成されている請求項1記載のズームレンズ。
  4. 前記第2の交換用レンズは、縦方向の倍率と横方向の倍率とが同一であるフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものである請求項1記載のズームレンズ。
  5. 前記第1の交換用レンズの第1の光学系は、物体側より順に、光軸を含む所定面内において負の屈折力を有する前側レンズ群と、前記所定面内において正の屈折力を有する後側レンズ群とが配置されて構成されると共に、
    前記第1の光学系の横倍率をβ、角倍率をγ、前記前側レンズ群の最も物体側に近い面と前記後側レンズ群の最も物体から遠い面との光軸上の距離をLとしたときに、
    0.98γ<1/β<1.02γ …(1)
    20<Lβ<40 …(2)
    で表される条件式(1),(2)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  6. 前記第1の交換用レンズの第1の光学系は、少なくとも1つの貼り合わせ面を有する請求項1記載のズームレンズ。
  7. フィルムに記録された画像を、変換光学系を介して光学的に画像変換を行う画像変換装置であって、
    前記変換光学系は、
    軸を含んだ互いに異なる2つの面内における光学的な倍率がそれぞれ異なる第1の光学系を有する着脱可能な第1の交換用レンズと、前記第1の交換用レンズとは利用目的の異なる着脱可能な第2の交換用レンズとを、前記第1および第2の交換用レンズの利用目的に応じた所望の光学性能が得られるように物体側に選択的に装着可能であると共に、入射光に対して変倍作用をもたらすように構成された変倍光学系を備え
    前記第1の交換用レンズは、前記第1の光学系と、前記第1の光学系の物体側に配置されると共に、接写に適した光学性能を有する接写用の第2の光学系とで構成され、縦方向の倍率と横方向の倍率とが異なるような所定のフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものであり、
    前記第2の交換用レンズは、前記所定のフォーマットとは異なるフォーマットで画像が記録されたフィルムを撮影して画像変換する利用目的で用いられるものである
    画像変換装置。
  8. 前記フィルムに記録された画像を前記変換光学系を介して画像変換を行った後、映像信号に変換する請求項7記載の画像変換装置。
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