JP2005220302A - エポキシ樹脂の製造法 - Google Patents

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政隆 中西
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Abstract

【課題】本発明は、その硬化物において優れた耐熱性を示し、各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】一般式(1)
【化1】
Figure 2005220302

(式中nは繰り返し数であり、0〜5の整数である。)で表される縮合フェノール類であって、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが80面積%(高速液体クロマトグラフィーによる測定波長が250〜300nmの範囲での測定値)以上を占める縮合フェノール類をエピハロヒドリンによりグリシジル化した後、得られた反応物を環状ケトン類に溶解し、次いで炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状低級ケトン類又は炭素数6以下の低級アルコール類を添加し、析出した結晶を採取することを特徴とするエポキシ樹脂の製造法。

Description

本発明は耐熱性が極めて高い硬化物を与える結晶性の高いエポキシ樹脂の効率的な製造法に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてはビスフェノールAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物が知られている。半導体封止材などの用途においては耐熱性が要求されるためクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が広く利用されている。また、表面実装方式が一般的になり、半導体パッケージも半田リフロー時に直接高温に晒されることが多くなるため封止材全体としての吸水率や線膨張率を下げる為に、高フィラー充填が効果的な方法として提案されている。高フィラー充填を可能にするためにはエポキシ樹脂の溶融粘度が低いことが必要条件となる。この様な要求を満たすために最近ではテトラメチルビフェノールを原料とするエポキシ樹脂などが広く用いられている。このエポキシ樹脂は結晶性を有するため溶融状態において極めて低い溶融粘度を示す。
前記したようなテトラメチルビフェノールのエポキシ樹脂の溶融粘度は低く、高フィラー充填が可能なものの、樹脂そのものの耐熱性は極めて低い。最近では例えば自動車のエンジン周囲に半導体など電気・電子部品を搭載されることが増えてきている。この様な用途においては180℃前後の高温下に長時間晒される為、使用される樹脂には極めて高い耐熱性が要求される。このような問題に対し、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを原料とするエポキシ樹脂が提案されている(特許文献1、2)。
特開平09−003162号 特開平2004−10877号
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを原料とするエポキシ樹脂の製造法、具体的には特許文献2においては、反応終了後水洗し、油層から過剰のエピクロルヒドリン、反応溶剤などを加熱減圧下で除去した後、有機溶剤を加え冷却し、結晶を析出させているが、温度差による再結晶法では完全に結晶が析出することはなく、さらには得られる結晶の形状としては洗浄、乾燥が容易である微粉末状態が好ましいが、その結晶が必ずしも常に微粉末ではなく、また取り出しが容易な結晶形を持ったものでもなく、べた付きのある結晶塊として得られることも多い。また再結晶の時間等により、その結晶の純度、および収率が安定することが難しく総じて製造上の効率が芳しくない。
本発明者らはこうした実状に鑑み、耐熱性が極めて高く、各種複合材料用、接着剤、塗料等に有用なエポキシ樹脂の製造法を鋭意検討した結果、テトラフェノールを原料としてテトラグリシジルエーテル体の結晶性のエポキシ樹脂を効率よく、安定した収率で与える製造法を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)一般式(1)
Figure 2005220302
(式中nは繰り返し数であり、0〜5の整数である。)で表される縮合フェノール類であって、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが80面積%(高速液体クロマトグラフィーによる測定波長が250〜300nmの範囲での測定値)以上を占める縮合フェノール類をエピハロヒドリンによりグリシジル化した後、得られた反応物を環状ケトン類に溶解し、次いで炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状低級ケトン類又は炭素数6以下の低級アルコール類を添加し、析出した結晶を採取することを特徴とするエポキシ樹脂の製造法、
に関する。
本発明の製造法は従来の手法に比べ、電気・電子材料、成型材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジスト、光学材料などの広範囲の用途にきわめて有用であるエポキシ樹脂の高純度な結晶を安全かつ、簡便に粉末状で取り出すことが可能であり、工業的に有用な製造法である。
本発明の製造法に使用される原料としては上記一般式(1)で表される縮合フェノール類であって、一般式(1)においてn=0である式(2)
Figure 2005220302
で表される1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが80面積%以上(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定波長が250〜300nmの範囲での測定値)を占める縮合フェノール類が好ましいが、その割合は95%以上のものがさらに好ましく、98面積%以上のものがより好ましい。一般式(1)において炭素鎖の置換位置はオルト位、メタ位、パラ位のいずれでも良い。この様な縮合フェノール類を得るには公知の方法が採用でき、例えばフェノールを酸触媒の存在下でグリオキザールと縮合反応させることで得られる。特に高純度なテトラフェノール体を得るには特許第2897850号、特許第3381819号に示される方法が好ましい。
本発明の製造法ではまず、アルカリ金属水酸化物の存在下で1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを含有する一般式(1)に示す縮合フェノール類とエピハロヒドリンとを反応させる。
本発明の製造法において、アルカリ金属水酸化物はその固形物を利用してもよく、水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、留出液を更に分液し、水は除去してエピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は一般式(1)で表される縮合フェノール類の水酸基1当量に対して通常0.9〜2.5当量であり、好ましくは0.95〜2.0当量である。
本反応の製造法においては反応を効率よく進行させるため4級アンモニウム塩を触媒として添加することができる。用いることのできる4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用量としては一般式(1)で表される縮合フェノール類の水酸基1当量に対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
エピハロヒドリンの使用量は一般式(1)で表される縮合フェノール類の水酸基1当量に対し通常0.8〜12当量、好ましくは0.9〜11当量である。使用するエピハロヒドリンとしては例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが、工業的にはエピクロロヒドリン誘導体が使用しやすい。この際、一般式(1)で表される縮合フェノール類の溶解性を高めるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類などを添加して反応を行うことが好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜30重量%である。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。
本発明の製造法においては、一般式(1)で表される縮合フェノール類とエピハロヒドリンの反応物を水洗後、加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。次いで、濃縮残渣に環状ケトン類をエポキシ樹脂の理論収量の30〜200重量%加え50℃〜溶剤の還流温度で溶解した後、50℃以下まで冷却する。次いで炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状ケトン類又は炭素数6以下の低級アルコール類を、環状ケトン類の使用量に対し100〜300重量%加えることで本発明の製造法によるエポキシ樹脂が微粉末の結晶として析出する。このとき結晶の析出性や収率を考慮すると環状ケトンはエポキシ樹脂の理論収量の50〜100重量%、炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状ケトン類又は炭素数6以下の低級アルコール類は環状ケトン類の100〜200重量%であることが好ましい。
ここで環状ケトン類としては例えばシクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン等が挙げられ、このうち、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが好ましい。炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状ケトン類としては、例えばメチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン等が挙げられ、メチルイソブチルケトンが好ましい。炭素数6以下の低級アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等が挙げられ、メタノール、エタノールが更に好ましい。
一時間室温で攪拌後、常圧或いは減圧濾過器を用いて結晶を濾過し、本発明の製造法による微粉末の結晶性エポキシ樹脂を得る。より純度を高めるために、得られたエポキシ樹脂を上記の有機溶剤、或いはメタノール、エタノールなどのアルコール類で洗浄を行うことは好ましい。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。又、含有率は高速液体クロマトグラフィー(カラム:Intersil ODS−2.5μm、2.1×250mm;測定温度:40℃;溶剤:アセトニトリル/HO:0min 50%/50%、20min 90%/10% gradient、40min 90%/10%;流速:0.2 mL/分;測定波長:254nm)による測定値、融解ピーク温度は示差走査熱量分析装置(DSC:Differential Scanning Calorimetry、Seiko Instruments Inc.製、EXSTAR6000)による測定値である。
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらグリオキザールとフェノールとの縮合物(1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン含有率:98.9面積%)99.5部、エピクロルヒドリン740部、メタノール148部を混合し、撹拌下で還流温度(69〜80℃)まで昇温して溶解させた。次いでフレーク状水酸化ナトリウム40部を100分かけて分割添加し、その後、更に還流温度で1時間反応させた。反応終了後、水250部を加えて水洗を行い、生成した塩などの不純物を除去した後、ロータリーエバポレーターを使用して加熱減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等を取り除くと、釜底に淡黄色の結晶塊が析出した。得られた結晶塊に124部のシクロペンタノンを加え、100度に加熱して溶解させた後、室温まで冷却した。更に200部のメチルイソブチルケトンを加えたところ、エポキシ樹脂の結晶が析出した。結晶が析出した状態のまま一時間撹拌後、減圧濾過して微粉末のエポキシ樹脂の結晶を得た。得られたエポキシ樹脂をさらにメタノール80部で洗浄し、乾燥させることで本発明の製造法によるエポキシ樹脂の無色の結晶微粉末98.1部(収率62.8%)を得た。そのうち1,1,2,2−テトラキス(4−グリシジルオキシフェニル)エタンが85.2面積%含有されていた。融解ピーク温度をDSCにより昇温速度10K/分で測定したところ、ピークは二つ認められ、TPC1=442.1KとTPC2=451.2Kであった。
以上の結果より本発明の製造法は簡便かつ安定に結晶性エポキシ樹脂を製造できる効率の良い製造法であるといえる。

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005220302
    (式中nは繰り返し数であり、0〜5の整数である。)で表される縮合フェノール類であって、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが80面積%(高速液体クロマトグラフィーによる測定波長が250〜300nmの範囲での測定値)以上を占める縮合フェノール類をエピハロヒドリンによりグリシジル化した後、得られた反応物を環状ケトン類に溶解し、次いで炭素数4以上6以下の分岐もしくは直鎖状の鎖状低級ケトン類又は炭素数6以下の低級アルコール類を添加し、析出した結晶を採取することを特徴とするエポキシ樹脂の製造法。
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JP2007016115A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂の製造法

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