JP2005217604A - 高周波モジュール用部品および高周波モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入損失が少ない高周波モジュールを提供する。
【解決手段】導波管型導波路用凹部8、および導波管型導波路用凹部8に連通する遮断導波路用凹部9,10がそれぞれ形成され、導波管型導波路用凹部8および遮断導波路用凹部9,10の境界部分に短絡柱5,6が立設されている高周波モジュール用部品2と、高周波モジュール用部品2の一方の面4aに接して配設され、高周波モジュール用部品2との接触面において導波管型導波路用凹部8を閉塞するグランド電極11、および短絡柱5,6の先端に接触するTEMモード線路12,13が形成された基板3とを備えている。
【選択図】図3
【解決手段】導波管型導波路用凹部8、および導波管型導波路用凹部8に連通する遮断導波路用凹部9,10がそれぞれ形成され、導波管型導波路用凹部8および遮断導波路用凹部9,10の境界部分に短絡柱5,6が立設されている高周波モジュール用部品2と、高周波モジュール用部品2の一方の面4aに接して配設され、高周波モジュール用部品2との接触面において導波管型導波路用凹部8を閉塞するグランド電極11、および短絡柱5,6の先端に接触するTEMモード線路12,13が形成された基板3とを備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、基板上に実装されることにより、例えばマイクロ波やミリ波などの電磁波(高周波信号)を対象とする高周波モジュールを構成する高周波モジュール用部品、およびこの高周波モジュール用部品を用いた高周波モジュールに関するものである。
この種の高周波モジュール用部品を用いた高周波モジュールとして、特開2003−273605号公報に開示された高周波モジュール(導波管型フィルタ)が知られている。この導波管型フィルタは、高周波モジュール用部品としての筐体20および基板9を備えて構成されている。筐体20は、同公報中の図3に示すように、下面が開口すると共に、内部に複数の仕切23が配設された金属製の箱体に構成されている。基板9は、同公報中の図4に示すように、筐体20の下面における開口部分を覆う広さに形成されたグランド電極8と、グランド電極8の一辺に接続された信号伝送路60とが表面に形成されている。また、導波管型フィルタは、同図に示すように、筐体20が基板9におけるグランド電極8の形成部位に実装されて構成されている。この導波管型フィルタでは、筐体20の内面とグランド電極8との間に空洞共振器が構成されて、信号伝送路60を伝搬した信号(TEMモードの電磁波)は、信号伝送路60とグランド電極8との接合部分において、空洞共振器内のTEモードの電磁波と磁界結合される。
特開2003−273605号公報(第4−5頁、第3−4図)
ところが、上述した従来の高周波モジュールには、以下の問題点がある。すなわち、この高周波モジュールでは、信号伝送路60とグランド電極8とを基板9の表面において接合する構成のため、両者の接合部分において信号伝送路60の周囲に発生するTEMモードの電磁波に基づく磁界は、信号伝送路60上方の空間と信号伝送路60下方の基板9内とを通過することになる。このため、比誘電率の大きい基板9の内部を通過する電磁波の磁界密度は強く、比誘電率の小さい空間中を通過する電磁波の磁界密度は弱くというように、基板9の内部と空間中とにおける磁界密度の偏りが大きくなる。この場合、磁界密度の小さい空間中を通過する電磁波と空洞共振器内の電磁波とが結合することにより、TEMモードの電磁波からTEモードの電磁波に変換される。したがって、この高周波モジュールには、TEMモードの電磁波からTEモードの電磁波に変換する際の効率が低いことに起因して、挿入損失が大きいという問題点がある。なお、この入力部が高周波モジュールの出力部として用いられる場合、TEモードの電磁波からTEMモードの電磁波に変換する際の変換効率が低いため、同様にして、挿入損失が大きいという問題点がある。
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、高周波モジュールに用いたときに挿入損失を低減し得る高周波モジュール用部品、および挿入損失が少ない高周波モジュールを提供することを主目的とする。
本発明に係る高周波モジュール用部品は、一方の面に形成された導波管型導波路用凹部の内面における周縁部位に短絡柱が立設されている。
また、本発明に係る高周波モジュール用部品は、導波管型導波路用凹部と、当該導波管型導波路用凹部に連通する遮断導波路用凹部とが一方の面にそれぞれ形成され、前記導波管型導波路用凹部と前記遮断導波路用凹部との境界部分に短絡柱が立設されている。
この場合、前記導波管型導波路用凹部における幅方向の中央部分に前記短絡柱を立設するのが好ましい。
また、樹脂成形によって形成し、少なくとも前記一方の面側の表面全域を導電材料でコーティングするのが好ましい。
また、本発明に係る高周波モジュールは、上記の高周波モジュール用部品と、前記高周波モジュール用部品の前記一方の面に接して配設され、当該高周波モジュール用部品との接触面において前記導波管型導波路用凹部を閉塞するグランド電極、および前記短絡柱の先端に接触するTEMモード線路が形成された基板とを備えている。
本発明に係る高周波モジュール用部品によれば、一方の面に形成された導波管型導波路用凹部の内面における周縁部位に短絡柱を立設したことにより、例えば、グランド電極およびTEMモード線路を表面に形成した基板に対して、導波管型導波路用凹部がグランド電極によって閉塞され、かつ短絡柱の先端がTEMモード線路と短絡するように高周波モジュール用部品を装着することで、短絡柱の周囲に誘電体の存在しない高周波モジュールを作製することができる。したがって、この短絡柱にTEMモード(またはTEモード)の電磁波を通過させることで、TEモード(またはTEMモード)の電磁波に変換することができ、その際に、短絡柱の周囲に発生する電磁波の磁界は、同じ誘電率の空間内を通過するため、磁界密度の偏りが小さくなる。このため、強い磁界密度のTEMモードの電磁波と導波管型導波路内の電磁波とが磁界結合する。したがって、TEモードの電磁波とTEMモードの電磁波との間で効率よくモード変換される。この結果、高周波モジュールの挿入損失を低減することができる。
また、本発明に係る高周波モジュール用部品によれば、導波管型導波路用凹部と遮断導波路用凹部との境界部分に短絡柱を立設したことにより、例えば、グランド電極およびTEMモード線路を表面に形成した基板に対して、導波管型導波路用凹部がグランド電極によって閉塞され、かつ短絡柱の先端がTEMモード線路と短絡するように高周波モジュール用部品を装着することで、上記した高周波モジュール用部品と同様の作用効果を奏することができる。加えて、遮断導波路用凹部が遮断導波路として機能するため、導波管型導波路用凹部とグランド電極とで囲まれた導波管型導波路内に発生する電磁波の外部への漏洩を低減させることができる。したがって、高周波モジュールに用いたときに、遮断導波路用凹部が設けられていない高周波モジュールと比較して、その高周波モジュールの挿入損失をさらに低減することができる。
また、本発明に係る高周波モジュール用部品によれば、導波管型導波路用凹部における幅方向の中央部分に短絡柱を立設したことにより、導波管型導波路用凹部とグランド電極とで囲まれた導波管型導波路内に発生するTEモードの電磁波の磁界強度が最大となる部位でTEMモードの電磁波と磁気的に結合させることができる。したがって、TEMモードの電磁波とTEモードの電磁波とを一層良好に磁界結合させることができる結果、高周波モジュールの挿入損失を一層低減することができる。
また、本発明に係る高周波モジュール用部品によれば、樹脂成形によって形成し、少なくとも一方の面側の表面全域を導電材料でコーティングしたことにより、金属板から削り出しで作製する構成と比較して、簡易かつ安価に製造することができ、しかも大幅に軽量化することができる。
また、本発明に係る高周波モジュールによれば、上記の高周波モジュール用部品と、高周波モジュール用部品の一方の面に接して配設され、高周波モジュール用部品との接触面において導波管型導波路用凹部を閉塞するグランド電極、および短絡柱の先端に接触するTEMモード線路が形成された基板とを備えたことにより、導波管型導波路用凹部がグランド電極によって閉塞され、かつ短絡柱の先端がTEMモード線路と短絡するように高周波モジュール用部品を装着することで、短絡柱の周囲に誘電体の存在しない高周波モジュールを作製することができる。したがって、この短絡柱にTEMモード(またはTEモード)の電磁波を通過させることで、TEモード(またはTEMモード)の電磁波に変換することができ、その際に、短絡柱の周囲に発生する電磁波の磁界は、同じ誘電率の空間内を通過するため、磁界密度の偏りが小さくなる。このため、強い磁界密度のTEMモードの電磁波と導波管型導波路内の電磁波とが磁界結合する。したがって、TEモードの電磁波とTEMモードの電磁波との間で効率よくモード変換される。この結果、高周波モジュールの挿入損失を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る高周波モジュール用部品およびこの高周波モジュール用部品を用いた高周波モジュールの最良な形態について説明する。
最初に、本発明に係る高周波モジュール用部品および高周波モジュールの構成について、図面を参照して説明する。
高周波モジュール1は、図1に示すように、高周波モジュール用部品2および基板3を備えて構成され、バンドパスフィルタとして機能する。高周波モジュール用部品2は、図2に示すように、モジュール用部品本体4、2つの短絡柱5,6および一対の仕切壁7,7を備えている。モジュール用部品本体4は、同図に示すように、外形が直方体状に形成されると共に、平面視形状がそれぞれ長方形に規定された導波管型導波路用凹部(以下、「導波路用凹部」ともいう)8および2つの遮断導波路用凹部9,10が同一深さで一方の面(同図中の上面、図3中の下面)4a側にそれぞれ形成されている。この場合、導波路用凹部8は、遮断導波路用凹部9,10の間において、各遮断導波路用凹部9,10にそれぞれ連通するように形成されている。また、一例として、各遮断導波路用凹部9,10は、モジュール用部品本体4の長手方向に位置する各面4b,4cに接して形成されている。また、各遮断導波路用凹部9,10は、面4b,4cに沿った方向の横幅が導波路用凹部8よりも幅狭に形成されている。さらに、各面4b,4c側には、TEMモード線路12を通過するTEMモードの電磁波に対する影響を回避するために、その一部(TEMモード線路12の上方部位)を切り欠いた切欠部25が形成されている。この場合、切欠部25の切欠幅L1は、コプレーナ線路としてのTEMモード線路12の両側に形成されているグランド電極11,11間の幅L2よりも狭く形成されている。また、切欠部25の部位には、非導電材料製(例えば樹脂製)の防塵蓋(図示せず)が嵌め込まれている。
短絡柱5は、導波路用凹部8の内面8aおよび遮断導波路用凹部9の内面9aの少なくとも一方における導波路用凹部8と遮断導波路用凹部9との境界線近傍(境界部分)に立設されている。一方、短絡柱6は、導波路用凹部8の内面8aおよび遮断導波路用凹部10の内面10aの少なくとも一方における導波路用凹部8と遮断導波路用凹部10との境界線近傍(境界部分)に立設されている。この高周波モジュール1では、一例として、図2に示すように、各短絡柱5,6は、各遮断導波路用凹部9,10の内面9a,10a側にそれぞれ立設されているが、上述した境界線を跨ぐようにしてその一部が導波路用凹部8の内面8a側に位置するようにそれぞれ立設されていてもよいし、各境界線を越えて導波路用凹部8の内面8a側に位置するようにそれぞれ立設されていてもよい。また、各短絡柱5,6は、導波路用凹部8における各遮断導波路用凹部9,10と接する幅方向の各辺の中央部分に立設されている。一対の仕切壁7,7は、導波路用凹部8におけるモジュール用部品本体4の長手方向と平行な一対の内壁面にそれぞれ接した状態で、導波路用凹部8の内面8aにおけるこの長手方向の中間位置にそれぞれ立設されている。以上のような構成を有する高周波モジュール用部品2は、モジュール用部品本体4、各短絡柱5,6および各仕切壁7,7が樹脂成形によって一体的に形成されて構成されている。また、高周波モジュール用部品2は、一方の面側の表面全域が導電材料でコーティングされている。すなわち、内面8aを含む導波路用凹部8の表面全域、内面9aを含む遮断導波路用凹部9の表面全域、内面10aを含む遮断導波路用凹部10の表面全域、各短絡柱5,6の表面全域、各仕切壁7,7の表面全域および一方の面4aが導電材料でコーティングされている。なお、高周波モジュール用部品2の表面全域を導電材料でコーティングする構成を採用することもできるが、導電材料の使用量増加を避けるためには、高周波モジュール用部品2の一方の面側の表面全域のみを導電材料でコーティングするのが好ましい。また、高周波モジュール用部品2は、アルミニウムなどの金属板から削り出して作製することもできるが、簡易かつ安価に製造でき、しかも大幅な軽量化も図れるという点で、上述したように、樹脂成形で製造するのが好ましい。
基板3は、例えば、ガラスエポキシ系樹脂材料で形成されると共に、図3に示すように、グランド電極11および一対のTEMモード線路12,13がそれぞれ表面(同図中の上面)に形成されている。グランド電極11は、その外形がモジュール用部品本体4の一方の面4a全域を包含する広さに規定されると共に、各遮断導波路用凹部9,10に対応する各部位(長手方向の各端部11b,11cにおける中央部分)が各遮断導波路用凹部9,10よりも若干広めに切り欠かれている。各TEMモード線路12,13は、この切り欠かれた各部位内において、各端部11b,11cの両端部に残存するグランド電極11に挟まれ、かつ各々の先端がグランド電極11の中央部分11aに向けて延出して形成されてコプレーナ線路に形成されている。また、TEMモード線路12は、高周波モジュール用部品2を基板3に実装した状態において、短絡柱5の先端面が位置する部位にその先端が達するように、その全長が規定されている。同様にして、TEMモード線路13も、短絡柱6の先端面が位置する部位にその先端が達するように、その全長が規定されている。
また、高周波モジュール1は、図1に示すように、基板3におけるグランド電極11および各TEMモード線路12,13の形成面に高周波モジュール用部品2を実装して構成されている。この実装状態では、高周波モジュール用部品2の導波路用凹部8がグランド電極11の中央部分11aによって閉塞されると共に、各短絡柱5,6の先端面(本発明における先端)と各TEMモード線路12,13の先端部分とが互いに短絡する。この構成により、導電材料でコーティングされた導波路用凹部8の表面およびグランド電極11で囲まれた領域は、空洞に形成されて、TEモードの電磁波を伝搬する導波管型導波路Aとして機能する。また、この導波管型導波路Aは、一対の仕切壁7,7で区画された2つの領域を内部に備え、この2つの領域のうちのTEMモード線路12側の領域が空洞型の共振器21を構成し、TEMモード線路13側の領域が空洞型の共振器22を構成する。また、各遮断導波路用凹部9,10は、TEMモード線路12,13の延在方向と直交する横方向の幅が導波路用凹部8の横幅よりも幅狭に形成されることにより、導波管型導波路A内を伝搬する電磁波に対する遮断導波路として機能する。
次に、高周波モジュール1の動作について、図4を参照して説明する。
この高周波モジュール1では、同図に示すように、TEMモード線路12に入力されたTEMモードの電磁波W1は、TEMモード線路12を経由して短絡柱5に達し、次いで、短絡柱5内を通過する。そして、その際に、短絡柱5の周囲に環状の磁界H1を発生させる。この場合、共振器21のE面において磁界H1の方向と共振器21に発生する電磁波の磁界H2の方向とが一致する。したがって、TEMモードの電磁波W1と共振器21内の電磁波(磁界H2)とが磁界結合する。この際に、短絡柱5が基板3に立設されているため(基板3から起立しているため)、磁界H1は誘電体としての基板3内を通過しない。したがって、短絡柱5の周囲に発生する電磁波W1の磁界H1は、同じ誘電率の空間内を通過するため、磁界密度の偏りが小さくなる。このため、強い磁界密度のTEMモードの電磁波W1と共振器(導波管型導波路)21内を伝搬するTEモードの電磁波(磁界H2)とが磁界結合する。したがって、TEMモードの電磁波W1とTEモードの電磁波(磁界H2)との間で効率よくモード変換される。この結果、高周波モジュール1の挿入損失が低減される。また、この高周波モジュール1では、導波路用凹部8における遮断導波路用凹部9と接する幅方向の各一辺の中央部分に短絡柱5が立設されているため、共振器21内を伝搬するTEモードの電磁波(磁界H2)の磁界強度が最大となる部位でTEMモードの電磁波W1と磁界結合する。したがって、TEMモードの電磁波W1(磁界H1)は、共振器21内の電磁波(磁界H2)と良好な状態で磁界結合する。つまり、TEMモードの電磁波W1(磁界H1)がTEモードの電磁波(磁界H2)に効率よく変換される。
次いで、共振器21内の電磁波(磁界H2)は、一対の仕切壁7,7間に形成された隙間をE面結合窓として、共振器22内の電磁波(磁界H3)と磁界結合することによって共振器22内に図4に示す磁界H3が発生する。一方、短絡柱6に発生するTEMモードの電磁波W2の磁界H4の方向は同図に示す方向となる。このため、電磁波の磁界H3の方向とTEMモードの電磁波W2の磁界H4の方向とが一致する。したがって、共振器22内の電磁波(磁界H3)とTEMモードの電磁波W2とが磁界結合する。この際に、短絡柱6が基板3に立設されているため(基板3から起立しているため)、磁界H4は誘電体としての基板3内を通過しない。したがって、短絡柱6の周囲に発生する電磁波W2の磁界H4は、同じ誘電率の空間内を通過するため、磁界密度の偏りが小さくなる。このため、共振器(導波管型導波路)22内を伝搬するTEモードの電磁波(磁界H3)とTEMモードの電磁波W2とが良好に磁界結合する。したがって、TEモードの電磁波(磁界H2)とTEMモードの電磁波W2との間で効率よくモード変換される。この結果、高周波モジュール1の挿入損失が低減される。また、導波路用凹部8における遮断導波路用凹部10と接する幅方向の各一辺の中央部分に短絡柱6が立設されているため、共振器22内を伝搬するTEモードの電磁波(磁界H3)の磁界強度が最大となる部位でTEモードの電磁波(磁界H3)とTEMモードの電磁波W2(磁界H4)とが磁界結合する。したがって、共振器22内の電磁波は電磁波W2と良好な状態で磁界結合する。つまり、TEモードの電磁波(磁界H3)がTEMモードの電磁波W2(磁界H4)に効率よく変換される。この後、TEMモードの電磁波W2は、短絡柱6を通過してTEMモード線路13に達し、このTEMモード線路13を介して出力される。以上のようにして、この高周波モジュール1は、TEMモード入力−(TEモード変換−TEMモード変換−)TEMモード出力型のフィルタとして機能する。
このように、この高周波モジュール1によれば、基板3から起立する短絡柱5,6を備えて構成したことにより、TEMモードの電磁波W1からTEモードの電磁波(磁界H2)への変換の際、およびTEモードの電磁波(磁界H3)からTEMモードの電磁波W2への変換の際に、短絡柱5,6の周囲に発生する電磁波の磁界H1,H4は、同じ誘電率の空間内を通過するため、磁界密度の偏りが小さくなる。このため、TEMモードの電磁波W1とTEモードの電磁波(磁界H1)とを良好に磁界結合させることができると共に、TEモードの電磁波(磁界H3)とTEMモードの電磁波W2とを良好に磁界結合させることができる。したがって、TEモードの電磁波(磁界H1,H2)とTEMモードの電磁波W1,W2との間で効率よくモード変換される。この結果、挿入損失の極めて小さい高周波モジュール1を構成することができる。
また、この高周波モジュール1によれば、各TEMモード線路12,13に対応させて各遮断導波路用凹部9,10を形成したことにより、導波管型導波路Aを伝搬する各電磁波(磁界H2,H3)に対する遮断導波路として各遮断導波路用凹部9,10をそれぞれ機能させることができる結果、各電磁波(磁界H2,H3)の外部への漏洩を防止することができる。また、導波路用凹部8における各遮断導波路用凹部9,10と接する幅方向の各一辺の中央部分に各短絡柱5,6を立設したことにより、導波管型導波路A内を伝搬するTEモードの各電磁波(磁界H2,H3)の磁界強度が最大となる部位でTEMモードの電磁波W1,W2とそれぞれ磁界結合させることができる。したがって、TEMモードの電磁波W1とTEモードの電磁波(磁界H2)との磁界結合、およびTEモードの電磁波(磁界H3)とTEMモードの電磁波W2とを一層良好に磁界結合させることができる。この結果、高周波モジュール1の挿入損失を一層低減することができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、導波路用凹部8の両側に各遮断導波路用凹部9,10を配設した高周波モジュール1について上記したが、各遮断導波路用凹部9,10のうちのいずれか一方のみを配設する構成を採用することができるし、遮断導波路用凹部9,10を設けない構成を採用することもできる。一例として、図5に示す高周波モジュール31では、導波路用凹部8および遮断導波路用凹部10を配設して遮断導波路用凹部9を配設していないモジュール用部品本体34で構成された高周波モジュール用部品32を用いて、TEMモード線路13側にのみ遮断導波路が形成されている。この場合、TEMモード線路12側の短絡柱5は、導波路用凹部8の内面8aにおける周縁部位に立設されている。また、面4bには、TEMモード線路12を通過するTEMモードの電磁波に対する影響を回避するために、その一部(TEMモード線路12の上方部位であって短絡柱5の近傍部位)を切り欠いた切欠部35が形成されている。この場合、切欠部35の切欠幅L1は、コプレーナ線路としてのTEMモード線路12の両側に形成されているグランドパターン間の幅L2よりも狭く形成されている。また、切欠部35の部位には、非導電材料製(例えば樹脂製)の防塵蓋(図示せず)が嵌め込まれている。なお、同図において高周波モジュール1と同一の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。この高周波モジュール31によれば、遮断導波路用凹部9が設けられていない分だけ電磁波(磁界H2)が外部に漏洩するものの、それ以外の点に関しては、高周波モジュール1と同様の作用効果を奏することができる。また、高周波モジュール1,31として、各TEMモード線路12,13をコプレーナ線路で形成した例について上記したが、マイクロストリップ線路やストリップ線路で形成することもできる。
1,31 高周波モジュール
2,32 高周波モジュール用部品
3 基板
4,34 モジュール用部品本体
4a モジュール用部品本体の一方の面
5,6 短絡柱
7 出力線路
8 導波管型導波路用凹部
8a 導波路用凹部の内面
9,10 遮断導波路用凹部
9a,10a 遮断導波路用凹部の内面
12,13 TEMモード線路
2,32 高周波モジュール用部品
3 基板
4,34 モジュール用部品本体
4a モジュール用部品本体の一方の面
5,6 短絡柱
7 出力線路
8 導波管型導波路用凹部
8a 導波路用凹部の内面
9,10 遮断導波路用凹部
9a,10a 遮断導波路用凹部の内面
12,13 TEMモード線路
Claims (5)
- 一方の面に形成された導波管型導波路用凹部の内面における周縁部位に短絡柱が立設されている高周波モジュール用部品。
- 導波管型導波路用凹部と、当該導波管型導波路用凹部に連通する遮断導波路用凹部とが一方の面にそれぞれ形成され、
前記導波管型導波路用凹部と前記遮断導波路用凹部との境界部分に短絡柱が立設されている高周波モジュール用部品。 - 前記短絡柱は、前記導波管型導波路用凹部における幅方向の中央部分に立設されている請求項1または2記載の高周波モジュール用部品。
- 樹脂成形によって形成されると共に少なくとも前記一方の面側の表面全域が導電材料でコーティングされている請求項1から3のいずれかに記載の高周波モジュール用部品。
- 請求項1から4のいずれかに記載の高周波モジュール用部品と、
前記高周波モジュール用部品の前記一方の面に接して配設され、当該高周波モジュール用部品との接触面において前記導波管型導波路用凹部を閉塞するグランド電極、および前記短絡柱の先端に接触するTEMモード線路が形成された基板とを備えている高周波モジュール。
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