JPH09246816A - 導波管−マイクロストリップ線路変換器 - Google Patents

導波管−マイクロストリップ線路変換器

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JPH09246816A
JPH09246816A JP5734696A JP5734696A JPH09246816A JP H09246816 A JPH09246816 A JP H09246816A JP 5734696 A JP5734696 A JP 5734696A JP 5734696 A JP5734696 A JP 5734696A JP H09246816 A JPH09246816 A JP H09246816A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波管とマイクロストリップ線路とを電磁結
合する場合、プローブを用いると位置精度誤差による特
性劣化が生じる。また、リッジを用いた結合ではマイク
ロストリップ線路が管軸と垂直方向に向けられるため、
小型化が困難になる。 【解決手段】 導波管1の電界と垂直な管壁にスロット
4を設け、このスロット4に臨んで導波管の管壁に沿っ
てマイクロストリップ線路6を配置し、スロット4を介
して導波管1とマイクロストリップ線路6とを電磁結合
する。マイクロストリップ線路6に対してプローブを物
理的に接続する必要がなく、製造を容易にして生産性を
高めるとともに、ろう付けによる位置精度誤差が防止で
き、信頼性の向上を図る。また、マイクロストリップ線
路は導波管の管長方向に沿って配設されるため、マイク
ロストリップ線路を導波管の管長範囲内に納めることが
でき、小型化が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波管−マイクロス
トリップ線路変換器に関し、特にミリ波帯等の高い周波
数における導波管−マイクロストリップ線路変換器に関
する。
【0002】
【従来の技術】ミリ波帯等の高い周波数帯では、導波管
とマイクロストリップ線路との間で伝送信号を変換する
ための導波管−マイクロストリップ線路変換器が必要と
される。このような変換器としては、例えば、電子通信
学会「アンテナ光学ハンドブック」昭和55年10月3
0日,P.264,図4・10(a)に記載されている
ようにプローブを利用したものがある。これは、図3に
示すように、導波管11の管壁に穴11bを開け、この
穴11bを通してプローブ12を導波管11の内部に侵
入位置させたものである。プローブ12の外端部は、導
波管11に沿って延設した誘電体基板13に形成された
マイクロストリップ線路14に半田等のろう材15によ
り接続されている。
【0003】また、同様に導波管とマイクロストリップ
線路との間で高周波信号の変換を行うための技術とし
て、特開平02−292902号公報に記載されたもの
があり、この技術では導波管の電波の伝搬方向の端部内
にリッジが設けられ、このリッジにストリップ線路が近
接配置されて電磁結合されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
において、前者の文献に記載された技術は、導波管11
内にプローブ12を挿入して同軸構造を構成し、その上
でこのプローブ12をマイクロストリップ線路14に対
して物理的に接続して導波管11とマイクロストリップ
線路14との電気的な接続を行っている。このため、プ
ローブ12とマイクロストリップ線路14とを半田やそ
の他のろう材により接続しているが、ろう材による接続
はその接続寸法精度が低いために、プローブ12とマイ
クロストリップ線路14との間、あるいは導波管11と
マイクロストリップ線路14との間のそれぞれの位置精
度が低下され、この精度誤差によって変換効率が低下さ
れ、かつ信頼性が低下されるという問題がある。また、
ろう付け作業を高精度に行うことが要求されるために変
換器の製造が困難なものになり、生産性が低下される原
因となっている。
【0005】また、後者の公報に記載された技術は、導
波管の電波の伝搬方向の開口にリッジが設けられ、かつ
これと垂直に向けてストリップ線路が設けられているた
め、導波管の管軸とストリップ線路とが直交配置される
ことになる。このため、ストリップ線路の線路長が長い
場合には、導波管の長さ方向の寸法とストリップ線路の
長さ寸法とで変換器全体が三次元方向に大きくなり、小
型の変換器を構成することが難しいという問題がある。
【0006】本発明の目的は、変換器の製造を容易に行
うことを可能にし、かつその一方で変換器の信頼性の向
上、生産性の向上を可能にし、しかも小型化を可能にし
た導波管−マイクロストリップ線路変換器を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の導波管−マイク
ロストリップ変換器は、導波管の電界に垂直な管壁に、
導波管の内外に貫通されるスロットを有し、このスロッ
トにその一部が臨ませられたマイクロストリップ線路を
前記管壁の外面に沿って配置して両者を電磁結合したこ
とを特徴とする。ここで、マイクロストリップ線路を構
成する誘電体基板の裏面は導波管の管壁に密接され、こ
の管壁がマイクロストリップ線路のグラウンドとして構
成される。また、スロットは、導波管の短絡面から管内
波長の1/2またはその整数倍の長さ位置に設けられ
る。さらに、導波管内にはスロットに対向してリッジが
固定設置され、このリッジに階段状のインピーダンス変
換ステップが形成される。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の平
面図とAA線断面図である。導波管1の電界に垂直な方
向に対向された一対の管壁の一方の内面には導電材から
なるブロック2が固定されている。このブロック2は、
その一方の端面は前記導波管1の短絡面1aに接触さ
れ、他方の端面は管軸方向に向かって高さ寸法が階段状
に小さくされたインピーダンス変換ステップ3として構
成され、かつその管軸方向の長さは導波管の管内波長の
1/2の長さよりも十分に長く形成されている。そし
て、ブロック2の上面と前記導波管1の他方の管壁との
間には微小な空隙が画成されている。
【0009】そして、前記導波管1の他方の管壁には、
前記ブロック2の上面に対向する位置に、導波管の内外
を貫通させる管軸方向に垂直なスロット4が設けられて
いる。このスロット4は、導波管1の短絡面1aから管
内波長の約1/2の長さの位置に設けられている。
【0010】さらに、前記スロット4が形成される導波
管1の他方の管壁の外面には、誘電体基板5に形成され
たマイクロストリップ線路6が配置される。前記誘電体
基板5はその裏面が前記導波管1の管壁の外面に密接状
態に固定されており、これによりこの管壁は誘電体基板
5の表面に形成されたマイクロストリップ線路6のGN
Dとして機能することになる。また、マイクロストリッ
プ線路6では、その一部が適当な長さのスタブ7として
形成され、このスタブ7が前記スロット4に対向位置さ
れるように構成される。
【0011】この構成によれば、導波管1の短絡面1a
から管内波長の約1/2の長さ位置にスロット4が設け
られているため、スロット4における磁界は最大とな
り、スロット4が効率よく励振される。その励振された
磁界がスタブ7を介してマイクロストリップ線路6に電
磁的に結合される。これにより、導波管1とマイクロス
トリップ線路6とがスロット4を介して非接触で電磁的
に結合することができる。このとき、前記ブロック2に
設けられたインピーダンス変換ステップ3は、スロット
4よりも手前に位置されているため、導波管1の特性イ
ンピーダンスをマイクロストリップ線路7の特性インピ
ーダンスに合わせ、インピーダンスマッチングを取るこ
とができる。
【0012】したがって、この実施形態の変換器では、
従来のようにプローブをマイクロストリップ線路に物理
的に接続する必要がなくなり、その接続作業が不要とな
って、変換器の製造を容易なものにでき、生産性を高め
るとともに、位置精度の低下が原因とされる特性や信頼
性の低下を改善することが可能となる。また、マイクロ
ストリップ線路は導波管の電波の伝搬方向に沿って配置
されるため、マイクロストリップ線路の線路長が長い場
合でも変換器の寸法は導波管の寸法内に納めることがで
き、小型化が可能となる。
【0013】図2(a),(b)は本発明の導波管−マ
イクロストリップ線路変換器の第2の実施形態の平面図
とBB線断面図である。なお、第1の実施形態と等価な
部分には同一符号を付してある。この実施形態では、導
波管1の一方の管壁内面に固定されたブロック2Aはそ
の幅方向の寸法が導波管の内側寸法よりも小さくされ、
かつその一方の端面が導波管の短絡面に対して所要の間
隔をおいて対向される管軸方向と垂直な面として形成さ
れたリッジとして形成されている点が第1の実施形態と
は相違している。
【0014】この第2の実施形態においても、導波管1
の短絡面1aから管内波長の約1/2の長さ位置にスロ
ット4が設けられているため、スロット4における磁界
は最大となり、スロット4が効率よく励振され、スタブ
7を介してマイクロストリップ線路7に電磁的に結合さ
れる。これにより、導波管1とマイクロストリップ線路
7とがスロット4を介して非接触で電磁的に結合するこ
とができる。このとき、リッジ2Aのインピーダンス変
換ステップ3により導波管1の特性インピーダンスとマ
イクロストリップ線路6の特性インピーダンスに合わせ
てインピーダンスマッチングを取ることができる。
【0015】したがって、第2の実施形態においても、
従来のようなプローブをマイクロストリップ線路に物理
的に接続することが不要となり、第1の実施形態と同様
に接続作業を容易化して生産性を高めることができると
ともに、位置精度の低下が原因とされる特性や信頼性を
改善することができる。また、マイクロストリップ線路
の線路長が長い場合でも変換器の小型化が可能となる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、導波管の
電界と垂直な管壁にスロットを設け、このスロットに臨
んでマイクロストリップ線路を配置して両者を電磁結合
しているので、マイクロストリップ線路に対してプロー
ブを物理的に接続する必要がなく、製造を容易にして生
産性を高めるとともに、ろう付けによる位置精度誤差が
防止でき、信頼性の向上を図ることができる。また、マ
イクロストリップ線路は導波管の管長方向に沿って配設
されるため、マイクロストリップ線路を導波管の管長範
囲内に納めることができ、小型の変換器を実現すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変換器の第1の実施形態の平面図とA
A線断面図である。
【図2】本発明の変換器の第2の実施形態の平面図とB
B線断面図である。
【図3】従来の変換器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導波管 2 ブロック 2A リッジ 3 インピーダンス変換ステップ 4 スロット 5 誘電体基板 6 マイクロストリップ線路 7 スタブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波管の電界に垂直な管壁に、導波管の
    内外に貫通されるスロットを有し、このスロットにその
    一部が臨ませられたマイクロストリップ線路を前記管壁
    の外面に沿って配置して両者を電磁結合したことを特徴
    とする導波管−マイクロストリップ線路変換器。
  2. 【請求項2】 マイクロストリップ線路を構成する誘電
    体基板の裏面は導波管の管壁に密接され、この管壁がマ
    イクロストリップ線路のグラウンドとして構成される請
    求項1の導波管−マイクロストリップ線路変換器。
  3. 【請求項3】 スロットは、導波管の短絡面から管内波
    長の1/2またはその整数倍の長さ位置に設けられる請
    求項1または2の導波管−マイクロストリップ線路変換
    器。
  4. 【請求項4】 導波管内にはスロットに対向してリッジ
    が固定設置され、このリッジに階段状のインピーダンス
    変換ステップが形成される請求項1ないし3のいずれか
    の導波管−マイクロストリップ線路変換器。
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