JP2003163502A - 伝送線路および送受信装置 - Google Patents

伝送線路および送受信装置

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JP2003163502A
JP2003163502A JP2001361389A JP2001361389A JP2003163502A JP 2003163502 A JP2003163502 A JP 2003163502A JP 2001361389 A JP2001361389 A JP 2001361389A JP 2001361389 A JP2001361389 A JP 2001361389A JP 2003163502 A JP2003163502 A JP 2003163502A
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JP
Japan
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dielectric substrate
opening
waveguide
transmission line
frequency signal
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JP2001361389A
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English (en)
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Takeshi Okano
健 岡野
Toshiro Hiratsuka
敏朗 平塚
Shingo Okajima
伸吾 岡嶋
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体基板の設計自由度を増加させると共
に、導体損の低減することができる伝送線路および送受
信装置を提供する。 【解決手段】 誘電体基板1の裏面1Bには隆起部2を
設けると共に、その表面1A,裏面1Bに導体層3,4
を形成する。また、隆起部2の左,右両側には、スルー
ホール5を複数個設ける。さらに、誘電体基板1の表面
1Aには、隆起部2に対応した位置に開口部6を設ける
と共に、この開口部6を取囲んで導波管7を取付ける。
これにより、開口部6を通じて誘電体基板1と導波管7
との間を接続することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマイクロ
波、ミリ波等の高周波信号を伝送する伝送線路および該
伝送線路を用いて構成されるレーダ装置、通信装置等の
送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、誘電体基板を用いた導波管型の
伝送線路として、例えば、2層以上の導体層を有する誘
電体基板に導体層間を結ぶ複数個のスルーホールを2列
に亘って設けたものが知られている(例えば、特開20
00−196301号公報等)。また、従来技術による
伝送線路では、誘電体基板の表面には導体層を開口した
設けた結合部が形成されると共に、該結合部を取囲んで
方形導波管を接続している。そして、このような従来技
術による伝送線路では、2列のスルーホール間を導波路
として作用させると共に、結合部を介して誘電体基板中
の導波路と方形導波管とを接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による伝送線路では、高周波信号の周波数、導波
管の形状や大きさ、誘電体基板の誘電率等に応じて誘電
体基板の厚さ寸法を適宜設定している。このため、誘電
体基板の厚さ寸法に対する設計自由度が低く、小型化が
要求される各種の高周波モジュール等には適用し難いと
いう問題がある。
【0004】また、従来技術による伝送線路では、導波
路の垂直方向(誘電体基板の厚さ方向)に沿った面とし
て作用する電流経路はスルーホールのみであるから、高
周波信号の伝搬に伴ってスルーホールに電流が集中して
流れる。この結果、スルーホール内の電流密度が高くな
り、導体損が増大するという問題があった。
【0005】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は誘電体基板の設計自由度
を増加させると共に、導体損の低減することができる伝
送線路および送受信装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による伝送線路は、誘電体基板
と、該誘電体基板の裏面に設けられ高周波信号の伝送方
向に沿って断面凸形状で連続して延びる隆起部と、該隆
起部の外面を含めて前記誘電体基板の両面にそれぞれ設
けられた導体層と、前記隆起部の両脇に位置して前記隆
起部に沿って配置され前記誘電体基板を貫通して該導体
層間を導通させる複数のスルーホールと、前記隆起部に
対応した位置で前記誘電体基板の表面の導体層を開口し
て設けられた開口部と、該開口部を取囲んで前記誘電体
基板の表面側に設けられた導波管とによって構成してい
る。
【0007】このように構成したことにより、開口部を
通じて誘電体基板内の導波路と導波管とを接続すること
ができる。また、開口部の形状を適宜設定することによ
って、隆起部の底面と誘電体基板の表面との間の高さ寸
法(誘電体基板の厚さ寸法)を自由に設定することがで
き、誘電体基板の厚さ寸法の設計自由度を増大させるこ
とができる。さらに、隆起部の外面にも電流を流すこと
ができるから、スルーホールへの電流の集中を緩和で
き、導体損を低減することができる。
【0008】請求項2の発明は、誘電体基板の表面に
は、開口部を塞ぐ誘電体層を設ける構成としたことにあ
る。
【0009】これにより、誘電体基板内の導波路のイン
ピーダンスと導波管のインピーダンスに対して開口部の
インピーダンスを容易に整合することができる。このた
め、開口部の放射効率を向上することができる。
【0010】請求項3の発明による開口部は所定の長さ
寸法を有する長穴からなり、該長穴の長さ寸法は該長穴
での高周波信号の波長λに対してλ/2程度の値に設定
したことにある。
【0011】これにより、開口部を用いて高周波信号を
共振させることができるから、誘電体基板内での高周波
信号の伝搬モードと導波管内での高周波信号の伝搬モー
ドとの間で変換特性の最適化を図ることができ、誘電体
基板内の導波路と導波管との間の変換部の反射を低下さ
せることができる。
【0012】請求項4の発明による開口部は、隆起部の
短絡位置近傍に配置され、開口部の中心位置と隆起部の
短絡位置との間の寸法が誘電体基板内での高周波信号の
波長λgに対してλg/4程度の値に設定したことにあ
る。
【0013】これにより、開口部の中心位置で電界強度
を高めることができ、開口部の放射効率を向上すること
ができる。このため、誘電体基板内での高周波信号の伝
搬モードと導波管内での高周波信号の伝搬モードとの間
で変換特性の最適化を図ることができ、変換部の反射を
低下させることができる。
【0014】請求項5の発明は、導波管には放射器を接
続したことにある。これにより、放射器を通じて高周波
信号を送信、受信することができ、放射器と誘電体基板
内との間を導波管を用いて接続することができる。
【0015】請求項6の発明のように、本発明による伝
送線路を用いて送受信装置を構成してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
伝送線路を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】まず、図1ないし図4は第1の実施の形態
による伝送線路を示し、図において、1は樹脂材料、セ
ラミックス材料等からなる誘電体基板で、該誘電体基板
1は、例えば7.0程度の比誘電率εrで0.3mm程
度の厚さ寸法H1をもった平板状に形成され、その表面
1Aには後述の導波管7が取付けられると共に、裏面1
Bには断面凸形状をなして例えばマイクロ波、ミリ波等
の高周波信号の伝送方向(矢示A方向)に沿って延びる
隆起部2が形成されている。
【0018】また、隆起部2は、その左,右方向に対し
て例えば0.55mm程度の幅寸法Wを有し、この幅寸
法Wは例えば高周波信号の誘電体基板1内の波長λgに
対してλg/2以下に設定されている。さらに、隆起部
2は、例えば0.6mm程度の突出寸法H2をもって誘
電体基板1の裏面1Bから突出し、その底面と誘電体基
板1の表面1Aとの間の高さ寸法H(H=H1+H2)は
例えば高周波信号の誘電体基板1内の波長λgに対して
λg/2以上に設定されている。そして、隆起部2の終
端2Aは、後述の導体層4によって短絡された短絡位置
をなすと共に、誘電体基板1の中央部近傍に配置されて
いる。
【0019】3,4は誘電体基板1の表面1A、裏面1
Bにそれぞれ形成された導体層で、該導体層3,4は、
誘電体基板1に対して導電性金属材料をスパッタ、真空
蒸着等の手段を用いて薄膜状に形成されている。また、
導体層4は、隆起部2の外面(左,右の側面、底面およ
び終端面)を含めて誘電体基板1の裏面1Bを略全面に
亘って覆っている。
【0020】5は隆起部2の延びる方向に沿って該隆起
部2の左,右両側(両脇)に設けられたスルーホール
で、該スルーホール5は、例えば0.1mm程度の内径
寸法φをもった略円形の貫通孔からなり、レーザ加工、
パンチング加工等によって形成されている。そして、ス
ルーホール5は、高周波信号の伝送方向(矢示A方向)
に沿って左,右の片側に2列ずつ、合計4列をなして互
いに平行に配置されている。また、スルーホール5は、
誘電体基板1を貫通すると共に、その内壁面が導電性の
金属材料によって覆われ、導体層3,4間を導通してい
る。そして、高周波信号の伝送方向に対して隣合う2つ
のスルーホール5の間隔Dは、例えば高周波信号の誘電
体基板1内の波長λgのλg/4以下に設定されている。
【0021】6は隆起部2と対向する位置で誘電体基板
1の表面1Aに設けられたスロットをなす開口部で、該
開口部6は、表面1A側の導体層3に開口して設けら
れ、左,右方向の幅寸法L1と隆起部2の長さ方向(矢
示A方向)の長さ寸法L2をもった略四角形の長穴によ
って形成され、隆起部2の長さ方向に沿って延びてい
る。また、開口部6は、隆起部2の短絡位置(終端2
A)近傍に配置され、開口部6の中心位置O(中心軸)
と隆起部2の終端2Aとの間は離間寸法L3だけ離間し
ている。
【0022】7は誘電体基板1の表面1Aに立設した状
態で取付けられた導波管で、該導波管7は、例えば断面
四角形をなす方形導波管によって構成され、その基端側
が開口部6を取囲んだ状態で導体層3に接触すると共
に、先端側が開口した状態で誘電体基板1の厚さ方向に
向けて延びている。
【0023】本実施の形態による伝送線路は上述の如き
構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0024】まず、伝送線路に高周波信号を入力する
と、配列された複数のスルーホール5が等価的に導波路
の壁面を構成するから、隆起部2の互いに対向する2つ
の側面をH面、隆起部2の底面および誘電体基板1の表
面1AをE面とするTE10モードに準じたモードで電
磁波が伝搬する。そして、高周波信号が開口部6に到達
すると、該開口部6を通じて導波路7内に放射され、導
波管7内を伝搬する。
【0025】ここで、開口部6の幅寸法L1を例えば
0.2mm、長さ寸法L2を例えば1.22mm、開口
部6の中心位置Oと隆起部2の終端2Aとの間の離間寸
法L3を例えば0.55mmにそれぞれ設定し、三次元
電磁界シミュレーションを行った場合、本実施の形態に
よる伝送線路では図5に示す伝送特性を得ることができ
る。この結果、誘電体基板1の導波路と導波管7との間
での反射係数S11、透過係数S21は、高周波信号の周波
数に応じて変化し、例えば76GHz程度の高周波信号
を誘電体基板1と導波管7との間で損失が少ない状態で
効率良く変換できる。
【0026】かくして、本実施の形態では、誘電体基板
1の表面には隆起部2に対応した位置に導体層3を開口
した開口部6を設け、該開口部6を取囲んで導波管7を
取付ける構成としたから、隆起部2とスルーホール5と
によって形成される導波路を伝搬した高周波信号を開口
部6を通じて導波管7内に導くことができ、誘電体基板
1内と導波管7内との間を開口部3を用いて接続するこ
とができる。
【0027】また、誘電体基板1には隆起部2を設けた
から、開口部6の形状を適宜設定することによって、隆
起部2の底面と誘電体基板1の表面1Aとの間の高さ寸
法Hを自由に設定することができる。このため、高周波
信号の伝搬特性に大きな影響を与える誘電体基板1の高
さ寸法Hを自由に設定できるから、誘電体基板1を用い
た導波路の設計自由度を増加させることができる。
【0028】また、誘電体基板1の裏面1Bには、断面
凸形状で高周波信号の伝送方向に向けて延びる隆起部2
を設け、該隆起部2の外面を含めて誘電体基板1の裏面
1Bに導体層4を設けたから、スルーホール5に加えて
隆起部2の側面にも電流を流すことができる。さらに、
隆起部2は高周波信号の伝送方向に連続して設けられて
いるから、誘電体基板1の厚さ方向のみならず、斜め方
向に対しても電流を流すことができる。このため、隆起
部2を省いた場合に比べて、スルーホール5内の電流集
中を緩和でき、導波管7を含めた伝送線路全体の伝送損
失を低減することができる。
【0029】次に、図6ないし図8は本発明の第2の実
施の形態による伝送線路を示し、本実施の形態の特徴
は、誘電体基板の表面には、開口部を塞ぐ誘電体層を設
けたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施
の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0030】11は本実施の形態による開口部で、該開
口部11は、第1の実施の形態による開口部6と同様に
隆起部2と対向する位置で誘電体基板1の表面1Aに設
けられている。また、開口部11は、表面1A側の導体
層3に開口して設けられ、左,右方向の幅寸法L1と隆
起部2の長さ方向に沿った長さ寸法L2をもった略四角
形の長穴によって形成されている。また、開口部11
は、隆起部2の短絡位置(終端2A)近傍に配置され、
開口部11の中心位置O(中心軸)と隆起部2の終端2
Aとの間は離間寸法L3だけ離間している。
【0031】12は開口部11を塞いだ状態で誘電体基
板1の表面1Aに設けられた誘電体層で、該誘電体層1
2は、例えば誘電体基板1と同様の材料からなり、その
比誘電率εrは7.0程度に設定されている。また、誘
電体層12は、例えば0.32mm程度の厚さ寸法Tを
有する板体からなり、導波管7の断面形状とほぼ等しい
四角形状をなしている。そして、誘電体層12は導波管
7の基端側に挿入されている。
【0032】本実施の形態による伝送線路は上述の如き
構成を有するもので、開口部11の幅寸法L1を例えば
0.35mm、長さ寸法L2を例えば0.68mm、開
口部11の中心位置Oと隆起部2の終端2Aとの間の離
間寸法L3を例えば0.51mmにそれぞれ設定し、三
次元電磁界シミュレーションを行った場合、図9に示す
伝送特性を得ることができる。
【0033】この結果、77GHz程度の高周波信号に
対して反射係数S11が最も小さくなるものの、誘電体層
12を省いた第1の実施の形態に比較して、72GHz
から84GHzの帯域に亘って反射係数S11が小さくな
ると共に、透過係数S21が大きくなる。この結果、72
GHzから84GHz程度の広帯域に亘って損失を少な
くでき、誘電体基板1と導波管7との間で高周波信号を
効率良く変換できる。
【0034】かくして、本実施の形態でも第1の実施の
形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の
形態では、導波管7の基端側に誘電体層12を挿入し、
開口部11を誘電体層12によって塞いだから、誘電体
基板1と導波管7との間で変換可能となる高周波信号の
周波数を広げることができる。また、誘電体基板1内の
導波路のインピーダンスと導波管7のインピーダンスに
対して開口部11のインピーダンスを容易に整合するこ
とができる。このため、開口部11の放射効率を向上す
ることができる。
【0035】なお、前記第1および第2の実施の形態に
おいて、長穴からなる開口部6,11の長さ寸法L1は
開口部6,11での高周波信号の波長λに対してλ/2
程度の値に設定してもよい。この場合、第2の実施の形
態では、開口部11を誘電体層12によって塞ぐから、
開口部11での高周波信号の波長は第1の実施の形態に
比べて短くなる。
【0036】これにより、開口部6,11を用いて高周
波信号を共振させることができるから、誘電体基板1内
での高周波信号の伝搬モードと導波管7内での高周波信
号の伝搬モードとの間で変換特性の最適化を図ることが
でき、誘電体基板1内の導波路と導波管7との間の変換
部の反射を低下させることができる。
【0037】また、開口部6,11の中心位置Oと隆起
部2の短絡位置(終端2A)との間の離間寸法L3は誘
電体基板1内での高周波信号の波長λgに対してλg/4
程度の値に設定してもよい。
【0038】これにより、開口部6,11の中心位置O
で電界強度を高めることができ、開口部6,11の放射
効率を向上することができる。このため、誘電体基板1
内と導波管7内との間で高周波信号の変換特性の最適化
を図ることができ、変換部の反射を低下させることがで
きる。
【0039】次に、図10は本発明の第3の実施の形態
による伝送線路を示し、本実施の形態の特徴は、誘電体
基板の表面には、擬似的な導波管が形成された誘電体層
を用いて開口部を塞ぐ構成としたことにある。なお、本
実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0040】21は本実施の形態による開口部で、該開
口部21は、第1の実施の形態による開口部6と同様に
隆起部2と対向する位置で誘電体基板1の表面1Aに設
けられている。また、開口部11は、表面1A側の導体
層3に開口して設けられ、略四角形の長穴によって形成
されている。
【0041】22は開口部21を塞いだ状態で誘電体基
板1の表面1Aに設けられた誘電体層で、該誘電体層2
2は、例えば誘電体基板1と同様の材料を用いた板体に
よって形成されている。また、誘電体層22には、導波
管7の開口端に沿って複数のスルーホール23が貫通し
て設けられ、スルーホール23の内壁面は導体性の金属
材料によって覆われている。さらに、隣合うスルーホー
ル23は、誘電体層22中の高周波信号の波長λ0に対
してλ0/4以下の間隔寸法をもって配置され、擬似的
な導波管を構成している。そして、スルーホール23
は、導波管7の導体と誘電体基板1の表面1A側の導体
層3を電気的に接続している。
【0042】また、誘電体層22は、誘電体基板1と導
波管7との間に挟持され、スルーホール23に囲まれた
内部が開口部21を覆うように誘電体基板1の表面1A
に取付けられると共に、スルーホール23と対応する位
置に導波管7の基端側が取付けられている。
【0043】かくして、本実施の形態でも第1の実施の
形態と同様の作用効果を得ることができるが、本実施の
形態では、導波管7の基端側に誘電体層22を挿入し、
開口部21を誘電体層22によって塞いだから、誘電体
基板1と導波管7との間で変換可能となる高周波信号の
周波数を広げることができる。
【0044】また、本実施の形態では、擬似的な導波管
が形成された誘電体層22を用いて開口部21を塞ぐ構
成としたから、第2の実施の形態のように導波管7に開
口形状に合わせて誘電体層12を形成するのに比べて、
誘電体層22の外形形状を導波管7に合わせる必要がな
く、容易に作製することができ、生産性を向上すること
ができる。
【0045】次に、図11および図12は本発明の第4
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、伝送線路
を用いてレーダ装置を構成したことにある。
【0046】31は本実施の形態による送受信装置とし
てのレーダ装置で、該レーダ装置31は、両面に導体層
32A,32Bが形成された誘電体基板32を用いて形
成され、誘電体基板32の表面に設けた電圧制御発振器
33と、該電圧制御発振器33に増幅器34、サーキュ
レータ35を介して接続された導波管36と、該導波管
36に接続されたホーンアンテナからなる放射器37
と、放射器37から受信した信号を中間周波信号IFに
ダウンコンバートするためにサーキュレータ35に接続
されたミキサ38とによって概略構成されている。ま
た、増幅器34とサーキュレータ35との間には方向性
結合器39が接続して設けられ、この方向性結合器39
によって電力分配された信号は、ミキサ38にローカル
信号として入力される。
【0047】そして、これら電圧制御発振器33、増幅
器34、サーキュレータ35、ミキサ38等の間は、第
1ないし第3の実施の形態と同様に誘電体基板32に設
けた複数のスルーホール32Cと裏面に設けた隆起部
(図示せず)とからなる導波路40によって接続され、
これらのレーダ装置31は1枚の誘電体基板32に形成
されるものである。
【0048】また、誘電体基板32の角隅には、サーキ
ュレータ35に接続された導波路40の先端に位置して
スロットをなす開口部41が形成され、該開口部41は
導波管36によって覆われている。これにより、開口部
41は、誘電体基板32と導波管36との間を接続して
いる。
【0049】本実施の形態によるレーダ装置は上述の如
き構成を有するもので、電圧制御発振器33から出力さ
れた発振信号は増幅器34によって増幅され、方向性結
合器39およびサーキュレータ35を経由して、送信信
号として放射器37から送信される。一方、放射器37
から受信された受信信号はサーキュレータ35を通じて
ミキサ38に入力されると共に、方向性結合器39によ
るローカル信号を用いてダウンコンバートされ、中間周
波信号IFとして出力される。
【0050】かくして、本実施の形態によれば、誘電体
基板32に設けたスルーホール32Cと隆起部とからな
る導波路40と導波管36とを開口部41を用いて接続
してレーダ装置31を構成したから、これらの導波路4
0と導波管36との間を低損失で接続することができ、
電力効率を高め、消費電力を低減することができる。
【0051】なお、前記第4の実施の形態では、導波管
36にホーンアンテナからなる放射器37を接続するも
のとしたが、例えば導波管スロットアレイアンテナから
なる放射器を接続する構成としてもよい。
【0052】また、前記第4の実施の形態では、本発明
による伝送線路28をレーダ装置に適用した場合を例を
挙げて説明したが、例えば送受信装置として通信装置等
に適用してもよい。
【0053】また、前記各実施の形態では、略長方形の
長穴からなる開口部6,11,21,41を形成するも
のとしたが、図13ないし図16に示す第1ないし第4
の変形例のように、例えば長さ方向の両端が弧状をなっ
た長穴51、両端に略円形の開口を有するダンベル型の
長穴52、両端に向けた拡開する鼓型の長穴53、鼓型
の両端が弧状となった長穴54等によって開口部を形成
してもよく、開口部には各種の形状を適宜採用し得るも
のである。
【0054】さらに、前記第1ないし第3の実施の形態
では、誘電体基板1には隆起部2の両脇に2列ずつ合計
4列に亘って複数のスルーホール5を配置するものとし
たが、第4の実施の形態のように隆起部の両脇に1列ず
つ合計2列に亘って複数のスルーホールを設ける構成と
してもよく、合計6列以上に亘ってスルーホールを配置
する構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、誘電体基板には、隆起部に対応した位置に開口部
を設けると共に、該開口部を取囲んで導波管を設けたか
ら、開口部を通じて誘電体基板内の導波路と導波管とを
接続することができる。また、開口部の形状を適宜設定
することによって、隆起部の底面と誘電体基板の表面と
の間の高さ寸法を自由に設定することができ、誘電体基
板の設計自由度を増大させることができる。さらに、隆
起部の外面にも電流を流すことができるから、スルーホ
ールへの電流の集中を緩和でき、導体損を低減すること
ができる。
【0056】請求項2の発明によれば、誘電体基板の表
面には開口部を塞ぐ誘電体層を設ける構成としたから、
誘電体基板と導波管との間で変換可能となる高周波信号
の周波数を広げることができると共に、誘電体基板内と
導波管とに対して開口部のインピーダンスを容易に整合
することができ、開口部の放射効率を向上することがで
きる。
【0057】請求項3の発明によれば、開口部は所定の
長さ寸法を有する長穴からなり、該長穴の長さ寸法は該
長穴での高周波信号の波長λに対してλ/2程度の値に
設定したから、開口部を用いて高周波信号を共振させる
ことができ、誘電体基板と導波管との間で高周波信号の
変換特性の最適化を図ることができ、誘電体基板内の導
波路と導波管との間の変換部の反射を低下させることが
できる。
【0058】請求項4の発明によれば、開口部は隆起部
の短絡位置近傍に配置され、開口部の中心位置と隆起部
の短絡位置との間の寸法が誘電体基板内での高周波信号
の波長λgに対してλg/4程度の値に設定したから、開
口部の中心位置で電界強度を高めることができ、開口部
の放射効率を向上することができる。このため、誘電体
基板内での高周波信号の伝搬モードと導波管内での高周
波信号の伝搬モードとの間で変換特性の最適化を図るこ
とができ、変換部の反射を低下させることができる。
【0059】請求項5の発明によれば、導波管には放射
器を接続したから、放射器を通じて高周波信号を送信、
受信することができ、放射器と誘電体基板内との間を導
波管を用いて接続することができる。
【0060】さらに、請求項6の発明によれば、本発明
による伝送線路を用いて送受信装置を構成したから、送
受信装置全体の損失を低減することができ、電力効率を
高めて消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による伝送線路を示す斜視図
である。
【図2】図1中の伝送線路を示す平面図である。
【図3】図1中の伝送線路を示す正面図である。
【図4】第1の実施の形態による伝送線路を誘電体基板
と導波管を分離した状態で示す分解斜視図である。
【図5】図1中の伝送線路による反射係数、透過係数と
高周波信号の周波数との関係を示す特性線図である。
【図6】第2の実施の形態による伝送線路を示す斜視図
である。
【図7】図6中の伝送線路を示す平面図である。
【図8】図6中の伝送線路を示す正面図である。
【図9】図6中の伝送線路による反射係数、透過係数と
高周波信号の周波数との関係を示す特性線図である。
【図10】第3の実施の形態による伝送線路を誘電体基
板、誘電体層および導波管を分離した状態で示す分解斜
視図である。
【図11】第4の実施の形態によるレーダ装置を示す斜
視図である。
【図12】第4の実施の形態によるレーダ装置を示すブ
ロック図である。
【図13】第1の変形例による開口部としての長穴を示
す拡大平面図である。
【図14】第2の変形例による開口部としての長穴を示
す拡大平面図である。
【図15】第3の変形例による開口部としての長穴を示
す拡大平面図である。
【図16】第4の変形例による開口部としての長穴を示
す拡大平面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板 2 隆起部 2A 終端(短絡位置) 3,4 導体層 5 スルーホール 6,11,21,41 開口部 7,36 導波管 12,22 誘電体層 31 レーダ装置(送受信装置) 51,52,53,54 長穴(開口部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡嶋 伸吾 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J011 DA01 5J014 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、該誘電体基板の裏面に設
    けられ高周波信号の伝送方向に沿って断面凸形状で連続
    して延びる隆起部と、該隆起部の外面を含めて前記誘電
    体基板の両面にそれぞれ設けられた導体層と、前記隆起
    部の両脇に位置して前記隆起部に沿って配置され前記誘
    電体基板を貫通して該導体層間を導通させる複数のスル
    ーホールと、前記隆起部に対応した位置で前記誘電体基
    板の表面の導体層を開口して設けられた開口部と、該開
    口部を取囲んで前記誘電体基板の表面側に設けられた導
    波管とによって構成してなる伝送線路。
  2. 【請求項2】 前記誘電体基板の表面には、前記開口部
    を塞ぐ誘電体層を設けてなる請求項1に記載の伝送線
    路。
  3. 【請求項3】 前記開口部は所定の長さ寸法を有する長
    穴からなり、該長穴の長さ寸法は該長穴での高周波信号
    の波長λに対してλ/2程度の値に設定してなる請求項
    1または2に記載の伝送線路。
  4. 【請求項4】 前記開口部は、前記隆起部の短絡位置近
    傍に配置され、前記開口部の中心位置と前記隆起部の短
    絡位置との間の寸法が前記誘電体基板内での高周波信号
    の波長λgに対してλg/4程度の値に設定してなる請求
    項1,2または3に記載の伝送線路。
  5. 【請求項5】 前記導波管には放射器を接続してなる請
    求項1,2,3または4に記載の伝送線路。
  6. 【請求項6】 前記請求項1ないし5のうちいずれかに
    記載の伝送線路を用いた送受信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010206326A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Kyocera Corp 高周波基板、高周波基板を備える送信器、受信器、送受信器およびレーダ装置
JP2011097462A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Furuno Electric Co Ltd アンテナ装置およびレーダ装置

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JP2010206326A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Kyocera Corp 高周波基板、高周波基板を備える送信器、受信器、送受信器およびレーダ装置
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