JP2005215271A - トナー - Google Patents

トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2005215271A
JP2005215271A JP2004021248A JP2004021248A JP2005215271A JP 2005215271 A JP2005215271 A JP 2005215271A JP 2004021248 A JP2004021248 A JP 2004021248A JP 2004021248 A JP2004021248 A JP 2004021248A JP 2005215271 A JP2005215271 A JP 2005215271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
resin
developer
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004021248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005215271A5 (ja
JP4603802B2 (ja
Inventor
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
Keiji Kawamoto
惠司 河本
Yasushi Katsuta
恭史 勝田
Emi Tosaka
恵美 登坂
Takeshi Kaburagi
武志 鏑木
Shinya Yanai
信也 谷内
Yuji Moriki
裕二 森木
Tomoaki Igarashi
友昭 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2004021248A priority Critical patent/JP4603802B2/ja
Publication of JP2005215271A publication Critical patent/JP2005215271A/ja
Publication of JP2005215271A5 publication Critical patent/JP2005215271A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4603802B2 publication Critical patent/JP4603802B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 低温定着性、耐高温オフセット性、転写性に優れ、高精細・高品位な画像を安定して得ることができるトナーを提供する。
【解決手段】 着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含むトナーにおいて、
該極性樹脂は、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合したポリエステル樹脂を少なくとも含有しており、
該トナー粒子は水系媒体中で造粒することにより得られたものであることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、トナージェット記録法(磁気記録法)に用いられるトナーに関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録材(転写材)にトナーを転写させた後、熱・圧力により記録材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。転写されず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
近年このような複写装置は、ユーザーの高い要求に伴い、高画質化、小型化、軽量化、高速化、高信頼性化の方向に改良が進められ、製品の性能が厳しく追及されてきている。また、オリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザインの高細密画像のコピー用に使われるようになって久しい。さらには近年、デジタルカメラの爆発的な普及で撮影した写真の出力用として、高精彩プリンターの要望が高まってきている。一方では、環境対応、省エネ対応等への配慮もますます必要となってきている。
ユーザーの要求である画像の高画質化・高精細化・高安定化を達成する上で電子写真画像形成工程上、困難な工程として、現像工程が挙げられる。
電子写真法において、静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像との静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。トナーを用いて静電荷像を現像する現像剤のうち、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる磁性一成分系現像剤と、非磁性トナーを弾性ブレード等の帯電付与部材により帯電させて現像させる非磁性一成分現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤とがある。
小径レーザービームなどを用い、感光体へ露光を行う技術が発達して静電潜像が細密化してきている現在、静電潜像に対して忠実に現像を行い、より高画質出力を得るため、前述のいずれの現像方式においても、トナー粒子及びキャリア粒子ともに小径化が進んでいる。特に、トナーの平均粒子径を小さくして画質を改善することがしばしば行われている。
トナーの平均粒子径を小さくすることは、画質特性のうち、特に粒状性や文字再現性をより良くするための有効な手段であるが、特定の画質項目、特に耐久印刷時のカブリ、感光体融着、トナー飛散等において改善すべき課題を有している。
この原因としては、第一に、長期にわたる使用によって、トナー粒子に添加された外添剤の劣化が起こる事、及び、スリーブやキャリア等の帯電付与部材やスリーブ上のトナーのコート性を所定量に保つための規制部材がトナーや外添剤により汚染される、即ちスペントが起こる事の2点により、結果としてトナーの帯電量が低下するために起こるものである。この現象はトナーを小径化することによって発生しやすくなる。詳述すると、摩擦帯電は一成分系現像剤ではトナーとスリーブ間の、二成分系現像剤ではトナーとキャリア間の接触・衝突などの物理的外力によりなされるため、どうしてもトナーと帯電付与部材
(スリーブ・キャリア)や規制部材の全てにダメージを与えてしまう。例えば、トナーにおいては、その表面に添加される外添剤がトナー中に埋め込まれたり、トナー成分が脱落したりする。帯電付与部材や規制部材においては、外添剤を含むトナー成分により汚染されたり、帯電を適正に安定化させるために帯電付与部材上にコートされたコート成分が摩耗したり、破壊されたりする。これらのダメージは、複写回数が増えるにしたがって、現像剤の初期特性が維持できなくなり、カブリや機内汚れ、画像濃度の変動を引き起こす原因となる。この現象は、特に静電潜像の画素単位が細密化するほど目立ちやすいものとなる。
第二に、画像面積比率の高い原稿を用いた場合において、トナーが大量に帯電付与部材上に供給される場合、供給された際にトナーが均一に帯電されるまでに時間がかかり、未帯電トナーが現像に寄与することによって、上記の問題を生じる。この現象は、トナーを小径化し、流動性が低下した際に顕著に起こるものである。このような画像欠陥は、フルカラーでの多色重ね合わせ像を形成する場合に問題となりやすく、特に改善を要する。この問題への対策として、帯電付与部剤の帯電系列・抵抗に関する検討が中心に行われている。また、トナーとしては種々の荷電制御剤の改良で迅速に帯電せしめる検討も行われている。
二成分系現像剤に使用される磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または磁性体微粒子を結着樹脂中に分散した樹脂コートキャリアが知られている。そのなかでもキャリアコア材の表面に樹脂を被覆した樹脂コートキャリアを用いる現像剤は、抵抗を適性化することができ、帯電制御性が優れ、環境依存性や経時安定性の改善が比較的容易であるため、好ましく用いられている。
上述したような小粒径トナーに対する帯電の不十分さを解決するために、特に二成分系現像剤ではキャリアを小粒径化することも好適な手段であるが、キャリアの比表面積の増大に伴い、耐スペント性の悪化を引き起こし易くなる。
これらの問題については、用いるキャリア量を増やすこと等が行われているものの、複写機あるいはプリンター本体の小型化に反するものであり実用的ではない。
他方、ユーザーの欲求を満たす上で最も重要であり技術的に困難な工程として、定着工程が挙げられる。
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は、加熱させたローラーやフィルムあるいはベルトによる圧着加熱方式である。
圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素樹脂)で表面を形成した加熱体の表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過させることにより定着を行うものである。この方法は、加熱体の表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、加熱体表面とトナー像とが溶融状態で加圧接触するためにトナー像の一部が加熱体表面に付着・転移し、次の被定着シートを汚すことがある(所謂「オフセット現象」)。そのため加熱体にトナーが付着しないようにすることは、必須条件の一つとされている。
このためオフセットを防止する目的で、定着体に例えばシリコーンオイル等のオイルを供給し、定着体上に均一に被覆する方法もカラー機としては存在する。
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になるという問題点を有しており、小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子となっている。さらに、プレゼンテーション用としてオーバーヘッドプロジェクターを利用するトランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)においては、紙と異なりオイル吸収能力が低いため、定着後のOHPフィルム表面のべたつきが問題となっている。また、紙の場合、吸収されたオイルにより水性インク等での書き込みができないという問題点も有している。このような背景からオイルレス又はオイル塗布量の少ないシステムで、定着が可能なフルカラートナーが強く求められている。
このような状況の中、カラートナーにおいても、トナー中に離型剤を含有させることにより、オイルレス定着又はオイル少量塗布定着を実現している。
トナー粒子中に離型剤を含有させることは知られている(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
さらに離型剤をトナー粒子に含有させることが多数開示されている(例えば特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16参照)。
離型剤は、トナーの低温定着時や高温定着時の耐オフセット性の向上や、低温定着時の定着性の向上のために用いられている。反面、トナーの耐ブロッキング性を低下させたり、機内の昇温によってトナーの現像性が低下したり、また長期間トナーを放置した際に離型剤がトナー粒子表面に滲み出すことで、現像性が低下したりする。
また、離型剤含有トナーの弾性率を規定することで,オイルレス定着を可能とする出願がなされている。該公報らは確かに150℃、170℃という定着設定温度近傍での粘弾性を規定することにより、OHPの透明性と高温耐オフセット性を両立させる旨の発明がなされている(特許文献17、特許文献18参照)。しかし連続通紙時の加熱体の温度低下が激しくなる高速定着の場合の低温時の定着不良、所謂低温オフセット現象や、排紙・積載不良等の定着に関する点及び、長期的に安定した現像性を供する点に対し、課題を有している。
上記の排紙・積載不良に関して説明する。オイルレス又はオイル少量塗布定着時の場合の課題として、転写紙の排紙側先端が定着ニップ通過後に定着体方向に引っ張られた形で排紙される。これは、トナー溶融面と定着体との離型性不足から起こる現象である。この場合、多数排紙した紙の積載不良の問題を生じる。また、上記現象のレベルが悪い場合、転写紙が定着体に巻きつき、排紙不良を引き起こす。この排紙不良を防ぐために、分離爪等の部材を接触又は非接触で定着ローラーに当接することが行われている。しかし、接触させる場合、分離爪等に滞留したオフセットトナーで、定着ローラーへの接触圧が増大し、定着体表面を傷つけてしまい、その部分の定着性が低下することで他の部分とのグロス差を生じ、定着画像の品位がその部分のみ異なる。さらには、分離爪部に滞留したトナーは、あるタイミングで剥がれ落ち,加圧体まで転移し、出力画像の裏面を汚す所謂裏汚れを発生する。その現象を低減させるために、シリコーンオイル等を含侵させたウエッブ等を当接させることが試みられているが、前述の用に定着器の小型化・低コスト化に反する。このまきつき現象は、トナーと定着体の親和性が高いほど起こるものであり、定着構成としては定着スピードが大きくなるほど、定着温度が下がるほど悪化傾向にある。
定着工程での更なる要求として、プリンターや複写機本体の省電力化や高速化に対応し、低温で定着できるトナーが挙げられる。特に、フルカラー画像の形成は色材の3原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行うものであり、多色面像を紙上に定着し、且つオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)に定着して、色再現・透過性を満足しなくてはならないため、その技術的難易度は高い。
これらの問題を解決するためには、シャープメルト性を有する樹脂を用いることが好ましく、特にポリエステル樹脂をトナー中に含有させる事が行われている。
ポリエステル樹脂は、低温定着性に優れる反面、それがもつ酸価及び水酸基価のため、トナーにした場合の帯電量をコントロールすることが難しい。特にこの現象は樹脂の分子量分布がブロードな場合に、顕著に起こる。帯電量コントロールの困難さとは具体的に、低湿下での過剰帯電(所謂チャージアップ)、高湿下での帯電量不足といった環境特性の大きさと、帯電量の立ち上がり速度の遅さという点である。また、低温定着性を向上させるために、ポリエステル樹脂の低分子量化を図った場合、オリゴマー成分が増加し、感光体や帯電付与部材へのトナー汚染を生じる頻度が高くなる。
トナー用ポリエステル樹脂を製造するための一般的な重合触媒として、ジブチルスズオキサイドやモノブチルスズオキサイド等の有機スズ系触媒や三酸化アンチモン等のアンチモン系が用いられてきた。しかしこれらの技術は、前述の高いユーザーの要求を満たすフルカラートナーとして求められる低温定着性、耐高温オフセット性といった定着性、混色性や透明性等の色再現性を満足させる事及び、帯電量の立ち上がり特性、トナーの帯電量を安定して制御する点、さらには感光体等への部材汚染を抑制する点において、課題を有している。
そこで、ジオールのチタン酸エステルを重合触媒として用いる発明がなされている(特許文献19参照)。また、固形状チタン化合物を重合触媒として用いる発明がなされている(特許文献20参照)。これらの発明は、チタン化合物を重合触媒として用いることで、トナーのチャージアップ現象は抑制されているものの、帯電の立ち上がり特性を十分に満足させるには至っていない。
また、通常シャープメルト性樹脂を用いると、加熱加圧定着工程でトナーが溶融した際、結着樹脂の自己凝集力が低いため耐高温オフセット性に問題を生じ易い。そのため、定着時の耐高温オフセット性を向上させるためポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスに代表される比較的高結晶性のワックスが離型剤として用いられている。
しかし、フルカラー画像用トナーにおいては、この離型剤自身の高結晶性やOHP用シートの材質との屈折率の違いのため、OHPで透映した際、透明性が阻害され、投影像は彩度や明度が低くなる場合がある。
そこで、これらの問題を解決するため結晶化度の低いワックスを用いる方法が提案されている(例えば特許文献21、特許文献22参照)。比較的透明性が良く融点の低いワックスとしてモンタン系ワックスがあり、該ワックスの使用が多数提案されている(例えば特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27参照)。しかしながら、これらのワックスは、OHPでの透明性と加熱加圧定着時の低温定着性及び耐高温オフセット性の全てを十分満足するには若干の課題を有している。
また、上記の離型剤含有させたいずれのトナーにおいても、トナー表面の離型剤の存在により良好な現像特性、特に帯電の立ち上がり特性を長期にわたり安定して供するものは存在していない。
以上のように、低コスト・小型・高速マシンを達成しうる定着性と、画像品位を長期にわたり満足できる現像性を両立したトナーが未だ提供できていない現状にある。
米国特許第2,297,691号明細書 特公昭42−23910号公報 特公昭43−24748号公報 特公昭52−3304号公報 特公昭52−3305号公報 特開昭57−52574号公報 特開平3−50559号公報 特開平2−79860号公報 特開平1−109359号公報 特開昭62−14166号公報 特開昭61−273554号公報 特開昭61−94062号公報 特開昭61−138259号公報 特開昭60−252361号公報 特開昭60−252360号公報 特開昭60−217366号公報 特開平6−59502号公報 特開平8−54750号公報 特開2002−148867号公報 特開2001−64378号公報 特開平4−301853号公報 特開平5−61238号公報 特開平1−185660号公報 特開平1−185661号公報 特開平1−185662号公報 特開平1−185663号公報 特開平1−238672号公報
本発明は、上述の如き問題点を解決し、低温定着性、耐高温オフセット性に優れ、いかなる環境においても長期にわたり安定して高画質画像を達成し得るトナーを提供することを課題とする。
また、本発明は、カラートナーにおいて混色性や透明性等の色再現性の優れたトナーを提供することを課題とする。
また、本発明は、感光体や現像剤の帯電付与部材等へのトナー汚染を抑制する優れたトナーを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の重合触媒で合成された極性樹脂を用いることにより、上記要求を満足できることを見いだし、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含むトナーにおいて、
該極性樹脂は、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合したポリエステル樹脂を少なくとも含有しており、
該トナー粒子は水系媒体中で造粒することにより得られたものであることを特徴とするトナー。
(2) 前記触媒として炭素数7〜12のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用することを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3) 前記極性樹脂の酸価が3〜35(mgKOH/g)であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
(4) 前記極性樹脂の酸価が7〜15(mgKOH/g)であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー。
(5) 前記トナーの重量平均粒径は4〜10μmであることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載のトナー。
(6) 前記トナーの重量平均粒径は6〜7.5μmであることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載のトナー。
(7) 前記トナー粒子又は前記トナーに対する水/メタノール濡れ性試験において、透過率が初期の50%になるまでのメタノール質量%が下記(1)式〜(3)式の全ての関係を満たすことを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載のトナー。
Figure 2005215271
Figure 2005215271
Figure 2005215271
(但し、TAはトナー粒子のメタノール質量%を、TBはトナーのメタノール質量%を表す。)
(8) 前記トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜120℃の範囲にあることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載のトナー。
(9) 前記トナーが、サリチル酸系金属化合物を含有することを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載のトナー。
(10) 前記サリチル酸系金属化合物の金属が、アルミニウム又はジルコニウムであることを特徴とする(9)に記載のトナー。
(11) 前記トナー粒子は、重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤及び重合開始剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し、造粒し、そして重合性単量体を重合することにより得られたものであることを特徴とする(1)〜(10)の何れかに記載のトナー。
(12) 着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とからなるトナーの製造方法において、
該極性樹脂に少なくとも含有されるポリエステル樹脂を、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合することにより製造し、
該トナー粒子を水系媒体中で造粒することにより製造することを特徴とするトナーの製造方法。
本発明のトナーにおいては、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合したポリエステル樹脂であって、特に適度な酸価を有するポリエステル樹脂を含有させたトナーを用いることにより、帯電の立ち上がり速度が速く,多数枚の
連続プリントを行っても、画像濃度が安定し、カブリのない耐久安定性に優れた画像が得られる。また、このポリエステル樹脂からなる極性樹脂と離型剤との相互作用により、現像性の悪化を招くことなく広い定着領域を有するトナーが提供できる。よって、本発明によれば、長期にわたって安定した画像を供する事が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーは、着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粉体とを有し、該極性樹脂は、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合したポリエステル樹脂を少なくとも含有しており、該トナー粒子は水系媒体中で造粒することにより得られたものであることを特徴とする。
本発明者らは鋭意検討の結果以下のことを見出した。炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を触媒として使用することにより重合して得たポリエステル樹脂を少なくとも有する極性樹脂をトナー中に含有させることにより、好ましいトナーが得られることを見出したことが特徴の1つである。
上記アルキルカルボン酸のスズ化合物は、エステル化反応及びエステル交換反応において好適な触媒であり、樹脂の軟化点や物性等の調整を容易に行うことが出来る。例えば、縮合時間は長めになるが、低分子量成分を少なくすることができる。よって、この触媒を使用すると、オリゴマー成分(GPC測定における個数平均分子量:約500以下の成分)
を多量に含まない状態で低分子量化した所謂シャープな分子量を有するポリエステル樹脂を提供することができる。
そして、この特定の触媒を用いることにより得られるポリエステル樹脂をトナーに含有させると、下記に示すような良好な結果を示すトナーを得ることができる。
一つに、トナー製造時におけるポリエステル樹脂と着色剤の分散性、及びポリエステル樹脂と着色剤との密着性を向上させることができる。
懸濁重合法や懸濁造粒法等を用い、ポリエステル樹脂や着色剤をモノマーや溶剤に溶解させる時、ポリエステル樹脂がオリゴマー成分を極力排除した適度な粘度を有していると、溶解時の粘度を安定化させる事ができ、着色剤は均一に分散される。また、乳化凝集法を用い、乳化粒子にポリエステル樹脂や着色剤を分散・凝集させる場合も、上記のようにポリエステル樹脂がオリゴマー成分を極力排除した適度な粘度を有していると、着色剤は、同様に均一に分散される。さらにポリエステル樹脂中に無機スズ化合物が存在することで、着色剤の再凝集性が低減する。すわなち、着色剤の微分散安定化が増大し、カラートナーにおいて混色性や透明性等の色再現性に優れたものとなる。また無機スズ化合物は、離型効果をも有しているため、トナーと感光体や帯電付与部材との化学的な付着性を抑制し、感光体フィルミングや、かぶり、トナー飛散、スジ画像等の画像欠陥を発現させない。
また、オリゴマー成分を多量に含まないポリエステル樹脂を用いる事で、熱安定性が高まり耐ブロッキング性の高いトナーが得られる。また、低分子量のポリマー成分を多量に有するシャープな分布のポリエステル樹脂により、低温定着性の効果が高まる。
また、本発明の構成のトナーは、従来の粉砕トナーに比べ、平均円形度の値を高く、円形度標準偏差の値を小さくすることができるという特徴がある。具体的には、本発明の構成とすることにより、本発明のトナーをフロー式粒子像測定装置で計測した場合、個数基
準の平均円形度の値は、0.96以上、より好ましくは0.97以上、円形度標準偏差の値は、0.04以下、より好ましくは0.035以下にすることができる。
つまり、本発明のトナーは、より好ましくは、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.960〜0.995、円形度標準偏差が0.01〜0.04であり、さらに好ましくは平均円形度が0.970〜0.990、円形度標準偏差が0.02〜0.035であるトナーとなっている。
また、本発明の構成のトナーは、現像性を損なわず、以下で詳述する離型剤を多量に添加することが可能である。具体的には、離型剤を総量でトナー100質量部中に10質量部以上添加することが可能である。
さらに本発明の効果が良好に発現させるためには、ポリエステル樹脂が適度な酸価を有しているとよい。極性樹脂を得る際に使用される触媒や極性樹脂の酸価を規定することにより、その相互が良好に作用し合い、トナーの帯電速度と飽和帯電量を高めることができ、チャージアップを抑制させることも可能となる。また、ポリエステル樹脂と離型剤は適度な親和性を示すため、低温定着性及び耐高温オフセット性も満足させ、広い定着領域を確保することが可能となる。つまり、極性樹脂と相溶した離型剤は可塑的な働きをし、低温定着性を向上させることができる。一方、極性樹脂と非相溶の離型剤は、離型剤が本来有する離型効果を充分発揮させることができる。この効果は、極性樹脂がトナー表面により存在しうる懸濁重合法を用いてトナーを製造する場合に、より顕著となる。また本発明のトナーを4〜10μmの小粒径トナーとすることで、高画質画像を供し得るトナーとなる。
さらに、本発明のトナーがカラートナーである場合、離型剤として低結晶性のものを含有させるのが好ましい。特に、離型剤として少なくともエステル系のワックスを含有させると、ポリエステル樹脂との相溶性の面からより好ましい。これにより、カラートナーにおける混色性・透明性を高めることができる。さらに、現像性を阻害しないレベルで離型剤をトナー表面近傍に存在させることができるため、前述した排紙・積載不良も解決することができる。
本発明で用いるアルキルカルボン酸のスズ化合物におけるアルキルカルボン酸の炭素数としては、5以上15以下のものが好ましく、7以上12以下のものがより好ましい。
アルキルカルボン酸の炭素数が5未満であると、着色剤の分散・安定効果が得られ難く、カラートナーの場合の混色性や透明性等の色再現性に課題を有することとなる。一方、アルキルカルボン酸の炭素数が15より大きいと、エステル化反応の触媒効果が薄れはじめ、分子量の調整が困難となり、分子量分布がブロードなポリエステル樹脂が得られることとなる。
本発明において、炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物としては特に限定されないが、好ましくは一般式(I)で示される化合物である。
Figure 2005215271
(式中、nは5〜15の整数を示す。)
例えばペンタン酸、ヘキサン酸、2,2-ジメチルプロパン酸、2-エチルヘキサン酸、ヘ
プタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、テトラデカン酸、ドデカン酸等のスズ化合物が挙げられる。この中でも2-エチルヘキサン酸スズが特に好ましく用いられる。また
、本発明では、2種以上のアルキルカルボン酸のスズ化合物を用いてもよい。
また該炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物の添加量としては、総ポリエステルユニット成分量に対して0.01質量%〜2質量%、好ましくは0.05質量%〜1質量%、さらに好ましくは、0.1質量%〜0.7質量%が良い。0.01質量%未満となると、ポリエステル重合時の反応時間が長くなるとともに、着色剤の分散・安定性を向上させる効果が得られにくくなるからである。また、ポリエステル樹脂の分子量分布はブロードなものとなり、その結果得られるトナーは、良好な定着性を示しにくくなるからである。一方、2質量%を超えると、トナーの帯電特性に影響を及ぼすようになり、環境により帯電量が大きく変動し好ましくないからである。
本発明のトナーに含有される極性樹脂は、上述の特定の触媒を用いることにより得られたポリエステル樹脂を少なくとも有していれば良く、一般的にトナーとして用いられる他の樹脂を含むことも可能である。全樹脂中に含まれるポリエステル樹脂成分は、3質量%以上であることが、本発明の効果を発現させるために好ましい。3質量%に満たない場合、本発明の効果の中でも特に良好な帯電特性を得ることが困難となる。
本発明に用いられる極性樹脂の酸価(mgKOH/g)は3以上35以下とすることで、本発明の効果を発揮しえる。好ましくは5以上30以下、さらに好ましくは7以上15以下の酸価が良い。
酸価が3未満の場合、トナーの帯電の立ち上がりが遅く、帯電が立ち上がるまでに、カブリや飛散といった画像欠陥を引き起こす。また、酸価が35より大きい場合、特に低湿環境下でのチャージアップが顕著になり、画像濃度低下や文字の飛び散りといった弊害が発生する。
本発明のトナー粒子は、本発明の効果を充分発揮するという観点から、懸濁重合、乳化重合、懸濁造粒法等の方法を用い、水系中で造粒することにより製造されたものであるとよい。一般的な粉砕法のトナーの場合、離型剤を大量にトナー粒子に添加することは、現像性の面で非常に技術的難易度が高い。水系中でトナー粒子を造粒することで、離型剤を大量に使用しても、トナー表面に存在させない手法をとることができる。中でも懸濁重合法が離型剤のトナー中への内抱化及び、溶剤を使用しないといった製造コスト面から最も好ましい態様といえる。
本発明のトナーの重量平均粒径は、本発明の効果を充分発揮するという観点から、4〜10μmであることが好ましい。より好ましくは5〜9μmであり、さらに好ましくは6〜7.5μmである。
トナーの重量平均粒径が4μm未満であると、チャージアップを引き起こし易くなり、それによるカブリや飛散、画像濃度薄等の弊害を引き起こし易くなる。また、長期画像出力において帯電付与部材を汚染し易くなり安定した高画質画像を供しにくくなる。さらには、感光体上に残る転写残トナーのクリーニングが困難となるばかりでなく、融着等も発生し易くなる。
一方、10μmより大きいと、微小文字等の細線再現性の悪化及び画像飛び散りの悪化を引き起こし、昨今望まれる高画質画像を供し得ない。
本発明のトナー粒子に対する水/メタノール濡れ性試験において、透過率が初期の50%になるまでのメタノール質量%(TA)は10以上70以下が良く、好ましくは15以上60以下が良く、さらに好ましくは20以上50以下が良い。
同様に本発明のトナーに対する水/メタノール濡れ性試験において、透過率が初期の50%になるまでのメタノール質量%(TB)は30以上90以下が良く、好ましくは35以上80以下が良く、さらに好ましくは40以上70以下が良い。
TAが10未満またはTBが30未満であると、水との親和性が高いことを示し、高湿環境下での帯電性が低下する。特にこの現象は、耐久後半に画像印字の劣化として表れる。
一方、離型剤のトナー表面露出や改質等によりTAが70より大きい場合または疎水性の高い無機微粉体の使用及びその多量添加によりTBが90を超えた場合、あまりにも撥水性が高過ぎるため、特に低湿環境において、チャージアップ現象による現像スリーブのコート均一性の悪化や画像濃度薄、帯電付与部材や感光体へのトナー付着といった弊害をもたらす。また、大量の無機微粉体の添加は、定着性能の悪化や、感光体や感光体の帯電部材、現像工程のトナー帯電付与部材等を汚染し、好ましくない。
また、トナー粒子とトナーの水/メタノール濡れ性試験におけるメタノール質量%の値の差(TB−TA)は60より小さいほうが好ましく、より好ましくは5以上45以下、さらに好ましくは10以上30以下である。
トナー粒子が水に濡れ易い場合、無機微粉体等の添加剤の種類や量により、トナーの水への濡れ性を抑えるよう調整することは重要である。しかし、(TB−TA)が60より大きくなってしまうと、たとえ初期的には問題のない画像が得られたとしても、耐久安定性には欠けるものとなる。具体的には、耐久後半のかぶり、飛散等の弊害を引き起こす。また、現像性変化が大きくなり、紙上へのトナー載り量を制御する事が困難となる。特にカラー画像においては、同一画像を出力した場合の初期画像と連続通紙時の画像の色味が異なるという問題が発生しやすくなる。
本発明のトナーは着色剤と離型剤及び極性樹脂とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜120℃の範囲にあることが好ましく、55〜100℃の範囲にあることがより好ましく、60〜75℃の範囲にあることがさらに好ましい。
この最大吸熱ピークはトナー中の離型剤の種類によって調整され得る。このピーク値が上記範囲にあることで、定着性と現像性を両立しえるものとなる。2種以上の離型剤を用いることも本発明を達成するために好適に用いられる方法であるが、最大となるピーク温度範囲は上記範囲となることが重要である。
最大ピーク温度が50℃未満の場合、トナーの保存性及びかぶりや飛散等の現像性を悪化させてしまう。
一方、最大ピーク温度が120℃より大きい場合、トナーに与える可塑効果が少なく低温定着性が若干劣るものとなる。また、定着器の温調が連続通紙時に低下した場合に、定着体とトナー間に良好に離型剤が介在しえず、転写紙が定着体にまきつく(所謂定着まきつき)現象が起こり易くなる。
また吸熱ピークの半値幅は、15℃以下であることが好ましく、7℃以下であることがより好ましい。
半値幅が15℃を超える場合は、離型剤の結晶性が高くないことから、離型剤の硬度も軟らかく、感光体や帯電部材への汚染を促進させてしまうことがある。
トナー中に含まれる離型剤は総量で、トナー100質量部中に2.5〜25質量部含有されることが好ましく、4〜20質量部含有されることがより好ましく、6〜18質量部含有されることがさらに好ましい。
離型剤含有の総量が2.5質量部より小さいと、定着時の離型性効果が十分に発揮できず、定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。逆に25質量部より大きいと、離型剤による帯電付与部材や感光体への汚染が顕著となりカブリや融着といった弊害を生じる。
本発明のトナーは、数平均分子量(Mn)が2000〜5万であることが好ましく、5000〜4万であることがより好ましく、1万〜2.5万であることがさらに好ましい。数平均分子量(Mn)が2000より小さいと、トナー粒子自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。逆に数平均分子量(Mn)が5万より大きいと、トナー粒子自体の弾性が高くなる傾向にあり、定着時に離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、低温時の転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。
また、本発明のトナーは、重量平均分子量(Mw)が1万〜150万であることが好ましく、5万〜100万であることがより好ましく、10万〜75万であることがさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が1万より小さいと、トナー母体自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。逆に重量平均分子量(Mw)が150万より大きいと、トナー母体自体の弾性が高くなる傾向にあり、定着時に離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、低温時の転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。また、極端に定着グロスが低いものとなる。
上記所望の物性のトナーを得るには、樹脂あるいは重合トナーを製造する際の反応温度や製造する際に使用する重合開始剤、架橋剤、連鎖移動剤、又は離型剤の種類や量を適宜調整するとよい。
また、適度な中グロスの画像を達成するには、本発明のトナーの125℃におけるメルトインデックス(MI)値は1〜50であることが好ましく、3〜40であることがより好ましい。MI値が1より小さいとグロスが低すぎ、50より大きいとギラついた高グロスな画像となる。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、50〜75℃であることが好ましく、52〜70℃であることがより好ましく、54〜65℃であることがさらに好ましい。Tgが50℃未満であると、トナーの保存性が悪化する。一方、75℃より大きいと低温定着性能が悪化する。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスなどのポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物などの誘導体が挙げられ、必要に応じて蒸留などしても構わない。
上記各ワックスの中でも、下記一般式(A)〜(C)で示すエステルワックスがより好ましい。
Figure 2005215271
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2005215271
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、Rは炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2005215271
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、Rは炭素数が1以上の有機基を示し、kは1〜3の整数であるり、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
離型剤の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300〜1,500であることが好ましく、400〜1250であることがより好ましい。重量平均分子量が300未満になると離型剤のトナー粒子表面への露出が生じ易く、感光体や帯電ローラー、帯電付与部材を汚染しやすく、かぶりや融着等の画像欠陥を生じ易い。逆に、重量平均分子量が1500を超えると、定着巻きつき性の悪化、低温定着性の悪化、OHT透明性の悪化等の弊害が発生する。
また、離型剤の重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下であると、離型剤のDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示すため好ましい。
該離型剤の針入度は15度以下であることが好ましく、8度以下であることが好ましい。針入度が15度を超える場合には、離型剤の吸熱ピークの半値幅が15度を超える場合
と同様に、感光体や帯電部材、帯電付与部材を汚染しやすく、かぶりや融着等の画像欠陥を生じ易い。
本発明で用いられるポリエステル樹脂を構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物又は2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とを縮重合することにより得られる。
2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価以上のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。特に、反応性の高さからイソフタル酸が好ましく用いられる。
また、その他のモノマーとしては、グリセリン、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類等が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマー成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸モノマー成分として、これらの成分を縮重合して得たポリエステル樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2005215271
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
また、本発明のトナー粒子中に含まれる極性樹脂は、総量でトナー粒子中に1質量%以上含有されているとよい。
本発明のトナーに含有させる結着樹脂として、上記ポリエステル樹脂からなる極性樹脂以外にも他の樹脂を含有させることができる。本発明のトナーに含有させる結着樹脂としては、上記ポリエステル樹脂からなる極性樹脂以外に、以下で示すような結着樹脂を挙げることができる。
ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
本発明で使用する結着樹脂としては、主成分としてポリエステル樹脂を少なくとも有するが、現像性、定着性からは、ポリエステル樹脂及び/又はスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン系共重合体も含有されているとよい。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
上記スチレン系共重合体はジビニルベンゼン等の架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
本発明のトナー粒子は水系媒体中で造粒することにより得られたものであるとよい。特に、重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤及び重合開始剤を少なくとも含有する重合
性単量体組成物を水系媒体中に分散し、造粒し、そして重合性単量体を重合することにより得られたものであるとよい。
本発明の水系中で製造されるトナー粒子の中で最も好適に用いられる懸濁重合を例示して、重合法によるトナー粒子の製造方法を説明する。
重合性単量体、着色剤、極性樹脂および離型剤、更に必要に応じて他の添加剤などをホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解または分散させた単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。そして、重合性単量体組成物を造粒し、重合性単量体を重合することによりトナー粒子を得る。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独で或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用するとよい。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーに用いられる着色剤は、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用いる事ができる。黒色着色剤としてはカーボンブラック,磁性体を主着色剤として用いる事ができ、下記色材を混合させて色味やトナー抵抗を調整する事も良好な態様の一つである。
イエロー着色剤の顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3.7.10.12.13.14.15.17.23.24.60.62.74.75.83.93.94.95.99.100.101.104.108.109.110.111.117.123.128.129.138.139.147.148.150.155.166.168
.169.177.179.180.181.183.185.191:1.191.192.193.199等が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.I.solvent Yellow33.56.79.82.93.112.162.163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211などが挙げられる。このようなイエロー着色剤をトナーに含有させることにより、イエロートナーを得ることができる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が特に好適に利用される。このようなマゼンタ着色剤をトナーに含有させることにより、マゼンタトナーを得ることができる。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。このようなシアン着色剤をトナーに含有させることにより、シアントナーを得ることができる。
上記ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーを組み合わせてフルカラー画像を形成するフルカラートナーを得ることができる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から適宜選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部を添加するとよい。
本発明のトナーには、荷電制御剤を併用しても構わない。トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
特に本発明では、トナー中に荷電制御剤としてサリチル酸系金属化合物を含有させることが好ましく、さらにその金属としてアルミニウム又はジルコニウムであることがより好ましい。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン
酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
本発明のトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、部材付着抑制、耐久性向上のために、無機微粒子を有する。本発明で用いられる無機微粒子のうち、滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。上記のうち、ポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
また、上記無機微粒子として荷電制御性粒子を含有させることもできる。該荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化スズ、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、アルミナなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
また、上記無機微粒子のうち研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。これらのうち、研磨剤としてはチタン酸ストロンチウムが好ましく用いられる。
また、上記無機微粒子のうち流動性付与剤としては、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニアなど)、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。特に前述したようにシリカ、アルミナ、チタニアはトナーの流動性及び帯電性を良好に維持する点、かつ本発明のトナー粒子への吸着性能の高さといった点で好ましく、2種以上を併用することも良好な態様である。その中でも、本発明の炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物との相性から少なくともシリカを含むことが最も好ましい。
本発明におけるトナーに添加される無機微粉体の総添加量は、トナー粒子100質量部に対し0.5〜4.5質量部が好ましく、0.8〜3.5質量部がより好ましい。無機微粉体の総添加量が0.5質量部未満であると,トナーの流動性が不十分となり、帯電性の低下に伴うかぶり悪化、トナー飛散を招き本発明の効果を充分に発揮し得ない。一方、総添加量が4.5質量部を超えると、トナー飛散、定着性の悪化、感光体融着、帯電付与部材汚染でのトナー帯電量低下等の弊害が生じる。
上記無機微粒子として好ましく添加するチタニア、シリカ、アルミナはBET法で測定した窒素吸着による比表面積が20〜400m2/g、より好ましくは35〜300m2/g、さらに好ましくは50〜230m2/gの範囲内のものが良い。20m2/g未満では、トナー粒子の十分な流動性を確保する事が困難となる。逆に400m2/gより大きい
と、連続通紙時においてトナー上の無機微粒子の存在状態の変化割合が大きくなり、トナー粒子の凝集度が低下する。また、本発明で規定するTB−TAの値が60より大きくな
りやすく、かぶり、飛散、カラー画像での色味変動等の弊害が生じやすくなる。
上記流動性付与剤としての無機微粒子は、疎水性、帯電性、さらには転写性を向上させる目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤を単独で或いは併せて用いることにより、処理されていることが好ましい。
また、トナー粒子の形状は球形に近いことが好ましく、具体的にはトナー粒子の形状係数は、SF−1が100〜150、より好ましくは100〜140、さらに好ましくは100〜130の範囲である。また、SF−2が100〜140、より好ましくは100〜130、さらに好ましくは100〜120の範囲内である。
トナーの形状係数SF−1が150を超える場合またはSF−2が140を超える場合には、トナーの転写効率の低下、トナーの再転写の増大、潜像担持体表面の磨耗量の増大が生じ易くなり好ましくない。
本発明のトナーを、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることも、本発明の好ましい態様の一つである。本発明に用いられるキャリアとしては、磁性材料、又は磁性材料と非磁性材料の混合物からなる芯材粒子を、樹脂及び/またはシラン化合物で被覆したキャリアであることが好ましい。ここで、芯材粒子に磁性体分散型樹脂キャリアを用いたキャリアが画像特性、長期耐久性の点で好ましい。特に、負帯電性のトナーと混合して用いられる場合には、アミノシラン化合物を含有する被覆層を芯材粒子に被覆させることが好ましい。なお、本発明の10μm以下の微粒径トナーは、キャリア粒子の表面を汚染し易い傾向にあるので、これを予防する為にも芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
表面を樹脂で被覆したキャリアは、高速機に適用した際の耐久性に於いても利点があり、トナーの電荷を制御するという点でも優れたものである。
キャリアの表面を被覆する被覆層を形成するための樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン系化合物を好ましく用いることができる。
キャリアの被覆層を形成するフッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロルエチレン等のハロフルオロポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオルプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体とのターポリマーの共重合体等のフルオロターポリマーが好ましく用いられる。
上記フッ素系樹脂の重量平均分子量は、50,000〜400,000(より好ましくは100,000〜250,000)であることが好ましい。
キャリアの被覆層を形成する樹脂としては、上記フッ素系樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、これらをブレンドしたものを用いてもよい。更には、上記フッ素樹脂に非フッ素系の重合体をブレンドして用いてもよい。
非フッ素系の重合体としては、以下に挙げる様なモノマーの単重合体或いは共重合体が
用いられる。
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メチキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシシエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸エチルモレホリン、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸エチルモルホリン及びビニルピリジン等の1分子中に1個のビニル基を有するビニル系モノマー;ジビニルベンゼン;グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物等の1分子中に
2個以上のビニル基を有するビニル系モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル等のヒドロキシ基を有するビニル系モノマーを挙げることができる。
これらのモノマーは、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法で共重合される。これらの共重合体は、重量平均分子量が10,000〜70,000であるものが好ましい。またこの共重合体をメラミンアルデヒド架橋、或いはイソシアネート架橋させてもよい。
フッ素系樹脂と他の重合体との質量基準のブレンド比は、20〜80:80〜20が好ましく、特には40〜60:60〜40が好ましい。
キャリアの被覆層を形成するためのシリコーン系樹脂またはシリコーン系化合物としては、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のポリシロキサンが用いられる。またアルキド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等の変性シリコーン樹脂も使用可能である。変性の形態としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、くし形グラフト共重合体が挙げられる。
芯材粒子表面への被覆層の塗布に際しては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシリコーン系化合物(固形メチルシリコーンワニス、固形フェニルシリコーンワニス、固形メチルフェニルシリコーンワニス、固形エチルシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス等、シリコーン樹脂)をワニス状にしておいて磁性粒子をその内へ分散させる方法、或いは、ワニスを磁性粒子に噴霧する方法がとられる。
上記被覆層の樹脂の処理量は、被覆材の成膜性や耐久性の観点から、キャリア芯材に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)であることが好ましい。
本発明に用いられるキャリアの体積平均粒径は25〜55μm(好ましくは30〜50μm)であることが小粒径トナーとのマッチングにおいて好ましい。キャリアの体積平均粒径が25μm未満では、現像工程において、キャリアがトナーと共に潜像保持体上に現像され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードを傷つけ易くなる。一方、キャリアの体積平均粒径が55μmより大きいと、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像が不均一となり、トナー飛散、かぶり等も発生し易くなる。
本発明においては、トナー濃度が3〜12質量%(より好ましくは5〜10質量%)となるように、キャリアとトナーとを混合することが画像濃度、画像特性を良好に満足させる上で好ましい。
本発明において、キャリアの比抵抗は1×108〜1×1016Ω・cmであることが好
ましく、1×109〜1×1015Ω・cmであることがより好ましい。キャリアの比抵抗
が1×108Ω・cm未満であると、潜像担持体表面へのキャリア付着を起こし易く、潜
像担持体に傷を生じさせたり、直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスがキャリアを介してリークし、潜像担持体上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
また、キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が
形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器の内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着など、画像欠陥を引き起こしやすい。
キャリアの磁気特性は、1000/4π(kA/m)での磁化の強さが30〜60(Am2/kg)、より好ましくは35〜55(Am2/kg)の低磁気力であることが良い。
キャリアの磁化の強さが60(Am2/kg)を超えると、現像剤担持体上の規制ブレ
ード部での剤圧縮が強まり、本発明のトナーを用いた場合においても、離型剤によるキャリアのスペントが生じる。このため、スリーブ上のキャリア搬送性悪化によるコート不良や、トナーへの帯電付与性能低下による耐久後半のかぶり、トナー飛散等を生じることがある。また、キャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすい。
キャリアの磁化の強さが30(Am2/kg)未満では、キャリア微粉を除去してもキ
ャリアの磁気力が低下し、キャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下し易い。
キャリアの見かけ密度は2.3g/cm3以下であるいことが好ましく、2.1g/c
3以下であることがより好ましい。見かけ密度が2.3g/cm3より大きいと、現像器内での離型剤によるキャリアのスペントが生じ、現像スリーブ上のキャリア搬送性悪化によるコート不良や、トナーへの帯電付与性能低下による耐久後半のかぶり、トナー飛散等を生じる。
キャリアの形状係数SF−1は100〜130であることが好ましく、100〜120であることがより好ましい。SF−1が130より大きいと、キャリアへのトナー粒子又は無機微粉体による汚染が顕著となり、長期にわたる耐久的な使用におけるトナーへの帯電付与性能が低下し、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じる。
キャリアは、種々の上記物性を全て満足させる点からして、磁性体分散型樹脂キャリアが好ましい。
以下、本発明に係る各種測定方法について説明する。
(1)トナーの分子量分布測定
トナーの具体的なGPCの測定方法は以下の通りである。予めトナーをソックスレー抽出器を用いてトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去させる。次に、必要により、トナーに含有されるワックスは溶解するが、樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行う。その後、この洗浄を行ったトナー成分をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したものを測定サンプルとする。ウォーターズ社製150Cを用い、昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結したカラム構成で、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて、上記サンプルの分子量分布を測定する。得られた分子量分布から重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出する。
(2)トナーのDSC吸熱曲線における吸熱ピーク温度及びその半値幅、ガラス転移温度の測定
ASTM D3418−82に準拠して測定する。本発明においては、「DSC−7」(パーキンエルマー社製)を用いる。装置検出部の温度補正にはインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定試料は、10mgの範囲内で正確に秤量する。測定サンプルをアルミニウム製パンに入れたものと、対照用にアルミニウム製パンのみのもの(空パン)をセットし、30〜2000℃の測定領域を昇温速度10℃/minで昇温した時に得られるDSC曲線から主体吸熱ピーク値を、本発明で用いるトナーの吸熱ピーク値として求める。吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピークの高さの2分の1の吸熱チャートの温度幅である。なお、離型剤(ワックス成分)のみを測定する場合には、測定時と同一条件で昇温−高温を行って前履歴を取り除いた後に測定を開始する。また、トナー中に含まれた状態のワックス成分を測定する場合には、前履歴を取り除く操作を行わず、そのままの状態で測定を行う。
(3)離型剤の分子量測定
GPCにより次の条件で測定する。
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−MT30cm連(東ソー社製)
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定する。試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出する。
(4)水/メタノール濡れ性試験方法
(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−100Pを用い、下記の条件及び手順で測定したメタノール滴下透過率曲線を利用する。
先ず、メタノール/水混合溶媒(メタノール濃度0%)を50ml、フラスコに入れて透過率を測定する。このときの透過率を100%、全く光が透過しない状態を透過率0%として、透過率の測定を行う。即ち、測定時の透過光強度が、メタノール/水混合溶媒(メタノール濃度0%)を透過させた時の透過光強度の半分になった際のメタノール質量%を本発明のTA,TBとする。
透過率の測定は以下の様にして行う。
メタノール/水混合溶媒(メタノール濃度0%)を50mlいれたフラスコに、マグネティックスターラーをいれる。そして、目開き150μmのメッシュでふるったトナーまたはトナー粒子を0.1g精秤し、それを上記フラスコに入れる。次に、撹拌速度300rpm(5回転/秒)でマグネティックスターラーによって撹拌を開始し、この測定用サンプル液中に、ガラス管によって1.3ml/minの添加速度でメタノールを連続的に加えながら波長780nmの光の透過率を測定し、メタノール滴下透過率曲線を作成する。この際に、メタノールを滴定溶媒としたのは、トナーに含有される染料、顔料、荷電制御剤等の溶出の影響が少なく、トナーの表面状態をより正確に観察できるためである。
尚、この測定において、フラスコとしては、直径5cmの円形で、1.75mmのガラス製のものを用い、マグネティックスターラーとしては、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形でありテフロン(登録商標)コーティングを施されたものを用いた。
(5)離型剤の針入度の測定
離型剤の針入度はJIS K2235に準拠し測定する。測定温度は25℃とする。
(6)トナーのメルトインデックス(MI)の測定
JIS K7210記載の装置を用いて、手動切り取り法で測定を行った。測定条件は、測定温度:135℃、荷重:1.75kg、試料充填量:5〜10gとする。なお、測定値は10分値に換算する。
(7)トナーの重量平均粒径(D4)及びトナーの粒度分布の測定
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定を行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒径が2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出する。これらの値を用いて、重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径(D4)、粒径が4.0μm以下のトナーの個数%及び粒径が12.7μm以上のトナーの体積%を求める。
(8)トナー及び極性樹脂の酸価及び水酸基価の測定
〈酸価〉
(A)試薬
(a)溶剤は、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用い、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95 vol%)100mlに溶かす。
(c)0.1mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(B)操作:試料(トナーまたは極性樹脂)1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlと、指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(C)計算式 下式(4)によって酸価を算出する。
Figure 2005215271
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)を表す。
〈水酸基価〉
(A)試薬
(a)アセチル化試薬:無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
(c)N/2水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
(B)操作:試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬としてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
(C)計算式 下式(5)によって水酸基価を算出する。
Figure 2005215271

ここで、
A:水酸基価
B:空試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価を表す。
(9)トナー粒子及びキャリアの形状係数(SF−1、SF−2)の測定
日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、下式(6−1)、(6−2)より算出して得られた値と定義している。
Figure 2005215271
(ここで、MXLNG:絶対最大長、AREA:トナー投影面積、PERI:周長を表す。)
形状係数SF−1は球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれてトナーの表面の凹凸が顕著になる。
(10)キャリアの粒径の測定
キャリア粒径測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(ヘロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar、吸引圧力0.1barの条件で測定する。尚、キャリアの平均粒径とはキャリア粒子の体積基準による50%粒径を示す。
(11)キャリアの磁気特性の測定
キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−35を用いて行った。測定に際して、1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求めた。キャリアを円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングした状態に作製し、この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さ(Am2/k
g)を求めた。
現像剤からキャリア物性を測定する場合は、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄してトナーとキャリアを分離した後、上記測定を行う。
(12)キャリアの比抵抗測定方法
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定した。測定条件は、23℃,相対湿度60%の条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm2)の測定セル中にいれ、120g/cm2の荷重電極で挟み、セルの厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定した。
(13)キャリアの見かけ密度測定方法
JIS−Z02504に従って行う。
〈本発明のトナーを用いた画像形成方法〉
以下、本発明のトナーを用いた画像形成方法(以下、本発明の画像形成方法ともいう)について詳述する。
上述したように、本発明の画像形成方法は、上記本発明のトナーを用いて画像形成を行うものであり、感光体表面を帯電させる帯電工程と;帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と;現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と;トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と;定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法である。上記本発明の画
像形成方法は、定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ前記定着体は、表面温度を検知する手段として非接触型の温度検知手段を定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の定着体上に有していてもよい。
本発明のトナーはキヤノン製の、IR6000、IR3000等の白黒複写機、LBP720、LBP950等のレーザービームプリンター、これらの二成分改造機、LBP2040、CLC500、CLC700、CLC1000、CP2150、CP660、IRC3200等のフルカラー機に好ましく用いることができる。
本発明のトナーを用いた本発明の画像形成方法の好適な一例を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す部分的模式図である。詳細は後述するが、この画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段2と、帯電された感光ドラム1表面に静電潜像を形成する図示せぬ情報書き込み手段(レーザー露光等)と、感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材25に転写する転写手段としての転写ブレード27とを有している。
本発明のトナーを使用する現像方法として、例えば図1に示すような二成分現像手段を用いて現像を行うことができる。本発明においては、現像工程は直流成分に交流成分を重畳させた電圧を現像剤担持体に印加することによって、現像剤担持体と感光体表面との間に振動電界を形成して現像を行う工程であることが好ましい。具体的には、図2に示す交番電圧を現像剤担持体に印加し、現像剤担持体上にキャリアによって形成された磁気ブラシが潜像担持体である感光体に接触した状態で現像を行うことが好ましい。
現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S−D間距離)Bは100〜800μmであることが感光体へのキャリア付着防止及びドット再現性の向上の点から良好である。S−D間距離が100μmより狭いと感光体への現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、800μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選択して用いることができる。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが350V以下、より好ましくは300V以下が良い。
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100〜500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、感光体に接触した
トナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
本発明の現像方法で重要なことは、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光ドラム1との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材としての規制ブレード15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光ドラム1との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整することができる。
本発明の画像形成方法は、特にハーフトーンを重視するような画像の出力において、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、トナーを介しての電荷注入の影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
さらに初期の高画質化と併せて、上述の二成分系現像剤を用いることで現像装置内でのトナーの帯電量変化が小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることにより、より引き締まった画像を呈することができる。
図面を参照しながら、さらに本発明の画像形成方法について説明する。
図1において、マグネットローラ21の有する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム1の表面に接触させて感光ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。
帯電された感光ドラム1に、図示されない潜像形成手段としての露光装置によりレーザー光24を照射することにより、デジタルな静電潜像を形成する。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、マグネットローラ12を内包し、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスが印加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中のトナー19aによって現像される。
現像装置4は、隔壁17により現像剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられている。
現像剤搬送スクリュー13は回転することによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室
R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を通って現像剤室R1に送り込む。
感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネットローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ11の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置しており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域に転移して付着し、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収される。
上記の現像工程により現像装置4内の現像剤19のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3から補給用トナー18が現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に補給され、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有している。
現像スリーブ11の下方に配置され、現像スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレード15は、アルミニウム又はSUS316のような非磁性材料で作製される非磁性ブレードである。その端部と現像スリーブ11面との距離は150〜1000μm、好ましくは250〜900μmである。この距離が150μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は250μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリやすくなる。
また、現像されたトナー画像は、搬送されてくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段26により転写バイアスが印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー画像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電状態が調整され、現像時に回収される。
また、図10を参照しながら帯電量制御工程を有した本発明の画像形成方法の一例に関して説明する。
図10に示すように、帯電ローラー2に電源S1から所定の帯電バイアスが印加され、感光ドラムを帯電させる。この時、バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧が良い。その後、レーザー系3により像露光を行い、潜像を形成する。
この潜像に対し、現像スリーブ4bは、感光ドラム1に近接させて対向配設してある。この感光ドラム1と現像スリーブ4bとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される事が好ましい。この現像スリーブ4bの外周面に、該スリーブ内のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持され、該スリーブの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本例において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。これにより、感光ドラムの潜像に対し、現像剤4e中のトナーにより現像される。現像されたトナーは、転写ローラー5によって転写部dにて転写材あるいは中間転写体等に転写される。感光ドラムに残留したトナーは、次の帯電量制御工程を経る。つまり電源S4から所定の電圧が印加された帯電量制御部材7上のブラシ接触部eに、感光ドラム上の残留トナーが接触することで正規極性に調整される。負帯電トナーの場合、負の電圧が感光ドラムに印加され、正帯電トナーの場合、正の電圧が感光ドラムに印加される。このような工程を経ることで、クリーナーレスシステムの場合、現像時に転写残トナーが良好に回収されるものとなる。また、図10には明示していないが、転写工程と帯電量制御工程の間に、感光ドラムの残存電荷を除去し、ドラムゴーストを改善する目的で、帯電量制御工程と同様の部材を用い、帯電工程で印加される反対極性の電位差を感光ドラムに与えることも有効な手段である。
図3は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体である感光体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するためのレーザー光であり、図示されていない露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像装置でありカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成し、現像装置63aで静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体ドラム61aと転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体
68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用トナー65aが補給される。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、トナー各色毎に設けられた感光体上に画像を形成し、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトなどの搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
定着器70は、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
図3において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。79は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラ等の転写材担持体の裏面側に当接して、転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
次に、図4を参照しながら本発明の他の画像形成方法の一例を説明する。
図4は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図4
に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンタ部36を有する。
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
画像プリンタ部において、静電潜像担持体である感光体としての感光ドラム1は、例えば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の周りには、前露光ランプ11、一次帯電部材としてのコロナ帯電器2、潜像形成手段としてのレーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段13、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されている。
レーザ露光光学系3において、リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に潜像を形成する。
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体とした負帯電性トナーによる可視像、すなわちトナー像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体である転写シート5fが、円筒状に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなどが使用される。
記録材は、記録材カセット7a、7bまたは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写される。
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)について繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定
着ローラ9aと加圧ローラ9bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。他方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
本発明の画像形成方法においては、潜像担持体に形成された静電潜像を現像したトナー像を中間転写体を介して記録材に転写することも可能である。
すなわち、この画像形成方法は、静電荷像担持体に形成された静電潜像を現像することによって形成したトナー像を中間転写体に転写する工程及び中間転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有するものである。
図5を参照しながら、中間転写体を用いた画像形成方法の一例を具体的に説明する。
図5に示す装置システムにおいて、シアン現像器54−1、マゼンタ現像器54−2、イエロー現像器54−3、ブラック現像器54−4に、それぞれシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導入されている。レーザー光等の潜像形成手段53によって潜像保持体としての感光体51上に静電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式等の現像方式によって、感光体51に形成された静電潜像をこれらの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体51に形成される。感光体51は導電性基体51b及び導電性基体51b上に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコン等の光導電絶縁物質層51aを持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光体51としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層とを成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体51とは非接触タイプの方式と、ローラ等の接触帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示すような接触方式のものが好ましく用いられる。
一次帯電部材としての帯電ローラ52は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
この他の接触帯電部材としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適用可能である。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aからなる。芯金55bは、プラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等の導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を105〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるい
は発泡肉質の層である。
中間転写体55は、感光体51に対して並行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体51の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で、中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
中間転写体55に転写されなかった感光体51上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材58によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器59に回収される。
転写手段57は中間転写体55に対して並行に軸受けされ、且つ中間転写体55の下面部に接触させて配設されている。この転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
転写ローラの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが
好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
転写手段57は中間転写体55と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
転写材56に転写されなかった中間転写体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材60によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング容器62に回収される。転写材56に転写されたトナー像は、加熱定着装置61により転写材56に定着される。
転写ローラーの材質しては、帯電ローラーと同様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラーの当接圧が2.94〜490N/m(3〜500g/cm)、より好ましくは19.6〜294N/mであり、直流電圧=±0.2〜±10kVである。
当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
例えば転写ローラー57の導電性弾性層57bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元重合体)の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を106〜1
10Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図6に示すような現像装置90を用い現像することが可能である。
現像装置90は、磁性又は非磁性のトナーを有する一成分現像剤98(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器91、現像容器91に収納されている一成分現像剤98を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体92、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラー95、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード96、現像容器91内の現像剤98を撹拌するための撹拌部材97を有している。
現像剤担持体92としては、ローラー基体93上に、発泡シリコーンゴム等の弾性を有するゴム又は樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層94を有する弾性ローラーを用いることが好ましい。
この弾性ローラー(92)は、潜像保持体である感光体としての感光体ドラム99の表面に圧接して、弾性ローラー表面に塗布されている一成分系現像剤98により感光体に形成されている静電潜像を現像すると共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤98を回収する。
本発明において、現像剤担持体92は実質的に感光体ドラム99の表面と接触している。これは、現像剤担持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との
間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得られると同時にクリーニングが行われる。現像剤担持体としての弾性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラー表面との間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
この一成分系現像剤を担持する弾性ローラーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100%以上が良い。
現像剤層厚規制部材96は、現像剤担持体92の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いることも可能である。
弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼等の金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であっても使用できる。
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわみ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧をもって当接させる。
供給ローラー95はポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
現像領域において、現像剤担持体上の一成分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
次に非接触ジャンピング現像方式について説明する。
非接触ジャンピング現像方式としては、非磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられる。ここでは、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤を用いる現像方法を図7に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置170は、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤176(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体172上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体172上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
169は静電潜像保持体としての感光体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームのような発泡材より成っており、現像剤担持体172に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤176は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
本発明において、現像剤層厚規制部材の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散することも、現像剤層厚規制部材により適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
この非磁性一成分現像方法において、弾性ブレード174により現像スリーブ172上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ172上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち、図7に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と感光体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ172上から感光体169への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
次に定着工程を説明する。図8は本発明で好ましく用いられる定着装置の一例を示す模
式的断面図であり、図9は図8の定着ローラーおよび加圧ローラーを示す斜視図である。
定着装置は、定着体としての円筒状の定着ローラー95と、この定着ローラー95に押圧された加圧体としての加圧ローラー96と、定着ローラー95の表面温度を検知するための非接触型の温度検知手段としての非接触温度検知センサー91とを有する。定着ローラー95は、厚さ2mmの中空のアルミニウムの芯金と、この芯金上に設けられた中間層としてのシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ20μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなる表層を有している。また、定着ローラー95は、芯金内部に該定着ローラーを加熱するための発熱体としてのハロゲンヒーター97をさらに有している。一方、加圧ローラー96は、ステンレスの芯金と、この芯金上に設けられたシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ50μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)チューブとを有している。非接触温度検知センサー91は、定着ローラー95に対向して配置されており、定着ローラー95から発せされる赤外線量を検知する赤外線吸収フィルムを具備している。
定着ローラー95に加圧ローラー96が押圧されることにより形成されるニップ部に、転写工程においてトナー像が転写された転写材92が搬送体98によって通過されることにより、トナー99が転写材92に定着される。このとき、定着ローラー95において、転写材の通過する画像通紙域93(図中定着ローラー95の濃色部分)の温度が非接触温度検知センサーによって検出され、検出された温度に対応する電気信号が制御装置100に入力される。この制御装置への入力信号に応じてハロゲンヒーター97への電流のON−OFFが制御され、定着ローラー95の温度が一定温度(本実施形態においては190℃)に制御される。
また、本発明のプロセス条件としては、通常の転写紙(105g/m2以下)を通紙す
る場合の定着速度が、白黒機の場合は100〜700mm/s、フルカラー機の場合は100〜400mm/sであることが好ましい。
さらに、定着ニップの幅は3〜20mmであることが好ましく、5〜15mmであることがより好ましい。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。「部」は「質量部」を意味する。
(極性樹脂製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.65mol、イソフタル酸6.21mol、無水トリメット酸0.14molを測りとった。これら酸・アルコール100部と、炭素数8のアルキルカルボン酸のスズ化合物(2エチルヘキサン酸スズ:[CH(CHCHCCOO]Sn)を0.2部、ガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、220℃で反応させ、酸価が12になった時点で加熱を停止し徐々に冷却する事で、極性樹脂1を得た。この樹脂は、水酸基価15、Mw1.0万、Mn5000、Tg:64.6℃であった。
(極性樹脂製造例2)
極性樹脂製造例1のアルキルカルボン酸スズ化合物を、炭素数15のアルキルカルボン酸のスズ化合物(ペンタデカン酸スズ:[CH(CH13COO]Sn)の0.4部に変更する以外は、同様にして極性樹脂2を得た。この樹脂は、酸価15、水酸基価
18、Mw2.3万、Mn4700、Tg:63.6℃であった。
(極性樹脂製造例3)
極性樹脂製造例1のアルキルカルボン酸スズ化合物を、炭素数5のアルキルカルボン酸のスズ化合物(2,2−ジメチルプロパン酸スズ:[CHC(CHCOO]Sn)
に変更する以外は、同様にして極性樹脂3を得た。この樹脂は、酸価14、水酸基価16、Mw1.1万、Mn5200、Tg:64.7℃であった。
(極性樹脂製造例4)
ビニル系共重合体として、スチレン1.1mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.14mol、アクリル酸0.1mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.3mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.8mol、テレフタル酸3.1mol、イソフタル酸1.6mol、無水トリメリット酸0.2molをはかりとり、これら100部と、炭素数8のアルキルカルボン酸のスズ化合物(2エチルヘキサン酸スズ:[CH(CHCHCCOO]Sn)を0.26部、ガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで220℃に昇温を行い5時間の反応を行い、ポリエステルユニット成分を有する樹脂4を得た。この樹脂は、酸価18、水酸基価18、Mw6.9万、Mn6200、Tg:67.4℃であった。
(極性樹脂製造例5)
極性樹脂製造例1のアルキルカルボン酸スズ化合物を、炭素数12のアルキルカルボン酸のスズ化合物(ドデカン酸スズ:[CH(CH10COO]Sn)の0.3部に変更する以外は、同様にして極性樹脂5を得た。この樹脂は、酸価14、水酸基価17、Mw2.0万、Mn4900、Tg:64.2℃であった。
(極性樹脂製造例6)
極性樹脂製造例1において、酸価が2になる時点で反応をとめる事以外は、同様にしてポリエステルユニット成分を有する極性樹脂6を得た。この樹脂は、酸価2、水酸基価8、Mw2.0万、Mn7600、Tg:65.7℃であった。
(極性樹脂製造例7)
極性樹脂製造例1において、酸価が6になる時点で反応をとめる事以外は、同様にしてポリエス成分を有する極性樹脂7を得た。この樹脂は、酸価6、水酸基価13、Mw1.9万、Mn6700、Tg:65.7℃であった。
(極性樹脂製造例8)
極性樹脂製造例1において、酸価が20になる時点で反応をとめる事以外は、同様にしてポリエステルユニット成分を有する極性樹脂8を得た。この樹脂は、酸価20、水酸基価29、Mw1.1万、Mn3800、Tg:66.3℃であった。
(極性樹脂製造例9)
極性樹脂製造例1において、酸価が38になる時点で反応をとめる事以外は、同様にしてポリエステルユニット成分を有する極性樹脂9を得た。この樹脂は、酸価38、水酸基価39、Mw0.8万、Mn3400、Tg:65.8℃であった。
(極性樹脂比較製造例1)
極性樹脂製造例1のアルキルカルボン酸スズ化合物を、炭素数3のアルキルカルボン酸のスズ化合物(プロパン酸スズ:[CHCHCOO]Sn)に変更する以外は、同様にして比較樹脂1を得た。この樹脂は、酸価15、水酸基価18、Mw1.3万、Mn5400、Tg:64.7℃であった。
(極性樹脂比較製造例2)
極性樹脂製造例1のアルキルカルボン酸スズ化合物を、炭素数19のアルキルカルボン酸
のスズ化合物(ノナデカン酸スズ:[CH(CH17COO]Sn)の0.5部に添加する以外は、同様にして比較樹脂2を得た。この樹脂は、酸価17、水酸基価20、Mw2.8万、Mn4500、Tg:62.6℃であった。
(極性樹脂比較製造例3)
樹脂製造例1において、アルキルカルボン酸のスズ化合物1を、ジブチルスズオキサイドに変更する以外は同様にして、ポリエステルユニット成分を有する比較樹脂3を得た。この樹脂は、酸価15、水酸基価19、Mw1.4万、Mn5800、Tg:67.6℃であった。
<トナーの製造例1>
スチレン単量体100部に対して、シアン着色剤の銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:3)を14部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を1.8部を用意した。これらを、アトライターに導入し、1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
一方、イオン交換水710部に0.1M−NaPO水溶液450部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
次に、
・マスターバッチ分散液1 53 部
・スチレン単量体 12 部
・n−ブチルアクリレート単量体 35 部
・エステルワックス 20 部
(総炭素数:34、半値幅:4℃、DSC吸熱ピーク:70℃、Mw:800、 Mn:600、針入度:6度)
・極性樹脂1 5 部
・ジビニルベンゼン 0.065部
を60℃に加温し、撹拌して均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
そして、前記水系媒体中をpH6に維持し、上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性
単量体組成物を造粒した。その後、反応容器に移し、水系媒体中をpH6に維持し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、63℃に昇温し、5時間反応させた。さらに、過リン酸カリウム
1部を添加して80℃に昇温し5時間反応させた。重合反応終了後、真空乾燥を十分に行った後、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム化合物を溶解させた後、ろ過、水洗、真空下で乾燥をし、多段分割式分級機にて分級してシアン色トナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が300m2
gであるシリコーンオイル処理した疎水性シリカ1.1部と、比表面積が90m2/gで
あるイソブチルトリメトキシシラン処理した酸化アルミニウムを0.3部とをヘンシェルミキサーで外添した後、#400メッシュを具備したターボスクリーナーで粗粒を除去し、シアン色非磁性のトナーNo.1を得た。このトナーの質量平均粒径は6.8μm、TA値は44、TB値は63であった。その他のトナー物性として、表1に記すように、DSCにおける吸熱ピーク温度は70℃、その反値幅は4℃、GPC分子量分布測定においてMn:1.7万、Mw:11万、MI測定において、MI:13、DSCにおけるガラス転移点(Tg):59.8℃、SF−1:112、SF−2:107であった。
Figure 2005215271
<トナーの製造例2>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂2に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.2を得た。得られたトナーNo.2の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例3>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂3に変更し、10部添加する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.3を得た。得られたトナーNo.3の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例4>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂4に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.4を得た。得られたトナーNo.4の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例5>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂5に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.5を得た。得られたトナーNo.5の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例6>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂6に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.6を得た。得られたトナーNo.6の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例7>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂7に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.7を得た。得られたトナーNo.7の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例8>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂8に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.8を得た。得られたトナーNo.8の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例9>
トナーの製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂9に変更する以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアン色のトナーNo.9を得た。得られたトナーNo.9の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例10>
トナーの製造例7において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を600部、ホモミキサーの回転数を13000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、疎水性シリカを1.5部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径3.5μm(4μm以下:62.0個数%、12.7μm以上:0体積%)のシアン色比較トナーNo.10を得た。得られたトナーNo.10の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例11>
トナーの製造例7において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を570部、ホモミキサーの回転数を12000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、疎水性シリカを1.3部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径4.9μm(4μm以下:50.0個数%、12.7μm以上:0体積%)のシアン色比較トナーNo.11を得た。得られたトナーNo.11の組成及び物性を表1に示す
<トナーの製造例12>
トナーの製造例8において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を210部、ホモミキサーの回転数を5000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、疎水性シリカを0.8部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径9.2μm(4μm以下:2.7個数%、12.7μm以上:1.4体積%)のシアン色比較トナーNo.12を得た。得られたトナーNo.12の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例13>
トナーの製造例8において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を180部、ホモミキサーの回転数を4000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、疎水性シリカを0.6部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径11.0μm(4μm以下:1.8個数%、12.7μm以上:3.6体積%)のシアン色比較トナーNo.13を得た。得られたトナーNo.13の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの比較製造例1〜3>
トナーの製造例1において、極性樹脂1の代わりに比較樹脂1〜3を用い、無機微粉体をシリカのみ0.9質量%にすること以外は同様にして比較トナーNo.1〜比較トナーNo.3を得た。
得られた比較トナーNo.1〜No.3の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例14>
トナー製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂No.7とし、添加するエステルワックスを35部とし、疎水性シリカ添加量を1.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.5部とする事以外は同様にしてシアン色比較トナーNo.14を得た。得られたトナーNo.14の組成及び物性を表1に示す。特にTA値:71、TB値:91と両者とも高い値を示していた。
<トナーの製造例15>
トナー製造例1において、用いる極性樹脂を極性樹脂No.8とし、添加するエステルワックスを3部とし、疎水性シリカ添加量を1.0部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.2部する事以外は同様にしてシアン色比較トナーNo.15を得た。得られたトナーNo.15の組成及び物性を表1に示す。特にTA値:7、TB値:28と低い値を示していた。
<トナーの製造例16>
トナー製造例15において、疎水性シリカ添加量を1.5部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.4部する事以外は同様にしてシアン色比較トナーNo.16を得た。得られたトナーNo.16の組成及び物性を表1に示す。特にTB−TAが48と高い値を示していた。
<トナーの製造例17>
トナー製造例15において、疎水性シリカ添加量を1.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.5部する事以外は同様にしてシアン色比較トナーNo.17を得た。得られたトナーNo.17の組成及び物性を表1に示す。特にTB−TAが62と高い値を示していた。
<トナーの製造例18>
<磁性体1の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対してl.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液及び珪酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液のpHを9前後に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調製し、十分攪拌しながらシランカップリング剤(n−C1021Si(OCH)を磁性酸化鉄に対し1.2部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理を行った。次に、沈殿分離を用いた湿式分級法で分級を行うことにより微粒子成分を取り除き、得られた疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解砕処理して、磁性体1を得た。
<トナー18の製造>
イオン交換水710部に0.1M−NaPO水溶液450部を投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・スチレン 77 部
・n−ブチルアクリレート 23 部
・エステルワックス 17 部
(総炭素数:34、半値幅:4℃、DSC吸熱ピーク:70℃、Mw:800、 Mn:600、針入度:6度)
・極性樹脂1 7 部
・ジビニルベンゼン 0.075部
・ジターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム錯体 1 部
・磁性体1 100 部
を60℃に加温した前記水系媒体中に添加し、撹拌して均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。これ以外はトナー製造例1と同様にして、トナーNo.18を得た。得られたトナーNo.18の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例19>
分散液(A)の調製
極性樹脂5 50g
塩化メチレン 100g
以上をボールミルにて混合し、溶解し、10%のポリエチレングリコール及び0.7%のカチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50)を含有する純水155g中に分散し、ローターステータータイプのホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて強く剪断力を印加して分散し、62℃に加熱して1時間保持し、平均粒径が820nmである樹脂粒子を分散させてなる分散液(A)を調製した。
着色剤分散液(B)の調製
銅フタロシアニン顔料 100g
(BASF社製:PV FAST BLUE)
アニオン性界面活性剤 5g
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
イオン交換水 200g
以上を混合し、溶解し、ローターステータータイプのホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて10分間分散し、さらに超音波ホモジナイザーで5分間分散し、平均粒径が100nmである着色剤を分散させてなる着色剤分散液(B)を調製した。
離型剤分散液(C)の調製
ポリプロピレンワックス(半値幅:22℃、DSC吸熱ピーク:129℃、Mw:1.7万、Mn:1350、針入度:0.5度) 5g
カチオン性界面活性剤 5g
(花王(株)製:サニゾールB50)
イオン交換水 200g
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(C)を調製した。
<第1工程>−凝集粒子の調製−
分散液(A) 183g
着色剤分散液(B) 12g
離型剤分散液(C) 5g
カチオン性界面活性剤 2g
(花王(株)製:サニゾールB50)
以上を丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、フラスコ内を攪拌しながら、加熱用オイルバスで48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.8μmである凝集粒子が形成されているのが確認された。
<第2工程>−付着粒子の調製−
ここに、着色剤微粒子分散液としての着色剤分散液(B)を緩やかに5g追加し、さらに加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて30分間保持した。さらに温度を52℃に上げて1時間保持した。
<第3工程>
その後、ここにアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用い、攪拌を継続した。そして、110℃まで加熱し、3時間保持した。冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄して、静電荷像現像用トナーを得た。それ以外は表1に記載の構成でトナーNo.19を得た。得られたトナーNo.19の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例20>
[混合工程]
下記組成をボールミルで24時間分散することにより、極性樹脂5を溶解したトナー組成物混合液200部を得た。
・極性樹脂5 89 部
・C.I.ピグメントブルー(15:3) 6.5部
・ポリプロピレンワックス
(半値幅:22℃、DSC吸熱ピーク:129℃、M w:1.7万、Mn:1350、針入度:0.5度) 2.5部
・ジターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム錯体 1 部
・酢酸エチル(溶媒) 100 部
[分散懸濁工程]
下記組成をボールミルで24時間分散することにより、カルボキシメチルセルロースを溶解し、水系媒体を得た。
・炭酸カルシウム(アクリル酸系共重合体で被覆) 20 部
・カルボキシメチルセルロース 0.5部
(商品名:セロゲンBS−H,第一工業(株)製)
・イオン交換水 99.5部
上記より得られた水系媒体1200gを、TKホモミキサーに入れ、回転羽根を周速度20m/secで撹拌しながら、前記トナー組成物混合液1000gを投入し、25℃一定に維持しながら1分間撹拌して懸濁液を得た。
[溶媒除去工程]
分散懸濁工程で得られた懸濁液2200gをフルゾーン翼(神鋼パンテック社製)により周速度45m/minで撹拌しながら、温度を40℃一定に保ち、プロワーを用いて上記懸濁液面上の気相を強制更新し、溶媒除去を開始した。その際、溶媒除去開始から15分後に、イオン性物質として1%に希釈したアンモニア水75gを添加し、続いて溶媒除去開始から1時間後に該アンモニア水25gを添加し、続いて溶媒除去開始から2時間後に該アンモニア水25gを添加し、最後に溶媒除去開始から3時間後に該アンモニア水25gを添加し、総添加量を150gとした。更に温度を40℃に保ったまま、溶媒除去開始から17時間保持し、懸濁粒子から溶媒(酢酸エチル)を除去したトナー分散液を得た。
[洗浄・脱水工程]
溶媒除去工程で得られたトナー分散液300部に、10mol/l塩酸80部を加え、更に0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液により中和処理後、吸引濾過によるイオン交換水洗浄を4回繰り返して、トナーケーキを得た。
[乾燥・篩分工程]
上記より得られたトナーケークを真空乾燥機で乾燥し、45μmメッシュで篩分した。それ以外は、トナー1と同様にして、表1に記載の構成でトナーNo.20を得た。得られたトナーNo.20の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例21>
トナーの製造例1で用いたC.I.ピグメントブルー15:3に代えてピグメントイエロー93を14質量部用いたことを除いては、トナーの製造例1と同様にしてイエロートナーNo.21を得た。得られたトナーNo.21の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例22>
トナーの製造例1で用いたC.I.ピグメントブルー15:3に代えてジメチルキナクリドンを14質量部用いたことを除いては、トナーの製造例1と同様にしてマゼンタトナーNo.22を得た。得られたトナーNo.22の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例23>
トナーの製造例1で用いたC.I.ピグメントブルー15:3に代えてカーボンブラックを20質量部用いたことを除いては、トナーの製造例1と同様にしてブラックトナーNo.23を得た。得られたトナーNo.23の組成及び物性を表1に示す。
<磁性キャリアの製造例1>
・フェノール(ヒドロキシベンゼン) 50部
・37質量%のホルマリン水溶液 80部
・水 50部
・エポキシ基を有するシラン系カップリング剤 KBM403(信越化学工業(株)製)で表面処理されたアルミナ含有マグネタイト微粒子1 280部
(個数平均粒径0.22μm、比抵抗4×10Ω・cm)
・KBM403で表面処理されたα−Fe微粒子1 120部
(個数平均粒径0.40μm、比抵抗値8×10Ω・cm)
・25質量%のアンモニア水 15部
上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら60分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化させた。その後30℃まで冷却し500部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを24時間真空乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。磁性キャリアコア(A)には、30℃/相対湿度80%で24時間放置後0.4質量%の吸着水が存在していた。
得られた磁性キャリアコア(A)の表面には下記式(2)で表されるγ−アミノプロピルトリメトキシシランの5質量%トルエン溶液を塗布した。
Figure 2005215271
磁性キャリアコア(A)の表面は、0.3質量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。磁性キャリアコア(A)の表面に下記(3)で示される基が存在しているのが確認された。
Figure 2005215271
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリア(A)を70℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂 KR−221(信越化学工業(株)製)に、シリコーン樹脂固型分に対して4%のT−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、シリコーン樹脂固型分として25%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、樹脂被覆を行った。以後、2時間撹拌した後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ以上の粗粒を除去し、磁性キャリア1を得た。
得られた磁性キャリア1の平均粒子径は35μmであり、比抵抗は1×1013Ω・cm、1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は40Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、SF−1が107であった。
<磁性キャリアの製造例2>
LiCO 14.0mol%、Fe 77.0mol%、Mg(OH)26.8mol%およびCaCO32.2mol%を湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、900℃で1時間保持し、仮焼成を行なった。これを湿式ボールミルで7時間粉砕し、3μm以下とした。このスラリーに分散剤およびバインダーを適量添加し、
次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、1240℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、さらに分級して平均粒径40μmのフェライト粒子の磁性キャリア2を得た。
<トナーの製造例24>
トナー製造例1において、疎水性シリカ添加量を0.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.2部にする事以外は同様にしてシアン色比較トナーNo.24を得た。得られたトナーNo.24の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例25>
トナー製造例21において、疎水性シリカ添加量を0.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.2部にする事以外は同様にしてイエロー色比較トナーNo.25を得た。得られたトナーNo.25の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例26>
トナー製造例22において、疎水性シリカ添加量を0.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.2部にする事以外は同様にしてマゼンタ色比較トナーNo.26を得た。得られたトナーNo.26の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例27>
トナー製造例23において、疎水性シリカ添加量を0.8部、疎水性酸化アルミニウム添加量を0.2部にする事以外は同様にして黒色比較トナーNo.27を得た。得られたトナーNo.27の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例28>
トナー製造例3において、用いる離型剤を吸熱ピーク温度48℃のエステルワックスを用いること以外は同様にしてトナーNo.28を得た。得られたトナーNo.28の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例29>
トナー製造例3において、用いる離型剤を吸熱ピーク温度122℃のポリエチレンワックスを用いること以外は同様にしてトナーNo.29を得た。得られたトナーNo.29の組成及び物性を表1に示す。
<現像剤の製造例24〜27>
トナーNo.24、25、26、27と磁性キャリア1をトナー/キャリア質量比で8%となるように現像剤を調整し、それぞれ現像剤No.24、25、26、27を得た。
<現像剤の製造例30>
トナーNo.24と磁性キャリア2をトナー/キャリア質量比で8%となるように現像剤を調整し、それぞれ現像剤No.30を得た。
<トナーの製造例30>
トナー製造例1において、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物用いないこと以外は同様にしてトナーNo.30を得た。得られたトナーNo.30の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例31>
トナー製造例1において、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物に代え、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のジルコニウム化合物を用いること以外は同様にして
トナーNo.31を得た。得られたトナーNo.31の組成及び物性を表1に示す。
<トナーの製造例32>
トナー製造例1において、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物に代え、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の亜鉛化合物を用いること以外は同様にしてトナーNo.32を得た。得られたトナーNo.32の組成及び物性を表1に示す。
<実施例1>
画像形成装置として、市販のカラーレーザープリンターCP2810(キヤノン社製)の定着スピードを150mm/sとし、20枚/分を出力し得るプリンターに改造した。
トナーNo.1からなる現像剤1を用いて、X−Rite社製504型反射濃度計で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を5箇所設けた印字率10%画像パターンを、23℃/相対湿度5%(N/L)、32.5℃/相対湿度92%(H/H)の各環境でそれぞれ10000枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。ここで、用いた材料を表1に、評価結果を表2に示す。表2から分かるように全ての評価項目において概ね良好な結果が得られた。
(1)低温定着性
L/L(15℃,10%RH)環境下にてXx64g紙を用いて、評価を行った。A4紙中に5cm角のベタ画像を9点出力させた。この際の未定着画像ののり量は0.6mmg/cmとした。その画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5回往復し、濃度低下率が20%以上となる温度を定着下限温度として評価した。
(2)OHT透明性評価
CP2810の専用トランスペアレンシーを用い、N/N環境下でベタ画像(転写紙上0.6mmg/cm)を出力させた。それを透過型OHTプロッジェクターを用い、下記の様に5段階で目視評価した。
A:透明性が著しく高く良好である。
B:透明性が良好である。
C:若干くすみがあるが実使用上問題ない。
D:かなりくすんでおり、若干問題となるレベル。
E:くすみがひどい。
(3)耐高温オフセット性
N/N(23.5℃,60%RH)環境下にてXx64g紙を用いて、評価を行った。ベタ白画像をA4縦置きで50枚通紙した後、A4横置きで先端から5cmの全域が画像濃度0.5のハーフトーン、それ以外がベタ白という画像を両面複写した。この際の白地部に現れるオフセットのレベルを目視確認した。
A:オフセットが全く発生しない。
B:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、うっすらとオフセットが発生したが、使用上問題となるレベルではない。
C:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、若干オフセットが発生した、実使用上ぎりぎりのレベルであるが、通常の複写においては問題とならない。
D:長手方向全域に、オフセットが発生し、実使用上問題となるレベル。
E:長手方向全域に1面目からオフセットが発生する。
(4)かぶり
N/L及びH/H環境下での1万枚耐久試験において、かぶりを測定した。方法として
は、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、測定色の補色のフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER ODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式(7)から算出する。
Figure 2005215271
(5)画像濃度
X−Rite社製504型反射濃度計で画像濃度を測定した。
(6)ドラム融着
H/H環境下での1万枚耐久試験において、ドラム上への融着物の発生の有無を下記評価基準に従って目視及びルーペで6段階評価した。
A :全く融着物が存在しない。
B :ドラム上に0.1mm径以下の融着物が数点存在するが、画像上全く問題ない。
C :ドラム上に0.1〜0.4mm径の融着物が数点存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
D :ドラム上に0.1〜0.4mm径の融着物が10点以上存在し、画像上にも発生している。
E :ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が10〜20点存在し、画像上にも発生している。
F :ドラム上に1mm径より大きい融着物が全面に存在し、画像上も多数発生している。
(7)感光体クリーニング不良評価
A :全くクリーニング不良が存在しない。
B :ドラム上に1mm長さ以下のクリーニング不良が数点存在するが、画像上全く問題ない。
C :ドラム上に1〜4mm長さのクリーニング不良が数点存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
D :ドラム上に1〜4mm長さのクリーニング不良が10点以上存在し、画像上にも発生している。
E :ドラム上に4mm長さより長いクリーニング不良が10〜20点存在し、画像上にも発生している。
F:ドラム上に1mm径より大きいクリーニング不良が全面に存在し、画像上も多数発生している。
(8)画質評価
H/H環境下での耐久試験後において、画質評価(5ポイントの文字、ライン画像、べた画像の総合評価)を目視及びルーペで行った。評価基準は下記に順ずる。
A :飛び散りもなく、ライン画像及び文字画像は鮮明であり、べた画像も均一で良好。
B :ルーペ確認にて若干飛び散りが確認されるが、目視確認ではまったく問題なくべた画像も均一で良好。
C :目視にてライン画像及び文字画像に若干飛び散った部分が確認されるが、実
使用上問題となるレベルではない。
D :目視にてライン画像及び文字画像に飛び散った部分が確認されるが、一般使用ではぎりぎりで問題とならないレベル。
E :目視にてライン画像及び文字画像に飛び散りが多く確認される。
F :目視にてライン画像及び文字画像に顕著な飛び散りが確認される。
G :ライン画像、文字画像のみならず、べた画像に関しても均一性がなく貧弱な画像である。
(9)トナー飛散評価
H/H環境下での耐久試験後において、現像スリーブ下及び機内にたまるトナー量でトナー飛散を評価した。
A :現像スリーブ下及び機内にまったくトナーがなく良好。
B :現像スリーブ下にうっすらとトナー層が確認されるが、機内には飛散したトナーがなく良好。
C :現像スリーブ下及び機内に若干トナーが飛散しているが、問題となるレベルではない。
D :現像スリーブ下及び機内にトナーが飛散している。
E :現像スリーブ下及び機内にトナーが多く飛散している。
F :機内がトナー色で汚染され、画像欠陥も多発している。
(10)ブロッキング試験
50ccのポリカップにトナーを10g入れた。これを53℃の恒温層に3日(72時間)放置した時のトナーの状態を下記のごとく目視判断した。
A :まったくブロッキングしておらず、初期とほぼ同様の状態。
B :若干、凝集気味であるが、ポリカップの回転で崩れる状態であり、特に問題とならない。
C :凝集気味であるが、手で崩してほぐれる状態である。
D :凝集が激しい。
E :固形化している。
(11)転写効率測定
H/H環境下での耐久試験における末期に転写効率確認を行った。像のり量0.65m
g/cmのべた画像をドラム上に現像させた後、EN100(64g紙)に転写させ未定着画像を得た。ドラム上のトナー量と転写紙上のトナー量との重量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量転写紙上に転写された場合を転写効率100%とする。)
A :転写効率が95%以上
B :転写効率が90%以上95%未満
C :転写効率が80%以上90%未満
D :転写効率が70%以上80%未満
E :転写効率が70%未満
(12)色み確認
Y,M,Cの一次色及びR,G,Bの2次色を含む写真画像を初期及び1万枚の耐久後に各10枚サンプリングした。その際の初期と耐久後の色みを目視確認し書き評価をくだした。
A :色み変動が全くない。
B :色み変動がほとんどない。
C :色み変動が若干有り、厳しいユーザーには指摘されるレベル。
D :色み変動が有り、一般のユーザーに指摘されるレベル。
E :色みが大きく異なる。
Figure 2005215271
<実施例2〜28>
表1に示すようにトナーまたはキャリアとの組み合わせにより現像剤2〜33を作製した。現像剤を表2に示すように変更して、実施例1と同様の方法を用いて評価を行った。その結果を表2に示す。なお、実施例21、22、23はフルカラー画像出力した場合の、シアン色で評価を行なった。
なお、二成分現像剤を使用する場合は、下記の様に調整した現像剤と改造装置を用いた。まず、磁性キャリア92部とトナー8部をV型混合機で混合し、二成分現像剤とした。
二成分現像剤の評価は、画像形成装置として、市販のデジタル複写機CP2150(キヤノン社製)の定着スピードを150mm/sとし、35枚/分を出力し得る複写装置に改造した。また、図1に示す現像装置及び帯電装置が入れられるよう上記複写装置を改造し、図2の現像バイアスを使用したものを用い、定着装置を加熱ローラー、加圧ローラーともに表層をPFAで1.2μm被覆したローラーに変更し、オイル塗布機構等の加圧ローラー以外の全ての接触部材を除去する形に変更した。
<比較例1〜3>
表1の比較トナー1〜3を用い、表2の画像形成方法に従い、実施例1と同様の実験方法及び評価を行った。その結果を表2に示す。
本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の一例を表す部分的模式図である。 本発明の画像形成方法で用いられる交番電界を説明する図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられるフルカラー画像形成装置の例を示す概略図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法を接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法を非接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略説明図である。 本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。

Claims (12)

  1. 着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含むトナーにおいて、
    該極性樹脂は、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合したポリエステル樹脂を少なくとも含有しており、
    該トナー粒子は水系媒体中で造粒することにより得られたものであることを特徴とするトナー。
  2. 前記触媒として炭素数7〜12のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記極性樹脂の酸価が3〜35(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記極性樹脂の酸価が7〜15(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  5. 前記トナーの重量平均粒径は4〜10μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナーの重量平均粒径は6〜7.5μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子又は前記トナーに対する水/メタノール濡れ性試験において、透過率が初期の50%になるまでのメタノール質量%が下記(1)式〜(3)式の全ての関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のトナー。
    Figure 2005215271
    Figure 2005215271
    Figure 2005215271
    (但し、TAはトナー粒子のメタノール質量%を、TBはトナーのメタノール質量%を表す。)
  8. 前記トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜120℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のトナー。
  9. 前記トナーが、サリチル酸系金属化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のトナー。
  10. 前記サリチル酸系金属化合物の金属が、アルミニウム又はジルコニウムであることを特徴とする請求項9に記載のトナー。
  11. 前記トナー粒子は、重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤及び重合開始剤を少なくと
    も含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し、造粒し、そして重合性単量体を重合することにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のトナー。
  12. 着色剤、離型剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とからなるトナーの製造方法において、
    該極性樹脂に少なくとも含有されるポリエステル樹脂を、触媒として炭素数5〜15のアルキルカルボン酸のスズ化合物を使用して重合することにより製造し、
    該トナー粒子を水系媒体中で造粒することにより製造することを特徴とするトナーの製造方法。
JP2004021248A 2004-01-29 2004-01-29 カラートナー Expired - Fee Related JP4603802B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004021248A JP4603802B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 カラートナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004021248A JP4603802B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 カラートナー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005215271A true JP2005215271A (ja) 2005-08-11
JP2005215271A5 JP2005215271A5 (ja) 2007-02-08
JP4603802B2 JP4603802B2 (ja) 2010-12-22

Family

ID=34904951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004021248A Expired - Fee Related JP4603802B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 カラートナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4603802B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007057794A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Canon Inc 画像形成方法
WO2007099693A1 (ja) * 2006-03-03 2007-09-07 Canon Kabushiki Kaisha トナー
JP2007256720A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Canon Inc トナー
JP2007304276A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2008076425A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びこれに用いる静電潜像現像用トナー
JP2008096647A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Kao Corp 樹脂乳化液の製造方法
JP2008158252A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Canon Inc トナー
JP2008180874A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2010072569A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Kao Corp 静電荷像現像用トナー
JP2013080220A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Xerox Corp 帯電性が改良されたトナー

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4651095B2 (ja) * 2005-08-24 2011-03-16 キヤノン株式会社 画像形成方法
JP2007057794A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Canon Inc 画像形成方法
WO2007099693A1 (ja) * 2006-03-03 2007-09-07 Canon Kabushiki Kaisha トナー
JP5106380B2 (ja) * 2006-03-03 2012-12-26 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
US8247147B2 (en) 2006-03-03 2012-08-21 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2007256720A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Canon Inc トナー
JP4682071B2 (ja) * 2006-03-24 2011-05-11 キヤノン株式会社 トナー
JP2007304276A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Kao Corp 電子写真用トナー
JP2008076425A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びこれに用いる静電潜像現像用トナー
JP2008096647A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Kao Corp 樹脂乳化液の製造方法
JP2008158252A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Canon Inc トナー
JP2008180874A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2010072569A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Kao Corp 静電荷像現像用トナー
JP2013080220A (ja) * 2011-09-30 2013-05-02 Xerox Corp 帯電性が改良されたトナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP4603802B2 (ja) 2010-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100672882B1 (ko) 토너
US7556904B2 (en) Toner for electrostatic development, developer, image forming method, image-forming apparatus and process for cartridge using the same
KR100564850B1 (ko) 토너
JP5625945B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP7069915B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4290055B2 (ja) 非磁性トナー
JP4455457B2 (ja) トナー
JP2010191355A (ja) 静電潜像現像用透明トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP4603802B2 (ja) カラートナー
JP6089467B2 (ja) 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法
JP4965898B2 (ja) 補給用現像剤、現像方法及び補給用現像剤の製造方法
JP2007178551A (ja) トナーキット、並びに現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置
JP5428426B2 (ja) トナー及びその製造方法、並びに現像剤、及び画像形成方法
JP4072385B2 (ja) 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤
JP2004126234A (ja) 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤
JP2005316148A (ja) 補給用現像剤キット及びこれを用いた画像形成装置
JP2006330689A (ja) 静電荷現像用トナー及び画像形成方法
JP6167869B2 (ja) 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置
JP2002214823A (ja) 画像形成方法及びトナー
JP2007058036A (ja) 静電荷像現像用トナー、及び画像形成方法
JP2004126233A (ja) 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤
JP4479576B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成装置、画像形成方法
JP2007121465A (ja) 現像装置、並びに、これを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2002328489A (ja) 静電荷像現像用トナー、前記トナーの製造方法、及び前記トナーを用いる画像形成方法
US20220308482A1 (en) Method for producing toner for developing electrostatic charge image, and toner for developing electrostatic charge image

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080711

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101004

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees