JP2005215245A - レジスト化合物および組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 特定の条件を満たすレジスト化合物を1種以上と、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸又は塩基を発生する酸又は塩基発生剤を一種以上含むことを特徴とするレジスト組成物。
【選択図】 無し
Description
a)分子中少なくとも1つの酸解離性官能基で保護されたカルボキシル基を有する。
b)分子量が500〜5000である。
c)分岐構造を有する。
d)式、F≦5を満たす(ただし、Fは、全原子数/(全炭素原子数−全酸素原子数)を表す)。
さらに、本発明は、基板上に前記レジスト組成物からなるレジスト膜が形成されているレジスト基板、前記レジスト組成物からなるレジスト膜をパターン形成したパターン形成基板を提供する。
さらに、本発明は、前記レジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、レジスト膜を加熱処理する工程、加熱処理したレジスト膜を可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線を照射して露光する工程、及び、必要に応じて加熱処理した後、露光レジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法を提供する。
さらに、本発明は、前記パターン形成基板をエッチングすることにより得られるパターン配線基板を提供する。
本発明のレジスト組成物は、少なくとも一種のレジスト化合物及び少なくとも一種の酸又は塩基発生剤を含む。レジスト化合物は、以下のa)〜d)の条件をすべて同時に満たす。
「酸解離性官能基で保護されたカルボキシル基」とは、酸の存在下で開裂して、カルボキシル基を生じる置換基をいい、酸解離性官能基としては、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、1−置換アルコキシメチル基、環状酸解離性官能基、およびアルコキシカルボニル基等が挙げられる。前記酸解離性官能基は、更に高感度・高解像度なパターン形成を可能にするために、酸の存在下で連鎖的に開裂反応を起こす性質を有することが好ましい。酸解離性官能基を有することにより、露光により発生したわずかな量の酸でも、触媒として働き多くの反応を引き出すことが出来るので、レジスト材料としての高感度化や、現像コントラストの増大に有効である。さらには、カルボキシル基を酸解離性官能基で保護した化合物であるため、酸の作用でカルボン酸となるため、従来材料であるフェノール性水酸基を酸解離性官能基で保護した化合物よりも、カルボキシル基は酸解離定数(pKa)が低く、アルカリ現像が短時間で行え、生産性が向上する。
分子量は500〜5000であり、好ましくは600〜3000、更に好ましくは700〜2000である。上記の範囲にすることにより良好な成膜性を付与することが可能となり、更に解像性、アルカリ現像性能を向上させることが出来る。
本発明において「分岐構造」とは、下記(1)〜(4)のうち少なくとも1つの条件を満たす化学構造をいう。
(1)環状構造に含まれない3級炭素原子または3級窒素原子を有する。
(2)4級炭素原子を有する。
(3)3以上の置換基を有する芳香環又は脂肪族環を少なくとも一つ含む。
(4)3級リン原子を有する。
上記分岐構造を有することにより、長期間にわたって安定なアモルファス性を付与することができ、レジスト材料としての、パターン形成に必要な成膜性、光透過性、溶剤可溶性、エッチング耐性に優れる等の特長を有する。また感光基の数を増加させることが出来るため感度を上げることが可能である。
Fが5より大きいと、感度、解像度、エッチング耐性等の性能が悪くなるおそれがある。
(式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、または置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、1−置換アルコキシメチル基、および環状酸解離性官能基からなる特性基群から選ばれる1種であり、R1のうち少なくとも一つは水素原子以外の特性基である。nは独立に0〜3の整数で、nの合計は1以上である。)
(式中、R2は、それぞれ独立に水素原子、直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状もしくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり、同一でも異なっていても良く、X-は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基もしくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオン、またはハロゲン化物イオンである。)
(式中、R5は、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝もしくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基または任意に置換されたアラルキル基であり、同一でも異なっていても良い。)
(式中、R6は、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝もしくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基または任意に置換されたアラルキル基であり、同一でも異なっていても良い。)
(式(9)および(10)中、R8およびR9はそれぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基またはアリール基であり、L8およびL9はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基であり、pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦a+b≦5であり、J8はそれぞれ独立に単結合、炭素原子数1〜4のポリメチレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、下記式(11)で表わされる基、カルボニル基、エステル基、アミド基またはエーテル基であり、Y8は水素原子、アルキル基またはアリール基であり、そしてX8およびX9は、それぞれ独立に下記式(12)(式(12)中、Z10はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、R10はアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシル基であり、rは0〜3の整数である)で示される基である。)
式(9)、(10)の化合物において、1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基および1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。
(式(13)〜(20)中、R11、R12、およびR14は、互いに無関係に、水素原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素原子数3〜20の環状のアルキル基であるか、あるいは、R11、とR12、およびR11とR14、R12とR14は、それぞれ互いに結合して環状体を形成することもあり、R13は、炭素原子数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Mは、ヨードニウムまたはスルホニウムを示し、mは、2〜10の整数を示し、そしてnは、1〜3の整数を示す。)
溶解促進剤の配合量は、使用されるレジスト化合物の種類に応じて適宜調節されるが、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
増感剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
<5μmのラインアンドスペース(5μmL&S)の評価>
現像後のパターンを光学顕微鏡で観察し、5μmのラインアンドスペースの形成の有無を目視で確認する。
判断基準
○ : 確認できた
× : 確認できなかった
<分子量>
IR、1H−NMRより同定された純物質について、計算で求めた。
<ファクター(F)>
IR、1H−NMRより同定された純物質について、計算で求めた。
(1)レジスト化合物の合成
iPr−TPMTIAAの合成
トリフェニルメタントリイソシアネート(TPMTI)の酢酸エチル/モノクロロベンゼン27重量%溶液(Bayer製デスモジュールRE、NCO当量:441、不揮発分:27重量%)4.51gにジメチルアセトアミド(DMAc)(関東化学(株)製)5mlを加えた溶液を滴下ロートを用いて、アミノ安息香酸イソプロピル(iPr−AA)(関東化学(株)製試薬)1.79g/10mmol(1.0当量)のDMAc5ml溶液にゆっくり滴下し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を多量の水に加え生成物を析出させた。得られた生成物をアセトンに溶解後、多量の水に加え析出させる操作を繰り返し、白色粉末が得られた。得られた白色粉末をヘキサン/酢酸エチル=3/4の混合溶媒を用い、カラムクロマトで精製した。最後に減圧乾燥を行い、目的生成物(以下、「iPr−TPMTIAA」と略す)1.40gを得た。構造はFT−IR、400MHz-1H−NMRにより式(2)の構造式であることを確認した。iPr−TPMTIAAは、分子量が905、Fが2.8、である。
IR:(cm−1)
3349cm−1(N−H伸縮振動)、1668cm−1(C=O,カルボニル)
1H−NMR:(400MHz、CDCl3、内部標準TMS)
δ(ppm)7.0〜7.9ppm(Ph−H)、1.2ppm(−CH 3)、5.1ppm(−CH−)、5.4ppm(−CH−)、8.8〜9.1ppm(−NH−)
上記で合成したiPr−TPMTIAA0.5g、ジフェニルキサントン−2−イルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(和光純薬(株)製)0.025g、DMAc4.5gの均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト溶液を調製した。得られたレジスト溶液をアルミニウム(SiおよびCuとの合金)薄膜(約200nm)を蒸着させた清浄なシリコンウェハ上に回転塗布した後、90℃で焼成して、レジスト被膜を形成し、該レジスト被膜に、紫外線露光装置(ミカサ製マスクアライナMA−10)を用いて波長365nmのi線、43956mJ/cm2で露光した。露光後、250℃で10分間PEBを行った後、表1記載の現像液を用い、静置法により、23℃で表1記載の時間、現像を行い、その後、水で30秒間洗浄し、乾燥して、レジストパターンを形成した。0.1N水酸化ナトリウム水溶液にて3分間ウェットエッチングを行い、純水、アセトンで洗浄し、レジストパターンを剥離し、パターン配線基板を得た。5μmのラインアンドスペースの形成の有無を目視で確認した。結果を表1に示す。
(1)レジスト化合物の合成
iPr−TPMTIAPの合成
TPMTI4.38gにDMAc5mlを加えた溶液を滴下ロートを用いて、イソプロポキシアニリン(iPr−AP)(関東化学(株)製試薬)1.51g/10mmol(1.0当量)のDMAc5ml溶液にゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を多量の水に加え生成物を析出させた。得られた生成物をアセトンに溶解後、多量の水に加え析出させる操作を繰り返し、白色粉末が得られた。得られた白色粉末をヘキサン/酢酸エチル=3/4の混合溶媒を用い、カラムクロマトで精製した。最後に減圧乾燥を行い、目的生成物(以下、「iPr−TPMTIAP」と略す)2.61gを得た。構造はFT−IR、400MHz-1H−NMRにより式(21)の構造式であることを確認した。iPr−TPMTIAPは、分子量が821、Fが2.6、である。
IR:(cm−1)
3305cm−1(N−H伸縮振動)、1646cm−1(C=O,カルボニル)
1H−NMR:(400MHz、CDCl3、内部標準TMS)
δ(ppm)6.8〜7.4ppm(Ph−H)、1.2ppm(−CH 3)、4.5ppm(−CH−)、5.4ppm(−CH=)、8.4〜8.5ppm(−NH−)
iPr−TPMTIAA0.5gの代わりに、上記で合成したiPr−TPMTIAP0.5gを用いた以外は実施例1と同様にレジストパターン、およびパターン配線基板を形成した。5μmのラインアンドスペースの形成の有無を目視で確認した。結果を表2に示す。
Claims (15)
- a)〜d)のすべての条件を満たすレジスト化合物を一種以上と、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸又は塩基を発生する酸又は塩基発生剤を一種以上含むことを特徴とするレジスト組成物。
a)分子中少なくとも1つの酸解離性官能基で保護されたカルボキシル基を有する。
b)分子量が500〜5000である。
c)分岐構造を有する。
d)式、F≦5を満たす(ただし、Fは、全原子数/(全炭素原子数−全酸素原子数)を表す)。 - 前記レジスト化合物の分岐構造が下記(1)〜(4)のうち少なくとも1つの条件を満たす化学構造であることを特徴とする請求項1記載のレジスト組成物。
(1)環状構造に含まれない3級炭素原子または3級窒素原子を有する。
(2)4級炭素原子を有する。
(3)3以上の置換基を有する芳香環又は脂肪族環を少なくとも一つ含む。
(4)3級リン原子を有する。 - 前記a)〜d)のすべての条件を満たすレジスト化合物が、分岐されたそれぞれの分子鎖に前記酸解離性官能基を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1又は2記載のレジスト組成物。
- 前記レジスト化合物の分子量が600〜3000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記レジスト化合物が、分子中に、ウレア基、ウレタン基、アミド基およびイミド基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
- 前記式(1)におけるR1がすべて水素原子である化合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載のレジスト組成物。
- それ自体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂をさらに含む請求項1〜8のいずれかに記載のレジスト組成物
- 基板上に請求項1〜9のいずれかに記載のレジスト組成物からなるレジスト膜が形成されているレジスト基板。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のレジスト組成物からなるレジスト膜をパターン形成したパターン形成基板。
- 請求項1〜9に記載のレジスト組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程、レジスト膜を加熱処理する工程、加熱処理したレジスト膜を、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線を照射して露光する工程、及び、必要に応じて加熱処理した後、露光レジスト膜を現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 請求項11に記載のパターン形成基板をエッチングすることにより得られるパターン配線基板。
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