JP2005203081A - 光ディスク用光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】
カップリングレンズを省略しても、情報記録再生時に発生する諸収差を良好に抑えることができる光ディスク用光学系、特に保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録再生を実現する光ディスク用光学系を提供すること。
【解決手段】
光ディスク用光学系は、情報の記録および/または再生に要求される光ディスク側の開口数が0.60以上である光ディスクを使用可能な光ディスク用光学系であって、発散光を照射する光源と、光源からの発散光を光ディスクに集光させる対物レンズと、対物レンズを、フォーカシングシフトさせ、トラッキングシフトさせ、あるいは該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、駆動手段は、トラッキングシフト時に、対物レンズの中心軸が光源方向へ向かうように該対物レンズの姿勢を変化させる動作を同時に行う構成にした。
【選択図】 図2

Description

保護層厚や記録密度が異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録および/または再生を行う光情報記録・再生装置に用いられる光ディスク用光学系であって、特にコリメートレンズ等のカップリングレンズを用いない構成の光ディスク用光学系に関する。
光ディスクには、記録密度や保護層の厚みが異なる複数の規格が存在する。例えば、CD(コンパクトディスク)よりもDVD(デジタルバーサタイルディスク)の記録密度は高く、保護層が薄い。そこで、規格が異なる光ディスクに対しては、各ディスクの保護層の厚みによって変化してしまう球面収差を補正しつつ、情報の記録や再生に使用する光の開口数(NA)を変化させて記録密度の違いに対応した有効光束径が得られるように構成された光ディスク用光学系を用いる必要がある。
従来の光ディスク用光学系は、光源、カップリングレンズ、対物レンズ等から構成されていた。ここでカップリングレンズとは、光源から照射された光を平行光化するコリメートレンズ、あるいは光束の発散度(倍率)変換作用を持ったレンズなどのことである。カップリングレンズは、記録面上での収差の発生を抑える、あるいは光の利用効率を高めるなどの目的で用いられていた。しかし近年、光ディスク用光学系のコストダウン、およびより一層の小型化を図るために、構成部品の点数を削減することが検討されている。そこで、以下の特許文献1〜4のように該カップリングレンズを省略した構成、いわゆる有限共役系(有限系)の光ディスク用光学系が提案されている。
特開平8−62496号公報 特開平8−334686号公報 特開昭64−25113号公報 特開平2−223906号公報
上記の各特許文献1〜4に開示される光ディスク用光学系はどれも、CDやCD−Rといった記録密度が低く、保護層厚が厚い光ディスクを使用することを前提としている。つまり、各光学系は、低いNAによって比較的大きなスポットを形成することにより情報の記録や再生が行われる構成になっている。
上記の各特許文献1〜4に開示される有限系の光ディスク用光学系は、光源と対物レンズの相対的位置関係を変化させると収差が発生してしまう。具体的には、フォーカシングのために対物レンズを中心軸方向に沿って移動させると、球面収差が発生する。また、トラッキングのために対物レンズを光軸方向と直交する方向に移動(トラッキングシフト)させると、該対物レンズに軸外光が入射することによるコマ収差や非点収差が発生する。ここで、光軸とは、光源、対物レンズ、および光ディスクが、傾いたり、横ずれ等したりしない状態で一直線上に並んでいる状態(ミラーなどにより折り返されていたとしても実質的に一直線上に並んでいると見なせる状態)での基準軸である。一般に、光ディスクに対する情報の記録や再生が高精度で行われるようにするため、諸収差の発生を可能な限り小さく抑えることが望まれる。特にコマ収差や非点収差といった非回転対称性の収差は、情報の記録信号や再生信号の品質を劣化させる大きな要因となるため、光ディスク光学系は、該非回転対称性の収差を十分に補正できるように構成されることが望まれる。
なお、本文において、フォーカシングのために対物レンズを光軸方向に沿って移動させることを、フォーカシングシフトという。また、トラッキングのために対物レンズを光軸方向と直交する方向(光ディスクの円周方向)に移動させることを、トラッキングシフトという。
ここで、光軸に対して光ディスクが傾いた際に、光ディスクの保護層で発生するコマ収差は、該保護層の厚みに対応して変化する性質を持つ。そのため、上記各特許文献では、該保護層で発生するコマ収差を打ち消すために両面を非球面形状とするアプラナチックな対物レンズを光ディスク用光学系に採用する。これにより、光情報記録や再生時におけるコマ収差の発生を抑えている。
しかし、もう一つの非回転対称性の収差である非点収差は、たとえ両面非球面の対物レンズを使用したとしても十分に補正することが極めて困難である。つまり、各特許文献1〜4は、比較的低NAで情報の記録や再生が可能であって、かつ非点収差が残存していても情報の記録や再生が可能な程度に収差に対する許容量が大きい光ディスク(CD等)用の装置に特化した構成となっている。換言すれば、上記の各特許文献1〜4は、DVD等の記録密度が高く、情報の記録や再生時には高NAでより小径のスポットを形成する必要がある光ディスク用の装置には適用できないと言った問題があった。
また、近年、多くの光情報記録再生装置には、DVDとCDに互換性を有する光ディスク用光学系が搭載されている。ここで、コマ収差の量がディスク保護層厚に依存して変化することを踏まえると、このような複数種類の光ディスクに互換性ある光ディスク用光学系は、上記各特許文献1〜4に開示の光学系のように、対物レンズの構成のみで各ディスク使用時に発生するコマ収差を補正することは不可能である。また互換性ある光ディスク用光学系は、上記各特許文献1〜4と同様に非点収差が残存する。従って上記各特許文献1〜4の構成を互換性ある光ディスク用光学系に適用しようとすると、特に記録密度の高い光ディスクに対する高精度な情報の記録や再生ができないといった問題もある。
そこで本発明は上記の事情に鑑み、カップリングレンズを省略しても、情報記録再生時に発生する諸収差を良好に抑えることができる光ディスク用光学系、特に保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録および/または再生を実現する光ディスク用光学系を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の光ディスク用光学系は、情報の記録および/または再生に要求される光ディスク側の開口数が0.60以上である光ディスクを使用可能な光ディスク用光学系であって、発散光を照射する光源と、光源からの発散光を光ディスクに集光させる対物レンズと、少なくとも対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、駆動手段は、トラッキングシフトさせると同時に、対物レンズの中心軸が光源方向へ向かうように該対物レンズの姿勢を変化させることを特徴とする。
このように、トラッキングシフトと同時に対物レンズの姿勢を変化(チルト)させることにより、トラッキングによって対物レンズで発生する非点収差を、チルトによって軽減することができる。つまり本発明によれば、情報の記録および/または再生に比較的高いNAが要求される光ディスクであっても、収差の影響を低減し、安定した情報の記録および/または再生を実行することができる。また、請求項1に記載の発明によれば、対物レンズ自体には何ら収差を付与することなく、該レンズの姿勢を変化させることにより非点収差を補正する。従って、基準状態であるトラッキングシフトする前の状態において性能を劣化させるような要素は存在しない。
非点収差の発生を効果的に抑えて、使用時に高NAが要求される光ディスク用の装置に好適な光ディスク光学系にするためには、光源から光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、トラッキングシフト時における対物レンズの姿勢の変化量(つまりレンズチルト量)をθ[°]とすると、以下の条件式(1)を満足することが望ましい(請求項2)。
0.25≦d・tanθ/TR≦0.75 …(1)
条件式(1)は、レンズチルト量を規定する条件である。ここで、非点収差を完全に補正するためには、d・tanθ/TR=1となるようにレンズチルト量を規定すればよい。しかし、d・tanθ/TR=1となるようにレンズチルト量を規定すると、ディスクの保護層で発生するコマ収差が大きく残存してしまう。そこで、コマ収差の発生を抑えつつ非点収差を良好に補正するためには条件式(1)を満たすことが望ましい。
条件式(1)の下限を下回る、つまりレンズチルト量が少ない場合、非点収差の補正効果が少ないため好ましくない。また、レンズチルト量が少ないと、対物レンズにおいて高次のコマ収差が多く発生した場合、該コマ収差も十分に補正されず大きく残存してしまう。逆に、条件式(1)の上限を上回る、つまりレンズチルト量が大きいと、対物レンズにおいて発生したコマ収差が残存してしまう、あるいはレンズチルト量の誤差によって発生するコマ収差の量が大きくなりすぎてしまう。該誤差を低減するためには、アクチュエータ等の駆動手段の駆動精度を向上させることが考えられるが、さらなるコストアップに繋がるため好ましくない。
また上記光ディスク用光学系において、コマ収差の発生を効果的に抑えるためには、以下の条件式(2)を満たすような特性を持つ対物レンズを使用することが望ましい(請求項3)。
−0.75≦CMD/CML≦−0.15 …(2)
但し、CMは、光源から照射された光束に対して対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度を、
CMは、光源から照射され対物レンズを透過した光束に対して光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度を、それぞれ表す。
一般に、対物レンズは、光ディスク用光学系に搭載される際、中心軸が光源からの光束の主光線と略一致しかつ光ディスクの記録面と直交するように、光源や光ディスクとの相対的な位置調整が行われる。そして該対物レンズは、該位置調整が行われた状態の対物レンズに軸外光が入射した場合であってもコマ収差が発生しないような設計がなされる。より詳しくは、対物レンズは、入射光束に対して該対物レンズが傾いた時に発生するコマ収差が、入射光束に対して光ディスクが傾いた時に発生するコマ収差に対して、同量かつ異符号(CMD/CML≒−1)になるように設計される。これにより、二つのコマ収差が互いに打ち消し合うことになり、結果としてコマ収差の発生を抑えられる。
しかし、非点収差を補正するために対物レンズをチルトすると、光源から照射される光束の主光線に対する対物レンズの傾きと、該主光線に対する光ディスクの傾きが異なってしまう。そのため、上記二つのコマ収差が同量かつ異符号であると、レンズをチルトすることにより非点収差は補正されるものの、コマ収差は却って増加してしまう。そこで、コマ収差と非点収差の双方を良好に補正するためには条件式(2)を満たすことが望ましい。
条件式(2)において、下限を下回る、つまり対物レンズが傾くことによるコマ収差の感度が小さくなりすぎると、非点収差を補正できたとしてもコマ収差は大きく発生してしまい好ましくない。また、条件式(2)において、上限を上回る、つまり対物レンズが傾くことによるコマ収差の感度が大きくなりすぎると、レンズチルト量の誤差によって発生するコマ収差の量が大きくなりすぎてしまい好ましくない。
なお、本文において、コマ収差の感度CM、CMは、入射光束に対して対物レンズおよび光ディスクが1°傾いた時に発生する波面収差をゼルニケ(Zernike)の多項式で展開することにより得られる各項の係数のうち、3次のコマ収差に対応する項の係数とする。因みに、波面収差の量をrms値で表した場合、3次のコマ収差の係数CM3とrms値は以下のような関係が成立する。
rms値=1/√8×|CM3|
また、以下の条件式(3)を満たすことにより、非点収差およびコマ収差の発生を同時にかつ効果的に抑えることが可能になる。
−0.30≦(CMD/CML)・d・tanθ/TR≦−0.15 …(3)
条件式(3)によって規定される範囲を外れると、非点収差の補正効果とコマ収差の補正効果とのバランスが適切に取ることができなくなり好ましくない。
また、本発明は、ディスク保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対して情報の記録および/または再生可能な光ディスク用光学系にも適用することができる。すなわち、請求項5に記載の光ディスク用光学系は、ディスク保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する複数の光源と、各光ディスクに対する情報の記録および/または再生時に共通に用いられ、複数の光源からの発散光を各光ディスクに集光させる対物レンズと、少なくとも、対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、駆動手段は、複数種類の光ディスクの中で少なくとも最もディスク保護層厚の薄い第一の光ディスクに対する情報の記録・再生時には、トラッキングシフトと同時に対物レンズの中心軸が光源へ向かうように姿勢を変化させるように構成することを特徴とする。
上記のような構成の光ディスク用光学系において、第一の光ディスクに対する情報の記録・再生を行う際のトラッキングシフト時における対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]、第一の光ディスクよりも相対的に保護層厚の厚い第二の光ディスクに対する情報の記録・再生を行う際のトラッキングシフト時における対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(4)を満たすことが望ましい。より好ましくは、各変化量は条件式(5)を満足する。
−0.1≦θ2/θ1≦1 …(4)
θ2/θ1=0 …(5)
条件式(4)に規定する範囲を外れると、コマ収差が残存してしまい、高精度での情報の記録や再生ができなくなるため好ましくない。条件式(5)を満たすように構成すると、第二の光ディスクに対する情報の記録や再生時に駆動手段の制御が容易になる利点がある。
詳しくは、情報の記録および/または再生に要求される光ディスク側の開口数が0.60以上の光ディスクを第一の光ディスクとすることができる(請求項8)。また、複数種類の光ディスクの中で最も保護層厚の厚い光ディスクを第二の光ディスクとすることができる(請求項9)。
以上説明した、ディスク保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対して情報の記録および/または再生可能な光ディスク用光学系の場合、条件式(1)〜(3)はそれぞれ以下の条件式(6)〜(8)に書き換えられる。
0.25≦d1・tanθ1/TR≦0.75 …(6)
−0.75≦CMD1/CML1≦−0.15 …(7)
−0.30≦(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR≦−0.15 …(8)
但し、各係数の末尾に下付けされた数字は、第一の光ディスク使用時の値であることを意味する。
なお、複数の光源のうち、第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する第二の光源から照射された光束に対して対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCML2、第二の光源から照射され対物レンズを透過した光束に対して第二の光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCMD2としたとき、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
−1.50≦CMD2/CML2≦−0.50 …(9)
条件式(9)において、下限を下回ると、第二のディスクに対する情報の記録および/または再生時に、トラッキングシフトによって発生するコマ収差が大きくなりすぎてしまう。また、上限を上回ると、対物レンズをチルトしたことに対するコマ収差の感度が大きくなりすぎ、レンズチルト量の誤差によるコマ収差の発生量が大きくなりすぎてしまう。
なお、上記で示した各条件式における数値のうち、d・tanθ/TRを0.5、CMD/CMLを−0.5に設定すると、非点収差の補正効果とコマ収差の補正効果がどちらも最も良好に作用する。これを踏まえ、本発明を別の観点から定義すると、以下のようになる。
すなわち、請求項14に記載の光ディスク用光学系は、第一の光ディスクと、該第一の光ディスクの保護層厚の略倍の保護層厚を持つ第二の光ディスクに対して情報の記録および/または再生可能な光ディスク用光学系であって、第一の光ディスクと第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する複数の光源と、第二の光ディスクの保護層厚によって発生するコマ収差の感度と略同一のコマ収差の感度を有し、第一の光ディスクと第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時に共通に用いられ、発散光を各光ディスクに集光させる対物レンズと、少なくとも、対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、対物レンズの中心軸が光源方向へ向かうように該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、駆動手段は、第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時において、トラッキングシフトと同時に、該トラッキングシフトによって発生する非点収差をほぼ完全に補正するような対物レンズの姿勢に対応する変化量の略半分だけ対物レンズの姿勢を変化させ、第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時においては、トラッキングシフト時に対物レンズの姿勢を変化させないことを特徴とする。
上述した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク用光学系において、複数の光源は、光束の射出方向に直交する面内でずれた位置に配置されると共に、複数の光源の対物レンズによる像が、トラッキングシフトによる像の移動方向と略直交する方向に並ぶように配置されていても良い(請求項15)。
上述した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク用光学系は、使用される光ディスクの種類を判別するディスク判別手段を更に備えていても良い。この場合、駆動手段は、ディスク判別手段による判別結果に基づき、複数の光源のうちの使用される光源及び対物レンズのトラッキングシフト量に応じた対物レンズの姿勢の変化量を設定することができる(請求項16)。
上述した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク用光学系において、複数の光源は、光束の射出方向に直交する面内でずれた位置に配置され、駆動手段は、複数の光源のうち使用される光ディスクの種類に対応する光源が対物レンズの中心軸上に位置するよう対物レンズを移動させた位置を、使用される光ディスクのトラッキングシフトの基準位置とするよう構成されていても良い(請求項17)。光ディスク用光学系がこのような構成である場合において、複数の光源はトラッキングシフトによる像の移動方向に配列されていても良い(請求項18)。さらに、光ディスク用光学系は、使用される光ディスクの種類を判別するディスク判別手段を備えていても良い。この場合、駆動手段は、ディスク判別手段による判別結果に基づき、複数の光源のうちの使用される光源及び対物レンズのトラッキングシフト量に応じた対物レンズの姿勢の変化量を設定すると共に、トラキングシフトの基準位置の設定を行うことができる(請求項19)。
以上のように本発明によれば、トラッキングシフトによって対物レンズに軸外光が入射することにより発生する非点収差を、対物レンズの姿勢を変化させることにより発生する非点収差によって軽減して、情報の記録および/または再生に高いNAが要求される光ディスクであっても情報の記録および/または再生が可能な有限系の光ディスク用光学系を提供することができる。
本発明に係る光ディスク用光学系は、非点収差の補正のみならず、コマ収差も良好に補正することが可能である。具体的には、軸外光が入射した時における対物レンズのコマ収差の感度が、対物レンズを介した該軸外光が入射した時における光ディスクのコマ収差の感度と所定の関係になるように、対物レンズを構成する。これにより、トラッキングシフトによって発生するコマ収差も、非点収差の補正効果とのバランスを取りつつ、良好に補正することが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る光ディスク用光学系のいくつかの実施形態について具体的な実施例と共に説明する。図1は、第一実施形態の光ディスク用光学系100と、情報の記録・再生の対象となる光ディスク20Aを示す図である。光ディスク用光学系100は、光源1、ビームスプリッタ2、レンズ駆動機構3、センサ4、対物レンズ10を有する。光ディスク20Aは、保護層が薄く記録密度が高い光ディスク(例えばDVD)を意味する。つまり、光ディスク用光学系100は、記録密度が高い光ディスク20Aに対して情報の記録再生を行う光情報記録再生装置に搭載される光学系である。なお光ディスク20Aは、図示しないターンテーブル上に載置され回転駆動される。
図1に示すように、光ディスク用光学系100は、光源1と対物レンズ10の間にカップリングレンズを有さない有限系である。つまり、光源1から照射されたレーザー光(発散光)は、対物レンズ10のみによって収束される。このことは、以下に述べる第二実施形態の光ディスク用光学系200も同様である。
光源1は、比較的波長の短いレーザー光を発振する。光源1から照射されたレーザー光は、ビームスプリッタ2、対物レンズ10を介して光ディスク20Aの記録面上において小径のスポットを形成する。光ディスク20Aからの光(信号光)は、センサ4によって受光される。センサ4に入射した信号光は、図示しない信号処理回路によって演算処理され、光ディスク20Aに対する情報の書き込み制御や情報の読み取りが行われる。
レンズ駆動機構3は、対物レンズ10を保持するレンズホルダ31と、レンズホルダ31に保持された対物レンズ10の位置や姿勢を微調整するアクチュエータ32を有する。図2は、レンズ駆動機構3の作用を説明するための図である。図2は、説明の便宜上、図1に示す光ディスク用光学系100の光路を一直線上に展開して示している。対物レンズ10は、アクチュエータ32によってフォーカシングシフト(図2中、X方向にシフト)したり、トラッキングシフト(同図中、Y方向にシフト)したりする。これにより、光ディスク用光学系100は、光ディスクの反り、傾き、偏芯等によりフォーカスずれやトラックずれが生じた場合にも安定した情報の記録や再生を実現する。
レンズ駆動機構3は、トラッキングシフトすると同時に、中心軸CLが光源1方向に向かうように対物レンズ10をチルトさせる。光源1方向とは、詳しくは、対物レンズ10から見た仮想的な発光点がある方向である。これより、トラッキングシフトによって発生する非点収差を、対物レンズ10のチルトによって発生する非点収差で効果的に軽減する。このとき、コマ収差も十分に補正できるようにレンズチルト量は、対物レンズの中心軸の延長線上に仮想的な発光点が位置するよりも少ない量に設定される。本実施形態では、光源1から光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、レンズチルト量(光軸Axと対物レンズの中心軸CLとがなす角)をθ[°]とすると、レンズ駆動機構3は、以下の条件式(1)を満足するように対物レンズ10を駆動する。
0.25≦d・tanθ/TR≦0.75 …(1)
条件式(1)を満足するように対物レンズ10を駆動すれば、トラッキングシフト後の対物レンズ10に軸外光が入射することによって発生する非点収差を効果的に抑えている。例えば、条件式(1)の値が0.3になるようにレンズチルト量を設定すると、非点収差の量は約1/2に、条件式(1)の値が0.5になるようにレンズチルト量を設定すると1/4にまで軽減できるため、要求される開口数が高い光ディスクに対する情報の記録や再生が高精度に実現される程度まで十分に補正することができる。
対物レンズ10は、光源1側の面および光ディスク20A側の面がともに非球面である。また、対物レンズ10は、以下の条件式(2)を満たすような特性を持つ。
−0.75≦CMD/CML≦−0.15 …(2)
但し、CMは、光源から照射された光束に対して対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度を、
CMは、光源から照射され対物レンズを透過した光束に対して光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度を、それぞれ表す。
対物レンズ10に条件式(2)を満たす特性を付与することにより、トラッキングシフト後の対物レンズ10に軸外光が入射することによって発生するコマ収差を効果的に抑えている。特に、条件式(2)の値が−0.5近傍になる特性を対物レンズ10に付与すると、非点収差の補正効果と、コマ収差の補正効果のバランスが良好になる。
条件式(1)と条件式(2)を総括すると、光ディスク用光学系100は、以下の条件式(3)を満たすように構成することにより、非点収差やコマ収差を同時にかつ良好に抑えている。
−0.30≦(CMD/CML)・d・tanθ/TR≦−0.15 …(3)
以上が第一実施形態の光ディスク用光学系100の説明である。続いて本発明の第二実施形態の光ディスク用光学系200の説明をする。図3は、第二実施形態の光ディスク用光学系200と、情報の記録や再生の対象となる第一の光ディスク20Aと第二の光ディスク20Bを示す図である。つまり、第二実施形態の光ディスク用光学系200は、保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対して適用可能な光学系である。なお、第二実施形態の光ディスク用光学系200のうち、上述した光ディスク用光学系100と略同一の構成については、第一実施形態での説明を参照し、ここでの説明は簡略あるいは省略する。
適用される光ディスクのうち、第一の光ディスク20Aは、第一実施形態で説明した光ディスク20Aと同一である。第二の光ディスク20Bは、第一の光ディスク20Aよりも相対的に保護層厚の厚い光ディスクで、CDやCD−R等が例示される。
第二実施形態の光源1は、各光ディスク20A、20B使用時に対応する波長のレーザ光束を発振可能な発光部を複数(ここでは二つ)備えている。各発光点は、光ディスク用光学系200の光路を一直線上に展開した場合において、対物レンズ10の光軸と直交する面内で僅かにずれた位置に配設される。なお、図3において、第一の光ディスク20A使用時に用いられる光束の光路を実線で示し、第二の光ディスク20B使用時に用いられる光束の光路を破線で示す。
光源1とビームスプリッタ2の間には回折格子5が配設される。回折格子5は、3ビーム法によりトラックずれ信号を得るためのサブビームを生成するために設けられている。
第二実施形態の対物レンズ10は、第一実施形態と同様両面が非球面に形成されている。そして少なくとも一方の面は、中心軸を中心とした複数の微細な段差を有する輪帯状の回折構造が設けられている。
対物レンズ10は、該回折構造の回折作用により、保護層厚の異なる各光ディスク20A、20Bに適用互換性を備える。さらに、対物レンズ10は、各光ディスク20A、20B使用時に要求されるディスク側の開口数に対応した開口径を有するような開口制限機能も有する。これにより、光源1からのレーザ光束は、情報の記録や再生に好適な開口数をもって光ディスク20Aまたは20Bの記録面上に収束する。
第二実施形態のレンズ駆動機構3は、第一実施形態と同様、対物レンズ10をフォーカシングシフト、トラッキングシフト、およびチルトする。これにより、光ディスクの反り、傾き等だけでなく、使用する光ディスクの保護層厚の違いに起因する作動距離の違い等によるフォーカスずれやトラックずれが生じた場合にも安定した情報の記録や再生が実現される。図3中、第一の光ディスク20A使用時の位置にある対物レンズ10を実線で示し、第二の光ディスク20B使用時の位置にある対物レンズ10を点線で示す。
第一の光ディスク20Aに対する情報の記録時や再生時にトラッキングシフトに伴い発生する非点収差およびコマ収差は、第一実施形態と同様、レンズチルトにより良好に補正される。すなわち、トラッキングのためにレンズシフトを行うと同時に、対物レンズの中心軸が、対物レンズ10から見た仮想的な発光点(より具体的には、第一の光ディスクに対応する波長のレーザ光束を発振する発光点)の方向に向かうようにレンズチルトが行われる。
このようにレンズチルトを用いることにより、光ディスク20A使用時に発生するコマ収差と非点収差を同時にかつ良好に抑えるため、第二実施形態の光ディスク用光学系200も、条件式(1)〜(3)に対応する条件式(6)〜(8)を満たすように構成される。なお各条件式で用いる各係数の末尾に下付けされた数字「1」は、第一の光ディスク20A使用時の係数であることを意味する。
0.25≦d1・tanθ1/TR≦0.75 …(6)
−0.75≦CMD1/CML1≦−0.15 …(7)
−0.30≦(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR≦−0.15 …(8)
また、第二の光ディスクの記録または再生時に要求されるディスク側の開口数は比較的小さい。そのため、レンズチルトの量が少なくても非点収差はあまり大きく残存せず、実用上問題ない。従って、第二の光ディスク20Bに対する情報の記録および再生時には、トラッキングのためにレンズシフトを行っても、レンズチルトは行わないか、または第一の光ディスクに対する情報の記録および再生時のレンズチルト量の同量以下にとどめておく。
このように必要に応じてレンズチルトを用いることにより、光ディスク20B使用時に発生するコマ収差と非点収差を同時にかつ良好に抑えるため、第二実施形態の対物レンズ10は、さらに以下の条件式(9)を満足する特性を持つ。なお各条件式で用いる各係数の末尾に下付けされた数字「2」は、第二の光ディスク20B使用時の係数であることを意味する。
−1.50≦CMD2/CML2≦−0.50 …(9)
もし、第二の光ディスク20B使用時にレンズチルトを行わない構成を採る場合には、条件式(9)の値が−1になる特性を対物レンズ10に付与すると、コマ収差が最も良好に補正される。
上記のレンズチルト量について規定したのが、以下の条件式(4)、(5)である。
−0.1≦θ2/θ1≦1 …(4)
θ2/θ1=0 …(5)
但し、θは、第一の光ディスク20Aに対する情報の記録や再生を行う際のトラッキングシフト時における対物レンズ10のレンズチルト量を、
θは、第二の光ディスク20Bに対する情報の記録や再生を行う際のトラッキングシフト時における対物レンズ10のレンズチルト量をそれぞれ表す。
上述のように、光源1の複数の発光部は、対物レンズ10の光軸と直交する面内において僅かにずれた位置に配置されている。複数の発光部の配列の一つの例は、複数の発光部の対物レンズ10による像が、トラッキングシフトによる像の移動方向と略直交する方向に並ぶようなものである。この場合、各発光部がトラッキングシフト方向と略直交するように配置されることで、発光部の位置がずれていることにより発生する像高(物体高)成分と、トラッキングシフトに伴い発生する像高成分とが互いに直交する関係となる。したがって、これら2つの成分が足し合わされて、収差を良好に抑える性能への影響が大きくなることを防ぐことができる。
複数の発光部の配列のもう一つの例は、複数の発光部がトラッキングシフトによる像の移動方向に配列されているものである。
なお、レンズ駆動機構3は、複数の発光部のうち使用される光ディスクの種類に対応する発光部が対物レンズ10の中心軸上に位置するよう対物レンズ10を移動させた位置を、使用される光ディスクのトラッキングシフトの基準位置(トラッキングシフトしていない状態での対物レンズ10の位置)とするよう動作しても良い。トラッキングシフトの基準位置を、使用される発光部の位置に合わせてずらすことで、基準位置では、発光部および対物レンズ10が、対物レンズ10の中心軸上に並んでいる状態が実現される。これにより、収差の発生を最低限に抑えることができる。
レンズ駆動機構3が上記のようなトラッキングシフトの基準位置の調整を行う構成である場合には、複数の発光部は、トラッキングシフトによる像の移動方向に配列されているのが好ましい。この場合、光源がトラッキングシフト方向に沿って配列されている為、トラッキングシフトの基準位置を、使用する発光部に合わせてずらす際の対物レンズ10の移動方向と、トラッキングシフトの方向とが一致することになる。よって、トラッキングシフトの基準位置を、使用する発光部に合わせてずらす為に、レンズ起動機構3が別個の駆動軸を備える必要がなくなり、レンズ起動機構3が複雑になるのを回避することができる。
第2実施形態の光ディスク光学系200には、使用される光ディスクの種類を自動判別する判別機能が付加されていても良い。この場合、レンズ駆動機構3は、自動判別による結果を用いて、複数の発光部を持つ光源1における発光の設定、および対物レンズ10の姿勢の制御を行うことができる。また、レンズ駆動機構3が、トラッキングシフトの基準位置を調整する構成である場合には、上記判別機能による判別結果を用いて、トラッキングシフトの基準位置の調整が更に行われても良い。なお、光ディスク種別の判別機能は、使用されている光ディスクからの信号光を受光するセンサ4が出力する信号を用いることによって実現することができる。判別機能は、センサ4からの信号を処理する信号処理回路によって実現されても良い。また、判別機能の具体的な例の一つとして、センサ4に戻ってくる光ディスク表面からの反射光と、ディスク記録面からの反射光とのセンサ4上での間隔から保護層厚を求め、それによって光ディスクの種類を判別するという手法もある。
以上が第二実施形態の光ディスク用光学系200の説明である。以下、第一実施形態に基づく具体的実施例を1例、第二実施形態に基づく具体的実施例を5例、順に説明する。
第一実施形態の光ディスク用光学系100は、実施例1に具体的に示される。実施例1の光ディスク用光学系100の概略構成は、図1に示される。実施例1の光ディスク用光学系100と使用される光ディスク20Aの具体的な数値構成は、表1および表2に示されている。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
表1中、設計波長λは光ディスク20Aに対する情報の記録や再生に最も適した波長である。表2中、rは光学部材の各面の曲率半径(単位:mm)、dは光ディスク20Aに対する情報の記録再生時におけるレンズ厚またはレンズ間隔(単位:mm)、nはd線(588nm)での屈折力、νはd線でのアッベ数である。
また、対物レンズ10の第一面(面番号3)および第二面(面番号4)は非球面である。その形状は光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数をA,A,A,A10,A12として、以下の式で表される。
Figure 2005203081
各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表3に示される。なお、表3における表記Eは、10を基数、Eの右の数字を指数とする累乗を表している。以下に示す各表においても同様である。
Figure 2005203081
上記のように構成された実施例1の光ディスク用光学系100において、対物レンズ10は、CMD1/CML1=−0.528の特性を持つ。そして、レンズ駆動機構3(アクチュエータ32)は、トラッキングシフトおよびチルトする際、対物レンズ10をd1・tanθ1/TR=0.45で駆動制御するように設計される。従って、実施例1の光ディスク用光学系100は、(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR=−0.238となる。以上より、実施例1の光ディスク用光学系100は、条件式(1)〜(3)を全て満たす。
図4は、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図4において、横軸がトラッキング量、縦軸が収差量を示す。以下の各図においても同様である。図4に示すように、条件式(1)〜(3)を全て満たす実施例1の光ディスク用光学系100は、光ディスク20Aに対する情報の記録時や再生時にトラッキング量が大きくなっても、コマ収差や非点収差といった非回転対称性収差の発生を有効に防いでいることがわかる。つまり実施例1の光ディスク用光学系100で光ディスク20Aを使用した場合、高精度での情報の記録や再生が実現される。
第二実施形態の光ディスク用光学系200は、実施例2〜6に具体的に示される。実施例2〜6の光ディスク用光学系200の概略構成は、図3に示される。
実施例2の光ディスク用光学系200の性能諸元は、表4に示される。また、第一の光ディスク20A使用時における、実施例2の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表5に、第二の光ディスク20B使用時における、実施例2の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表6に、それぞれ示されている。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
Figure 2005203081
実施例2の光ディスク用光学系200において、対物レンズ10の各面(面番号5、6)は非球面である。各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表7に示される。
Figure 2005203081
さらに、対物レンズ10の第一面(面番号5)には、回折構造が形成される。該回折構造は、以下の光路差関数φ(h)により表される。
Figure 2005203081
光路差関数φ(h)は、回折レンズの機能を光軸からの高さhでの光路長付加量の形で表現したものである。P、P、P、…はそれぞれ2次、4次、6次、…の係数である。該回折構造を規定する光路差関数係数P、…は、表8に示される。mは利用する回折光の次数を表し、本実施例ではm=1としている。
Figure 2005203081
なお、表5〜表8に示すように、対物レンズ10の第一面(面番号5)は、レンズの内側領域(h≦1.34)と外側領域(h>1.34)とによって曲率半径rや非球面の形状、回折構造が異なっている。
上記のように構成された実施例2の光ディスク用光学系200において、対物レンズ10は、CMD1/CML1=−0.493、CMD2/CML2=−0.961の特性を持つ。そして、レンズ駆動機構3(アクチュエータ32)は、第一の光ディスク20A使用時にトラッキングシフトおよびチルトする際、対物レンズ10をd1・tanθ1/TR=0.50で駆動制御するように設計される。従って、第一の光ディスク20A使用時における実施例2の光ディスク用光学系200は、(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR=−0.247となる。以上より、実施例2の光ディスク用光学系200は、条件式(6)〜(8)、(9)を全て満たす。
図5は、第一の光ディスク20A使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図5に示すように、条件式(6)〜(8)を全て満たす実施例2の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20Aに対する情報の記録・再生時にトラッキング量が大きくなっても、コマ収差や非点収差といった非回転対称性収差の発生を有効に防いでいることがわかる。つまり実施例2の光ディスク用光学系100で光ディスク20Aを使用した場合、高精度での情報の記録や再生が実現される。
また、第二の光ディスク20B使用時、実施例2の光ディスク用光学系200は、レンズチルトを行わない。つまり、条件式(4)および(5)を共に満たす。図6は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図6に示すように、上記の各条件式を満たす実施例2の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキング量が大きくなっても非点収差、コマ収差ともに実用上問題ない程度まで十分に抑えられている。
実施例3の光ディスク用光学系200は、実施例2の光ディスク用光学系200と同一構成である。実施例3の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20A使用時のレンズ駆動制御は実施例2と全く同一である。従って実施例3の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20A使用時、実施例2と同様の効果が得られる。但し、実施例3の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時にレンズチルトを行う点が実施例2と異なる。
実施例3の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキングシフトと同時に、θ2/θ1=0.4を満たすようなレンズチルトを行う。つまり、実施例3の光ディスク用光学系200は、レンズチルト量を規定する条件式のうち条件式(4)のみを満たす。
図7は、実施例3の光ディスク用光学系200において、第二の光ディスク20B使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図7に示すように、実施例3の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキング量が大きくなっても非点収差、コマ収差ともに実用上問題ない程度まで十分に抑えられている。
実施例4の光ディスク用光学系200の性能諸元は、表9に示される。また、第一の光ディスク20A使用時における、実施例4の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表10に、第二の光ディスク20B使用時における、実施例4の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表11に、それぞれ示されている。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
Figure 2005203081
実施例4の光ディスク用光学系200においても、対物レンズ10の各面(面番号5、6)は非球面である。各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表12に示される。また、対物レンズ10の第一面(面番号5)には、回折構造が形成される。該回折構造を規定する光路差関数係数P、…は、表13に示される。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
なお、表10〜表13に示すように、対物レンズ10の第一面(面番号5)は、レンズの内側領域(h≦1.36)と外側領域(h>1.36)とによって曲率半径rや非球面の形状、回折構造が異なっている。
上記のように構成された実施例4の光ディスク用光学系200において、対物レンズ10は、CMD1/CML1=−0.653、CMD2/CML2=−1.191の特性を持つ。そして、レンズ駆動機構3(アクチュエータ32)は、第一の光ディスク20A使用時にトラッキングシフトおよびチルトする際、対物レンズ10をd1・tanθ1/TR=0.30で駆動制御するように設計される。従って、第一の光ディスク20A使用時における実施例4の光ディスク用光学系200は、(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR=−0.196となる。以上より、実施例4の光ディスク用光学系200は、条件式(6)〜(8)、(9)を全て満たす。
図8は、第一の光ディスク20A使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図8に示すように、条件式(6)〜(8)を全て満たす実施例4の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20Aに対する情報の記録・再生時にトラッキング量を大きくした場合、コマ収差は良好に抑えられ、実用上影響を与えることのない程度の非点収差が発生するのみであることが分かる。つまり実施例4の光ディスク用光学系100で光ディスク20Aを使用した場合、高精度での情報の記録・再生が実現される。
また、第二の光ディスク20B使用時、実施例4の光ディスク用光学系200は、レンズチルトを行わない。つまり、条件式(4)および(5)を共に満たす。図9は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図9に示すように、上記の各条件式を満たす実施例2の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキング量が大きくなっても非点収差、コマ収差ともに実用上問題ない程度まで十分に抑えられている。
実施例5の光ディスク用光学系200は、実施例4の光ディスク用光学系200と同一構成である。実施例5の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時のレンズ駆動制御は実施例4と全く同一である。従って実施例5の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、実施例4と同様の効果が得られる。但し、実施例5の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20A使用時におけるトラッキング量やレンズチルト量が実施例2と異なる。
実施例5の光ディスク用光学系200のレンズ駆動機構3(アクチュエータ32)は、第一の光ディスク20A使用時、対物レンズ10をd1・tanθ1/TR=0.45で駆動制御するように設計される。従って、第一の光ディスク20A使用時における実施例2の光ディスク用光学系200は、(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR=−0.294となる。以上より、実施例5の光ディスク用光学系200は、トラッキング量やレンズチルト量を変えても、実施例4と同様、条件式(6)〜(8)を全て満たす。
図10は、実施例5の光ディスク用光学系200において、第一の光ディスク20A使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図10に示すように、実施例5の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20A使用時において、トラッキング量が大きくなった場合、若干のコマ収差が発生するものの、非点収差は極めて小さく抑えられている。従って、実施例5の光ディスク用光学系200は、信号特性が非点収差の影響を受けやすい場合に好適な構成といえる。
実施例6の光ディスク用光学系200の性能諸元は、表14に示される。また、第一の光ディスク20A使用時における、実施例6の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表15に、第二の光ディスク20B使用時における、実施例6の光ディスク用光学系200の具体的な数値構成は表16に、それぞれ示されている。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
Figure 2005203081
実施例6の光ディスク用光学系200においても、対物レンズ10の各面(面番号5、6)は非球面であり、第一面(面番号5)には、回折構造が形成される。各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は表17に、回折構造を規定する光路差関数係数P、…は表18に、それぞれ示される。
Figure 2005203081
Figure 2005203081
なお、表15〜表18に示すように、対物レンズ10の第一面(面番号5)は、レンズの内側領域(h≦1.48)と外側領域(h>1.48)とによって曲率半径rや非球面の形状、回折構造が異なっている。
上記のように構成された実施例6の光ディスク用光学系200において、対物レンズ10は、CMD1/CML1=−0.442、CMD2/CML2=−0.918の特性を持つ。そして、レンズ駆動機構3(アクチュエータ32)は、第一の光ディスク20A使用時にトラッキングシフトおよびチルトする際、対物レンズ10をd1・tanθ1/TR=0.55で駆動制御するように設計される。従って、第一の光ディスク20A使用時における実施例6の光ディスク用光学系200は、(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR=−0.243となる。以上より、実施例2の光ディスク用光学系200は、条件式(6)〜(8)、(9)を全て満たす。
図11は、第一の光ディスク20A使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図11に示すように、条件式(6)〜(8)を全て満たす実施例6の光ディスク用光学系200は、第一の光ディスク20Aに対する情報の記録時や再生時にトラッキング量を大きくした場合、コマ収差や非点収差といった非回転対称性収差の発生を有効に防いでいることがわかる。
また、第二の光ディスク20B使用時、実施例6の光ディスク用光学系200は、トラッキングシフトと同時に、θ2/θ1=0.2を満たすようなレンズチルトを行う。つまり、実施例6の光ディスク用光学系200は、レンズチルト量を規定する条件式のうち条件式(4)のみを満たす。
図12は、実施例6の光ディスク用光学系200において、第二の光ディスク20B使用時、トラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。図12に示すように、実施例6の光ディスク用光学系200は、第二の光ディスク20B使用時、トラッキング量が大きくなっても非点収差、コマ収差ともに実用上問題ない程度まで十分に抑えられている。
以上が本発明の実施形態である。なお、各実施形態の光ディスク用光学系100、200は、上記構成に限定されるものではない。例えば、第二実施形態の光ディスク用光学系200は、図13に示すような構成であっても良い。図13に示す光ディスク用光学系200は、各光ディスク20A、20Bに対応する光源1A、1Bが別個に配設されている。そして、各光源1A、1Bからの光束は、プリズム2’により光路が合成され対物レンズへ向かう。また、各光ディスク20A、20Bからの信号光は、回折格子6A、6Bを介して各々別個に設けられたセンサ4A、4Bに入射する。
いずれの構成であっても複数種類の光ディスクに互換性を有する光ディスク用光学系200は、使用可能な複数種類の光ディスクのうち最も保護層厚の薄い光ディスクに対する記録および再生を行う場合において、トラッキング時にレンズシフトを行うと同時に、対物レンズ10の中心軸が、発光点の方向に向かうようにレンズチルトが行われる。これにより、いずれの光ディスクを使用した場合であっても、収差の影響を受けることなく情報の記録・再生が行われる。
第一実施形態の光ディスク用光学系と情報の記録および/または再生の対象となる光ディスクを示す図である。 本発明のレンズ駆動機構の作用を説明するための図である。 第二実施形態の光ディスク用光学系と、情報の記録および/または再生の対象となる第一の光ディスクと第二の光ディスクを示す図である。 実施例1の第一の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例2の第一の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例2の第二の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例3の第二の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例4の第一の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例4の第二の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例5の第一の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例6の第一の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 実施例6の第二の光ディスク使用時のトラッキングシフトによって生じる非回転対称性収差の量を示すグラフである。 第二実施形態の光ディスク用光学系の変形例である。
符号の説明
1 光源
3 レンズ駆動機構
10 対物レンズ
20A、20B 光ディスク
100、200 光ディスク用光学系

Claims (19)

  1. 情報の記録および/または再生に要求される光ディスク側の開口数が0.60以上である光ディスクを使用可能な光ディスク用光学系であって、
    発散光を照射する光源と、
    前記発散光を前記光ディスクに集光させる対物レンズと、
    少なくとも、前記対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、
    前記駆動手段は、トラッキングシフトさせる際に、前記対物レンズの中心軸が前記光源方向へ向かうように該対物レンズの姿勢を変化させることを特徴とする光ディスク用光学系。
  2. 請求項1に記載の光ディスク用光学系において、
    前記光源から前記光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    0.25≦d・tanθ/TR≦0.75 …(1)
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ディスク用光学系において、
    前記光源から照射された光束に対して前記対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCM、前記光源から照射され前記対物レンズを透過した光束に対して前記光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCMとすると、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −0.75≦CMD/CML≦−0.15 …(2)
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記光源から照射された光束に対して前記対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCM、前記光源から照射され前記対物レンズを透過した光束に対して前記光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCM、前記光源から前記光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(3)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −0.30≦(CMD/CML)・d・tanθ/TR≦−0.15 …(3)
  5. ディスク保護層厚の異なる複数種類の光ディスクに対して情報の記録および/または再生可能な光ディスク用光学系であって、
    各光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する複数の光源と、
    各光ディスクに対する情報の記録および/または再生時に共通に用いられ、前記複数の光源からの発散光を各光ディスクに集光させる対物レンズと、
    少なくとも、前記対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、
    前記駆動手段は、前記複数種類の光ディスクの中で少なくとも最もディスク保護層厚の薄い第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時には、トラッキングシフトと同時に前記対物レンズの中心軸が前記光源方向へ向かうように姿勢を変化させることを特徴とする光ディスク用光学系。
  6. 請求項5に記載した光ディスク用光学系において、
    前記第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生を行う際の前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]、前記第一の光ディスクよりも相対的に保護層厚の厚い第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生を行う際の前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −0.1≦θ2/θ1≦1 …(4)
  7. 請求項6に記載した光ディスク用光学系において、
    さらに以下の条件式(5)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    θ2/θ1=0 …(5)
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載した光ディスク用光学系において、
    前記第一の光ディスクは、情報の記録および/または再生に要求される光ディスク側の開口数が0.60以上であることを特徴とする光ディスク用光学系。
  9. 請求項6から請求項8のいずれかに記載した光ディスク用光学系において、
    前記第二の光ディスクは、前記複数種類の光ディスクの中で最も保護層厚の厚い光ディスクであることを特徴とする光ディスク用光学系。
  10. 請求項5から請求項9のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源のうち、前記第一の光ディスクに対する情報の記録・再生に対応した波長の発散光を照射する第一の光源から前記光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、前記第一の光ディスクに対する情報の記録・再生を行う際の前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    0.25≦d1・tanθ1/TR≦0.75 …(6)
  11. 請求項5から請求項10のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源のうち、前記第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する第一の光源から照射された光束に対して前記対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCML1、前記第一の光源から照射され前記対物レンズを透過した光束に対して前記第一の光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をそれぞれCMD1とすると、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −0.75≦CMD1/CML1≦−0.15 …(7)
  12. 請求項5から請求項11のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源のうち、前記第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する第一の光源から照射された光束に対して前記対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCML1、前記第一の光源から照射され前記対物レンズを透過した光束に対して前記第一の光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をそれぞれCMD1、前記第一の光源から前記光ディスクの記録面までの空気換算距離をd[mm]、トラッキングシフトによる像の移動量をTR[mm]、前記第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生を行う際の前記トラッキングシフト時における前記対物レンズの姿勢の変化量をθ[°]とすると、以下の条件式(8)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −0.30≦(CMD1/CML1)・d1・tanθ1/TR≦−0.15 …(8)
  13. 請求項5から請求項12のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源のうち、前記第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する第二の光源から照射された光束に対して前記対物レンズのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCML2、前記第二の光源から照射され前記対物レンズを透過した光束に対して前記第二の光ディスクのみが傾いたときに発生するコマ収差の感度をCMD2としたとき、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする光ディスク用光学系。
    −1.50≦CMD2/CML2≦−0.50 …(9)
  14. 第一の光ディスクと、該第一の光ディスクの保護層厚の略倍の保護層厚を持つ第二の光ディスクに対して情報の記録および/または再生可能な光ディスク用光学系であって、
    前記第一の光ディスクと前記第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生に対応した波長の発散光を照射する複数の光源と、
    前記第二の光ディスクの保護層厚によって発生するコマ収差の感度と略同一のコマ収差の感度を有し、前記第一の光ディスクと前記第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時に共通に用いられ、前記発散光を各光ディスクに集光させる対物レンズと、
    少なくとも、前記対物レンズをトラッキングシフトさせるとともに、前記対物レンズの中心軸が前記光源方向へ向かうように該対物レンズの姿勢を変化させる駆動手段と、を有し、
    前記駆動手段は、前記第一の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時において、トラッキングシフトと同時に、該トラッキングシフトによって発生する非点収差を略完全に補正するような前記対物レンズの姿勢に対応する変化量の略半分だけ前記対物レンズの姿勢を変化させ、前記第二の光ディスクに対する情報の記録および/または再生時においては、トラッキングシフト時に前記対物レンズの姿勢を変化させないことを特徴とする光ディスク用光学系。
  15. 請求項5から請求項14のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源は、光束の射出方向に直交する面内でずれた位置に配置されると共に、前記複数の光源の前記対物レンズによる像が、トラッキングシフトによる像の移動方向と略直交する方向に並ぶように配置されていることを特徴とする光ディスク用光学系。
  16. 請求項5から請求項15のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    使用される光ディスクの種類を判別するディスク判別手段を更に備え、
    前記駆動手段は、前記ディスク判別手段による判別結果に基づき、前記複数の光源のうちの使用される光源及び前記対物レンズのトラッキングシフト量に応じた前記対物レンズの姿勢の変化量を設定すること、
    を特徴とする光ディスク用光学系。
  17. 請求項5から請求項14のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源は、光束の射出方向に直交する面内でずれた位置に配置され、
    前記駆動手段は、前記複数の光源のうち使用される光ディスクの種類に対応する光源が前記対物レンズの中心軸上に位置するよう前記対物レンズを移動させた位置を、前記使用される光ディスクのトラッキングシフトの基準位置とすること、
    を特徴とする光ディスク用光学系。
  18. 請求項17に記載の光ディスク用光学系において、
    前記複数の光源はトラッキングシフトによる像の移動方向に配列されていることを特徴とする光ディスク用光学系。
  19. 請求項17または請求項18に記載の光ディスク用光学系において、
    使用される光ディスクの種類を判別するディスク判別手段を更に備え、
    前記駆動手段は、前記ディスク判別手段による判別結果に基づき、前記複数の光源のうちの使用される光源及び前記対物レンズのトラッキングシフト量に応じた前記対物レンズの姿勢の変化量を設定すると共に、前記トラキングシフトの基準位置の設定を行うこと、
    を特徴とする光ディスク用光学系。
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