JPH1123960A - 光ディスク用対物レンズ、光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置 - Google Patents

光ディスク用対物レンズ、光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置

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JPH1123960A
JPH1123960A JP9177968A JP17796897A JPH1123960A JP H1123960 A JPH1123960 A JP H1123960A JP 9177968 A JP9177968 A JP 9177968A JP 17796897 A JP17796897 A JP 17796897A JP H1123960 A JPH1123960 A JP H1123960A
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lens
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康弘 田中
Michihiro Yamagata
道弘 山形
Tomohiko Sasano
智彦 笹埜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる基板厚さのディスクを記録、再生を2
つの対物レンズで行う場合に、一つのアクチュエータ上
に2つのレンズを保持すると構造が簡単になる。しかし
一方の対物レンズのみに傾き調整をしてコマ収差を補正
すると、他方の対物レンズではコマ収差が残存してい
た。 【解決手段】 傾き調整をしない側の対物レンズの軸外
性能とあおり時に発生するコマ収差を最適化して、レン
ズがあおられてもコマ収差の出にくい性能とする。ある
いは傾き調整する側の対物レンズを、あおり時にコマ収
差の出やすい性能とすることで、あおり角度を減らし、
傾き調整しない側への影響を低減する。あるいはその両
方を組み合わせることで、さらにあおり時の収差劣化を
低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク、デジタルオーディオディスク、コンピュータ用
の光メモリディスクなどの光ヘッドに用いられる光ディ
スク用対物レンズ、それを用いた光ヘッド装置及び光学
情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク用の光ヘッド装置に
おいて、情報媒体面上に回折限界の点像を集光し、情報
を記録し又は再生するための対物レンズとして、非球面
を用いた単レンズが多く使用されている。しかしディス
ク厚みの異なるディスクを記録再生する場合、1つの対
物レンズでは、球面収差が発生してしまう。そこで、2
つの対物レンズを用いた光ヘッドが提案されている(例
えば、日経メカニカル1995年8月7日号 no.4
60 p.62−65参照)。以下、従来の2つの対物
レンズを用いた光ヘッドについて、図面を参照しつつ説
明する。従来の2つの対物レンズを用いた光ヘッドのア
クチュエータ部分の構成図を図24に示す。図24
(a)において、21は第1の対物レンズ、22は第1
のディスク、23はホルダー、24は入射光線、25は
情報媒体面、26は回転軸、27は第2のディスク、2
8は第2の対物レンズである。
【0003】図24(a)において、NAが0.6の第
1の非球面対物レンズ21はディスク厚みが0.6mm
の第1のディスク22に対して、球面収差がほぼ完全に
補正され、回折限界内の性能を確保するよう設計されて
いる。しかし第1の対物レンズ21自身の製造誤差ある
いはレンズホルダー23に対する取り付け誤差によっ
て、第1のディスク22に垂直入射するように調整され
た平行光24が入射しても、第1のディスクの情報媒体
面上25に集光されたスポットにはコマ収差が発生す
る。そこで図24(b)に示すように、レンズホルダー
23を回動軸26ごと傾けることにより、第1の対物レ
ンズ21のレンズホルダー23に対する位置ずれや、第
1の対物レンズ自身が持っているコマ収差を補正するこ
とが可能となる。
【0004】次に図24(c)に示すようにレンズ厚み
が1.2mmの第2のディスク27を記録あるいは再生
するときには、レンズホルダー23を回動軸26を中心
に回転し、第2の対物レンズ28を平行光24の上方に
持ってくる。第2の対物レンズはNAが0.45であ
り、厚み1.2mmのディスクに対して球面収差が補正
してある。これにより第2のディスク27の情報媒体面
上に球面収差のないスポットを形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の対物レ
ンズに対して傾き調整を行っており、第2の対物レンズ
ではコマ収差を補正する条件になっていないため、新た
なコマ収差が発生することになる。したがって第2の対
物レンズ側での記録再生特性が劣化することになる。ま
た傾き調整を不要とするためには、第1の対物レンズは
高NAであるにもかかわらず、製造誤差を極限にまで小
さくしたり、レンズホルダーへの保持の精度を非常に高
める必要があった。また第2の対物レンズでも傾き調整
をすることになると、ディスク厚みが変わる度に傾き調
整をするための機構が必要となり、複雑かつ高価なもの
になってしまう。また、レンズホルダー及びアクチュエ
ータを2つの対物レンズでそれぞれ別々に構成し、独立
に傾き調整することも可能であるが、おなじく構成が複
雑かつ高価になってしまう。
【0006】本発明は、以上のような従来例の問題点を
解決するためになされたものであり、厚さの異なる2種
類のディスク(記録媒体又は基板)に対して、それぞれ
球面収差を補正した2つの対物レンズを使用する際に、
一方の対物レンズにだけ傾き調整した場合に、他方の対
物レンズでのコマ収差の発生を抑制した光ディスク用対
物レンズ、光ヘッド装置及びそれを用いた光学情報記録
再生装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光ディスク用対物レンズは、厚みの異なる
2種類の平行平板を通して点像を集光する光ディスク用
の対物レンズであって、第1の平行平板に対して、第1
の対物レンズを通して集光し、第2の平行平板に対し
て、第2の対物レンズを通して集光し、前記第1の対物
レンズは、前記第1の平行平板に対してコマ収差が低減
されるように前記第2の対物レンズと共に傾き調整さ
れ、以下の条件を満足することを特徴とする光ディスク
用対物レンズ。
【0008】 |CL2/CD2|<0.6 (1) ただし、 CD2:第2の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
差(単位はmλ:mλは波長の長さλの1000分の1
の単位) CL2:第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
誤差光(単位:mλ) 上記構成において、以下の条件を満足することが好まし
い。
【0009】 NA1>NA2 (2) NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
ンズのNA また、上記構成において、前記第2の対物レンズは、第
2の対物レンズが傾いたときに単位角度あたりに発生す
る波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤差(単
位:mλ)CL2が略0であることが好ましい。
【0010】さらに、前記対物レンズは少なくとも1面
が非球面の単レンズであり、ガラス成形又は樹脂成形か
ら選択されたいずれかの方法により作成することが好ま
しい。
【0011】一方、本発明の光ヘッド装置は、光源と、
前記光源から出射された光線を情報媒体面上に集光する
集光手段と、前記情報媒体で変調された光束を分離する
ための光束分離手段と、前記情報媒体で変調された光を
受光する受光手段を具備し、前記情報媒体は、平行平板
を通して記録あるいは再生され、前記平行平板は、厚み
の異なる2種類のディスクからなり、前記集光手段はそ
れぞれの厚みに対応した2つの対物レンズで構成され、
前記2つの対物レンズは、傾き調整手段で同時に傾き調
整され、前記対物レンズは、上記各構成のいずれか1項
に記載されたものであることが好ましい。
【0012】また、本発明の別の光ディスク用対物レン
ズは、厚みの異なる2種類の平行平板を通して点像を集
光する光ディスク用の対物レンズであって、第1の平行
平板に対して、第1の対物レンズを通して集光し、第2
の平行平板に対して、第2の対物レンズを通して集光
し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平板に対
してコマ収差が低減されるように傾き調整され、前記第
2の対物レンズは前記第1の対物レンズと同時に傾けら
れ、以下の条件を満足することが好ましい。
【0013】 1.2<CL1/CD1<4 (4) ただし、 CD1:第1の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
差(単位はmλ) CL1:第1の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
誤差光(単位:mλ) また上記構成においては、以下の条件を満足することが
望ましい。
【0014】 NA1>NA2 (5) NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
ンズのNA また上記構成において、より望ましくは、第1の対物レ
ンズは、以下の条件を満足することが好ましい。
【0015】 1.2<CL1/CD1<2.0 (7) さらに、前記対物レンズは少なくとも1面が非球面の単
レンズであり、ガラス成形又は樹脂成形から選択された
いずれかの方法により作成することが好ましい。
【0016】一方、本発明の別の光ヘッド装置は、光源
と、前記光源から出射された光線を情報媒体面上に集光
する集光手段と、前記情報媒体で変調された光束を分離
するための光束分離手段と、前記情報媒体で変調された
光を受光する受光手段を具備し、前記情報媒体は、平行
平板を通して記録あるいは再生され、前記平行平板は、
厚みの異なる2種類のディスクからなり、前記集光手段
はそれぞれの厚みに対応した2つの対物レンズで構成さ
れ、前記2つの対物レンズは、傾き調整手段で同時に傾
き調整され、前記対物レンズは、上記各構成のいずれか
に記載されたものであることが好ましい。
【0017】さらに、本発明の別の光ヘッド装置は、光
源と、前記光源から出射された光線を情報媒体面上に集
光する集光手段と、前記情報媒体で変調された光束を分
離するための光束分離手段と、前記情報媒体で変調され
た光を受光する受光手段を具備し、前記情報媒体は、平
行平板を通して記録あるいは再生され、前記平行平板
は、厚みの異なる2種類のディスクからなり、第1の平
行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光し、第
2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通して集光
し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平板に対
してコマ収差が低減されるように前記第2の対物レンズ
と共に傾き調整され、前記第1の対物レンズは、 1.2<CL1/CD1<2 (8) CD1:第1の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
差(単位はmλ) CL1:第1の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
誤差光(単位:mλ) の条件を満足し、前記第2の対物レンズは、 |CL2/CD2|<0.6 (9) CD2:第2の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
差(単位はmλ:mλは波長の長さλの1000分の1
の単位) CL2:第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
誤差光(単位:mλ) の条件を満足することが好ましい。
【0018】さらに、上記の構成の光ヘッド装置は、以
下の条件を満足することが好ましい。
【0019】 NA1>NA2 (10) ただし、 NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
ンズのNA また、本発明の光学情報記録再生装置は、上記各構成の
光ヘッド装置を用いて、厚さの異なる2種類の記録媒体
に情報を記録し、再生することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以上のように、本発明の光ディス
ク用対物レンズは、2種類の厚みの異なるディスクを記
録あるいは再生するときに、それぞれのディスク厚みに
対応した2つの対物レンズを用いた構成において、傾き
調整によって発生する、他方のレンズのコマ収差を低減
することができる。すなわち、構成を簡素化するため
に、2つの対物レンズを同一のアクチュエータで駆動す
るよう構成した場合、2つのレンズは、同一のレンズホ
ルダーに固定される。ここで、一方の対物レンズが、レ
ンズ自身の持つコマ収差あるいは、レンズの取り付け誤
差などによってコマ収差を生じた場合、レンズホルダー
をディスクに対して傾ける傾き調整によってそのコマ収
差を補正することができる。その時もう一方のレンズも
同時に傾けられるが、傾いたことによるレンズの軸外コ
マ収差と、ディスクとレンズの光軸が傾くことによって
発生するコマ収差をキャンセルすることによってコマ収
差を増大させないことが可能となる。
【0021】あるいはコマ収差を傾き調整によって補正
しようとするときに、レンズを傾けることによって生じ
るコマ収差を、正弦条件を補正したレンズよりもさらに
多く出すことによって、結果として、コマ収差を補正す
る傾き量を減らすことによって、他方のレンズでのコマ
収差の発生を低減することができる。
【0022】以下、本発明の光ディスク用対物レンズに
ついて、図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、
本発明の光ディスク用対物レンズの構成を示す構成図で
ある。
【0023】図1(a)において、1は入射光線、2は
第1の対物レンズ、3は第1のディスク、4は第1のデ
ィスクの情報媒体面、5は第2の対物レンズ、6はホル
ダー、7は回転軸、8は第2のディスク、9は第2のデ
ィスクの情報媒体面である。
【0024】図1(a)において入射光線1は第1の対
物レンズ2に入射する。第1の対物レンズ2は両面非球
面の単レンズである。第1の対物レンズ2は第1のディ
スク3の裏面の情報媒体面4に集光する。第1の対物レ
ンズのNAは0.6、第1のディスクの厚みは0.6m
mである。ここで第1のレンズ2は第2のレンズ5と共
にホルダー6に固定されている。ホルダー6は回動軸7
を中心として、トラッキング、フォーカシングのための
サーボがかけられる。さらに図1(b)に示すようにホ
ルダー6と回動軸7は一体となって傾き調整することが
できるため、対物レンズの光軸をディスクに対して傾け
ることができる。これにより第1の対物レンズ2のホル
ダー6に対する位置ずれや、第1の対物レンズ自身が持
っているコマ収差によって、情報媒体面4上の集光スポ
ットに生じたコマ収差を傾き調整によって除去すること
が可能となる。
【0025】次に、図1(c)に示すように第2のディ
スク8を記録あるいは再生するときには、ホルダー6を
回動軸7を中心に回転し、第2の対物レンズ5を入射光
線1の上方に持ってくる。これにより先ほどと同様に第
2のディスク8の情報媒体面9上に集光スポットを形成
する。
【0026】以下に、本発明の光ディスク用対物レンズ
の具体的な数値例を示す。なお、以下の各実施例におい
て、以下に示す符号を共通とする。ただし対物レンズの
第1面は光源側の面、第2面はディスク側の面とする。
またディスクは平行平板とする。さらに設計波長を66
0nmとし、ディスクの屈折率はいずれも1.56とし
た。
【0027】f:対物レンズの焦点距離 R1:対物レンズの第1面の曲率半径 R2:対物レンズの第2面の曲率半径 d:対物レンズのレンズ厚み n:対物レンズの屈折率 t:ディスクの基板厚み NA:対物レンズのNA WD:対物レンズの作動距離 また、非球面形状は、以下の(数1)で与えられる。
【0028】
【数1】
【0029】ただし各符号の意味は以下の通りである。 X:光軸からの高さがhの非球面上の点の非球面頂点の
接平面からの距離 h:光軸からの高さ Cj:対物レンズの第j面の非球面頂点の曲率(Cj=
1/Rj) Kj:対物レンズの第j面の円錐定数 Aj,n:対物レンズの第j面のn次の非球面係数 ただし、j=1,2 また、レンズの各性能を表すパラメータを以下のように
定義する。
【0030】CL:対物レンズが1度傾いたときに発生
する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤差(単
位:mλ) CD:平行平板が1度傾いたときに発生する波面収差の
3次のコマ収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ)
【0031】
【実施例】以下に示す実施例1ないし3は第2の対物レ
ンズの例である。そのときに用いる第1の対物レンズと
しては、従来の一般的な、球面収差と正弦条件を補正し
た対物レンズを用いればよい。例として、従来の第1の
対物レンズの具体的な数値例をあげておく。
【0032】(第1の対物レンズの実施例)実施例1な
いし3に対する第1の対物レンズの具体的数値を以下に
示す。
【0033】f=3.00 R1=2.0000 R2=−12.5950 d=1.7680 n=1.60277 t=0.6 NA=0.60 WD=1.618 K1=−3.15103×10−1 A1,4=−2.23048×10−3 A1,6=−6.39489×10−4 A1,8=−6.71992×10−5 A1,10=−4.90831×10−5 K2=−7.48225×10+1 A2,4= 9.36617×10−3 A2,6=−4.68135×10−3 A2,8= 9.35410×10−4 A2,10=−6.27507×10−5 (実施例1)第2の対物レンズの実施例1の具体的数値
を以下に示す。
【0034】f=4.10 R1=2.6160 R2=−34.9241 d=1.5212 n=1.60277 t=1.2 NA=0.45 WD=2.434 K1=−1.03023×10−1 A1,4=−3.74926×10−3 A1,6=−2.80517×10−4 A1,8=−1.45937×10−5 A1,10=−1.03360×10−5 K2=−1.64068×10+2 A2,4=−1.33403×10−3 A2,6= 8.27258×10−4 A2,8=−9.40386×10−2 A2,10= 2.33393×10−5 CL=42.4 CD=75.9 CL/CD=0.559 本実施例の収差図を図2に示す。図2(a)は球面収差
を、図2(b)は正弦条件を表す。また本実施例の軸外
性能を図3に示す。さらに本実施例において、ディスク
に対して平行光線が垂直入射する状態で、対物レンズの
みが傾いたときの波面収差の変化を図4に示す。また第
1の対物レンズに、各種要因によりコマ収差が発生し、
それをレンズの傾き調整により0にした場合、第2の対
物レンズである本実施例のレンズにおいて発生するコマ
収差を図5に示す。図5においては、レンズに入射する
平行光があらかじめ、ディスクに対して垂直に入射する
よう調整されているものとした。
【0035】図2(a)に示すように球面収差はほぼ完
全に補正されている。図2(b)に示すように正弦条件
はアンダーとなっているため、図3に示す軸外性能で
は、軸外においてコマ収差がでていることがわかる。画
角1度においてはコマ収差と非点収差はほぼ同量となっ
ている。しかしレンズを1度あおった状態では、コマ収
差が42.4mλと従来よりも小さくなっており、ディ
スクを1度傾けたときのコマ収差75.9mλよりもか
なり小さな値となっている。したがって、第1の対物レ
ンズを基準に傾き調整がなされても、第2の対物レンズ
である本実施例のレンズにより発生するコマ収差は従来
の約半分になる。
【0036】(実施例2)第2の対物レンズの実施例2
の具体的数値を以下に示す。
【0037】f=4.10 R1=2.5588 R2=−56.1547 d=1.5220 n=1.60277 t=1.2 NA=0.45 WD=2.414 K1=−1.18550×10−1 A1,4=−3.39612×10−3 A1,6=−3.33853×10−4 A1,8=−1.97242×10−5 A1,10=−1.06940×10−5 K2=−1.70014×10+3 A2,4=−1.43691×10−3 A2,6= 6.95795×10−4 A2,8=−2.00423×10−4 A2,10= 2.33143×10−5 CL=3.2 CD=77.9 CL/CD=0.041 本実施例の収差図を図6に示す。図6(a)は球面収差
を、図6(b)は正弦条件を表す。また本実施例の軸外
性能を図7に示す。さらに本実施例において、ディスク
に対して平行光線が垂直入射する状態で、対物レンズの
みが傾いたときの波面収差の変化を図8に示す。また第
1の対物レンズに、各種要因によりコマ収差が発生し、
それをレンズの傾き調整により0にした場合、第2の対
物レンズである本実施例のレンズにおいて発生するコマ
収差を図9に示す。図9においては、レンズに入射する
平行光があらかじめ、ディスクに対して垂直に入射する
よう調整されているものとした。
【0038】図6(a)に示すように球面収差はほぼ完
全に補正されている。図6(b)に示すように正弦条件
はアンダーとなっているため、図7に示す軸外性能で
は、軸外においてコマ収差がでていることがわかる。画
角1度においてはコマ収差が約80mλとなり、軸外性
能はほぼコマ収差に依存している。しかしレンズを1度
あおった状態では、コマ収差が3.2mλしかなく、デ
ィスクを1度傾けたときのコマ収差77.9mλと比べ
て、ほぼ0の状態といってよい。したがって、図8に示
すように第1の対物レンズを基準に傾き調整がなされて
も、第2の対物レンズである本実施例のレンズにより発
生するコマ収差はほぼ0になる。ただし、非点収差が発
生するが、この量は従来のレンズでも同様に発生する程
度である。
【0039】(実施例3)第2の対物レンズの実施例3
の具体的数値を以下に示す。
【0040】f=3.00 R1=1.7500 R2=−6.5247 d=1.50 n=1.48909 t=1.2 NA=0.37 WD=1.386 K1=−2.97224×10−1 A1,4=−5.94894×10−3 A1,6=−1.43810×10−3 A1,8=−3.58687×10−4 A1,10=−9.46113×10−5 K2=−4.85397 A2,4= 1.16717×10−2 A2,6=−4.30762×10−3 A2,8= 2.76616×10−4 A2,10= 2.85402×10−4 CL=5.6 CD=39.7 CL/CD=0.141 本実施例の収差図を図10に示す。図10(a)は球面
収差を、図10(b)は正弦条件を表す。また本実施例
の軸外性能を図11に示す。さらに本実施例において、
ディスクに対して平行光線が垂直入射する状態で、対物
レンズのみが傾いたときの波面収差の変化を図12に示
す。また第1の対物レンズに、各種要因によりコマ収差
が発生し、それをレンズの傾き調整により0にした場
合、第2の対物レンズである本実施例のレンズにおいて
発生するコマ収差を図13に示す。図13においては、
レンズに入射する平行光があらかじめ、ディスクに対し
て垂直に入射するよう調整されているものとした。
【0041】図10(a)に示すように球面収差はほぼ
完全に補正されている。図10(b)に示すように正弦
条件はアンダーとなっているため、図11に示す軸外性
能では、軸外においてコマ収差がでていることがわか
る。画角1度においてはコマ収差が約35mλとなり、
軸外性能はほぼコマ収差に依存している。しかしレンズ
を1度あおった状態では、コマ収差が5.6mλしかな
く、ディスクを1度傾けたときのコマ収差39.7mλ
と比べて、ほぼ0の状態といってよい。したがって、図
12に示すように第1の対物レンズを基準に傾き調整が
なされても、第2の対物レンズである本実施例のレンズ
により発生するコマ収差はほぼ0になる。ただし、非点
収差が発生するが、この量は従来のレンズでも同様に発
生する程度である。
【0042】なお、上記各実施例に示した対物レンズ
は、ガラス成形又は樹脂成形により成形することが好ま
しい。すなわち、非球面形状を型に加工しておくことに
より、同一の形状及び性能を有するレンズを大量に、且
つ安価に量産することが可能となる。
【0043】以下に示す実施例4ないし5は第1の対物
レンズの例である。そのときに用いる第2の対物レンズ
としては、従来の一般的な、球面収差と正弦条件を補正
した対物レンズを用いればよい。例として、従来の第2
の対物レンズの具体的な数値例をあげておく。
【0044】(第2の対物レンズの実施例)実施例4な
いし5に対する第2の対物レンズの具体的数値を以下に
示す。
【0045】f=4.10 R1=2.7200 R2=−21.3910 d=1.5093 n=1.60277 t=1.2 NA=0.45 WD=2.475 K1=−8.27166×10−2 A1,4=−2.60266×10−3 A1,6=−3.75693×10−4 A1,8=−7.90910×10−6 A1,10=−1.44636×10−5 K2=−3.22103×10+2 A2,4=−1.54293×10−3 A2,6= 7.72690×10−4 A2,8=−2.48296×10−4 A2,10= 2.41168×10−5 (実施例4)第1の対物レンズの実施例1の具体的数値
を以下に示す。
【0046】f=3.0 R1=2.0500 R2=−10.3634 d=1.7680 n=1.60277 t=0.6 NA=0.60 WD=1.642 K1=−3.09147×10−1 A1,4=−1.95844×10−3 A1,6=−6.25639×10−4 A1,8=−6.41363×10−5 A1,10=−4.64231×10−5 K2=−6.64969×10+1 A2,4= 9.20464×10−3 A2,6=−4.69727×10−3 A2,8= 9.25194×10−4 A2,10=−6.71084×10−5 CL=154.9 CD=96.2 CL/CD=1.610 本実施例の収差図を図14に示す。図14(a)は球面
収差を、図14(b)は正弦条件を表す。また本実施例
の軸外性能を図15に示す。さらに本実施例において、
ディスクに対して平行光線が垂直入射する状態で、対物
レンズのみが傾いたときの波面収差の変化を図16に示
す。また本実施例の第1の対物レンズに、各種要因によ
りコマ収差が発生し、それをレンズの傾き調整により0
にした場合、第2の対物レンズにおいて発生するコマ収
差を図17に示す。図17においては、レンズに入射す
る平行光があらかじめ、ディスクに対して垂直に入射す
るよう調整されているものとした。
【0047】図14(a)に示すように球面収差はほぼ
完全に補正されている。図14(b)に示すように正弦
条件はオーバーとなっているため、図15に示す軸外性
能では、軸外においてコマ収差がでていることがわか
る。画角1度においてはコマ収差は約55mλとなって
いる。一方レンズを1度あおったときのコマ収差は15
5mλと従来よりも大きくなっており、ディスクを1度
傾けたときのコマ収差96.2mλの約1.6倍となっ
ている。したがって、第1の対物レンズに製造誤差によ
って発生したコマ収差を傾き調整により補正する場合、
そのあおり角は従来の約60%程度と少なくなるため、
第2の対物レンズで発生するコマ収差は、図17に示す
ように従来の約60%程度に押さえることができる。
【0048】(実施例5)第1の対物レンズの実施例2
の具体的数値を以下に示す。
【0049】f=3.0 R1=2.2000 R2=−7.08716 d=1.7680 n=1.60277 t=0.6 NA=0.60 WD=1.709 K1=−2.79152×10−1 A1,4=−1.16538×10−3 A1,6=−6.23920×10−4 A1,8=−8.86680×10−5 A1,10=−2.20970×10−5 K2=−4.27508×10+1 A2,4= 8.88185×10−3 A2,6=−4.46658×10−3 A2,8= 9.52720×10−4 A2,10=−8.22884×10−5 CL=281.2 CD=87.6 CL/CD=3.210 本実施例の収差図を図18に示す。図18(a)は球面
収差を、図18(b)は正弦条件を表す。また本実施例
の軸外性能を図19に示す。さらに本実施例において、
ディスクに対して平行光線が垂直入射する状態で、対物
レンズのみが傾いたときの波面収差の変化を図20に示
す。また本実施例の第1の対物レンズに、各種要因によ
りコマ収差が発生し、それをレンズの傾き調整により0
にした場合、第2の対物レンズにおいて発生するコマ収
差を図21に示す。図21においては、レンズに入射す
る平行光があらかじめ、ディスクに対して垂直に入射す
るよう調整されているものとした。
【0050】図18(a)に示すように球面収差はほぼ
完全に補正されている。図18(b)に示すように正弦
条件はオーバーとなっているため、図19に示す軸外性
能では、軸外においてコマ収差がでていることがわか
る。画角1度においてはコマ収差は約200mλとなっ
ている。一方レンズを1度あおったときのコマ収差は約
280mλと従来よりも大きくなっており、ディスクを
1度傾けたときのコマ収差87.6mλの約3.2倍と
なっている。したがって、第1の対物レンズに製造誤差
によって発生したコマ収差を傾き調整により補正する場
合、そのあおり角は従来の約30%程度と少なくなるた
め、第2の対物レンズで発生するコマ収差は図21に示
すように従来の約30%程度に押さえることができる。
【0051】なお、上記各実施例に示した対物レンズ
は、ガラス成形又は樹脂成形により成形することが好ま
しい。すなわち、非球面形状を型に加工しておくことに
より、同一の形状及び性能を有するレンズを大量に、且
つ安価に量産することが可能となる。
【0052】また上記の実施例ではすべて、第1の対物
レンズのNAは0.6、第2の対物レンズのNAそれよ
りも小さくなっており、よりNAの高い方のレンズを傾
き調整により完全にコマ収差を除去できるようになって
いる。これは一般にNAの高いレンズの方が製作誤差や
取り付け誤差などによりコマ収差が発生しやすく、また
取り付けた後の収差の余裕度も小さいため、それを傾き
調整で完全に除去することは効果的である。
【0053】次に、上記本発明の光ディスク用対物レン
ズを用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置の構
成図を図22に示す。図22において、10は半導体レ
ーザ、11はコリメートレンズ、12はビームスプリッ
ター、13は折り曲げミラー、14は第1の対物レン
ズ、15はディスク、16は検出レンズ、17はフォト
ディテクタ、18は第2の対物レンズ、19はアクチュ
エータ、20は中心軸である。
【0054】図22において、半導体レーザ10から出
射した光は、コリメートレンズ11により平行光とな
る。そしてビームスプリッター12で反射して、折り曲
げミラー13により光路の向きをディスク15に対して
垂直に入射するよう調整される。第1の対物レンズ14
は、平行光をディスク15の情報媒体面に集光する。情
報媒体面で反射された光は、第1の対物レンズ14、折
り曲げミラー13を戻り、ビームスプリッター12を透
過して、検出レンズ16を透過してフォトディテクター
17上に集光される。フォトディテクター17の電気信
号出力により、情報媒体面で変調された光量変化を検出
し、データを読み取る。ここで第1の対物レンズ14は
第2の対物レンズ18とともに回動型のアクチュエータ
19に設置される。ディスク厚みが0.6mmのディス
クに対しては第1の対物レンズを用い、ディスク厚みが
1.2mmのディスクに対しては、回動型のアクチュエ
ータ19をその中心軸20を中心に180度回転させ
て、第2の対物レンズで集光する。なお回動型アクチュ
エータ全体は、トラッキング、フォーカシングのために
中心軸との摺動で移動する。
【0055】第1の対物レンズはNAが0.6であり、
ディスク厚みが0.6mmとなる。ここで、第2の対物
レンズとして実施例1から3の対物レンズを用いると、
第1の対物レンズ14のコマ収差を補正するように、回
動型アクチュエータ19を傾けて傾き調整をしても、デ
ィスク厚みが1.2mmのディスクを再生するために第
2の対物レンズ18を使用しても、そのコマ収差の発生
量を抑えることが可能となる。
【0056】また、第1の対物レンズとして、実施例4
から5の対物レンズを用いると、第1の対物レンズ14
のコマ収差を補正するように、回動型アクチュエータ1
9を傾けて傾き調整をする際に、従来よりも傾き調整角
度が小さくなり、結果として、第2の対物レンズのコマ
収差量を低減することができる。
【0057】さらに、第1の対物レンズとして、実施例
4から5の対物レンズを用い、第2の対物レンズとして
実施例1から3の対物レンズを用いると、相乗効果によ
り、さらにコマ収差の影響を低減することができる。図
23に第1の対物レンズとして、実施例4のものを、第
2の対物レンズとして実施例1のものを使用した場合
に、第1の対物レンズに、各種要因によりコマ収差が発
生し、それをレンズの傾き調整により0にした場合、第
2の対物レンズにおいて発生するコマ収差を示した。相
乗効果により、さらに第2の対物レンズで発生するコマ
収差が低減されていることがわかる。
【0058】なお、上記各実施例では、対物レンズとし
て両面非球面の単レンズについて説明したが、複数枚の
レンズを組み合わせた組レンズであってもよい。さらに
非球面を1面だけに使用したレンズ、あるいは、球面レ
ンズだけで構成された組レンズであってもよい。
【0059】また光ヘッドのアクチュエータとしては回
動型のものについて説明したが、4本のワイヤーで支え
るものなど、他の方式のものでもよい。
【0060】またレンズの特性を示すパラメータCLお
よびCDは、いずれも角度1度あたりについて記載した
が、一般にコマ収差は角度に対してリニアに変化するの
で、必ずしも単位角度は1度である必要はない。
【0061】さらに、上記各実施例では、NAの高いレ
ンズを第1の対物レンズとしたが、NAの高いレンズに
傾き調整によってコマ収差の変化しにくい第2の対物レ
ンズを使用してもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の光ディスク用対
物レンズは、厚みの異なる2種類の平行平板を通して点
像を集光する光ディスク用の対物レンズであって、第1
の平行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光
し、第2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通し
て集光し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平
板に対してコマ収差が低減されるように前記第2の対物
レンズと共に傾き調整され、以下の条件を満足すること
を特徴とする光ディスク用対物レンズ。
【0063】 |CL2/CD2|<0.6 (1) ただし、 CD2:第2の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
差(単位はmλ:mλは波長の長さλの1000分の1
の単位) CL2:第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
誤差光(単位:mλ) の様に構成したので、2種類の厚みの異なるディスクを
記録あるいは再生するときに、それぞれのディスク厚み
に対応した2つの対物レンズを用い、一方の対物レンズ
の傾き調整によって発生する、他方のレンズのコマ収差
を低減することができる。すなわち、2つの対物レンズ
を同一のレンズホルダーに保持した場合に、一方の対物
レンズが、レンズ自身の持つコマ収差あるいは、レンズ
の取り付け誤差などによってコマ収差を生じた場合、レ
ンズホルダーをディスクに対して傾ける傾き調整によっ
てそのコマ収差を補正することができる。その時もう一
方のレンズも同時に傾けられるが、傾いたことによるレ
ンズの軸外コマ収差と、ディスクとレンズの光軸が傾く
ことによって発生するコマ収差をキャンセルすることに
よって他方のレンズのコマ収差を増大させないことが可
能となる。
【0064】また、第1の対物レンズをNAの高い方に
選定すると、一般にNAの高いレンズの方がレンズの製
作時や取り付け時の誤差によるコマ収差が大きく、それ
を傾き調整によって補正することが可能となる。
【0065】また第2の対物レンズが傾いたときに単位
角度あたりに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の
最小二乗誤差(単位:mλ)を略0にすることによっ
て、第1の対物レンズに対して傾き調整しても、第2の
対物レンズではコマ収差が発生せず、良好な記録再生が
可能となる。
【0066】さらにこれらのレンズをガラス成形又は樹
脂成形で製造することにより、安価でかつ大量に同一性
能の物を量産することが可能となる。
【0067】また、本発明の光ヘッド装置及び光学情報
記録再生装置によれば、異なる基板厚さに対し2つの対
物レンズで記録、再生しても、そのアクチュエータ、レ
ンズホルダー、傾き調整機構は共通のものとすること
で、安価な光ヘッド及び光学情報記録再生装置が実現で
きるとともに、第1の対物レンズに対してのみ傾き調整
を行っても第2の対物レンズでのコマ収差発生量を抑え
られるので、良好な記録、再生、消去性能が得られる。
【0068】また上記(4)式あるいは(5)式、また
は、(6)、(7)式を満足することにより、第1の対
物レンズの傾き調整量を低減することができ、第2の対
物レンズのコマ収差発生量を抑えることができる。
【0069】さらにこれらのレンズをガラス成形又は樹
脂成形で製造することにより、安価でかつ大量に同一性
能の物を量産することが可能となる。
【0070】また、本発明の光ヘッド装置及び光学情報
記録再生装置によれば、異なる基板厚さに対し2つの対
物レンズで記録、再生しても、そのアクチュエータ、レ
ンズホルダー、傾き調整機構は共通のものとすること
で、安価な光ヘッド及び光学情報記録再生装置が実現で
きるとともに、第1の対物レンズに対して傾き調整を行
っても、その傾き調整量を小さく抑えることができるた
め、第2の対物レンズでのコマ収差発生量を抑えられる
ので、良好な記録、再生、消去性能が得られる。
【0071】さらに(8)、(9)式を満足する対物レ
ンズを用いることで、以上の効果をさらに高めることが
できる。
【0072】またNAの高いレンズに傾き調整によって
コマ収差の変化しにくい第2の対物レンズを使用するこ
とによって、アクチュエータへの取り付け誤差によるコ
マ収差の発生を抑制することができ、レンズの製造誤差
によるコマ収差の方が少ない場合は、全体として傾き調
整角を少なくし、傾き調整しない方のコマ収差の発生を
抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用対物レンズの一構成例を
示す構成図
【図2】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1に
おける収差図
【図3】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1に
おける軸外の波面収差を示す特性図
【図4】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1に
おけるレンズあおり時の波面収差を示す特性図
【図5】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1に
おけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図6】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例2に
おける収差図
【図7】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例2に
おける軸外の波面収差を示す特性図
【図8】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例2に
おけるレンズあおり時の波面収差を示す特性図
【図9】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例2に
おけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図10】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例3
における収差図
【図11】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例3
における軸外の波面収差を示す特性図
【図12】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例3
におけるレンズあおり時の波面収差を示す特性図
【図13】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例3
におけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図14】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例4
における収差図
【図15】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例4
における軸外の波面収差を示す特性図
【図16】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例4
におけるレンズあおり時の波面収差を示す特性図
【図17】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例4
におけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図18】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例5
における収差図
【図19】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例5
における軸外の波面収差を示す特性図
【図20】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例5
におけるレンズあおり時の波面収差を示す特性図
【図21】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例5
におけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図22】本発明の光ヘッド装置及び光学情報記録再生
装置の一実施例を示す構成図
【図23】本発明の光ディスク用対物レンズの別の実施
例におけるレンズあおり後の残存波面収差を示す特性図
【図24】従来の光ディスク用対物レンズの光学系を示
す構成図
【符号の説明】
1 入射光線 2 第1の対物レンズ 3 第1のディスク 5 第2の対物レンズ 6 ホルダー 7 回動軸 8 第2のディスク

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みの異なる2種類の平行平板を通して
    点像を集光する光ディスク用の対物レンズであって、第
    1の平行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光
    し、第2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通し
    て集光し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平
    板に対してコマ収差が低減されるように前記第2の対物
    レンズと共に傾き調整され、以下の条件を満足すること
    を特徴とする光ディスク用対物レンズ。 |CL2/CD2|<0.6 (1) ただし、 CD2:第2の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
    に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
    差(単位はmλ:mλは波長の長さλの1000分の1
    の単位) CL2:第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
    りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
    誤差(単位:mλ)
  2. 【請求項2】 以下の条件を満足することを特徴とする
    請求項1記載の光ディスク用対物レンズ。 NA1>NA2 (2) NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
    ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
    ンズのNA
  3. 【請求項3】 厚みの異なる2種類の平行平板を通して
    点像を集光する光ディスク用の対物レンズであって、第
    1の平行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光
    し、第2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通し
    て集光し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平
    板に対してコマ収差が低減されるように前記第2の対物
    レンズと共に傾き調整され、以下の条件を満足し、 NA1>NA2 (3) ただし、 NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
    ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
    ンズのNA 第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あたりに発生
    する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤差(単
    位:mλ)CL2が略0であることを特徴とする光ディ
    スク用対物レンズ。
  4. 【請求項4】 前記対物レンズは少なくとも1面が非球
    面の単レンズであり、ガラス成形又は樹脂成形から選択
    されたいずれかの方法により作成した請求項1から3の
    いずれか1項に記載の光ディスク用対物レンズ。
  5. 【請求項5】 光源と、前記光源から出射された光線を
    情報媒体面上に集光する集光手段と、前記情報媒体で変
    調された光束を分離するための光束分離手段と、前記情
    報媒体で変調された光を受光する受光手段を具備し、前
    記情報媒体は、平行平板を通して記録あるいは再生さ
    れ、前記平行平板は、厚みの異なる2種類のディスクか
    らなり、前記集光手段はそれぞれの厚みに対応した2つ
    の対物レンズで構成され、前記2つの対物レンズは、傾
    き調整手段で同時に傾き調整され、前記対物レンズは、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 厚みの異なる2種類の平行平板を通して
    点像を集光する光ディスク用の対物レンズであって、第
    1の平行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光
    し、第2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通し
    て集光し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平
    板に対してコマ収差が低減されるように傾き調整され、
    前記第2の対物レンズは前記第1の対物レンズと同時に
    傾けられ、以下の条件を満足することを特徴とする光デ
    ィスク用対物レンズ。 1.2<CL1/CD1<4 (4) ただし、 CD1:第1の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
    に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
    差(単位はmλ) CL1:第1の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
    りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
    誤差光(単位:mλ)
  7. 【請求項7】 以下の条件を満足することを特徴とする
    請求項6記載の光ディスク用対物レンズ。 NA1>NA2 (5) NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
    ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
    ンズのNA
  8. 【請求項8】 厚みの異なる2種類の平行平板を通して
    点像を集光する光ディスク用の対物レンズであって、第
    1の平行平板に対して、第1の対物レンズを通して集光
    し、第2の平行平板に対して、第2の対物レンズを通し
    て集光し、前記第1の対物レンズは、前記第1の平行平
    板に対してコマ収差が低減されるように傾き調整され、
    前記第2の対物レンズは前記第1の対物レンズと同時に
    傾けられ、以下の条件を満足することを特徴とする光デ
    ィスク用対物レンズ。 NA1>NA2 (6) 1.2<CL1/CD1<2.0 (7) ただし、 NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
    ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
    ンズのNA CD1:第1の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
    に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
    差(単位はmλ) CL1:第1の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
    りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
    誤差(単位:mλ)
  9. 【請求項9】 前記対物レンズは少なくとも1面が非球
    面の単レンズであり、ガラス成形又は樹脂成形から選択
    されたいずれかの方法により作成した請求項6から8の
    いずれか1項に記載の光ディスク用対物レンズ。
  10. 【請求項10】 光源と、前記光源から出射された光線
    を情報媒体面上に集光する集光手段と、前記情報媒体で
    変調された光束を分離するための光束分離手段と、前記
    情報媒体で変調された光を受光する受光手段を具備し、
    前記情報媒体は、平行平板を通して記録あるいは再生さ
    れ、前記平行平板は、厚みの異なる2種類のディスクか
    らなり、前記集光手段はそれぞれの厚みに対応した2つ
    の対物レンズで構成され、前記2つの対物レンズは、傾
    き調整手段で同時に傾き調整され、前記対物レンズは、
    請求項6から9のいずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  11. 【請求項11】 光源と、前記光源から出射された光線
    を情報媒体面上に集光する集光手段と、前記情報媒体で
    変調された光束を分離するための光束分離手段と、前記
    情報媒体で変調された光を受光する受光手段を具備し、
    前記情報媒体は、平行平板を通して記録あるいは再生さ
    れ、前記平行平板は、厚みの異なる2種類のディスクか
    らなり、第1の平行平板に対して、第1の対物レンズを
    通して集光し、第2の平行平板に対して、第2の対物レ
    ンズを通して集光し、前記第1の対物レンズは、前記第
    1の平行平板に対してコマ収差が低減されるように前記
    第2の対物レンズと共に傾き調整され、 前記第1の対物レンズは、 1.2<CL1/CD1<2 (8) CD1:第1の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
    に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
    差(単位はmλ) CL1:第1の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
    りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
    誤差光(単位:mλ) の条件を満足し、前記第2の対物レンズは、 |CL2/CD2|<0.6 (9) CD2:第2の平行平板が傾いたときに単位角度あたり
    に発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗誤
    差(単位はmλ:mλは波長の長さλの1000分の1
    の単位) CL2:第2の対物レンズが傾いたときに単位角度あた
    りに発生する波面収差の3次のコマ収差成分の最小二乗
    誤差光(単位:mλ) の条件を満足することを特徴とする光ヘッド装置。
  12. 【請求項12】 以下の条件を満足することを特徴とす
    る請求項11記載の光ヘッド装置。 NA1>NA2 (10) ただし、 NA1:第1の平行平板を通して集光する第1の対物レ
    ンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光する第2の対物レ
    ンズのNA
  13. 【請求項13】 請求項5、10、11または12の光
    ヘッド装置を用いて、厚さの異なる2種類の記録媒体に
    情報を記録し、再生する光学情報記録再生装置。
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