JP3959078B2 - 光ヘッド装置及び光ヘッド装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルビデオディスク、デジタルオーディオディスク、コンピュータ用の光メモリディスクなどの光ディスクの情報記録面に光源からの光束を集光する光ヘッド装置及びその製造方法に関する。
一般に、光ディスク用の光ヘッド装置において、光ディスクの情報記録面上に回折限界の点像を集光することにより、情報を記録し又は記録された情報を再生するための対物レンズとしては、非球面を用いた単レンズが多く使用されている。
以下に、従来の光ヘッド装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は従来の光ヘッド装置を示す概略構成図である。図7に示すように、半導体レーザ151から出射した光束は、ビームスプリッタ152で光路の向きが変えられ、コリメートレンズ153によって略平行光となる。そして、前記レーザ光は、折り曲げミラー154により光路の向きがさらに変えられ、対物レンズ155によって光ディスク156の情報記録面157上に集光される。ここで、対物レンズ155は、アクチュエータ160によって駆動される。光ディスク156の情報記録面157上に集光された前記レーザ光は、情報記録面157に形成された凹凸によって回折を受ける。光ディスク156の情報記録面157で反射され、回折された前記レーザ光は、対物レンズ155を通過し、折り曲げミラー154によって光路の向きが変えられ、コリメートレンズ153、ビームスプリッタ152、及びシリンドリカルレンズ158を透過してフォトディテクター159上に集光される。そしてフォトディテクター159の電気信号により、光ディスク156の情報記録面157で変調された光量変化が検出され、情報記録面157上のデータの読み取りが行われる。
ここで、対物レンズ155には製造の際の製造誤差によって波面収差が発生する。この波面収差は、3次球面収差、3次コマ収差、3次非点収差、高次収差の各収差成分に分けて考えることができる。
これらの収差成分の内、3次コマ収差は、対物レンズ155のレンズ面の形状を回転対称非球面とすることにより、設計上発生しないようにすることができる。しかしながら、実際には、製造上で生じる、対物レンズ155の平行光束側の面である第1面161と集光側の面である第2面162との間のディセンタ(光軸と垂直方向のずれ量)と、対物レンズ155の第1面161又は第2面162又はその両方の面のティルト(光軸と垂直な面に対する傾き)とが支配的な要因となって3次コマ収差が発生する。これら2つの要因のうち、ティルトに起因して発生する3次コマ収差は、対物レンズ155のNA(開口数)の略3乗に比例する。
一般に、レンズを光軸に対して傾けると、3次コマ収差が発生する。従って、その傾ける角度を調整することにより、その際発生する3次コマ収差によって製造誤差による3次コマ収差を打ち消すことができる。このため、光ヘッド装置の対物レンズ155は、光ヘッド装置の組立の過程において3次コマ収差を低減するように傾けられている。このような操作を「あおり調整」といい、このときの傾き角度を「あおり調整角度」という。
近年、例えばDVD(デジタルビデオディスク)やDVD−RAMのように記録密度の高密度化が進んでいる。高密度を達成するためには、光ディスク上でいかに小さなスポットを形成するかが問題となるが、そのスポット径はレンズの開口数を大きくすることで小さくできることが知られている。従って、高密度化のためにレンズの開口数が徐々に大きくなっており、DVDでは0.6となっている。さらなる高密度化のためには、開口数を0.6以上とする必要がある。従来、レンズ設計において、レンズを製造する時の製造誤差、あるいは、光ヘッドへの組立時の組立誤差を考慮して、レンズの第1面と第2面のディセンタが発生しても収差が大きくならないように、かつ、軸外から光が入射しても収差が大きくならないように設計していた。高開口数レンズの要望が高いにも関わらず、未だ製品化に至っていない原因の一つは、レンズ設計において軸上の収差を小さくするだけなら容易であるが、製造公差や組み立て公差を考慮しつつ設計した場合、単レンズで十分な公差を持ったレンズの設計が非常に困難であるということにある。
また、開口数を大きくした場合、ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差が大きくなる。現在、ディスクの反りなどにより0.5度程度の傾きが発生する可能性があるが、この大きさの傾きが発生した場合の3次コマ収差は、開口数0.6、焦点距離3.0mmの光学系では、70mλ程度発生する。スポットが十分小さく、かつDVDのシステムにおいて再生可能なスポットであるためには3次コマ収差は70mλ以下であることが要求される。従って、ディスクの傾きによって発生する上記の3次コマ収差と、製造誤差、組立誤差等により発生する3次コマ収差と考慮すると、このシステムではデータの記録再生は不可能となる。
上記のような設計手法で開口数が0.6より大きなレンズを設計した場合、一般にディセンタによる収差と軸外光による収差は反比例の関係にあるため、満足した設計ができない。つまり、製造あるいは組立が非常に困難なレンズとなってしまう。また、ディスクの反りなどに起因する傾きがあると、3次コマ収差が大量に発生し、記録再生できないシステムとなる。
本発明は、従来技術における前記問題を解決するためになされたものであり、高開口数の対物レンズを備えながら、製造および組立が容易で、ディスクの傾きにより発生する性能劣化を補正することが可能な光ヘッド装置を提供することを目的とする。また、本発明は、上記光ヘッド装置を組立てるための製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明は以下の構成とする。
本発明の光ヘッド装置は、光源から出射された光束を光ディスクの情報記録面上に点像を集光することにより、情報を記録し又は記録された情報を再生するために用いられる光ヘッド装置であって、光源と、光源から出射された光束を情報記録面上に集光する対物レンズと、光源から出射された光束の光軸に対する光ディスクの傾き量あるいは光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差量のいずれかを検出する検出手段と、検出手段の検出した結果に基づいて、光源から出射された光束の光軸に対して対物レンズ全体を傾けるために駆動されるアクチュエータとを備え、対物レンズは、光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をDC(mλ、符号は負とする)、対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をLC(mλ、符号は正とする)としたとき、DC/LC>−0.9を満足する。
かかる光ヘッド装置によれば、光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差を、対物レンズをわずかに傾けて補正することができる。また、補正のための対物レンズの傾き量はわずかであるため、対物レンズの傾き量に応じて発生する非点収差の発生量が小さくて済む。従って、補正後の残存収差は良好となる。また、対物レンズは、アクチュエータに搭載されて、光ディスクの傾き量に応じて傾けられるために、光ディスクが反りなどを有していてもそれに起因する収差の発生を抑えることができる。よって、良好な記録及び/又は再生が可能になる。
上記の光ヘッド装置において、特に、DC/LC>−0.8を満足することが好ましい。
また、上記の光ヘッド装置において、開口数が0.62以上であることが好ましい。かかる構成によれば、光ディスク上での光線のスポット径を小さくできるので、光ディスクの高密度記録化が実現できる。
また、上記の光ヘッド装置において、DC+LCが10mλ以上40mλ以下であることが好ましい。DC+LCを10mλ以上とすることで、光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差を、対物レンズをわずかに傾けるだけで補正することができる。また、補正のための対物レンズの傾き量はわずかであるため、対物レンズの傾き量に応じて発生する非点収差の発生量が小さくて済む。従って、補正後の残存収差は良好となる。更に、DC+LCを40mλ以下とすることで、振動などにより対物レンズが予期せず傾いた場合の収差特性の悪化を抑えることができる。以上により、良好な記録及び/又は再生が可能になる。
また、上記の光ヘッド装置において、光ディスクの傾き角度をX(度)、光ディスクがX(度)傾いたときに発生する3次コマ収差を対物レンズを傾けることでキャンセルした後に残存する非点収差をY(mλ)とし、前記X及びYとの関係をY= aX2+bX+cで近似したときの係数aが30以上35以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差を、対物レンズをわずかに傾けるだけで補正することができる。また、補正のための対物レンズの傾き量はわずかであるため、対物レンズの傾き量に応じて発生する非点収差の発生量が小さくて済む。従って、補正後の残存収差は良好となる。また、対物レンズは、アクチュエータに搭載されて、光ディスクの傾き量に応じて傾けられるために、光ディスクが反りなどを有していてもそれに起因する収差の発生を抑えることが可能な光学系を構成できる。また、振動などにより対物レンズが予期せず傾いた場合の収差特性の悪化も抑えることができる。以上により、良好な記録及び/又は再生が可能になる。
上記第1の光ヘッド装置において、前記対物レンズは、3次コマ収差を低減するようにあおり調整されていることが好ましい。かかる構成によれば、レンズ製造時や光ヘッド装置の組み立て時の誤差による3次コマ収差があおり調整で低減できるので、製造誤差や組み立て誤差の許容範囲が緩和され、安価な光ヘッド装置を得ることができる。
次に、本発明にかかる光ヘッド装置の製造方法は、光源から出射された光束を光ディスクの情報記録面上に点像を集光することにより、情報を記録し又は記録された情報を再生するために用いられ、光源と、光源から出射された光束を情報記録面上に集光する対物レンズと、光源から出射された光束の光軸に対する光ディスクの傾き量あるいは光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差量のいずれかを検出する検出手段と、検出手段の検出した結果に基づいて、光源から出射された光束の光軸に対して対物レンズ全体を傾けるために駆動されるアクチュエータとを備える光ヘッド装置の製造方法であって、対物レンズは、光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をDC(mλ、符号は負とする)、対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をLC(mλ、符号は正とする)としたとき、DC/LC>−0.9を満足しており、対物レンズへ入射する光束を決定した後に、対物レンズから出射される光束の波面のコマ収差が小さくなるようにあおり調整を行って、アクチュエータを初期位置に固定することを特徴とする。
かかる構成によれば、あおり調整をして対物レンズを設置するので、レンズ製造時や光ヘッド装置の組み立て時の誤差による3次コマ収差が低減できる。よって、製造誤差や組み立て誤差の許容範囲が緩和され、安価な光ヘッド装置を得ることができる。
本発明によれば、安価で良好な記録及び/又は再生が可能な光ヘッド装置が得られる。
以下に、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態における対物レンズによる集光状態を示す図である。図1に示すように、平行光束6は、対物レンズ1に光源側の面である第1面3から入射し、ディスク側の面である第2面4から出射した後、光ディスク2の基板を通って情報記録面5上に集光される。
本発明の具体的な数値例を以下に示す。なお、対物レンズの第1面は光源側の面、第2面はディスク側(集光側)の面とする。また、光ディスクは平行平板とする。さらに、設計波長を655nmとし、光ディスク基板の屈折率は1.56とする。また、各種記号を以下のように定義する。
f:対物レンズの焦点距離(mm)
R1:対物レンズの第1面の曲率半径(mm)
R2:対物レンズの第2面の曲率半径(mm)
d:対物レンズの厚み(mm)
n:対物レンズの屈折率
t:光ディスクの基板の厚み(mm)
NA:光ディスクを通して集光するときの対物レンズの開口数
また、光ディスク用対物レンズ1の非球面形状は、下記式(1)によって与えられる。
Figure 0003959078
ここで、
h:光軸からの高さ(h=(x2+y21/2
cj:第j面のレンズ面頂点の曲率(cj=1/Rj、Rjは曲率半径)
kj:第j面の円錐定数 Aj,i:第j面のi次の非球面係数
である。
また、対物レンズの各性能を表すパラメータを以下のように定義する。
W0:軸上波面収差の最小二乗誤差(単位はmλ(mλは波長λの1000分の1の単位))
DC:光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差(mλ、符号は負とする)
LC:対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差(mλ、符号は正とする)
TH:光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をキャンセルできる対物レンズの傾き角度(度)
以下に、具体的な数値例を示す。
f=3.05
R1=2.00300
R2=−15.33015
d=1.692
n=1.60297
t=0.6
NA=0.65
k1=−6.765663×10-1
A1,4=2.527642×10-3
A1,6=1.525075×10-4
A1,8=−2.502308×10-5
A1,10=−6.699123×10-6
k2=−6.707921×10+1
A2,4=5.385577×10-3
A2,6=−1.818641×10-3
A2,8=2.990897×10-4
A2,10=−2.064762×10-5
W0=3.4
DC=−66.8
LC=85.7
TH=0.39
本対物レンズの収差図を図2、図3に示す。
図2は、画角比を変えたときの対物レンズの横収差を示している。画角比1.0は0.5度の軸外光が入射した状態に、また、画角比0は軸上光が入射した状態にそれぞれ該当する。図中、DYはY軸方向の横収差、DXはX軸方向の横収差をそれぞれ示す。
また、図3において、SAは球面収差、OSCは正弦条件を示す。また、ASは非点収差を示し、Tはタンジェンシャル方向、Sはサジタル方向を意味する。また、DISTはディストーション(像面湾曲)を示す。
本数値例の対物レンズは、軸上波面収差W0が3.4mλと低く抑えられている。従って、スポットの中心近傍における劣化は少ない。その結果、光ディスクの情報媒体面上に記録された信号を検出するとき隣接した信号からのクロストークを低減することができる。
また、光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差DCは−66.8mλ、対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差LCは85.7mλとなっており、DC/LC=−0.78>−0.8の関係が成り立っている。従って、光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をキャンセルするために必要な対物レンズの傾き角度THを0.39度と小さくできる。即ち、光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差を対物レンズを傾けることで補正しても、そのときの対物レンズの傾き量を小さく抑えることができる。一方で、非点収差は近似的には対物レンズの傾きの2乗に比例して発生するため、3次コマ収差の補正時に発生する非点収差を小さく抑えることができる。よって、3次コマ収差補正時においても良好に記録及び/又は再生が可能となる。
また、対物レンズの開口数NAは0.65である。開口数NAが0.62以上であれば、より高密度に記録できるようになるために好ましい。
また、DC+LCは18.9(mλ)である。従って、対物レンズの光軸が光ディスク面の法線方向と平行に配置されている場合に、対物レンズに光軸に対して0.5度傾斜した光束が対物レンズに入射すると3次コマ収差が発生する。DC+LCが10mλ以上であると、光ディスクの傾き時に発生する3次コマ収差を対物レンズを傾けてキャンセルしたときのレンズ傾き量が小さくなるため好ましい。また、DC+LCが40mλ以下であると、対物レンズがアクチュエータの振動などにより光軸に対して傾いた場合の劣化量(収差発生量)が小さく抑えられるため好ましい。
また、上記の数値例において、光ディスクの傾き角度X(度)を横軸とし、光ディスクがX(度)傾いたときに発生する3次コマ収差を対物レンズを傾けることでキャンセルした後に残存する非点収差Y(mλ)を縦軸とすると、図4に示す曲線が得られる。この曲線を、Y= aX2+bX+cで表わされる2次曲線でフィッティングした場合、各係数はa=31.197、b=1.4089、c=−0.1304となる(最小2乗誤差=0.999)。2次の係数aが30以上であれば、対物レンズの揺れに対する公差が緩くなり(即ち、振動などで対物レンズが傾いたときに発生する非点収差量を小さく抑えることができる)、対物レンズの保持系の機構設計の許容度が高まるので好ましい。また、係数aが35以下であれば、光ディスクの傾きで発生する3次コマ収差の補正効果が発現するため好ましい。
また、上記数値例では光ディスクの基板の厚みt=0.6mmである。基板厚が約0.6mm(特に0.59〜0.61mm)であれば、DVDの記録及び/又は再生が容易となり好ましい。
(実施の形態2)
図5は光ディスク用対物単レンズを用いた実施の形態2における光ヘッド装置を示す構成図である。
図5に示すように、半導体レーザ51から出射したレーザー光は、ビームスプリッタ52によって光路の向きが変えられ、コリメートレンズ53によって略平行光となる。そして、前記レーザ光は、折り曲げミラー54によって光路の向きがさらに変えられ、実施の形態1で説明した本発明の光ディスク用対物単レンズ55によって光ディスク56の情報記録面57上に集光される。ここで、対物レンズ55は、アクチュエータ60によって駆動される。光ディスク56の情報記録面57上に集光された前記レーザ光は、情報記録面57に形成された凹凸によって回折を受ける。光ディスク56の情報記録面57で反射され、回折された前記レーザ光は、対物レンズ55を通過し、折り曲げミラー54によって光路の向きが変えられ、コリメートレンズ53、ビームスプリッタ52、及びシリンドリカルレンズ58を透過してフォトディテクター59上に集光される。そしてフォトディテクター59の電気信号により、光ディスク56の情報記録面57で変調された光量変化が検出され、情報記録面57上のデータの読み取りが行われる。
このような光ヘッド装置の製造手順として、先に光源(半導体レーザ51)とコリメートレンズ53と、更に必要に応じてビームスプリッタ52及び折り曲げミラー54を固定した後に、対物レンズ55のあおり調整(傾き調整)を行うことが好ましい。あおり調整は、例えば半導体レーザ51からの光が対物レンズ55を通った後の集光状態を観察して、3次コマ収差が最も小さくなるように、又は、光スポットの乱れが最も少ない状態になるように、対物レンズ55又は対物レンズ55を保持しているアクチュエータ60を光ヘッド基台(図示せず)に対して傾けて固定することで行なう。対物レンズ55又はアクチュエータ60に傾きを付与するには、例えば調整ねじを用いることができる。この製造手順を踏むことで、対物レンズ55に軸外光が入射することはなくなるので、レンズの軸外あおり収差のみがレンズの性能として問題となり、光ヘッド装置の組み立て工程において、歩留まりが向上する。
光ディスク56の反りや傾きにより3次コマ収差が発生する。これは、対物レンズ55を搭載しているアクチュエータ60が、光ディスク56の傾き量あるいはこれに基づいて発生した3次コマ収差量に応じて対物レンズ55を傾けることで補正される。光ディスク56の傾き量あるいはこれによって発生する3次コマ収差量を検出するための具体的構成は、特に限定はなく周知の構成をとることができる。
図6に、対物レンズ55を傾けるためのアクチュエータ60の構成例を示す。図6(A),図6(B)において、55は対物レンズ、610は対物レンズ55を保持するレンズホルダ、612a,612bはレンズホルダ610に設けられた貫通穴、615a,615bはそれぞれ貫通穴612a,612bを取り囲むようにレンズホルダ610に設けられた略リング形状のコイル、620a,620bは貫通穴612a,612bを遊貫する一対の永久磁石である。一対の永久磁石620a,620bは、同方向の極性を持ち、光ヘッド基台に設置されている。レンズホルダ610は、図示しない弾性部材を介して光ヘッド基台に保持されている。アクチュエータ60は対物レンズ55のフォーカス及びトラッキングのためのアクチュエータとしても使用される。フォーカス調整は、一対のコイル615a,615bに同方向の電流を流すことで、図6(A)に示すように、紙面上下方向に対物レンズ55を移動させて行なう。一方、一対のコイル615a,615bに互いに逆方向の電流を流せば(あるいは、一対のコイル615a,615bの一方のみに電流を流せば)、図6(B)に示すように、対物レンズ55を傾斜させることができる。この原理を利用して、永久磁石及びコイルを光ディスクの接線方向及び半径方向にそれぞれ一対ずつ設置すれば、対物レンズ55を光ディスクに対して任意の方向に傾斜させることができる。なお、光ディスクの傾きによる有害な3次コマ収差は、通常接線方向の光ディスクの傾きによって発生することが多いから、永久磁石及びコイルを接線方向のみに一対設置するだけでも、光ディスクの傾きによって生じる3次コマ収差の大部分を補正することが可能である。なお、対物レンズ55に傾きを付与するアクチュエータ60の構成は図6に示したものに限定されないことはいうまでもない。
読み出しあるいは記録するべき光ディスクに対して必要なNAは、その記録密度に依存する。高密度記録を実現するためには、一般に、高いNAが用いられる。NAが高いほど製造公差や取り付け公差が厳しいため、現状のプロセスでは、NAは0.6程度までに制限されている。対物レンズ55として上記のように設計された実施の形態1の対物レンズを用いた場合、この対物レンズ55のNAを0.62以上に高くした場合でも、あおり調整後の収差を低く抑えることができるため、光ヘッド装置の製造工程における公差が緩和され、歩留まり向上につながり、大量生産が可能となる。
以上に説明した実施の形態は、いずれもあくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものであって、本発明はこのような具体例にのみ限定して解釈されるものではなく、その発明の精神と請求の範囲に記載する範囲内でいろいろと変更して実施することができ、本発明を広義に解釈すべきである。
図1は、本発明の実施の形態1における対物レンズによる集光状態を示す光路図 図2は、本発明の実施の形態1における数値例の対物レンズの収差図 図3は、本発明の実施の形態1における数値例の対物レンズの収差図 図4は、本発明の実施の形態1における数値例において、光ディスク傾き量と3次コマ収差補正後の残存非点収差量との関係を示す図 図5は、本発明の実施の形態2における光ヘッド装置の構成図 図6(A)、図6(B)は、対物レンズに傾きを付与するアクチュエータの一例の動作を説明するための断面図 図7は、従来の光ヘッド装置の構成図
符号の説明
1 対物レンズ
2 光ディスク
3 第1面
4 第2面
5 情報記録面
6 平行光束
51 半導体レーザ
52 ビームスプリッタ
53 コリメートレンズ
54 折り曲げミラー
55 対物レンズ
56 光ディスク
57 情報記録面
58 シリンドリカルレンズ
59 フォトディテクター
60 アクチュエータ

Claims (6)

  1. 光源から出射された光束を光ディスクの情報記録面上に点像を集光することにより、情報を記録し又は記録された情報を再生するために用いられる光ヘッド装置であって、
    光源と、
    前記光源から出射された前記光束を前記情報記録面上に集光する対物レンズと、
    前記光源から出射された光束の光軸に対する前記光ディスクの傾き量あるいは前記光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差量のいずれかを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出した結果に基づいて、前記光源から出射された光束の光軸に対して前記対物レンズ全体を傾けるために駆動されるアクチュエータとを備え、
    前記対物レンズは、前記光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をDC(mλ、符号は負とする)、前記対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をLC(mλ、符号は正とする)としたとき、DC/LC>−0.9を満足する、光ヘッド装置。
  2. 前記対物レンズは、DC/LC>−0.8を満足する、請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記対物レンズの開口数が0.62以上である、請求項1に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記対物レンズにおいて、DC+LCが10mλ以上40mλ以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光ヘッド装置
  5. 前記対物レンズは、光ディスクの傾き角度をX(度)、光ディスクがX(度)傾いたときに発生する3次コマ収差を対物レンズを傾けることでキャンセルした後に残存する非点収差をY(mλ)とし、前記X及びYとの関係をY= aX2+bX+cで近似したときの係数aが30以上35以下であることを特徴とする、光ヘッド装置。
  6. 光源から出射された光束を光ディスクの情報記録面上に点像を集光することにより、情報を記録し又は記録された情報を再生するために用いられ、
    光源と、前記光源から出射された前記光束を前記情報記録面上に集光する対物レンズと、前記光源から出射された光束の光軸に対する前記光ディスクの傾き量あるいは前記光ディスクの傾きによって発生する3次コマ収差量のいずれかを検出する検出手段と、前記検出手段の検出した結果に基づいて、前記光源から出射された光束の光軸に対して前記対物レンズ全体を傾けるために駆動されるアクチュエータとを備える光ヘッド装置の製造方法であって、
    前記対物レンズは、前記光ディスクが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をDC(mλ、符号は負とする)、前記対物レンズが0.5度傾いた場合に発生する3次コマ収差をLC(mλ、符号は正とする)としたとき、DC/LC>−0.9を満足しており、
    前記対物レンズへ入射する前記光束を決定した後に、前記対物レンズから出射される前記光束の波面のコマ収差が小さくなるようにあおり調整を行って、前記アクチュエータを初期位置に固定する、光ヘッド装置の製造方法。

JP2004217583A 1999-07-30 2004-07-26 光ヘッド装置及び光ヘッド装置の製造方法 Expired - Lifetime JP3959078B2 (ja)

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