JP2006196138A - 光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ディスクの傾斜及び入射光線の傾斜により発生する収差を低減し、良好な光学特性を得る。
【解決手段】 光ディスク2に対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ6において、所定の波長の光ビームを出射する光源41と、光源41から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズ27と、対物レンズ27を傾斜させる傾斜手段8と、光ディスク2で反射された戻り光を検出する光検出器44とを備え、光ディスク2を基準とした対物レンズ27に入射する光線の傾斜角度に対する光ディスク2を基準とした対物レンズ27の傾斜角度の比例定数kを所定の範囲とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、光ディスク等の情報記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光ピックア
ップ及びこれを備えた光ディスク装置に関する。
従来から、光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップで光ディスクの傾きにより発生する収差発生を防止するための傾き補正機構を有するものが知られている。この光ピックアップに用いられている傾き補正機構は、例えば、特開2004−5910号に記載されているように、対物レンズを傾斜させるアクチュエータからなる(特許文献1参照)。
この対物レンズは、図11に示すような収差の像高特性を持つように設計されている。このように設計されることにより、製造誤差や配置誤差等によって、光ディスクや入射光線に傾きが発生した場合でも、図12(a),(b)に示すように、アクチュエータにより対物レンズ101が光ディスク102と正対する、すなわち、平行になるようにされる。具体的には、図12(a)に示すように、入射光線Bの傾きがない正常の状態から、図12(b)に示すように、光ディスク102や入射光線Bが傾斜されたときに、対物レンズ101が光ディスク102と平行になるように傾斜されることにより、光ディスク上での収差を抑えることが可能となる。このとき、図11中の二点鎖線部L34は、ディスク基準のレンズの傾きは略ゼロで、対物レンズ101が光ディスク102に対して平行であることを示す。また、図11中の実線部L31、破線部L32、一点鎖線部L33は、上述のように対物レンズ101を光ディスク102に平行となるように制御することで球面収差、コマ収差、非点収差等の各収差を抑えられることを示す。
しかし、かかる光ピックアップは、光ディスク102に対する入射光線の傾斜が大きくなると、特に非点収差の影響が大きくなり、結果として収差全体が許容量を超えてしまうという問題が生じてしまう。
特開2004−5910号公報
本発明の目的は、光ディスクの傾斜及び入射光線の傾斜により発生する収差を低減し、良好な光学特性を得ることができる光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明に係る光ピックアップは、光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップにおいて、所定の波長の光ビームを出射する光源と、光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、対物レンズを傾斜させる傾斜手段と、光ディスクで反射された戻り光を検出する光検出器とを備え、製造誤差や配置誤差により発生する、光ディスクの基準面に対する傾斜角度をθ、対物レンズに入射する光ビームの基準面に直交する方向に対する傾斜角度をθとしたときの、光ディスク上での収差を最小にする対物レンズの基準面に対する傾斜角度をθとした場合、光ディスクを基準とした対物レンズに入射する光ビームの傾斜角度に対する光ディスクを基準とした対物レンズの傾斜角度の比例定数kが以下の式(1),(2)を満たす。
k=(θ−θ)/(θ−θ) ・・・(1)
0.106≦k≦1.894 ・・・(2)
また、上述した目的を達成するため、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、光ディスクを保持するとともに回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置であって、光ピックアップとして、上述したようなものを用いたものである。
本発明に係る光ピックアップ及び光ディスク装置は、製造誤差、配置誤差等により発生する光ディスクの傾斜及び光ディスクに入射する光ビームの傾斜による収差を低減し、良好な光学特性を得ることができる。
以下、本発明を適用した光ディスク装置について、図面を参照して説明する。
この光ディスク装置1は、光ディスク2に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うことができる光ディスク装置である。この光ディスク装置1で記録及び/又は再生を行う光ディスク2として、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、情報の追記が可能とされるCD−R(Recordable)及びDVD−R(Recordable)、情報の書換えが可能とされるCD−RW(ReWritable)、DVD−RW(ReWritable)、DVD+RW(ReWritable)等の光ディスクや、さらに発光波長が短い405nm程度(青紫色)の半導体レーザを用いた高密度記録が可能な光ディスクや、光磁気ディスク等が用いられる。
具体的に、この光ディスク装置1は、図1に示すように、外筐3内に所要の各部材及び各機構が配置されて成り、外筐3には図示しないディスク挿入口が形成されている。
外筐3内には図示しないシャーシが配置され、該シャーシに取り付けられたスピンドルモーターのモーター軸にディスクテーブル4が固定されている。
シャーシには、平行なガイド軸5a,5bが取り付けられると共に図示しない送りモーターによって回転される図示しないリードスクリューが支持されている。
光ピックアップ6は、図1に示すように、移動ベース7と該移動ベース7に設けられた所要の光部品と移動ベース7上に配置された対物レンズ駆動機構8とを有し、移動ベース7の両端部に設けられた軸受部7a、7bがそれぞれガイド軸5a,5bに摺動自在に支持されている。移動ベース7に設けられた図示しないナット部材がリードスクリューに螺合され、送りモーターによってリードスクリューが回転されると、ナット部材がリードスクリューの回転方向へ応じた方向へ送られ、光ピックアップ6がディスクテーブル4に装着される光ディスク2の半径方向へ移動される。
対物レンズ駆動機構8は、図2及び図3に示すように、支持ブロック9と該支持ブロック9に対して動作される可動ブロック10とを有している。
支持ブロック9は、移動ベース7上に固定された固定部11と、該固定部11に支持軸12を介して回動自在に支持されたチルト駆動部13とを有している。
固定部11は、磁性金属材料によって各部が一体に形成され、一方向に長い略矩形状を為すベース部14と、該ベース部14の長手方向における両端部からそれぞれ直角に立ち曲げられた取付部15と、ベース部14の長手方向における中央部の一側縁から直角に立ち曲げられた軸形成部16とから成る。
固定部11は、図4に示すように、ベース部14が移動ベース7に固定され、取付部15の互いに対向する面にそれぞれチルト用マグネット17が取り付けられている。チルト用マグネット17は、例えば、2極着磁とされている。
支持軸12は、固定部11の軸形成部16からベース部14を横切るようにして取付部15と平行な状態となるように突出されている。
チルト駆動部13は、ベース部14と同じ方向に長く形成された略直方体状に形成され、固定部11の軸形成部16に対向する面に回路基板18が取り付けられている。図3及び図4に示すように、チルト駆動部13の長手方向における両端寄りの位置には、それぞれ上方又は下方に開口された開口部13a、13a、13b、13bが形成されている。
チルト駆動部13は、図2〜図4に示すように、回路基板18が取り付けられた状態において、中心部に支持軸12が挿通されることにより固定部11に回動自在に支持される。
チルト駆動部13の長手方向における両端面には、それぞれ、例えば、角筒状に巻回されたチルト用コイル19が取り付けられている。従って、チルト用コイル19と、固定部11の取付部15に取り付けられたチルト用マグネット17とは、それぞれ対向して位置され、チルト用マグネット17とチルト用コイル19とを有するチルト用磁気回路20が支持ブロック9に形成される。
チルト駆動部13の長手方向における両端面には、チルト用コイル19の中心部に位置するようにしてそれぞれ中立用の鉄片等からなる磁性部21が取り付けられている。
チルト用コイル19には、回路基板18を介して図示しない電源から駆動電流が供給されるようになっている。チルト用コイル19に駆動電流が供給されると、チルト用コイル19に流れる駆動電流の向きに応じてチルト用磁気回路20に所定の方向への推力が発生し、固定部11に対してチルト駆動部13が支持軸12の軸回り方向へ回動され、この回動動作に伴って可動ブロック10が一体となって回動される。
チルト駆動部13に取り付けられた回路基板18には、細長い板状に形成された複数の支持バネ22の各一端部が互いに離間した状態で取り付けられている。複数の支持バネ22は、それぞれチルト駆動部13に形成された開口部13a、13a、13b、13bを通り固定部11の軸形成部16と反対側に突出されている。
複数の支持バネ22には、図示しない電源から回路基板18を介して駆動電流が供給される。
複数の支持バネ22の他端部はそれぞれ可動ブロック10の所定の部分に取り付けられている。従って、可動ブロック10と支持ブロック9とは、複数の支持バネ22によって連結され、可動ブロック10は中空に保持されている。
可動ブロック10は、図2及び図3に示すように、本体部23と、該本体部23に取り付けられたコイルボビン24とを有している。
本体部23は、レンズ保持部25と、対物レンズと略平行な平面において、レンズ保持部25側が開口されたコ字状を為すボビン取付部26とが一体に形成されて成る。
レンズ保持部25には、対物レンズ27が取り付けられて保持されている。
ボビン取付部26には、その内側の空間に配置されるようにしてコイルボビン24が取り付けられている。コイルボビン24は、角筒状を為すフォーカシングコイル巻回部24aと、該フォーカシングコイル巻回部24aの一の面から互いに離間して突出されたトラッキングコイル巻回部24bとが一体に形成されてなる。フォーカシングコイル巻回部24aには、フォーカシングコイル28が巻回され、トラッキングコイル巻回部24b、24bには、それぞれトラッキングコイル29が巻回されている。
コイルボビン24は、フォーカシングコイル取付部24aの軸方向が上下方向となるように、かつ、トラッキングコイル取付部24bがレンズ保持部25に対向するようにしてボビン取付部26に取り付けられている。
コイルボビン24がボビン取付部26に取り付けられた状態において、コイルボビン24とレンズ保持部25との間には、所定の大きさの空間が形成されている。
コイルボビン24の内側の空間には、ヨーク片30と該ヨーク片30に取り付けられたマグネット31とが下側から挿入されて配置されている。また、コイルボビン24とレンズ保持部25との間の空間には、ヨーク片32が下側から挿入されて配置されている。マグネット31とヨーク片32とは、トラッキングコイル29を挟んで対向した状態とされている。尚、ヨーク片30とヨーク片32とは、その下端部間が連結されており、この連結した部分が、例えば、移動ベース7上に取り付けられている。
フォーカシングコイル28及びトラッキングコイル29には、それぞれ回路基板18及び支持バネ22を介して電源から駆動電流が供給されるようになっている。フォーカシングコイル28に駆動電流が供給されると、フォーカシングコイル28に流れる駆動電流の向きに応じて所定の方向への推力が発生し、可動ブロック10がチルト駆動部13に対して図2に示すF―F方向、即ち、ディスクテーブル4に装着される光ディスク2の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作される。一方、トラッキングコイル29に駆動電流が供給されると、トラッキングコイル29に流れる駆動電流の向きに応じて所定の方向への推力が発生し、可動ブロック10がチルト駆動部13に対して図2に示すT―T方向、即ち、ディスクテーブル4に装着される光ディスク2の略半径方向であるトラッキング方向に動作される。
可動ブロック10がフォーカシング方向及びトラッキング方向に動作されるときには、複数の支持バネ22が弾性変位される。
以上のようにして構成された光ディスク装置1において、スピンドルモーターの回転に伴ってディスクテーブル4が回転されると、該ディスクテーブル4に装着された光ディスク2が回転され、同時に、光ピックアップ6が光ディスク2の半径方向へ移動されて光ディスク2に対する記録動作又は再生動作が行われる。ここで、スピンドルモータ及びディスクテーブル4は、光ディスク2を保持するとともに回転するディスク回転駆動手段として機能する。
この記録動作及び再生動作において、フォーカシングコイル28に駆動電流が供給されると、上述したように対物レンズ駆動機構8の可動ブロック10がチルト駆動部13に対してフォーカシング方向F―Fへ動作され、移動ベース7に設けられた後述する半導体レーザーから出射され対物レンズ27を介して照射されるレーザー光のスポットが光ディスク2の記録トラック上に集光するようにフォーカシング調整が為される。また、トラッキングコイル29に駆動電流が供給されると、上述したように対物レンズ駆動機構8の可動ブロック10がチルト駆動部13に対してトラッキング方向T―Tへ動作され、半導体レーザーから出射され対物レンズ27を介して照射されるレーザー光のスポットが光ディスク2の記録トラック上に集光するようにトラッキング調整が為される。
光ディスク2に対する記録動作及び再生動作においては、上述したフォーカシング調整及びトラッキング調整に加え、同時に、チルト調整も行われる。このチルト調整は、例えば、回転中の光ディスク2に面振れ等が生じたときに、この光ディスク2に追従するようにチルト駆動部13と可動ブロック10とが固定部11に対して一体となって図2及び図4に示すR―R方向へ回動動作されることにより行われる。
尚、チルト駆動部13によるチルト調整は、光ディスク2の面振れの他には、例えば、後述する光ピックアップ6の製造誤差や配置誤差等により発生する光ディスクの傾斜や光ディスクに入射する光ビームの傾斜による収差を補正するためにも行われる。
チルト駆動部13は、上述したように、回路基板18を介して電源からチルト用コイル19に供給された駆動電流の向きに応じてチルト用磁気回路20に所定の方向への推力が発生することにより動作される。
光ディスク装置1において、上述のチルト調整が行われていないときには、チルト駆動部13が図4に示すR―R方向における中立位置、即ち、チルト駆動部13が固定部11のベース部14に平行な状態にある位置で保持されている。
チルト駆動部13の中立位置における保持は、チルト駆動部13の両端面に取り付けられた磁性部21がそれぞれチルト用マグネット17の中央部に引き寄せられることにより行われる。
以上のように、光ディスク装置1にあっては、支持ブロック9にチルト用磁気回路20を形成してチルト調整を行っているため、チルト駆動用の電流を供給するためのチルト駆動部13と可動ブロック10とを連結する支持バネを設ける必要がなく、4本の支持バネ22によって可動ブロック10とチルト駆動部13とを連結することができる。
従って、支持ブロック9と可動ブロック10とのバランスが崩れることがなく、両者の間の良好なバランスを確保した状態で可動ブロック10を支持ブロック9に対して動作させることができ、対物レンズ駆動機構8の良好な特性を確保したままでレーザー光のスポットの光ディスク2の記録トラックに対する追従性の向上を図ることができる。
また、各コイル、すなわち、チルト用コイル19、フォーカシングコイル28及びトラッキングコイル29が支持ブロック9と可動ブロック10とに分散して配置されるため、対物レンズ駆動機構8の小型化及び薄型化による光ディスク装置1の小型化及び薄型化を図ることができると共に対物レンズ駆動機構8の良好な組立性を確保することができる。
尚、チルト駆動部13を中立位置に保持する手段として、磁性部21を設けた例を示したが、磁性部21に代えてチルト駆動部13と固定部11のベース部14との間に中立用バネを介在させることによりチルト駆動部13を中立位置に保持するようにしてもよい。
次に、上述した光ピックアップ6の光学系について、図5を用いて説明する。
本発明を適用した光ピックアップ6は、図5に示すように、所定の波長の光ビームを出射する半導体レーザ等の光源41と、この光源41から出射された光ビームを光ディスク2の信号記録面に集光させる対物レンズ27と、この対物レンズ27を傾斜させる傾斜手段として対物レンズ駆動機構8と、光ディスク2で反射された戻りの光ビームの光路を光源41から出射された光ビームの光路から分離する光路分離手段としてビームスプリッタ43と、ビームスプリッタ43で光路分離された戻りの光ビームを検出するフォトディテクタ等の光検出器44とを備える。
また、この光ピックアップ6は、光源41とビームスプリッタ43との間に配置され、光源41から出射された光ビームを平行光とするコリメータレンズ45と、ビームスプリッタ43と対物レンズ27との間に配置され、通過する光ビームの偏光状態を変える1/4波長板46と、ビームスプリッタ43と光検出器44との間に配置され、戻り光を光検出器44に収束させるマルチレンズ47とが設けられる。
光源41は、所定の波長のレーザ光を出射する半導体レーザが用いられる。対物レンズ27は、入射した光ビームを光ディスク2の信号記録面上に集光させる。この対物レンズ27は、上述した対物レンズ駆動機構8によって移動自在に支持されている。そして、この対物レンズ27は、光検出器44で検出された光ディスク2からの戻り光のRF信号により生成されたトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号に基づいて、対物レンズ駆動機構8により移動操作されることにより、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動される。そして、対物レンズ27は、光源41から出射される光ビームが光ディスク2の信号記録面上で常に焦点が合うように、この光ビームを集束するとともに、この集束された光ビームを光ディスク2の信号記録面上に形成された記録トラックに追従させる。
また、対物レンズ27は、光ディスク2を基準とした(以下、「ディスク基準の」という)対物レンズ27に入射する光ビームの傾きに対するディスク基準の対物レンズの傾きの比例定数kが以下の式(3),(4)を満たすように形成される。
尚、式(3),(4)において、
k:比例定数、
θ:製造誤差や配置誤差等により発生する、光ディスク2の基準面Sに対する傾斜角度、
θ:製造誤差や配置誤差等により発生する、光ディスク2に入射する光ビームの基準面Sに直交する方向Dに対する傾斜角度、
θ:光ディスク2及び光ビームの傾斜角度がそれぞれθ、θである場合の、光ディスク2上での収差を最小にする対物レンズ27の基準面Sに対する傾斜角度、
とする。
k=(θ−θ)/(θ−θ) ・・・(3)
0.106≦k≦1.894 ・・・(4)
ビームスプリッタ43は、光源41から出射された往路側の光ビームを反射させて光軸を90°変化させ、対物レンズ27側に導くとともに、光ディスク2で反射された復路側の光ビームを透過させて往路側の光ビームの光路から分離させて光検出器44側に導くハーフミラー面43aを有する。
このハーフミラー面43aは、入射したレーザ光の一部を反射し、残りの一部を透過する。すなわち、光源41から出射される光ビームのP偏光は、略全光量がハーフミラー面43aを透過し、S偏光は、略全光量がハーフミラー面43aで反射するような特性の光学薄膜が形成されている。
この光ピックアップ6において、対物レンズ駆動機構8は、基準面Sに対して対物レンズ27を傾斜させることにより、チルト調整を行うものであり、対物レンズ27により集光される光ビームの光軸、ディスクテーブル4に装着される光ディスク2の傾きに起因して発生する収差を補正する補正手段として機能する。ここで、基準面Sは、仮想的に設定されるものであり、ここでは、スピンドルモータのモータ軸に直交する面、すなわち、シャーシ等の機械的基準面である。
このチルト調整を行う対物レンズ駆動機構8は、光ディスク2のトラッキング方向に対して傾斜するR方向に可動とされた対物レンズ27を機械的に傾斜させることができる。すなわち、対物レンズ27は、対物レンズ駆動機構8により光ディスク2に対するR方向の傾斜角度を変化される。対物レンズ駆動機構8は、対物レンズ27を基準面に対してR方向に傾斜させて、すなわちチルトを変化させることにより、光ビームの光軸及び光ディスク2の傾斜に起因する収差を調整することができる。したがって、対物レンズ駆動機構8は、対物レンズ27の傾斜角を調整して、集光する光ビーム及び光ディスク2の傾斜に起因する収差を補正する。
光ピックアップ6は、制御部48に制御され、光検出器44で検出された検出信号に基づいて、チルト補正量成分を生成するチルト調整制御回路49と備える。そして、チルト調整を行う対物レンズ駆動機構8は、チルト調整制御回路49で生成されたチルト補正量成分により、集光する光ビームの傾き、及び、光ディスク2の傾きに起因する収差が最小となるように、対物レンズ27をR方向に回転操作して、光ビーム及び光ディスク2のチルトに起因する収差が最小となる位置に移動させる。
尚、ここでは、対物レンズ27をトラッキング方向及びフォーカシング方向に駆動するとともに、対物レンズ27を光ディスク2のトラッキング方向に対して傾斜する方向に駆動する所謂3軸アクチュエータとして対物レンズ駆動機構8を設けるように構成したが、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカシング方向に駆動する2軸アクチュエータと、光ディスク2のトラッキング方向に傾斜する方向に駆動するチルト調整機構とを別個に設けるように構成してもよい。
以上のように構成された光ピックアップ6は、光検出器44によって得られたフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、対物レンズ27を駆動変位させることによって、光ディスク2の信号記録面に対して対物レンズ27が合焦位置に移動されて、光ビームが光ディスク2の信号記録面上に合焦されて、光ディスク2に対して情報の記録又は再生が行われる。
次に、光ピックアップ6における、光源41から出射された光ビームの光路について説明する。
図5に示すように、光源41から出射された光ビームは、コリメータレンズ45を通って平行光とされ、ビームスプリッタ43のハーフミラー面43aでそのS偏光成分が反射される。このとき、ハーフミラー面43aを透過したP偏光成分は、後の工程には影響を及ぼさない。
ハーフミラー面43aで反射された光ビームは、1/4波長板46で円偏光に変換され、対物レンズ27により光ディスク2の信号記録面上に集光される。光ディスク2に集光された光ビームは、光ディスク2で反射され、対物レンズ27を透過して、1/4波長板46でP偏光に変換され、再びビームスプリッタ43に入射する。
ビームスプリッタ43に入射した戻りの光ビームは、ハーフミラー面43aを透過する。この戻りの光ビームは、S偏光であるので、略全量ハーフミラー面43aを透過される。このビームスプリッタ43から出射される戻りの光ビームは、その光路が光源41から出射された光ビームの光路から分離され、光検出器44側に向けて射出される。
ビームスプリッタ43を透過された戻りの光ビームは、マルチレンズ47により収束されて、光検出器44の受光面上に集光される。
本発明を適用した光ピックアップ6は、対物レンズ駆動機構8が対物レンズ27の基準面Sに対する傾斜角度θを変化させることにより、光ディスク2の傾斜及び集光する光ビームの光軸の傾斜により光ディスク2上に発生する収差を低減することができる。すなわち、本発明を適用した光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置は、収差を低減し、光ディスクや入射光線の傾き誤差の許容量を大きくすることができる。
すなわち、本発明を適用した光ピックアップ6は、従来の光ピックアップでは、対物レンズが光ディスクに平行になるように傾斜させることにより、入射光線との傾斜角が増加することに起因して非点収差が発生しており、この非点収差が球面収差やコマ収差とは異なり、サジタル光線とメリジオナル光線との差に起因する収差であるため従来の光学設計では低減できなかったが、この問題を解決し、従来に比べて非点収差を低減することができ、結果として収差全体を抑えることができる。
次に、上述の光ピックアップにおいて、基準面Sに対する光ディスク2の傾き、光ディスク2に入射する光ビームの傾き、及び対物レンズ27の傾き、並びに、比例定数kの関係についてさらに詳細に説明する。
本発明を適用した光ピックアップ6は、図6、図7に示すように、光ディスク2に対して傾きをもつ入射光線に対して、対物レンズ27が光ディスク2に対して傾斜した状態で収差が補正されるような光学設計を行うことにより、従来の光ディスクに対して正対する対物レンズと比較して、非点収差及び収差全体をさらに低減することができ、より良好な光学特性を得ることができる。
すなわち、光ピックアップ6では、図7(a)に示すように、光ディスク2や入射光線Bの傾きがない正常の状態から、図7(b)に示すように、光ディスク2や入射光線Bが傾斜されたときに、対物レンズ27が光ディスク2に傾斜された状態で、光ディスク上での収差を抑えることが可能となる。
図6に示すように、部品の製造誤差や配置誤差等によって発生する光ディスク2の基準面Sに対する傾きをθ、光ディスク2に入射する光ビーム(以下「入射光線」という)の基準面Sに直交する方向Dに対する傾きをθ、そして、これらのθ、θに対して、光ディスク2上での収差を最小にする対物レンズ27の基準面Sに対する傾きをθとする。尚、基準面Sは、光ピックアップを用いた光ディスク装置の機械的な基準である。
このように定義した場合、基準面Sに対してθだけ傾いた光ディスク2を基準とした(以下「ディスク基準の」という)入射光線の傾き(θ−θ)が一般的な値として知られている2°程度以下であれば、光ディスク2を基準とした(以下「ディスク基準の」という)対物レンズ27の傾き(θ−θ)との間には、次式(5),(6)の関係が成立する。尚、式(5),式(6)において、kは比例定数を示すものである。
θ−θ=k(θ−θ) ・・・(5)
θ=k(θ−θ)+θ ・・・(6)
ここで、基準面Sに対する光ディスク2の傾きθの値の範囲を−d≦θ≦+d(d>0)、基準面Sに直交する方向Dに対する入射光線の傾きθの値の範囲を−r≦θ≦+r(r>0)とし、この傾き誤差を含む光ディスク2に傾き誤差を含む入射光線が入射する場合のθの値の範囲について考える。
この場合、図8(a)及び図8(b)に示すように、近軸光線が対物レンズ27を通過する際の、タンジェンシャル方向の対物レンズ27内の距離、すなわち、タンジェンシャル側の光路OPtanと、ラディアル方向の対物レンズ27内の距離、すなわち、ラディアル側の光路OPradとの関係は、対物レンズ27と入射光線との傾きの差を用いて次式(7)によって表すことができる。尚、図8(a)は、対物レンズ27のタンジェンシャル方向からの断面図を示すものであり、図8(b)は、対物レンズ27のラディアル方向からの断面図を示すものである。
OPtan≒OPradcos(θ−θ)・・・(7)
この、タンジェンシャル側の光路OPtanとラディアル側の光路OPradとの差(OPrad−OPtan)が非点収差の原因となる。(以下、タンジェンシャル側の光路とラディアル側の光路との差を、「光路差」という。)
光ディスク及び入射光線の傾斜による非点収差を低減させるためには、この値(OPrad−OPtan)を低減させることが必要であり、従来の設計に対して非点収差を80%以下に抑えるためには、従来の設計の対物レンズの光路差を(OPrad−OPtanoldとし、対物レンズ27の光路差を(OPrad−OPtannewとすると、次式(8)の関係を満たす必要がある。
Figure 2006196138
式(8)を、式(7)を用いてOPtanを消去するように変形すると、次式(9)が得られる。さらに、この式(9)を式(6)を用いて変形すると、次式(10)が得られる。
Figure 2006196138
式(10)の左辺分母において、従来の設計では、θ=θであり、k=0であることから、式(10)を変形すると、次式(11)及びさらに変形した次式(12)が得られる。尚、次式(12)において、θ及びθの単位は、「六十分法」で示される「度」、すなわち「degrees」である。
Figure 2006196138
式(12)において、入射光線を基準とした光ディスクの傾き(θ−θ)は、一般的に2°以下となっているので、この条件から式(12)を変形すると、次式(13)の関係が得られる。尚、式(12)において、(θ−θ)が2°程度では両辺ともにほとんど変化のない値となっている。
0.106≦k≦1.894 ・・・(13)
kの値を式(13)の範囲内に収まるように設計すること、すなわち、対物レンズ27を形成することにより、従来の設計により形成された対物レンズに対して、非点収差を抑制することができ、良好な光学特性を得ることができる。
以上のように、本発明を適用した光ピックアップ6は、製造誤差、配置誤差等により発生する光ディスク2の傾斜及び対物レンズ27に入射する光ビームの傾斜による非点収差及び収差全体を対物レンズ27を傾斜させることにより低減することができる。
尚、上述の光ピックアップ6において、対物レンズ27は、上述した式(3),(4)を満たすように構成したが、さらに、次式(14)を満たすように構成しても良い。
0.2≦k≦1.8 ・・・(14)
次に、光ピックアップ6を構成する対物レンズとして、式(14)を満たす対物レンズを用いた例について説明する。尚、以下の説明において、上述した対物レンズ27に換えて式(14)を満たす対物レンズ57を用いること以外は、上述と同様であるので、詳細な説明は、省略する。
対物レンズ57は、対物レンズ27と同様に、入射した光ビームを光ディスク2の信号記録面上に集光させる。この対物レンズ57は、上述した対物レンズ駆動機構8によって移動自在に支持されている。そして、この対物レンズ57は、光検出器44で検出された光ディスク2からの戻り光のRF信号により生成されたトラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号に基づいて、対物レンズ駆動機構8により移動操作されることにより、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動される。そして、対物レンズ57は、光源41から出射される光ビームが光ディスク2の信号記録面上で常に焦点が合うように、この光ビームを集束するとともに、この集束された光ビームを光ディスク2の信号記録面上に形成された記録トラックに追従させる。
また、対物レンズ57は、光ディスク2を基準とした(以下、「ディスク基準の」という)対物レンズ57に入射する光ビームの傾きに対するディスク基準の対物レンズの傾きの比例定数kが上述の式(3),(14)を満たすように形成される。
尚、式(3),(14)において、
k:比例定数、
θ:製造誤差や配置誤差等により発生する、光ディスク2の基準面Sに対する傾斜角度、
θ:製造誤差や配置誤差等により発生する、光ディスク2に入射する光ビームの基準面Sに直交する方向Dに対する傾斜角度、
θ:光ディスク2及び光ビームの傾斜角度がそれぞれθ、θである場合の、光ディスク2上での収差を最小にする対物レンズ57の基準面Sに対する傾斜角度、
とする。
対物レンズ57を用いた光ピックアップ6は、制御部48に制御され、光検出器44で検出された検出信号に基づいて、チルト補正量成分を生成するチルト調整制御回路49と備える。そして、チルト調整を行う対物レンズ駆動機構8は、チルト調整制御回路49で生成されたチルト補正量成分により、集光する光ビームの傾き、及び、光ディスク2の傾きに起因する収差が最小となるように、対物レンズ57をR方向に回転操作して、光ビーム及び光ディスク2のチルトに起因する収差が最小となる位置に移動させる。
以上のように構成された光ピックアップ6は、光検出器44によって得られたフォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、対物レンズ57を駆動変位させることによって、光ディスク2の信号記録面に対して対物レンズ57が合焦位置に移動されて、光ビームが光ディスク2の信号記録面上に合焦されて、光ディスク2に対して情報の記録又は再生が行われる。
対物レンズ57を用いた光ピックアップ6における、光源41から出射された光ビームの光路については、上述した対物レンズ27を用いた光ピックアップ6において、対物レンズ27により光ディスク2の信号記録面上に集光されるのに換えて、対物レンズ57により光ディスク2の信号記録面上に集光されること以外は、同様であるので、詳細な説明は省略する。
本発明を適用した、対物レンズ57を用いた光ピックアップ6は、対物レンズ駆動機構8が対物レンズ57の基準面Sに対する傾斜角度θを変化させることにより、光ディスク2の傾斜及び集光する光ビームの光軸の傾斜により光ディスク2上に発生する収差を低減することができる。また、本発明を適用した光ピックアップ6は、対物レンズを常に光ディスク2に平行にする従来の場合に比較して、対物レンズ57の可動角度を減少させることができるので、小型化に寄与する。よって、本発明を適用した光ピックアップ及びこれを用いた光ディスク装置は、小型化、薄型化を図った場合にも、適切且つ最適なチルト調整を実現するものである。
すなわち、対物レンズ57を用いた光ピックアップ6は、従来の光ピックアップでは、アクチュエータによる対物レンズの傾きの制御に限界があり、アクチュエータの小型化を図った場合や想定されるディスクの傾きが大きい場合に対物レンズをディスクに正対する角度に傾斜させることができず、その結果、光ディスク上での収差を抑えられない等の問題が生じていたが、この問題を解決し、対物レンズを傾斜させて収差を低減するとともに、傾斜手段により傾斜される対物レンズの可動角度を低減することができる。
次に、上述の光ピックアップにおいて、基準面Sに対する光ディスク2の傾き、光ディスク2に入射する光ビームの傾き、及び対物レンズ57の傾き、並びに、比例定数kの関係についてさらに詳細に説明する。
対物レンズ57を用いた光ピックアップ6は、図6、図7に示すように、光ディスク2に対して傾きをもつ入射光線に対して、対物レンズ57が光ディスク2に対して傾斜した状態で収差が補正されるような光学設計を行うことにより、従来の光ディスクに対して正対する対物レンズと比較して、より小さな傾斜角で収差補正を実現するものである。
すなわち、対物レンズ57を用いた光ピックアップ6では、図7(a)に示すように、光ディスク2や入射光線Bの傾きがない正常の状態から、図7(b)に示すように、光ディスク2や入射光線Bが傾斜されたときに、対物レンズ57が光ディスク2に傾斜された状態で、光ディスク上での収差を抑えることが可能となる。
上述の対物レンズ27を用いた場合と同様に、図6に示すように、S,θ、θ、θを定義した場合に、ディスク基準の入射光線の傾き(θ−θ)が一般的な値として知られている2°程度以下であれば、ディスク基準の対物レンズ57の傾き(θ−θ)との間には、上述した式(5)、(6)の関係が成立する。
ここで、基準面Sに対する光ディスク2の傾きθの値の範囲を−d≦θ≦+d(d>0)、基準面Sに直交する方向Dに対する入射光線の傾きθの値の範囲を−r≦θ≦+r(r>0)とした場合、θの値の範囲は、次式(15),(16),(17)のように3つの場合に分けて得られる。
k≦0の場合: k( r+d)−d≦θ≦k(−r−d)+d ・・・(15)
0<k≦1の場合: k(−r+d)−d≦θ≦k( r−d)+d ・・・(16)
1<kの場合: k(−r−d)+d≦θ≦k( r+d)−d ・・・(17)
式(15)〜(17)を変形すると次式(18),(19),(20)が得られる。
k≦0の場合: |θ|≦|k(−r−d)+d| ・・・(18)
0<k≦1の場合: |θ|≦|k( r−d)+d| ・・・(19)
1<kの場合: |θ|≦|k( r+d)−d| ・・・(20)
そして、製造誤差や配置誤差等によって発生する光ディスク2の傾きθが大きい場合について考えるので、d>rの条件で式(18)〜(20)をグラフ化すると、θとkの関係は、図9によって表され、k=1の場合に、対物レンズの傾き角度が最小になる。
しかし、k=1とは、対物レンズ57は常に入射光線に正対して、すなわち直交していることを意味するものであり、収差補正を考慮すると、光ディスク2の傾きが大きい場合には、必ずしも良い設計解が得られるとは限らない。すなわち、現実的には、k=1から少し外れた付近で良い設計解が得られることになる。
ここで、従来の光ディスクに対して対物レンズを正対させる、すなわち平行にする設計に対して、アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構8による対物レンズ57の傾き角度を80%以下に抑えるためには、すなわち、次式(21)〜(22)の関係を満たすためには、θが調整量ではなく誤差を含む値であることを考慮して統計的にθ=0とみなすことができるので、kの値が、次式(23)〜(25)で求められた範囲内に収まるように設計すること、すなわち、対物レンズ57を形成することにより、従来の設計により形成された対物レンズに対して、対物レンズ駆動機構8による対物レンズ57の傾き角度を抑えることが可能となる。
|θ|≦0.8θ ・・・(21)
|k(θ−θ)+θ|≦0.8θ ・・・(22)
|(1−k)θ|≦0.8θ ・・・(23)
−0.8≦(1−k)≦0.8 ・・・(24)
0.2≦k≦1.8 ・・・(25)
以上のように、本発明を適用した、対物レンズ57を用いた光ピックアップ6は、製造誤差、配置誤差等により発生する光ディスク2の傾斜及び対物レンズ57に入射する光ビームの傾斜による収差を、対物レンズ57を傾斜させることにより低減することができるとともに、傾斜手段である対物レンズ駆動機構8により傾斜される対物レンズ57の可動角度を低減できる。
以下に、本発明を適用した光ピックアップ6を構成する対物レンズ27,57について、図10及び図11を用いて更に具体的に説明する。図11でその光学性能を示した従来の対物レンズに対して、kの値が0.106〜1.894且つ0.2〜1.8に収まるように設計した対物レンズ27,57の実施例を以下に示す。
図10は、本実施例における、光ディスク2を基準とした入射光線の傾斜に対する収差特性、及び、光ディスク2上での収差を最小にする対物レンズの傾斜との関係を示すグラフである。図10中、実線部L11は、球面収差の収差特性を示し、破線部L12は、コマ収差の収差特性を示し、一点鎖線部L13は、非点収差の収差特性を示し、二点鎖線部L14は、対物レンズの傾斜角度を示すものである。図10中、一点鎖線部L13で示される非点収差を図11の一点鎖線部L33と比較してわかるとおり、従来の対物レンズと比較して、非点収差を低減することで収差全体も低減でき、より良好な光学性能を得ることができる。
本実施例に係る光ピックアップは、従来の光ピックアップと比較して、光線の傾き(ディスク基準)が1.2°のとき、非点収差の値が0.015となり、図11に示す従来の非点収差の値である0.033に対して非点収差を半分程度まで抑えることができる。
また、図10中、二点鎖線部L14で示されるディスク基準の対物レンズの傾斜角度は、図11の二点鎖線部L34と比較して、ディスク基準の入射光線の傾斜につれて変化している。より具体的には、図9に示すように、上述の式(5),(6)で定義したkの値は0.25程度となる。例えば、一般的な値として、d=0.6、r=0.1とした場合には、式(15)〜(17)より、−0.475≦θ≦0.475となり、アクチュエータの最大可動角度は、従来の0.6°に対して80%程度に抑制することができる。
本実施例に係る光ピックアップは、従来の光ピックアップと比較して光ディスクに対する対物レンズの可動範囲を80%程度に抑えることが可能となる。
本発明を適用した光ディスク装置の概略を示す平面図である。 本発明を適用した光ディスク装置を構成する対物レンズ駆動機構の斜視図である。 本発明を適用した光ディスク装置を構成する対物レンズ駆動機構の一部を断面にして示す平面図である。 図3に示す対物レンズ駆動機構のA−A断面図である。 本発明を適用した光ピックアップの光学系の例の概略を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップにおいて、基準面に対する光ディスク、対物レンズ、及び、対物レンズにより光ディスクに集光される光ビームの光軸、の傾斜状態を示す断面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する対物レンズの傾斜状態を示す図であり、(a)は、集光する光ビーム及び光ディスクが傾斜してない状態を示す断面図であり、(b)は、集光する光ビーム及び光ディスクが傾斜している状態を示す断面図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する対物レンズが傾斜した状態の光路を示す図であり、(a)は、タンジェンシャル方向からの断面図であり、(b)は、ラディアル方向からの断面図である。 ディスク基準の光ビームの傾斜に対するディスク基準の対物レンズの傾斜を示す比例定数kの変化に伴う、収差を最小にする基準面に対する対物レンズの傾斜角をθの変化を示す図である。 本発明を適用した光ピックアップを構成する対物レンズとして、kの値が0.106〜1.894且つ0.2〜1.8を満たす対物レンズを用いた実施例における、ディスク基準の光ビームの傾斜に伴う、光ディスク上の各収差及びディスク基準の対物レンズの傾斜の変化を示す図である。 従来の光ピックアップにおける、ディスク基準の光ビームの傾斜に伴う、光ディスク上の各収差及びディスク基準の対物レンズの傾斜の変化を示す図である。 従来の光ピックアップを構成する対物レンズの傾斜状態を示す図であり、(a)は、集光する光ビーム及び光ディスクが傾斜してない状態を示す断面図であり、(b)は、集光する光ビーム及び光ディスクが傾斜している状態を示す断面図である。
符号の説明
1 光ディスク装置、 2 光ディスク、 3 外筐、 4 ディスクテーブル、 6 光ピックアップ、 8 対物レンズ駆動機構、 9 支持ブロック、 10 可動ブロック、 11 固定部、 12 支持軸、 13 チルト駆動部、 27 対物レンズ、41 光源、 43 ビームスプリッタ、 44 光検出器、 45 コリメータレンズ、 46 1/4波長板、 47 マルチレンズ

Claims (4)

  1. 光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップにおいて、
    所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、
    上記対物レンズを傾斜させる傾斜手段と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を検出する光検出器とを備え、
    製造誤差や配置誤差により発生する、上記光ディスクの基準面に対する傾斜角度をθ、上記対物レンズに入射する光ビームの上記基準面に直交する方向に対する傾斜角度をθとしたときの、上記光ディスク上での収差を最小にする上記対物レンズの上記基準面に対する傾斜角度をθとした場合、上記光ディスクを基準とした上記対物レンズに入射する光ビームの傾斜角度に対する上記光ディスクを基準とした上記対物レンズの傾斜角度の比例定数kが以下の式(1),(2)を満たす光ピックアップ。
    k=(θ−θ)/(θ−θ) ・・・(1)
    0.106≦k≦1.894 ・・・(2)
  2. さらに、上記比例定数kが以下の式(3)を満たすことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
    0.2≦k≦1.8 ・・・(3)
  3. 光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ピックアップと、上記光ディスクを保持するとともに回転するディスク回転駆動手段とを備える光ディスク装置において、
    上記光ピックアップは、所定の波長の光ビームを出射する光源と、
    上記光源から出射された光ビームを光ディスクの信号記録面に集光する対物レンズと、
    上記対物レンズを傾斜させる傾斜手段と、
    上記光ディスクで反射された戻り光を検出する光検出器とを備え、
    製造誤差や配置誤差により発生する、上記光ディスクの基準面に対する傾斜角度をθ、上記対物レンズに入射する光ビームの上記基準面に直交する方向に対する傾斜角度をθとしたときの、上記光ディスク上での収差を最小にする上記対物レンズの上記基準面に対する傾斜角度をθとした場合、上記光ディスクを基準とした上記対物レンズに入射する光ビームの傾斜角度に対する上記光ディスクを基準とした上記対物レンズの傾斜角度の比例定数kが以下の式(4),(5)を満たす光ディスク装置。
    k=(θ−θ)/(θ−θ) ・・・(4)
    0.106≦k≦1.894 ・・・(5)
  4. さらに、上記比例定数kが以下の式(6)を満たすことを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
    0.2≦k≦1.8 ・・・(6)

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