JP2007066442A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造の困難性や製造コストの上昇を招来することなく、複数の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態を良好とすることができる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 チルト調整機構(アクチュエータ)により、対物レンズ2及び光ディスク101の相対角度を、一の規格の光ディスク101を用いるときには、この一の規格の光ディスク101について調整された最適なチルト角とし、他の規格の光ディスク101を用いるときには、最適なチルト角に対して予め定められた所定角度だけ変化させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 チルト調整機構(アクチュエータ)により、対物レンズ2及び光ディスク101の相対角度を、一の規格の光ディスク101を用いるときには、この一の規格の光ディスク101について調整された最適なチルト角とし、他の規格の光ディスク101を用いるときには、最適なチルト角に対して予め定められた所定角度だけ変化させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の規格の光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ディスク装置に関する。
従来、複数の規格の光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ディスク装置が提案されている。このような光ディスク装置の光学ピックアップは、対応する光ディスクの複数の規格に応じて、異なる波長の光を発する複数のレーザ光源を有している。あるいは、この光学ピックアップは、対応する光ディスクの複数の規格が一の波長の光に対応したものである場合には、一の波長の光を発する一のレーザ光源を有している。そして、この光学ピックアップは、対応する光ディスクの複数の規格に応じて、一、または、開口数の異なる複数の対物レンズを有しており、この対物レンズにより、レーザ光源から発せられた光を光ディスクの記録面上に集光させる。
すなわち、光ディスクの複数の規格としては、異なる波長の光を用いて一の対物レンズによりこの光を記録面上に集光させるもの、または、一の波長の光を用いて異なる開口数の対物レンズによりこの光を記録面上に集光させるもの、あるいは、互いに異なる波長の光を用いて互いに異なる開口数の対物レンズによりこの光を記録面上に集光させるものが考えられる。
そして、このような光ディスク装置においては、回転駆動機構により保持される光ディスクと光学ピックアップの対物レンズとの相対角度(以下、「チルト角」という。)について、最適な角度となるように、この光ディスク装置の製造時において調整される。
チルト角を検出するチルト検出機構を備えない光ディスク装置においては、製造時に調整された角度のままで、複数の規格の光ディスクが用いられることになる。この場合には、複数の規格のうちのある一の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態が最良となるように、チルト角を調整しておき、他の規格の光ディスクを用いる場合にも、同一のチルト角に設定された状態で使用されることとなる。
一方、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、光学的にチルト角を検出するチルト検出機構を備えた光ディスク装置においては、光ディスクが回転駆動機構に装着される度にチルト角を検出し、この検出結果に応じて、チルト調整機構により、発生する収差や読み出される信号の状態が最良となるように、チルト角を調整、制御している。
前述した従来の光ディスク装置においては、チルト検出機構を備えない場合には、複数の規格のうちのチルト角の調整がなされた規格の光ディスクについては、発生する収差や読み出される信号の状態が最良となるが、他の規格の光ディスクについては、チルト角が最適な状態になるとは限らず、収差や読み出される信号の状態が悪化する虞れがある。
また、チルト検出機構を備えた光ディスク装置においては、チルト検出機構を設けることによって構成が複雑となり、製造の困難性や製造コストの上昇が招来される虞れがある。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、製造の困難性や製造コストの上昇を招来することなく、複数の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態を良好とすることができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る光ディスク装置は、以下の構成を有するものである。
すなわち、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、複数の規格の光ディスクに対応する一、または、互いに異なる波長の光を発する複数のレーザ光源を有し該レーザ光源からの光束を一、または、複数の互いに異なる対物レンズにより光ディスクの記録面上に集光させる光学ピックアップと、対物レンズ及び光ディスクの相対角度を調整するチルト調整機構とを備え、チルト調整機構は、対物レンズ及び光ディスクの相対角度を、一の規格の光ディスクを用いるときには、この一の規格の光ディスクについて調整された最適なチルト角とし、他の規格の光ディスクを用いるときには、最適なチルト角に対して予め定められた所定角度だけ変化させることを特徴とするものである。
この光ディスク装置においては、チルト調整機構により、一の規格の光ディスクを用いるときには、予め調整された最適なチルト角となされ、他の規格の光ディスクを用いるときには、予め定められた所定角度だけチルト角が変化されるので、複数の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態を良好とすることができる。
なお、ここで、光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録を行う記録装置、光ディスクから情報信号の再生を行う再生装置、または、光ディスクに対する情報信号の記録及び光ディスクからの情報信号の再生を行う記録再生装置のいずれであってもよい。
本発明に係る光ディスク装置においては、対物レンズ及び光ディスクの相対角度を調整するチルト調整機構により、一の規格の光ディスクを用いるときには、予め調整された最適なチルト角となされ、他の規格の光ディスクを用いるときには、予め定められた所定角度だけチルト角が変化されるので、複数の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態を良好とすることができる。
そして、この光ディスク装置においては、光ディスクの装着の度にチルト角を検出するようなチルト検出機構を設けることが不要なので、製造の困難性や製造コストの上昇が招来されることがない。
すなわち、本発明は、製造の困難性や製造コストの上昇を招来することなく、複数の規格の光ディスクについて、発生する収差や読み出される信号の状態を良好とすることができる光ディスク装置を提供することができるものである。
以下、本発明に係る光ディスク装置の構成について詳細に説明する。
本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録を行う記録装置、光ディスクから情報信号の再生を行う再生装置、または、光ディスクに対する情報信号の記録及び光ディスクからの情報信号の再生を行う記録再生装置のいずれであってもよい。
この光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段となるスピンドルモータと、光学ピックアップとを備えている。この光ディスク装置において、光学ピックアップは、対応する光ディスクの複数の規格に応じて、異なる波長の光を発する複数のレーザ光源を有するか、あるいは、対応する光ディスクの複数の規格が一の波長の光に対応したものである場合には、一の波長の光を発する一のレーザ光源を有している。そして、この光学ピックアップは、対応する光ディスクの複数の規格に応じて、一、または、開口数の異なる複数の対物レンズを有しており、この対物レンズにより、レーザ光源から発せられた光を光ディスクの記録面上に集光させる。
光ディスクの複数の規格としては、後述するように、互いに異なる波長の光を用いて一の対物レンズによりこれらの光を記録面上に集光させるもの、または、一の波長の光を用いて互いに異なる開口数の対物レンズによりこの光を記録面上に集光させるもの、あるいは、異なる波長の光を用いて異なる開口数の対物レンズによりこれらの光を記録面上に集光させるものが考えられる。
図1は、本発明に係る光ディスク装置における光学ピックアップの構成を示す側面図である。
この光ディスク装置における光学ピックアップは、例えば、図1に示すように、複数の規格の光ディスク101に対応する異なる波長の光を発する複数のレーザ光源1a,1bを有し、これらレーザ光源1a,1bからの光束を一の対物レンズ2により光ディスク101の記録面上に集光させる。
この光学ピックアップにおいて、第1のレーザ光源1aから発せられた光は、第1のコリメータレンズ3により平行光束となされ、第1の回折格子4を経て、合成プリズム5に入射される。第1のレーザ光源1aから発せられた光は、合成プリズム5を透過して、偏光ビームスプリッタ6を透過し、〔λ/4〕板7を経て、対物レンズ2に入射される。そして、この対物レンズ2は、第1のレーザ光源1aから発せられた光を第1の規格の光ディスク101の信号記録面上に集光させる。この信号記録面により反射された光は、対物レンズ2及び〔λ/4〕板7を経て、偏光ビームスプリッタ6に戻る。第1の規格の光ディスク101からの戻り光は、この偏光ビームスプリッタ6によって反射され、検出レンズ(集光レンズ)8及びシリンドリカルレンズ9を経て、光検出器10によって検出される。
一方、第2のレーザ光源1bから発せられた光は、第2のコリメータレンズ11により平行光束となされ、第2の回折格子12を経て、合成プリズム5に入射される。第2のレーザ光源1bから発せられた光は、合成プリズム5において反射され、偏光ビームスプリッタ6を透過し、〔λ/4〕板7を経て、対物レンズ2に入射される。そして、この対物レンズ2は、第2のレーザ光源1bから発せられた光を第2の規格の光ディスク101の信号記録面上に集光させる。この信号記録面により反射された光は、対物レンズ2及び〔λ/4〕板7を経て、偏光ビームスプリッタ6に戻る。第2の規格の光ディスク101からの戻り光は、この偏光ビームスプリッタ6によって反射され、検出レンズ(集光レンズ)8及びシリンドリカルレンズ9を経て、光検出器10によって検出される。
図2は、本発明に係る光ディスク装置におけるチルト調整機構の構成を示す斜視図である。
また、この光ディスク装置は、対物レンズ2及び光ディスク101の相対角度、すなわち、チルト角を調整するチルト調整機構を備えている。このチルト調整機構は、図2に示すように、対物レンズ2を移動操作可能に支持するアクチュエータとして構成することができる。なお、このチルト角は、光ディスクの径方向(ラジアル方向)の傾きである。
このアクチュエータは、対物レンズ2が取付けられたレンズボビン13を4本のワイヤ14によって支持して構成されている。レンズボビン13は、対物レンズ2の光軸方向(フォーカス方向F)、対物レンズ2の光軸に直交する方向(トラッキング方向T)及び対物レンズ2の光軸を傾ける方向(チルト方向R)に移動可能となっている。そして、レンズボビン13には、フォーカス駆動コイル15及びトラッキング駆動コイル16が取付けられている。また、これらフォーカス駆動コイル15及びトラッキング駆動コイル16に磁束を通過させる状態に、マグネット及びヨークからなる磁気回路が設けられている。
したがって、このアクチュエータにおいては、フォーカス駆動コイル15に駆動電流を供給することにより、レンズボビンをフォーカス方向に移動操作することができ、トラッキング駆動コイル16に駆動電流を供給することにより、レンズボビンをトラッキング方向に移動操作することができる。そして、フォーカス駆動コイルは、ラジアル方向に2分割されており、これらに逆極性の駆動電流を供給することにより、レンズボビンをチルト方向に移動操作することができる。
なお、このチルト調整機構は、対物レンズ2ではなく、アクチェータ全体を傾ける機構として構成してもよい。
そして、この光ディスク装置においては、チルト角は、一の規格の光ディスクについて最適な角度となるように、この光ディスク装置の製造時において調整される。そして、この光ディスク装置においては、他の規格の光ディスクが装着されたときには、後述するように、チルト調整機構により、予め設計された一定の角度だけ、チルト角を変化させる。
〔ディスクチルト角及びレンズチルト角と波面収差との関係について〕
ここで、規格A(「DVD」規格)の光ディスク及び規格B(「CD」規格)の光ディスクについて、ディスクチルト角及びレンズチルト角と波面収差との関係について説明する。ディスクチルト角とは、光ディスクの傾きのことであり、レンズチルト角とは、対物レンズの傾きのことである。
ここで、規格A(「DVD」規格)の光ディスク及び規格B(「CD」規格)の光ディスクについて、ディスクチルト角及びレンズチルト角と波面収差との関係について説明する。ディスクチルト角とは、光ディスクの傾きのことであり、レンズチルト角とは、対物レンズの傾きのことである。
規格Aは、規格Bに対して、使用波長が短波長で、かつ、開口数(NA)が大きい対物レンズを用いる高密度記録の規格である。規格Aにおいては、使用波長が650nmで、対物レンズの開口数(NA)が0.65である。規格Bにおいては、使用波長が780nmで、対物レンズの開口数(NA)が0.45である。
図3は、ディスクチルト角が0.2度のときのレンズチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
図4は、ディスクチルト角が0.4度のときのレンズチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
図5は、ディスクチルト角が0.6度のときのレンズチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
図3乃至図5に示すように、ディスクチルト角があるときには、コマ収差が増大するため、波面収差が悪化する。しかし、レンズチルト角を与えることにより、コマ収差を低減させ、波面収差を低減させることができる。ここで、規格Aと規格Bとでは、波面収差が最小となるレンズチルト角が異なっている。したがって、両方の規格において、チルト角が最小となるようにレンズチルト角を調整すると、いずれかの規格では波面収差が悪化してしまう。
すなわち、規格Aについては、ディスクチルト角が0.2度のときにレンズチルト角を0.2度とし、ディスクチルト角が0.4度のときにレンズチルト角を0.4度とし、ディスクチルト角が0.6度のときにレンズチルト角を0.6度として、それぞれチルト角を0度としたときが波面収差が最小となっているのに対し、規格Bについては、ディスクチルト角が0.2度のときにレンズチルト角を0.4度とし、ディスクチルト角が0.4度のときにレンズチルト角を0.7度とし、ディスクチルト角が0.6度のときにレンズチルト角を0.8度乃至1.0度として、それぞれチルト角を0.2度乃至0.4度としたときが波面収差が最小となっている。
ここで、チルト検出機構を用いて、光ディスクが装着される度にチルト角を検出して調整する場合について考える。
図6は、ディスクチルト角に応じてレンズチルト角を調整した場合に発生する波面収差を示すグラフである。
規格A及び規格Bのいずれにおいても、チルト検出機構を用いて、ディスクチルト角に応じてレンズチルト角を調整し、規格Aについてチルト角を0度とし、規格Bについてチルト角を0.2度乃至0.4とした場合には、図6に示すように、いずれの規格の光ディスクについても、波面収差を略十分に抑えることができる。
図7は、一方の規格(規格A)のみについてレンズチルト角を調整した場合に発生する波面収差を示すグラフである。
図7に示すように、規格Aにおいて波面収差が最小となるように、レンズチルト角を調整した場合には、規格Aの光ディスクについては、波面収差を略十分に抑えることができるが、規格Bの光ディスクについては、大きな波面収差が発生している。
図8は、他方の規格(規格B)のみについてレンズチルト角を調整した場合に発生する波面収差を示すグラフである。
図8に示すように、規格Bにおいて波面収差が最小となるように、レンズチルト角を調整した場合には、規格Bの光ディスクについては、波面収差を略十分に抑えることができるが、規格Aの光ディスクについては、大きな波面収差が発生している。
このように、チルト調整を行った一方の規格の光ディスクに対しては、波面収差を良好に抑えることができるが、チルト調整を行っていない他方の規格の光ディスクに対しては、波面収差を十分に抑えることができない。特に、図8に示すように、規格Bにおいて波面収差が最小となるようにレンズチルト角を調整した場合には、規格Aにおける波面収差は非常に悪化し、マレシャルの評価基準(0.07λrms)に近くなっており、光学性能に余裕がない状態となっている。
〔第1の実施の形態〕
この実施の形態における光ディスク装置は、前述したように、複数の規格の光ディスクに対応した光ディスク装置である。この光ディスク装置の光学ピックアップは、複数のレーザ光源と、これら複数のレーザ光源から発せられた光を光ディスクの記録面上に集光する1つの対物レンズとを有している。また、この光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段となるスピンドルモータと、対物レンズを傾けるチルト調整機構とを備えている。
この実施の形態における光ディスク装置は、前述したように、複数の規格の光ディスクに対応した光ディスク装置である。この光ディスク装置の光学ピックアップは、複数のレーザ光源と、これら複数のレーザ光源から発せられた光を光ディスクの記録面上に集光する1つの対物レンズとを有している。また、この光ディスク装置は、光ディスクを回転駆動する回転駆動手段となるスピンドルモータと、対物レンズを傾けるチルト調整機構とを備えている。
この光ディスク装置においては、チルト角は、一の規格の光ディスクについて最適な角度となるように、この光ディスク装置の製造時において調整されており、他の規格の光ディスクが装着されたときには、チルト調整機構により、予め設計された一定の角度だけ、チルト角を変化させるようにしている。
なお、この光ディスク装置の製造時におけるチルト角の調整は、光ディスクからの読出信号のジッタ、RFレベル、エラーレート、または、発生する波面収差量に基づき、これらが最良の状態となるように調整を行う。
図9は、第1の実施の形態の光ディスク装置において規格Aについてレンズチルト角を調整したときのディスクチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
この光ディスク装置において、規格Aの光ディスクに対してレンズチルト角を最適な状態に調整しておき、規格Bの光ディスクが装着されたとき(記録ないし再生時)には、規格Aの光ディスクが装着されたときに対し、0.2度だけレンズチルト角を変化させる。このとき、対物レンズの光軸は、規格Bの光ディスクに対して垂直とはなっておらず、所定のチルトを持っていることになる。すると、図9に示すように、いずれの規格の光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられる。
図10は、第1の実施の形態の光ディスク装置において規格Bについてレンズチルト角を調整したときのディスクチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
この光ディスク装置において、規格Bの光ディスクに対してレンズチルト角を最適な状態に調整しておき、規格Aの光ディスクが装着されたとき(記録ないし再生時)に、規格Bの光ディスクが装着されたときに対し、0.3度だけレンズチルト角を変化させるようにしてもよい。このとき、対物レンズの光軸は、規格Aの光ディスクに対して垂直とはなっておらず、所定のチルトを持っていることになる。すると、図10に示すように、いずれの規格の光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられる。
このように、いずれの規格に対してレンズチルト角が調整してあっても、他方の規格の光ディスクが装着されたときには、予め定めた所定の角度だけ、レンズチルト角を変化させることにより、いずれの規格の光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられることがわかる。
図11は、規格A及び規格Bの各光ディスクにおいて、波面収差が最少となるディスクチルト角とレンズチルト角の関係を示すグラフである。
前述したように、本発明に係る光ディスク装置において、いずれの規格の光ディスクに対しても波面収差を良好に抑えることができるのは、以下の理由による。すなわち、図11に示すように、規格Aにおけるディスクチルト角とレンズチルト角の関係と、規格Bにおけるディスクチルト角とレンズチルト角の関係とは、ともに直線近似が可能である。そして、規格Aについてのグラフと、規格Bについてのグラフとでは、切片は異なるが、傾きは1と1.25であり、傾きの差は少ない。そこで、規格Aについてのグラフと規格Bについてのグラフの傾きを同じ値とみなして、規格Aの光ディスクで最適なチルト角の調整をしたときには、規格Bの光ディスクを装着したときに、図11に示すグラフのオフセット分だけ、レンズチルト角にオフセットを与え、また、規格Bの光ディスクで最適なチルト角の調整をしたときには、規格Aの光ディスクを装着したときに、図11に示すグラフのオフセット分だけ、レンズチルト角にオフセットを与えることにより、いずれの規格の光ディスクに対しても、良好なチルト制御を行うことが可能となる。
なお、各規格の光ディスクにおいては、概ね次の関係が成立している。
コマ収差∝t・(NA3)/λ
ここで、tはディスクカバー層の厚さであり、NAは対物レンズの開口数であり、λ は使用波長である。
ここで、tはディスクカバー層の厚さであり、NAは対物レンズの開口数であり、λ は使用波長である。
そして、各規格の光ディスクにおいて最適なレンズチルト角が異なる要因は、概ね次の関係があることによる。
コマ収差≒3K・t・α・(NA2)
K=1/〔2n・{1−(1/n2)}〕
ここで、αはチルト角であり、nは屈折率ディスクカバー層の屈折率である。
K=1/〔2n・{1−(1/n2)}〕
ここで、αはチルト角であり、nは屈折率ディスクカバー層の屈折率である。
すなわち、この光ディスク装置においては、チルト制御を行うことで、コマ収差が補正され、波面収差が改善されるのである。
〔光ディスク装置の製造手順及び動作について〕
図12は、本発明に係る光ディスク装置の製造手順を示すフローチャートである。
図12は、本発明に係る光ディスク装置の製造手順を示すフローチャートである。
この光ディスク装置の製造工程においては、図12に示すように、ステップst1で開始し、ステップst2に進み、一の規格の光ディスクを装着し、この光ディスクについてチルト角調整ルーチンを開始する。ステップst3において、チルト角の計測を開始する。ステップst4において、光ディスクからの読出信号のジッタ、RFレベル、エラーレート、または、発生する波面収差量の計測を行う。ステップst5において、ステップst4で計測されたジッタ、RFレベル、エラーレート、または、波面収差量が最良の状態であるかどうかを判別する。測定値が最良の状態でないならば、ステップst3に戻る。測定値が最良の状態であったならば、ステップst6に進み、計測値に対応するチルト角をチルト制御初期値として保存し、ステップst7に進んでチルト角調整ルーチンを終了する。
図13は、本発明に係る光ディスク装置の動作を示すフローチャートである。
この光ディスク装置は、動作を開始すると、図13に示すように、ステップst11でチルト角制御ルーチンを開始し、ステップst12で装着された光ディスクをローディングする。ステップst13で、装着された光ディスクの規格を判別し、製造時においてチルト角の調整に使用された一の規格の光ディスクであれば、ステップst14に進み、他の規格の光ディスクであれば、ステップst15に進む。ステップst14では、チルト角をチルト制御初期値のままとしてステップst16に進み、チルト角制御ルーチンを終了する。ステップst15では、チルト角を所定の角度(オフセット)だけ変化させ、ステップst16に進み、チルト角制御ルーチンを終了する。
この光ディスク装置は、このようにしてチルト角制御ルーチンを終了した後、記録及び/又は再生の動作を開始する。
〔第2の実施の形態〕
本発明に係る光ディスク装置は、前述した実施の形態のように2種類の規格の光ディスクに対応するのみならず、3種類以上の規格の光ディスクに対応するように構成することもできる。
本発明に係る光ディスク装置は、前述した実施の形態のように2種類の規格の光ディスクに対応するのみならず、3種類以上の規格の光ディスクに対応するように構成することもできる。
この実施の形態における光ディスク装置は、3個の異なる波長の光を発するレーザ光源を有する光ピックアップを備え、以下の〔表1〕に示すように、3種類の規格の光ディスクに対応している。なお、規格Cは、「HD DVD」規格、規格Dは、「DVD」規格、規格Eは、「CD」規格である。
図14は、規格C乃至規格Eの各光ディスクにおいて、波面収差が最少となるディスクチルト角とレンズチルト角の関係を示すグラフである。
これら規格C乃至規格Eの各光ディスクにおけるディスクチルト角とレンズチルト角の関係を見ると、図14に示すように、規格Eの光ディスクについては、発生する波面収差は少なく、また、グラフの傾きが規格C及び規格Dの光ディスクと大きく異なるので、チルト角の補正(オフセット)は不要である。
規格C及び規格Dについてのグラフでは、傾きが異なるが、傾きの差は少ないので、規格Dの光ディスクのチルト角について、所定のオフセット角を与える。
図15は、第2の実施の形態の光ディスク装置において規格Dについてレンズチルト角を調整したときのディスクチルト角と波面収差との関係を示すグラフである。
この光ディスク装置において、規格Cの光ディスクに対してレンズチルト角を最適な状態に調整しておき、規格Dの光ディスクが装着されたとき(記録ないし再生時)には、規格Cの光ディスクが装着されたときに対し、所定の角度だけレンズチルト角を変化させる。このとき、対物レンズの光軸は、規格Dの光ディスクに対して垂直とはなっておらず、所定のチルトを持っていることになる。すると、図15に示すように、規格Dの光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられる。
このように、いずれの規格に対してレンズチルト角が調整してあっても、他方の規格の光ディスクが装着されたときには、予め定めた所定の角度だけ、レンズチルト角を変化させることにより、いずれの規格の光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられることがわかる。
〔第3の実施の形態〕
本発明に係る光ディスク装置は、前述した実施の形態のように既製の規格の光ディスクに対応するのみならず、仮想規格の光ディスクに対応するように構成することもできる。
本発明に係る光ディスク装置は、前述した実施の形態のように既製の規格の光ディスクに対応するのみならず、仮想規格の光ディスクに対応するように構成することもできる。
この実施の形態における光ディスク装置は、2個の異なる波長の光を発するレーザ光源を有する光ピックアップを備え、以下の〔表2〕に示すように、2種類の規格の光ディスクに対応している。なお、規格Fは、「BD」規格、規格Gは、仮想規格である。
図16は、規格F及び規格Gの各光ディスクにおいて、波面収差が最少となるディスクチルト角とレンズチルト角の関係を示すグラフである。
これら規格F及び規格Gの各光ディスクにおけるディスクチルト角とレンズチルト角の関係を見ると、図16に示すように、 規格F及び規格Gについてのグラフでは、傾き及びオフセットともに、略一致しているので、チルト角の補正(オフセット)は不要である。
すなわち、いずれの規格に対してレンズチルト角が調整してあっても、他方の規格の光ディスクが装着されたときには、レンズチルト角を変化させることなく、いずれの規格の光ディスクに対しても、波面収差が良好に抑えられることがわかる。
〔光ディスクの各規格について〕
前述の第2及び第3の実施の形態における光ディスク装置においては、前述した各規格の光ディスクについて、以下の関係が成立している。
前述の第2及び第3の実施の形態における光ディスク装置においては、前述した各規格の光ディスクについて、以下の関係が成立している。
コマ収差∝t・(NA3)/λ
ここで、tはディスクカバー層の厚さであり、NAは対物レンズの開口数であり、λ は使用波長である。各規格における使用波長、対物レンズの開口数及びディスクカバー層の厚さは、以下の〔表3〕に示す通りであり、コマ収差の係数は、概ね500以下となっている。
ここで、tはディスクカバー層の厚さであり、NAは対物レンズの開口数であり、λ は使用波長である。各規格における使用波長、対物レンズの開口数及びディスクカバー層の厚さは、以下の〔表3〕に示す通りであり、コマ収差の係数は、概ね500以下となっている。
1a 第1のレーザ光源
1b 第2のレーザ光源
2 対物レンズ
101 光ディスク
1b 第2のレーザ光源
2 対物レンズ
101 光ディスク
Claims (1)
- 光ディスクを回転駆動する回転駆動手段と、
複数の規格の光ディスクに対応する一、または、互いに異なる波長の光を発する複数のレーザ光源を有し、該レーザ光源からの光束を一、または、複数の互いに異なる対物レンズにより前記光ディスクの記録面上に集光させる光学ピックアップと、
前記対物レンズ及び前記光ディスクの相対角度を調整するチルト調整機構とを備え、
前記チルト調整機構は、前記対物レンズ及び前記光ディスクの相対角度を、一の規格の光ディスクを用いるときには、この一の規格の光ディスクについて調整された最適なチルト角とし、他の規格の光ディスクを用いるときには、前記最適なチルト角に対して予め定められた所定角度だけ変化させる
ことを特徴とする光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007066442A true JP2007066442A (ja) | 2007-03-15 |
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- 2005-08-31 JP JP2005252014A patent/JP2007066442A/ja active Pending
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