JP2005201280A - 流量弁制御装置及び流量弁の製造方法 - Google Patents

流量弁制御装置及び流量弁の製造方法 Download PDF

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帥男 三好
Hidetoshi Okada
英俊 岡田
Hajime Kako
一 加古
Yasushi Ouchi
裕史 大内
Satoshi Kawamura
敏 川村
Toshihiko Miyake
俊彦 三宅
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Abstract

【課題】 ステッパモータ型の流量弁において正確な初期化処理を行うことができなかった。
【解決手段】 無負荷状態では脱調せずかつ弁軸の他端に当接すると脱調する周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、ステッパモータが脱調した後初期化処理するようにした。
【選択図】 図10


Description

この発明は、内燃機関に配設された流路を流れる流体の流量を制御するステッパモータ型の流量弁制御装置、およびその流量弁の製造方法に関するものであって、例えば排気ガス還流制御弁あるいはアイドル回転速度制御弁などに適用されるものである。
内燃機関の排気ガス還流制御装置に用いられる排気ガス還流制御弁として、開閉およびその開弁量がステッパモータにより電気的に行われるよう構成されたものが既に提案されておりこれは例えば特開平2−238162号公報に示されている。
ところで、この種の排気ガス還流制御装置においては、コストダウンのために排気ガス還流制御弁の弁の位置を検出するポジションセンサを設けないものが一般的である。このため、排気ガス還流制御弁の開弁量を知るために、所定の弁の位置を基準点とし、弁が基準点にあったときから開弁方向もしくは閉弁方向の駆動信号をステッパモータにそれぞれ何回与えたかを計数することにより弁の仮想位置、即ち現在の排気ガス還流制御弁の開度を得ることが行われている。
従って、このような排気ガス還流制御装置においては、排気ガス還流制御弁の弁の位置を基準点に移動させるとともに、該基準点において上記仮想位置を所定の値に再設定するいわゆる初期化処理(以下イニシャライズと称する)を正確に行うことが重要な要素となる。
従来の排気ガス還流制御装置におけるイニシャライズは、例えば弁を全閉位置に移動させ、その後、仮想位置の値を0に再設定するようになされている。
しかしながら、弁を全閉にしたときにステッパモータの相がどの様な相になっているのか不明であり、また、個々の排気ガス還流制御弁によってその相が異なっていた。
例えば、4相ステッパモータを使用した排気ガス還流制御弁で考えてみる。弁を全閉にした場合、ステッパモータも所定の位置で停止する。しかしながらこの所定の位置におけるステッパモータの相は、0相乃至3相のうちいずれであるか不明である。
従って、次に弁を開弁方向に1ステップだけ駆動するためには、0相から1ステップだけ開弁する駆動信号を与えたらよいのか、あるいは2相から1ステップだけ開弁する駆動信号を与えたらよいのか不明であり、どのような駆動信号をステッパモータに与えればよいのか特定できなかった。ステッパモータの相と駆動信号とが一致していなければステッパモータを回転させることはできない。
従って、もしステッパモータの相と駆動信号とが一致していなければ、開弁方向の駆動信号をステッパモータに5回与えたとしても、実際の移動量は3ステップ分だけであったりする。このため、正確な排気ガス還流制御を行うことができなかった。
また、従来の排気ガス還流制御装置では、イニシャライズを内燃機関の始動時あるいは停止時などで行っているだけであるから、排気ガス還流制御中においてステッパモータが脱調しても、キースイッチを操作するまで脱調によるずれを修正することができなかった。
この発明は、上述の問題点を解決するために為されたもので、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相を位置決めする位置決め手段、および第2の調節手段が不要で、しかも簡単な構成で正確に初期化処理できるようにすることである。
また、別体型の流量弁において、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれた位置から、弁体が全閉位置にあるときの弁軸の一端までの距離を簡単にかつ正確に調節できる流量弁の製造方法を提供することである。
また、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相を簡単に調節できる流量弁の製造方法を提供することである。
この発明に係る流量弁制御装置は、無負荷状態では脱調せずかつ弁軸の他端に当接すると脱調する周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、ステッパモータが脱調した後初期化処理するようにしたものである。
また、この発明に係る流量弁制御装置は、ステッパモータが追従できる周波数以上の周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、弁体が弁座に当接した後初期化処理するようにしたものである。
また、この発明に係る流量弁の製造方法は、ステッパモータ側に最も引き込まれたときのモータ軸の位置と全閉位置にある弁軸の他端との間隔をモータ軸に設けられたねじ溝に螺合するねじ部材で所定距離に調節するものである。
また、この発明に係る流量弁の製造方法は、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう軸長の異なるモータ軸を複数種類用意しその中から選択するものである。
また、この発明に係る流量弁の製造方法は、回転子あるいはモータ軸のうち一方は係止部材の位置が異なるものを複数種類用意し、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう前記複数種類の中から回転子あるいはモータ軸を選択するものである。
また、この発明に係る流量弁の製造方法は、モータ軸が所定の位置にあるときのステッパモータの相が、予め定められた相になるようステッパモータの駆動信号の信号線を入れ替えるものである。
(作用)
前記のように構成された流量弁制御装置においては、第2の駆動方法変更手段は、ステッパモータの駆動方向を変更する際ステッパモータの駆動方法を変更する。
また、第2の駆動方法変更手段は、駆動信号の周波数を通常の制御時に比し小さくする。
また、第2の駆動方法変更手段は、ステッパモータを一旦保持した後で駆動方向を変更する。
また、第2の駆動方法変更手段は、駆動信号毎のステッパモータの移動量を通常の制御時に比し少なくする。
また、第2の駆動方法変更手段は、PWM信号でステッパモータを駆動する。
また、流量弁制御手段は、無負荷状態では脱調せずかつ弁軸の他端に当接すると脱調する周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、ステッパモータが脱調した後初期化処理する。
また、流量弁制御手段は、ステッパモータが追従できる周波数以上の周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、弁体が弁座に当接した後初期化処理する。
また、スペーサ部材は、ステッパモータ側に最も引き込まれたときのモータ軸の位置と全閉位置にある弁軸の他端との間隔を所定距離に調節する。
また、モータ軸に設けられたねじ溝に螺合するねじ部材は、ステッパモータ側に最も引き込まれたときのモータ軸の位置と全閉位置にある弁軸の他端との間隔を所定距離に調節する。
また、モータケースとバルブボディとの間のスペーサ部材、あるいは軸長の異なる複数種類のモータ軸は、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう調節する。
また、係止部材の位置が異なる複数種類の回転子あるいはモータ軸は、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう選択される。
また、モータ軸が所定の位置にあるときのステッパモータの相は、ステッパモータの駆動信号の信号線を入れ替えることにより予め定められた相に設定される。
また、スペーサ部材は、ステッパモータ側に最も引き込まれたときのモータ軸の位置と全閉位置にある弁軸の他端との間隔を所定距離に調節する。
また、モータケースとバルブボディとの間のスペーサ部材は、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう調節される。
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
この発明に係る流量弁制御装置は、無負荷状態では脱調せずかつ弁軸の他端に当接すると脱調する周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、ステッパモータが脱調した後初期化処理するようにしたので、簡単な構成で正確な初期化処理が行える。
また、ステッパモータが追従できる周波数以上の周波数の駆動信号でステッパモータを駆動するとともに、弁体が弁座に当接した後初期化処理するようにしたので、簡単な構成で正確な初期化処理が行える。
また、この発明に係る流量弁の製造方法は、ステッパモータ側に最も引き込まれたときのモータ軸の位置と全閉位置にある弁軸の他端との間隔をモータ軸に設けられたねじ溝に螺合するねじ部材で所定距離に調節するので、正確な調節が簡単にできる。
また、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう軸長の異なるモータ軸を複数種類用意しその中から選択するので、調節が簡単である。
また、回転子あるいはモータ軸のうち一方は係止部材の位置が異なるものを複数種類用意し、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときのステッパモータの相が予め定められた相になるよう前記複数種類の中から回転子あるいはモータ軸を選択するので、調節が簡単である。
また、モータ軸が所定の位置にあるときのステッパモータの相が、予め定められた相になるようステッパモータの駆動信号の信号線を入れ替えるので、調節が簡単である。
実施例1.
以下、この発明の実施例について説明する。
実施例1は、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれた位置(以下モータエンドと称する)にあるときのステッパモータの相が予め定めた相になるようにしたものである。図1は、一般的な排気ガス還流制御装置を示す構成図である。
図1において、1は内燃機関であるエンジン、2はエンジン1に吸入される空気を流通させる吸気管、3は吸気管2から分岐して各気筒に空気を流通させるインテークマニホールド、4は吸気管3の上流側に設けられたエアクリーナ、5は吸気管3内に設けられ燃料を噴射するインジェクタである。エアクリーナ4を通って吸気管3内に流入した空気は、インジェクタ5により供給される燃料とともにエンジン1内に吸入される。6はエンジン1に吸入される吸気量を変化させるスロットル弁、7はスロットル弁6をバイパスする流路であるバイパス通路に設けられたアイドル回転速度制御弁である。エンジン1に吸入された混合気は図示しない点火プラグにより燃焼され、燃焼後の排気ガスは排気管8を通って三元触媒からなる浄化装置9で浄化され大気中に放出される。10は流路である排気ガス還流路に配設され流路中の排気ガスの流量を制御するステッパモータ型の流量弁であるEGR弁、11は電子式制御ユニットであって、スロットル弁6の開度を検出するスロットル開度センサ12、吸気管内の圧力を検出する圧力センサ13、エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ14、および点火コイル15とイグナイタ16とからなる点火装置などの運転状態検出手段から得られる情報に基づきEGR弁10の目標位置を演算する目標位置演算手段と、EGR弁10の仮想位置を演算する仮想位置演算手段と、前記目標位置演算手段と前記仮想位置演算手段の演算結果に基づきEGR弁10を前記目標位置に制御すべく駆動信号を発生する流量弁制御手段とを有している。17は電子式制御ユニット11に電力を供給するバッテリで、18は電子式制御ユニット11とバッテリ17との間に設けられたキースイッチである。
図2は電子制御ユニット11の詳細なブロック図である。図2において、100はマイクロコンピュータである。101は点火コイル15の一次側点火信号を波形成形して割込信号を作成する第1入力インターフェイス回路、102はスロットル開度センサ12、圧力センサ13および水温センサ14の信号を取り込む第2入力インターフェイス回路、103は図示しないその他の信号を取り込む第3入力インターフェイス回路で、第1乃至第3入力インターフェイス回路で取り込んだ信号はマイクロコンピュータ100に与えられる。104はマイクロコンピュータ100で発生する駆動信号をEGR弁10に出力する出力インターフェイス回路、105はバッテリ17の電力を受け電源を作成する第1電源回路である。マイクロコンピュータ100は、所定のプログラムに従ってEGR弁10の制御等を算出するCPU200、エンジン1の回転周期を計測するためのフリーランイングのカウンタ201、種々の制御のために時間を計時するタイマー202、アナログ入力信号をディジタル信号に変換するA/D変換器203、第3インターフェイス回路103からの信号を取り込む入力ポート204、ワークメモリとして使用されるRAM205、プログラムが記憶されているROM206、信号を出力するための出力ポート207と、これらを接続するコモンバス208とを有している。
図3は、EGR弁10の断面図であって、後述するモータ軸と弁軸とが一体的に構成されている一体型のEGR弁を示している。このEGR弁は4相のステッパモータ300により駆動されるものであって、ステッパモータ300は、ステータ301、回転子であるロータ302、ロータ302を軸承するベアリング303、304とから構成され、モータケース305に収納されている。ロータ302の先端部302aには雄ねじが設けられている。306はその内側に上記雄ねじと螺合する雌ねじを有するモータ軸であって、ロータ302の回転に伴い軸方向に直線移動する。307はこのモータ軸306に一体的に組み付けられている弁軸でその一端に弁体308を有している。弁体308は弁座309と当接してEGR弁10を閉弁する。310は弁体308を閉弁方向に付勢する圧縮コイルばね、311は圧縮コイルばね310を保持するスプリングホルダである。なお、上述のモータ軸306、弁軸307等の部品は、モータケース305と積層されモータケース305とともにEGR弁10の外壁を構成するバルブボディ312内に収納かつ配置されている。313はモータケース305とバルブボディ312との間に積層されたスペーサ部材であるスペーサで、ステッパモータ300の駆動信号当たりのモータ軸306の移動量(以下1ステップと称する)と同一の厚さ(0.1mm)に設定されている。314は信号線であるリード線で電子式制御ユニット11からの駆動信号をステッパモータ300に伝達する。
次に、このように構成された排気ガス還流制御装置のイニシャライズについて説明する。
実施例1の基本的な技術思想は、まず弁体308を全閉位置に移動させたときのモータ相を予め定めた相、例えば0相になるよう調整しておき、イニシャライズする際、弁体308を全閉位置としその後ステッパモータ300の駆動信号を0相に対応した駆動信号に変更するというものである。このようにすれば、イニシャライズ時において、モータ相と駆動信号とが不一致となることがなく、正確なイニシャライズを行うことができる。
次に弁体308が全閉位置にあるときのステッパモータ300のモータ相の調整について具体的に説明する。
図3の如き一体型のEGR弁では、モータ軸306が最もステッパモータ300側に引き込まれる位置は、弁体308が引き込まれて弁座309に当接した位置であり、これはEGR弁の開弁点(即ち、弁が開き始める点)に相当する。
開弁点におけるステッパモータ300のモータ相の設定は、位置決め手段であるスペーサ313によりなされる。まず、スペーサ313がない状態でEGR弁10を開弁点に設定する。開弁点のステッパモータ300のモータ相を確認する。このときモータ相が、予め定めておきたい相、例えば0相であったならば調整は不要であるが、これが例えば1相であった場合は調整を要する。この場合はステッパモータ300をもう1ステップだけ閉弁方向に回転させればよいので、スペーサ313をモータケース305とバルブボディ312との間に1枚積層してねじ締めすればよい。これにより、弁体308の移動距離が1ステップ分だけ長くなり、もう1ステップだけ閉弁方向に回転できるので調整前は開弁点のモータ相が1相であったのが、調整後には0相となる。
なお、開弁点におけるステッパモータ300のモータ相が、2もしくは3相であった場合は、積層するスペーサ313の枚数を変更すればよい。また、もしくは厚さの異なるスペーサ(例えば2ステップ分、3ステップ分など)を複数種類用意し、その中から適切な厚さのものを選択するようにしてもよい。
また、スペーサ313の代わりに、軸方向長さ(軸長)が異なるモータ軸306を複数種類用意し、その中から適切なものを選択してもよい。この場合、モータ軸306と弁軸307とは一体的に組み立てられたものであるから、位置決め手段としてのモータ軸の軸長とはモータ軸306の軸長と弁軸307の軸長との合計であることは言うまでもない。
なお、前記選択使用されるスペーサおよびモータ軸は、使用するステッパモータの相数に対応した数、例えば4相のステッパモータであれば4種類用意すればよい。
以上により、弁体308が全閉位置にあるときのステッパモータ300のモータ相が設定できた訳である。
では、次に電子式制御ユニット11の処理について説明する。
電子式制御ユニット11の処理の詳細な説明を行う前に、基本的な技術思想を説明しておく。
一体型のEGR弁を電源投入時にイニシャライズした場合のタイムチャートを図4に示す。図において、カウンタCはイニシャライズ準備処理で所定値100に設定されるカウンタ、Fiはイニシャライズが終了したか否かを示すイニシャライズフラグ、カウンタSRは現在のEGR弁の開度、即ち仮想位置を計数するカウンタである。ここで、カウンタSRは仮想位置演算手段を構成している。
電源が投入されると、カウンタCは初期値100に設定されるとともに、イニシャライズフラグFiは0に設定される。このときカウンタSRはイニシャライズされる前であるから、現在のEGR弁の開度は不明であって、その値がいずれの値になるのか不定である。その後、ステッパモータを閉弁方向に100回駆動し、カウンタCが0になったらEGR弁が全閉になったものとして、カウンタSRを0とし、かつイニシャライズフラグFiを1としてイニシャライズを終了する。なお、このときステッパモータの駆動信号は、予め定められたモータ相に対応した駆動信号に変更される。
図5に、排気ガス還流路の入り口と出口との圧力差△Pが200mmHgにおける、ステッパモータのステップ数と排気ガス還流路の流量とを示す。EGR弁は、ステップ数0のとき全閉位置にあり、ステップ数48のとき全開位置にある。 従って、カウンタCの初期値100は、EGR弁がいかなる位置にあったとしても全閉位置まで移動させるのに充分な値であることが解る。なお、当然のことながら、カウンタCの初期値は100以外の所定の値であってもよい。
電子式制御ユニット11の処理について以下詳細に説明する。
メインルーチンの処理を図6に示す。ステップS601ではEGR制御処理以外の詳述しない他の制御処理が行われる。ステップS602は、イニシャライズすべき時期か否かを判定するイニシャライズ時期処理であって、このステップS602については、別途詳述する。ステップS603は、イニシャライズを行うための準備をするイニシャライズ準備処理、ステップS604は、EGR制御を行うEGR制御処理である。
メインルーチンでは、上述のステップS601乃至604を繰り返し処理実行し、エンジンの制御を行う。
ステップS603のイニシャライズ準備処理の詳細を図7に示す。ステップS701は、後述するイニシャライズ時期フラグFtが1であるか否かを判定するもので、イニシャライズ時期フラグFtが1であればイニシャライズ時期であると判定して以下のイニシャライズ準備処理を行い、イニシャライズ時期フラグFtが0であれば何もせず処理を終了する。イニシャライズ時期フラグFtが1であれば、ステップS702においてカウンタCを初期値100に設定し、ステップS703でイニシャライズフラグFiを0にクリアしてイニシャライズ準備処理を終了する。
図8にメインルーチンのEGR制御処理ステップS604の詳細を示す。ステップS801はイニシャライズフラグFiが0か否かによりイニシャライズが完了したかどうかを判定するステップであって、イニシャライズが完了していなければEGR弁の現在の開度が不明でありEGR制御することができないので、この場合は何も行わず処理を終了する。
一方イニシャライズが完了して、EGR弁の現在の開度が解っている場合は、EGR制御が可能であるから以下の処理により、EGR弁の目標位置を演算する。
ステップS802ではエンジン回転数および吸気管圧力を読み込む。ステップS803ではステップS802で読み取ったデータに基づいて予め定められた基本ステッパモータ開度を算出する。これは、例えばエンジン回転数と吸気管圧力とをパラメータとする2次元マップに予め記憶しておくことにより算出できる。なお、このとき補間演算を行えばより精度を向上させることができる。
ステップS804では水温を読み込み、この水温に基づいてステップS805で水温補正係数を算出する。この水温補正係数はエンジンの暖機状態の補正を行うものであって、水温が低いほどEGR弁の開度が少なくなるように作用する。

ステップS806では、ステップS803で求めた基本ステッパモータ開度をステップS805で求めた水温補正係数で補正して、目標位置である目標ステッパモータ開度STを演算し、処理を終了する。なお、ステップS802乃至806は目標位置演算手段を構成している。
以上のようにして、イニシャライズ準備、および目標位置の設定が行われる。 では、次にイニシャライズの処理について説明する。
イニシャライズは、図9に示す一定時間毎(例えば5mS毎)に割込処理されるステッパモータの駆動処理のフローチャート上で行われる。ステップS901はイニシャライズフラグFiが1であるか否かにより、イニシャライズが終了したかどうかを判定するステップであり、前出のステップS801と同様のものである。このときイニシャライズがまだ行われていなければステップS902に進む。ステップS902はイニシャライズ処理を行うステップで、その詳細を図10に示す。
ステップS1001では初期値100に設定したカウンタCが0になったか否かを判定する。カウンタCが0でなければステップS1002に進みカウンタCを1減算する。ステップS1003ではステッパモータ300を、1ステップだけ閉弁方向に駆動するような駆動信号に変更する。この駆動信号は図9のステップS910でステッパモータへ出力され、ステッパモータを1ステップだけ閉弁方向に駆動する。
この処理が複数回繰り返され、やがて、ステップS1001でカウンタCが0であると判定される。このとき、EGR弁は全閉位置にあると考えられるので以下の処理を行う。ステップS1004では、予め定められたモータ相と駆動信号とを一致させるために、駆動信号を予め定められたモータ相に対応した駆動信号に変更する。ステップS1005では、イニシャライズが完了したことを示すためにイニシャライズフラグFiを1に設定する。ステップS1006では、カウンタSRを0に設定して現在のEGR弁の開度が全閉位置にあることを示しイニシャライズを完了する。
イニシャライズが完了すると、図8においてステップS802以降の目標位置の演算が可能になるとともに、図9においてステップS903以降のEGR制御が開始される。
ステップS903では現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRを読み出す。ステップS904ではステップS806で得られた目標ステッパモータ開度STを読み出し、ステップS905で両者を比較する。SRとSTが一致していればステッパモータは目標ステッパモータ開度にある。この場合、ステップS906に進み、現在のステッパモータの駆動信号を変更しないでおく。これによりステッパモータは目標ステッパモータ開度に保持される。一方SRとSTとが一致していなければステップS907に進み、SRとSTとの大小比較を行い、EGR弁を目標ステッパモータ開度に制御するためにはステッパモータを開弁方向に駆動すればよいのか、あるいは閉弁方向に駆動すればよいのかを判定する。
現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRの方が目標ステッパモータ開度STよりも大きければ、ステップS908に進みステッパモータを1ステップ閉弁方向に駆動すべく駆動信号を変更し、ステップS909で現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRを1減算し、ステップS910でステッパモータを駆動する。 逆に、目標ステッパモータ開度STの方が大きければ、ステップS911以下に進み、ステップS914でステッパモータを開弁方向に1ステップ駆動すべく駆動信号を変更し、ステップS915でカウンタSRを1加算するとともにステップS910でステッパモータを開弁方向に駆動する。なお、ステップS911、912、913では、EGR弁を開弁方向に駆動する場合と閉弁方向に駆動する場合とではその速度を変えるようにしたものである。これらのステップは、開弁方向に駆動する場合は、図9の割込処理2回につき1回だけステッパモータを駆動するようにしている。
従って、図9の割込処理は5mS毎に発生するので、閉弁方向の駆動は200PPS(Pluse Per Second)で、開弁方向の駆動は10mS毎の駆動となるので100PPSで行われる。
なお、図8および図9のフローチャートは流量弁制御手段を構成している。
実施例2.
実施例1では、モータ軸306と弁軸307とが一体的に組み立てられた一体型のEGR弁について述べたが、実施例2ではモータ軸と弁軸とが別体で構成された別体型のEGR弁について述べる。
図11に別体型のEGR弁の断面図を示す。図11において図3と同一符号のものは、同一のものあるいは相当するものを示す。
図11において、315は、ロータ302の先端部302aに設けられた雄ねじと螺合してステッパモータ300の回転に伴い軸方向に直線移動するモータ軸、316は一端に弁体308を有し、他端がモータ軸315に当接して軸方向に直線移動せしめられるとともに、圧縮コイルばね310で閉弁方向に付勢された弁軸である。モータ軸315と弁軸316とはスプリングホルダ311の部分で分離されている。317はスペーサであって、前出のスペーサ313と同様のものである。
別体型のEGR弁において、ステッパモータ300を閉弁方向に駆動して行くと、弁体308が弁座309に当接する。このときのモータ軸の位置を開弁点と称するのは、前述した通りである。ところで、別体型のEGR弁では、開弁点よりも更にステッパモータ300側にモータ軸315が引き込まれる。即ち、開弁点において、モータ軸315と弁軸316の他端とが離れる。ステッパモータ300は閉弁方向の回転を続行し、ロータ302に設けられたロータストッパ部302bにモータ軸315が当接したとき停止する。以下、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときの位置をモータエンドと称する。
ここで、一体型のEGR弁について補足すれば、一体型のEGR弁ではモータエンドと開弁点とが同じ位置になっている。その理由は、一体型のものではモータ軸306が弁軸307と分離されていないので、弁軸が全閉位置、即ち開弁点以上にステッパモータ300側に引き込まれることがなく、これによりモータ軸306も固定されてしまうためである。
上述のように、モータエンドと開弁点との位置が異なる別体型のEGR弁の場合には、実施例1を若干変更する必要がある。それは、実施例1では、100回閉弁方向に駆動したならばモータ軸は開弁点に位置しており、そこでイニシャライズすることにより弁が開弁点にあるとき現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRを0に設定することができた。しかしながら別体型のEGR弁において100回閉弁方向にしたならばモータ軸は、開弁点ではなく、モータエンドに位置している。従って、そのままでは開弁点でイニシャライズすることができない。
実施例2ではこれに対応するため、まずステッパモータ300がモータエンドにあるときのモータ相が予め定めた相になるように係止部材で位置決めしている。
また、モータエンドから開弁点までのモータ軸の移動量が所定ステップ数(例えば3ステップ分)になるよう第1の調節手段で調節している。
このように構成されたものの動作を、図12を用いて簡単に説明する。図12において、カウンタC、イニシャライズフラグFiおよび現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRは前出のものと同様で、Fmはモータ軸315がモータエンドに位置したことを示すモータエンド位置フラグである。
実施例1と同様に時刻t0にてカウンタCを100に設定し、ステッパモータ300を閉弁方向に100回駆動する。このときモータ軸315は最もステッパモータ側に引き込まれた位置、即ちモータエンドに位置しており、このときモータエンド位置フラグFmが1に設定される。このときのモータ相は後述の係止部材により例えば0相に規定される。同時にステッパモータの駆動信号を0相に対応したものに変更し、そこから3ステップだけ開弁方向に駆動する。なお、開弁点の位置は、後述の第1の調節手段によりモータエンドから3ステップだけ開弁方向に駆動した位置になるよう調節されている。これによりモータ軸315が開弁点に一致する。このときイニシャライズフラグFiが1に設定され、カウンタSRが全閉位置を示す0に設定される。
図13に、モータエンドにおけるステッパモータ300のモータ相を決める係止部材の斜視図を示す。図において、ロータストッパ部302bおよびモータ軸315に設けられた突出部は、係止部材を構成する。
図13において、ロータ302の閉弁方向の回転に伴いロータストッパ部302bが回転する。この回転によりモータ軸315がステッパモータ300側に引き込まれ、モータ軸315がモータエンドまで移動するとロータストッパ部302bの突出部とモータ軸315の突出部とが当接し、これ以上のロータ302の回転を禁止し位置決めする。
なお、前出のモータ軸306およびモータ軸315は図13に示した如く、円柱を一部切り落とした形状になっており、この平面部とバルブボディ305とによりモータ軸が回転しないように構成されている。
なお、モータエンドでのモータ相は、図14に示すモータ軸315の突出部の位置により調整される。即ち、4相のステッパモータを使用しているのであれば突出部の形成位置が7.5゜ずつ異なるモータ軸を例えば4種類用意しておく。なお、7.5゜は、360゜を前出の48ステップで除した数値であり、ステッパモータが1ステップで移動する角度である。
従って、モータ相の調整は、モータ軸315がモータエンドに位置したときのモータ相を確認し、このモータ相が予め定めたモータ相、例えば0相になるよう4種類のモータ軸の中から1つを選択すればよい。
なお、係止部材を用いずに、ステッパモータ300への配線を変更することにより、モータエンドでのステッパモータ300のモータ相を調整することもできる。
即ち、モータエンドにおけるステッパモータのモータ相が予め定めた相でなかった場合には、図15に示すようにステッパモータ300への配線を入れ替えて、予め定めた相に対応した信号になるよう調整する。
一方、図11において、スペーサ部材としてのスペーサ317は、モータエンドから開弁点までのモータ軸の移動量が所定ステップ数(例えば3ステップ分)になるよう調節する第1の調節手段として機能する。即ち、モータエンドから開弁点までの間隔を3ステップに設定したければ、スペーサ317をモータケースとバルブボディとの間に積層して調節すればよい。
なお、前出のスペーサ313と同様に厚さが異なるものを複数種類用意してもよい。
また、図16に他の第1の調節手段を示す。図16ではスペーサ317をなくし、代わりに弁体308側の先端部に雌形のねじ溝を有するモータ軸318と、このねじ溝に螺合する雄形のねじ部材319とを設けられている。これ以外の点は図11のものと同様である。ここでは第1の調節手段は、前記モータ軸318の先端部に設けられたねじ溝と、ねじ部材319とからなる。
モータエンドから開弁点との間隔は、ねじ部材319をねじ込む、あるいは緩めることにより無段階に調節できる。なお、調節が完了した後、モータ軸318とねじ部材319とを接着剤などの固定手段で固定しておくことが望ましい。
なお、図16では、モータ軸318の先端部内側に雌形のねじ溝を設けているが、先端部外側にねじ溝を設け、ねじ部材319の内側に雌形のねじ溝を設けてもよい。
次に、上述の如く調整された別体型のEGR弁のイニシャライズの処理を説明する。
実施例2におけるイニシャライズの技術思想は、既に説明済みであるためここでは実施例1と異なる点のみについて述べる。なお、プログラムの変更点は、イニシャライズ準備処理とイニシャライズ処理のみであり、その他は実施例1と同様である。
図17に別体型のEGR弁のイニシャライズ準備処理の詳細なフローチャートを示す。図17において、ステップS1701、S1702、およびS1703は、図7のステップS701、S702、およびS703に対応したものであって、異なる点は、ステップS1704が追加されたことである。
ステップS1704は、上述したように、イニシャライズが完了する前ではモータエンド位置フラグFmを0に設定しておくものである。
図18に別体型のEGR弁のイニシャライズ処理のフローチャートを示す。
ステップS1801ではモータエンド位置フラグFmが1に設定されているか否かを判定する。イニシャライズが完了していなければモータエンド位置フラグFmは0であるから、その場合はステップS1802に進む。ステップS1802はステッパモータ300が閉弁方向に所定回数(100回)駆動されたか否か、即ちカウンタC=0か否かを判定する。所定回数駆動されていなければ、カウンタCは0ではないので、ステップS1803に進みカウンタCを1だけ減算した後ステップS1804で駆動信号を1ステップ分閉弁方向に駆動する駆動信号に変更する。この駆動信号は図9のステップS910でステッパモータ300に与えられモータ軸315を1ステップ分だけステッパモータ300側に引き込む。
この動作が繰り返され、やがてカウンタCが0に達する。このときモータ軸315はモータエンドに位置している。この場合、ステップS1802からステップS1805に進み、ステッパモータ300の駆動信号を予め定められた相に対応する駆動信号に変更するとともに、ステップS1806にてモータエンド位置フラグFmを1に設定する。
これで、モータエンドにおけるモータ相と駆動信号とが一致した訳である。
これは、図12でいえば時刻t1のときである。
次回のステップS1801では、モータエンド位置フラグFmが1に設定されているのでステップS1807に進む。以下の処理の動作は、図12でいえば時刻t1から時刻t2の部分である。
ステップS1807では、カウンタCが所定値、例えば3になったか否かを判定する。3未満であればステップS1808に進みカウンタCを1加算し、ステップS1809にて駆動信号を1ステップ分開弁方向に駆動する駆動信号に変更する。この駆動信号はステップS910でステッパモータ300に与えられ、モータ軸315を1ステップ分だけ開弁方向に移動させる。
この動作が3回繰り返されると、カウンタCの値が3となり、ステップS1807からステップS1810に進む。カウンタCが3になるとモータ軸315は、開弁点に位置している(時刻t2)。
ここで、ステップS1811にてカウンタSRを0に設定することにより、現在のステッパモータ開度を0にイニシャライズし処理を終える。
なお、実施例2では開弁点(図12時刻t2)にてイニシャライズしたが、モータエンド(図12時刻t1)にてイニシャライズしてもよい。その場合、実際のEGR弁の開度は、カウンタSRが示す開度よりも3ステップだけ閉弁方向にあることを配慮する必要がある。
実施例3.
実施例3は、モータ軸をステッパモータ側に最も引き込んだとき、即ち、一体型のEGR弁では開弁点、別体型のEGR弁ではモータエンドにおけるステッパモータの脱調を防止して、正確なイニシャライズを行うものである。
図19に基づき、モータ軸をステッパモータ側に最も引き込んだときに生じるステッパモータの脱調とそれによる不具合とを説明する。
図19は、4相のステッパモータを、フルステップ駆動である2相励磁方式により200PPSでイニシャライズするときのモータ軸の動きを示したものである。なお、図19は、別体型のEGR弁について示したものであり、モータエンドと開弁点との間隔は6ステップに調整されている。
イニシャライズ時にステッパモータを閉弁方向に駆動し続けると、カウンタCが0になる前にモータ軸はモータエンドに当接する。このとき、カウンタCがまだ0になっていないので、電子式制御ユニット11はステッパモータをさらに閉弁方向に駆動すべく駆動信号を出力する。このため、モータ軸とモータエンドとの間で衝突が生じ、図示破線の如くステッパモータに脱調が生じる。この脱調はステッパモータの相数に比例した数だけずれるもので、4相の場合は、4、8、12ステップだけ開弁方向にずれる。
ここで、図19は別体型のEGR弁を例に取って説明したが、一体型のEGR弁でも同様の不具合が生じる。
従って、カウンタCの値が例えば3であったときに脱調が生じると、カウンタCが0になるまでの間にステッパモータをモータエンドまで駆動することができず、図の如くモータ軸の位置がずれたままでイニシャライズされ、正確なEGR制御が行えなくなる。
これは、ステッパモータのロータが振動していることに起因すると考えられ、その要因の一つとしてロータの固有振動周波数が約150Hzであるのに対し、ステッパモータをそれ以上の周波数の駆動信号である200PPS(200Hz)で駆動していることが考えられる。
そこで、実施例3ではイニシャライズ時のステッパモータの駆動信号の周波数を小さくして、ロータの振動が収まってから駆動するようにしている。
図20は、イニシャライズ時の駆動信号の周波数を100PPSとするフローチャートで、具体的には、割込処理2回につき1回の割合でステッパモータを駆動するようにしたものである。
図20において、ステップS2001はウエイトフラグが設定されているか否かを判定する。もし、ウエイトフラグが設定されていなければ、ステップS2002に進みウエイトフラグを設定して処理を終了する。
また、ステップS2001でウエイトフラグが設定されていたならば、ステップS2003でウエイトフラグをクリアした上でステップS2004以降に進みイニシャライズ処理を行う。ここで、ステップS2004乃至ステップS2009は、図10のステップS1001乃至ステップS1006に対応したものであり、ここでは説明を省略する。
従って、実施例3においては、ステップS2001乃至ステップS2003により5mS毎の割込処理2回に付き1回しかイニシャライズ処理を行わなくなり、このときステッパモータは100PPSで駆動される。
なお、ステップS2001乃至ステップS2003は第1の駆動方法変更手段を構成している。
このため、振動が抑制されてからステッパモータが駆動されることになり、モータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれたときに生じる脱調を防止することができる。
なお、実施例3ではステッパモータの駆動信号を200PPSから100PPSに変更したが、50PPS、20PPSのようにもっと周波数を小さくすればより効果が得られることは言うまでもない。
さらに、実施例3では一体型のEGR弁の場合のフローチャートのみを示したが、別体型のEGR弁の場合は、図20に示したのと同様に、図18のフローチャートにステップS2001乃至ステップS2003を追加すればよい。
図21に、100PPSの駆動信号でイニシャライズしたときの、モータ軸の動作を示す。
図によれば、図19のようなステッパモータの相数の正数倍の脱調が、もはや生じていないことが解る。
実施例4.
実施例3では、ロータの振動が収まってからステッパモータを駆動するようにしたが、発生する振動を抑制すべく、駆動信号1回当たりのステッパモータの移動量を少なくしてもよい。
具体的には、4相のステッパモータを2相励磁方式で駆動すると1回の駆動信号に対しステッパモータは1ステップ移動する(フルステップ)。
これに対し、1−2相励磁方式で駆動すると1回の駆動信号に対しステッパモータは0.5ステップしか移動しない(ハーフステップ)。1回当たりの移動量が少なくなれば当然発生する振動も小さくなり、脱調が生じ難くなる。
図22に、2相励磁方式と1−2相励磁方式の駆動信号と、その移動量とを示す。
図22の左端において、2相励磁方式で0相から1相に移動、即ち開弁方向に1ステップ移動させる場合は、1相乃至4相コイルへの駆動信号をHHLLからLHHLに変更する。また、1−2相励磁方式で0相から0.5相に移動、即ち開弁方向に0.5ステップ移動させる場合は、1相乃至4相への駆動信号をHHLLからLHLLとすればよい。
なお、この励磁方式は一般に知られたものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図23に、実施例4のフローチャートを示す。図において、ステップS2301、2302、2304乃至2306は図10のステップS1001、1002、1004乃至1006に対応している。変更点は、図10のステップS1003では2相励磁方式で閉弁方向に1ステップ駆動していたのが、図23のステップS2303では1−2相励磁方式で閉弁方向に0.5ステップ駆動するようにしたことである。
また、実施例4では1回の移動量が少なくなるので、イニシャライズ時にモータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれる位置まで戻るようカウンタCの初期値を大きくしなければならないことに注意しなければならない。
なお、図23は一体型のEGR弁を使用した場合のフローチャートを示しているが、同様に別体型のEGR弁を使用した場合は図19のステップS1809を図23のステップS2303のように変更してやればよい。
なお、ステップS2303は実施例4における第1の駆動方法変更手段を構成している。
図24に実施例4を別体型のEGR弁に適用した場合のタイムチャートを示す。
図によれば、カウンタCが0になるまでは1−2相励磁方式でステッパモータが駆動され、それ以降は通常の制御時の2相励磁方式により駆動されている。図24においても、図19のようなステッパモータの相数の正数倍の脱調が、もはや生じていないことが解る。
また、上記処理によりモータ軸とロータストッパ部、あるいは弁体と弁座との衝突時の衝撃が小さくなるので、EGR弁の耐久性が向上する。
実施例5.
実施例4では駆動信号当たりのステッパモータの移動量をフルステップからハーフステップにすることによりロータの振動を抑制するようにしたが、さらにロータの振動を抑制する手段としてマイクロステップ駆動することが考えられる。

マイクロステップ駆動方式は、ステッパモータを例えば正弦波電流で駆動する方法であって、ステッパモータの動きが非常に滑らかに、あるいはほぼ直線的に動くというものである。
図25に、マイクロステップ駆動する場合の各コイルへの駆動信号の一例を示す。なお、この駆動信号は、正弦波でなくとも、例えば三角波あるいは台形波等であってもよい。
また、図25の各コイルへの信号は連続した正弦波信号で描かれているが、実際にはPWM(Pulse Width Modulation)信号により正弦波に近似させた信号である。
また、このマイクロステップ駆動方式も一般に知られた駆動方法であるため、詳細な説明は省略する。
実施例5のフローチャートは特に用意しない。実施例5を実現するためには一体型のEGR弁の場合は、図23のステップS2303を1−2相励磁方式ではなくマイクロステップ駆動方式で閉弁方向に駆動するよう変更する。また、別体型のEGR弁の場合は、図18のステップS1809を2相励磁方式ではなくマイクロステップ駆動方式で閉弁方向に駆動するよう変更すればよい。
なお、これらの変更されたステップは、実施例5において第1の駆動方法変更手段を構成している。
図26にマイクロステップ駆動方式にてイニシャライズを行ったときのモータ軸の動きをタイムチャートで示す。図によるとイニシャライズ時における閉弁方向のモータ軸の動きはほぼ直線状であることが解る。また、図26においても、図19のようなステッパモータの相数の正数倍の脱調が、もはや生じていないことが解る。
なお、実施例5においても、実施例4と同様にカウンタCの初期値はより大きな所定値に設定される。この所定値は、確実にモータ軸を最もステッパモータ側に引き込むためには、マイクロステップ駆動を閉弁方向に何回実施すればよいのかにより決定される。
また、実施例5によれば、駆動信号当たりのステッパモータの移動量が更に小さくなるので、EGR弁の耐久性が更に向上する。
実施例6.
上記実施例では、ステッパモータの振動を抑えるために駆動信号1回当たりのステッパモータの移動量を少なくしたが、ステッパモータを駆動する駆動力を小さくすることにより、ステッパモータの振動を抑制するようにしてもよい。
一般に、4相のステッパモータにおいて、1相励磁方式は2相励磁方式に比し駆動力が小さくなることが知られている。従って、イニシャライズ時にステッパモータの駆動方式を2相励磁方式から1相励磁方式に変更すれば、弁体と弁座(一体型のEGR弁)あるいはロータストッパ部とモータ軸(別体型のEGR弁)が衝突したときの物理的な反発力が小さくなり、ステッパモータが大きく脱調することを防止できる。
実施例6では、この特性を利用してモータ軸がステッパモータ側に最も引き込まれた場合のステッパモータの脱調を防止するものである。
実施例6においてもフローチャートは特に用意しない。実施例6を実現するためには一体型のEGR弁の場合は、図23のステップS2303を1−2相励磁方式ではなく1相励磁方式で閉弁方向に駆動するよう変更する。また、別体型のEGR弁の場合は、図18のステップS1809を2相励磁方式ではなく1相励磁方式で閉弁方向に駆動するよう変更すればよい。
なお、これらの変更されたステップは、実施例6において第1の駆動方法変更手段を構成する。
図27に1相励磁方式にてイニシャライズを行ったときのモータ軸の動きをタイムチャートで示す。図27においても、図19のようなステッパモータの相数の正数倍の脱調が、もはや生じていないことが解る。
また、実施例6によれば、ステッパモータの駆動力が小さくなるので上記衝突時の衝撃が小さくなり、EGR弁の耐久性が向上する。
なお、参考まで、図28に各駆動方式におけるモータ軸の動きを示す。
実施例7.
実施例7は、上記実施例とは異なり、モータ軸とロータストッパ部との衝突によるステッパモータの脱調を物理的に抑制するというものである。
実施例7は、別体のEGR弁に適用される。
実施例7を適用した別体型のEGR弁の断面図を図29に示す。図29においては、図11のスペーサ317が第1の調節手段であるスペーサ320に変更されており、その他の部分は同一符号を付し同様の構成を為している。
実施例7においてスペーサ320は、ロータストッパ部302bとモータ軸315とが衝突した際、ステッパモータ300が脱調してモータ軸315が大きくずれないように機能する。
スペーサ320の作用について説明する。図29は別体型のEGR弁において弁体308と弁座309が当接したとき、即ち開弁点の状態を示している。別体型のEGR弁の場合、モータ軸315は、開弁点で弁軸316と離れて更にステッパモータ300側に引き込まれ、やがてロータストッパ部302bに当接するまで引き込まれる。
ここでモータ軸315の弁軸側端部(図示下方向)と弁軸316のモータ軸側端部(図示上方向)との間隔は、スペーサ320の厚さが薄いほど大きくなる。逆にスペーサ320の厚さが厚くなるほど前記間隔は小さくなる。
従って、別体型のEGR弁のモータ軸がモータエンドにあるときの前記間隔を、スペーサ320で例えば4ステップに調節してやればよい。この場合、モータ軸315の脱調範囲は、ロータストッパ部302bと弁軸316のモータ軸側端部(図示上方向)とで物理的に規制される。これにより、ステッパモータ300に脱調が生じたとしても、ステッパモータの相数の正数倍もずれてしまうということがない。
図30に別体型のEGR弁に実施例7を適用した場合のモータ軸の動きをタイムチャートで示す。
図30の中央部においてステッパモータ300に脱調が発生しているが、開弁点でモータ軸315が弁軸316に衝突することにより、ステッパモータ300がそれ以上脱調しないよう規制されていることが解る。
なお、第1の調節手段はスペーサに限られるものではなく、前出のねじ溝およびねじ部材で構成してもよい。
実施例8.
上述の各実施例によれば、正確なイニシャライズが可能となる。しかしながら、如何に正確なイニシャライズを行ったとしても、EGR制御中にステッパモータが頻繁に脱調したのでは正確なEGR制御を望むべくもない。
実施例8はこの問題点に対応したものであって、EGR制御中にステッパモータが脱調することを防止するものである。
図31、図32は、EGR制御中にステッパモータが脱調する例を示したものである。図において、本来破線の如く制御されなければならないところが、ステッパモータの脱調により実線の如くずれてしまっている。
これらの脱調はステッパモータの駆動方向が変更させられる場合、特にステッパモータを閉弁方向に駆動しているときに回転方向を反転して開弁方向に駆動しようとしたときに多発していることが、発明者らの実験により確認されている。

この原因は主として、閉弁方向に付勢している圧縮コイルばね310によるものと考えられる。即ち、ステッパモータを閉弁方向に駆動する場合は圧縮コイルばね310の付勢力も手伝って駆動し易い状態にあるが、これを急激に反転して開弁方向に駆動しようとするならば圧縮コイルばね310の付勢力に逆らわなければならない。このとき駆動力が弱ければ駆動方向を反転させることができず、ステッパモータの脱調が発生する。
なお、脱調の原因は、前記駆動力によるものだけでなく、前述のステッパモータのロータの振動も関与している。
上記問題点に対応するため実施例8では、ステッパモータの駆動方向を変更する際に急激な変更を行わせないように、換言すると、滑らかにステッパモータの駆動方向の変更が行われるようにしている。
具体的には、ステッパモータの駆動方向が変更されるときの駆動信号の周波数を小さくしている。
ステッパモータの駆動方向を変更するときに駆動信号の周波数を小さくする一例として、前回の駆動方向と今回の駆動方向とが逆である場合にはすぐに反転させずステッパモータを一旦保持してから反転させるという方法が挙げられる。
図33に実施例8が適用されたEGR弁の制御をタイムチャートで示す。図33によると、閉弁方向から開弁方向に、あるいは開弁方向から閉弁方向にステッパモータの駆動方向を変更する際には、1度ステッパモータを保持してから駆動方向を変更するようにしていることが解る。
これにより、ステッパモータの駆動方向が急激に変更されることがないので、ステッパモータの反転動作が滑らかに行われ脱調を防止する。
図34に実施例8を実現するフローチャートを示す。
ここで、図34も図9と同様に所定時間毎、例えば5mS毎に処理される割込処理である。
ステップS3401では、イニシャライズフラグFiが1か否かによりイニシャライズが完了しているか否かを判定し、もしイニシャライズが完了していなければステップS3402に進みイニシャライズを行う。もし、イニシャライズが完了していたらステップS3403、ステップS3404に進み、現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRと目標ステッパモータ開度STとを読み出す。
次のステップS3405乃至ステップS3409は今回のステッパモータの駆動方向が開弁方向、閉弁方向あるいは保持のいずれであるかを判定するステップである。ステップS3405において現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRと目標ステッパモータ開度STとが等しいか否か判定する。もし等しければステッパモータを駆動する必要はないので保持であると判定し、ステップS3406にて今回の駆動方向DiR−NEWに保持を意味する0を設定する。ステップS3405でNOであればステップS3407に進み、ステッパモータの駆動方向を判定する。ステップS3407において、現在のEGR弁の開度SRの方が目標ステッパモータ開度STよりも大きければステッパモータを閉弁方向に駆動しなければならない。この場合、ステップS3408に進みDiR−NEWに閉弁方向を示す−1を設定する。ステップS3407において、逆に目標ステッパモータ開度STの方が大きい場合はステップS3409に進みDiR−NEWに開弁方向を示す1を設定する。
よって、DiR−NEWの設定内容を確認すれば、今回のステッパモータの駆動方向が解る。
ステップS3410は、前回の駆動方向DiR−OLDと今回の駆動方向DiR−NEWとを比較し、両者が異なっている場合はステッパモータの駆動方向が変化したと判断して、ステップS3411にてステッパモータを一旦保持する駆動信号とする。
ここで、ステップS3410およびステップS3411は第2の駆動方法変更手段を構成している。
ステップS3412では今回の駆動方向DiR−NEWの設定内容を、前回の駆動方向DiR−OLDに設定して次回の制御に備える。
ステップS3410において前回と今回の駆動方向とが同じであると判定された場合には、ステップS3413に進む。この場合、前回および今回ともに開弁方向の駆動、もしくは閉弁方向の駆動あるいは保持の3つが考えられる。ステップS3413では今回の駆動方向が0、即ち保持かどうかを判定する。もし、0であれば保持であるから、ステップS3411に進み、前記と同様に処理が進む。0でなければ、ステップS3414に進み、今回の駆動方向DiR−NEWの設定内容により開弁方向かあるいは閉弁方向かを判定する。
今回の駆動方向の設定内容が−1であれば閉弁方向の駆動であるからステップS3415に進み、1ステップだけ閉弁方向に駆動する駆動信号とする。また、ステップS3416では現在のEGR弁の開度を示すカウンタSRの計数内容を1だけ減算し、ステップS3412にて前回の駆動方向DiR−OLDを設定する。
ステップS3414において今回の駆動方向の設定内容が1であれば開弁方向の駆動であるから、ステップS3417以降に進み、1ステップだけ開弁方向に駆動すべく駆動信号を変更する。ステップS3417乃至ステップS3419は開弁方向の駆動を100PPS(割込処理2回に付き1回の割合で駆動)とするための処理で上述の実施例のものと同様のものである。
以下同様に、ステップS3420で駆動信号を開弁方向に1ステップ駆動するものに変更し、ステップS3421にてカウンタSRを1加算し、ステップS3422にて前回の駆動方向DiR−OLDを設定し直す。
ステップS3422では、ステップS3411、S3415あるいはS3420にて設定された駆動信号をステッパモータに与え処理を終了する。
実施例9.
前記実施例8では、ステッパモータの駆動方向を変更する際、ステッパモータを一旦保持することにより反転動作を滑らかにしたが、反転動作時のステッパモータの移動量を少なくして反転動作を滑らかにすることもできる。
例えば、通常の制御時は2相励磁方式(フルステップ)でステッパモータを駆動し、反転時は2相励磁方式を1−2相励磁方式(ハーフステップ)に切り換える。
図35に、反転時にステッパモータの駆動方式を2相励磁方式から1−2相励磁方式に切り換える場合のタイムチャートを示す。
ここでは、ステッパモータの駆動方向が閉弁方向から開弁方向に変化した場合、すぐには反転させず、まずハーフステップだけ閉弁方向に駆動しその後開弁方向の駆動に切り換えている。また、開弁方向から閉弁方向への変化の場合も同様である。
図36に、図35のタイムチャートを実現するフローチャートの一例を示す。 図36も図34と同様に、所定時間毎、例えば5mS毎に処理される割込処理である。図36においてステップS3601乃至ステップS3609は、図34のステップS3401乃至ステップS3409と同様のものであるのでここではその説明を省略する。
ステップS3610では前回と今回とでステッパモータの駆動方向が異なるか否かを判定する。もし、駆動方向が異なっていなければ、ステッパモータの駆動方式を切り換える必要がないので、ステップS3611以降に進み、開弁、閉弁あるいは保持の処理を行う。ステップS3611で今回の駆動方向DiR−NEWが0か、即ち保持か否かを判定し、保持であればステップS3612で駆動信号を保持とする。ステップS3611で今回の駆動方向が0でないならば、開弁方向もしくは閉弁方向の駆動であるのでステップS3613以降に進み、ステッパモータの駆動信号を2相励磁方式で1ステップだけ開弁あるいは閉弁する駆動信号に変更する。
なお、ステップS3613乃至ステップS3620は前述の実施例と同様であるため説明を省略する。
ステップS3621では今回の駆動方向DiR−NEWの設定内容を前回の駆動方向DiR−OLDに設定して次回の割込処理に備える。ステップS3622では、ステップS3612、ステップS3614、ステップS3619で設定された駆動信号をステッパモータに出力しステッパモータを駆動する。
次に、駆動方向が変更された場合の処理を説明する。
ステップS3610において前回と今回の駆動方向が同一でないと判定された場合は、ステップS3623に進む。ステップS3623では前回の駆動方向が1、即ち開弁方向であったか否かを判定する。もし、開弁方向でなかった場合は、ステップS3624に進み、前回の駆動方向が閉弁方向であったか否かを判定する。ここで判定がNOであれば前回の駆動方向は保持であり、保持から開弁あるいは閉弁に切り換える場合は脱調の心配をしなくてもよいので、この場合はステップS3611に進み、2相励磁方式で開弁、閉弁、保持のいずれかの動作を行う。
一方、ステップS3624でYESの場合は、前回の駆動方向が閉弁方向であって、かつ駆動方向が変化したときである。これは、図35において、駆動方向が閉弁方向から開弁方向に切り換わったとき、図示立ち上がり時の状態である。このとき反転動作を滑らかにするため、駆動方式を1−2相励磁方式に切り換えて閉弁方向に0.5ステップだけ駆動する。この駆動方式の切換はステップS3625にて行われる。
その後、処理はステップS3621に進んで前回の駆動方向を1に設定し直し、ステップS3622にてステッパモータに駆動信号が与えられる。
なお、図34において次回の割込処理では、前回および今回の駆動方向はともに1となる。
従って、次回の図36の処理によりステッパモータは、2相励磁方式で開弁方向に駆動する駆動信号が与えられる。
しかしながら、図35によれば、次回の割込処理により駆動方式が1−2相励磁方式から2相励磁方式に切り換えられるものの、励磁パターンとしては1−2相励磁方式の3.5パターンから2相励磁方式の0パターンになるよう駆動信号が切り換えられる。
従って、実際には図35に示すように、ステッパモータの駆動方向が切り換えられる場合、ハーフステップで2回駆動されることとなる。これは、反転動作を滑らかにするのに非常に有効である。
ステップS3623にて前回の駆動方向が1、即ち開弁方向であった場合はステップS3626に進み、駆動方式を1−2相励磁方式に切り換えて0.5ステップだけ開弁方向に駆動する。
以降の処理は、閉弁方向の場合で詳述したのと同様であるから説明を省略する。
上記実施例では、図35に示した如く駆動方向が変化した場合には前回の駆動方向に0.5ステップだけ駆動してその後駆動方向を変えるようにした。
しかしながら本発明の実施の方法はこれに限定されるものではなく、図37に示す如く駆動方向が変化した場合にはすぐに変化した方向に駆動するものの、その駆動量を0.5ステップにするというようにしてもよい。
その場合は、駆動方向が速やかに切り換えられるのでEGR制御の応答性を向上することができる。
なお、ステップS3610およびステップS3623乃至ステップS3626は第2の駆動方法変更手段を構成している。
また、図面による説明は省略するが、反転動作を滑らかにするために2相励磁方式から前出のマイクロステップ駆動方式にしてもよい。この場合は、駆動信号当たりの移動量が微少であるから、反転動作時に1回だけマイクロステップ駆動を行っても意味がない。従って、反転動作を滑らかに行うためには、マイクロステップ駆動を複数回連続して行う必要があることに注意しなければならない。
これにより、反転動作が非常に滑らかになりステッパモータの脱調をより確実に防止することができる。
実施例10.
上記各実施例では、正確なイニシャライズを行うもの、あるいは正確に行ったイニシャライズを無駄にしないためにEGR制御中のステッパモータの脱調を防止するものについて述べた。しかしながら、EGR制御中のステッパモータの脱調を完全に防止することは非常に困難である。
そこで、実施例10では、ステッパモータが脱調してもすぐにイニシャライズできるようイニシャライズの頻度を大きくしている。
実施例10の基本的な技術思想は、EGR制御を必要とせずかつ所定以上の電源(例えば10V)が確保されている特定運転状態になる毎に1回だけイニシャライズすると言うものである。なお、このイニシャライズは上述の実施例で述べたように、モータエンドあるいは開弁点におけるモータ相が予め定めた相になるようになされるものである。
上記特定運転状態の例として、例えばアイドリング状態、エンジンの始動完了時(クランキングが終了、あるいはエンジンが完爆)およびエンジン停止から所定時間以内が挙げられる。ここで、エンジン停止後にイニシャライズをする理由は、エンジン停止時にイニシャライズすることによりEGR弁を全閉にしこれによりエンジン再始動時の始動性を向上させるというものである。
ところで、エンジン停止後に電源電圧を確保するためには図38に示す電源保持回路1100を追加する。図38において、1101はリレー、1102はトランジスタである。電源保持回路1100は図39に示す如くキースイッチ18が開放されても電子式制御ユニット11に所定時間だけ電源を供給するものである。
図40に実施例10のフローチャートを示す。
なお、図40は、前出の実施例において説明を保留したイニシャライズ時期処理である。即ち、図6に戻って説明すると、ステップS601で他の制御処理を行い、ステップS602でイニシャライズしてもよい時期か否か判定し、イニシャライズしてもよい時期であればステップS603でイニシャライズ準備を行い、ステップS604でEGR制御処理を行うのである。
では、図40につき説明する。
ステップS4001では図39に示すTHOLD期間かどうかを判定する。これは、タイマ、あるいはカウンタを使用して、キースイッチ18をオフしてから所定時間経過したか否かにより判定すればよい。ステップS4002ではエンジンがアイドル状態か否かを、ステップS4003では始動完了時か否かを各種検出器の検出信号から判定する。ステップS4001乃至ステップS4003においていずれかの運転状態であればステップS4004において電源が確保されているかどうか判定する。
ステップS4001乃至ステップS4003においていずれの運転状態でもない、あるいはステップS4004において電源が確保されていない場合には、イニシャライズするには不適当な時期であるからイニシャライズ処理を禁止すべくステップS4005でイニシャライズ時期フラグFtを0に設定して処理を終了する。
イニシャライズを実行してもよい運転状態であってかつ電源が確保されている場合にはステップS4006にて前回のイニシャライズ時期フラグFtの設定値に1加算する。
なお、ステップS4001乃至ステップS4004は特定運転状態検出手段を構成している。
ステップS4006乃至ステップS4008は、特定運転状態になったときに1回だけイニシャライズするための処理である。
即ち、図40の処理はメインルーチンに組み込まれているので、特定運転状態においても何回か繰り返し処理される。ところでイニシャライズはその運転状態において1回だけ行えばよいから、初めてステップS4006を通ったときだけイニシャライズ時期フラグFtが1となってイニシャライズが可能となり、2回目以降はステップS4007、4008でイニシャライズ時期フラグFtを2として、同一の運転状態において2回以上のイニシャライズを禁止する。
なお、イニシャライズ時期フラグFtが2となっていても、特定運転状態から外れた場合にステップS4005にてイニシャライズ時期フラグFtが0に設定されるので、再度、特定運転状態となった場合にはイニシャライズ時期フラグFtが1となり、イニシャライズが実行される。
これによりエンジン制御中に頻繁にイニシャライズが行われることになり、ステッパモータが脱調したとしてもすぐに修正することができる。
実施例11.
実施例11は、EGR制御中であってもイニシャライズを行うものであって、例えば目標ステッパモータ開度STが全閉である場合には、同時にイニシャライズを行わせることによりイニシャライズの頻度を大きくするというものである。

図41において、実線は本来のEGR弁の動き、破線は閉弁方向に脱調している場合の動き、一点鎖線は開弁方向に脱調している場合の動きである。
実施例11では、目標ステッパモータ開度STの演算値が0であることを検出することにより目標位置が特定のものであることを検出する特定目標位置検出手段を備えている。この場合、特定目標位置は0、即ちEGR弁の開弁点である。

実施例11の具体的なフローチャートはここでは用意しないが、目標ステッパモータ開度STの値を確認し、ST=0であればイニシャライズ時期フラグFtを1に設定するなどの方法を取ればよく、その実現方法は自由である。
実施例11によれば、EGR弁を全閉にする制御とイニシャライズとを一緒に行うようにしたので、EGR制御を損なうことなくイニシャライズを行うことができ、制御精度および信頼性を向上させることができる。
実施例12.
上記各実施例では、イニシャライズの方法自体が同じであったが、この実施例ではより簡単なイニシャライズの方法を提供する。
具体的には、実施例12では、別体型のEGR弁においてモータエンドでのステッパモータのモータ相を位置決めする位置決め手段がなくても正確なイニシャライズが可能であるEGR弁制御装置を提供する。
ある別体型のEGR弁において、ロータストッパ部などの位置決め手段を設けなくてもモータエンドでのステッパモータのモータ相は、あるモータ相に規定される。このモータ相は機械的寸法などにより物理的に定まり、いつも同じモータ相となる。このとき予め定められた駆動信号、例えば0相から開弁方向に3ステップ駆動するよう駆動信号を3回ほど順次与える。仮にモータエンドでのモータ相がたまたま0相であればモータ軸は開弁方向に3ステップ移動する。また他のモータ相であった場合は、モータ軸は例えば1ステップだけ開弁方向に移動するだけかも知れない。しかし、他のモータ相であっても、モータエンドにおいて毎回同じ駆動信号(0相から開弁方向に3ステップ駆動する駆動信号)を与えると、結果的にモータ軸が停止する位置(モータエンドから開弁方向に1ステップ移動した点)は毎回同じになる。
実施例12は、この特性を利用したものであって、イニシャライズするときには、まずモータ軸をモータエンドまで移動させ、そこで予め定められた駆動信号をステッパモータに順次与え、モータ軸が最終的に停止した位置でイニシャライズするようにしている。
なお、モータ軸が最終的に停止する位置は、モータエンドで予め定められた駆動信号を順次与えた場合にどの位置になるか確認しておき、第2の調節手段としてのスペーサあるいはねじ部材などにより開弁点に調節しておけばよい。
さらに、この開弁点におけるモータ相を確認しておき、イニシャライズ時にはそのモータ相に対応した駆動信号に変更する。
ところで、開弁点におけるモータ相を確認したとしても、実際に確認したモータ相に合わせてプログラム中の予め定められた相に対応する駆動信号を、確認したモータ相に対応した駆動信号になるようプログラムを変更するのは大変であるから、例えば図15で説明したようにステッパモータへの配線を入れ替えることで対応してもよい。
これにより、モータエンドでのモータ相を位置決めする位置決め手段がなくても開弁点において予め定められたモータ相に正確にイニシャライズできる。
実施例13.
実施例12ではモータエンドでのモータ相を決める位置決め手段が不要となったが、最終的にモータ軸が停止する位置をEGR弁の開弁点に調節する第2の調節手段が必要であった。
実施例13では、前記位置決め手段だけでなく前記第2の調節手段をもなくし、かつ正確なイニシャライズが行えるEGR弁制御装置を提供する。
実施例13は別体型のEGR弁に適用されるものであって、イニシャライズするときにまずモータ軸をモータエンドまで引き込む。
次に、無負荷状態では脱調しないが弁軸に当たって負荷がかかると脱調するような周波数の駆動信号で、ステッパモータを開弁方向に駆動する。これにより、モータ軸は、弁軸の他端に当たるまでは開弁方向に駆動される。弁軸に当たると、モータ軸に負荷がかかりステッパモータが脱調してその場で停止する。
このステッパモータが脱調してモータ軸が停止した位置は、モータ軸が弁軸に当たった位置、即ち開弁点である。
従って、この位置で駆動信号を予め定められた相に対応した駆動信号に変更するようにすれば、位置決め手段も第2の調節手段も不要である。
また、実施例13においても、前記実施例12と同様に開弁点でのステッパモータのモータ相の確認と、調整(開弁点のモータ相に合わせてプログラムを変更、あるいはステッパモータへの配線の入れ替え)は必要である。
なお、無負荷状態のステッパモータにおいて脱調が生じる駆動周波数は300Hz、圧縮コイルばね310のスプリング荷重2Kgfがかかった場合に脱調する駆動周波数は200Hzであるから、この実施例においては200〜300Hzの周波数の駆動信号でステッパモータを駆動すればよい。
更に、モータ軸が弁軸の他端に当接したか否かは、ステッパモータを駆動してから所定時間経過したか否かにより判定すればよい。
実施例14.
実施例14は、位置決め手段あるいは第2の調節手段がなくても正確なイニシャライズが行えるものであって、しかも一体型および別体型のEGR弁の両方に適用できるものである。
実施例14では、イニシャライズ時にEGR弁の弁位置を一度開弁方向に移動し、ステッパモータが追従できない周波数(例えば追従できる駆動周波数が300Hzであるならば400Hz)で閉弁方向に駆動する。
ステッパモータは、この駆動信号に追従できないので脱調を生じ、フリー回転状態(空回り)となる。圧縮コイルばね310は、弁体308を閉弁方向に移動させる。よって、モータ軸およびステッパモータ300は、閉弁方向に押戻される。これは弁体308が弁座309に着座するまで続く。
従って、一体型、別体型に拘らず、モータ軸は開弁点まで押戻される。そして、モータ軸が開弁点まで押戻された後で、駆動信号を予め定められた相に対応した駆動信号に変更する。
また、実施例14においても、前記実施例12と同様に開弁点でのステッパモータのモータ相の確認と、調整(開弁点のモータ相に合わせてプログラムを変更、あるいはステッパモータへの配線の入れ替え)は必要である。
また、モータ軸が開弁点まで押戻されたか否かは、ステッパモータを駆動してから所定時間経過したか否かにより判定すればよい。
なお、実施例13、14ではモータ相を調節するに際しプログラムあるいはステッパモータの配線の変更を行っているが、前出の第1の調節手段を使用して調節してもよいことは言うまでもない。
ところで、実施例14ではEGR弁で説明したが、仮に実施例14をアイドル速度制御弁に適用する場合は、弁体を開弁側ではなく閉弁側に移動させた上で高周波数で駆動するようにする。
なぜなら、アイドル回転速度制御弁は、一般に全開位置でイニシャライズするものであるからである。
なお、上記各実施例は、EGR弁について説明したがステッパモータを使用した流量弁(例えばアイドル速度制御弁)一般に適用できるものである。
一般的な排気ガス還流制御装置を示す構成図である。 電子式制御ユニットの構成図である。 一体型のEGR弁の断面図である。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 EGR弁の流量特性図である。 発明に係るメインルーチンを示すフローチャートである。 発明に係るイニシャライズ準備の詳細なフローチャートである。 発明に係るEGR制御処理の詳細なフローチャートである。 発明に係るステッパモータの駆動処理を示すフローチャートである。 発明に係るイニシャライズ処理の詳細なフローチャートである。 別体型のEGR弁の断面図である。 発明に係るイニシャライズを示すフローチャートである。 発明に係る係止部材の斜視図である。 発明に係るモータ軸の斜視図である。 発明に係るステッパモータの信号線の結線図である。 発明に係る第1の調節手段を示す別体型のEGR弁の断面図である。 発明に係るイニシャライズ準備の詳細なフローチャートである。 発明に係るイニシャライズ処理の詳細なフローチャートである。 イニシャライズ時におけるステッパモータの脱調を示すタイムチャートである。 発明に係るイニシャライズ処理の詳細なフローチャートである。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 一般的な4相ステッパモータにおける駆動特性図である。 発明に係るイニシャライズ処理の詳細なフローチャートである。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 一般的なマイクロステップ駆動方式における駆動信号の波形図である。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 一般的な4相ステッパモータにおいて駆動方式を変更した場合のステッパモータの動作を示す特性図である。 発明に係る第1の調節手段を示す別体型のEGR弁の断面図である。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。 ステッパモータの駆動方向が変化した場合の脱調例を示すタイムチャートである。 ステッパモータの駆動方向が変化した場合の脱調例を示すタイムチャートである。 発明に係る第2の駆動方法変更手段の動作を示すタイムチャートである。 発明に係るステッパモータ駆動処理を示すフローチャートである。 発明に係る第2の駆動方法変更手段の動作を示すタイムチャートである。 発明に係るステッパモータ駆動処理を示すフローチャートである。 発明に係る第2の駆動方法変更手段の動作を示すタイムチャートである。 電源保持回路を有する電子式制御ユニットの構成図である。 電源保持回路の動作を示すタイムチャートである。 発明に係るイニシャライズ時期処理を示す詳細なフローチャートである。 発明に係るイニシャライズを示すタイムチャートである。
符号の説明
1:エンジン 2:吸気管 3:インテークマニホールド 4:エアクリーナ 5:インジェクタ 6:スロットル弁 7:アイドル回転速度制御弁 8:排気管 9:浄化装置 10:EGR弁 11:電子式制御ユニット 12:スロットル開度センサ 13:圧力センサ 14:水温センサ 15:点火コイル 16:イグナイタ 17:バッテリ 18:キースイッチ 100:マイクロコンピュータ 101:第1入力インターフェイス回路 102:第2入力インターフェイス回路 103:第3入力インターフェイス回路 104:出力インターフェイス回路 105:第1電源回路 200:CPU 201:カウンタ 202:タイマ 203:A/D変換器 204:入力ポート 205:RAM 206:ROM 207:出力ポート 208:コモンバス 300:ステッパモータ 301:ステータ 302:ロータ 302a:先端部 302b:ロータストッパ部 303:ベアリング 304:ベアリング 305:モータケース 306:モータ軸 307:弁軸 308:弁体 309:弁座 310:圧縮コイルばね 311:スプリングホルダ 312:バルブボディ 313:スペーサ 314:リード線 315:モータ軸 316:弁軸 317:スペーサ 318:モータ軸 319:ねじ部材 320:スペーサ 1100:電源保持回路

Claims (6)

  1. 内燃機関に配設された流路を流れる流体の流量を制御するステッパモータ型の流量弁と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段の検出出力に基づき前記流量弁のステッパモータの目標位置を演算する目標位置演算手段と、前記ステッパモータの仮想位置を演算する仮想位置演算手段と、前記目標位置演算手段と前記仮想位置演算手段の演算結果に基づき前記ステッパモータを前記目標位置に制御する流量弁制御手段と、前記ステッパモータを収納するモータケースと、このモータケースと積層され前記モータケースとともに前記流量弁の外壁を構成するバルブボディと、前記ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸と、一端に前記流量弁の弁体を有するとともに他端が前記モータ軸と当接して直線移動せしめられる付勢された弁軸と、前記弁体と当接して前記流量弁を閉止するとともに前記弁軸の全閉位置を位置決めする弁座とを備え、前記流量弁制御手段は、無負荷状態では脱調せずかつ前記弁軸の前記他端に当接すると脱調する周波数の駆動信号で前記ステッパモータを駆動するとともに、前記ステッパモータが脱調した後初期化処理することを特徴とする流量弁制御装置。
  2. 内燃機関に配設された流路を流れる流体の流量を制御するステッパモータ型の流量弁と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態検出手段の検出出力に基づき前記流量弁のステッパモータの目標位置を演算する目標位置演算手段と、前記ステッパモータの仮想位置を演算する仮想位置演算手段と、前記目標位置演算手段と前記仮想位置演算手段の演算結果に基づき前記ステッパモータを前記目標位置に制御する流量弁制御手段と、前記ステッパモータを収納するモータケースと、このモータケースと積層され前記モータケースとともに前記流量弁の外壁を構成するバルブボディと、前記ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸と、このモータ軸により直線移動せしめられる付勢された弁体と、前記弁体と当接して前記流量弁を閉止するとともに前記弁体の全閉位置を位置決めする弁座とを備え、前記流量弁制御手段は、前記ステッパモータが追従できる周波数以上の周波数の駆動信号で前記ステッパモータを駆動するとともに、前記弁体が前記弁座に当接した後初期化処理することを特徴とする流量弁制御装置。
  3. ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸と、一端に弁体を有するとともに他端が前記モータ軸と当接して直線移動せしめられる付勢された弁軸と、前記弁体と当接して流量弁を閉止するとともに前記弁軸の全閉位置を位置決めする弁座とを備えた流量弁の製造方法において、前記モータ軸は、前記弁軸側の一端の先端部に設けられたねじ溝と、このねじ溝と螺合するねじ部材とを有し、前記ステッパモータ側に最も引き込まれたときの前記モータ軸の位置と全閉位置にある前記弁軸の前記他端との間隔を前記ねじ部材で所定距離に調節することを特徴とする流量弁の製造方法。
  4. ステッパモータを収納するモータケースと、このモータケースと積層され前記モータケースとともに外壁を構成するバルブボディと、前記ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸と、このモータ軸と一体的に直線移動せしめられる付勢された弁体と、前記弁体と当接して流量弁を閉止するとともに前記弁体の全閉位置を位置決めする弁座とを備えた流量弁の製造方法において、前記モータ軸が前記ステッパモータ側に最も引き込まれたときの前記ステッパモータの相が予め定められた相になるよう軸長が異なる前記モータ軸を複数種類用意しその中から選択することにより調節することを特徴とする流量弁の製造方法。
  5. ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸と、前記回転子および前記モータ軸に設けられ前記モータ軸が前記ステッパモータ側に最も引き込まれる位置を位置決めする位置決め手段とを備えた流量弁の製造方法において、前記回転子あるいは前記モータ軸のうち一方は位置決め手段の位置が異なるものを複数種類用意し、前記モータ軸が前記ステッパモータ側に最も引き込まれたときの前記ステッパモータの相が予め定められた相になるよう前記複数種類の中から前記回転子あるいは前記モータ軸を選択することを特徴とする流量弁の製造方法。
  6. ステッパモータの回転子に螺合され回転子の回転に伴い直線移動するモータ軸を備えた流量弁の製造方法において、前記モータ軸が所定の位置にあるときの前記ステッパモータの相を予め定めた相に設定すべく前記ステッパモータの駆動信号の信号線を入れ替えることを特徴とする流量弁の製造方法。
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