JP2733252B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸気制御装置

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JP2733252B2 JP63165368A JP16536888A JP2733252B2 JP 2733252 B2 JP2733252 B2 JP 2733252B2 JP 63165368 A JP63165368 A JP 63165368A JP 16536888 A JP16536888 A JP 16536888A JP 2733252 B2 JP2733252 B2 JP 2733252B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の各気筒の吸気弁と別体に各気筒
に連通する吸気通路毎に配設された吸気制御弁の開閉に
有効な内燃機関の吸気制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、吸気通路毎にこうした吸気制御弁を設ける
ことで、内燃機関の吸気通路での吸気の逆流を防止する
といったことが考えられている。つまり、内燃機関の吸
気行程開始時には、バルブオーバラップによってシリン
ダや排気通路内の既燃ガスが吸気通路へ逆流し、吸気の
充填効率が低下することがあるので、吸気制御弁を用い
て吸気の逆流を防止し、吸気の充填効率を向上して内燃
機関の出力アップを図ることが考えられているのであ
る。
ところで、こうした吸気制御弁の開閉を切り換えるも
のとして、内燃機関の回転運動に連動するカムにより弁
を開閉するもの(米国特許第4,363,302号)、内燃機関
の吸気通路に配設されて吸気圧力にしたがって動作する
リード弁によるもの(米国特許第4,422,416号)等が提
案されていたが、これらは、その弁の開閉が吸気圧やカ
ムの運動等により一義的に定まるために、所望の制御タ
イミングで弁を制御できない問題や、応答性が悪い問題
があった。
そこで、こうした問題を解消するものとして、吸気制
御弁の開閉動作をアクチュエータで制御する提案がなさ
れていた(特開昭62−276219号公報および特開昭62−29
4719号公報)。即ち、第14図に示すように、吸気通路A1
内に回動可能に設けられた複数の可動板A2を、ロッドA3
を介してピエゾ圧電装置A4で上下動することにより、可
動板A2と固定板A5との隙間を調節して、吸入空気量を制
御するようになされていた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、こうした従来技術にあっては、ピエゾ
圧電装置A4の様な直線的に往復運動する駆動手段を採用
し、その往復運動を、メカニカルな機構により弁の開閉
方向に変換して伝達するようになされているために、ピ
エゾ圧電装置A4が高速に往復運動すると、そのメカニカ
ルな機構部分にガタが生じ易く(第14図にあっては、ロ
ッドA4と可動板A2との当接部にガタが生じ易い。)、し
たがって、弁体の制御精度が低下する問題や、そのガタ
部分から異音が生じる問題があった。また、こうしたメ
カニカルな部分の耐久性が劣る問題もあった。
また、ピエゾ圧電装置A4は、往復運動が微少なため
に、前記メカニカルな機構のてこ拡大能力で、往復運動
を弁の開閉方向に拡大するようになされているが、その
てこ拡大率は作動精度・耐久性等の理由によりあまり大
きくできないこともあり、従来例のように弁体部分を複
数化する必要があった。このために、構造が複雑になる
問題があった。
さらに、ピエゾ圧電装置A4に高電圧が供給されてその
ピエゾ圧電装置A4が伸長した状態で、万一その電圧供給
線が断線を起こしたりすると、可動板A2は、吸気通路A1
を閉鎖した状態で停止してしまう可能性がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたもので、簡単
な構造で、制御精度の改善、異音の発生の防止および耐
久性の向上を図り、更には、吸気制御弁のアクチュエー
タが故障しても対応することのできる安全性に優れた内
燃機関の吸気制御装置を提供することを目的とする。
発明の構成 [課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために、前記課題を解決するた
めの手段として、本発明は以下に示す構成をとった。即
ち、本発明の内燃機関の吸気制御装置は、第1図に例示
するように、 内燃機関M1の各気筒に連通する吸気通路M2のスロット
ルバルブM3より上流側に配設され、中心軸回りに回転可
能に軸支された可動部材M4から成り、該可動部材M4を中
心軸回りに回転もしくは揺動することにより前記吸気通
路M2を開放・閉鎖する弁体M5と、 該弁体M5の可動部材M4の中心軸に連結された磁極を有
するロータM6を内部に有し、該ロータM6に対する異なる
方向の磁気力を発生させる少なくとも2つのソレノイド
M7,M8を該ロータM6の周囲に配設し、前記弁体M5の開放
時に第1のソレノイドM7に順方向の電流を流すと共に、
前記弁体M5の閉鎖時に第2のソレノイドM8に順方向の電
流を流すことにより、前記可動部材M4を回転もしくは揺
動させる弁体駆動手段M9と、 前記第1ソレノイドM7が正常に動作しているか否かを
判定する第1ソレノイド動作判定手段M10と、 該第1ソレノイド動作判定手段M10にて前記第1のソ
レノイドM7が正常に動作していないと判定されたときに
前記第2のソレノイドM8に逆方向の電流を流すことによ
り、前記弁体を開放状態に制限する弁体駆動制限手段M1
1と、 を備えたことを特徴としている。
[作用] 以上のように構成された本発明の内燃機関の吸気制御
装置では、内燃機関M1の各気筒に連通する吸気通路M2を
弁体駆動手段M9でもって弁体により開放、閉鎖するに際
し、開放時には第1のソレノイドM7に順方向の電流が流
れる。すると、内部に設けられた磁極を有するロータM6
は、その第1のソレノイドM7により発生する磁気力の方
向に揺動し、このとき、そのロータM6に連結された可動
部材M4も、その中心軸回りに回転もしくは揺動し、吸気
通路M2を開放する。一方、閉鎖時には、弁体駆動手段M9
にあって、第2のソレノイドM8に順方向の電流が流れ、
ロータM6はその第2のソレノイドM7により発生する磁気
力の方向に回転し、そのロータM6に連結された可動部材
M4も、その中心軸回りに回転もしくは揺動し、吸気通路
M2を閉鎖する。更に、第1ソレノイド動作判定手段M10
にて第1のソレノイドM7が正常に動作していないと判定
されたときに、弁体駆動制限手段M11によって第2のソ
レノイドM8に逆方向の電流が流され、前記弁体閉鎖時の
ロータ回転方向と逆方向にロータM6は回転し、弁体M5は
開放側に制御される。
[実施例] 次に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。本発明の第1実施例である吸気制御装置が搭
載されるエンジンのシステム構成を第2図に示す。
同図に示すように、本システムは、4気筒エンジン
1、該エンジン1の吸気系1aに配設された吸気制御装置
3およびこれらを制御する電子制御装置(以下、単にEC
Uと呼ぶ。)4から構成されている。
エンジン1は、4個の気筒5,6,7,8を備え、各気筒5,
6,7,8には、高速適合カムにより開閉されるインテーク
バルブ9,10,11,12が配設され、さらに、エキゾーストバ
ルブ13,14,15,16も設けられている。吸気系1aのスロッ
トルバルブ1bより下流側には、吸気系1aから分岐して各
気筒5,6,7,8に連通する吸気ポート17,18,19,20が配設さ
れている。吸気ポート17,18,19,20には、各々吸気制御
弁21,22,23,24が配設され、これらの吸気制御弁21,22,2
3,24は、各々アクチュエータ25,26,27,28により開閉駆
動される。ここで、吸気制御弁21,22,23,24は、インテ
ークバルブ9,10,11,12の開閉とは独立して、回転速度の
下降に従って実質的にバルブオーバラップ期間が減少す
るようECU4の制御により開閉駆動される。すなわち、高
速適合カム使用のエンジンが、最大トルクを出力可能な
基準回転速度を上回る回転速度で運転されているとき
は、吸気制御弁21,22,23,24を、インテークバルブ9,10,
11,12の開期間とほぼ同じ期間に亘って開弁状態に保持
するか、または、全期間に亘って開弁状態を保持する。
一方、基準回転速度以下の回転速度で運転されていると
きは、該回転速度に応じて短縮するよう予め定められて
いるバルブオーバラップ期間となるように吸気制御弁2
1,22,23,24を開閉する制御が行われる。
エンジン1には、検出器として、各気筒5,6,7,8の図
示しないピストンが上死点(TDC)に位置するときにパ
ルス信号を出力するクランク角センサ29a、所定のクラ
ンク角毎にパルス信号を出力する回転速度センサ29bお
よびエンジン1のノッキング発生を検出するノックセン
サ29cを備える。
前記各センサの信号はECU4に入力され、該ECU4はエン
ジン1を制御する。
ECU4はCPU4a,ROM4b,RAM4cを中心に論理演算回路とし
て構成され、コモンバス4dを介して入出力部4eに接続さ
れ、外部との入出力を行なう。前記各センサの検出信号
は、入出力部4eからCPU4aに入力される。一方、CPU4a
は、入出力部4eを介して、アクチュエータ25,26,27,28
に制御信号を出力する。
なお、吸気制御弁21,22,23,24と、これらに対応する
アクチュエータ25,26,27,28の構造は全て同一のため、
吸気制御弁21およびアクチュエータ25を一例として、以
下に説明する。
第3図に示すように、吸気制御弁21は、吸気ポート17
内に、吸気ポート17の混合気流れ方向に対して垂直に設
けられ、一部が断面半円形に切り欠かれたシャフト31
と、そのシャフト31を軸支する軸受33,35と、そのシャ
フト31の切り欠き部にボルト37,39で固定されて、吸気
ポート17内でそのシャフト31を軸として揺動可能な円盤
状の可動板41と、から構成されている。なお、第3図の
A−A線拡大断面図である第4図に示すように、可動板
41は、吸気ポート17の内径よりも大きな径を有してお
り、揺動時に、吸気ポート17の内壁に形成された衝突部
としてのリング状の段部17aに衝突してその動きが停止
するようになされている。なお、その衝突時の可動板41
の方向が、吸気ポートの混合気流れ方向に対して所定角
度θ(本実施例の場合、67.5゜である。)と成るよう
に、段部17aの位置および可動板41の径が定められてい
る。
一方、アクチュエータ25は、いわゆるPM型のステッピ
ングモータであり、第3図および第3図のB−B線断面
図である第5図に示すように、外装としてケーシング43
が用意され、該ケーシング43内には、前記シャフト31に
連結されるシャフト45と、シャフト45の回りに固設され
た、2極に磁化された永久磁石47とを有し、さらにケー
シング43の内壁には、2相4極のコイル51,52,53,54が
永久磁石47を囲むように配設されている。詳しくは、一
相のコイル51,52は吸気ポート17の混合気流れ方向に、
また、他の相のコイル53,54はそのコイル51,52の配列方
向と垂直となる方向に、それぞれ配列されて、永久磁石
47を囲んでいる。コイル51,52,53,54は、ケーシング43
の内壁にボルト57等で固定されたボビン51a,52a,53a,54
aに1本のエナメル線を巻いた、モノファイラ巻の構成
をしている。
こうして構成されたアクチュエータ25の制御系の回路
図を第6図の回路図に示した。同図に示すようにコイル
51,52,53,54には、抵抗器R1,R2,R3,R4およびコンデンサ
C1,C2,C3,C4がそれぞれ付設されており、ECU4により、
電源Eからコイル51,52,53,54に流れる電流を制御して
いる。詳しくは、電源Eとの閉路を、互いに対向する一
相のコイル51,52と他の相のコイル53,54との間で切り換
えて、コイル51,52,53,54の励磁位置を切り換えるよう
に構成されており、更には、コイル53、54に流れる電流
方向を順方向(図中C方向)、逆方向(図中C方向と逆
方向)に切り換えられるように構成されている。
なお、可動板41の揺動可能範囲は、可動板41の開放時
の安定位置を定めるコイル52,54の配列方向から段部17a
に衝突するまでの所定角度θであるが、この所定角度θ
は、第6図に示すように、可動板41の開放時の安定位置
を定めるコイル51,52の配配列方向と可動板41の閉鎖時
の安定位置を定めるコイル53,54の配列方向との成す角9
0゜よりも小さくなるように構成されている。
以上のように構成された吸気制御弁21およびアクチュ
エータ25の動作を次に説明する。
ECU4により、コイル51,52が励磁する位置に切り換え
られると、コイル51からコイル52(もしくはコイル52か
らコイル51)への磁束が流れ、永久磁石47がその磁極で
定まる所定の方向(第6図、矢印D方向)に揺動し、こ
のとき、その永久磁石47にシャフト31,45を介して連結
された可動板41も同時に揺動する。その後、永久磁石47
は、コイル51,52で定まる安定方向で揺動を停止して、
可動板41が吸気ポート17の混合気流れ方向に向けられ
る。こうして、吸気ポート17は開放される。
一方、ECU4により、コイル53,54が励磁する位置に切
り換えられると、コイル53からコイル54(もしくはコイ
ル54からコイル531)への磁束が流れ、永久磁石47がそ
の磁極で定まる所定の方向(第6図、矢印E方向)に揺
動し、このとき、その永久磁石47に連結された可動板41
も同時に揺動する。そして、永久磁石47がその揺動の際
に既述した所定角度θだけ回転したときに、可動板41は
吸気ポート17の内壁に形成された段部17aに衝突する。
こうして、吸気ポート17は、可動板41により閉鎖され
る。
再び、第2図に戻り、既述した吸気制御弁21の軸受33
の上部には、可動板41の回転速度を検出する弁回転速度
センサ59が設けられている。この弁回転速度センサ59
は、シャフト31に連結される永久磁石を内部に有し、そ
の周囲に複数のコイルが配置された構成をしており、そ
のコイルに発生する電流信号から可動板41の回転速度が
検出される。なお、この弁回転速度センサ59の検出信号
は、ECU4に入力されて、各種の吸気制御に用いられるこ
とになるが、第2図においてはその弁回転速度センサ59
の記載を省略している。
次に、ECU4が実行する吸気制御処理を、第7図のフロ
ーチャートに基づいて説明する。本吸気制御装置は、EC
U4の起動に伴って開始される。
まず、ステップ100では、現在のエンジン1の回転速
度が基準回転速度4,500r.p.m.以下であるか否かを判定
し、肯定判断されるとステップ110に、一方、否定判断
されるとステップ120に各々進む。ここで、基準回転速
度の値は、現在使用されている高速適合カムが最大充填
効率を達成可能な回転速度であって、本実施例では4,50
0r.p.m.であるが、エンジンの仕様が異なる場合は、そ
のエンジン固有の回転速度に設定する。現在の回転速度
が4,500r.p.m.以下であると判定されたときに実行され
るステップ110では、現在の回転速度Neから、第8図に
示すマップに基づいて、バルブオーバーラップ期間を演
算する処理を行なった後、ステップ130に進む。一方、
ステップ100で、現在の回転速度が基準回転速度4,500r.
p.m.を上回ると判定されたときに実行されるステップ12
0では、バルブオーバーラップ期間を22.5゜の一定値に
固定する処理を行なった後、ステップ130に進む。ここ
で、バルブオーバーラップ期間は、高速適合カムが最大
充填効率を達成可能な値であって、本実施例では22.5゜
であるが、一般にエンジンの仕様に応じて異なる。続
く、ステップ130では、インテークバルブ9,10,11,12と
吸気制御弁21,22,23,24との実際のバルブオーバラップ
期間を、前記ステップ110もしくはステップ120で求めた
バルブオーバラップ期間とするように、アクチュエータ
25,26,27,28に制御信号を出力する処理を行う。即ち、
実際のバルブオーバラップ期間がステップ110もしくは
ステップ120で求めたバルブオーバラップ期間となるよ
うに、所定の開弁時刻T1に、コイル51,52に順方向の電
流を流す制御信号を出力して、吸気制御弁21(22〜24)
を開弁し、所定の閉弁時刻T2に、コイル53,54に順方向
の電流を流す制御信号を出力して、吸気制御弁21(22〜
24)を閉弁する。その後、一旦、本吸気制御処理を終了
する。以後、本吸気制御処理は、ステップ100〜130を繰
り返して実行する。
次に、ECU4が実行する吸気制御弁のフェイルセーフ処
理を、第9図のフローチャートに基づいて説明する。こ
の吸気制御弁のフェイルセーフ処理は、所定時間毎の割
込処理にて実行される。
まず、ステップ200では、前記吸気制御弁21を開放す
る所定開弁時刻T1であるか否かを判断し、肯定判断され
るとステップ210に進む。
ステップ210では、クランク角センサ29aの出力値から
クランク角tを読み込み、続くステップ220では、弁回
転速度センサ59の出力値から吸気制御弁21の開度θを読
み込む。続くステップ230では、その読み込まれた吸気
制御弁21の開度θが空気制御弁21の全開時の所定角αと
等しいか否かを判断する。ここで、前記開度θが所定角
αと等しいと判断されると、処理はステップ240に進
み、ステップ210で読み込んだクランク角tが、第10図
に示すような、開弁時刻T1の所定許容幅(T1−Δt1〜T1
+Δt1)内に収まっているか否を判断する。ここで肯定
判断されると、処理は「RETURN」に抜けて一旦終了す
る。また、ステップ240で否定判断されると、処理はス
テップ250に進み、この開弁時刻T1からのクランク角の
ずれに応じただけコイル51,52の駆動電流を補正する駆
動電流補正ルーチンを実行し、その後、処理は「RETUR
N」に抜けて一旦終了する。
一方、ステップ230で、吸気制御弁21の開度θが所定
角αと等しくないと判断されると、処理はステップ260
に移り、ステップ210で読み込んだクランク角tが、第1
0図に示すような、開弁時刻T1の所定許容幅(T1−Δt2
〜T1+Δt2:Δ2t>Δt1)内に収まっているか否かを判
断する。ここで肯定判断されると、処理はステップ210
に戻り、ステップ210からの処理を繰り返す。一方、ス
テップ260で否定判断されると、所定時間内に吸気制御
弁21が全開状態にならず、コイル51、52が正常に動作し
ていないものと判断され、続くステップ270に処理は移
る。なお、前記ステップ210〜260の処理が実行されるこ
とで、第1ソレノイド動作判定手段M10が実現されてい
る。
ステップ270では、コイル53、54に逆方向の電流を流
す制御信号をアクチュエータ25に常時出力する処理を行
い、吸気制御弁21を開放側に制御し、続くステップ280
で、アクチュエータ25に故障があったことを警告表示す
る。その後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
ステップ200で否定判断されると、処理はステップ300
に進む。
ステップ300では、前記吸気制御弁21を閉鎖する所定
閉鎖時刻T2であるか否かを判断し、肯定判断されるとス
テップ310に進む。ステップ310では、クランク角センサ
29aの出力値からクランク角tを読み込み、続くステッ
プ320では、弁回転速度センサ59の出力値から吸気制御
弁21の開度θを読み込む。続くステップ330では、その
読み込まれた吸気制御弁21の開度θが吸気制御弁21の全
閉時の所定角βと等しいか否かを判断する。ここで、前
記開度θが所定角βと等しいと判断されると、処理はス
テップ340に進み、ステップ310で読み込んだクランク角
tが、第10図に示すような、閉弁時刻T2の所定許容幅
(T2−Δt3〜T2+Δt3)内に収まっているか否かを判断
する。ここで肯定判断されると、処理は「RETURN」に抜
けて一旦終了する。また、ステップ340で否定判断され
ると、処理はステップ350に進み、この閉弁時刻T2から
のクランク角のずれに応じただけコイル53,54の駆動電
流を補正する駆動電流補正ルーチンを実行し、その後、
処理は「RETURN」に抜けて一旦終了する。
一方、ステップ330で、吸気制御弁21の開度θが所定
角βと等しくないと判断されると、処理はステップ360
に移り、ステップ310で読み込んだクランク角tが、第1
0図に示すような、閉弁時刻T2の所定許容幅(T2−Δt4
〜T2+Δt4:Δt4>Δt3)内に収まっているか否かを判
断する。ここで肯定判断されると、処理はステップ310
に戻り、ステップ310からの処理を繰り返す。一方、ス
テップ360で否定判断されると、所定時間内に吸気制御
弁21が全閉状態にならず、コイル53、54が正常に動作し
ていないものと判断され、続くステップ370に処理は移
る。ステップ370では、コイル51、52に順方向の電流を
流す制御信号をアクチュエータ25に常時出力する処理を
行い、吸気制御弁21を開放側に制御し、続くステップ38
0で、アクチュエータ25に故障があったことを警告表示
する。その後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
以上詳述したように本実施例の吸気制御装置3は、吸
気ポート17内に、混合気の流れ方向に対して垂直になる
ように円盤状の可動板41を設け、アクチュエータ25の回
転運動によりその可動板41を揺動させて、吸気ポート17
の開放・閉鎖を行なうよう構成されている。したがっ
て、従来例のようにアクチュエータの直線運動をメカニ
カルな機構により他の方向に変換して弁を開閉するもの
ではないために、そのメカニカルな部分にガタが生じる
ようなこともなく、吸気制御装置3の耐久性が高い。ま
た、吸気制御弁21の作動が迅速になり、その応答性・追
従性も高く、制御精度も高い。さらに、アクチュエータ
25の回転運動をそのまま可動板41に伝達するようになさ
れているために、従来例のように弁体部分を複数化する
必要がなく、構造が簡単である。
さらに、以上のような各効果に伴い、基準回転速度以
下の回転速度でエンジンが運転されているときでも、バ
ルブオーバラップ期間を最適に設定可能なため、充填効
率の向上およびトルク特性の改善が可能になる。
また、所謂ミラーサイクル(Atkinson Cycle)を実現
できるため、エンジンの吸気行程におけるポンプ損失を
低減できると共に、圧縮温度低下によりノッキングの発
生を抑制でき、エンジンの熱効率等の性能も向上する。
なお、圧縮比も低下させられるので、始動性も改善でき
る。
さらに、本実施例の吸気制御装置3は、吸気制御弁21
の開放時に、コイル51,52が所望の全開状態になってい
ないと判断されると、コイル51,52が正常に動作してい
ないものと判定して、コイル53、54に逆方向の電流を常
時流し、吸気制御弁21を開放側に固定するように構成さ
れている。このため、コイル51,52に断線等の故障が発
生しても、吸気ポート17が閉鎖するがことなく、安全性
に優れている。なお、吸気制御弁21の閉鎖時に、コイル
53,54に故障が見うけられたときにも、コイル51,52に順
方向の電流を常時流すことで吸気制御弁21を開放側に固
定するように構成されているために、より安全性を高め
ることができる。
次に、本発明の第2実施例を説明する。本実施例の内
燃機関の吸気制御装置は、第1実施例と比較して、アク
チュエータ25の構成およびその制御系が異なるだけで、
他の構成は全く同じものである。
本実施例における吸気制御弁21のアクチュエータ400
は、第11図に示すように、永久磁石47の周囲に配設され
たコイルが、2相4極ではなく、第1相のコイル401,40
2、第2相のコイル403,404および第3相のコイル405,40
6というように3相6極となっている。そして、その制
御系としてのECUは、吸気制御弁21の開弁時には、第2
相のコイル403,404に順方向の電流を流してコイル403,4
04を励磁し、その後、第1相のコイル401,402に順方向
の電流を流してコイル401,402に順方向の電流を流して
コイル401,402を励磁することで、その開弁を行い、ま
た、吸気制御弁21の閉弁時には、第2相コイル403,404
に順方向の電流を流してコイル403,404を励磁し、その
後、第3相のコイル405,406に順方向の電流を流してコ
イル405,406を励磁することで、その閉弁を行う制御を
実行する。なお、ECU4は、これらコイルに接続される図
示しない抵抗器の両端電圧を検出し、この両端電圧から
当該コイルに流れる電流値を読み込むことのできるよう
に構成されている。
そしてECU4により実行される吸気制御弁のフェイルセ
ーフ処理について、第12図のフローチャートに基づいて
説明する。この吸気制御弁のフェイルセーフ処理は、所
定時間毎の割込処理にて実行される。なお、ステップ50
0,510,540〜560,580,600,610,640〜660,680は、既述し
た第1実施例におけるフェイルセーフ処理(第9図)の
ステップ200,210,240〜260,280,300,310,340〜360,380
と同じ処理であり、説明は省略し、他のステップだけ説
明する。
ステップ520では、前述したように、コイルに接続さ
れた抵抗器の両端電圧からコイル401,402に流れる電流
値を読み込む。続くステップ530では、その電流値の変
動から、第13図に示すようなへこみaが検知されたか否
かを判断する。へこみaは、吸気制御弁21が開側に制御
されたときに、永久磁石47からの誘導起電力に起因して
受けるコイル401,402の駆動電流の変化であり、ステッ
プ530でそのへこみaを検知することで、吸気制御弁21
が全開状態に制御されたことを知ることができる。
また、ステップ560で否定判断されると、所定時間内
に吸気制御弁21が全開状態にならず、コイル401,402が
正常に動作していないものと判断され、続くステップ57
0に移る。なお、前記ステップ510〜560の処理が実行さ
れることで、第1ソレノイド動作判定手段M10が実現さ
れている。
ステップ570では、コイル405、406に逆方向の電流を
流す制御信号をアクチュエータ400に出力する処理を行
う。即ち、開弁制御用のコイル401,402に故障が発見さ
れると、開弁制御用のコイル405,406に逆方向電流を流
し、吸気制御弁21を開放側に制御する。
続くステップ590では、コイルに接続された抵抗器の
両端電圧からコイル405,406に流れる電流値を読み込
み、続くステップ592で、その電流値の変動から、へこ
みが検知されたか否かを判断する。そのへこみは、前記
ステップ570で吸気制御弁21が開側に制御されたとき
に、永久磁石47からの誘導起電力に起因して受けるコイ
ル405,406の駆動電流の変化であり、ステップ592でその
へこみを検知することで、吸気制御弁21が全開状態に制
御されたことを知ることができる。
ステップ592でへこみが検知されたと判断されると、
処理はステップ594に移り、ステップ570で出力された制
御信号を常時出力することで、吸気制御弁21を全開側に
固定する。一方、ステップ592でへこみが検知されなか
ったと判断されると、ステップ570の処理を実行したに
もかかわらず吸気制御弁21が全開状態にならず、このこ
とから、コイル405,406が正常に動作していないものと
判断され、続くステップ596で、コイル403,404に順方向
の電流を常時流し、吸気制御弁21をコイル403,404で定
まる半開位置に固定する。ステップ594または596の実行
後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
一方、ステップ620では、ステップ520と同様に、コイ
ルに接続された抵抗器の両端電圧からコイル405,406に
流れる電流値を読み込む。続くステップ630では、その
電流値の変動から、第13図に示すようなへこみbが検知
されたか否かを判断する。へこみbは、吸気制御弁21が
閉側に制御されたときに、永久磁石47からの誘導起電力
に起因して受けるコイル405,406の駆動電流の変化であ
り、ステップ630でそのへこみbを検知することで、吸
気制御弁21が全閉状態に制御されたことを知ることがで
きる。
また、ステップ660で否定判断されると、所定時間内
に吸気制御弁21が全閉状態にならず、コイル405,406が
正常に動作していないものと判断され、続くステップ67
0では、コイル401、402に順方向の電流を流す制御信号
をアクチュエータ400に出力する処理を行う。即ち、閉
鎖制御用のコイル405,406に故障が発見されると、開放
制御用のコイル401,402に順方向電流を流し、吸気制御
弁21を開放側に制御する。
以上のように構成された本実施例の吸気制御装置は、
第1実施例と同様に、アクチュエータ400の開弁制御用
のコイル401,402に故障が生じた場合の安全性が高い。
しかも、本実施例は、開弁制御用のコイル401,402と閉
弁制御用のコイル405,406との双方が故障した場合に
も、コイル401,402とコイル405,406との中間に配置され
たコイル403,404で、吸気制御弁21を半開位置に固定す
るようなされており、より安全性を高めることができ
る。
なお、既述した第2の実施例における吸気制御弁のフ
ェイルセーフ処理(第12図)において、ステップ520,53
0の処理を、コイル405,406に流れる電流値を読み込み、
第13図に示すようなへこみcが検知されたか否かを判断
するように構成してもよく、また、ステップ620,630の
処理を、コイル401,402に流れる電流値を読み込み、第1
3図に示すようなへこみdが検知されたか否かを判断す
るように構成してもよく、第2実施例と同様な効果を奏
することができる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の内燃機関の吸気制御装
置は以下のような効果を奏する。
従来例のようにアクチュエータの直線運動をメカニ
カルな機構により他の方向に変換して弁体を開閉するも
のではなく、弁体駆動手段の回転運動をそのまま弁体に
伝達するようになされているために、従来例のようにそ
のメカニカルな部分にガタが生じるようなこともなく、
吸気制御装置の耐久性が高い。さらには、吸気制御弁の
作動が迅速になり、その応答性・追従性も高く、また、
制御精度も高い。
既述したように、弁体駆動手段の回転運動をそのま
ま弁体に伝達するようになされているために、従来例の
ように弁体部分を複数化する必要がなく、構造が簡単で
ある。
前記の各効果に伴い、バルブオーバラップ期間を最
適に調節できるため、充填効率が向上し、広範囲の回転
速度において大きなトルクを出力できる。また、従来の
オットーサイクルやサバテサイクル等に替えて、所謂ミ
ラーサイクル(Atkinson Cycle)を実現できるため、内
燃機関の吸気行程におけるポンプ損失を低減できると共
に、圧縮温度低下によりノッキングの発生を抑制でき、
内燃機関の熱効率等の性能も向上する。なお、圧縮比が
低下するので、始動性も改善される。
開弁制御用の第1のソレノイドが正常に動作してい
ないと判定されると、閉弁制御用の第2のソレノイドに
逆方向の電流を流し、弁体を開放側に制御するようにな
されているために、第1のソレノイドに断線等の故障が
発生しても、吸気通路M2を閉鎖することがなく、安全性
に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明の第1実施例の内燃機関の吸気制御装置が
搭載されるエンジンのシステム構成図、第3図はその吸
気制御弁およびアクチュエータを示す縦断面図、第4図
は第3図のA−A線拡大断面図、第5図は第3図のB−
B線断面図、第6図はそのアクチュエータの制御系を示
す回路図、第7図はその電子制御装置にて実行される吸
気制御処理を示すフローチャート、第8図はその制御に
利用されるマップを示すグラフ、第9図はその電子制御
装置にて実行される吸気制御弁のフェイルセーフ処理を
示すフローチャート、第10図はその制御におけるクラン
ク角の許容幅を示すグラフ、第11図は本発明の第2実施
例におけるアクチュエータのコイルの配置状態を示す説
明図、第12図はその電子制御装置にて実行される吸気制
御弁のフェイルセーフ処理を示すフローチャート、第13
図はその制御におけるコイル電流値のへこみを示すグラ
フ、第14図は従来例における吸気制御弁およびアクチュ
エータを示す縦断面図である。 1……エンジン 3……吸気制御装置 4……電子制御装置(ECU) 1b……スロットルバルブ 17,18,19,20……吸気ポート 21,22,23,24……吸気制御弁 25,26,27,28……アクチュエータ 31……シャフト、41……可動板 47……永久磁石 51,52,53,54,401,402,403,404,405,406……コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浜 時男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 伊奈 敏和 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の各気筒に連通する吸気通路のス
    ロットルバルブより上流側に配設され、中心軸回りに回
    転可能に軸支された可動部材から成り、該可動部材を中
    心軸回りに回転もしくは揺動することにより前記吸気通
    路を開放・閉鎖する弁体と、 該弁体の可動部材の中心軸に連結された磁極を有するロ
    ータを内部に有し、該ロータに対する異なる方向の磁気
    力を発生させる少なくとも2つのソレノイドを該ロータ
    の周囲に配設し、前記弁体の開放時に第1のソレノイド
    に順方向の電流を流すと共に、前記弁体の閉鎖時に第2
    のソレノイドに順方向の電流を流すことにより、前記可
    動部材を回転もしくは揺動させる弁体駆動手段と、 前記第1ソレノイドが正常に動作しているか否かを判定
    する第1ソレノイド動作判定手段と、 該第1ソレノイド動作判定手段にて前記第1のソレノイ
    ドが正常に動作していないと判定されたときに前記第2
    のソレノイドに逆方向の電流を流すことにより、前記弁
    体を開放状態に制限する弁体駆動制限手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
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