JP4775243B2 - 可変吸入空気制御装置の異常判定方法 - Google Patents

可変吸入空気制御装置の異常判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の吸気系に設けられて吸気効率を向上させるための吸気効率可変手段(可変吸入空気制御システム)に用いられる可変吸入空気制御装置における異常判定方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、内燃機関(以下、エンジン)の吸気効率を向上させてエンジン出力、燃費、エミッション等を向上させる吸気効率可変手段として、例えば、低速回転時のシリンダ内への吸気に渦流を生じさせ、燃焼速度を速めて燃焼効率を向上させ、燃費や有害排気成分の改善を図る吸気渦流発生装置や、吸気管の長さを切替えてシリンダ内への吸気に慣性効果を得て体積効率を向上させ、出力や燃費の改善を図る吸気通路可変装置等が公知である。上記の吸気効率可変手段はそれぞれ独立に、もしくは連動して搭載されるが、各吸気効率可変手段は、吸気管内に配置された制御弁に連結し、吸気管外に取付けられたアクチュエータと可変吸入空気制御装置を構成し、それぞれの制御弁の開度を可変(制御)するようにエンジン制御ECUと可変吸入空気制御システムを構成して、用いられている(図8参照)。
図8に示すように、吸気渦流発生装置101と吸気通路可変装置102のそれぞれの制御弁103、104を駆動する可変吸入空気制御アクチュエータ110が、吸気管105に備えたスロットル弁106のスロットル開度信号αを受けるエンジン制御ECU107から出力される駆動信号βに対応してそれぞれの制御弁103、104の開度を変化させ、それぞれの開度に応じたエンジン内の吸入空気(吸気)に対して好適な点火時期となす演算された点火信号γが、エンジン制御ECU107から点火プラグ108に出力され、点火時期が制御されるように構成されている。このとき、精密な駆動が要求される車両用エンジンの吸気効率可変手段の分野では、被駆動部材の変位量や回転量を検出すべく、可変吸入空気制御アクチュエータ本体に、可変吸入空気制御アクチュエータ本体の作動量を検出するセンサを設けたものが用いられ、このセンサの出力信号δをエンジン制御ECU107にフィードバックさせて、点火時期制御の精度を向上させる構成となっている。
このような吸気効率可変手段に用いられる可変吸入空気制御装置の可変吸入空気制御アクチュエータは、一般的な直流モータのモータシャフトにギア機構を介して、モータシャフトに直交する面内でモータシャフトと非交差位置に設けられた駆動軸をドライブして、モータの回転をモータシャフトと直交する方向に取出すものが公知であり、駆動軸の回転量を検出するセンサには、磁気検知式、接触抵抗式、光学式等があるが、可変吸入空気制御装置のように、使用場所が車両のエンジンルームのように環境条件の厳しい場所となる場合には、信頼性の面から磁気検知式が採用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、可変吸入空気制御アクチュエータ本体に磁気検知方式の傾斜形磁石式位置センサを設けたものが開示されている。図9は、特許文献1に開示される位置センサの構成と検出特性を示すもので、(a)は平面図で、(b)は正面図であり、(c)は位置センサの出力特性図である。図9(a)、(b)に示すように、位置センサ120は、可変吸入空気制御アクチュエータ本体である揺動アクチュエータの、揺動軸が突出するハウジング端面に磁気検出手段(例えば、ホール素子)125が設けられ、揺動軸には、ホール素子125と対向して上下着磁で略90°の円弧状の磁石122、123を組み合わせて全体として略180°の円弧状の磁石とした磁気発生手段121とからなり、略180°の円弧状の磁石は異極が組み合わされる当接部で最も厚さが薄くなるテーパ形状となっており、ホール素子125と対向する磁極面が傾斜面となっている。
2つの円弧状の磁石122、123は極性のみ異なる実質的に等価な磁石であるため、当接部位置で2つの円弧状の磁石122、123の厚さが0に近づくとともに、2つの円弧状の磁石122、123の磁束密度が相殺して磁束密度が0になる。従って、図9(c)に示すように、揺動軸の回転角度に応じてホール素子125で検出される磁束密度が途中で0を横切り、磁束密度の符号が反転する。つまり、磁束密度が途中で0を横切る角度位置を基準位置(0°)とすれば、一方向角度位置を正の信号とし、他方向角度位置を負の信号として磁束密度を検出することができる。
この場合、温度特性が安定している磁束密度が0の回転角を基準とすることができるので、温度によって0点がドリフトせず、高精度である(0点の安定性)。また、着磁面を滑らかなテーパ面とすることにより検出信号の良好なリニアリティが確保でき、テーパ角度を大きくし易いため角度位置変化に対する磁束密度変化は大きくなるため分解能を向上できる。
つまり、異極組み合わせ部分となる磁束密度0点を基準位置となして揺動アクチュエータ作動位置検出の高精度化を図り、検出誤差を低減させたことを特徴とする位置センサであって、これにより、揺動アクチュエータを大型化することなく、揺動アクチュエータの揺動軸(出力軸)の回転量、つまり制御弁の開度位置が検出できることとなる。従って、この開度位置検出信号に応じて、エンジン制御ECUから演算された点火信号が精度良く点火プラグに出力されるとともに、全開および全閉、もしくは所定の開度位置にて、揺動アクチュエータの駆動を停止するなど精度良い制御が可能である。
〔従来技術の不具合〕
このような、センサ一体の可変吸入空気制御アクチュエータはコンパクトでその点では望ましく、また、異極を組み合わせて磁束密度0点を基準位置となして高精度化を図ることは好適であるが、次の問題がある。すなわち、略半円の円弧状磁石となすことにより、この磁石が配置されない部分での磁束密度は、2つの磁石の異極組み合わせ部分(基準位置)と同じく磁束密度0点であり、このために、基準位置なのかあるいは磁石の配置されていない作動範囲外なのかの判断ができないという欠点を有している。このために、作動範囲外に回転ができないように揺動アクチュエータの作動範囲を限定する機械的なストッパを設けるが、機械的なストッパが故障した際に、作動範囲外、つまりオーバランが発生して回転位置と対応しない誤信号が発生して、可変吸入空気制御装置の誤作動が生じる恐れがある。
この誤作動防止の対応として、以下に記載する異常(オーバラン)判定方法および装置が検討されている。いずれの対応例もフェールセーフとしてそれなりの効果を有するものの、新たに部品追加が必要となり、コスト高、および大型化が避けられないという欠点がある。
〔対応例1〕
図10に本対応例における可変吸入空気制御装置の位置センサ構成を示す。図10に示すように本対応例では、磁気検知方式の位置センサ120の磁石構造を上下着磁で略180°の円弧状の磁石122、123を組み合わせて全体として略360°の円環状の磁気発生手段121としたもので、異極が組み合わされる当接部が2箇所生じるが、一方箇所で最も厚さが薄くなるテーパ形状となっており、ホール素子125と対向する磁極面が傾斜面となし、他方箇所では最も厚さが厚くなる部分で組み合わされている。
これにより、仮に正常領域の−90°〜+90°の揺動角度を超えてオーバランが生じても、位置センサ120が検出する磁束密度は0とはならないため、有限の磁束密度と1対1に対応させることにより作動範囲外を検知することができる。しかし、用いる磁石が倍に増え、大きくなってコスト高となる。また、傾斜面のテーパ勾配がなだらかになるため、分解能も低下して精度が低下する心配もある。
〔対応例2〕
図11は本対応例における可変吸入空気制御装置の位置センサ構成を示す。図11に示すように本対応例では、基準位置に対向する任意の位置に、円弧状の磁石122、123とは別の判定用磁石124と判定用の磁気検出手段(例えば、ホール素子)126からなる判定用センサ130を配置し、この判定用センサ130が検出する判定用磁束密度検出出力Bと既設の位置センサ120を構成する位置検出用の磁気検出手段125が検出する検出用磁束密度検出出力Aを組合わせることによりオーバランを判定する。
これにより、仮に正常領域の−90°〜+90°の揺動角度を超えてオーバランが生じると、位置センサ120が検出する磁束密度が0となっても、180°位相のずれる判定用センサ130が検出する磁束密度は0でない有限値であるため作動範囲外のオーバランと判定できる。しかし、本対応例でも判定用磁石124と判定用のホール素子126を追加する必要があり、コスト高となる心配がある。
〔対応例3〕
図12は本対応例における可変吸入空気制御装置の位置センサ構成を示す。図12に示すように本対応例では、基準位置に配置したホール素子125とは別に1個の判定用のホール素子126を基準位置とは異なる円弧状の磁石122、または123の両他端位置に対向して配置し、この追加したホール素子126が検出する判定用磁束密度検出出力B1(図中細線の一点鎖線)、またはB2(図中細線の二点鎖線)と既設の位置センサ120を構成する位置検出用のホール素子125が検出する検出用磁束密度検出出力Aを組み合わせることによりオーバランを判定する。
これにより、仮に正常領域の−90°〜+90°の揺動角度を超えてオーバランが生じると、位置センサ120が検出する磁束密度は0となっても、90°位相のずれる1個の判定用センサ130が検出する磁束密度は0でない有限値であるため作動範囲外のオーバランと判定できる。しかし、本対応例でも判定用のホール素子126を1個追加する必要があり、コスト高となる心配がある。
特開2004−28809号公報
エンジンの吸気効率を向上させてエンジン出力、燃費、エミッション等を改善させる吸気効率可変手段は今後種類が増えるとともに、限られたスペースのエンジンルーム内の搭載のため小型化は勿論、低コスト化も望まれる。また、加えて、エンジンの性能向上に係る各吸気効率可変手段の制御精度の向上や信頼性の向上が強く望まれ、特に、作動の安定、安全を図るフェールセーフは重要となる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、追加部品、工数を増やすことなく、コスト高を抑えて、傾斜形磁石式センサ一体型の可変吸入空気制御アクチュエータの作動位置が作動範囲の内か外かを容易に検出して、オーバランの発生を判定する可変吸入空気制御装置の異常判定方法を提供することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する可変吸入空気制御装置の異常判定方法では、内燃機関の吸気管内に弁軸を介して回動開閉可能に配設される弁体と、弁軸を回転駆動し、弁体を所定の開度に開閉するために開弁方向、および閉弁方向に揺動駆動するアクチュエータと、アクチュエータの開弁方向と閉弁方向との両作動方向における作動量を検知するセンサとして、磁気検出手段と、アクチュエータの作動量に応じて磁気検出手段位置における磁束密度を変化せしめる傾斜形磁石式磁気発生手段とからなる磁気検知方式の位置センサと、位置センサの検出信号を入力し、内燃機関の運転状態に応じてアクチュエータに印加する駆動信号(開度信号)を出力して、弁体の開度を可変制御するエンジン制御回路と、を設けた可変吸入空気制御装置において、前回検出処理した開度信号と、今回検出処理した開度信号との変化分を算出するに当たり、アクチュエータの両作動方向における変化分を区分して、一方向作動時の開度信号変化分を、作動範囲内(正常領域)では正の値、作動範囲外(オーバラン領域)では0の値とすると共に、他方向作動時の開度信号変化分を、正常領域では負の値、オーバラン領域では0の値とする特性値(以下、変化分特性値と呼ぶ)に設定し、アクチュエータの各作動方向における変化分特性値が0で、今回検出処理した開度信号の特性値が0である場合に、オーバランの判定をすることを特徴としている。
これによれば、従来の内燃機関の運転中でのオーバランの判定が位置センサの検出信号の絶対値である磁束密度の0点であって、この磁束密度0点は作動範囲内にも1つあって作動範囲内外の区別がつかず、オーバランの判定が正確にできなかった。また、オーバランの判定に、判定用の位置センサを新たに追加して判定用位置センサの検出信号の絶対値によってオーバランの判定は可能となるものの追加部品、工数が増えて大型化し、コスト高となる。しかし、本発明の請求項1の手段を採用する可変吸入空気制御装置の異常判定方法によれば、新たな部品追加もなく、単に、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分をアクチュエータの作動方向(開弁もしくは閉弁方向)それぞれについて検知し、この変化分の特性値と今回処理時でのセンサ出力S(t)の特性値との組合せによって、オーバランの判定が可能となって、追加部品、工数を増やすことなく、コスト高を抑えて容易に判定することができる。
また、磁束密度の絶対値に基づく判定ではなく、磁束密度の変化分に基づく判定方法であるため、磁気発生手段である磁石の温度特性の影響を受けることなく判定できるので、高精度な検出と判定が可能となる。
また、磁気発生手段である磁石の形状、つまり磁束密度0点の設定位置や、着磁のパターンを変更しても、あるいは磁気検出手段の検出感度を変更しても、それに伴う定数適合をすることなく同じ検出ロジックで対応できるため、磁気発生手段である磁石や磁気検出手段であるホール素子の設計自由度が高くなり、従ってコスト高を抑えることが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態は、傾斜形磁石式センサ一体型アクチュエータにおいて、位置センサ検出出力の絶対値で判定するのでなく、可変吸入空気制御アクチュエータの各作動方向における位置センサ検出出力の変化分の特性と今回処理時での位置センサ検出出力の特性との組合せによって、可変吸入空気制御アクチュエータの作動位置が作動範囲の内(正常領域)か外(オーバラン領域)かを検出して、オーバランを判定できるようにしたものである。
本発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
本実施例では、自動車等の車両に搭載されるエンジンの吸気系に設けられて、エンジンの吸気効率を向上させる多種の吸気効率可変手段の中で、例えば低速回転時のシリンダ内への吸気に渦流を生じさせ、燃焼速度を速めて燃焼効率を向上させ、燃費の改善や有害排気成分の改善を図る吸気渦流発生装置や、吸気管の長さを切替えてシリンダ内への吸気に慣性効果を得て体積効率を向上させ、出力や燃費の改善を図る吸気通路可変装置等のうち、代表的に、吸気渦流発生装置のみが搭載される可変吸入空気制御システムについて説明する。
図1ないし図6は本発明の実施例1を示したもので、図1は可変吸入空気制御システムの全体構成図であり、図2はセンサ一体の可変吸入空気制御アクチュエータの構成図である。
図1に示すように、エンジン1の吸気系を構成する吸気管20には、その上流側からエアクリーナ21、スロットルバルブ22、サージタンク23が順次設置されるとともに、排気系を構成する排気管15には、触媒コンバータ16、マフラ17が順次設置されている。エンジン1は、シリンダブロック2、ピストン3、シリンダヘッド4、燃焼室5、吸気ポート6、吸気バルブ7、排気ポート8、排気バルブ9、および点火プラグ10からなる公知の構成である。各気筒の吸気ポート6はそれぞれ対応する吸気管20を介して共通のサージタンク23に接続され、サージタンク23は吸気管20を介してエアクリーナ21に接続される。吸気管20内には上流側にスロットルバルブ22が、下流側には燃料を噴射する噴射インジェクタ24が配置される。一方、各気筒の排気ポート8には、共通の排気マニホールドを介して排気管15に接続される。なお、各点火プラグ10および各噴射インジェクタ24はエンジン制御回路40からの出力信号に基づいてそれぞれ制御される。
噴射インジェクタ24とサージタンク23間の吸気管20内には、弁軸26を介して、可変吸入空気制御アクチュエータ30により制御されるバタフライ弁からなるスワール制御弁25が配置される。このスワール制御弁25は、吸気ポート6を分岐通路として2つのメインポート6aとスワールポート6bとに区画して、スワールポート6bを常時開いた状態でメインポート6aを開閉するように吸気ポート6の上流側に設置されている。そして、このスワール制御弁25は燃焼室5内に流入する吸入空気により燃焼室5内にシリンダ軸線回りの旋回流、すなわちスワールを形成するためのものであり、燃焼室5内にスワールを形成させたいときにはスワール制御弁25の開度を小さくする。その結果、吸気ポート6のメインポート6aよりもスワールポート6bからの流入空気が増えて、偏流を起こし易くなって燃焼室5内にスワールを形成させる。
この場合、吸入空気とともに燃焼室5内に流入した燃料は、このスワールにより燃焼室5内全体に混合されて、したがって燃焼室5内には均一混合気が形成され易くなる。この混合気は次いで点火プラグ10により着火され、良好な燃焼が実現できる。一方、スワールの形成を弱めるときには、スワール制御弁25の開度を大きくし、また、スワールの形成を停止させるときはスワール制御弁25を全開にする。その結果、ポンピングロスが低減される。なお、可変吸入空気制御アクチュエータ30はエンジン制御回路40からの出力信号に基づいて制御される。
次に、可変吸入空気制御アクチュエータ30の構成を説明する。図2は可変吸入空気制御アクチュエータ30の構成を示し、(a)は全体構造を示す部分断面図であり、(b)は要部である位置センサ37の取付け構成を示す図2(a)Y矢視になる部分断面図である。図2(a)に示すように、ハウジング31内にはアクチュエータ本体30をなすモータ32およびギア機構33等が格納され、モータ32の回転を駆動軸34から取出すようになっている。駆動軸34は、モータ32の側方で、モータシャフト32aの上下方向に対して水平方向に配置され、軸受35により軸支されている。ギア機構33はモータ32の上方から、駆動軸34の軸端部分にかけて位置している。
ギア機構33は、モータ32のケース32bの上端面から突出するモータシャフト32aにウォームギア33aが結合され、これと噛合する第1のギア33bにより、第1のギア33bを挿通するギアシャフト33cにモータ回転を伝達する。ギアシャフト33cは駆動軸34と平行に設けられる。ギアシャフト33cには第1のギア33bの他、第2のギア33dが同軸に結合し、両端で軸支されている。第2のギア33dは駆動軸34の軸端に結合した第3のギア33eと噛合している。
第3のギア33eは駆動軸34と同軸の円盤状のベース部36の端面から突設している。また、ベース部36の端面には、第3のギア33eの他、ヨーク36aおよびセンサ磁石38の取付け用の円弧状の段部36bが設けられている。段部36bは第3のギア33eと略同じ円周上に形成され、略半周分を占める長さとしている。段部36bの段上面には円弧状の溝が形成されており、これにヨーク36aおよびセンサ磁石38がこの順にはめ込まれている。
図2(b)に示すように、センサ磁石38と対向してホール素子39が設けられて位置センサ37を形成している。ホール素子39は感磁方向を駆動軸34と平行にとってモータ32の径方向に向けて配置される。また、駆動軸34が可変吸入空気制御アクチュエータ30の仕様として要求される所定の回動角度範囲を回動して、ホール素子39位置をセンサ磁石38が所定角度範囲を通過したときに、その全範囲において、第3のギア33eと第2のギア33dとが噛合するようにギアシャフト33cと駆動軸34との相対的な位置関係が設定される。
次に、位置センサ37の構成を図3を参照して説明する。図3は位置センサ37の構成と検出特性を示すもので、(a)は平面図で、(b)は正面図であり、(c)は位置センサ37の出力特性図である。位置センサ37の検出特性はセンサ磁石38の着磁パターンによって種々のものが得られるが、本実施例では高精度の制御に好適なテーパ形状を付与した二極上下着磁の磁石をセンサ磁石38として使用する傾斜形磁石式センサである。
図3(a)、(b)に示すように、センサ磁石38は、上下着磁で略90°の円弧状の磁石38a、38bを組み合わせて全体として略180°の円弧状の磁石としたもので、異極が組み合わされる当接部で最も厚さが薄くなるテーパ形状となっており、ホール素子39と対向する磁極面が傾斜面となっている。一方の磁石38aは傾斜面側がN極で、他方の磁石38bは傾斜面側がS極としてある。両磁石38a、38bは極性のみ異なる実質的に等価な磁石である。
このようなセンサ磁石38を用いる場合には、両磁石38a、38bの当接部位置で磁石38a、38bの厚さが0に近づくとともに両磁石38a、38bの磁束密度が相殺して磁束密度が0となるから、駆動軸34の回転角度に応じてホール素子39で検出される磁束密度が途中で0を横切り、磁束密度の符号が反転する(図3(c)参照)。磁束密度が途中で0を横切る角度位置を基準位置(0°)とすれば、一方向角度位置を正の信号とし、他方向角度位置を負の信号として取出せる。
この場合、温度特性が安定している磁束密度が0の回転角度を基準とすることができるので、温度によって0点がドリフトせず0点の安定性が保てる。また、駆動軸34の回転に対して漸増または漸減する傾斜面を滑らかに、かつ緩やかに形成することができるので、リニアリティが良好で分解能が高い信号を取出せ、高精度の制御に好適である。なお、可変吸入空気制御アクチュエータ30は、エンジン制御回路40からの出力信号に基づいて制御されるが、可変吸入空気制御アクチュエータ30と一体である位置センサ38の回転位置信号がエンジン制御回路40にフィードバックされて、常に正しく、安定した制御ができるようになっている。
エンジン制御回路(以下、ECU)40は、図1に示すように、制御処理、演算処理を行うCPU(マイクロプロセッサ)41、各種のプログラムおよびデータを保存する記憶装置のROM(リードオンリーメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、入力ポート44、出力ポート45、および各駆動回路46が双方向性バス47を介して相互に接続されて構成される周知の構成のマイクロコンピュータである。
また、シリンダブロック2にはエンジン冷却水温を検出する水温センサ11と、サージタンク23にはサージタンク23内の負圧を検出する負圧センサ12と、排気管15には空燃比を検出する空燃比センサ13が取付けられ、それぞれ検出した出力電圧はそれぞれ対応するAD変換器48を介して入力ポート44に入力される。CPU41では負圧センサ12の出力電圧pに基づいて吸入空気量Qが算出される。さらに、入力ポート44には、クランクシャフトの回転角度θを検出するクランク角センサ14が接続され、CPU41ではクランク角センサ14の出力パルスに基づいてエンジン回転数Nが算出される。一方、出力ポート45は駆動回路46を介して各点火プラグ10、各噴射インジェクタ24、および可変吸入空気制御アクチュエータ30に接続される。
そして、ECU40は、図示しないイグニッションスイッチのオン(ON)操作により起動される。ECU40が起動されると、図4(a)に示すエンジン制御ルーチンに従って、まず、ステップS101で、負圧センサ12やクランク角センサ14の出力信号p、θを読み込み、ステップS102で現在のエンジンの運転状態(例えば、エンジン吸入空気量Q、エンジン回転数N)をメモリ内に格納された各種のエンジン制御プログラムを実行することで算出し、ステップS103の運転状態選択によるエンジン1の運転条件または運転状態に対応して、噴射インジェクタ24の燃料噴射量・時間の算出(ステップS104)や、点火プラグ10の点火時期の算出(ステップS105)を実行するとともに、エンジン運転状態に応じて吸気効率可変手段である吸気渦流制御システムのスワール制御弁25の開度の算出(ステップS110)を実行する。
また、図4(b)はスワール制御弁25の開度を算定するための制御ルーチンの一例を示している。この制御ルーチンは所定の制御タイミングで繰り返し実行される。図4(b)を参照すると、まずステップS111では現在エンジン暖機運転時であるか否かが判別される。この暖機運転は、例えばエンジン始動が完了してエンジン冷却水温が所定の温度より高くなるまでの間をエンジン暖機運転時であると判定するとき、現在エンジン暖機運転時のときには次いでステップS112に進み、例えば、予め実験によって求められて、ROM内に記憶されている水温対開度マップに基づいてスワール制御弁25の要求開度が算出される。
そして、つづくステップS113で、今回算出した要求開度と前回検出した検出開度とを比較判断して、YESの場合、つまり前回の検出開度が大きければスワール制御弁25を閉じる必要があるため、ステップS114の時計回り(CW)駆動を実行する。また、逆に、ステップS113において、NOの場合、つまり前回の検出開度が小さければスワール制御弁25を開ける必要があるため、ステップS115の反時計回り(CCW)駆動を実行する。
一方、ステップS111において現在暖機運転でないとき、すなわち暖機運転が完了したときには次いでステップS116に進み、スワール制御弁25の開度を100%とする。すなわち、スワール制御弁25が全開となって燃焼室5内におけるスワールの形成を停止させる。
また、ECU40はエンジン運転中に、本発明である図5に示す異常判定処理(オーバラン判定ルーチン)を実行することで、吸気渦流制御システムが正常であるか否かを判定し、吸気渦流制御システムが正常でないと判定されたときに、作動異常フラグを表示するようになっている。
次に、このオーバラン判定ルーチンの判定方法を説明する。図5は、可変吸入空気制御アクチュエータ30のオーバラン判定方法を示したフローチャートである。なお、図5のフローチャートは、メモリに格納された制御プログラムに相当するもので、イグニッションスイッチがONされてバッテリからECU40へECU電源の供給がなされた時点で起動され、その後所定の制御タイミングで繰り返し実行されるものである。
まず、ステップS201でスワール制御弁25の作動方向が時計回り(CW)か反時計回り(CCW)かが判定される。そして、CCWであれば、ステップS202に進み、オーバランフラグがONであって、かつ、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が負であるか否かを判定する。YESの場合、つまり、センサ出力の変化分が負の値となるのは正常領域とオーバラン領域の境界、つまり、回転角度位置にて−90°および+90°のセンサ終端の位置であるため、オーバラン領域から正常領域への復帰と判断し、オーバランフラグをOFFとし(ステップS221)、作動異常ではないので作動異常フラグをOFFとする(ステップS222)。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が正の値または0ならばステップS203に進む。
ここで、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分を判定する方法について説明する。図6(a)は位置センサの検出出力(磁束密度)を出力軸34の回転角度に対して示す検出出力特性図であり、(b)はCCW時の回転角度に対する磁束密度の変化を示す検出出力変化特性図であり、(c)はCW時の回転角度に対する磁束密度の変化を示す検出出力変化特性図である。図6(b)、(c)における特性値は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差であるところの変化分を示し、(a)に示す磁束密度特性をCCW方向に−180°から+180°まで微分演算して得られたものが(b)であり、CW方向に同様に微分演算したものが(c)であると考えることもできる。
このことから、例えば図6(b)のCCW時の磁束密度変化特性は−180°から−90°までは0であり、−90°で負のピークを示し、−90°から基準位置の0°を含めて+90°までは正の値(磁束密度特性の勾配に相当する)を示し、+90°で再度負のピークを示して後、+180°までは0となる特性を示している。また、図6(c)のCW時の磁束密度変化特性は、回転がCCWと逆となるため、正負が逆になって特性パターンは反転する。
従って、検出出力の磁束密度が0となる基準位置(回転角度0°)と回転範囲外(つまりオーバラン)は、(b)、(c)に示す磁束密度の変化特性に従えば明確に判別がつくこととなり、この特性値を用いることにより簡単に、精度良く判定が可能となる。
図5に従って説明を続ける。ステップS203は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が正であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が正の値となるのは、−90°より大きく+90°より小さい角度範囲であり、この範囲は正常領域であって、オーバランフラグはOFF(ステップS221)、および作動異常フラグもOFF(ステップS222)である。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が負の値または0ならばステップS204に進む。
ステップS204は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が負であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が負の値となるのは、正常領域とオーバラン領域の境界、つまり、回転角度位置にて−90°および+90°のセンサ終端の位置であってオーバランの終了直前と、オーバラン開始直後の位置に相当するため、オーバランの発生と判断し、オーバランフラグをONとする(ステップS223)。そして、作動はセンサ終端の位置であるため作動異常フラグをOFFにして(ステップS224)、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が正の値または0ならばステップS205に進む。
ステップS205は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が0で、かつ、今回処理時でのセンサ出力S(t)が0であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が0の値となり、センサ出力も0となるのは、−90°より小さく+90°より大きい角度範囲であり、この範囲はオーバラン領域であるため、オーバランフラグをONとする(ステップS223)。そして、作動異常フラグはOFF(ステップS224)である。また、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。
一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が0でなく、かつ、センサ出力が0でないならば、アクチュエータに作動を指示しているにもかかわらず、センサ出力が変化しないことから、アクチュエータの作動が異常であると判断し、オーバランフラグはOFFとし(ステップS225)、作動異常フラグはON(ステップS226)とする。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。
次に、図5のオーバラン判定ルーチンに戻って、ステップS201でスワール制御弁25の作動方向が時計回り(CW)か反時計回り(CCW)かが判定され、CWである場合を説明する。このとき、ステップS212に進み、オーバランフラグがONであって、かつ、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が正であるか否かを判定する。YESの場合、つまり、センサ出力の変化分が正の値となるのは正常領域とオーバラン領域の境界、つまり、回転角度位置にて−90°および+90°のセンサ終端の位置であるため、オーバラン領域から正常領域への復帰と判断し、オーバランフラグをOFFとし(ステップS221)、作動異常ではないので作動異常フラグをOFFとする(ステップS222)。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が負の値または0ならばステップS213に進む。
ステップS213は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が負であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が負の値となるのは、−90°より大きく+90°より小さい角度範囲であり、この範囲は正常領域であって、オーバランフラグはOFF(ステップS221)、および作動異常フラグもOFF(ステップS222)である。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が正の値または0ならばステップS214に進む。
ステップS214は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が正であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が正の値となるのは、正常領域とオーバラン領域の境界、つまり、回転角度位置にて−90°および+90°のセンサ終端の位置であってオーバランの終了直前と、オーバラン開始直後の位置に相当するため、オーバランの発生と判断し、オーバランフラグをONとする(ステップS223)。そして、作動はセンサ終端の位置であるため作動異常フラグをOFFにして(ステップS224)、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が負の値または0ならばステップS215に進む。
ステップS215は、今回処理時でのセンサ出力S(t)と前回処理時でのセンサ出力S(t−1)との差、つまり変化分が0で、かつ、今回処理時でのセンサ出力S(t)が0であるか否かを判定する。YESの場合、つまり変化分が0の値となり、センサ出力も0となるのは、−90°より小さく+90°より大きい角度範囲であり、この範囲はオーバラン領域であるため、オーバランフラグをONとする(ステップS223)。そして、作動異常フラグはOFF(ステップS224)である。また、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。
一方、NOの場合、つまり、センサ出力の変化分が0で、かつ、センサ出力が0でないならば、アクチュエータに作動を指示しているにもかかわらず、センサ出力が変化しないことから、アクチュエータの作動が異常であると判断し、オーバランフラグはOFFとし(ステップS225)、作動異常フラグはON(ステップS226)とする。そして、今回処理時でのセンサ出力S(t)を前回処理時でのセンサ出力S(t−1)と置き換え(ステップS230)、処理を終了する。
以上説明したように、オーバランの判定は、可変吸入空気制御アクチュエータ30の各作動方向におけるセンサ出力の変化分の特性値と今回処理時でのセンサ出力の特性値との組合せによって、可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動位置が作動範囲内(正常領域)か作動範囲外(オーバラン領域)かを判別できるようにしたことが特徴である。
本実施例の可変吸入空気制御システムでは、イグニッションスイッチがオンされると、ECU40が起動され、吸気渦流発生装置が稼動するとともにオーバラン判定プログラムが実行される。エンジン1の運転状態に対応してスワール制御弁25の開度が可変吸入空気制御アクチュエータ30の駆動によって可変に制御されるが、このときスワール制御弁25の開度位置を正確に検出して、所定の開度範囲の内か外かを検知し、オーバランを判定し、作動異常を表示する。そして、オーバランのその時点で可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動を停止したり、また、所定の開度範囲内への復帰が検出できるまで可変吸入空気制御アクチュエータ30を逆方向に作動させることもできる。
通常、可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動範囲を限定するために、機械的なストッパを設けるが、このストッパが故障した際に、作動範囲外の駆動、つまりオーバランが発生する場合に、本発明のオーバラン判定方法によってオーバランを検出して、上記するような作動異常を表示することができる。また、この作動異常表示と連動して、通電を即停止する、または逆方向に通電する等して、オーバランを防止する異常処置を講じるようにすることもできる。このようなフェールセーフが講じられていれば、機械的なストッパの設置を廃止することも可能となる。
〔変形例1〕
本発明の実施例1では、磁気発生手段としてのセンサ磁石38は、高精度の制御に好適なテーパ形状を付与した二極上下着磁の略90°の円弧状の磁石38a、38bを組み合わせて全体として略180°の円弧状の磁石としたもので、異極が組み合わされる当接部で最も厚さが薄くなるテーパ形状となっており、ホール素子39と対向する磁極面が傾斜面となっている。一方の磁石38aは傾斜面側がN極で、他方の磁石38bは傾斜面側がS極の極性のみ異なる実質的に等価な磁石を2つ使用している。
このために、両磁石38a、38bの当接部位置で磁石38a、38bの厚さが0に近づくとともに両磁石38a、38bの磁束密度が相殺して磁束密度が0となるから、駆動軸34の回転角度に応じてホール素子39で検出される磁束密度が途中で0を横切り、磁束密度の符号が反転し、磁束密度が途中で0を横切る角度位置を基準位置(0°)とすれば、この基準位置(0°)をスワール制御弁25の全閉位置と対応させて使用している。しかし、これに限ることなく、磁石の温度特性がキャンセルでき、高精度な制御に好適な両磁石の磁束密度が相殺して磁束密度が0となる異極組み合わせ部を、スワール制御弁25の全閉位置より少し開弁側でスワール強度の発生に敏感で、かつ、高精度が要求される開度(角度)位置を基準位置に一致させて使用してもよい。
この場合の位置センサ37における磁気発生手段としてのセンサ磁石38のパターンと磁気検出手段としてのホール素子39との配置を図7に示し、また、位置センサ37の検出特性を併せて図示する。図7に示すように、センサ磁石38を構成する一方の磁石38cは90°を超える広角の傾斜面を有し、他方の磁石38dは90°に満たない狭角の傾斜面を有する互いに異なる形状の磁石を組み合わせて全体として略180°の円弧状のセンサ磁石38としたもので、磁束密度0となる当接部の基準位置が回転角度0°より少しシフトさせた構成となっている。
従って、位置センサ37の検出信号は太線の実線Aで示すように、回転角度0°から少しシフトして基準位置の磁束密度0を横切り、CCW方向では漸増の、CW方向では漸減の磁束密度特性を有しており、−90°および+90°の位置で磁束密度0となり、この領域を越えた範囲においても磁束密度0が持続する特性となる。この特性は、基準位置が回転角度0°より少しシフトしていることを除いて、実施例1で説明した位置センサ37の検出特性と同様であって、従って、図中細線の破線B1で示すCCW方向の磁束密度変化特性や細線の一点鎖線B2で示すCW方向の磁束密度変化特性のパターンも実施例1と略同様となる。
つまり、本変形例での位置センサ37の検出信号を絶対値としてでなく、変化分として使用して、可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動位置が作動範囲の内か外かを検知してオーバランを判定することができる。
このように、磁束密度0点の設定や着磁のパターンを変更しても、CCW方向の漸増の、そしてCW方向に漸減の有限の勾配値を有して、−90°、+90°位置にて磁束密度0となる検出特性であるならば、定数適合をすることなく同じ検出ロジックで対応ができる。従って、同じ検出ロジックで対応できるので、磁気発生手段であるセンサ磁石38の設計自由度が高くなり、コスト高を抑えることが容易にできる。
〔実施例1の効果〕
本発明の可変吸入空気制御装置の異常判定方法によれば、追加部品、工数を増やすことなく、コスト高を抑えて、傾斜形磁石式センサ一体型の可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動位置が作動範囲内外かを容易に検出して、オーバランの発生の判定が可能となる。
また、磁束密度の絶対値でなく、可変吸入空気制御アクチュエータ30の作動方向とその磁束密度の変化分で判定する方法なので、磁石の温度特性の影響を受けることなく高精度な検出と判定が可能となる。
また、磁束密度0点の設定や着磁を変更しても、定数適合をすることなく同じ検出ロジックで対応できるため、磁石の設計自由度が高くなり、従ってコスト高を抑えることが可能となる。
〔他の実施形態〕
実施例1では、吸気渦流発生装置のみが搭載される可変吸入空気制御システムの場合について、また、吸気ポート6を分岐通路して2つのメインポート6aとスワールポート6bとに区画して、スワールポート6bを常時開いた状態でメインポート6aを開閉するようにスワール制御弁25を配置する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、吸気ポート6を分岐させずにメインポート6aのみにスワール制御弁25を配置して、スワール制御弁25の開度に応じて、吸気管20の通路の一方側に偏流を発生させて、これにより燃焼室5内にスワールを発生させるスワール制御弁25の場合にも適用でき、あるいは吸気通路可変装置が搭載される可変吸入空気制御システムの場合についても、また、種々の可変吸入空気制御システムが連動して搭載される場合についても適用が可能であることはいうまでもない。
本発明の可変吸入空気制御システムを含むエンジン制御システム全体の概略構成図である(実施例1)。 センサ一体の可変吸入空気制御アクチュエータの構成を示し、(a)は全体構造を示す部分断面図であり、(b)は要部である位置センサの取付け構造を示す部分断面図である(実施例1)。 可変吸入空気制御アクチュエータの一体式位置センサの構成と検出特性を示すもので、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は位置センサの出力特性図である(実施例1)。 (a)はエンジンの運転動作を示すフローチャートであり、(b)はスワール制御弁の開度を算出するためのフローチャートである(実施例1)。 は異常判定処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は主に判定ステップを示し、(b)は処置ステップを示す(実施例1)。 (a)は位置センサの検出出力(磁束密度)を出力軸の回転角度に対して示す検出出力特性図であり、(b)はCCW時の回転角度に対する磁束密度の変化を示す検出出力変化特性図であり、(c)はCW時の回転角度に対する磁束密度の変化を示す検出出力変化特性図である(実施例1)。 位置センサの構成と検出出力(磁束密度)を出力軸の回転角度に対して示す検出出力特性図である(変形例)。 可変吸入空気制御システムの全体構成図である(従来例) 可変吸入空気制御アクチュエータの一体式位置センサの構成と検出特性を示すもので、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は位置センサの出力特性図である(従来例)。 可変吸入空気制御装置の位置センサの構成と検出特性を示す(対応例1)。 可変吸入空気制御装置の位置センサの構成と検出特性を示す(対応例2)。 可変吸入空気制御装置の位置センサの構成と検出特性を示す(対応例3)。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
5 燃焼室
6 吸気ポート
6a メインポート
6b スワールポート
10 点火プラグ
20 吸気管
21 エアクリーナ
22 スロットルバルブ
23 サージタンク
24 噴射インジェクタ
25 スワール制御弁(弁体)
26 弁軸
30 可変吸入空気制御アクチュエータ
34 駆動軸(出力軸)
37 位置センサ
38 センサ磁石(傾斜形磁石式磁気発生手段、磁気発生手段)
38a、38c 一方の磁石
38b、38d 他方の磁石
39 ホール素子(磁気検出手段)
40 エンジン制御回路

Claims (1)

  1. 内燃機関の吸気系に設けられて吸気効率を可変するための吸気効率可変手段に用いられる可変吸入空気制御装置であって、
    内燃機関の吸気管内に弁軸を介して回動開閉可能に配設される弁体と、
    前記弁軸を回転駆動し、前記弁体を所定の開度に開閉するために開弁方向、および閉弁方向に揺動駆動するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの前記開弁方向と前記閉弁方向との両作動方向における作動量を検知するセンサとして、磁気検出手段と、前記アクチュエータの作動量に応じて磁気検出手段位置における磁束密度を変化せしめる傾斜形磁石式磁気発生手段とからなる磁気検知方式の位置センサと、
    前記位置センサの検出信号を入力し、前記内燃機関の運転状態に応じて前記アクチュエータに印加する駆動信号として開度信号を出力して、前記弁体の開度を可変制御するエンジン制御回路と、
    を設けた可変吸入空気制御装置において、
    前回検出処理した開度信号と今回検出処理した開度信号との変化分を算出するに当たり、
    前記アクチュエータの前記両作動方向における変化分を区分して、一方向作動時の開度信号変化分を、作動範囲内である正常領域では正の値、作動範囲外であるオーバラン領域では0の値とすると共に、他方向作動時の開度信号変化分を、前記正常領域では負の値、前記オーバラン領域では0の値とする特性値(以下、変化分特性値と呼ぶ)に設定し、
    前記アクチュエータの各作動方向における前記変化分特性値が0で、今回検出処理した開度信号の特性値が0である場合に、オーバランの判定をすることを特徴とする可変吸入空気制御装置の異常判定方法。
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