JP2005197117A - 光電変換素子及びそれを用いた太陽電池 - Google Patents

光電変換素子及びそれを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で、光電変換効率が高い色素増感型光電変換素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 下記一般式(1)
【化1】
Figure 2005197117

(式中、Aは2価の複素環基、Zは2価の芳香環基を示し、R1は水素原子又はアルキル基、R2は水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、スチリル基であり、R1とR2は互いに結合して5員環、6員環の炭素環式化合物を形成してもよい。R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示す。Lは水素原子又は電子吸引性基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。mは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。)で表わされる有機色素により増感された半導体電極からなることを特徴とする光電変換素子により上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の有機増感色素を用いた半導体電極からなる光電変換素子及びそれを用いた太陽電池に関する。更に詳しくは、本発明は、4H−ピラン−4−オン(γ―pyrone)骨格を有するポリメチン色素を増感剤として含む半導体電極からなる高効率色素増感型光電変換素子、及び該素子を用いた太陽電池に関する。
太陽光発電は、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、更にはテルル化カドミウム、セレン化インジウム等の化合物系太陽電池により可能であることが知られており、これら太陽電池の開発が、精力的に行われている。これら太陽電池の中には、すでに実用化されてきているものもある。実用化に際して、更なる製造コストの低減、原材料の安定確保、エネルギーペイバックタイムの期間を短くする等の問題点を克服することが望まれている。
一方、上記以外の太陽電池として、大面積化や低価格化を指向したフタロシアニン顔料を用いた太陽電池が提案されている。しかし、この太陽電池は、光電変換効率が低いという問題がある。
更に、Nature(737〜740P 353 (1991))(非特許文献1)及びUSP4,927,721号(特許文献1)等に、有機色素によって増感した金属酸化物を半導体電極として用いた光電変換素子及び太陽電池、並びにこれらを作製するための材料及びその製造技術が開示されている。開示された内容は、ルテニウム錯体構造を有する有機色素により増感された酸化チタンからなる半導体微粒子を用いた光電変換素子及び太陽電池に関するものである。ここで開示された太陽電池の特徴は、(1)酸化チタンのような安価な原料を使用できること、(2)用いる色素によっては変換波長を長波長まで利用できるので、より広領域の可視光を電気に変換できること、(3)色素のブレンドにより新規作用が生じる可能性があること、(4)新規増感色素を発見できる可能性があることである。これらの特徴において、上記太陽電池は、従来の太陽電池では考えにくかった新しい着眼点が生まれてきた。しかしながら、太陽電池として実用化するには、まだまだ光電変換効率が低いという問題点が残されている。
USP4,927,721号 Nature(737〜740P 353 (1991))
本発明の課題は、光電変換効率が優れた色素により増感された半導体電極を用いた高効率の光電変換素子及び太陽電池を提供することにある。
前記課題を解決すべく、種々検討した結果、本発明に至ったものである。
かくして本発明によれば、下記一般式(1)
Figure 2005197117
(式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数4又は5の2価の複素環基を示し、Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜24の芳香環基を示し、R1は水素原子又は炭素数1から4のアルキル基、R2は水素原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、炭素数1から4のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6から12のアリール基、置換基を有していていもよいスチリル基であり、R1とR2は互いに結合して5員環、6員環の炭素環式化合物を形成してもよい。R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基を示す。Lは水素原子又は電子吸引性基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。mは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。)
で表わされる有機色素により増感された半導体電極からなることを特徴とする光電変換素子が提供される。
更に、本発明によれば、上記光電変換素子を構成要素として含む太陽電池が提供される。
本発明によれば、特定の有機色素(以下、単に色素という)を光増感剤とすることにより、安価で、光電変換効率が高い色素増感型光電変換素子が提供される。また、これを用いることにより光電変換効率の高い太陽電池を容易に提供できる。
本発明において、色素増感された半導体電極は、電子写真における感光体と類似の役割を担っている。具体的には、色素増感された半導体電極は、光を吸収することで、電子とホールを電荷分離させる役割を担っている。色素増感された半導体電極では、色素部分で光が吸収され、電子及びホールが発生する。半導体部分では、発生した電子が伝達される。
本発明に使用できる半導体としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化ニオブ(Nb25)、硫化カドミウム(CdS)、硫化鉛(PbS)、硫化亜鉛(ZnS)、リン化インジウム(InP)、銅−インジウムの硫化物(CuInS2)等が挙げられる。この内、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化ニオブ(Nb25)が好ましい。
半導体は、単結晶、多結晶のいずれの結晶系を有していてもよい。この内、結晶成長が容易であり、製造コストが低い等の観点より、多結晶半導体であることが好ましい。更に、半導体は粒子状であることが好ましく、特にナノからマイクロスケールの微粉末の多結晶半導体が好ましい。また、2種類以上の粒子サイズの異なる粒子を混合して用いてもよい。更に、異なる材料からなる粒子を混合してもよい。
粒子サイズの異なる半導体粒子を使用する場合、粒子サイズの大きい半導体粒子と小さい半導体粒子の平均粒径が、10倍以上の差がある方がよい。具体的には、100〜500nmの平均粒径の半導体粒子と、5〜50nmの平均粒径の半導体粒子を使用することが好ましい。平均粒径の大きい粒子は、主に光捕捉率をあげる目的で、平均粒径の小さい粒子は、主に、色素の吸着点をより多くすることで、色素吸着性を向上させる目的を有している。また、異なる材料からなる半導体粒子を混合する場合、吸着作用の強い材料を小粒径にした方が効果的である。
半導体粒子は、各種文献等に記載されている方法に準じて製造できる。例えば「新合成法:ゾルーゲル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」第35巻、第9号、1012〜1018頁(1995)等に記載された方法が代表的なものとして挙げられる。また、Degussa社が開発した塩化物(商品名 P25)を高温加水分解することにより半導体粒子を得る方法も挙げられる。
特に、酸化チタンは、アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶系があり、その製法や熱履歴によりいずれの形もとりうる。一般に入手可能なものは、これらの混合体である。アナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型より光吸収の長波端波長が短く、紫外光による光電変換効率の低下を起こす度合いが少なく、色素をより増感させやすい。そのため、酸化チタンは、アナターゼ型の含有率の高いものが好まし。特に、80重量%以上アナターゼ型の酸化チタンをことが好ましい。
次に、本発明に使用できる一般式(1)の色素について説明する。
一般式(1)において、R1は、水素原子、炭素数1から4のアルキル基である。炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。この内、水素原子又はメチル基が好ましい。
2は、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、炭素数1から4のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6から12のアリール基、置換基を有していていもよいスチリル基である。炭素数1から4のアルキル基としては、上記R1に記載したものと同様のアルキル基が挙げられる。炭素数1から4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。炭素数6から12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。また、アリール基及びスチリル基に結合可能な置換基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
更に、R1とR2とが互いに結合しあって5員環、6員環を形成してもよい。具体的には、R1とR2がアルキル基の場合、それが結合する炭素原子と共に、ベンゼン環、シクロペンタンジエン等の5員環又は6員環を形成していてもよい。
Lは、水素原子又は電子吸引性基である。電子吸引性基としては、一般的に有機化学のテキストに記載されているものが挙げられる。具体的には、シアノ基、塩素のようなハロゲン原子、トリフロロメチル基、ニトロ基、フェニル基、アルコキシカルボキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシカルボキシル基又はエステル化されたカルボキシル基等が挙げられる。この中でもシアノ基、トリフロロメチル基、またはトリフロロメチル基を含有するエステル体(例えば、カルボキシル基のα,α,α-トリフロロアルキルオキシカルボニル基)等の電子吸引性の強い置換基が好ましいものとして挙げられる。
Mは、水素原子又は塩形成カチオンである。具体的には、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。
3、R4、R5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。炭素数1から4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。炭素数6から12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
Zは、置換基を有していてもよい炭素数6〜24芳香環基である。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン等の縮合ベンゼン環、チアゾリン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、セレナゾール、ベンゾセレナゾール、キノリン、インドール、インドレニン、ベンゾイミダゾール、クマリン等の環状構造を含む複素環に由来する基が挙げられる。
Aは置換基を有していてもよい炭素数4又は5の2価の芳香環基である。具体的には、チオフェン、フラン等の複素環に由来する2価の基が挙げられる。
Z及びAに結合可能な置換基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の低級アルキルアミノ基等が挙げられる。これら置換基は、Z及びAの置換可能箇所を複数置換していてもよい。特に、Zでは、複数の置換可能箇所と共に置換基が環を形成していてもよい。また、この環には、窒素原子が含まれていてもよい。
mは0〜3の整数であり、nは0〜4の整数である。
これらの色素の代表的なものについて具体的構造を以下に記載する。
Figure 2005197117
Figure 2005197117
Figure 2005197117
Figure 2005197117
Figure 2005197117
Figure 2005197117
Figure 2005197117
上記化合物1、3、6、8〜11及び13〜23中、−COOHはアルカリ金属塩やアンモニウム塩であってもよい。化合物2、4、5、7及び12中、−COONa、−COOK又は−COO-NH4 +は−COOHであってもよい。
更に、上記色素は、水和物であってもよい。
なお、上記色素は、公知の方法により製造することができる。その一例として、以下の反応式に示す製法が挙げられる。
中間体である式(C)の合成は、H.E.Carter,Org.React.3(1932)198、L.F.Tietze and U.Beifuss,Comp.Org.Syn.2(1991)341に記載の方法に準拠して製造することができる。その一例として、以下の反応式に示す製法が挙げられる。
まず、式(A)に示す活性メチレン誘導体と、γ−ピラン誘導体とを、アルコール等の有機溶媒に溶解し、触媒としてアミンを加えた後、100℃前後の温度で数時間加熱することで化合物(C)を得る。
Figure 2005197117
次に、式(D)に示すケトン誘導体は、例えば、芳香環基Z中のメチル基を過マンガン酸カリウムにより酸化し、三塩化リンで処理することで得られるカルボン酸塩化物を、接触水素化の条件下で還元することにより得られる。また、Zをジメチルホルムアミド(DMF)とオキシ塩化リンによりホルミル化体に変える、いわゆるビルスマイヤー反応によっても得られる。式(D)に示すケトン誘導体と前記化合物(C)を、DMFのような有機溶媒に溶解し、攪拌下、数時間熱処理する。得られた反応物を単離することで、一般式(1)に示す化合物を得ることができる。この反応式を下記する。
Figure 2005197117
上記色素を半導体に吸着さすことにより半導体電極が得られる。吸着方法としては、色素を有機溶剤に溶解させて溶液を得、よく乾燥した半導体粒子を数時間室温で溶液に浸漬する方法が一般的である。色素の溶解性を向上する方法としては、少し溶解温度を上げる方法、2種類以上の異なる溶剤を混合する方法等が挙げられる。
半導体粒子を導電性支持体に塗布する場合は、色素の吸着は半導体粒子に導電性支持体に塗布する前に行っても、塗布後に行ってもよい。色素の吸着性の面から、半導体粒子を塗布した後に色素を吸着させた方が好ましい。導電性支持体上に塗布した半導体粒子からなる膜に色素を吸着させる方法は、色素溶液中に、よく乾燥した膜を浸漬さすか、もしくは色素溶液を膜上に塗布して吸着させる方法が用いることができる。
未吸着の色素は、素子機能の乱れを引き起こすため、吸着工程後、速やかに洗浄により除去することが好ましい。洗浄溶剤は色素溶解性の比較的低いものを用いるのがよい。また、アセトンのような比較的乾燥しやすい溶剤を用いることが好ましい。
色素の吸着量は、少ないと増感効果が不十分になる。逆に多いと、半導体に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、その結果、光電変換効率低下をもたらす原因となる。
色素同志の会合を防止し、色素に一定の方向性をもたらすために、共吸着性の比較的低分子の化合物を加えてもよい。共吸着性の化合物としては、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基を有するコール酸のようなステロイド化合物が挙げられる。
また、余分な色素の除去後、吸着状態をより安定にするために半導体の表面を有機塩基性化合物により処理して、残存する未吸着色素を除去してもよい。有機塩基性化合物としては、ピリジン、キノリン、これらの誘導体等が挙げられる。有機塩基性化合物が、液体の場合はそのまま用いてもよいが、固体の場合は溶剤に溶解して用いてもよい。この溶剤は、色素溶解に使用した溶剤と同じであることが好ましい。
なお、使用する色素にもよるが、色素の吸着量は、1×10-10〜1×10-8mol/mm2の範囲であることが好ましい。1×10-10mol/mm2未満の場合、十分な光電変換効率を得ることが困難であるので好ましくなく、1×10-8mol/mm2より多い場合、未吸着の色素が残存する場合があるので好ましくない。
半導体電極は、通常、導電性支持体上に形成されている。この導電性支持体としては、金属のようにそれ自体が導電性を有する材料からなる支持体、表面に導電層が形成されたガラスやプラスチック等の支持体が利用できる。好ましい導電層としては、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、インジウム錫複合酸化物、フッ素をドープした酸化錫等からなる層が挙げられる。これらの導電層の膜厚は0.02〜2μm程度が好ましい。導電性支持体は、表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗は40Ω/cm2以下である。
導電性支持体は、実質的に透明であることが好ましい。この点及び機械的な強度を考慮にいれると、フッ素をドープした酸化錫からなる導電層をソーダ石灰フロートガラスからなる透明性基板上に積層したものが好ましい。
また、コストの低減、フレキシブル性の向上等を考慮にいれると、透明ポリマーシートからなる支持体上に上記導電層を設けてもよい。透明ポリマーシートとしては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
導電性支持体の抵抗をさげるために金属リード線を導電層の上又は下に形成してもよい。金属リード線の材質としては、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ニッケル等がこのましい。例えば、金属リード線を支持体上にスパッター、蒸着等で設置し、その上に酸化錫、ITO等の導電層を設けてもよい。なお、金属リード線を入射光量が低下しないように形成することが好ましい。
本発明の光電変換素子は、上記半導体電極を構成要素として含む。光電変化素子は、通常、上記半導体電極、電解質層及び電解質層を介して半導体電極と対向する対極とからなる。
対極としては、導電性基板上に薄膜状にコートした白金、ロジウム、ルテニウム、カーボンからなる電極、酸化物半導体電極等が挙げられる。好ましくは、白金又はカーボンからなる電極である。
電解質層としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化イミダゾリウム等の電解質と溶剤とからなるレドックス電解溶液中に、ゲル化剤を加えることによりゲル化した固体化電解質からなる層が挙げられる。ここで溶剤としては、基本的には、熱、pH等に安定で、かつ、電解質を溶解する親水性でない溶剤(特に、水酸基をもたない溶剤)であることが好ましい。一般的には、電子吸引性を有するアセトニトリル等が好ましい。このレドックス電解溶液の電解質濃度は、約0.1〜2.0mol/Lが適当である。
また、レドックス電解溶液の代わりに、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリ弗化ビニリデン誘導体等の固体ポリマーを熱溶融させ、室温時固体化させることで所望形状の電解質層としてもよい。更には、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体等のP型半導体樹脂を電解質層として用いてもよい。更にはこれら電解質層の構成樹脂を適時混合してもよい。
更に、半導体薄膜電極と対極の接触を防止するために、スぺーサーを介在させてもよい。スぺーサーとしてはポリエチレンのような高分子フイルムが挙げられる。このスペーサーの膜厚は10〜100μmぐらいが適当である。
本発明によれば、上記半導体電極からなる光電変換素子を構成要素として含む太陽電池が提供される。
合成例
上記化合物−2の合成例を示す。
まず、活性メチレン誘導体(A)0.462g(3mmol)と2―メチル−γ−ピラン誘導体(B)0.414g(3mmol)をエタノールに溶解させた。得られた溶液中にピペリジンを触媒として加え、100℃で約5時間攪拌さすことにより化合物(C)を得た。これを反応式であらわすと次のようになる。
Figure 2005197117
次に、2-メチルベンゾチアゾールを酸化することにより得られるベンゾチアゾール誘導体(D)0.326g(2mmol)と前記化合物(C)0.488g(2mmol)を、DMFに溶解し、この溶液に少量の過剰モルのナトリウムエトキサイドのエタノール溶液に加えて5時間程度加熱下に置いて、よく撹拌することにより化合物−2を得た。これを反応式であらわすと次のようになる。
Figure 2005197117
後処理は純水に反応液を加え、析出した泥状物をエタノールで熱洗した。この過程により粉末状の粗色素を得た。最後にこのようにして得られた粗色素をカラムで精製して目的の化合物−2を0.570g得た(収率68%)。
なお、化合物−2の同定は元素分析により行った。
元素分析:C21H18NNaO5S
計算値(%) C, 60.14; H, 4.33; N, 3.34
実測値(%) C, 60.10; H, 4.35; N, 3.29
化合物−1、化合物−3〜化合物−19に関しても同様に合成を行った。元素分析の結果を以下に示す。
化合物−1
元素分析:C18H12N2O4
計算値(%) C, 67.50; H, 3.78; N, 8.75
実測値(%) C, 67.40; H, 3.80; N, 8.80
化合物−3
元素分析:C27H18F3NO5Se
計算値(%) C, 56.66; H, 3.17; N, 2.45
実測値(%) C, 56.64; H, 3.16; N, 2.41
化合物−4
元素分析:C24H21N3O3
計算値(%) C, 72.16; H, 5.30; N, 10.52
実測値(%) C, 72.15; H, 5.31; N, 10.50
化合物−5
元素分析:C20H13N2NaO4
計算値(%) C, 65.22; H, 3.56; N, 7.61
実測値(%) C, 65.11; H, 3.45; N, 7.63
化合物−6
元素分析:C27H19NO5S
計算値(%) C, 69.07; H, 4.08; N, 2.98
実測値(%) C, 69.21; H, 4.01; N, 2.95
化合物−7
元素分析:C25H24KNO5
計算値(%) C, 65.62; H, 5.29; N, 3.06
実測値(%) C, 65.53; H, 5.28; N, 3.08
化合物−8
元素分析:C28H20N2O3S
計算値(%) C, 72.39; H, 4.34; N, 6.03
実測値(%) C, 72.20; H, 4.44; N, 6.09
化合物−9
元素分析:C26H30F3NO5
計算値(%) C, 63.28; H, 6.13; N, 2.84
実測値(%) C, 62.99; H, 6.32; N, 2.85
化合物−10
元素分析:C28H24N2O3S
計算値(%) C, 71.77; H, 5.16; N, 5.98
実測値(%) C, 71.67; H, 5.18; N, 6.04
化合物−11
元素分析:C20H13NO5
計算値(%) C, 69.16; H, 3.77; N, 4.03
実測値(%) C, 70.01; H, 3.52; N, 3.52
化合物−12
元素分析:C33H33N3O5
計算値(%) C, 71.85; H, 6.03; N, 7.62
実測値(%) C, 71.97; H, 6.14; N, 7.43
化合物−13
元素分析:C32H32F3NO7
計算値(%) C, 64.10; H, 5.38; N, 2.34
実測値(%) C, 63.94; H, 5.28; N, 2.49
化合物−14
元素分析:C27H26F3NO5
計算値(%) C, 64.66; H, 5.23; N, 2.79
実測値(%) C, 65.01; H, 5.11; N, 2.70
化合物−15
元素分析:C36H34N2O5
計算値(%) C, 75.24; H, 5.96; N, 4.87
実測値(%) C, 75.11; H, 6.08; N, 4.88
化合物−16
元素分析:C34H37NO7
計算値(%) C, 71.43; H, 6.52; N, 2.45
実測値(%) C, 71.56; H, 6.52; N, 2.68
化合物−17
元素分析:C29H26F3NO6S
計算値(%) C, 60.73; H, 4.57; N, 2.44
実測値(%) C, 60.55; H, 4.54; N, 2.53
化合物−18
元素分析:C39H36F3NO5S2
計算値(%) C, 65.07; H, 5.04; N, 1.95
実測値(%) C, 65.88; H, 4.39; N, 1.88
化合物−19
元素分析:C36H37NO8
計算値(%) C, 70.69; H, 6.10; N, 2.29
実測値(%) C, 69.88; H, 6.64; N, 2.38
化合物−20
元素分析:C19H14N2O4
計算値(%) C, 68.26; H, 4.22; N, 8.38
実測値(%) C, 67.40; H, 3.80; N, 8.80
化合物−21
元素分析:C28H20F3NO5Se
計算値(%) C, 57.35; H, 3.44; N, 2.39
実測値(%) C, 56.64; H, 3.16; N, 2.41
化合物−22
元素分析:C21H15NO5
計算値(%) C, 69.80; H, 4.18; N, 3.88
実測値(%) C, 70.01; H, 3.52; N, 3.52
化合物−23
元素分析:C38H38N2O5
計算値(%) C, 75.72; H, 6.35; N, 4.65
実測値(%) C, 75.11; H, 6.08; N, 4.88
実施例1〜8及び比較例1〜2
(有機太陽電池の作製)
上記化合物の内8種と下記で表される化合物24及び25(比較例1及び2)を増感色素として吸着させたナノポーラス酸化チタン薄膜電極(厚さ14μm)、ヨウ素イオンレドックス電解溶液(0.3molヨウ化テトラアルキルアンモニウム+0.03molヨウ素をプロピレンカーボネート:アセトニトリル容積比=1:1の混合溶剤に溶解した溶液)、ポリエチレンスぺーサー(厚さ30μm)及び白金対極からなる色素増感型太陽電池を作製した。
Figure 2005197117
これら各工程についてより具体的に説明する。
・酸化チタン薄膜電極の作製方法
(酸化チタン分散液の調製)
酸化チタンSSP―M(堺化学製:アナターゼタイプ)を純水で、数回洗浄し、これを内側をテフロン(登録商標)ライニングしたステンレス製べッセルに入れ、約3倍の重量の純水及び分散剤TORITONN X-100(ALDRICH社)を1重量%ほど加えた。次いで、直径0.5mmのガラスビーズを加えて、ペイントシェイカー(RED―DEVIL社製)により約1時間分散した。得られた分散液から、ガラスビーズを濾過して取り除いた。このようにして平均粒径0.3μmの粒子を含む酸化チタン分散液を作製した。またX線回析装置を用いてアナターゼ、ルチルのそれぞれのピーク強度比より酸化チタンSSP−Mのアナターゼ化率を求めた結果、アナターゼ化率100%であった。
(酸化チタン薄膜電極の作製)
フッ素をドープした酸化錫からなる導電膜を備えた導電性ガラス(サイズ:25mm×100mm)の導電膜側にクリアランス150μmのアプリケーターを用いて前記分散液を塗布した。塗布後室温下で約1時間風乾した後、電気炉(ヤマト科学社製)中、450℃で、30分間焼成し、TiO2電極を得た。この電極を取り出し室温下まで冷却後、上記化合物の内の8種を増感色素としてTiO2電極に吸着させたナノポーラス酸化チタン薄膜電極(厚さ14μm)を作製した。
なお、各色素はエタノール/DMF(1/1容積比)に溶かし、更にこれら色素溶液に、色素mol比でコール酸0.4molを添加した溶液を用いて5時間以上浸漬し、次いで湿度30%で自然乾燥した。
作製した太陽電池に対して、太陽光とほぼ同じ光強度であるAM1.5(100mW/cm2)の光を照射し、その時発生した電気量及び光電変換効率を測定し、表1に記載した。また、表1にはこれら色素のアルコール溶液中での吸収極大波長についても記載した。なお、光電変換率は、光照射した結果生じた電気量を電流−電圧測定装置にて求め、電気量から光電変換率を求めた。
Figure 2005197117
上記表1から、実施例1の色素を含む半導体電極を備えた太陽電池は、光電変換効率が高いことがわかる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2005197117
    (式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数4又は5の2価の複素環基を示し、Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜24の芳香環基を示し、R1は水素原子又は炭素数1から4のアルキル基、R2は水素原子、炭素数1から4のアルキル基、水酸基、炭素数1から4のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6から12のアリール基、置換基を有していていもよいスチリル基であり、R1とR2は互いに結合して5員環、6員環の炭素環式化合物を形成してもよい。R3、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基を示す。Lは水素原子又は電子吸引性基であり、Mは水素原子又は塩形成カチオンである。mは0〜3の整数、nは0〜4の整数である。)
    で表わされる有機色素により増感された半導体電極からなることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記Lが、シアノ基、トリフロロメチル基、カルボキシル基又はエステル化されたカルボキシル基である請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記エステル化されたカルボキシル基が、α,α,α-トリフロロアルキルオキシカルボニル基である請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記Aが、チオフェン又はフランに由来する2価の基である請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  5. 半導体が、少なくとも金属酸化物からなる微粒子を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の光電変換素子を構成要素として含む太陽電池。
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