JP2003234133A - スチリル色素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子及び光電気化学太陽電池 - Google Patents

スチリル色素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子及び光電気化学太陽電池

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JP2003234133A
JP2003234133A JP2002030040A JP2002030040A JP2003234133A JP 2003234133 A JP2003234133 A JP 2003234133A JP 2002030040 A JP2002030040 A JP 2002030040A JP 2002030040 A JP2002030040 A JP 2002030040A JP 2003234133 A JP2003234133 A JP 2003234133A
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和弘 佐山
Hironori Arakawa
裕則 荒川
Kojiro Hara
浩二郎 原
Sadaji Suga
貞治 菅
Akira Jinpo
昭 神宝
Yasuyo Oga
保代 大賀
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の構造のスチリル系有機色素増感剤を用
いた光電変換効率の高い半導体電極を提供する。 【解決手段】 少なくとも下記一般式(1)で表される
化合物の中から選ばれる少なくとも1種のモノメチンス
チリル色素を吸着していることを特徴とする半導体電
極。 【化1】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Dと縮合又は結合して
いてもよく、Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、
置換基を有する炭素原子又は置換基を有する窒素原子を
示し、X1はカルボキシル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチリル系有機色
素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子及びこれ
を用いた光電気化学太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ルテニウムなどの金属錯体や
有機色素を光増感剤とし、ナノ粒子の二酸化チタンや酸
化亜鉛などの大きいバンドギャップを有する酸化物半導
体薄膜電極とレドックス電解液からなる高効率の色素増
感型光電変換素子が報告されている。その変換効率の高
さと製造における低コストの可能性から、光電気化学太
陽電池への応用が注目されている。
【0003】色素増感型光電気化学太陽電池における増
感色素としてこれまでに用いられてきた有機色素には、
フェニルキサンテン系色素、フタロシアニン系色素、ク
マリン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、
ポルフィリン系色素、プロフラビン系色素などがある。
これらの有機色素は、金属錯体と比べて吸収係数が大き
く、安価であり、且つ構造の多様性により吸収特性を制
御できるなどの光増感剤としての利点がある。しかしな
がら、その吸収波長領域が比較的短波長領域に限られ、
また量子収率も低いため、太陽エネルギー変換効率はル
テニウム錯体などの金属錯体を用いたものと比べて大き
く劣っていた。
【0004】色素増感型光電気化学太陽電池の光電変換
原理を示すと、半導体電極において色素は半導体表面に
吸着アンカー基により吸着している。色素が光を吸収す
ると色素の最高被占軌道(HOMO)から最低空軌道
(LUMO)に電子が励起される。LUMOの電子は半
導体の伝導帯(CB)に電子移動し、この電子が外部導
線を通って対極に移動する。対極では電子はヨウ素など
のレドックスに電子を渡し、最後にレドックスから酸化
状態の色素に電子が渡されて、光電変換サイクルが完結
する。このメカニズムから明らかなように、光電変換が
起こるためには色素のLUMO準位が半導体のCB準位
より負であること、および色素のHOMO準位がレドッ
クス準位よりも正であることが必要不可欠である。また
色素が光反応中に分解する場合にも光電変換は進行しな
い。このように光電変換を進行させ、かつ実効的な効率
を得るためには特定な構造の色素でなくてはいけないこ
とがわかる。この特定の構造は、基本的には実験によっ
て知見が得られ特定される。
【0005】近年、スチリル色素については比較的高い
性能の出る構造の色素が学術論文として報告された(C
hem.Commun.2063(2000))。この
色素はスルホン酸のアンカー基を持ち、色素のクロモフ
ォア(発色団共役主骨格)とスルホン酸基との距離が長
い構造であった。しかし、この報告の色素でも太陽エネ
ルギー変換効率はまだ充分でなかった。本発明者はこの
スチリル色素について詳しく実験を行い、高性能化の研
究を行ってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の構造
のスチリル系有機色素増感剤を用いた光電変換効率の高
い半導体電極、該電極を用いた高効率色素増感型光電変
換素子及びこれを用いる色素増感型光電気化学太陽電池
を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多くのス
チリル色素についてその構造と太陽エネルギー変換効率
との相関を研究した。その結果、スチリル系色素に関し
て以下の知見が得られた。(a)スルホン酸アンカー基
よりもカルボキシル基アンカーの方が吸着性が優れてい
る。(b)色素のクロモフォア(発色団共役主骨格)と
吸着している半導体との距離が近いほど色素から半導体
への電子移動がし易くなるので光電変換効率が向上す
る。(c)アニリン環のある特定の位置に大きな置換基
が存在すると光電変換効率が向上する。本発明は、これ
らの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、下記に示す半
導体電極、該電極を用いた光電変換素子及び該素子を用
いた高性能な光電気化学太陽電池が提供される。 (1)少なくとも下記一般式(1)及び一般式(2)で
表される化合物の中から選ばれる少なくとも1種の4級
の窒素原子(N+)とカルボキシル基アンカー(X1)を
連結する炭素が1個であるモノメチンスチリル色素を吸
着していることを特徴とする半導体電極。
【化5】
【化6】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Dと縮合又は結合して
いてもよく、R1、R2は水素原子又は置換基を有してい
ても良い炭素数1〜40のアルキル基を示し、R3
4、R5、R6は水素原子又は置換基を示し、R7は水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基又はアニリ
ン誘導体基を示し、R8は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基又はシアノ基を示し、R9、R10は水素原子又
は電子吸引性基を示し、Yはイオウ原子、酸素原子、セ
レン原子、置換基を有する炭素原子又は置換基を有する
窒素原子を示し、X1はカルボキシル基を示し、Z1、Z
2は、水素原子又は置換基を示し、X-は陰イオンを示
し、前記R1とR4およびR2とR6とは互いに結合して環
を形成していてもよい) (2)前記一般式(1)又は(2)において、R1及び
2の少なくとも一方が炭素数4〜20のアルキル基で
あることを特徴とする前記(1)に記載の半導体電極。 (3)該モノメチンスチリル色素とともに、それ以外の
色素を吸着していることを特徴とする請求項1〜2のい
ずれかに記載の半導体電極。 (4)少なくとも下記一般式が(3)及び(4)で表さ
れる化合物の中から選ばれる少なくとも1種の4級の窒
素原子(N+)とカルボキシル基アンカー(X2)を連結
する炭素が1個であるジメチンスチリル色素を吸着して
いることを特徴とする半導体電極。
【化7】
【化8】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Eと縮合又は結合して
いてもよく、R11、R12は水素原子又は置換基を有して
いても良い炭素数1〜40のアルキル基を示し、R13
14、R15、R16は水素原子又は置換基を示し、R17
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基又はア
ニリン誘導体基を示し、R18、R19、R20は水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基又はシアノ基を示し、R21
22は水素原子又は電子吸引性基を示し、Yはイオウ原
子、酸素原子、セレン原子、置換基を有する炭素原子又
は置換基を有する窒素原子を示し、X2はカルボキシル
基を示し、Z11、Z12は水素又は置換基を示し、X-
陰イオンを示し、前記R11とR14およびR12とR16とは
互いに結合して環を形成していてもよい) (5)前記一般式(3)又は(4)において、R11及び
12の少なくとも一方が炭素数4〜20のアルキル基で
あることを特徴とする前記(4)に記載の半導体電極。 (6)該ジメチンスチリル色素とともに、それ以外の色
素を吸着していることを特徴とする前記(4)〜(5)
のいずれかに記載の半導体電極。 (7)該半導体電極が、導電性ガラス上に形成された半
導体膜からなることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれかに記載の半導体電極。 (8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の半導体電
極を有することを特徴とする光電変換素子。 (9)前記(8)に記載の光電変換素子を有することを
特徴とする光電気化学太陽電池。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)〜(4)におい
て、環Aは置換基を有していてもよい芳香環を示す。こ
の場合、芳香環には炭素芳香環(ベンゼン環)と複素芳
香環の両方が包含される。
【0010】環Aがベンゼン環からなる場合、この環に
は他の環Dが縮合又は結合していてもよい。この場合の
他の環Dには、炭素環や複素環が包含される。また、環
Dは1つの環からなることができる他、複数(2〜4)
の環からなることができる。環Dにおいて、その構成元
素数は、5〜40、好ましくは5〜20である。前記環
Dの具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環、シクロヘキサン環等の炭素環の
他、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾー
ル環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、
α−ピラン環、α−ピロール環、ピリジン環、γ−ピロ
ン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、ベ
ンゾフラン環、ベンゾピラン環、キノリン環、イソキノ
リン環、キノキサリン環、フタラジン環等の複素環が挙
げられる。
【0011】環Aが複素芳香環からなる場合、その構成
元素数は5〜20、好ましくは5〜10である。また、
その複素原子は、窒素、イオウ、酸素、セレン等である
ことができる。この複素芳香環の具体例としては、フラ
ン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チ
アゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、α−ピラ
ン環、α−ピロール環、ピリジン環、γ−ピロン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラゾール環等が挙げられ
る。複素芳香環には、他の環Eが縮合していてもよい。
この場合の他の環Eには、炭素環や複素環が包含され
る。また、環Eは1つの環からなることができる他、複
数(2〜4)の環からなることができる。環Eにおい
て、その構成元素数は、5〜40、好ましくは5〜20
である。前記環Eの具体例としては、例えば、ベンゼン
環、ナフタレン環、アントラセン環、シクロヘキサン環
等の炭素環の他、ベンゾフラン環、ベンゾピラン環、キ
ノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フタラジ
ン環等が挙げられる。
【0012】前記5員環Bの具体例としては、チアゾー
ル環、オキサゾール環、セレナゾール環、イミダゾール
環、ピロール環等が挙げられる。
【0013】前記5員環Bと芳香環Aとの縮合した縮合
環の具体例を示すと、ベンゾチアゾール環、ナフトチア
ゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール
環、ベンゾセレナゾール環、インドール環、ベンズイン
ドール環、アザインドール環などが挙げられる。
【0014】前記芳香環Aには、1つの置換基又は複数
の置換基が結合していてもよい。このような置換基とし
ては、例えば、メチル基、エチル基、オクチル基、オク
タデシル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖又は分岐
の炭素数1〜22、好ましくは1〜18のアルキル基;
メトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1
〜22、好ましくは1〜18のアルコキシ基;フェニル
基、ナフチル基などの炭素数6〜22、好ましくは6〜
12のアリール基;ベンジル基などの炭素数7〜22、
好ましくは7〜12のアラルキル基;水酸基;シアノ
基;ニトロ基;クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハ
ロゲン基;トリフルオロメチル基などが挙げられる。
【0015】Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、
置換基を有する炭素原子、置換基を有する窒素原子を表
す。この場合の置換基としては、メチル基、エチル基、
オクチル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基な
どの直鎖又は分岐の炭素数1〜22、好ましくは2〜1
8のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数
6〜22、好ましくは6〜12のアリール基;ベンジル
基などの炭素数7〜22、好ましくは7〜12のアラル
キル基などが上げられる。
【0016】一般式(1)〜(4)において、R1
2、R11、R12は、メチル基、エチル基、オクチル
基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖
又は分岐の炭素数1〜40、好ましくは2〜20の置換
基を有しても良いアルキル基を表す。またR1とR4、R
2とR6、R11とR14、R12とR16とは互いに結合して5
員環或いは6員環などの環を形成していても良い。
【0017】一般式(1)〜(4)において、R3
6、R13〜R16は、水素原子又は置換基を表す。この
場合の置換基には、ベンゼン環に結合し得る各種の置換
基が包含される。このような置換基としては、炭素数1
〜20のアルキル基、アルコキシ基の他、クロロ基、ブ
ロモ基、ヨード基などのハロゲン基等が挙げられる。R
8、R18、R19、R20は炭素数1〜4のアルキル基又は
シアノ基を表す。R7、R17は水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、シアノ基又はアニリン誘導体基を表す。
この場合のアニリン誘導体基は、下記一般式(5)で表
され、置換基R1〜R6は前記のR1〜R6と同じ意味を有
する。
【化9】
【0018】色素には吸着配向を制御するための大きな
置換基がついていると性能が向上する場合が多い。大き
な置換基としては、炭素数2〜40の直鎖または枝分か
れしたアルキル基や、置換基を有したアルキル基などで
ある。好ましくは炭素数4以上20以下のアルキル基が
望ましい。その置換基の位置としては、一般式(1)〜
(4)においてR1〜R7、R11〜R17である。好ましく
は、R1とR2、R11とR12の位置が望ましい。ただし、
置換基が大きすぎると色素が溶媒に溶けにくかったり、
半導体表面に吸着しにくくなる可能性がある場合は、こ
のような弊害が起こらない大きさが望ましい。
【0019】一般式(1)〜(4)において、R9とR
10、R21とR22はそれぞれ独立に水素原子或いは、シア
ノ基、トリフロロメチル基、カルボキシル基等の電子吸
引性基を表す。X1、X2はカルボキシル基を表し、半導
体表面と吸着するためのアンカー基である。アンカー基
としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、
アミノ基などが用いられるが、半導体表面への吸着能力
を考慮すると、最も好ましくはカルボンキシル基であ
る。
【0020】一般式(1)〜(4)で表されるスチリル
色素では、メチン鎖を挟んでアニリン側(右側)の電子
ドナー性が高く、5員環側(左側)の電子アクセプター
性が高いので、励起状態では5員環側(左側)に電子が
多く集まっている。また、半導体の電子が色素に戻る逆
電子移動を抑制するために、色素のアニリン側(右側)
は半導体からできるだけ離れた配置で吸着することが望
ましい。そのため、半導体表面と吸着するためのアンカ
ー基は、5員環側(左側)にあることが望ましく、好ま
しくはX1及びX2の位置である。また、色素が半導体表
面に吸着したときに、電子移動は色素から半導体に向か
って起こるので、色素のクロモフォア(発色団本体)と
半導体との距離は短い方がよい。具体的には、アンカー
基としてのX1及びX2においては「−(CR2)n−
1」「−(CR2)n−X2」と表現されるとき(Rは
任意の置換基)は、nはできるだけ小さい数字、好まし
くはゼロが良いと推測される。しかし合成上の有利さを
考慮し、本発明ではn=1である事を特徴とする。光電
変換効率を向上させるため、色素の置換基を替えて、色
素のLUMOやHOMOの準位を精密にコントロールす
ることができる。色素から半導体への電子移動が律速の
場合、準位を負にシフトさせた方が性能が高くなる。こ
の場合には、電子供与基を置換基として付けることが望
ましい。
【0021】前記一般式(2)、(4)において、
1、Z2、Z11、Z12は、水素原子又は置換基を表す。
この場合の置換基としては、例えば、メチル基、エチル
基、オクチル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル
基などの直鎖又は分岐の炭素数1〜22、好ましくは1
〜18のアルキル基;メトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などの炭素数1〜22、好ましくは1〜18のア
ルコキシ基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜
22、好ましくは6〜12のアリール基;ベンジル基な
どの炭素数7〜22、好ましくは7〜12のアラルキル
基;水酸基;シアノ基;ニトロ基;クロロ基、ブロモ
基、ヨード基などのハロゲン基;トリフルオロメチル基
などが挙げられる。
【0022】一般式(1)〜(4)において、X-は陰
イオンを表す。このようなものには、ヨウ素イオン、臭
素イオン、塩素イオンなどのハライドイオンや、p−ト
ルエンスルホン酸イオンなどの有機酸イオン、六フッ化
リン酸、四フッ化ホウ素酸などの無機酸イオンなどが包
含される。この陰イオンは、主骨格の対イオンとして存
在する。一般式(1)〜(4)において、1部或いは全
てのX-が存在しない場合、すなわち分子内イオンを形
成していても良い。
【0023】次に、前記一般式(1)〜(4)で表され
る化合物(有機色素)の具体例を以下に示す。
【0024】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【0025】本発明によるスチリル系有機色素により増
感された半導体電極は、従来公知の有機色素増感型半導
体電極において、その有機色素として、前記で示した本
発明によるスチリル系有機色素を用いることにより得る
ことができる。この場合、前記スチリル系有機色素とと
もに、それ以外の増感色素を併用することができる。こ
のような増感色素としては、従来公知のもの、例えば、
ルテニウム錯体、フェニルキサンテン系色素、フタロシ
アニン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、メロ
シアニン系色素、ポルフィリン系色素、プロクラビン系
色素、スクワリリウム系色素、キサンテン系色素、前記
一般式(1)〜(4)以外のスチリル系色素等が挙げら
れる。前記スチリル系色素をこれらの他の色素と組合せ
て用いる場合、そのスチリル系色素の割合は、両者の合
計量に対し、1重量%以上、好ましくは50重量%以上
である。
【0026】本発明による有機色素増感型半導体電極を
好ましく製造するには、導電性基板を用意し、その上に
半導体薄膜を積層し、その半導体薄膜に本発明による有
機色素を吸着させる。導電性基板としては透明電極など
光透過率が高いものが望ましい。前記透明電極として
は、導電性を有するものであればどのようなものでもよ
く、例えば、透明ないし半透明のガラス基板やプラスチ
ック板上に、例えば、フッ素あるいはアンチモンドープ
の酸化スズ(NESA)、スズドープの酸化インジウム
(ITO)、酸化亜鉛などの導電性透明酸化物半導体薄
膜をコートしたもの、好ましくは、フッ素ドープの酸化
スズ薄膜をコートしたもの等が用いられる。
【0027】本発明で用いられる半導体薄膜は、微粒子
(粒子径3〜2000nm)からなる多孔質構造を有す
る半導体化合物で構成することができる。好ましくは5
〜100nmの粒子径が良い。その半導体材料として
は、例えば、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、
酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化
ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ガリウム、酸
化ニッケルなどの単一金属酸化物、チタン酸ストロンチ
ウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル
酸ナトリウムなどの複合酸化物、ヨウ化銀、臭化銀、ヨ
ウ化銅、臭化銅などの金属ハロゲン化物、硫化亜鉛、硫
化チタン、硫化インジウム、硫化ビスマス、硫化カドミ
ウム、硫化ジルコニウム、硫化タンタル、硫化銀、硫化
銅、硫化スズ、硫化タングステン、硫化モリブデン、セ
レン化カドミウム、セレン化ジルコニウム、セレン化亜
鉛、セレン化チタン、セレン化インジウム、セレン化タ
ングステン、セレン化モリブデン、セレン化ビスマス、
テルル化カドミウム、テルル化タングステン、テルル化
モリブデン、テルル化亜鉛、テルル化ビスマスなどのカ
ルコゲナイド化合物、さらには、これらの化合物を二種
類以上含む混合化合物半導体材料(例えば、酸化スズ/
酸化亜鉛、酸化スズ/酸化チタン)が挙げられるが、こ
れらに限定されない。前記した半導体薄膜の膜厚は、
0.01〜100μmであり、センサー等の光電変換素
子では薄くても使用できる。高い光変換効率のために、
好ましくは、3〜30μmである。
【0028】半導体膜の作成方法としては、多孔質構造
の膜が作製できる方法(例えば湿式塗布法等)であれば
良い。湿式塗布法では、微粒子を含むペーストを、印刷
法やキャスト法、スピンコート法、バーコータ法、スプ
レー法などで導電性基板に付着させた後、乾燥や焼成に
より溶媒や添加物を除去して成膜する。微粒子を基板上
に圧力をかけて押し固めても良い。また、半導体の前駆
体を熱や光、水分などで分解させながら基板に降り積も
らせる方法でも良い。半導体粒子と隣り合う粒子との電
気的接触を改善するために、基板が劣化しない範囲で1
00〜800℃での焼成処理を行うことが望ましい。好
ましくは400〜600℃である。この処理は、空気や
酸素、窒素などの不活性ガス、水素などの還元性ガスを
一部含んだ不活性ガス、真空中などで行う。半導体膜の
特性をさらに上げる方法として、四塩化チタン水溶液処
理を行うことが望ましい。また、塩酸などの酸水溶液に
半導体膜電極を浸す処理をすることで短絡電流を向上さ
せることができる。
【0029】有機色素の半導体薄膜上への吸着は、色素
溶液中に半導体薄膜を浸し、1分〜2日放置、あるいは
加熱条件下や還流条件下で1分から24時間放置するこ
とによりおこなう。好ましくは、室温で12時間以上放
置する方法である。超臨界条件など加圧下での吸着も可
能である。
【0030】有機色素を半導体薄膜上に吸着させる場合
に用いる溶媒は、有機色素を溶解する溶媒なら何でも良
い。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、t−ブタノール等のアルコール溶媒、ベンゼンやト
ルエン、キシレン等の炭化水素溶媒の他、テトラヒドロ
フラン、アセトニトリル、アセトン、クロロホルム、メ
トキシプロピオニトリル、ジエチルエーテル、プロピオ
ニトリル、ジクロロメタン、などの有機溶媒、さらに
は、それらの混合溶媒である。好ましくは、エタノール
溶媒やクロロホルム溶媒、又はt−ブタノールとアセト
ニトリルの混合溶媒である。有機色素を半導体薄膜上に
吸着させる場合の色素溶液中の色素濃度は、0.01m
Mから飽和量であり、好ましくは、0.1〜0.5mM
である。
【0031】色素によっては色素吸着溶媒に添加剤を加
えると性能が向上する。添加剤は溶媒に可溶で、親水性
のアンカー基および疎水性基からなる化合物である。こ
れらの添加剤は色素と供に半導体に吸着し、色素の吸着
状態を制御する。添加剤としてはコール酸やデオキシコ
ール酸、ケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコ
ール酸などコレステロール類が利用されるが、通常の界
面活性剤も利用できる。
【0032】本発明による光電変換素子は、有機色素を
吸着させた半導体薄膜電極と、その対極と、それらの電
極に接触するレドックス電解液とから構成されるもので
あり、従来公知の光電変換素子において、その半導体薄
膜電極として、前記した本発明による色素を吸着させた
ものを用いることにより容易に得ることができる。
【0033】本発明の光電変換素子の1例について示す
と、本発明の光電変換素子は、(i)導電性透明電極
(酸化スズコートガラスなど)上に形成したナノポーラ
ス半導体薄膜電極、(ii)対極、(iii)レドックス電
解質を含む電解液などから成る。有機色素増感剤は、半
導体ナノ粒子の表面上に吸着している。色素吸着半導体
薄膜電極側から光を照射することにより、ナノポーラス
半導体電極上の有機色素が紫外光、可視光、近赤外光な
どを吸収する(吸収波長領域は、有機色素の種類に依
存)。色素中の励起された電子は半導体の伝導帯準位に
注入され、半導体薄膜中を移動し、バックコンタクトで
ある透明導電性電極まで至る。電子を失った色素は、電
解液中のレドックスイオン(I-イオンなど)により還
元され、電子を受け取る。さらに、I3 -イオンなどの対
イオンは対極上で再還元され、ヨウ素イオンが再生され
る。この電子の流れにより外部電流を取り出すことがで
きる。
【0034】本発明の光電変換素子に用いられる電解液
には、レドックスイオン対が含まれる。レドックスイオ
ン対は、ヨウ素レドックス、臭素レドックス、鉄レドッ
クス、スズレドックス、クロムレドックス、バナジウム
レドックス、硫化物イオンレドックス、アントラキノン
レドックスなどであるが、これらに限定されない。電解
質として、ヨウ素レドックスの場合、ヨウ化イミダゾリ
ウム誘導体、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
テトラアルキルアンモニウム塩などとヨウ素の混合物、
又臭素レドックスの場合には、臭化イミダゾリウム誘導
体、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化テトラアルキル
アンモニウム塩などと臭素の混合物を用いる。好ましく
は、ヨウ素レドックスのヨウ化リチウム、テトラアルキ
ルアンモニウムやヨウ化イミダゾリウム誘導体である。
前記のレドックス電解質の濃度は、通常0.05〜5
M、好ましくは、0.1〜0.5Mである。レドックス
電解質を溶解する電解液溶媒は、安定でかつ電解質を溶
解する溶媒ならば何でも良い。例えば、アセトニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、メト
キシプロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、ニトロメタンなどの
有機溶媒、あるいはそれらの混合溶媒である。好ましく
は、ニトリル系溶媒である。
【0035】本発明の光電変換素子に用いる対極は、導
電性基板上に薄膜状にコートした白金、ロジウム、ルテ
ニウム、カーボン、あるいは酸化ルテニウムなどの酸化
物半導体電極などである。好ましくは、白金あるいはカ
ーボン電極である。
【0036】本発明の光電変換素子に用いるスペーサー
は、半導体薄膜電極と対極との接触を防ぐものであれば
なんでもよい。たとえば、ポリエチレンなどのポリマー
フィルムが用いられ、その膜厚は、5〜2000μm、
好ましくは15〜30μmである。あるいは、半導体薄
膜電極と対極との接触を防ぐ構造を有しているセルで
は、スペーサーを用いなくても良い。
【0037】本発明の光電変換素子では、レドックス電
解液中に、ゲル化剤を含みゲル化した擬固体化電解質を
用いても良い。また、レドックス電解液の代わりに、ポ
リエチレンオキシド誘導体などのポリマーを用いた固体
電解質を用いても良い。
【0038】本発明の光電変換素子では、レドックス電
解液の代わりに、ヨウ化銅、臭化銅、チオシアン化銅な
どのp型無機化合物半導体薄膜層を用いても良い。ま
た、レドックス電解液の代わりに、ポリチオフェン誘導
体やポリピロール誘導体などのp型有機半導体ホール輸
送層を用いても良い。
【0039】本発明の色素増感光電変換素子は、各種の
センサーや光電気化学太陽電池に応用できる。
【0040】
【実施例】次に本発明を参考例及び実施例により詳述す
る。
【0041】一般的にスチリル色素はACADEMIC
PRESS社発行の「THE CHEMISTRY
OF SYNTHETIC DYES」VOLUME
II1172ページの記載にあるように活性メチル基とア
ルデヒドまたはケトンとの縮合によって得られる。参考
例としてその合成例を以下に詳述する。
【0042】参考例1 下記化合物No.24で表される四級塩を10g(0.
0347mol)と下記化合物No.27で表される4
−ジメチルアミノベンズアルデヒド 5.17g(0.
0347mol)をメタノール100ml中、加熱還流
2時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶1
2gをメタノール100mlで加熱攪拌し、熱時濾取し
前記化合物No.1を10.8g得た。 λmax=521.5nm(MeOH)
【0043】参考例2 下記化合物No.25で表される四級塩を2g(0.0
067mol)と下記化合物No.27で表される4−
ジメチルアミノベンズアルデヒド 1.0g(0.00
67mol)をエタノール40ml中、加熱還流1.5
時間させ、イソプロピルエーテル25ml加え、冷却
し、デカント操作によりオイル成分を得た。得られたオ
イル成分はイソプロピルアルコール20mlにて結晶化
させ、冷却、濾取した。得られた粗結晶2gをエタノー
ルで再結晶し、濾取し、前記化合物No.2を0.84
g得た。 λmax=545..5nm(MeOH)
【0044】参考例3 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.29で表されるベン
ズアルデヒド誘導体 4.0g(0.0104mol)
をメタノール30ml中、加熱還流2時間させ、その後
冷却、濾取した。得られた粗結晶6.2gをメタノール
120mlとクロロホルム30mlで加熱溶解させ、熱
時濾過後、ヨウ化ナトリウム2.3g(0.0153m
ol)の水溶液を滴下し、加熱還流を1時間行った。熱
時濾取し、前記化合物No.6を5.13g得た。 λmax=530.8nm(MeOH)
【0045】参考例4 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.28で表されるベン
ズアルデヒド誘導体 2.1g(0.0104mol)
をメタノール30ml中、加熱還流2時間させ、その後
冷却、濾取した。得られた粗結晶4.1gをメタノール
41mlで加熱攪拌し、熱時濾取し、下記化合物No.
7を3.07g得た。 λmax=567.6nm(MeOH)
【0046】参考例5 下記化合物No.26で表される四級塩を3g(0.0
0958mol)と下記化合物No.27で表される4
−ジメチルアミノベンズアルデヒド 1.43g(0.
00958mol)をメタノール30ml中、加熱還流
1時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶
4.0gをメタノール80mlで加熱攪拌し、熱時濾取
し、前記化合物No.9を3.73g得た。 λmax=546nm(MeOH)
【0047】参考例6 下記化合物No.24で表される四級塩を2g(0.0
0694mol)と下記化合物No.30で表される4
−ジメチルアミノシンナムアルデヒド 1.22g
(0.00696mol)をエタノール30ml中、加
熱還流1時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗
結晶2.6gをメタノールで再結晶し、前記化合物N
o.19を1.62g得た。 λmax=567nm(MeOH)
【0048】参考例7 下記化合物No.24で表される四級塩を5g(0.0
173mol)と下記化合物No.31で表されるアル
デヒド誘導体 5・1g(0.0173mol)をメタ
ノール50ml中、加熱還流2時間させ、その後冷却、
濾取した。得られた粗結晶5.7gをメタノールで再結
晶し、前記化合物No.20を3.67g得た。 λmax=598nm(MeOH)
【0049】参考例8 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.32で表される4−
ジブチルアミノベンズアルデヒド 2.4g(0.01
03mol)をメタノール30ml中、加熱還流2時間
させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶4.2g
をエタノールで再結晶し、前記化合物No.5を3.2
3g得た。 λmax=539nm(MeOH)
【0050】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0051】実施例1 前記化合物No.1で表される有機色素を二酸化チタン
多孔質薄膜(厚さ12μm)上に吸着させた色素増感半
導体電極を用いた光電気化学太陽電池の例を示す。アン
カー基X1は−COOHである。色素の吸着はアセトニ
トリルとt−ブタノールの混合溶媒を用い、室温で1晩
静置吸着した。ヨウ素レドックス電解液としては、メト
キシアセトニトリル溶媒に、ジメチルプロピルイミダゾ
リウムヨウ素塩(0.62M)、LiI(0.1M)、
I2(0.05M)を混合したもの用い、ポリエチレン
スペーサー(厚さ12μm)および白金対極から成る色
素増感光電気化学太陽電池の光電変換特性を評価した。
光源としては、ソーラーシミュレーターを用いた疑似太
陽光100mW/cm2を用いた。表1にその評価結果
を示した。太陽エネルギー変換効率は4.7%に達し
た。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。
【0052】実施例2 実施例1の増感色素の代わりにY部分がSではなくC
(CH32に置換した化合物No.2を用いた以外は実
施例1と同様にして実験を行った。アンカー基X 1は−
COOHである。表1にその評価結果を示した。太陽エ
ネルギー変換効率は3.8%に達した。この値は有機色
素増感剤の中では非常に高い。この結果はクロモフォア
の異なるスチリル色素であっても高い効率が得られるこ
とを示している。
【0053】実施例3 実施例1の増感色素の代わりに環Aの部分がベンゼンで
はなくナフタレンに置換した化合物No.3を用いた以
外は実施例1と同様にして実験を行った。アンカー基X
1は−COOHである。表1にその評価結果を示した。
太陽エネルギー変換効率は5.5%に達した。この値は
有機色素増感剤の中では非常に高い。この結果はクロモ
フォアの異なるスチリル色素であっても高い効率が得ら
れることを示している。
【0054】実施例4 実施例1の増感色素の代わりにR2の部分がメチル基の
代わりにnオクタデシル基に置換した化合物No.4を
用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。アン
カー基X1は−COOHである。表1にその評価結果を
示した。太陽エネルギー変換効率は5.8%に達した。
この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。また、実
施例1の色素よりも性能が高い。この結果は増感色素に
大きな置換基が存在すると性能が向上することを示して
いる。
【0055】実施例5 実施例1の増感色素の代わりにR1およびR2の部分がメ
チル基の代わりにnブチル基に置換した化合物No.5
を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。ア
ンカー基X1は−COOHである。表1にその評価結果
を示した。太陽エネルギー変換効率は5.1%に達し
た。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。ま
た、実施例1の色素よりも性能が高い。この結果は増感
色素に大きな置換基が存在すると性能が向上することを
示している。
【0056】比較例1 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−CH2COOHに置換した下記
化合物No.33を用いた以外は実施例1と同様にして
実験を行った。表1にその評価結果を示した。太陽エネ
ルギー変換効率は3.6%であった。この値は、実施例
1〜5の色素よりも低い。色素はアンカー基であるカル
ボン酸部分で半導体表面と結合していると考えられてい
る。この結果は、色素発色団本体(クロモフォア)と半
導体との距離が離れると、色素から半導体への電子注入
が起こりにくくなるため、性能が低下することを示して
いる。
【0057】比較例2 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−CH2SO3−に置換した下記化
合物No.34を用いた以外は実施例1と同様にして実
験を行った。表1にその評価結果を示した。通常のアル
コール系色素吸着溶媒を用いると、色素は半導体にほと
んど吸着せず、性能は非常に低かった。クロロフォルム
溶媒など色素吸着条件や前処理条件を最適化しても、太
陽エネルギー変換効率は最高で3.0%であった。この
値は、実施例1〜5の色素よりも低く、また比較例1の
色素よりも低い。この結果は、カルボン酸基の方がスル
ホン酸基より優れていることを示している。
【0058】比較例3 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−Hに、および環Aの部分のベン
ゼン環をベンゼン−COOH基に置換した下記化合物N
o.35を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行
った。表1にその評価結果を示した。太陽エネルギー変
換効率は1.8%であった。この値は、実施例1〜5の
色素よりも低く、また比較例1〜2の色素よりも低い。
この結果は、アンカー基の位置が非常に重要であること
を示している。
【0059】
【化42】
【化43】
【化44】
【0060】
【表1】
【0061】実施例6 前記化合物No.19の構造の有機色素を用いた以外は
実施例1と同様にして実験を行った。この色素は、実施
例1の色素のメチン鎖の炭素数が2個増えた構造をして
いる。アンカー基X2は−COOHである。表2にその
評価結果を示した。太陽エネルギー変換効率は1.9%
に達した。この値は長波長まで吸収できる有機色素増感
剤の中では非常に高い。
【0062】実施例7 化合物No.19の色素の代わりにR17部分がHではな
くN,Nジメチルアニリンに置換した化合物No.20
を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。ア
ンカー基X2は−COOHである。表2にその評価結果
を示した。太陽エネルギー変換効率は2.8%に達し
た。この値は長波長まで吸収できる有機色素増感剤の中
では非常に高い。この結果はメチン鎖にドナー基を入れ
ると高い効率が得られることを示している。
【0063】比較例4 化合物No.19の色素の代わりにアンカー基X2の部
分が−COOHの代わりに−Hに、環Aの部分のベンゼ
ン環をベンゼン−COOH基に、およびYの部分のSを
C(CH32に置換した下記化合物No.36を用いた
以外は実施例1と同様にして実験を行った。表2にその
評価結果を示した。太陽エネルギー変換効率は0.8%
であった。この値は、実施例6、7の色素よりも非常に
低い。この結果は、アンカー基の位置が非常に重要であ
ることを示している。
【化45】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、特定の有機色素を光増
感剤とすることにより、安価で、光電変換効率が高い色
素増感型光電変換素子が提供される。また、これを用い
ることにより光電変換効率の高い光電気化学太陽電池を
容易に提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月4日(2002.6.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スチリル色素を光増感剤とする半導体
電極、光電変換素子及び電気化学太陽電池
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Dと縮合又は結合して
いてもよく、 R1、R2は水素原子又は置換基を有していても良い炭素
数1〜40のアルキル基を示し、 R3、R4、R5、R6は水素原子又は置換基を示し、 R7は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基
又はアニリン誘導体基を示し、 R8は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はシアノ
基を示し、 R9、R10は水素原子又は電子吸引性基を示し、 Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、置換基を有す
る炭素原子又は置換基を有する窒素原子を示し、 X1はカルボキシル基を示し、 Z1、Z2は、水素原子又は置換基を示し、 X-は陰イオンを示し、 前記R1とR4およびR2とR6とは互いに結合して環を形
成していてもよい)
【化3】
【化4】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Eと縮合又は結合して
いてもよく、 R11、R12は水素原子又は置換基を有していても良い炭
素数1〜40のアルキル基を示し、 R13、R14、R15、R16は水素原子又は置換基を示し、 R17は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基
又はアニリン誘導体基を示し、 R18、R19、R20は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基又はシアノ基を示し、 R21、R22は水素原子又は電子吸引性基を示し、 Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、置換基を有す
る炭素原子又は置換基を有する窒素原子を示し、 X2はカルボキシル基を示し、 Z11、Z12は水素又は置換基を示し、 X-は陰イオンを示し、 前記R11とR14およびR12とR16とは互いに結合して環
を形成していてもよい)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチリル系有機色
素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子及びこれ
を用いた光電気化学太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、ルテニウムなどの金属錯体や
有機色素を光増感剤とし、ナノ粒子の二酸化チタンや酸
化亜鉛などの大きいバンドギャップを有する酸化物半導
体薄膜電極とレドックス電解液からなる高効率の色素増
感型光電変換素子が報告されている。その変換効率の高
さと製造における低コストの可能性から、光電気化学太
陽電池への応用が注目されている。
【0003】色素増感型光電気化学太陽電池における増
感色素としてこれまでに用いられてきた有機色素には、
フェニルキサンテン系色素、フタロシアニン系色素、ク
マリン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、
ポルフィリン系色素、プロフラビン系色素などがある。
これらの有機色素は、金属錯体と比べて吸収係数が大き
く、安価であり、且つ構造の多様性により吸収特性を制
御できるなどの光増感剤としての利点がある。しかしな
がら、その吸収波長領域が比較的短波長領域に限られ、
また量子収率も低いため、太陽エネルギー変換効率はル
テニウム錯体などの金属錯体を用いたものと比べて大き
く劣っていた。
【0004】色素増感型光電気化学太陽電池の光電変換
原理を示すと、半導体電極において色素は半導体表面に
吸着アンカー基により吸着している。色素が光を吸収す
ると色素の最高被占軌道(HOMO)から最低空軌道
(LUMO)に電子が励起される。LUMOの電子は半
導体の伝導帯(CB)に電子移動し、この電子が外部導
線を通って対極に移動する。対極では電子はヨウ素など
のレドックスに電子を渡し、最後にレドックスから酸化
状態の色素に電子が渡されて、光電変換サイクルが完結
する。このメカニズムから明らかなように、光電変換が
起こるためには色素のLUMO準位が半導体のCB準位
より負であること、および色素のHOMO準位がレドッ
クス準位よりも正であることが必要不可欠である。また
色素が光反応中に分解する場合にも光電変換は進行しな
い。このように光電変換を進行させ、かつ実効的な効率
を得るためには特定な構造の色素でなくてはいけないこ
とがわかる。この特定の構造は、基本的には実験によっ
て知見が得られ特定される。
【0005】近年、スチリル色素については比較的高い
性能の出る構造の色素が学術論文として報告された(C
hem.Commun.2063(2000))。この
色素はスルホン酸のアンカー基を持ち、色素のクロモフ
ォア(発色団共役主骨格)とスルホン酸基との距離が長
い構造であった。しかし、この報告の色素でも太陽エネ
ルギー変換効率はまだ充分でなかった。本発明者はこの
スチリル色素について詳しく実験を行い、高性能化の研
究を行ってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の構造
のスチリル系有機色素増感剤を用いた光電変換効率の高
い半導体電極、該電極を用いた高効率色素増感型光電変
換素子及びこれを用いる色素増感型光電気化学太陽電池
を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多くのス
チリル色素についてその構造と太陽エネルギー変換効率
との相関を研究した。その結果、スチリル系色素に関し
て以下の知見が得られた。(a)スルホン酸アンカー基
よりもカルボキシル基アンカーの方が吸着性が優れてい
る。(b)色素のクロモフォア(発色団共役主骨格)と
吸着している半導体との距離が近いほど色素から半導体
への電子移動がし易くなるので光電変換効率が向上す
る。(c)アニリン環のある特定の位置に大きな置換基
が存在すると光電変換効率が向上する。本発明は、これ
らの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、下記に示す半
導体電極、該電極を用いた光電変換素子及び該素子を用
いた高性能な光電気化学太陽電池が提供される。 (1)少なくとも下記一般式(1)及び一般式(2)で
表される化合物の中から選ばれる少なくとも1種の4級
の窒素原子(N+)とカルボキシル基アンカー(X1)を
連結する炭素が1個であるモノメチンスチリル色素を吸
着していることを特徴とする半導体電極。
【化5】
【化6】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Dと縮合又は結合して
いてもよく、R1、R2は水素原子又は置換基を有してい
ても良い炭素数1〜40のアルキル基を示し、R3
4、R5、R6は水素原子又は置換基を示し、R7は水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基又はアニリ
ン誘導体基を示し、R8は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基又はシアノ基を示し、R9、R10は水素原子又
は電子吸引性基を示し、Yはイオウ原子、酸素原子、セ
レン原子、置換基を有する炭素原子又は置換基を有する
窒素原子を示し、X1はカルボキシル基を示し、Z1、Z
2は、水素原子又は置換基を示し、X-は陰イオンを示
し、前記R1とR4およびR2とR6とは互いに結合して環
を形成していてもよい) (2)前記一般式(1)又は(2)において、R1及び
2の少なくとも一方が炭素数4〜20のアルキル基で
あることを特徴とする前記(1)に記載の半導体電極。 (3)該モノメチンスチリル色素とともに、それ以外の
色素を吸着していることを特徴とする請求項1〜2のい
ずれかに記載の半導体電極。 (4)少なくとも下記一般式が(3)及び(4)で表さ
れる化合物の中から選ばれる少なくとも1種の4級の窒
素原子(N+)とカルボキシル基アンカー(X2)を連結
する炭素が1個であるジメチンスチリル色素を吸着して
いることを特徴とする半導体電極。
【化7】
【化8】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
素芳香環を示し、該環Aは他の環Eと縮合又は結合して
いてもよく、R11、R12は水素原子又は置換基を有して
いても良い炭素数1〜40のアルキル基を示し、R13
14、R15、R16は水素原子又は置換基を示し、R17
水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基又はア
ニリン誘導体基を示し、R18、R19、R20は水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基又はシアノ基を示し、R21
22は水素原子又は電子吸引性基を示し、Yはイオウ原
子、酸素原子、セレン原子、置換基を有する炭素原子又
は置換基を有する窒素原子を示し、X2はカルボキシル
基を示し、Z11、Z12は水素又は置換基を示し、X-
陰イオンを示し、前記R11とR14およびR12とR16とは
互いに結合して環を形成していてもよい) (5)前記一般式(3)又は(4)において、R11及び
12の少なくとも一方が炭素数4〜20のアルキル基で
あることを特徴とする前記(4)に記載の半導体電極。 (6)該ジメチンスチリル色素とともに、それ以外の色
素を吸着していることを特徴とする前記(4)〜(5)
のいずれかに記載の半導体電極。 (7)該半導体電極が、導電性ガラス上に形成された半
導体膜からなることを特徴とする前記(1)〜(6)の
いずれかに記載の半導体電極。 (8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の半導体電
極を有することを特徴とする光電変換素子。 (9)前記(8)に記載の光電変換素子を有することを
特徴とする光電気化学太陽電池。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)〜(4)におい
て、環Aは置換基を有していてもよい芳香環を示す。こ
の場合、芳香環には炭素芳香環(ベンゼン環)と複素芳
香環の両方が包含される。
【0010】環Aがベンゼン環からなる場合、この環に
は他の環Dが縮合又は結合していてもよい。この場合の
他の環Dには、炭素環や複素環が包含される。また、環
Dは1つの環からなることができる他、複数(2〜4)
の環からなることができる。環Dにおいて、その構成元
素数は、5〜40、好ましくは5〜20である。前記環
Dの具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環、シクロヘキサン環等の炭素環の
他、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、チアゾ
ール環、イミダゾール環、α−ピラン環、ピリジン環、
γ−ピロン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラゾー
ル環、ベンゾフラン環、ベンゾピラン環、キノリン環、
イソキノリン環、キノキサリン環、フタラジン環等の複
素環が挙げられる。
【0011】環Aが複素芳香環からなる場合、その構成
元素数は5〜20、好ましくは5〜10である。また、
その複素原子は、窒素、イオウ、酸素、セレン等である
ことができる。この複素芳香環の具体例としては、フラ
ン環、チオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、
イミダゾール環、α−ピラン環、ピリジン環、γ−ピロ
ン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラゾール環等が
挙げられる。複素芳香環には、他の環Eが縮合していて
もよい。この場合の他の環Eには、炭素環や複素環が包
含される。また、環Eは1つの環からなることができる
他、複数(2〜4)の環からなることができる。環Eに
おいて、その構成元素数は、5〜40、好ましくは5〜
20である。前記環Eの具体例としては、例えば、ベン
ゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、シクロヘキサ
ン環等の炭素環の他、ベンゾフラン環、ベンゾピラン
環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フ
タラジン環等が挙げられる。
【0012】前記5員環Bの具体例としては、チアゾー
ル環、オキサゾール環、セレナゾール環、イミダゾール
環等が挙げられる。
【0013】前記5員環Bと芳香環Aとの縮合した縮合
環の具体例を示すと、ベンゾチアゾール環、ナフトチア
ゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール
環、ベンゾセレナゾール環、インドール環、ベンズイン
ドール環、アザインドール環などが挙げられる。
【0014】前記芳香環Aには、1つの置換基又は複数
の置換基が結合していてもよい。このような置換基とし
ては、例えば、メチル基、エチル基、オクチル基、オク
タデシル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖又は分岐
の炭素数1〜22、好ましくは1〜18のアルキル基;
メトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1
〜22、好ましくは1〜18のアルコキシ基;フェニル
基、ナフチル基などの炭素数6〜22、好ましくは6〜
12のアリール基;ベンジル基などの炭素数7〜22、
好ましくは7〜12のアラルキル基;水酸基;シアノ
基;ニトロ基;クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハ
ロゲン基;トリフルオロメチル基などが挙げられる。
【0015】Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、
置換基を有する炭素原子、置換基を有する窒素原子を表
す。この場合の置換基としては、メチル基、エチル基、
オクチル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基な
どの直鎖又は分岐の炭素数1〜22、好ましくは2〜1
8のアルキル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数
6〜22、好ましくは6〜12のアリール基;ベンジル
基などの炭素数7〜22、好ましくは7〜12のアラル
キル基などが上げられる。
【0016】一般式(1)〜(4)において、R1
2、R11、R12は、メチル基、エチル基、オクチル
基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖
又は分岐の炭素数1〜40、好ましくは2〜20の置換
基を有しても良いアルキル基を表す。またR1とR4、R
2とR6、R11とR14、R12とR16とは互いに結合して5
員環或いは6員環などの環を形成していても良い。
【0017】一般式(1)〜(4)において、R3
6、R13〜R16は、水素原子又は置換基を表す。この
場合の置換基には、ベンゼン環に結合し得る各種の置換
基が包含される。このような置換基としては、炭素数1
〜20のアルキル基、アルコキシ基の他、クロロ基、ブ
ロモ基、ヨード基などのハロゲン基等が挙げられる。R
8、R18、R19、R20は炭素数1〜4のアルキル基又は
シアノ基を表す。R7、R17は水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、シアノ基又はアニリン誘導体基を表す。
この場合のアニリン誘導体基は、下記一般式(5)で表
され、置換基R1〜R6は前記のR1〜R6と同じ意味を有
する。
【化9】
【0018】色素には吸着配向を制御するための大きな
置換基がついていると性能が向上する場合が多い。大き
な置換基としては、炭素数2〜40の直鎖または枝分か
れしたアルキル基や、置換基を有したアルキル基などで
ある。好ましくは炭素数4以上20以下のアルキル基が
望ましい。その置換基の位置としては、一般式(1)〜
(4)においてR1〜R7、R11〜R17である。好ましく
は、R1とR2、R11とR12の位置が望ましい。ただし、
置換基が大きすぎると色素が溶媒に溶けにくかったり、
半導体表面に吸着しにくくなる可能性がある場合は、こ
のような弊害が起こらない大きさが望ましい。
【0019】一般式(1)〜(4)において、R9とR
10、R21とR22はそれぞれ独立に水素原子或いは、シア
ノ基、トリフロロメチル基、カルボキシル基等の電子吸
引性基を表す。X1、X2はカルボキシル基を表し、半導
体表面と吸着するためのアンカー基である。アンカー基
としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、
アミノ基などが用いられるが、半導体表面への吸着能力
を考慮すると、最も好ましくはカルボキシル基である。
【0020】一般式(1)〜(4)で表されるスチリル
色素では、メチン鎖を挟んでアニリン側(右側)の電子
ドナー性が高く、5員環側(左側)の電子アクセプター
性が高いので、励起状態では5員環側(左側)に電子が
多く集まっている。また、半導体の電子が色素に戻る逆
電子移動を抑制するために、色素のアニリン側(右側)
は半導体からできるだけ離れた配置で吸着することが望
ましい。そのため、半導体表面と吸着するためのアンカ
ー基は、5員環側(左側)にあることが望ましく、好ま
しくはX1及びX2の位置である。また、色素が半導体表
面に吸着したときに、電子移動は色素から半導体に向か
って起こるので、色素のクロモフォア(発色団本体)と
半導体との距離は短い方がよい。具体的には、アンカー
基としてのX1及びX2においては「−(CR2)n−
1」「−(CR2)n−X2」と表現されるとき(Rは
任意の置換基)は、nはできるだけ小さい数字、好まし
くはゼロが良いと推測される。しかし合成上の有利さを
考慮し、本発明ではn=1である事を特徴とする。光電
変換効率を向上させるため、色素の置換基を替えて、色
素のLUMOやHOMOの準位を精密にコントロールす
ることができる。色素から半導体への電子移動が律速の
場合、準位を負にシフトさせた方が性能が高くなる。こ
の場合には、電子供与基を置換基として付けることが
望ましい。
【0021】前記一般式(2)、(4)において、
1、Z2、Z11、Z12は、水素原子又は置換基を表す。
この場合の置換基としては、例えば、メチル基、エチル
基、オクチル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル
基などの直鎖又は分岐の炭素数1〜22、好ましくは1
〜18のアルキル基;メトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などの炭素数1〜22、好ましくは1〜18のア
ルコキシ基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜
22、好ましくは6〜12のアリール基;ベンジル基な
どの炭素数7〜22、好ましくは7〜12のアラルキル
基;水酸基;シアノ基;ニトロ基;クロロ基、ブロモ
基、ヨード基などのハロゲン基;トリフルオロメチル基
などが挙げられる。
【0022】一般式(1)〜(4)において、X-は陰
イオンを表す。このようなものには、ヨウ素イオン、臭
素イオン、塩素イオンなどのハライドイオンや、p−ト
ルエンスルホン酸イオンなどの有機酸イオン、六フッ化
リン酸イオン、四フッ化ホウ素酸イオンなどの無機酸イ
オンなどが包含される。この陰イオンは、主骨格の対イ
オンとして存在する。一般式(1)〜(4)において、
1部或いは全てのX-が存在しない場合、すなわち分子
内イオンを形成していても良い。
【0023】次に、前記一般式(1)〜(4)で表され
る化合物(有機色素)の具体例を以下に示す。
【0024】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【0025】本発明によるスチリル系有機色素により増
感された半導体電極は、従来公知の有機色素増感型半導
体電極において、その有機色素として、前記で示した本
発明によるスチリル系有機色素を用いることにより得る
ことができる。この場合、前記スチリル系有機色素とと
もに、それ以外の増感色素を併用することができる。こ
のような増感色素としては、従来公知のもの、例えば、
ルテニウム錯体、フェニルキサンテン系色素、フタロシ
アニン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、メロ
シアニン系色素、ポルフィリン系色素、プロクラビン系
色素、スクワリリウム系色素、キサンテン系色素、前記
一般式(1)〜(4)以外のスチリル系色素等が挙げら
れる。前記スチリル系色素をこれらの他の色素と組合せ
て用いる場合、そのスチリル系色素の割合は、両者の合
計量に対し、1重量%以上、好ましくは50重量%以上
である。
【0026】本発明による有機色素増感型半導体電極を
好ましく製造するには、導電性基板を用意し、その上に
半導体薄膜を積層し、その半導体薄膜に本発明による有
機色素を吸着させる。導電性基板としては透明電極など
光透過率が高いものが望ましい。前記透明電極として
は、導電性を有するものであればどのようなものでもよ
く、例えば、透明ないし半透明のガラス基板やプラスチ
ック板上に、例えば、フッ素あるいはアンチモンドープ
の酸化スズ(NESA)、スズドープの酸化インジウム
(ITO)、酸化亜鉛などの導電性透明酸化物半導体薄
膜をコートしたもの、好ましくは、フッ素ドープの酸化
スズ薄膜をコートしたもの等が用いられる。
【0027】本発明で用いられる半導体薄膜は、微粒子
(粒子径3〜2000nm)からなる多孔質構造を有す
る半導体化合物で構成することができる。好ましくは5
〜100nmの粒子径が良い。その半導体材料として
は、例えば、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、
酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化
ニオブ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ガリウム、酸
化ニッケルなどの単一金属酸化物、チタン酸ストロンチ
ウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル
酸ナトリウムなどの複合酸化物、ヨウ化銀、臭化銀、ヨ
ウ化銅、臭化銅などの金属ハロゲン化物、硫化亜鉛、硫
化チタン、硫化インジウム、硫化ビスマス、硫化カドミ
ウム、硫化ジルコニウム、硫化タンタル、硫化銀、硫化
銅、硫化スズ、硫化タングステン、硫化モリブデン、セ
レン化カドミウム、セレン化ジルコニウム、セレン化亜
鉛、セレン化チタン、セレン化インジウム、セレン化タ
ングステン、セレン化モリブデン、セレン化ビスマス、
テルル化カドミウム、テルル化タングステン、テルル化
モリブデン、テルル化亜鉛、テルル化ビスマスなどのカ
ルコゲナイド化合物、さらには、これらの化合物を二種
類以上含む混合化合物半導体材料(例えば、酸化スズ/
酸化亜鉛、酸化スズ/酸化チタン)が挙げられるが、こ
れらに限定されない。前記した半導体薄膜の膜厚は、
0.01〜100μmであり、センサー等の光電変換素
子では薄くても使用できる。高い光変換効率のために、
好ましくは、3〜30μmである。
【0028】半導体膜の作成方法としては、多孔質構造
の膜が作製できる方法(例えば湿式塗布法等)であれば
良い。湿式塗布法では、微粒子を含むペーストを、印刷
法やキャスト法、スピンコート法、バーコータ法、スプ
レー法などで導電性基板に付着させた後、乾燥や焼成に
より溶媒や添加物を除去して成膜する。微粒子を基板上
に圧力をかけて押し固めても良い。また、半導体の前駆
体を熱や光、水分などで分解させながら基板に降り積も
らせる方法でも良い。半導体粒子と隣り合う粒子との電
気的接触を改善するために、基板が劣化しない範囲で1
00〜800℃での焼成処理を行うことが望ましい。好
ましくは400〜600℃である。この処理は、空気や
酸素、窒素などの不活性ガス、水素などの還元性ガスを
一部含んだ不活性ガス、真空中などで行う。半導体膜の
特性をさらに上げる方法として、四塩化チタン水溶液処
理を行うことが望ましい。また、塩酸などの酸水溶液に
半導体膜電極を浸す処理をすることで短絡電流を向上さ
せることができる。
【0029】有機色素の半導体薄膜上への吸着は、色素
溶液中に半導体薄膜を浸し、1分〜2日放置、あるいは
加熱条件下や還流条件下で1分から24時間放置するこ
とによりおこなう。好ましくは、室温で12時間以上放
置する方法である。超臨界条件など加圧下での吸着も可
能である。
【0030】有機色素を半導体薄膜上に吸着させる場合
に用いる溶媒は、有機色素を溶解する溶媒なら何でも良
い。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、t−ブタノール等のアルコール溶媒、ベンゼンやト
ルエン、キシレン等の炭化水素溶媒の他、テトラヒドロ
フラン、アセトニトリル、アセトン、クロロホルム、メ
トキシプロピオニトリル、ジエチルエーテル、プロピオ
ニトリル、ジクロロメタン、などの有機溶媒、さらに
は、それらの混合溶媒である。好ましくは、エタノール
溶媒やクロロホルム溶媒、又はt−ブタノールとアセト
ニトリルの混合溶媒である。有機色素を半導体薄膜上に
吸着させる場合の色素溶液中の色素濃度は、0.01m
Mから飽和量であり、好ましくは、0.1〜0.5mM
である。
【0031】色素によっては色素吸着溶媒に添加剤を加
えると性能が向上する。添加剤は溶媒に可溶で、親水性
のアンカー基および疎水性基からなる化合物である。こ
れらの添加剤は色素と供に半導体に吸着し、色素の吸着
状態を制御する。添加剤としてはコール酸やデオキシコ
ール酸、ケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコ
ール酸などコレステロール類が利用されるが、通常の界
面活性剤も利用できる。
【0032】本発明による光電変換素子は、有機色素を
吸着させた半導体薄膜電極と、その対極と、それらの電
極に接触するレドックス電解液とから構成されるもので
あり、従来公知の光電変換素子において、その半導体薄
膜電極として、前記した本発明による色素を吸着させた
ものを用いることにより容易に得ることができる。
【0033】本発明の光電変換素子の1例について示す
と、本発明の光電変換素子は、(i)導電性透明電極
(酸化スズコートガラスなど)上に形成したナノポーラ
ス半導体薄膜電極、(ii)対極、(iii)レドックス電
解質を含む電解液などから成る。有機色素増感剤は、半
導体ナノ粒子の表面上に吸着している。色素吸着半導体
薄膜電極側から光を照射することにより、ナノポーラス
半導体電極上の有機色素が紫外光、可視光、近赤外光な
どを吸収する(吸収波長領域は、有機色素の種類に依
存)。色素中の励起された電子は半導体の伝導帯準位に
注入され、半導体薄膜中を移動し、バックコンタクトで
ある透明導電性電極まで至る。電子を失った色素は、電
解液中のレドックスイオン(I-イオンなど)により還
元され、電子を受け取る。さらに、I3 -イオンなどの対
イオンは対極上で再還元され、ヨウ素イオンが再生され
る。この電子の流れにより外部電流を取り出すことがで
きる。
【0034】本発明の光電変換素子に用いられる電解液
には、レドックスイオン対が含まれる。レドックスイオ
ン対は、ヨウ素レドックス、臭素レドックス、鉄レドッ
クス、スズレドックス、クロムレドックス、バナジウム
レドックス、硫化物イオンレドックス、アントラキノン
レドックスなどであるが、これらに限定されない。電解
質として、ヨウ素レドックスの場合、ヨウ化イミダゾリ
ウム誘導体、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
テトラアルキルアンモニウム塩などとヨウ素の混合物、
又臭素レドックスの場合には、臭化イミダゾリウム誘導
体、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化テトラアルキル
アンモニウム塩などと臭素の混合物を用いる。好ましく
は、ヨウ素レドックスのヨウ化リチウム、テトラアルキ
ルアンモニウムやヨウ化イミダゾリウム誘導体である。
前記のレドックス電解質の濃度は、通常0.05〜5
M、好ましくは、0.1〜0.5Mである。レドックス
電解質を溶解する電解液溶媒は、安定でかつ電解質を溶
解する溶媒ならば何でも良い。例えば、アセトニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、メト
キシプロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、ニトロメタンなどの
有機溶媒、あるいはそれらの混合溶媒である。好ましく
は、ニトリル系溶媒である。
【0035】本発明の光電変換素子に用いる対極は、導
電性基板上に薄膜状にコートした白金、ロジウム、ルテ
ニウム、カーボン、あるいは酸化ルテニウムなどの酸化
物半導体電極などである。好ましくは、白金あるいはカ
ーボン電極である。
【0036】本発明の光電変換素子に用いるスペーサー
は、半導体薄膜電極と対極との接触を防ぐものであれば
なんでもよい。たとえば、ポリエチレンなどのポリマー
フィルムが用いられ、その膜厚は、5〜2000μm、
好ましくは15〜30μmである。あるいは、半導体薄
膜電極と対極との接触を防ぐ構造を有しているセルで
は、スペーサーを用いなくても良い。
【0037】本発明の光電変換素子では、レドックス電
解液中に、ゲル化剤を含みゲル化した擬固体化電解質を
用いても良い。また、レドックス電解液の代わりに、ポ
リエチレンオキシド誘導体などのポリマーを用いた固体
電解質を用いても良い。
【0038】本発明の光電変換素子では、レドックス電
解液の代わりに、ヨウ化銅、臭化銅、チオシアン化銅な
どのp型無機化合物半導体薄膜層を用いても良い。ま
た、レドックス電解液の代わりに、ポリチオフェン誘導
体やポリピロール誘導体などのp型有機半導体ホール輸
送層を用いても良い。
【0039】本発明の色素増感光電変換素子は、各種の
センサーや光電気化学太陽電池に応用できる。
【0040】
【実施例】次に本発明を参考例及び実施例により詳述す
る。
【0041】一般的にスチリル色素はACADEMIC
PRESS社発行の「THE CHEMISTRY
OF SYNTHETIC DYES」VOLUME
II1172ページの記載にあるように活性メチル基とア
ルデヒドまたはケトンとの縮合によって得られる。参考
例としてその合成例を以下に詳述する。
【0042】参考例1 下記化合物No.24で表される四級塩を10g(0.
0347mol)と下記化合物No.27で表される4
−ジメチルアミノベンズアルデヒド 5.17g(0.
0347mol)をメタノール100ml中、加熱還流
2時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶1
2gをメタノール100mlで加熱攪拌し、熱時濾取し
前記化合物No.1を10.8g得た。 λmax=521.5nm(MeOH)
【0043】参考例2 下記化合物No.25で表される四級塩を2g(0.0
067mol)と下記化合物No.27で表される4−
ジメチルアミノベンズアルデヒド 1.0g(0.00
67mol)をエタノール40ml中、加熱還流1.5
時間させ、イソプロピルエーテル25ml加え、冷却
し、デカント操作によりオイル成分を得た。得られたオ
イル成分はイソプロピルアルコール20mlにて結晶化
させ、冷却、濾取した。得られた粗結晶2gをエタノー
ルで再結晶し、濾取し、前記化合物No.2を0.84
g得た。 λmax=545.5nm(MeOH)
【0044】参考例3 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.29で表されるベン
ズアルデヒド誘導体 4.0g(0.0104mol)
をメタノール30ml中、加熱還流2時間させ、その後
冷却、濾取した。得られた粗結晶6.2gをメタノール
120mlとクロロホルム30mlで加熱溶解させ、熱
時濾過後、ヨウ化ナトリウム2.3g(0.0153m
ol)の水溶液を滴下し、加熱還流を1時間行った。熱
時濾取し、前記化合物No.6を5.13g得た。 λmax=530.8nm(MeOH)
【0045】参考例4 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.28で表されるベン
ズアルデヒド誘導体 2.1g(0.0104mol)
をメタノール30ml中、加熱還流2時間させ、その後
冷却、濾取した。得られた粗結晶4.1gをメタノール
41mlで加熱攪拌し、熱時濾取し、下記化合物No.
7を3.07g得た。 λmax=567.6nm(MeOH)
【0046】参考例5 下記化合物No.26で表される四級塩を3g(0.0
0958mol)と下記化合物No.27で表される4
−ジメチルアミノベンズアルデヒド 1.43g(0.
00958mol)をメタノール30ml中、加熱還流
1時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶
4.0gをメタノール80mlで加熱攪拌し、熱時濾取
し、前記化合物No.9を3.73g得た。 λmax=546nm(MeOH)
【0047】参考例6 下記化合物No.24で表される四級塩を2g(0.0
0694mol)と下記化合物No.30で表される4
−ジメチルアミノシンナムアルデヒド 1.22g
(0.00696mol)をエタノール30ml中、加
熱還流1時間させ、その後冷却、濾取した。得られた粗
結晶2.6gをメタノールで再結晶し、前記化合物N
o.19を1.62g得た。 λmax=567nm(MeOH)
【0048】参考例7 下記化合物No.24で表される四級塩を5g(0.0
173mol)と下記化合物No.31で表されるアル
デヒド誘導体 5・1g(0.0173mol)をメタ
ノール50ml中、加熱還流2時間させ、その後冷却、
濾取した。得られた粗結晶5.7gをメタノールで再結
晶し、前記化合物No.20を3.67g得た。 λmax=598nm(MeOH)
【0049】参考例8 下記化合物No.24で表される四級塩を3g(0.0
104mol)と下記化合物No.32で表される4−
ジブチルアミノベンズアルデヒド 2.4g(0.01
03mol)をメタノール30ml中、加熱還流2時間
させ、その後冷却、濾取した。得られた粗結晶4.2g
をエタノールで再結晶し、前記化合物No.5を3.2
3g得た。 λmax=539nm(MeOH)
【0050】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0051】実施例1 前記化合物No.1で表される有機色素を二酸化チタン
多孔質薄膜(厚さ12μm)上に吸着させた色素増感半
導体電極を用いた光電気化学太陽電池の例を示す。アン
カー基X1は−COOHである。色素の吸着はアセトニ
トリルとt−ブタノールの混合溶媒を用い、室温で1晩
静置吸着した。ヨウ素レドックス電解液としては、メト
キシアセトニトリル溶媒に、ジメチルプロピルイミダゾ
リウムヨウ素塩(0.62M)、LiI(0.1M)、
(0.05M)を混合したもの用い、ポリエチレ
ンスペーサー(厚さ12μm)および白金対極から成る
色素増感光電気化学太陽電池の光電変換特性を評価し
た。光源としては、ソーラーシミュレーターを用いた疑
似太陽光100mW/cm2を用いた。表1にその評価
結果を示した。太陽エネルギー変換効率は4.7%に達
した。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。
【0052】実施例2 実施例1の増感色素の代わりにY部分がSではなくC
(CH32に置換した化合物No.2を用いた以外は実
施例1と同様にして実験を行った。アンカー基X 1は−
COOHである。表1にその評価結果を示した。太陽エ
ネルギー変換効率は3.8%に達した。この値は有機色
素増感剤の中では非常に高い。この結果はクロモフォア
の異なるスチリル色素であっても高い効率が得られるこ
とを示している。
【0053】実施例3 実施例1の増感色素の代わりに環Aの部分がベンゼンで
はなくナフタレンに置換した化合物(即ち、ベンゼン環
Aに環Dとしてベンゼン環が縮合した化合物)No.3
を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。ア
ンカー基X1は−COOHである。表1にその評価結果
を示した。太陽エネルギー変換効率は5.5%に達し
た。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。この
結果はクロモフォアの異なるスチリル色素であっても高
い効率が得られることを示している。
【0054】実施例4 実施例1の増感色素の代わりにR2の部分がメチル基の
代わりにnオクタデシル基に置換した化合物No.4
を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。ア
ンカー基X1は−COOHである。表1にその評価結果
を示した。太陽エネルギー変換効率は5.8%に達し
た。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。ま
た、実施例1の色素よりも性能が高い。この結果は増感
色素に大きな置換基が存在すると性能が向上することを
示している。
【0055】実施例5 実施例1の増感色素の代わりにR1およびR2の部分がメ
チル基の代わりにnブチル基に置換した化合物No.
5を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。
アンカー基X1は−COOHである。表1にその評価結
果を示した。太陽エネルギー変換効率は5.1%に達し
た。この値は有機色素増感剤の中では非常に高い。ま
た、実施例1の色素よりも性能が高い。この結果は増感
色素に大きな置換基が存在すると性能が向上することを
示している。
【0056】比較例1 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−CH2COOHに置換した下記
化合物No.33を用いた以外は実施例1と同様にして
実験を行った。表1にその評価結果を示した。太陽エネ
ルギー変換効率は3.6%であった。この値は、実施例
1〜5の色素よりも低い。色素はアンカー基であるカル
キシル基部分で半導体表面と結合していると考えられ
ている。この結果は、色素発色団本体(クロモフォア)
と半導体との距離が離れると、色素から半導体への電子
注入が起こりにくくなるため、性能が低下することを示
している。
【0057】比較例2 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−CH2SO3 に置換した下記化
合物No.34を用いた以外は実施例1と同様にして実
験を行った。表1にその評価結果を示した。通常のアル
コール系色素吸着溶媒を用いると、色素は半導体にほと
んど吸着せず、性能は非常に低かった。クロロフォルム
溶媒など色素吸着条件や前処理条件を最適化しても、太
陽エネルギー変換効率は最高で3.0%であった。この
値は、実施例1〜5の色素よりも低く、また比較例1の
色素よりも低い。この結果は、カルボン酸基の方がスル
ホン酸基より優れていることを示している。
【0058】比較例3 実施例1の増感色素の代わりにアンカー基X1の部分が
−COOHの代わりに−Hに、および環Aの部分のベン
ゼン環をベンゼン−COOH基に置換した下記化合物N
o.35を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行
った。表1にその評価結果を示した。太陽エネルギー変
換効率は1.8%であった。この値は、実施例1〜5の
色素よりも低く、また比較例1〜2の色素よりも低い。
この結果は、アンカー基の位置が非常に重要であること
を示している。
【0059】
【化42】
【化43】
【化44】
【0060】
【表1】
【0061】実施例6 前記化合物No.19の構造の有機色素を用いた以外は
実施例1と同様にして実験を行った。この色素は、実施
例1の色素のメチン鎖の炭素数が2個増えた構造をして
いる。アンカー基X2は−COOHである。表2にその
評価結果を示した。太陽エネルギー変換効率は1.9%
に達した。この値は長波長まで吸収できる有機色素増感
剤の中では非常に高い。
【0062】実施例7 化合物No.19の色素の代わりにR17部分がHではな
くN,Nジメチルアニリンに置換した化合物No.2
0を用いた以外は実施例1と同様にして実験を行った。
アンカー基X2は−COOHである。表2にその評価結
果を示した。太陽エネルギー変換効率は2.8%に達し
た。この値は長波長まで吸収できる有機色素増感剤の中
では非常に高い。この結果はメチン鎖にドナー基を入れ
ると高い効率が得られることを示している。
【0063】比較例4 化合物No.19の色素の代わりにアンカー基X2の部
分が−COOHの代わりに−Hに、環Aの部分のベンゼ
ン環をベンゼン−COOH基に、およびYの部分のSを
C(CH32に置換した下記化合物No.36を用いた
以外は実施例1と同様にして実験を行った。表2にその
評価結果を示した。太陽エネルギー変換効率は0.8%
であった。この値は、実施例6、7の色素よりも非常に
低い。この結果は、アンカー基の位置が非常に重要であ
ることを示している。
【化45】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、特定の有機色素を光増
感剤とすることにより、安価で、光電変換効率が高い色
素増感型光電変換素子が提供される。また、これを用い
ることにより光電変換効率の高い光電気化学太陽電池を
容易に提供できる。
フロントページの続き (72)発明者 荒川 裕則 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所 つくばセンター内 (72)発明者 原 浩二郎 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所 つくばセンター内 (72)発明者 菅 貞治 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所内 (72)発明者 神宝 昭 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所内 (72)発明者 大賀 保代 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所内 Fターム(参考) 5F051 AA14 FA04 FA06 5H032 AA06 AS06 AS16 EE16 EE20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式(1)及び一般式
    (2)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも1
    種の4級の窒素原子(N+)とカルボキシル基アンカー
    (X1)を連結する炭素が1個であるモノメチンスチリ
    ル色素を吸着していることを特徴とする半導体電極。 【化1】 【化2】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
    素芳香環を示し、該環Aは他の環Dと縮合又は結合して
    いてもよく、 R1、R2は水素原子又は置換基を有していても良い炭素
    数1〜40のアルキル基を示し、 R3、R4、R5、R6は水素原子又は置換基を示し、 R7は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基
    又はアニリン誘導体基を示し、 R8は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はシアノ
    基を示し、 R9、R10は水素原子又は電子吸引性基を示し、 Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、置換基を有す
    る炭素原子又は置換基を有する窒素原子を示し、 X1はカルボキシル基を示し、 Z1、Z2は、水素原子又は置換基を示し、 X-は陰イオンを示し、 前記R1とR4およびR2とR6とは互いに結合して環を形
    成していてもよい)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)又は(2)において、
    1及びR2の少なくとも一方が炭素数4〜20のアルキ
    ル基であることを特徴とする請求項1に記載の半導体電
    極。
  3. 【請求項3】 該モノメチンスチリル色素とともに、そ
    れ以外の色素を吸着していることを特徴とする請求項1
    〜2のいずれかに記載の半導体電極。
  4. 【請求項4】 少なくとも下記一般式が(3)及び
    (4)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも1
    種の4級の窒素原子(N+)とカルボキシル基アンカー
    (X2)を連結する炭素が1個であるジメチンスチリル
    色素を吸着していることを特徴とする半導体電極。 【化3】 【化4】 (式中、環Aは置換基を有しても良いベンゼン環又は複
    素芳香環を示し、該環Aは他の環Eと縮合又は結合して
    いてもよく、 R11、R12は水素原子又は置換基を有していても良い炭
    素数1〜40のアルキル基を示し、 R13、R14、R15、R16は水素原子又は置換基を示し、 R17は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基
    又はアニリン誘導体基を示し、 R18、R19、R20は水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基又はシアノ基を示し、 R21、R22は水素原子又は電子吸引性基を示し、 Yはイオウ原子、酸素原子、セレン原子、置換基を有す
    る炭素原子又は置換基を有する窒素原子を示し、 X2はカルボキシル基を示し、 Z11、Z12は水素又は置換基を示し、 X-は陰イオンを示し、 前記R11とR14およびR12とR16とは互いに結合して環
    を形成していてもよい)
  5. 【請求項5】 前記一般式(3)又は(4)において、
    11及びR12の少なくとも一方が炭素数4〜20のアル
    キル基であることを特徴とする請求項4に記載の半導体
    電極。
  6. 【請求項6】 該ジメチンスチリル色素とともに、それ
    以外の色素を吸着していることを特徴とする請求項4〜
    5のいずれかに記載の半導体電極。
  7. 【請求項7】 該半導体電極が、導電性ガラス上に形成
    された半導体膜からなることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の半導体電極。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の半導体
    電極を有することを特徴とする光電変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光電変換素子を有する
    ことを特徴とする光電気化学太陽電池。
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