JP2006073375A - 有機色素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子およびこれらを用いる太陽電池 - Google Patents

有機色素を光増感剤とする半導体電極、光電変換素子およびこれらを用いる太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 光電変換効率の高い光電気化学太陽電池を提供する。
【解決手段】一般式(1):
Figure 2006073375

[式中、A及びBは低級アルキル基またはアリール基、Rは低級アルキル基もしくはアリールまたはアラルキル基、R〜Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基、R〜Rは水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基、Xは芳香環基、Yは置換基を有する複素環基でありlおよびmは0〜3の整数である]
で表される有機色素により増感された半導体からなる半導体電極、及びこの電極を用いた光電変換素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の有機増感色素を用いた半導体薄膜電極および該電極を用いた高効率色素増感型光電変換素子ならびにこれらを用いた太陽電池に関する。
更に詳しくは、ビスエナミン骨格を有するポリメチン色素を薄膜半導体電極の増感剤として用いた半導体薄膜電極及び該電極を用いた高効率色素増感型光電変換素子ならびにこれらを用いた太陽電池に関する。
太陽光発電は、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、更にはテルル化カドミウム、セレン化インジウム等の化合物系太陽電池について開発の対象として精力的に行われてきている。これらの中では、すでに実用化されてきているものもある。
この実用化されているものについては、更に製造コストの低減、原材料の安定確保、エネルギーペイバックタイムの期間が長い等の問題点を克服する必要性が残されている。
一方、大面積化や低価格化を指向したフタロシアニン顔料等を用いた太陽電池もこれまでに提案されているが、変換効率の低さがネックとなっている。
こうした状況の中でNature (第737〜740頁、353 (1991)) (非特許文献1)及び米国特許第4,927,721号(特許文献1)等に、有機色素によって増感した金属酸化物を半導体電極に用いた光電変換素子及び太陽電池、並びにこれを作製するための材料およびその製造技術が開示されている。すなわち、これら文献には、ルテニウム錯体構造を有する有機色素により増感された酸化チタンからなる半導体微粒子を用いた光電変換素子、太陽電池に関して記載されている。これらの太陽電池の特徴は:
(1) 酸化チタン等の安価な原料を用い、
(2) 用いる色素によっては変換波長が長波長までブロードになることにより広領域の可視光を電気に変換でき、
(3) 色素のブレンドにより新規作用の可能性、新規増感色素の可能性がある
ことである。これらの点において、従来の太陽電池では考え難かった新しい着眼点が生まれてきた。
しかしながら、太陽電池として、実用化にはまだまだ変換効率が低いという問題点が残されている。
米国特許第4,927,721号 Nature (第737〜740頁、353 (1991))
本発明の目的は、変換効率が優れた色素により、増感された半導体を用いた薄膜電極、及び該電極を用いた高効率の光電変換素子ならびに光電気化学太陽電池を提供することにある。
前記課題を解決すべく、種々検討した結果、本発明に至ったものである。
即ち、半導体薄膜電極、該電極を用いた光電変換素子及び該素子からなる光電気化学太陽電池において、下記の一般式(1):
Figure 2006073375
[式中、
A及びBは、互いに独立して、低級アルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり、
Rは、低級アルキル基または置換もしくは非置換のアリールまたはアラルキル基であり、
1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、RとR1またはRとR3は互いに一緒になって5員環または6員環の炭素環を形成してもよく、更にR1とR2またはR3とR4は互いに一緒になって6員環の炭素環を形成してもよく、
5、R6およびR7は、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、
Xは、置換基を有していてもよい芳香環基であり、
Yは、置換基を有する複素環基であり、
l及びmは、0〜3の整数である]
で表わされる有機色素により増感された半導体からなる半導体電極により上記課題を解決する。
一般式(1)の有機色素に属する1つの好ましい群は、一般式(2):
Figure 2006073375
[式中、A、B、R1、R2、R4、R5、R6、R7、X、Y、lおよびmは式(1)で定義したとおりである]
で表される有機色素である。
また、一般式(3):
Figure 2006073375
[式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、lおよびmは式(1)で定義したとおりであり、また、R8は水素、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
で表される有機色素である。
本発明によれば、特定の有機色素を光増感剤とすることにより、安価で、光電変換効率が高い色素増感型光電変換素子が提供される。また、この高効率色素増感型光電変換素子を用いることにより光電変換効率の高い光電気化学太陽電池を容易に、しかもより安価に提供できる。
本発明において、半導体は、電子写真における感光体と考えてよく、光を吸収して電荷分離を行い、電子とホールの役割を担っている。色素増感された半導体では、光吸収と、これによる電子及びホールの発生は色素部分において行われる。このようにして発生した電子を半導体は受け取り、伝達する役割を担う。
本発明において、半導体電極は、導電性支持体上に形成される。
本発明で用いる導電性支持体としては、金属のように支持体自体が導電性を有するもの、または表面に導電層を有するガラスもしくはプラスチック等の支持体が利用できる。
後者の場合、好ましい導電材料としては、金、白金、銀、銅、アルミニウムおよびインジウム等の金属、導電性カーボン、インジウム錫複合酸化物、または酸化錫にフッ素をドープしたもの等の導電材料が挙げられ、常法によって、上記のガラスまたはプラスチック支持体上に導電層として形成される。
これらの導電層の膜厚は0.02〜5μm程度が好ましい。導電性支持体としては表面抵抗が低い程良く、表面抵抗は40Ω/sq以下であることが好ましい。該支持体を受光面とする場合、透明であることが好ましい。また、該支持体の膜厚は、光電極に適当な強度を付与することができるものであれば特に限定されない。
上記の点及び機械的な強度を考慮にいれると、酸化錫にフッ素をドープしたものからなる導電層をソーダ石灰フロートガラスからなる透明性基板上に積層したものが代表的な支持体として挙げられる。
またコスト面、フレキシブル面等を考慮にいれると、透明ポリマーシート上に上記導電層を設けたものを用いたものでもよい。
透明ポリマーシートとしては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)およびフェノキシ樹脂等が挙げられる。
透明導電性基板の抵抗をさげるために金属リード線を加えてもよい。
金属リード線の材質としては、白金、銀、銅、アルミニウム、インジウムおよびニッケル等がこのましい。金属リード線は透明基板にスパッター、蒸着等で設置し、その上に酸化錫、ITO等の透明導電膜を設けてもよい。ただ金属リード線を設けることにより、少し入射光量の低下を招き注意が必要である。
本発明における半導体としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム(CdS)、硫化鉛(PbS)、硫化亜鉛(CdS)、リン化インジウム(InP)、銅-インジウムの硫化物(CuInS2)などが挙げられる。
その中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
本発明において、上記の半導体から1種またはそれ以上を選択することができる。
上記の半導体は、単結晶、多結晶のいずれでも良いが、安定性、結晶成長の困難さ、製造コスト等より、多結晶の方がより好ましい。特に微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結晶半導体が好ましい。
また、2種類以上の粒子サイズの異なる粒子を混合して用いてもよい。この場合各粒子の材料は同一でも異なっていてもよい。
異なる粒子サイズの平均粒径の比率は10倍以上の差がある方が良く、粒径の大きいもの(100〜500nm)は、入射光を散乱させ光捕捉率をあげる目的で、また粒径の小さいもの(5nm〜50nm)は、吸着点をより多くし色素吸着を良くする目的で混合して用いてもよい。特に半導体化合物が異なる場合、吸着作用の強い半導体の方を小粒径にした方が効果的である。
最も好ましい半導体微粒子の形態である酸化チタンの作製については、各種文献等に記載されている方法に準じて行うことが出来る。例えば「新合成法:ゾルーゲル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」第35巻、第9号1012〜1018頁(1995)等が代表的なものとしてあげることができる。またDegussa社が開発した塩化物を高温加水分解により、得る方法も適している。
本発明に使用される酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン、ならびに、水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。
アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶は、その製法や熱履歴によりいずれの形もとり得るが、これらの混合体が一般的である。
しかしながら、アナターゼ型がルチル型より光吸収の長波端波長が短く、紫外光による光電変換の低下を起こす度合いが小さいので、本発明の有機色素の増感に関しては、アナターゼ型の含有率の高いものが好ましく、その割合が80%以上のものが特に好ましい。
本発明による半導体電極は、少なくとも金属酸化物からなる微粒子と増感色素から構成されていることを特徴としている。
すなわち、本発明による半導体電極の用いる増感された半導体を得るためには、本発明の有機色素を半導体に吸着させることにより半導体を分光増感させることが必要である。この半導体の分光増感法については、本発明の色素を有機溶剤に溶解させよく乾燥した半導体微粒子を数時間室温で浸漬する方法が一般的である。色素の溶解性をアップさせるために少し溶解温度をあげるか、または2種類以上の異なる溶剤を混合することも必要となってくる。
色素の吸着は半導体微粒子を導電性支持体に塗布する前に行っても、塗布後に行ってもよい。通常は半導体微粒子を塗布した後に色素を吸着させる方が色素の吸着性の面からも好ましい。
導電性支持体上に塗布した半導体微粒子膜に有機色素を吸着させるには、色素溶液中に、よく乾燥した半導体粒子膜を浸漬させるか、もしくは色素溶液を半導体微粒子膜上に塗布して吸着させる方法を用いる事が出来る。
未吸着の有機色素が存在する場合は、吸着後に洗浄溶剤での速やかな洗浄により除去しても良い。洗浄溶剤としては有機色素の比較的揮発性の高いものを用いるのがよい。これらの溶剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、アセトン等の比較的揮発しやすい溶剤を用いことができる。
本発明の増感色素の吸着については、色素量が少ないと増感効果が不十分になり、逆に色素量が多いと、半導体に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、効率低下をもたらす原因ともなる。
したがって、場合によっては、色素同士の会合を防止させ、色素に一定の方向性をもたらすために、共吸着性の比較的低分子の化合物をくわえてもよい。共吸着性の化合物としてはカルボキシル基、カルボン酸無水物基を有するコール酸等のステロイド化合物があげられる。
また、余分な色素の除去後、吸着状態をより安定にするために半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物で処理して、未反応色素の除去を促進させることも必要となってくる。
これらの塩基性化合物としては、ピリジンおよびキノリンならびにこれ等の誘導体が挙げられる。これら材料が液体の場合はそのまま用いてもよいが、固体の場合には、適当な(好ましくは色素溶解と同じ)溶剤に溶解して用いてもよい。
本発明の有機色素について次に具体的に説明する。
前記の一般式(1)、およびその副式である一般式(2)と(3)において、記号A、B、R1〜R8中で使用されている用語「低級アルキル基」および「低級アルコキシ基」における「低級」とは、炭素数1〜6を意味し、より好ましくは炭素数1〜4を意味する。
「低級アルキル基」としては、具体的にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、i−ペンチル、ヘキシル、i−ヘキシルなどが挙げられる。これらの中で、通常メチルまたはエチルが好ましい。
「低級アルコキシ基」としては、具体的にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基およびこれらの異性体などが挙げられ、さらに、メチレンジオキシ基およびエチレンジオキシ基も含まれる。これらの中で、通常メトキシまたはエトキシ基が好ましい。
さらに、記号A、BおよびRで使用されている用語「置換もしくは非置換のアリール基」または「アラルキル基」における「アリール基」とは、フェニル、ナフチルまたはビフェニル基等が挙げられる。
また、「アラルキル基」としては、ベンジルまたはフェネチル基などが挙げられる。
また、記号A、BおよびRで使用されている用語「置換もしくは非置換」の「置換」および記号XおよびYで使用されている用語「置換基を有する」とは、必ずしも1つとは限らず、2つ以上であってもよく、置換基が複数の場合は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)における記号Rは、低級アルキル基または置換もしくは非置換のアリールまたはアラルキル基であるが、一般式(3)に示されるようなアリール基が好ましい。さらに、RとR1またはRとR3は互いに一緒になって5員環または6員環の炭素環を形成することも好ましく、分子の安定性を考慮すると、一般式(2)に示されるようなピペリジン環構造を形成するのがより好ましい。
1、R2、R3およびR4は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であるが、R1とR2またはR3とR4は互いに一緒になって6員環の炭素環を形成して、ナフタレン環またはアントラセン環等を構成してもよい。
唯、A、B双方がアルキル基である場合、エナミン体がビニル体となり、よりラジカルが発生しやすくなり、そのため光及び熱安定性にかける。
5、R6およびR7は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である。
また、R8は水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である。
Xは、置換基を有していてもよい芳香環基であり、具体的には、酸素原子または硫黄原子を含有し、置換基を有していてもよい複素5員環基であり、さらに具体的には、チオフェン環およびフラン環などが挙げられる。
Yは、置換基を有する複素環基であるが、この置換基は、半導体表面に色素を固定する働きを有するインターロック基としての役割を果たす。このインターロック基として作用する置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基、ホスホノ基、メルカプト基などが好ましく、カルボキシル基であることがより好ましい。該複素環は、さらにハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、またはアリール基のような置換基を有していても良く、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ロダニン、チオオキサゾリドン、ヒダントイン、チオヒダントイン、ピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸の構造からなる群から選択されることが好ましい。この中でも一般式(4):
Figure 2006073375
[式中、nは整数である]
で表わされるロダニン構造がより好ましい。
例えば、上記に記載の置換基を有する一般式(1)の化合物は、以下の合成スキームにしたがって製造することができる。
Figure 2006073375
[式中、A、B、R1、R2、R4、R5、R6、R7、X、Y、l、mおよびR8は上記で定義したとおりである]
すなわち、アルデヒド体(i)とアミン化合物(ii)とを、p-トルエンスルホン酸等の触媒の存在下に、トルエン等の溶剤中、ディーン-スターク(ソックスレー抽出器)を用いて、反応副生成物である水を排除しながら脱水反応に付し、エナミン化合物(iii)が得られる。次いで、この化合物(iii)を、DMFとオキシ塩化リンとを用いるビルスマイヤー反応に付して、ホルミル化体(iv)とし、さらに複素環化合物(v)との縮合反応に付して、目的とする一般式(1)の化合物が得られる。
上記の製造方法により得られる有機色素の代表的なものについて具体的構造を以下に記載する。
化合物−1:
Figure 2006073375
化合物−2:
Figure 2006073375
化合物−3:
Figure 2006073375
化合物−4:
Figure 2006073375
化合物−5:
Figure 2006073375
化合物−6:
Figure 2006073375
化合物−7:
Figure 2006073375
化合物−8:
Figure 2006073375
化合物−9:
Figure 2006073375
化合物−10:
Figure 2006073375
化合物−11:
Figure 2006073375
化合物−12:
Figure 2006073375
化合物−13:
Figure 2006073375
化合物−14:
Figure 2006073375
化合物−15:
Figure 2006073375
化合物−16:
Figure 2006073375
等が代表的なものとしてあげられる。
以下の実施例は本発明をより具体的に説明するものであり、本発明をなんら限定するものではない。
以下に、本発明の増感色素の合成過程を示す。
製造例
増感色素の合成例:化合物-4
第1の合成は、下記反応式で表わされるアルデヒド体(D)0.589g(3mmol)とテトラヒドロキノリン(E)0.400g(3mmol)をp―トルエンスルホン酸等の触媒として脱水さすことによりエナミン化合物(F)0.779g(2.5mmol)を得た。これを反応式であらわすと次のようになる。この反応はトルエン等の溶剤中、ディーン-スタークを用いて、反応副生成物である水を排除する方式で合成することが好ましい。
Figure 2006073375
第2の合成は、第1の合成で得られたジエナミン誘導体(F)をDMFとオキシ塩化リンによりホルミル化体に変える、いわゆるビルスマイヤー反応である。この反応は通常3倍から5倍モルのDMFにより、エナミン誘導体を溶解した溶液に約1、5倍モルのオキシ塩化リンを加えて70〜100℃前後において、加熱攪拌することにより容易に得られる。
尚ホルミル化体にするには、反応後苛性ソーダ溶液を加えてアルカリ溶液に変える必要がある。
Figure 2006073375
第3の合成は、第2の合成で得られた化合物(G)0.679g(2mmol)とロダニン誘導体0.380g(2mmol)を、DMF、DMSO、N−メチルピロリドン等に溶解し、この溶液に少し過剰モルのナトリウムエトキサイドのアルコール溶液を加えて5時間程度加熱下において、良く攪拌することにより得られる。加熱温度は100℃程度が好ましい。
後処理は水又はアルコール等の貧溶剤中に反応液を加え、析出した泥状物をアルコール等で熱洗する。このようにして粉末状の粗色素を得る。別法としてジクロロエタン等で抽出して、この抽出した色素溶液の溶剤を溜去し、残留物を乾燥させる。
最後にこのようにして得られた粗色素を再結晶、カラム精製等で精製して化合物-4が0.615g(収率60%)得られた。
Figure 2006073375
他の化合物に関しても同様に合成を行った。元素分析の結果を以下に示す。
Figure 2006073375
本発明の光電気化学太陽電池は、増感色素が吸着された半導体電極からなる光電変換素子、対電極、その間に挟持されたキャリア輸送層からなる。
対電極は、半導体電極とともに一対の電極を構成し得るものであり、透明導電膜に形成することができる。この導電膜は透明でもよいし、不透明であってもよい。例えば、N型又はP型の元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム等)又は化合物半導体(例えば、GaAs、InP、ZnSe、CsS等);金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ITO、SnO2、CuI、ZnO等の透明導電材料からなる膜が挙げられる。これらの導電膜は、常法によって形成され、その膜厚は0.1μm〜5μm程度が適当である。
なお、対電極は、太陽電池を支持し得る支持基板又は保護層上に形成されていることが好ましい。支持基板や保護層は、通常太陽電池の基板として使用することができる透明又は不透明の基板等を使用することができる。具体的には、スパッター、塩化白金酸の熱分解、電着などの方法によって導電膜が被覆された支持基板上に白金膜を形成させたもの等が挙げられる。この場合の白金膜の膜厚は、1nm〜1000nm程度が挙げられる。
キャリア輸送層は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料から構成される。例えば、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミンなどのホール輸送材料;テトラニトロフロレノンなどの電子輸送材料;ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性ポリマー;液体電解質、高分子電解質などのイオン導電体;ヨウ化銅、チオシアン酸銅などの無機p型半導体が挙げられる。
上記の導電性材料の中でもイオン導電体が好ましく、酸化還元性電解質を含む液体電解質が特に好ましい。このような酸化還元性電解質としては、一般に、電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元種を含有させる。
ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。
これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
従来から用いられている添加剤として、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、あるいはジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩を添加しても良い。
液体電解質中の電解質濃度は、0.1〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.1〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
また半導体薄膜電極との接触を防止するために、スぺーサーを用いることも必要になってくる。これらスぺーサーとしてはポリエチレン等の高分子フイルムが用いられる。このフイルムの膜厚は10〜50μmぐらいが適当である。
実施例1〜8
(有機太陽電池の作製)
前述の有機色素各8種を増感剤として、これを吸着させたナノポーラス酸化チタン薄膜電極(厚さ14μm)、ヨウ素イオンレドックス電解溶液中(電解質:0.6M DMPII、0.1M、 LiI、0.05M、 I2、0.5M、 TBP:0.5M、溶媒:アセトニトリル)、ポリエチレンスぺーサー(厚さ30μm)及び白金対極からなる色素増感型太陽電池を作製した。
これら各工程についてより具体的に説明する。
酸化チタンの分散液及び酸化チタン薄膜電極(厚さ14μm)の作製方法
(酸化チタン分散液の調製)
酸化チタンSSP―M(堺化学製:アナターゼタイプ)を純水で数回洗浄し、これを内側をテフロン(登録商標)ライニングしたステンレス製べッセルに入れ、約3倍の重量の純水及び、分散剤トリトンX-100(アルドリッチ社)を1%ほど加え、次いで直径0.5mmのガラスビーズを加えて、ペイントシェイカー(RED―DEVIL社製)により約1時間分散した。このようにして得られた分散体から、ガラスビーズを濾過して取り除いた。このようにしてより微細な平均粒径0.3μmの酸化チタンを作製した。またX線回析装置を用いてアナターゼ、ルチルのそれぞれのピーク強度比よりアナターゼ化率を求めた結果、酸化チタンSSP―Mは、アナターゼ化率100%であった。
(酸化チタン薄膜電極の作製)
フッ素をドープした酸化錫を塗布した導電性ガラス(サイズ:25mm×100mm)の導電面側にクリアランス150μmのアプリケーターを用いて前記記載の分散液を塗布した。塗布後室温下で約1時間風乾した後、電気炉(ヤマト科学社製)中450℃、30分間焼成し、TiO電極を得た。この電極を取り出し室温下まで冷却後、有機色素各10種を増感剤として、これを吸着させたナノポーラス酸化チタン薄膜電極(厚さ14μm)を作製した。尚、各色素はエタノール/DMF(1/1容積比)に溶かし、更にこれら色素溶液に、色素モル比でコール酸0.4モルを添加した溶液を用いて5時間以上浸漬し、次いで湿度30%で自然乾燥した。
作製した太陽電池に対して、AM1.5(100mW/cm → 太陽光とほぼ同じ光強度)の条件下で照射し、その時発生した電気量、及び光電変換効率を表―1に記載した。また、表―1にはこれら有機色素のアルコール溶液での吸収極大波長についても記載した。尚、光電変換効率は、光照射した結果生じた電気量を電流―電圧測定装置にて求め、これから変換効率を求めた。
Figure 2006073375

Claims (11)

  1. 一般式(1):
    Figure 2006073375
    [式中、
    A及びBは、互いに独立して、低級アルキル基または置換もしくは非置換のアリール基であり、
    Rは、低級アルキル基または置換もしくは非置換のアリールまたはアラルキル基であり、
    1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、RとR1またはRとR3は互いに一緒になって5員環または6員環の炭素環を形成してもよく、更にR1とR2またはR3とR4は互いに一緒になって6員環の炭素環を形成してもよく、
    5、R6およびR7は、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、
    Xは、置換基を有していてもよい芳香環基であり、
    Yは、置換基を有する複素環基であり、
    l及びmは、0〜3の整数である]
    で表わされる有機色素により増感された半導体からなる半導体電極。
  2. 有機色素が、一般式(2):
    Figure 2006073375
    [式中、A、B、R1、R2、R4、R5、R6、R7、X、Y、lおよびmは式(1)で定義したとおりである]
    で表される請求項1による半導体電極。
  3. 有機色素が、一般式(3):
    Figure 2006073375
    [式中、A、B、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、lおよびmは式(1)で定義したとおりであり、また、R8は水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
    で表される請求項1による半導体電極。
  4. 上記A、Bの少なくとも1つが、置換または非置換のフェニル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体電極。
  5. 上記Xが、酸素原子または硫黄原子を含有し、置換基を有していてもよい複素5員環基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体電極。
  6. 上記Yが、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される2個以上の原子を含有する複素環基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体電極。
  7. 上記Yの複素環基における複素環がベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ロダニン、チオオキサゾリドン、ヒダントイン、チオヒダントイン、ピラゾロン、バルビツール酸またはチオバルビツール酸から誘導される二価の基であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体電極。
  8. 一般式(1)〜(3)において、Yが式(4):
    Figure 2006073375
    [式中、nは整数である]
    で表される請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体電極。
  9. 少なくとも金属酸化物からなる微粒子と増感色素から構成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体電極。
  10. 請求項9記載の半導体電極を用いることを特徴とする光電変換素子。
  11. 請求項10記載の光電変換素子を用いることを特徴とする太陽電池。
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