JP2005195978A - 液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤及び上下導通材料 - Google Patents

液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤及び上下導通材料 Download PDF

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Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Yuichi Oyama
雄一 尾山
Takuya Yamamoto
拓也 山本
Mitsuru Tanigawa
満 谷川
Shuichi Hiratsuka
崇一 平塚
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 液晶表示素子の製造において、作業性に優れるとともに、液晶汚染を引き起こ
すことがなく液晶表示において色むらが少ないことから、特に滴下工法による液晶表示素
子の製造に最適である液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、及び
、上下導通材料を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリル基及び水酸基を有するアクリル化エポキシ樹脂を含有す
る液晶表示素子用硬化性樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル基の数と前記水酸基
の数とが下記式(1)の関係を満たす液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。
((メタ)アクリル基の数/水酸基の数)>1 (1)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示素子の製造において、作業性に優れるとともに、液晶汚染を引き起こ
すことがなく液晶表示において色むらが少ないことから、特に滴下工法による液晶表示素
子の製造に最適である液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、及び
、上下導通材料に関する。
従来、液晶表示セル等の液晶表示素子は、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおい
て対向させ、その周囲を硬化性樹脂組成物からなるシール剤で封着してセルを形成し、そ
の一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又
は封口剤を用いて封止することにより作製されていた。
この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により
熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃
でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の
基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱
プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10
〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最
後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
しかし、この作製方法によると、熱歪により位置ズレ、ギャップのバラツキ、シール剤と
基板との密着性の低下等が発生する;残留溶剤が熱膨張して気泡が発生しキャップのバラ
ツキやシールパスが発生する;シール硬化時間が長い;プリベイクプロセスが煩雑;溶剤
の揮発によりシール剤の使用可能時間が短い;液晶の注入に時間がかかる等の問題があっ
た。とりわけ、近年の大型の液晶表示装置にあっては、液晶の注入に非常に時間がかかる
ことが大きな問題となっていた。
これに対して、光硬化熱硬化併用型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼
ばれる液晶表示素子の製造方法が検討されている。滴下工法では、まず、2枚の電極付き
透明基板の一方に、スクリーン印刷により長方形状のシールパターンを形成する。次いで
、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方
の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニ
ール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で
行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。
今後はこの滴下工法が液晶表示装置の製造方法の主流となると期待されており、滴下工法
において好適に用いられる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑み、液晶表示素子の製造において、粘度が低いことから、作業性
に優れるとともに、液晶汚染を引き起こすことがなく液晶表示において色むらが少ないこ
とから、特に滴下工法による液晶表示素子の製造に最適である液晶表示素子用硬化性樹脂
組成物、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及びを提供することを目的とする。
本発明は、(メタ)アクリル基及び水酸基を有するアクリル化エポキシ樹脂を含有する液
晶表示素子用硬化性樹脂組成物であって、上記(メタ)アクリル基の数と上記水酸基の数
とが下記式(1)の関係を満たす液晶表示素子用硬化性樹脂組成物である。
((メタ)アクリル基の数/水酸基の数)>1 (1)
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、これまでに、特に滴下工法において好適な液晶表示素子用シール剤として
、アクリル化エポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を用いた液晶表示素子用シール剤
を提案している。
このような硬化性樹脂組成物を用いた場合、液晶表示素子用シール剤を光硬化と熱硬化と
の併用タイプとすることができるとともに、含有される樹脂の極性が高く、液晶との相溶
性が低いことから、液晶の汚染を効果的に防止することができる。しかしながら、このよ
うな液晶表示素子用シール剤では、粘度が高く、作業性に劣るという問題があった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、粘度上昇の原因はアクリル化エポキシ樹脂が水酸基を有
していることにあることを見出した。更に検討の結果、液晶表示素子用硬化性樹脂組成物
として、(メタ)アクリル基の数が水酸基の数よりも多いアクリル化エポキシ樹脂を用い
ることにより、比較的低粘度で作業性に優れるとともに、液晶汚染を引き起こすことがな
く液晶表示において色むらが少ない液晶表示素子を製造できることを見出し、本発明の液
晶表示素子用硬化性樹脂組成物を完成するに至った。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリル基及び水酸基を有するア
クリル化エポキシ樹脂を含有し、上記(メタ)アクリル基の数と上記水酸基の数とが下記
式(1)の関係を満たす。
((メタ)アクリル基の数/水酸基の数)>1 (1)
上記アクリル化エポキシ樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物とを反
応させて得られるカルボン酸に、1分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞ
れ少なくとも1つ以上有するエポキシ(メタ)アクリレートを反応させることにより製造
することができる。このような方法を用いて製造することにより、(メタ)アクリル基の
数とエポキシ基の開環に起因して生じる水酸基の数とが上記式(1)の関係を満たすアク
リル化エポキシ樹脂を製造することができる。
上記アクリル化エポキシ樹脂の製造方法の一例を下記の化学反応式に示す。このような方
法を用いることにより、下記一般式(1)に示すような上記式(1)の関係を満たすアク
リル化エポキシ樹脂を製造することができる。
Figure 2005195978
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、ヒドロキシ
アルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数2〜6)グリ
コールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロー
ルジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、2−(メタ)ア
クリロイルエチルー2−ヒドロキシエチルフタレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ
)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート;これらの(メ
タ)アクリレートのラクトン(炭素数4〜8)変性品又はアルキレン(炭素数2〜6)オ
キサイド変性品等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい
上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ドデセニル無水フタル酸、オクテニル無水コ
ハク酸、オクテニル無水フタル酸、エチレングリコールビスアンヒドロメリテート、グリ
セリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、5−(2,5−ジオキソテト
ラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無
水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が挙げら
れる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記1分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する
エポキシ(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジル、脂環式エポキシ基を有する
(メタ)アクリレート(サイクロマーA100、サイクロマーA200)等が挙げられる
上記アクリル化エポキシ樹脂の製造方法においては、充分な反応速度を得ることを目的と
して、触媒を用いることが好ましい。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィ
ン化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、トリメチル
アンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルアン
モニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化
合物、オクテン酸クロム、オクテン酸コバルト、ナフテン酸クロム等の有機金属塩類等が
挙げられる。
上記触媒の添加量の好ましい下限は0.01重量%であり、上限は5.0重量%である。
0.01重量%未満であると、充分な反応速度が得られないことがあり、5.0重量%を
超えると、液晶表示素子用硬化性樹脂組成物の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある.より
好ましい下限は0.05重量%であり、上限は2.0重量%である。
上記アクリル化エポキシ樹脂の製造方法においては、(メタ)アクリル基の重合を防止す
ることを目的として、重合禁止剤を添加することが好ましい。
上記重合禁止剤としては特に限定されず、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル、フェノチアジンp−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイド
ロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、2,5
−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−t−
プチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
上記アクリル化エポキシ樹脂の製造方法において、反応を行う際の温度の好ましい下限は
60℃であり、好ましい上限は130℃である。60℃未満であると、実用上充分な反応
速度が得られない場合があり、130℃を超えると、高温に伴うラジカル重合により二重
結合が架橋し、ゲル化物を生じることがある。より好ましい下限は80℃であり、上限は
120℃である。
また、上記カルボン酸と、上記エポキシ(メタ)アクリレートとの反応は、酸価が2mg
KOH以下となるまで行うことが好ましい。2mgKOHを超えている場合は、カルボン
酸が依然として多く存在し、アクリル化エポキシ樹脂の量が不充分だからである。
また、上記反応は、オキシラン酸素濃度が1%以下となるまで行うことが好ましい。1%
を超えている場合は、エポキシ(メタ)アクリレートが依然として多く存在し、アクリル
化エポキシ樹脂の量が不充分だからである。
なお、上記反応は、滴定法等の方法により酸価及びオキシラン酸素濃度を測定しながら行
うことが好ましい。
上記アクリル化エポキシ樹脂は、4官能以上であることが好ましい。上記アクリル化エポ
キシ樹脂が多官能であると、架橋密度が高くなることにより、耐熱性に優れ、信頼性の高
い液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、上記アクリル化エポキシ樹脂の他に、通常
用いられる硬化性樹脂を含有してもよい。
このような硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、(メタ)アクリ
ル樹脂、エチレン誘導体、スチレン誘導体等が挙げられる。なかでも、速やかに反応が進
行し接着性が良好であることからエポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂が好適である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有す
るものが好適である。このような光重合開始剤を用いれば、液晶表示素子用硬化性樹脂組
成物に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出して液晶を汚染する
ことがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベン
ゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは
、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残
基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反
応性二重結合を有することにより、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を液晶表示
素子用シール剤として用いた場合の耐候性が向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有し
ていればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基
とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合及び水酸基及び/又
はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下
記一般式(2)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する
化合物を、光重合開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なく
することができる。
Figure 2005195978
式中、Rは水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素残鎖を表す。Rが炭素数4を超える脂肪
族炭化水素残鎖であると、光重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加するものの、
置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
一般式(2)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例
えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005195978
式中、Rは水素又は炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基を表し、Xは炭素数13以下の2
官能イソシアネート誘導体の残基を表し、Yは炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基又は残
基を構成する炭素と酸素の原子数比が3以下の残基を表す。Xが炭素数13を超える2官
能イソシアネート誘導体の残基であると、液晶に溶解しやすくなることがあり、Yが炭素
数4を超える脂肪族炭化水素基又は炭素と酸素の原子数比が3を超える残基であると、液
晶に溶解しやすくなることがある。
上記光重合開始剤としては、他にも例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることができる。
これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の添加量としては、硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が0
.1重量部、好ましい上限が10重量部である。0.1重量部未満であると、光重合を開
始する能力が不足して効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、未反応の光
重合開始剤が多く残ることがあり、耐候性が悪くなることがある。より好ましく下限は1
重量%、より好ましい上限は5重量%である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤は、加熱によりアクリル化エポキシ樹脂の(メタ)アクリル基等を反応させ
、架橋させるためのものであり、硬化後の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。上
記熱硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好適に用いられる。融点が1
00℃以下の硬化剤を使用すると保存安定性が著しく悪くなることがある。
このような熱硬化剤としては、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロ
ピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−
シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル
)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エ
チル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、
N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメ
チルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フ
タル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種ア
ミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類
以上が用いられてもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤
も好適である。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保
存安定性を有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物が得られる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有していてもよ
い。シランカップリング剤は、主に本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物と透明基板
との接着性を向上させる接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、透明基板等との接着性向上効果
に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶材料中への流出を防止するとができる
ことから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネート
プロピルトリメトキシシラン等や、スペーサー基を介してイミダゾール骨格とアルコキシ
シリル基とが結合した構造を有するイミダゾールシラン化合物からなるもの等が好適に用
いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張
率の改善等の目的にフィラーを含有してもよい。上記フィラーとしては特に限定されず、
例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸
化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム
、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、
窒化アルミニウム、窒化珪素等の無機フィラー等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、また、硬化後おけるガラス転移温度の好ま
しい下限が80℃、好ましい上限が150℃である。80℃未満であると、本発明の液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物を用いて液晶表示素子を製造した場合に、耐湿性(耐高温高
湿性)に劣ることがあり、150℃を超えると、剛直に過ぎ基板との密着性に劣ることが
ある。
なお、上記ガラス転移温度は、DMA法により昇温速度5℃/分、周波数10Hzの条件
で測定した値である。ただし、DMA法によるガラス転移点温度の測定には大量の試料を
要することから、少量の試料しか得られない場合にはDSC法により昇温速度10℃/分
の条件で測定を行うことが好ましい。一般に、DSC法によって測定したガラス転移点温
度は、DMA法によって測定したガラス転移点温度よりも30℃程度低くなる。したがっ
て、DSC法によってガラス転移点温度を測定する場合には、本発明の液晶表示素子用硬
化性樹脂組成物は、硬化後におけるガラス転移温度の好ましい下限が50℃、好ましい上
限が120℃である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、粘度が低いことから、作業性に優れるとと
もに、液晶汚染を引き起こすことがなく液晶表示において色むらが少ない液晶表示素子を
製造することができる。また、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、エポキシ基
及びアクリル基を有するアクリル化エポキシ樹脂を含有することから、光硬化と熱硬化と
の併用タイプとすることができ、特に滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に好適
に用いることができる。
上述の工程により製造されたアクリル化エポキシ樹脂に光重合開始剤等を、従来公知の方
法により混合することにより本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を製造することが
できる。このとき、イオン性の不純物を除去するために層状珪酸塩鉱物等のイオン吸着性
固体と接触させてもよい。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を用いてなる液晶表示素子用シール剤もまた、
本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料
を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、透明基板の電極を確実に
導電接続することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発
明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層
を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形
成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続
が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示
素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、粘度が低いことから、作業性に優れると
ともに、液晶汚染を引き起こすことがなく液晶表示において色むらが少ないことから、特
に滴下工法による液晶表示素子の製造に最適である液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液
晶表示素子用シール剤、及び、上下導通材料を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
攪拌器、温度計及びコンデンサーを備えた2Lフラスコに、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート232g(2モル)、無水ピロメリット酸218g(1モル)、トリフェニルホス
フィン1.8g(2000ppm)及びヒドロキノン0.45g(500ppm)を仕込
み、110℃に加温して反応させ、酸価が212mgKOH/gとなってから、4−ヒド
ロキシブチルアクリレートグリシジル400g(2モル)を加え、酸価が2mgKOH/
g以下で、かつ、オキシラン酸素濃度が0.25重量%以下となるまで反応を行い、アク
リル化エポキシ樹脂を得た。
得られたアクリル化エポキシ樹脂50重量部、ビスA型エポキシ樹脂10重量部(ジャパ
ンエポキシレジン社製、エピコート828)ヒドラジド系硬化剤(味の素ファインテクノ
社製、アミキュアVDH)10重量部、2.2−ジエトキシアセトフエノン1重量部、平
均粒子径1.5μmのシリカ粒子23重量部、及び、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン1重量部からなる硬化性樹脂組成物を均一な液となるように三本ロールを用い
て充分に混合し、液晶表示素子用シール剤を得た。
得られた液晶表示素子用シール剤100重量部に対して、スチレン−ジビニルベンゼン樹
脂からなる樹脂微粒子の表面に金からなる導電金属層が形成された導電性微粒子(積水化
学工業社製、ミクロパールAU)5重量部を添加し、充分に混練して上下導通材料を得た
表面に透明電極を備えた2枚の透明基板の一方に、得られた液晶表示素子用シール剤を長
方形の枠を描くようにディスペンサーを用いて塗布した。また、透明基板の電極の位置に
得られた上下導通材料を塗布した。次いで、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の
微小滴を透明基板上に、シール剤による枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね
合わせて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を100mW/cmの強度で30秒間照射し
て仮固定を行った。その後、120℃、1時間加熱して、本硬化を行った。
本硬化後の液晶表示素子について、目視により評価を行ったところ、表示むらは全く認め
られなかった。
また、液晶表示素子用シール剤を塗布する際のディスペンス性は良好であった。
(比較例1)
アクリル化エポキシ樹脂50重量部の代わりにビスA型エポキシアクリル樹脂(ダイセル
ユーシービー社製、EB3700)50重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法によ
り、液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を作製した。
本硬化後の液晶表示素子について、目視により評価を行ったところ、液晶表示素子用シー
ル剤と上下導通材料の周りに表示むらが認められた。
また、粘度が高いことに起因して、液晶表示素子用シール剤を塗布する際のディスペンス
性は悪く、作業性が著しく低下した。
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、作業性に優れるとともに、液晶汚染を引
き起こすことがなく液晶表示において色むらが少ないことから、特に滴下工法による液晶
表示素子の製造に最適である液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤
、及び、上下導通材料を提供できる。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル基及び水酸基を有するアクリル化エポキシ樹脂を含有する液晶表示素子
    用硬化性樹脂組成物であって、前記(メタ)アクリル基の数と前記水酸基の数とが下記式
    (1)の関係を満たすことを特徴とする液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。
    ((メタ)アクリル基の数/水酸基の数)>1 (1)
  2. アクリル化エポキシ樹脂は、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物とを反応さ
    せて得られるカルボン酸に、1分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞれ少
    なくとも1つ以上有するエポキシ(メタ)アクリレートを反応させることにより製造され
    てなるものであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物。
  3. アクリル化エポキシ樹脂は、4官能以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の液
    晶表示素子用硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とす
    る液晶表示素子用シール剤。
  5. 請求項4記載の液晶表示素子用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする
    上下導通材料。
  6. 請求項4記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて
    なることを特徴とする液晶表示素子。
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