JP4405325B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 Download PDF

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JP4405325B2 JP2004185453A JP2004185453A JP4405325B2 JP 4405325 B2 JP4405325 B2 JP 4405325B2 JP 2004185453 A JP2004185453 A JP 2004185453A JP 2004185453 A JP2004185453 A JP 2004185453A JP 4405325 B2 JP4405325 B2 JP 4405325B2
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Description

本発明は、液晶表示素子の製造において、液晶表示素子の製造においてガスが発生するこ
とがなく、また、シール剤成分が液晶中に溶け出して液晶汚染を引き起こすことがないた
め液晶表示において色ムラが少ないことから、特に滴下工法による液晶表示素子の製造に
最適である液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子に関する。
従来、液晶表示セル等の液晶表示素子は、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおい
て対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注
入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止する
ことにより作製されていた。
この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により
熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃
でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサを挟んで2枚の基
板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱プ
レスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10〜
120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最後
に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
しかし、この作製方法によると、熱歪により位置ズレ、ギャップのバラツキ、シール剤と
基板との密着性の低下等が発生する;残留溶剤が熱膨張して気泡が発生しキャップのバラ
ツキやシールパスが発生する;シール硬化時間が長い;プリベイクプロセスが煩雑;溶剤
の揮発によりシール剤の使用可能時間が短い;液晶の注入に時間がかかる等の問題があっ
た。とりわけ、近年の大型の液晶表示装置にあっては、液晶の注入に非常に時間がかかる
ことが大きな問題となっていた。
これに対して、例えば、特許文献1に開示されているような光硬化熱硬化併用型シール剤
を用いた滴下工法と呼ばれる液晶表示素子の製造方法が検討されている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、スクリーン印刷により長方形状
のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板
の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射
して発生したラジカルで仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い
、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い
効率で液晶表示素子を製造することができる。今後はこの滴下工法が液晶表示装置の製造
方法の主流となると期待されている。
しかし、従来の滴下工法に用いられる光硬化熱硬化併用タイプの液晶表示素子用シール剤
は、紫外線が均一かつ充分に照射される条件下では充分に仮硬化させることができるが、
近年のシール剤形成面積が広い大型の液晶表示素子では、シール剤に対する紫外線の照射
ムラが生じやすく、シール剤に仮硬化が充分な部分と不充分な部分とが生じてしまうこと
があった。シール剤に少しでも紫外線照射量が不充分な箇所があると、続く本硬化工程に
おいて、高温状態でシール剤の未硬化部分が液晶と長時間接することとなり、シール剤に
含有されている成分が液晶中に溶出して液晶を汚染することがあるという問題があった。
液晶が汚染されたときには、液晶の配向乱れが生じ、色ムラ等の表示不良を引き起こすこ
とがある。
また、近年の液晶パネルは、バックライトの光抜け防止やパネルの狭額縁化に伴い、シー
ル剤の一部がブラックマスク等によってシール剤に光が当たらない部分が存在するものも
ある。このような光が当たらない部分のシール剤は、熱のみで硬化させる必要があり、熱
硬化に時間がかかりすぎると、高温状態でシール剤の未硬化成分と液晶とが長時間接する
ことにより、未硬化の成分が液晶中に溶出して液晶を汚染し、表示不良が発生するという
問題があった。
特に、近年の液晶パネルの開発はモバイル用途等の低消費電力化により、液晶の駆動電圧
の低いもの(低電圧型液晶)を使用する傾向にある。このような低電圧型液晶は、誘電率
異方性が大きいため、不純物を取り込みやすく、未硬化のシール剤成分が液晶中に溶出す
ると、液晶の配向の乱れや表示素子の電圧保持率の低下が著しいという問題があった。
これに対して、シール剤にラジカル発生剤を含有させることで、本硬化工程でのシール剤
中の硬化性樹脂の硬化反応を促進させ、シール剤の熱硬化時間を短縮できることが知られ
ており、従来、このようなラジカル発生剤としては、過酸化物やアゾ化合物が使用されて
いた。しかしながら、このようなラジカル発生剤を含有するシール剤は、基板に対する接
着強度が低下するという問題があった。
特開2001−133794号公報
本発明は、上記現状に鑑み、液晶表示素子の製造において、基板に対する接着強度に優れ
、また、シール剤成分が液晶中に溶け出して液晶汚染を引き起こすことがないため液晶表
示において色ムラが少ないことから、特に滴下工法による液晶表示素子の製造に最適であ
る液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供することを目的と
する。
本発明は、下記一般式(1)で表され、かつ、イニファータータイプである熱開裂型ラジカル発生剤、不飽和二重結合を有する化合物を含む熱硬化性化合物、及び、重付加型の熱硬化剤を含有する液晶表示素子用シール剤である。
Figure 0004405325
一般式(1)中、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ水素基、水酸基、シ
アノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい芳香環、置換基を有していてもよい
直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アシル基、若しくは、エステル基を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、従来のラジカル発生剤を含有するシール剤が基板に対する接着強度が低下
する原因について鋭意検討した結果、従来のシール剤に含有されていたラジカル発生剤は
、熱エネルギー等により開裂して硬化性樹脂を重合させる活性ラジカルを発生させる一方
で、炭酸ガスや窒素ガスも発生するものであったため、シール剤中に気泡が形成されて発
泡することが原因であることを見出した。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、液晶表示素子の製造に使用するシール剤
として所定の構造を有する熱開裂型ラジカル発生剤、少なくとも1種類以上の不飽和二重
結合を有する化合物を含む熱硬化性化合物、及び、重付加型の熱硬化剤を含有するものを
用いることにより、滴下工法による液晶表示素子の製造に使用した場合であっても、シー
ル剤の加熱による硬化速度が促進されるため、極めて短時間で硬化するためシール剤成分
の溶出による液晶汚染を抑制することができること、並びに、上記所定の構造を有する熱
開裂型ラジカル発生剤は、開裂時にガスが発生することがないためシール剤が発泡するこ
ともなく、基板に対する接着強度も優れたものとなることを見出し、本発明を完成するに
至った。
本発明の液晶表示素子用シール剤(以下、本発明のシール剤ともいう)は、上記一般式(
1)で表される熱開裂型ラジカル発生剤を含有する。
上記一般式(1)で表される熱開裂型ラジカル発生剤は、フェニルエタン誘導体であり、
いわゆるイニファータータイプのラジカル発生剤である。即ち、上記熱開裂型ラジカル開
始剤は、熱エネルギーを受けることによりエタン部位の炭素原子間で開裂が起こり、ガス
を発生することなく熱硬化性樹脂を重合させる活性ラジカルと、連鎖移動可能であって、
一旦連鎖移動した後、再度解離可能な比較的安定なラジカルとを発生する。
上記一般式(1)で表される熱開裂型ラジカル発生剤としては特に限定されず、例えば、
1,2−ジシアノ−1,2−ジフェニルコハク酸ジエチル、3,4−ジメチル−3,4−
ジフェニルヘキサン、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン、4,5−ジメチ
ル−4,5−ジフェニルオクタン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、2,
2,3,3−テトラフェニルブタン、1,2−ジシアノ−1,1,2,2−テトラフェニ
ルエタン、3,3,4,4−テトラフェニルヘキサン等が挙げられる。これらの熱開裂型
ラジカル開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記熱開裂型ラジカル発生剤は、後述する不飽和二重結合を有する化合物に対して
反応性を有する反応性官能基を有することが好ましい。上記反応性官能基を有することで
、開裂後の熱開裂型ラジカル発生剤と熱硬化性化合物とが反応して硬化後の熱硬化性化合
物中に取り込まれるため、本発明のシール剤が長期信頼性の高いものとなる。
上記反応性官能基としては、重合反応等によって不飽和二重結合を有する化合物と結合で
きる官能基であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基やオキセタニル基等の環状エー
テル基、(メタ)アクリル基、マレイミド基、スチリル基等が挙げられる。なかでも、硬
化性及び接着性の観点から(メタ)アクリル基又はエポキシ基であることが好ましい。
本発明のシール剤における上記熱開裂型ラジカル発生剤の配合量としては、本発明のシー
ル剤中の熱硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.01重量部、好ましい
上限は5重量部である。0.01重量部未満であると、本発明のシール剤を熱硬化させる
際に長時間を要し、液晶汚染が生じることがあり、5重量部を超えると、本発明のシール
剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。
本発明のシール剤は、不飽和二重結合を有する化合物を含む熱硬化性化合物を含有する。
上記不飽和二重結合を有する化合物としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル
化合物、スチレン化合物、エチレン化合物、マレイミド化合物等が挙げられるが、硬化速
度の観点から、(メタ)アクリル化合物が好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのことをいう
上記(メタ)アクリル化合物としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ
)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリス
チル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート
、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ
)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオ
キシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エ
チル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ
)アクリル化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル化合物は、液晶汚染の観点から水素結合性官能基を有する化合物で
あることが好ましい。
このような水素結合性官能基を有する(メタ)アクリル化合物としては特に限定されず、
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(
メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペン
チル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、又は、ウレタン(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
上記水素結合性官能基を有する(メタ)アクリル化合物としては、なかでも、エポキシ(
メタ)アクリレート及び/又はウレタン(メタ)アクリレートが好適である。これらを硬
化性化合物として含有することにより耐候性、接着性に優れたシール剤となるからである

上記エポキシ(メタ)アクリレートの具体的な市販品としては、例えば、「エポキシエス
テルM600A」、「エポキシエステル70PA」、「エポキシエステル200PA」、
「エポキシエステル80MFA」、「エポキシエステル3002M」、「エポキシエステ
ル3002A」、「エポキシエステル1600A」、「エポキシエステル3000M」、
「エポキシエステル3000A」、「エポキシエステル200EA」、「エポキシエステ
ル400EA」(いずれも共栄社製)、「EB3700」(ダイセル・ユーシービー社製
)、「EA−5520」、「EA−CHD」(いずれも新中村化学社製)等が挙げられる
。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの具体的な市販品としては、例えば、「EB
230」、「EB4858」、「EB8402」、「EB1264」、「EB9260」
、「EB220」、「EB2220」(いずれもダイセル・ユーシービー社製)、「M−
1100」、「M−1200」、「M−1600」(いずれも東亞合成社製)等が挙げら
れる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明のシール剤において、上記(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリル基及びエ
ポキシ基を持つ化合物でもよく、そのような化合物として特に限定されず、例えば、エポ
キシ化合物の部分(メタ)アクリル化物、ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物
等が挙げられる。
上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物としては、例えば、エポキシ化合物と(
メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる

上記エポキシ化合物の部分(メタ)アクリル化物に用いることができるエポキシ樹脂とし
ては、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラッ
ク型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等のノボラッ
ク型;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA
型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型等のビスフェノー
ル型等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の配合量を適宜変更することにより、所望のアク
リル化率のエポキシ樹脂を得ることができる。好ましくは、エポキシ基1当量に対してカ
ルボン酸の下限が0.1当量、上限が0.7当量となるように配合することであり、より
好ましくは下限が0.2当量、上限が0.5当量である。
上記ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ化合物は、例えば、以下の方法によって得ら
れるものである。即ち、ポリオールと2官能以上のイソシアネートとを反応させ、更に残
りのイソシアネート基を、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー及びグリシドールと
反応させる。又は、ポリオールを用いず、2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する
(メタ)アクリルモノマーとグリシドールとを反応させてもよい。更に、イソシアネート
基を有する(メタ)アクリレートモノマーに、グリシドールを反応させても得ることがで
きる。具体的には、例えば、まず、トリメチロールプロパン1モルとイソホロンジイソシ
アネート3モルとを錫系触媒下反応させる。得られた化合物中に残るイソシアネート基と
、水酸基を有するアクリルモノマーであるヒドロキシエチルアクリレート、及び、水酸基
を有するエポキシであるグリシドールを反応させることにより得ることができる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソ
ルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
上記イソシアネートは2官能以上であれば特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフ
ォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリ
イソシアネート等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(
メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の
三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート;ビスフェノ
ールA変性エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート等が挙げられる。これらは、
単独で用いても、2種類以上が併用されてもよい。
本発明のシール剤において、上記不飽和二重結合を有する化合物の配合量としては特に限
定されないが、本発明のシール剤における熱硬化性化合物中、40重量%以上であること
が好ましい。40重量%未満であると、充分な硬化速度が得られず、本発明のシール剤を
用いて滴下工法により液晶表示素子を製造した場合、液晶を汚染する可能性がある。
また、本発明に用いる熱硬化性化合物は、上記不飽和二重結合を有する化合物以外の熱硬
化性化合物を含有してもよく、そのような化合物としては特に限定されないが、硬化速度
、接着性、耐候性の観点からエポキシ化合物であることが好ましい。
上記エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型、クレゾ
ールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボラック型、ジシクロ
ペンタジエンノボラック型等のノボラック型;ビスフェノールA型、ビスフェノールF型
、2,2’−ジアリルビスフェノールA型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレ
ンビスフェノールA型等のビスフェノール型等が挙げられる。また、その他のエポキシ化
合物としては、例えば、環式脂肪族エポキシやグリシジルアミン等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、ビスフェノールA型
エポキシ化合物としては、例えば、「エピコート828」、「エピコート834」、「エ
ピコート1001」、「エピコート1004」(いずれもジャパンエポキシレジン社製)
、「エピクロン850」、「エピクロン860」、「エピクロン4055」(いずれも大
日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば、「エピコート807」(ジャ
パンエポキシレジン社製)、「エピクロン830」(大日本インキ化学工業社製)等が挙
げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、例えば、「エピクロンN−740
」、「エピクロンN−770」、「エピクロンN−775」(いずれも大日本インキ化学
社製)、「エピコート152」、「エピコート154」(いずれもジャパンエポキシレジ
ン社製)、クレゾールノボラック型としては、例えば、「エピクロンN−660」、「エ
ピクロンN−665」、「エピクロンN−670」、「エピクロンN−673」、「エピ
クロンN−680」、「エピクロンN−695」、「エピクロンN−665−EXP」、
「エピクロンN−672−EXP」(いずれも大日本インキ化学工業社製)等が挙げられ
る。
上記環式脂肪族エポキシ化合物としては、「セロキサイド2021」、「セロキサイド2
080」、「セロキサイド3000」(いずれもダイセル・ユーシービー社製)等が挙げ
られる。
上記グリシジルアミンとしては、例えば、「エピクロン430」(大日本インキ化学工業
社製)、「TETRAD−C」、「TETRAD−X」(いずれも三菱ガス化学社製)、
「エピコート604」、「エピコート630」(いずれもジャパンエポキシレジン社製)
等が挙げられる。
また、上記熱硬化性化合物は、マレイミド化合物を含有していてもよい。
上記マレイミド化合物としては特に限定されず、例えば、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイ
ミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−p−カルボキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロ
キシフェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミド、N−p−トリルマレイミ
ド、N−p−キシリルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−o−トリル
マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−2,5−ジエチルフェニルマレイミド、N−
2,5−ジメチルフェニルマレイミド、N−m−トリルマレイミド、N−α−ナフチルマ
レイミド、N−o−キシリルマレイミド、N−m−キシリルマレイミド、ビスマレイミド
メタン、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイ
ミドドデカン、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレンジマ
レイミド、4,4’ビスマレイミドジフェニルエーテル、4,4’−ビスマレイミドジフ
ェニルメタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチルフェニル)メタン、4,4’
−ビスマレイミド−ジ(3−エチルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(
3−メチル−5−エチル−フェニル)メタン、N,N’−(2,2−ビス−(4−フェノ
キシフェニル)プロパン)ジマレイミド、N,N’−2,4−トリレンジマレイミド、N
,N’−2,6−トリレンジマレイミド、N,N’−m−キシリレンジマレイミド等が挙
げられる。
本発明のシール剤は、重付加型の熱硬化剤を含有する。
本明細書において、「重付加型」とは、硬化剤中の活性水素と反応性官能基((メタ)ア
クリレート基、エポキシ基、マレイミド基等)とが1対1で反応することを意味する。
このような重付加型の熱硬化剤は、上述した不飽和二重結合を有する化合物に付加するた
め、本発明のシール剤の硬化物から液晶中に熱硬化剤が溶出することがなくなる。
上記重付加型の熱硬化剤としては、上記性質を備えるとともに、上述した熱硬化性化合物
を硬化させることができるものであれば特に限定されず、例えば、アミン化合物、多価フ
ェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。
上記アミン化合物とは、分子中に1個以上の1〜2級アミノ基を有する化合物のことをい
い、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン;メンセンジアミン、イソホロ
ンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環
族ポリアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシレンジアミ
ン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン
、4,4−ジアミノジフェニルプロパン、4,4−ジアミノジフェニルスルフォン、4,
4−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−
ジアミノナフタレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ
)フェニル]スルフォン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−メ
チレン−ビス(2−クロロアニリン)、4,4−ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香
族ポリアミン;カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド
、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジド;ジシアンジア
ミド、1−o−トリルジグアニド、α−2,5−ジメチルグアニド、α,ω−ジフェニル
ジグアニジド、α,α−ビスグアニルグアニジノジフェニルエーテル、p−クロロフェニ
ルジグアニド、α,α−ヘキサメチレンビス[ω−(p−クロロフェノール)]ジグアニ
ド、フェニルジグアニドオキサレート、アセチルグアニジン、ジエチルシアノアセチルグ
アニジン等のグアニジン誘導体等が挙げられる。また、エポキシ化合物付加ポリアミン(
エポキシ化合物とポリアミンとの反応物)、マイケル付加ポリアミン(α、β不飽和ケト
ンとポリアミンとの反応物)、マンニッヒ付加ポリアミン(ポリアミンとホルマリン及び
フェノールとの縮合体)、チオ尿素付加ポリアミン(チオ尿素とポリアミンとの反応物)
及びケトン封鎖ポリアミン(ケトン化合物とポリアミンとの反応物(ケチミン))等のア
ダクト体を用いてもよい。
上記多価アルコール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノ
ール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ビスフェノールA、テトラブロムビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、
ナフタレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラッ
ク樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有
フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無
水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポ
リアゼライン酸無水物等が挙げられる。
本発明のシール剤において、これらの熱硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上が併
用されていもよい。なかでも、熱硬化性化合物と混合した際の低温硬化性、ポットライフ
が優れていることから固体アミン化合物が好適であり、融点が100℃以上のものがより
好適に用いられる。融点が100℃未満の熱硬化剤を使用すると、保存安定性が著しく悪
化することがある。
更に、上記熱硬化剤として、固体硬化剤粒子の表面が微粒子で被覆されている被覆硬化剤
をもちいてもよい。
本発明のシール剤における上記熱硬化剤の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に
対して、好ましい下限は5重量部、好ましい上限は40重量部である。5重量部未満であ
ると、本発明のシール剤の硬化性能が不充分となることがあり、40重量部を超えると、
接着性が著しく低下することがある。
本発明のシール剤には、熱変形を防止するために充填剤が含有されていてもよい。上記充
填剤としては特に限定されず、例えば、合成シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
これらの充填剤の大きさとしては、本発明のシール剤を用いて液晶表示素子よう製造した
際にセルギャップに影響を及ぼさない程度の範囲であれば特に限定されないが、平均粒径
の好ましい上限は2μmである。
本発明のシール剤に上記充填剤が含有されている場合、その配合量としては、上記熱硬化
性化合物100重量部に対して好ましい下限は5重量部、好ましい上限は40重量部であ
る。5重量部未満では、充填剤を配合した効果が充分に発揮されないことがあり、40重
量部を超えると、本発明のシール剤の粘度のコントロールが困難となり、また、充分な接
着性が得られないことがある。
本発明のシール剤は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。上記光ラジカル
重合開始剤を含有することで、本発明のシール剤の光による仮硬化を促進させることがで
き、滴下工法による液晶表示素子の製造に好適に用いることができるようになる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、光照射により活性ラジカルを生成できるものであれ
ば特に限定されず、例えば、アセトフェノン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾイン
化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、チオキサントン
化合物等の紫外線を照射するとラジカルを発生する化合物が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち、市販されているものとしては、例えば、「IRGAC
URE 184」、「IRGACURE 369」、「IRGACURE 651」、「
IRGACURE 907」、「IRGACURE 819」、「IRGACURE 2
925」、「DAROCURE 1173」(いずれもチバ・スペシャリティーケミカル
ズ社製)、「KAYACURE BP」、「KAYACURE DETX−S」(いずれ
も日本化薬社製)、「ESACURE KIP 150」(Lamberti社製)、「
S−121」(シンコー技研社製)、「セイクオールBEE」(精工化学社製)、「ソル
バスロンBIPE」、「ソルバスロンBIBE」(いずれも黒金化成社製)等が挙げられ
る。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されて
もよい。
本発明のシール剤は、シランカップリング剤を含有していてもよい。シランカップリング
剤は、主に本発明のシール剤と透明基板との接着性を向上させる接着助剤としての役割を
有する。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、例えば、ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリソドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好適に
用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
本発明のシール剤における上記シランカップリング剤の配合量としては特に限定されない
が、上記熱硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上
限は5重量部である。0.1重量部未満であると、シランカップリング剤を配合した効果
が充分に発揮されないことがあり、5重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤が
液晶中へ流出し、液晶の配向性等に悪影響を与えることがある。
本発明のシール剤は、その他、必要に応じて、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャッ
プを調整するためのスペーサ、消泡剤、レベリング剤、光増感剤、重合禁止剤等が配合さ
れていてもよい。
本発明のシール剤は、また、硬化後おけるガラス転移温度の好ましい下限が80℃、好ま
しい上限が150℃である。80℃未満であると、本発明のシール剤を用いて液晶表示素
子を製造した場合に、耐湿性(耐高温高湿性)に劣ることがあり、150℃を超えると、
剛直に過ぎ基板との密着性に劣ることがある。
なお、上記ガラス転移温度は、DMA法により昇温速度5℃/分、周波数10Hzの条件
で測定した値である。
本発明のシール剤は、硬化後における水との接触角の好ましい下限が20度、好ましい上
限が80度である。20度未満であると、耐湿性に劣ることがあり、80度を超えると、
硬化前に液晶に溶出することがある。
なお、上記水との接触角は、本発明のシール剤をガラスプレート上に薄く均一に塗布し硬
化させた後、この上に水滴を形成して、接触角測定装置(例えば、協和界面科学社製等)
を用いて測定することができる。
本発明のシール剤を製造する方法としては特に限定されず、上記一般式(1)で表される
構造の熱開裂型ラジカル発生剤、上記不飽和二重結合を有する化合物を含有する熱硬化性
化合物、及び、重付加型の熱硬化剤等を、従来公知の方法により混合する方法等が挙げら
れる。このとき、イオン性の不純物を除去するために層状珪酸塩鉱物等のイオン吸着性固
体と接触させてもよい。
本発明のシール剤は、上記一般式(1)で表される熱開裂型ラジカル発生剤、不飽和二重
結合を有する化合物を含む熱硬化性化合物、及び、重付加型の熱硬化剤を含有するもので
あり、上記熱開裂型ラジカル発生剤が熱により開裂することで発生した活性ラジカルによ
る熱硬化性樹脂の熱硬化反応の促進効果により、硬化速度が極めて速く、本発明のシール
剤に光が直接照射されず仮硬化が不充分な部分が存在している場合であっても、未硬化の
シール剤成分と液晶とが長時間接することがないため、シール剤成分が液晶中に溶出して
液晶を汚染することがない。
また、上記熱開裂型ラジカル発生剤は、熱により開裂して活性ラジカルを生じたときにガ
スが発生することがないため、シール剤中に気泡が生じたり、基板に対する接着強度が低
下したりすることもない。
本発明のシール剤は、特に滴下工法により液晶表示素子を製造する場合に好適に用いるこ
とができる。
また、本発明の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導
通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、液晶を汚染するこ
となく透明基板の電極を導電接続することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発
明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層
を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形
成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続
が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示
素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、その成分が液晶中に溶け出して液晶汚染
を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少ないことから、特に滴下工法に
よる液晶表示素子の製造に最適である液晶表示素子用シール剤、及び、上下導通材料を提
供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(部分アクリル化エポキシ化合物(A)の合成)
反応フラスコにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、N−
770)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒
としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸200重量部を、空気を送り込みながら、
また、90℃で攪拌しながら5時間反応させて、部分アクリル化エポキシ化合物(A)(
アクリル化率50%)を得た。
(実施例1)
熱開裂型ラジカル発生剤としてベンゾピナコール(和光純薬社製)1重量部、部分アクリ
ル化エポキシ化合物(A)30重量部、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(
ダイセルユービーシー社製、EB3700)10重量部、ウレタンアクリレート(ダイセ
ルユービーシー社製、EB4858)20重量部、充填剤として球状シリカ(アドマテッ
クス社製、SO−C1)15重量部、熱硬化剤(大塚化学社製、ADH)10重量部、シ
ランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置
にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
(実施例2)
乾燥エアー雰囲気下、ベンゾピナコール(和光純薬社製)30g、安定剤不含の脱水テト
ラヒドロフラン(和光純薬社製)100mL、ジブチルチンラウリル(和光純薬社製)0
.29mL、2,6−ジ−tert−ブチルメチルフェノール(和光純薬社製)30mg
を入れ、テトラヒドロフラン還流温度で加熱した。このなかにMOI(昭和電工社製)2
3.2mLを10分間かけてゆっくりと滴下し、滴下終了からテトラヒドロフラン還流温
度で1時間攪拌した。得られた反応溶液を減圧下で濃縮し、精製することにより下記式(
2)で表される熱開裂型ラジカル発生剤を得た。
Figure 0004405325

ベンゾピナコール(和光純薬社製)の代わりに得られた熱開裂型ラジカル発生剤1重量部
を用いた以外は、実施例1同様にして液晶表示素子用シール剤を得た。
(比較例1)
ベンゾピナコール(和光純薬社製)の代わりにパーヘキシル0(日本油脂社製)を1重量
部を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用シール剤を得た。
(比較例2)
熱開裂型ラジカル発生剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用シ
ール剤を得た。
(液晶表示素子(パネル)の作製)
得られた液晶表示素子用シール剤100重量部に、スペーサ微粒子(積水化学工業社製、
ミクロパールSI−H055)1重量部を分散させ、2枚のラビング済み配向膜及び透明
電極付きの基板の一方に、液晶表示素子用シール剤の線幅が1mmとなるように、長方形
の枠を描くようにディスペンサーを用いて塗布した。
続いて、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明電極付き基板のシール
剤による枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方の透明電極付きカラーフィルター基板を
貼り合わせ、シール剤部分にメタルハイドランプを用いて100mW/cmで30秒間
照射して仮固定を行った。その後、120℃、1時間加熱して、本硬化を行い液晶表示パ
ネルを作製した。
これらの液晶表示パネルは、ディスペンサーの塗布位置をコントロールし、図1(a)に
示すように、シール剤10に完全にUV光が当たるパネル(シール剤10に遮光部Aなし
)と、(b)に示すように、シール剤10がカラーフィルター基板12のブラックマスク
14に線幅の50%がかかるように塗布したパネル(シール剤10に遮光部Aあり)との
2種類を作製した。
図1(a)に示すシール剤10に遮光部Aがないものは、完全にシール剤10が光硬化可
能であり、一方、図1(b)に示すシール剤10に遮光部Aがあるパネルは、液晶13と
接する部分のシール剤10は全く光硬化せず、熱のみでの硬化になる。
(液晶表示パネルの評価(色むら評価))
得られた液晶表示パネルについて、表示パネル作製直後、及び、65℃95%RHの条件
下で1000時間の動作試験後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認
した。配向乱れは、表示部色むらより判断しており、色むらの程度に応じて、◎(色むら
が全くない)、○(色むらがわずかにある)、△(色むらが少しある)、×(色むらがか
なりある)の4段階で評価を行った。なお、評価が◎及び○の液晶表示パネルは、実用に
全く問題のないレベルである。
結果を表1に示した。
(気泡の有無)
得られた液晶表示パネルについて、シール剤中に気泡が生じたか否かを目視により確認し
た。
結果を表1に示した。
Figure 0004405325
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、その成分が液晶中に溶け出して液晶汚染
を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少ないことから、特に滴下工法に
よる液晶表示素子の製造に最適である液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液
晶表示素子を提供できる。
(a)は、実施例で作製したシール剤に遮光部のない液晶表示パネルを説明する説明図であり、(b)は、実施例で作製したシール剤に遮光部のある液晶表示パネルを説明する説明図である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表され、かつ、イニファータータイプである熱開裂型ラジカル発生剤、不飽和二重結合を有する化合物を含む熱硬化性化合物、及び、重付加型の熱硬化剤を含有することを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
    Figure 0004405325
    一般式(1)中、R 、R 、R 、R 、R 、R は、それぞれ水素基、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい芳香環、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アシル基、若しくは、エステル基を表す。
  2. 熱開裂型ラジカル発生剤は、不飽和二重結合を有する化合物に対して反応性を有する反応性官能基を有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. 反応性官能基は、(メタ)アクリル基又はエポキシ基であることを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子用シール剤。
  4. 不飽和二重結合を有する化合物は、(メタ)アクリル化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
  5. 不飽和二重結合を有する化合物以外の熱硬化性化合物は、エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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