JP4643913B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子の透明基板との接着性が高く、表示安定性に優れる液晶表示素子
を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、上
下導通材料、及び、液晶表示素子に関する。
一般に、液晶表示セル等の液晶表示素子は、配向膜と呼ばれる樹脂薄膜が形成された2枚
の電極付き透明基板を、所定の間隔をおいて対向させ、その周囲を硬化性樹脂組成物から
なるシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液
晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止することにより作製され
ている。
この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により
熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃
でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の
基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱
プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10
〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最
後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
一方、近年では光硬化熱硬化併用型シール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶表示素子の
製造方法が検討されている。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、デ
ィスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態
で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ
、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化
を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極め
て高い効率で液晶表示素子を製造することができる。今後はこの滴下工法が液晶表示装置
の製造方法の主流となると期待されている。
このような液晶表示素子用硬化性樹脂組成物としては、硬化成分としてアクリル樹脂やエ
ポキシ樹脂を用いることが一般的であった。
しかしながら、アクリル樹脂やエポキシ樹脂を主成分とする液晶表示素子用硬化性樹脂組
成物を用いて製造した液晶表示素子においては、しばしばその表示が不安定となることが
あり、高品位表示が求められる近年の液晶表示素子においては大きな問題となっていた。
本発明は、上記現状に鑑み、液晶表示素子の基板との接着性が高く、表示安定性に優れる
液晶表示素子を製造できる液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂と、光重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物からなる液晶表示素子用シール剤である。
液晶表示素子の表示不良の原因の1つは、液晶表示素子内に侵入する湿気であることが知
られている。本発明者らは鋭意検討の結果、液晶表示素子内に湿気が侵入するのは、配向
膜として用いられるポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂等を主成分とする液晶表示素子用硬
化性樹脂組成物との接着性が低いことに起因することを見出した。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、液晶表示素子用硬化性樹脂組成物として、配向膜と
の親和性が良好なイミド基を有する樹脂を配合することにより、配向膜と液晶表示素子用
硬化性樹脂組成物との接着性が向上し、耐湿性に優れ、信頼性の高い液晶表示素子を製造
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記イミド基を有する樹脂とは、その主鎖中又は側鎖にイミド基(−CO−N−CO−)
を有するものを意味する。
上記イミド基を有する樹脂としては特に限定されないが、イミド基の他に(メタ)アクリ
ル基及び/又はエポキシ基を有する樹脂が好適である。上記(メタ)アクリル基及び/又
はエポキシ基を有することにより、後述する硬化性樹脂と反応することが可能となること
から、イミド基を有する樹脂の溶出等が発生せず、液晶を汚染することがない。
なお、上記イミド基を有する樹脂が(メタ)アクリル基及び/又はエポキシ基を有する場
合には、液晶表示素子用硬化性樹脂組成物に硬化性樹脂を配合しないこととしてもよい。
この場合、上記イミド基を有する樹脂が硬化性樹脂としての役割を果たすこととなる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、2.5×10−4mol/g以上のイミド
基を有することが好ましい。イミド基が2.5×10−4mol/g未満であると、透明
基板との接着性や、表示安定性が不充分となることがある。
上記イミド基を有する樹脂を製造する方法としては特に限定されない。例えば、イミド基
と(メタ)アクリル基とを有する樹脂は、酸無水物に1級アミノ基及び水酸基を有する化
合物を反応させた後、(メタ)アクリル酸を添加して脱水縮合反応する方法により製造す
ることができる。また、イミド基とエポキシ基とを有する樹脂は、酸無水物に1級アミノ
基及び水酸基を有する化合物を反応させた後、エピクロロヒドリンを添加して、水酸化ナ
トリウム等を用い、縮合環化する方法によっても製造することかできる。
上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ドデセニル無水フタル酸、オクテニル無水コ
ハク酸、オクテニル無水フタル酸等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上
を併用してもよい。
上記1級アミノ基及び水酸基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、1級アミ
ノカルボン酸、1級アミノアルコール等が挙げられる。
上記1級アミノカルボン酸としては特に限定されず、例えば、アスパラギン、アラニン、
β−アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、トリプトファン、ト
レオニン、バリン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、α−メチル−フェニルア
ラニン、リジン、ロイシン、シクロロイシン、3−アミノプロピオン酸、α−アミノ酪酸
、4−アミノ酪酸、アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノへプタン酸、2−
アミノカプリル酸、3−アミノカプリル酸、6−アミノカプリル酸、8−アミノカプリル
酸、2−アミノノナン酸、4−アミノノナン酸、9−アミノノナン酸、2−アミノカプリ
ン酸、9−アミノカプリン酸、10−アミノカプリン酸、2−アミノウンデカン酸、10
−アミノウンデカン酸、11−アミノウンデカン酸、2−アミノラウリン酸、11−アミ
ノラウリン酸、12−アミノラウリン酸、2−アミノトリデカン酸、13−アミノトリデ
カン酸、2−アミノミスチン酸、14−アミノミスチン酸、2−アミノペンタデカン酸、
15−アミノペンタデカン酸、2−アミノパルミチン酸、16−アミノパルミチン酸、2
−アミノヘプタデカン酸、17−アミノへプタデカン酸、2−アミノステアリン酸、18
−アミノステアリン酸、2−アミノエイコサノン酸、20−アミノエイコサノン酸、アミ
ノシクロへキサンカルボン酸、アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、2−アミノ−3
−プロピオン酸、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸等が挙げられる。また、ピロリ
ドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタム類を用いてもよい。
上記1級アミノアルコールとしては特に限定されず、例えば、2−アミノエタノール、1
−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、4−アミノ−1−
ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、
2−アミノ−4−メチルチオ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、5−ア
ミノ−1−ペンタノール、(1−アミノシクロペンタン)メタノール、6−アミノ−1−
ヘキサノール、2−アミノ−1−へキサノール、7−アミノ−l−へプタノール、2−(
2−アミノエトキシ)エタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、4−ア
ミノ−1−ピペラジンエタノール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−アミノ−
3−フェニル−1−プロパノール、1−アミノメチル−1−シクロヘキサノール、アミノ
トリメチルシクロへキサノール等が挙げられる。
上記イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂は、酸無水物に1級アミノカルボン酸
を反応させた後、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを添加する方法によっても製
造することができる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されず、例えば、ヒドロ
キシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(炭素数2〜6)
グリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセ
ロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、2−(メタ
)アクリロイルエチルー2−ヒドロキシエチルフタレート、ペンタエリスリトールトリ(
メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート;ビスフェ
ノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート;これら
の(メタ)アクリレートのラクトン(炭素数4〜8)変性品又はアルキレン(炭素数2〜
6)オキサイド変性品等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用して
もよい。
また、これらの方法により、上記イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂を製造す
る場合には、(メタ)アクリル基の重合を防止することを目的として、重合禁止剤を添加
することが好ましい。
上記重合禁止剤としては特に限定されず、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル、フェノチアジンp−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイド
ロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、2,5
−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−t−
プチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、上記イミド基を有する樹脂の他に、通常シ
ール剤に用いられる硬化性樹脂を含有することが好ましい。
このような硬化性樹脂としては特に限定されないが、速やかに反応が進行し接着性が良好
であることからエポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂が好適である。また、これらの混合
物を用いることとしてもよい。
また、上記硬化性樹脂としては、1分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞ
れ少なくとも1つ以上有する樹脂も好適に用いることができる。このような樹脂を用いる
ことにより、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を光硬化と熱硬化との併用タイプ
とすることができ、滴下工法に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光重合開始剤としては特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有す
るものが好適である。このような光重合開始剤を用いれば、液晶表示素子用硬化性樹脂組
成物に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出して液晶を汚染する
ことがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベン
ゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは
、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残
基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反
応性二重結合を有することにより、本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物の耐候性が
向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有し
ていればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基
とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合及び水酸基及び/又
はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下
記一般式(1)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する
化合物を、光重合開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なく
することができる。
Figure 0004643913
式中、Rは水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素残鎖を表す。Rが炭素数4を超える脂肪
族炭化水素残鎖であると、光重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加するものの、
置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
一般式(1)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例
えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004643913
式中、Rは水素又は炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基を表し、Xは炭素数13以下の2
官能イソシアネート誘導体の残基を表し、Yは炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基又は残
基を構成する炭素と酸素の原子数比が3以下の残基を表す。Xが炭素数13を超える2官
能イソシアネート誘導体の残基であると、液晶に溶解しやすくなることがあり、Yが炭素
数4を超える脂肪族炭化水素基又は炭素と酸素の原子数比が3を超える残基であると、液
晶に溶解しやすくなることがある。
上記光重合開始剤としては、他にも例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセト
フェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることができる。
これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の添加量としては、反応性二重結合を有する樹脂100重量部に対して
好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。0.1重量部未満であ
ると、光重合を開始する能力が不足して効果が得られないことがあり、20重量部を超え
ると、未反応の光重合開始剤が多く残ることがあり、耐候性が悪くなることがある。より
好ましく下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、熱硬化剤を含有してもよい。
上記熱硬化剤は、加熱により液晶表示素子用硬化性樹脂組成物中のエポキシ基又は(メタ
)アクリル基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の接着性、耐湿性を向
上させる役割を有する。上記熱硬化剤としては、融点が100℃以上の潜在性硬化剤が好
適に用いられる。融点が100℃以下の硬化剤を使用すると保存安定性が著しく悪くなる
ことがある。
このような熱硬化剤としては、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロ
ピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−
シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル
)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エ
チル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、
N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメ
チルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、変性脂肪族ポリアミン、テトラヒドロ無水フ
タル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等の酸無水物、各種ア
ミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類
以上が用いられてもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤
も好適である。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保
存安定性を有する液晶表示素子用硬化性樹脂組成物が得られる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有していてもよ
い。シランカップリング剤は、主に本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物と透明基板
との接着性を向上させる接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、透明基板等との接着性向上効果
に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶材料中への流出を防止するとができる
ことから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネート
プロピルトリメトキシシラン等や、スペーサー基を介してイミダゾール骨格とアルコキシ
シリル基とが結合した構造を有するイミダゾールシラン化合物からなるもの等が好適に用
いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張
率の改善等の目的にフィラーを含有してもよい。上記フィラーとしては特に限定されず、
例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸
化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム
、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、
窒化アルミニウム、窒化珪素等の無機フィラー等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、また、硬化後おけるガラス転移温度の好ま
しい下限が80℃、好ましい上限が150℃である。80℃未満であると、本発明の液晶
表示素子用硬化性樹脂組成物を用いて液晶表示素子を製造した場合に、耐湿性(耐高温高
湿性)に劣ることがあり、150℃を超えると、剛直に過ぎ基板との密着性に劣ることが
ある。
なお、上記ガラス転移温度は、DMA法により昇温速度5℃/分、周波数10Hzの条件
で測定した値である。ただし、DMA法によるガラス転移点温度の測定には大量の試料を
要することから、少量の試料しか得られない場合にはDSC法により昇温速度10℃/分
の条件で測定を行うことが好ましい。一般に、DSC法によって測定したガラス転移点温
度は、DMA法によって測定したガラス転移点温度よりも30℃程度低くなる。したがっ
て、DSC法によってガラス転移点温度を測定する場合には、本発明の液晶表示素子用硬
化性樹脂組成物は、硬化後におけるガラス転移温度の好ましい下限が50℃、好ましい上
限が120℃である。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、上記
イミド基を有する樹脂と、必要に応じて配合する硬化性樹脂及び光重合開始剤等とを、従
来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。このとき、イオン性の不純物を除去す
るために層状珪酸塩鉱物等のイオン吸着性固体と接触させてもよい。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物は、配向膜との親和性が良好なイミド基を有す
る樹脂を含有することから、配向膜と液晶表示素子用硬化性樹脂組成物との接着性が向上
し、耐湿性に優れ、表示安定性の高い液晶表示素子を製造することができる。
本発明の液晶表示素子用硬化性樹脂組成物を用いてなる液晶表示素子用シール剤もまた、
本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料
を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、透明基板の電極を確実に
導電接続することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発
明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層
を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形
成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続
が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示
素子もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶表示素子の透明基板との接着性が高く、表示安定性に優れる液晶表
示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール
剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
攪拌器、冷却管及びディーンスタークトラップ(水分離器)を備えたフラスコに、脂環式
酸無水物(DIC社製、EPICLON B−4400)118.8g(0.45モル)
及びトルエン156gを仕込み、50℃に加温して溶解し、エタノールアミン55.0g
(0.9モル)を30分かけて滴下した後、液温を115〜120℃に保ち、3.5時間
還流した。反応終了後、水分離器には15.0gの水が留出していた。
反応液を冷却後、アクリル酸64.8g(0.9モル)、ヒドロキノン0.10g及び濃
硫酸8.4gを加え、液温を115〜120℃に保ち、3.0時間還流した。反応終了後
、水分離器には15.0gの水が留出していた。
反応液を冷却後、分液ロートに移し、水30g、20%NaOH水溶液60gで一回ずつ
抽出した。次いで、有機層を減圧することにより、溶剤を留去し、イミド基を有する化合
物を得た。
ビスA型エポキシアクリレート(ダイセルユービーシー社製、EB3700)40重量部
、得られたイミド基を有する化合物20重量部、ヒドラジド系硬化剤(味の素ファインテ
クノ社製、アミキュアVDH)10重量部、2.2−ジエトキシアセトフエノン1重量部
、平均粒子径1.5μmのシリカ粒子23重量部、及び、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン1重量部からなる硬化性樹脂組成物を均一な液となるように三本ロールを
用いて充分に混合し、液晶表示素子用シール剤を得た。
得られた液晶表示素子用シール剤100重量部に対して、スチレン及びジビニルベンゼン
樹脂からなる樹脂微粒子の表面に金からなる導電金属層が形成された導電性微粒子(積水
化学工業社製、ミクロパールAU)5重量部を添加し、充分に混練して上下導通材料を得
た。
表面に透明電極を備えたカラーフィルタ基板上にスピンコート法によってポリイミドを含
有する溶液(日産化学社製、サンエバー7492)を均一に塗布し、80℃で乾燥した後
に230℃で1時間焼成して硬化させて配向膜を形成することにより、2枚の透明基板を
製造した。これら2枚の透明基板の一方に、得られた液晶表示素子用シール剤を長方形の
枠を描くようにディスペンサーを用いて塗布した。また、透明基板の電極の位置に得られ
た上下導通材料を塗布した。次いで、液晶(チッソ社製、JC−5004LA)の微小滴
を透明基板上に、シール剤による枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ
て、高圧水銀ランプを用いて紫外線を100mW/cmの強度で30秒間照射して仮固
定を行った。その後、120℃、1時間加熱して、本硬化を行った。
本硬化後の液晶表示素子について、60℃95%RHの条件下で500時間の動作試験後
におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視により評価を行ったところ、表示むらは全く
認められなかった。
(比較例1)
イミド基を有する化合物を添加せず、ビスA型エポキシアクリレート(ダイセルユービー
シー社製、EB3700)を60重量部とした以外は実施例1と同様の方法により、液晶
表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子を作製した。
本硬化後の液晶表示素子について、60℃95%RHの条件下で500時間の動作試験後
におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視により評価を行ったところ、液晶表示素子用
シール剤と上下導通材料の周りに表示むらが認められた。
本発明によれば、液晶表示素子のガラス基板との接着性が高く、表示安定性に優れる液晶
表示素子を製造することができる液晶表示素子用硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シー
ル剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子を提供できる。

Claims (6)

  1. イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂と、光重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物からなり、前記イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂は、イミド基を有する樹脂が(メタ)アクリル基を有することを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
  2. イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂は、酸無水物に1級アミノ基及び水酸基を有する化合物を反応させた後(メタ)アクリル酸を添加して脱水縮合反応する方法により製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. イミド基と(メタ)アクリル基とを有する樹脂は、酸無水物に1級アミノカルボン酸を反応させた後、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを添加する方法により製造されたものであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  4. 更に熱硬化剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子が配合されてなることを特徴とする上下導通材料。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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