JP5369204B2 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示装置 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示装置 Download PDF

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本発明は、液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際において、充分に光硬化する一方、シール剤製造過程において硬化凝集物の発生を抑えることができる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示装置の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、光硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、必要に応じて液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示装置を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示装置を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示の製造方法の主流となっている。
このような滴下工法用シール剤として、例えば、紫外線等により硬化をさせるため光を照射することにより活性ラジカルを発生する光開始剤、ラジカル重合性樹脂、フィラー、界面接着強度発現のためのシランカップリング剤、更に接着力を充分に発現するためにエポキシ樹脂、硬化剤等を含有しているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
滴下工法による液晶表示装置の製造において、シール剤は、未硬化の状態で直接液晶と接するため、シール剤構成成分が液晶中に染み出して液晶が汚染され、表示に不具合を起こしやすく、また、シールパスが生じやすいことから、未硬化のシール剤を紫外線等の光で仮固定をすることは必須の工程でありここで液晶が汚染されないように充分に硬化する必要がある。
このような従来の滴下工法用シール剤は、シール剤製造時に3本ロールで混練する際に大きなせん断応力が加わりやすい。その際、含有する固体成分と液体成分とが分離し、更に液体樹脂成分に直接せん断応力が加えられて分子切断が起こり、酸素濃度が低い場合や雰囲気温度が上がる等した場合に、熱ラジカル反応を起こして硬化凝集物を発生させることがあった。このような硬化凝集物を発生させると、その後濾過工程で多大な時間を要するという問題があった。
また、これら硬化凝集物がシール剤中に存在すると滴下工法により液晶表示装置を製造する際に、ノズル詰まり等によるディスペンス不良や、製造する液晶表示装置のセルギャップを均一に保つことができなくなったりする問題が懸念される。
特開2001−133794号公報
本発明は、上記現状に鑑み、液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際において充分な光硬化性を有し、かつ、シール剤製造過程において硬化凝集物の発生を抑えることができる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明1の液晶滴下工法用シール剤は、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂、光反応開始剤、及び、熱硬化剤を含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂は、ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂を含有し、前記光反応開始剤は、波長365nmにおける吸光係数が50〜1万(mL/g・cm)であるものである。
また、本発明2の液晶滴下工法用シール剤は、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂100重量部に対して、光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤を0.1〜10.0重量部、重合禁止剤を0.4〜8.0重量部含有するものである。
以下、本発明を詳述する。なお、以下の説明において、本発明1の液晶滴下工法用シール剤と、本発明2の液晶滴下工法用シール剤とを特に区別しないときは、「本発明のシール剤」と称してして説明する。
本発明者らは、硬化凝集物の発生がシール剤製造過程や液晶表示装置の製造工程に加わるせん断応力に起因し、具体的には、熱により加速される硬化性樹脂のラジカル反応に起因するとの知見のもとに、硬化凝集物の発生のないシール剤の発明に取り組んできた。その結果、硬化性樹脂として比較的ラジカル反応性の低い樹脂を選択することで、ラジカル反応を抑えて硬化凝集物が発生することのないシール剤とすることができることを見出した。しかしながら、ラジカル反応性の低い樹脂を含有するシール剤は、光硬化性をも抑えてしまうこととなる。このような光硬化性の低いシール剤を液晶滴下工法に用いた場合、光照射後に未硬化のシール剤が液晶と直接接することとなり、液晶を汚染する。そこで、本発明者らは、更に鋭意検討の結果、硬化性樹脂として比較的ラジカル反応性の低い樹脂を用いる一方、該硬化性樹脂に組み合わせる光反応開始剤として、高い光反応性を有するものを選択することにより、液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際において充分な光硬化性を有し、かつ、シール剤製造過程において硬化凝集物の発生を抑えることができるシール剤が得られることを見出し、本発明1を完成するに至った。
更に、本発明者らは、鋭意検討の結果、1分子中に(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂と光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤に、硬化性樹脂の重合を阻害する重合禁止剤を特定の範囲で添加することで、光硬化性を阻害することなく、シール剤製造過程において、硬化凝集物を発生することがないことを見出し、本発明2を完成するに至った。
なお、本明細書において、上記硬化凝集物とは、硬化性樹脂が、せん断応力による分子切断が起こることによりラジカル硬化したものを意味し、シール剤製造過程や液晶表示装置の製造過程において、大きなせん断応力が加わったときに不可避的に生じていたものである。本発明の液晶滴下工法用シール剤では、このような硬化凝集物が生じないため、滴下工法による液晶表示装置の製造において、ノズル詰まり等によるディスペンス不良の発生を防止できるとともに、製造する液晶表示装置のセルギャップを均一に保つことができる。
本発明1の液晶滴下工法用シール剤(以下、本発明1のシール剤ともいう)は、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、含まれる全反応性官能基中50mol%以上が(メタ)アクリル基であることが好ましい。全反応性官能基中(メタ)アクリル基が50mol%未満であると、本発明1のシール剤が充分に光硬化しないことがあり、未硬化の硬化性樹脂が液晶中に溶出して液晶汚染を引き起こし、液晶表示装置の表示ムラが発生することがある。より好ましい下限は65mol%である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
本発明1のシール剤に使用可能な硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物としては特に限定されず、1官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物のうち、2官能のものとしては特に限定されず、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3―プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物のうち、3官能以上のものとしては特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、R−710等のビスフェノールE型エポキシ樹脂、エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂、エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂、YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂、YSLV−80DE(東都化成社製)等のビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂、エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611、(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物、エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂、その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
また、上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エベクリル3700、エベクリル3600、エベクリル3701、エベクリル3703、エベクリル3200、エベクリル3201、エベクリル3702、エベクリル3412、エベクリル860、エベクリルRDX63182、エベクリル6040、エベクリル3800(いずれもダイセルユーシービー社製)、EA−1020、EA−1010、EA−5520、EA−5323、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を触媒としてスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も用いることができる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセルユーシービー社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
また、上記硬化性樹脂は、本発明1のシール剤の硬化前の液晶への成分溶出をより抑制するために、1分子中に少なくとも1つの水素結合性官能基を有することが好ましい。
上記水素結合性官能基としては特に限定されず、例えば、−OH基、−SH基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−NHOH基等の官能基、また、分子内に存在する−NHCO−、−NH−、−CONHCO−、−NH−NH−等の残基が挙げられ、なかでも、導入の容易さから−OH基であることが好ましい。
上記1分子中に少なくとも1つの水素結合性官能基を有し、かつ、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明1のシール剤において、上記硬化性樹脂は、硬化時の未硬化残分を少しでも低減させるため、1分子中に2つ以上の反応性基を有する化合物であることが好ましい。
また、上記硬化性樹脂としては、異なる反応性官能基を1分子中に有する化合物を用いてもよい。このような化合物としては、例えば、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。
上記1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ以上有する化合物としては、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を、(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる化合物や、2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体及びグリシドールを反応させることにより得られる化合物等が挙げられる。
上記2つ以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる化合物は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得ることができる。
上記2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、R−710等のビスフェノールE型エポキシ樹脂、エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂、エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂、YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂、YSLV−80DE(東都化成社製)等のビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂、エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611、(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物、エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂、その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
このような2つ以上のエポキシ基を有する化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得られる化合物の市販品としては、例えば、エベクリル1561(ダイセルユーシービー社製)等が挙げられる。
上記2官能以上のイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体及びグリシドールを反応させることにより得られる化合物としては、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体及びグリシドールそれぞれ1当量を触媒としてスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記2官能以上のイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記2官能以上のイソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明1のシール剤において、上記硬化性樹脂は、ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂を含有する。
上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂は、比較的ラジカル反応性の低い樹脂であり、このような樹脂を含有することで、上記硬化性樹脂全体のラジカル反応性が抑えられる。その結果、本発明1のシール剤の製造過程において、大きなせん断応力が加わったとしても、硬化凝集物の発生が抑制される。
これは、上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂は、せん断応力に起因し、具体的には、熱により加速される硬化性樹脂のラジカル反応により生じるラジカルが(メタ)アクリルを攻撃し重合するだけでなく、ベンジル位の水素を攻撃することでラジカルを安定化し重合を阻害する競争反応が起こるためであると考えられる。
上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂としては特に限定されないが、下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
Figure 0005369204
一般式(1)中、nは、0〜5の整数を表し、R及びRは、H又はCHを表す。
上記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸と、上述したビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールE型エポキシ樹脂とを常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得ることができる。
上記硬化性樹脂において、上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は50重量%である。10重量%未満であると、本発明1のシール剤の製造過程で大きなせん断応力が加わったときに硬化凝集物が生じることがある。50重量%を超えると、本発明1のシール剤を充分に光硬化させることができず、液晶汚染を引き起こす場合がある。より好ましい下限は15重量%、より好ましい上限は40重量%である。
本発明1のシール剤において、上記硬化性樹脂は、上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂と、ラジカル反応性の高いビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂又はビフェニルエーテル型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂等とを混合して用いることがより好ましい。反応性を制御することで硬化凝集物の発生を抑え、かつ、表示ムラを起こさないパネルを作製することができる。
更に、本発明1のシール剤において、上記硬化性樹脂は、上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂と、上記ラジカル反応性の高い樹脂と、他のラジカル反応性の低い樹脂とを混合して用いてもよい。
上記他のラジカル反応性の低い樹脂としては、例えば、上述したビスフェノールE型エポキシ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明1のシール剤は、上記(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂以外に、エポキシ基を有する化合物が含有されていてもよい。
上記エポキシ基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、エピクロロヒドリン誘導体、環式脂肪族エポキシ樹脂、イソシアネートとグリシドールとの反応から得られる化合物等が挙げられる。
上記エピクロロヒドリン誘導体としては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂、エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂、YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂、YSLV−80DE(東都化成社製)等のビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂、エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物、エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂、その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
また、上記環式脂肪族エポキシ樹脂として特に限定されないが、市販品としては、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2080、セロキサイド3000、エポリードGT300、EHPE(いずれもダイセル化学社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートとグリシドールとの反応から得られる化合物としては特に限定されず、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物に対して2当量のグリシドールを触媒としてスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネートとしては特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
本発明1のシール剤は、光反応開始剤を含有する。
上記光反応開始剤は、光照射によりラジカルを発生し、上述のように反応性の高いものである。具体的には、メタノール又はアセトニトリル中で測定した365nmにおける吸光係数の下限が50mL/g・cm、上限が1万mL/g・cmであるものを用いる。50mL/g・cm未満であると、上述した本発明1に係る硬化性樹脂を含有する本発明1のシール剤を光照射により充分に光硬化させることができず、1万mL/g・cmを超えると、作業用のランプで簡単に表面に硬化が起こってしまい事実上使用不可能である。
好ましい下限は100mL/g・cm、好ましい上限は1000mL/g・cmである。なお、上記光反応開始剤の吸光係数は、メタノール又はアセトニトリル中に溶解して測定した値である。
上記光反応開始剤としては特に限定されず、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 651、メタノール中で365nmにおける吸光係数:3.613×10mL/g・cm)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 184、メタノール中で365nmにおける吸光係数:8.864×10mL/g・cm)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 907、メタノール中で365nmにおける吸光係数:4.665×10mL/g・cm)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 369、メタノール中で365nmにおける吸光係数:7.858×10mL/g・cm)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 379,379EG、メタノール中で365nmにおける吸光係数:7.858×10mL/g・cm)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルスルフォンオキサイド(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure 819、メタノール中で365nmにおける吸光係数:2.309×10mL/g・cm)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフォンオキサイド(チバスペシャリティケミカルズ社製、CGI403、メタノール中で365nmにおける吸光係数:9.290×10mL/g・cm)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフォンオキサイド(チバスペシャリティケミカルズ社製、Darocur TPO、アセトニトリル中で365nmにおける吸光係数:4.720×10mL/g・cm)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure OXE01、アセトニトリル中で365nmにおける吸光係数:6.969×10mL/g・cm)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバスペシャリティケミカルズ社製、Irgacure OXE02、アセトニトリル中で365nmにおける吸光係数:7.749×10mL/g・cm)等が挙げられる。これらの光反応開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光反応開始剤の添加量としては、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が0.2重量部、好ましい上限が10重量部である。0.2重量部未満であると、光重合を開始する能力が不足して充分な効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、未反応の光反応開始剤が多く残り液晶の汚染を招くことがある。ただし、上記光反応開始剤は、選択した上記硬化性樹脂の種類に合わせて、本発明1のシール剤が該硬化性樹脂の硬化凝集物を含有せず、かつ、波長365nmの光を1000mJ/cm照射したときの上記硬化性樹脂中のアクリル基の反応率が70%以上となるように、適宜最適なものを選択し、その添加量を決定することが好ましい。
本発明1のシール剤は、重合禁止剤を含有してもよい。
上記重合禁止剤は、上記硬化性樹脂を合成するときにも添加し、生成物の安定化を図るものであるが、これらに前もって添加されている量はあくまでも生成物の安定化を図る目的で微量の添加であり、通常500〜1000ppm程度が既に含まれている。通常、重合禁止剤を多く含有すると、シール剤の硬化性にも影響を与えるため高濃度では添加しない。これに対し、本発明者らは、重合禁止剤を所定量添加することによって安定的にシール剤及び液晶表示装置を製造できることを見出した。
上記重合禁止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、ラクトン系、ヒドロキシルアミン系、ビタミンE系、イオウ系、ハイドロキノン系等ラジカルをトラップするものであれば特に限定されない。なかでも、ヒンダードフェノール系、ラクトン系、ハイドロキノン系等の消費型重合禁止剤であることが好ましい。特に好ましくは、ハイドロキノン系である。このような重合禁止剤を適切量添加すれば光反応性を実用上損なうことなく本発明1のシール剤を調製時や本発明1のシール剤を用いた液晶表示装置の製造時の熱ラジカル反応を抑制することができる。ここで、消費型重合禁止剤とは、一旦ラジカルをトラップすると、その機能を喪失する重合禁止剤を意味する。
なお、上記重合禁止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記消費型重合禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフノール系;テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等の高分子フェノール系等が挙げられる。なお、高分子量のものになると樹脂への溶解が難しくなる傾向にある。
上記重合禁止剤が消費型であることが好ましい理由としては、実際に光硬化する段階で重合禁止剤が働かなくなっている状態が好ましいからである。
これらは光の照射量が充分であれば問題にはならないが照射量が少ない、又は、パネル設計上、照射量が少なくなるようなパネル部位に対して光反応性を落とさないようにするためである。
上記重合禁止剤としては、液晶中への溶出が抑えられることから、より好ましくは水酸基やウレタン結合等を有していることである。
上記水酸基を有する重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキン、p−メトキシフェノール等が挙げられる。なお、これらの化合物は、高分子量のものになると樹脂への溶解が難しくなる傾向にある。
また、上記ウレタン基を有する重合禁止剤としては、例えば、1,3,5−Tris(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等が挙げられる。
上記重合禁止剤の添加量としては特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は0.4重量部、好ましい上限は8.0重量部である。0.4重量部未満であると、本発明1のシール剤を用いた液晶表示装置の製造過程において発生する熱ラジカルを抑制する能力が不足し、上述した本発明1のシール剤の効果が得られないことがあり、8.0重量部を超えると、接着力や汚染性に影響が生じることがある。また、光照射量が少ない、遮光部等パネル設計上光が充分に当たらないところで光反応が充分に行われなくなることがある。より好ましい下限は0.7重量部、より好ましい上限は3.5重量部である。
本発明1のシール剤は、熱硬化剤を含有する。
上記熱硬化剤を含有することで、上記硬化性樹脂が(メタ)アクリル基とともに、エポキシ基等の熱硬化性官能基を含有している場合や、上述したエポキシ基を有する化合物を含有する場合に、上記硬化性樹脂を充分に硬化させることができる。
上記熱硬化剤としては特に限定されず、例えば、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、1分子中に1個以上の1〜3級のアミノ基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、2−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、アミキュアPN−23、アミキュアMY−24、アミキュアVDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等のアミンアダクト類、ジシアンジアミド等が挙げられる。
上記多価フェノール系化合物としては特に限定されず、例えば、エピキュア170、エピキュアYL6065(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のポリフェノール化合物、エピキュアMP402FPI(ジャパンエポキシレジン社製)等のノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、例えばエピキュアYH−306、YH−307(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、低温硬化性及び保存安定性に優れているという点でジヒドラジド化合物が好適である。
上記熱硬化剤の配合割合として特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。1重量部未満であると、エポキシ基を有する化合物の硬化が不充分になることがあり、50重量部を超えると、本発明1のシール剤の保存安定性が悪化する恐れがあり、また、本発明1のシール剤が硬化した際に耐湿性が低下する恐れがある。より好ましい上限は20重量部である。
本発明1のシール剤は、更に、熱重合開始剤、シランカップリング剤及び充填剤等を含有してもよい。
上記シランカップリング剤は、主に本発明1のシール剤と液晶表示装置の基板とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の配合割合としては特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、シランカップリング剤を添加した効果がほとんど得られない可能性があり、10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤が液晶に溶出し、表示品位を低下させる恐れがある。より好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記充填剤は、応力分散効果による本発明のシール剤の接着性の改善、及び、線膨張率の改善等の目的で添加される。
上記充填剤としては特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト等の無機フィラーやポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。
上記充填剤の配合割合としては特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は100重量部である。1重量部未満であると、充填剤を添加した効果がほとんど得られず、100重量部を超えると、本発明1のシール剤の描画性等ハンドリング性を低下させる恐れがある。より好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明1のシール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、その他添加剤等を含有してもよい。
このような本発明1のシール剤を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記硬化性樹脂、光反応開始剤及び熱硬化剤と、必要に応じて配合される上記エポキシ樹脂、重合禁止剤、シランカップリング剤、充填剤、硬化剤等の所定量とを、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。この際、含有するイオン性不純物を除去するために、イオン吸着性固体と接触させてもよい。
なお、上記方法にて本発明1のシール剤を製造する場合、その製造過程で大きなせん断応力が加わることがあるが、硬化性樹脂として、上述した比較的ラジカル反応性の低い樹脂を含有するため、ラジカルの発生を抑えることができ、製造する本発明1のシール剤に硬化凝集物が発生することを抑制できる。従って、製造した本発明1のシール剤が、濾過工程を有する場合であっても、濾過時間の短縮化につなげることもできる。
本発明1のシール剤は、硬化性樹脂として上述した比較的ラジカル反応性の低い樹脂を含有するため、本発明1のシール剤の製造過程で硬化凝集物を発生させることがない。従って、本発明1のシール剤を用いて液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際に、ノズル詰まり等によるディスペンス不良や、製造する液晶表示装置のセルギャップの不均一といった問題が生じることがなく、安定したディスペンス、液晶表示装置の製造ができる。
また、本発明1のシール剤は、反応性の高い光反応開始剤を含有しているため、通常の光照射量に対して充分硬化することができ、本発明1のシール剤によると、滴下工法により液晶表示装置を好適に製造することができる。
本発明2の液晶滴下工法用シール剤(以下、本発明2のシール剤ともいう)は、硬化性樹脂、光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤及び重合禁止剤を含有する。
上記重合禁止剤は、本発明2のシール剤の製造過程において、せん断応力や熱が加えられることにより、上記硬化性樹脂のラジカル反応を抑える役割を果たす物質である。
ここで、重合禁止剤は、後述する(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂を合成するときにも生成物の安定化を図る目的で添加される物質である。しかしながら、従来のシール剤では、重合禁止剤の添加量は、あくまでも生成物の安定化を図る目的での微量の添加であり、通常、500〜1000ppm程度であった。これは、重合禁止剤を高濃度で含有していると、シール剤の光硬化性にも影響を与え、滴下工法により液晶表示装置を製造したときに、充分に硬化させることができなくなるからである。これに対し、本発明2のシール剤は、重合禁止剤の添加量を後述する所定の範囲とすることにより、優れた光硬化性を維持しつつ、シール剤製造過程に上記硬化性樹脂にせん弾力や熱が加わることで発生した不要なラジカルを上記重合禁止剤がトラップし、凝集異物の発生等を抑制することができることを見出した。
上記重合禁止剤としては、例えば、上述した本発明1のシール剤と同様のものが挙げられる。なかでも、ヒンダードフェノール系、ラクトン系、ハイドロキノン系等の消費型重合禁止剤であることが好ましい。特に好ましくは、ハイドロキノン系である。消費型重合禁止剤を後述する範囲で含有することで、本発明2のシール剤は、光硬化性を実用上損なうことなくシール剤の製造中や液晶表示装置の製造中に発生した不要なラジカルによる硬化性樹脂のラジカル重合反応を効果的に抑制することができる。
本発明2のシール剤において、上記消費型重合禁止剤が好ましい理由としては、実際に本発明2のシール剤を光硬化させる段階で重合禁止剤が働かなくなっている状態が好ましいからである。すなわち、例えば、ラジカルのトラップが何度でも可能な重合禁止剤を用いた場合、本発明2のシール剤に光を照射し、光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤からラジカルを発生させた場合、上記光反応開始剤から生じたラジカルを上記重合禁止剤がトラップしてしまい、充分な光硬化性が得られないことがある。
なお、本発明2のシール剤の光硬化時に光の照射量が充分であれば、上記重合禁止剤は、上記消費型重合禁止剤でなくても問題にはならないが、例えば、照射量が少ない場合や、液晶表示装置のパネル設計上照射量が少なくなるようなパネル部位に対してであっても、本発明2のシール剤の光硬化性を落とさないようにするため、上記消費型重合禁止剤であることが好ましい。
本発明2のシール剤において、上記重合禁止剤の含有量は、後述する(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂100重量部に対して、下限は0.4重量部、上限は8.0重量部である。0.4重量部未満であると、本発明2のシール剤の製造過程に発生する不要なラジカルをトラップする能力が不足して硬化性樹脂の硬化凝集物が発生し、滴下工法による液晶表示装置の製造において、液晶汚染の原因となる。8.0重量部を超えると、本発明2のシール剤に接着力や耐汚染性に影響が生じる。また、光照射量が少ない場合や、遮光部等パネル設計上光が充分に当たらないところで本発明2のシール剤の光硬化が不充分なる。好ましい下限は0.7重量部、好ましい上限は3.5重量部である。
本発明2のシール剤は、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂を含有する。
上記本発明2のシール剤に含まれる硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、及び、上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例えば、上述した本発明1のシール剤において説明した硬化性樹脂と同様のものが挙げられる。
本発明2のシール剤において、上記硬化性樹脂は、ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂を含有することが好ましい。本発明2のシール剤を用いた液晶表示装置の製造の際に硬化凝集物の発生をより抑制できるからである。
上記ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂としては特に限定されないが、上述した本発明1のシール剤において説明した、一般式(1)で表される構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
また、上記硬化性樹脂は、硬化時の未硬化残分を少しでも低減させるため、1分子中に2つ以上の反応性基を有する化合物であることが好ましい。上記硬化性樹脂としては、異なる反応性官能基を1分子中に有する化合物を含有していもよい。このような化合物としては、例えば、本発明1のシール剤における硬化性樹脂において説明した1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物と同様のものが挙げられる。
本発明2のシール剤の硬化前の液晶への成分溶出をより抑制するために、上記硬化性樹脂は、1分子中に少なくとも1つの水素結合性官能基を有することが好ましい。
上記水素結合性官能基としては特に限定されず、例えば、−OH基、−SH基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−NHOH基等の官能基、また、分子内に存在する−NHCO−、−NH−、−CONHCO−、−NH−NH−等の残基が挙げられ、なかでも、導入の容易さから−OH基であることが好ましい。
上記1分子中に少なくとも1つの水素結合性官能基を有し、かつ、(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明2のシール剤は、上記硬化性樹脂以外にエポキシ基を有する化合物が含有されていてもよい。
上記エポキシ基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、上述した本発明1のシール剤において説明したエポキシ基を有する化合物と同様のものが挙げられる。
本発明2のシール剤は、光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤を含有する。このような光反応開始剤としては、上述した本発明1のシール剤にて説明したものと同様のものが挙げられる。
上記光反応開始剤の含有量としては、上述した硬化性樹脂100重量部に対して、下限が0.1重量部、上限が10重量部である。0.1重量部未満であると、光重合を開始する能力が不足して上述した本発明2のシール剤の効果が得られず、10重量部を超えると、未反応の光反応開始剤が多く残り、本発明2のシール剤の耐候性が悪くなる。より好ましい上限は5重量部である。
本発明2のシール剤では、上記光反応開始剤の吸光係数を規定することが重要である。本発明2のシール剤では、硬化性樹脂の反応性を低下させることで熱ラジカル反応を抑制しているが光ラジカル反応性は充分でなければならないためである。光反応開始剤が充分に光反応性を有する必要があり、そのため吸光係数で特定している。具体的には、上記光反応開始剤は、メタノール又はアセトニトリル中で測定した365nmにおける吸光係数の好ましい下限が50mL/g・cm、好ましい上限が1万mL/g・cmである。より好ましい下限は100mL/g・cm、より好ましい上限は1000mL/g・cmである。
本発明2のシール剤は、更に、熱硬化剤が含有されていることが好ましい。本発明2のシール剤に、上述したエポキシ基を有する化合物が含有されている場合、該エポキシ基を有する化合物を充分に硬化させることができるからである。
上記熱硬化剤としては特に限定されず、例えば、上記本発明1のシール剤において説明したものと同様のものが挙げられる。また、上記熱硬化剤の配合割合としては、上記本発明1のシール剤における熱硬化剤の配合割合と同様であることが好ましい。
本発明2のシール剤は、更に、上記本発明1のシール剤と同様に、熱重合開始剤、シランカップリング剤及び充填剤等を含有してもよい。
本発明2のシール剤を製造する方法としては特に限定されず、上記硬化性樹脂、ラジカル重合開始剤及び重合禁止剤と、必要に応じて配合される上記エポキシ樹脂、シランカップリング剤、充填剤、硬化剤等の所定量とを、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。この際、含有するイオン性不純物を除去するために、イオン吸着性固体と接触させてもよい。
なお、上記方法にて本発明2のシール剤を製造する場合、その製造過程で大きなせん断応力が加わることがあるが、上述した重合禁止剤を含有するため、該重合禁止剤が発生したラジカルをトラップし、硬化凝集物の発生を抑制することができ、濾過工程を有する場合であっても、濾過時間の短縮化につなげることもできる。
本発明2のシール剤は、上述した重合禁止剤を含有するため、本発明2のシール剤の製造過程で硬化凝集物を発生させることがない。従って、本発明2のシール剤を用いて滴下工法により液晶表示装置を製造する際に、ノズル詰まり等によるディスペンス不良や、製造する液晶表示装置のセルギャップの不均一といった問題が生じることがなく、安定したディスペンス、液晶表示装置の製造ができる。
また、本発明2のシール剤は、重合禁止剤の含有量を所定の範囲内に制御しているため、通常の光照射量に対して充分硬化することができ、滴下工法により液晶表示装置を好適に製造することができる。
本発明のシール剤は、更にラジカル重合開始剤が含有されていてもよい。
上記ラジカル重合開始剤は、光を照射することにより活性ラジカルを発生する物質であり、反応性二重結合と光反応開始部とを有するものが好適である。このようなラジカル重合開始剤を用いれば、本発明のシール剤に充分な反応性を付与することができるとともに、液晶中に溶出して液晶を汚染することがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反応性二重結合を有することにより、本発明2のシール剤の耐候性が向上する。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物は、水酸基とウレタン結合とのどちらか1つを有していればよく、両方を有していてもよい。上記ベンゾイン(エーテル)類化合物が水酸基とウレタン結合のいずれも有していない場合には、液晶に溶出してしまうことがある。
上記ベンゾイン(エーテル)類化合物において、上記反応性二重結合及び水酸基及び/又はウレタン結合は、ベンゾイン(エーテル)骨格のどの部分に位置していてもよいが、下記一般式(2)で表される分子骨格を有するものが好適である。かかる分子骨格を有する化合物を、光重合開始剤として用いれば、残存物が少なくなり、アウトガスの量を少なくすることができる。
Figure 0005369204
式中、Rは水素、炭素数4以下の脂肪族炭化水素残鎖を表す。Rが炭素数4を超える脂肪族炭化水素残鎖であると、光重合開始剤を配合したときの保存安定性は増加するものの、置換基の立体障害により反応性が低下することがある。
上記一般式(2)で表される分子骨格を有するベンゾイン(エーテル)類化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005369204
式中、Rは水素又は炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基を表し、Xは炭素数13以下の2官能イソシアネート誘導体の残基を表し、Yは炭素数4以下の脂肪族炭化水素残基又は残基を構成する炭素と酸素の原子数比が3以下の残基を表す。Xが炭素数13を超える2官能イソシアネート誘導体の残基であると、液晶に溶解しやすくなることがあり、Yが炭素数4を超える脂肪族炭化水素基又は炭素と酸素の原子数比が3を超える残基であると、液晶に溶解しやすくなることがある。
上記ラジカル重合開始剤としては、他にも例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等を用いることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のシール剤は、硬化させた硬化体の体積抵抗率が10Ω・cm以上であることが好ましい。10Ω・cm未満であると、硬化後の本発明のシール剤の絶縁性が悪くなり、製造する液晶表示装置がショートすることがある。
また、本発明のシール剤は、E型粘度計を用いて25℃で測定した粘度が1万mPa・s以上であることが好ましい。1万mPa・s未満であると、滴下工法により液晶表示装置を製造した際に、透明基板上に形成したシールパターンの形状を保持できず、液晶中にシール剤成分が溶出して液晶汚染が生じてしまうことがある。より好ましい下限は10万mPa・sであり、より好ましい上限は50万mPa・sである。50万mPa・sを超えると、本発明のシール剤の描画性が充分でなく、滴下工法による液晶表示装置の製造が困難となることがある。
本発明のシール剤の粘度を測定するE型粘度計としては特に限定されず、例えば、ブルックフィールド社製「DV−III」等が挙げられる。
また、本発明のシール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような上下導通材料を用いれば、液晶を汚染することなく透明基板の電極を導電接続することができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示装置もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際において充分な光硬化性を有し、かつ、シール剤製造過程において硬化凝集物の発生を抑えることができる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(エポキシアクリレート(1)の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂850CRP(大日本インキ社製)173gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸70gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を8時間行った。
次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基をアクリロイル基に変成したエポキシアクリレート(1)(850CRP完全変性品)を得た。
(エポキシ基の一部分をアクリル酸と反応させたビスフェノールA型エポキシエポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(2))の合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂850CRP(大日本インキ社製)173gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸52.5gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。
次に、トルエンを除去することによって75mol%のエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(2))を得た。
なお、変性率は、樹脂を塩酸−ジオキサン溶液に溶解させた後、エポキシ基によって消費された塩酸量をKOHを用いて滴定する方法によって測定した。
(エポキシ基の一部分をアクリル酸と反応させたビスフェノールE型エポキシエポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(3))の合成)
ビスフェノールE型エポキシ樹脂R−710(三井化学社製)173gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸52.5gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって75mol%のエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールE型エポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(3))を得た。なお、変性率は、樹脂を塩酸−ジオキサン溶液に溶解させた後、エポキシ基によって消費された塩酸量をKOHを用いて滴定する方法によって測定した。
(エポキシ基の一部分をアクリル酸と反応させたビスフェノールF型エポキシエポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(4))の合成)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂830CRP(大日本インキ社製)173gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸52.5gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって、75mol%のエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールF型エポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(4))を得た。なお、変性率は、樹脂を塩酸−ジオキサン溶液に溶解させた後、エポキシ基によって消費された塩酸量をKOHを用いて滴定する方法によって測定した。
(エポキシ基の一部分をアクリル酸と反応させたビスフェノールE型エポキシエポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(5))の合成)
ビスフェノールE型エポキシ樹脂R−710(三井化学社製)173gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。
次に、トルエンを除去することによって50mol%のエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールE型エポキシアクリレート樹脂(部分変性樹脂(5))を得た。
なお、変性率は、樹脂を塩酸−ジオキサン溶液に溶解させた後、エポキシ基によって消費された塩酸量をKOHを用いて滴定する方法によって測定した。
(実施例1)
合成した部分変性樹脂(3)100重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(実施例2)
合成した部分変性樹脂(4)100重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(実施例3)
合成したエポキシアクリレート(1)50重量部、合成した部分変性樹脂(4)50重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(実施例4)
合成したエポキシアクリレート(1)50重量部、合成した部分変性樹脂(4)50重量部、ハイドロキノン0.5重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(実施例5)
合成したエポキシアクリレート(1)100重量部、ハイドロキノン1重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(実施例6)
合成したエポキシアクリレート(1)50重量部、部分変性樹脂(5)50重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(比較例1)
合成した部分変性樹脂(2)100重量部、光反応開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア651)2重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(比較例2)
合成した部分変性樹脂(3)100重量部、光反応開始剤(香川ケミカル社製、KR−02)6重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(比較例3)
合成した部分変性樹脂(4)100重量部、光反応開始剤(香川ケミカル社製、KR−02)6重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアVDH)16重量部、充填剤(アドマテックス社製、SO−C1)30重量部、及び、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させてシール剤を得た。
(評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3で作製したシール剤について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(真空条件下で攪拌時の硬化凝集物の有無)
真空5torr条件下、遊星型撹拌機にφ=3.7cm、h=3.4cmのPP製容器をセットしにφ=1.0cmのジルコニア製ボールを5個及び実施例1〜6及び比較例1〜3で作製したシール剤を1g投入し公転速度=2000rpm、自転速度=800rpm、撹拌時間=2minで撹拌し硬化凝集物の発生の有無を確認した。発生の激しいものを×、わずかに発生するものを△、発生しなかったものを〇とした。
(アクリル基の反応率測定)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたシール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−2055)1重量部を分散させ、ガラス(コーニング1737)の中央部に取り、他のガラス(コーニング1737)をその上に重ね合わせてシール剤を押し広げて厚みを均一にして試験片を作製した。
作製した試験片に、340nm以下の光をカットするフィルター付き高圧水銀ランプを100mW/cmで10秒間照射した。その後、試験片の一方のガラスを剥がし、赤外分光光度計(EXCALIBUR FTS3000MX、BIO RAD社製)を用いてアクリル基の転化率の測定を行った。
別途測定した硬化前のアクリル基のピーク面積(815〜800cm−1)と硬化後のアクリル基のピーク面積(815〜800cm−1)をリファレンスピーク面積(845〜820cm−1)として比較することにより反応率を算出した。アクリル基の反応率は下記式より算出した。
アクリル基の反応率={1−(硬化後のアクリル基のピーク面積/硬化後のリファレンスピーク面積)/(硬化前のアクリル基のピーク面積/硬化前のリファレンスピーク面積)}×100
(液晶表示パネルの作製)
配向膜及び透明電極付き基板の一方に、実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた液晶表示素子用シール剤を長方形の枠を描く様にディスペンサーで塗布した。次に、液晶(メルク社製、「ZLI−4792」)を滴下し、もう一方の基板を貼り合わせ、高圧水銀ランプを100mW/cmで30秒間照射し硬化させ、更に120℃で1時間熱硬化させて、液晶表示パネルを作製した。
(液晶表示パネル評価(色むら評価))
得られた液晶表示パネル(サンプル数5個)について、表示パネル製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色ムラより判断しており、色ムラの程度に応じて、◎(色むらが全くない)、○(色むらが微かにある)、△(色むらが少しある)、×(色むらがかなりある)の4段階で評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは実用に全く問題のないレベルである。結果を表1に示した。
Figure 0005369204
本発明によれば、液晶滴下工法により液晶表示装置を製造する際において充分な光硬化性を有し、かつ、シール剤製造過程において硬化凝集物の発生を抑えることができる液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示装置を提供することができる。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂100重量部に対して、光を照射することにより活性ラジカルを発生する光反応開始剤を0.1〜10.0重量部、重合禁止剤を0.4〜8.0重量部含有することを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
  2. 重合禁止剤が消費型重合禁止剤であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 1分子中に(メタ)アクリル基を有する硬化性樹脂は、ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. ベンジル位に2級水素又は3級水素を有する芳香族環構造を少なくとも1つ有する樹脂は、(メタ)アクリル酸とビスフェノールE型エポキシ樹脂とを塩基性触媒の存在下で反応することにより得られたものであることを特徴とする請求項3記載の液晶滴下工法用シール剤。
  5. 光反応開始剤は、波長365nmにおける吸光係数が50〜1万(mL/g・cm)であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  7. 請求項1、2、3、4若しくは5記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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