JP2006058465A - 液晶表示素子の製造方法、及び、液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法、及び、液晶表示素子 Download PDF

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Takuya Yamamoto
拓也 山本
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Yuichi Oyama
雄一 尾山
Mitsuru Tanigawa
満 谷川
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Abstract

【課題】 シール剤中の成分が液晶中に溶出して液晶汚染を引き起こすことがないため液
晶表示において色むらが少なく、基板間のギャップのばらつきが生じることのない液晶表
示素子を得ることができる液晶表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成し、シー
ルパターン内又は他の基板に液晶を滴下した後、他の基板をシールパターン及び液晶を介
して重ね合わせて液晶が封入された液晶封入体を得る液晶封入工程と、液晶封入体を40
℃以上、液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱し、10〜120分間保持
する硬化工程と、硬化工程を経た液晶封入体を、液晶のネマチック−等方相転移温度以上
の温度に加熱する液晶アニール工程とを有し、液晶表示素子用シール剤は、40℃以上、
液晶のネマチック−等方相転移温度未満で架橋反応が開始するものである液晶表示素子の
製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示素子の製造において、シール剤中の成分が液晶中に溶出して液晶汚染
を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少なく、また、基板間のギャップ
のばらつきが生じることのない液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子の製造方法
、及び、液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示素子をはじめとする電子機器、電子部品等にはますます高性能、高品位で
あることが求められている。
従来、液晶表示セル等の液晶表示素子は、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおい
て対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注
入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止する
ことにより作製されていた。
この方法では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により
熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃
でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサーを挟んで2枚の
基板を対向させてアライメントを行い貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱
プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10
〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最
後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
しかし、この作製方法によると、熱歪により位置ズレ、ギャップのバラツキ、シール剤と
基板との密着性の低下等が発生する;残留溶剤が熱膨張して気泡が発生しキャップのバラ
ツキやシールパスが発生する;シール硬化時間が長い;プリベイクプロセスが煩雑;溶剤
の揮発によりシール剤の使用可能時間が短い;液晶の注入に時間がかかる等の問題があっ
た。とりわけ、近年の大型の液晶表示装置にあっては、液晶の注入に非常に時間がかかる
ことが大きな問題となっていた。
これに対して、例えば、特許文献1に開示されているような光硬化熱硬化併用型シール剤
を用いた滴下工法と呼ばれる液晶表示素子の製造方法が検討されている。滴下工法では、
まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、スクリーン印刷により長方形状のシールパター
ンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴
下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行
う。その後、液晶のネマチック−等方相転移温度以上の温度にまで連続的に加熱して液晶
アニールと同時にシール剤の本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせ
を減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができる。
今後はこの滴下工法が液晶表示装置の製造方法の主流となると期待されている。
しかし、従来の滴下工法による液晶表示素子の製造方法では、紫外線を照射して得られた
仮硬化体は、加熱することにより完全に硬化させることができるが、本硬化工程において
加熱を開始してからシール剤中の硬化性樹脂が完全に硬化するまでの間に若干のタイムラ
グが生じ、液晶アニール温度まで加熱したときに、流動性の増したエポキシ樹脂と液晶と
が直に接してしまう。このとき、液晶は、ネマチック−等方相転移温度を超える温度に加
熱されて等方相となって流動性が増しており、加熱により流動性の増したシール剤と、等
方相となって流動性の増した液晶とが直に接することでシール剤中のエポキシ樹脂等の硬
化性樹脂成分が液晶中に溶出して汚染してしまうことがあるという問題があった。液晶が
汚染されたときには、液晶の配向乱れが生じ、色むら等の表示不良を引き起こすことがあ
る。
また、液晶アニール温度にまで昇温する際の加熱により液晶は大きく膨張するが、紫外線
を照射して仮硬化させただけのシール剤は、硬化が不充分で強度が小さいため、液晶の膨
張に合わせて変形した状態で硬化してしまうことがあった。このような従来の滴下工法に
より製造した液晶表示素子は、その後冷却されて液晶が収縮してもシール剤の変形が解消
されず、液晶表示素子の基板間のギャップにばらつきが生じることがあるという問題があ
った。
特開2001−133794号公報
本発明は、上記現状に鑑み、液晶表示素子の製造において、シール剤中の成分が液晶中に
溶出して液晶汚染を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少なく、また、
基板間のギャップのばらつきが生じることのない液晶表示素子を得ることができる液晶表
示素子の製造方法、及び、液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成し、前記シー
ルパターン内又は他の基板に液晶を滴下した後、他の基板を前記シールパターン及び液晶
を介して重ね合わせて液晶が封入された液晶封入体を得る液晶封入工程と、前記液晶封入
体を40℃以上、前記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱し、10〜1
20分間保持する硬化工程と、前記硬化工程を経た前記液晶封入体を、前記液晶のネマチ
ック−等方相転移温度以上の温度に加熱する液晶アニール工程とを有し、前記液晶表示素
子用シール剤は、40℃以上、前記液晶のネマチック−等方相転移温度未満で架橋反応が
開始するものである液晶表示素子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、滴下工法による液晶表示素子の製造に用いるシール剤と
して、使用する液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度で硬化反応が始まるものを
用い、上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱し、一定時間保持してあ
る程度硬化させる硬化工程を行ってから、液晶のネマチック−等方相転移温度以上の温度
に加熱する工程を行うことにより、得られる液晶表示素子には、液晶汚染が生じることが
なく、また、液晶の膨張、収縮に起因した基板間のギャップのばらつきが生じることもな
いことを見出し、本発明を完成させた。
上記ネマチック−等方相転移温度未満の温度における液晶は、ネマチック状態、即ち、あ
る程度の結晶性を有する状態となっており、このようなネマチック状態の液晶は、シール
剤の未硬化部分と直に接触しても、シール剤中の硬化性樹脂成分が液晶中に溶出し難い。
一方、上記ネマチック−等方相転移温度以上の温度における液晶は、等方相、即ち、流動
性が増した状態となるため、等方相の液晶とシール剤の未硬化部分とが直に接触すると、
シール剤中の硬化性樹脂成分が液晶中に溶出してしまうものと考えられる。
本発明の液晶表示素子の製造方法では、上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温
度で架橋反応を開始するシール剤を用い、ネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱
して一定時間保持する硬化工程を行うことにより、上記シール剤の架橋反応が進行してあ
る程度硬化するため、該シール剤がネマチック−等方相転移温度以上の温度に加熱されて
等方相となり、流動性の増した液晶と直に接触した場合であっても、シール剤中の硬化性
樹脂成分が液晶中に溶出し難くなるものと考えられる。
また、予めネマチック−等方相転移温度未満の温度にてシール剤がある程度硬化している
ことから、その後ネマチック−等方相転移温度以上の温度に加熱して液晶が膨張した場合
でも、シール剤の変形が小さく液晶表示素子の基板間のギャップのばらつきが生じること
がない。
本発明で用いる液晶表示素子用シール剤(以下、単にシール剤ともいう)は、40℃以上
、上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満で架橋反応が開始するものである。このよ
うな液晶表示素子用シール剤は、後述する硬化工程を行うことによりシール剤中の硬化性
樹脂が架橋されるため、上記液晶のネマチック−等方相転移温度以上に加熱されて等方相
となり流動性の増した液晶とシール剤とが直に接触した場合であっても、シール剤中に硬
化性樹脂成分が液晶中に溶出することがない。
上記シール剤が架橋反応を開始する温度が40℃以上であるのは、シール剤の製造工程に
おいて、樹脂やフィラー等の混合・攪拌時に、40℃まで加熱されるおそれがあるためで
ある。一方、上記シール剤が架橋反応を開始する温度が上記液晶のネマチック−等方相転
移温度を超えるものであると、後述する液晶アニール工程において、ネマチック−等方相
転移温度以上の温度に加熱することで等方相となり流動性の増した液晶とシール剤とが直
に接触することでシール剤中の硬化性樹脂成分が液晶中に溶出して液晶汚染が生じてしま
う。
上記シール剤としては、架橋反応を開始する温度が40℃以上、使用する液晶のネマチッ
ク−等方相転移温度未満であれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和二重結
合を1つ以上有する樹脂、及び、熱硬化剤を含有するものが挙げられる。
上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ノボラック型としてはフェノールノ
ボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニルノボラック型、トリスフェノールノボ
ラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型等が挙げられ、また、ビスフェノール型と
してはビスフェノールA型、ビスフェノールF型、2,2’−ジアリルビスフェノールA
型、ビスフェノールS型、水添ビスフェノール型、ポリオキシプロピレンビスフェノール
A型等が挙げられる。なかでも、ノボラック型であることが好ましい。ノボラック型のエ
ポキシ樹脂は、未硬化状態での液晶中へのシール剤成分の溶出がより起こり難くい。
また、上記エポキシ樹脂として、1分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とをそれぞ
れ少なくとも1つ以上有するエポキシ/(メタ)アクリル樹脂を用いることもできる。上
記エポキシ樹脂としてこのようなエポキシ/(メタ)アクリル樹脂を用いる場合には、本
発明のシール剤に好適な光硬化性能を付与することができ、滴下工法に好適に用いること
ができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル
酸のことをいう。
このようなエポキシ/(メタ)アクリル樹脂としては特に限定されず、例えば、従来公知
の(メタ)アクリル酸変性エポキシ樹脂、ウレタン変性(メタ)アクリルエポキシ樹脂等
を用いることができる。
上記不飽和二重結合を1つ以上有する樹脂としては、光・熱により反応を開始するもので
あれば特に限定されず、例えば、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン
基、マレイミド基、(メタ)アクリル基等を有する樹脂が挙げられ、なかでも反応性の面
より(メタ)アクリル基を有する樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリル基を有する樹脂としては特に限定されが、例えば、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。なかでも、
エポキシアクリレートが好ましく、上記エポキシアクリレートとしては、例えば、ノボラ
ック型、ナフタレン型、ビスルフィド型、レゾルシノール型、ビフェニル型等が挙げられ
る。また、上記(メタ)アクリル基を有する樹脂として、上述したエポキシ/(メタ)ア
クリル樹脂を用いることもできる。
上記(メタ)アクリル基を有する樹脂は、2官能以上であることが好ましい。上記シール
剤が光硬化性能に優れたものとなり、好適に滴下工法に用いることができ、また、硬化後
の本発明のシール剤の耐候性が向上する。
上記熱硬化剤は、加熱によりシール剤中のエポキシ基を反応させ、架橋させるためのもの
であり、硬化後のシール剤の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。
上記熱硬化剤としては、40℃以上、使用する液晶のネマチック−等方相転移温度未満の
温度で上記エポキシ基を反応させ架橋させるものを使用する。後述する硬化工程でシール
剤中の上記エポキシ樹脂等の硬化性樹脂を充分に架橋させるためである。
このような熱硬化剤としては特に限定されないが、低温反応性に優れるアミン及び/又は
チオール基を含有するものであることが好ましい。上記アミン及び/又はチオール基を含
有するものとしては、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロ
ピルヒダントイン]やアジピン酸ジヒドラジド等の有機酸ジヒドラジド、メタフェニレン
ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジシアンジアミド、アミンアダクト型潜在性硬化
剤、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、アミンイミド、グアニジン誘導体、2−イミ
ダゾリン−2−チオール2−2’−チオジエタンチオール、1−シアノエチル−2−フェ
ニルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル
)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エ
チル−a−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、
N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成
物等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種類以上が用いられてもよい。
上記熱硬化剤としては、固体硬化剤粒子の表面が微粒子により被覆されている被覆硬化剤
も好適である。このような被覆硬化剤を用いれば、予め熱硬化剤を配合していても高い保
存安定性を有するシール剤が得られる。
上記シール剤における上記熱硬化剤の配合量としては特に限定されないが、上述したエポ
キシ樹脂等の硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は3重量部、好ましい上限
は40重量部である。3重量部未満であると、後述する硬化工程において上記シール剤の
架橋反応を充分に進行させることができないことがあり、40重量部を超えると、未反応
の熱硬化剤がシール剤中に多く残ることがあり、硬化後のシール剤の耐候性が悪くなるこ
とがある。
上記シール剤は、光重合開始剤を含有していてもよい。上記光重合開始剤としては特に限
定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有するものが好適である。このような
光重合開始剤を用いれば、上記シール剤に充分な反応性を付与することができるとともに
、より液晶中に溶出して液晶を汚染し難くなる。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び
/又はウレタン結合とを有するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、ベ
ンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記反応性二重結合としては、アリル基、ビニルエーテル基、(メタ)アクリル基等の残
基が挙げられるが、反応性の高さから(メタ)アクリル残基が好適である。このような反
応性二重結合を有することにより、本発明のシール剤の耐候性が向上する。
上記シール剤は、必要に応じて、シール剤と透明基板との接着性を向上させる接着助剤と
しての役割を果たすシランカップリング剤、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率
の改善等の役割を果たすフィラー、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為
のスペーサー、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、粘度調整の為の反応性希釈剤等が配
合されていてもよい。
本発明の液晶表示素子の製造方法では、まず、基板上に上記シール剤を用いてシールパタ
ーンを形成し、上記シールパターン内又は他の基板に液晶を滴下した後、他の基板を上記
シールパターン及び液晶を介して重ね合わせて液晶が封入された液晶封入体を得る液晶封
入工程を行う。
上記シール剤を用いて基板上にシールパターンを形成する方法としては特に限定されず、
例えば、ディスペンサーを用いる方法等の従来公知の方法が挙げられる。また、上記シー
ルパターンの形状としては特に限定されず、長方形の枠型等従来公知の滴下工法による液
晶表示素子の製造におけるシールパターンと同様のパターンが挙げられる。
上記シールパターン内又は他の基板に滴下する液晶としては特に限定されず、例えば、滴
下工法による液晶表示素子の製造に用いられている従来公知の液晶と同様の液晶が挙げら
れる。
上記シールパターン内又は他の基板に上記液晶を滴下した後、他の基板を上記シールパタ
ーン及び液晶を介して重ね合わせて液晶が封入された液晶封入体を得る方法としては特に
限定されず、従来公知の滴下工法による液晶表示素子の製造方法と同様の方法により行う
ことができる。
本発明の液晶表示素子の製造方法では、次に、上記液晶封入体を40℃以上、上記液晶の
ネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱し、10〜120分間保持する硬化工程を
行う。
この硬化工程では、上記液晶封入体を上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度
に加熱し、一定時間保持することで、上記シール剤の架橋反応を進行させてある程度硬化
させる。なお、上記シール剤を完全に硬化させてもよい。
上記液晶封入体を40℃以上、上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱
し、10〜120分間保持するとは、上記シール剤のゲル分率が少なくとも95%以上と
なるまで、上記温度を保持することを意味する。
保持時間が10分未満であると、シール剤のゲル分率を95%以上とするには不充分であ
り、シール剤の架橋反応、即ち、シール剤の硬化が不充分となって、続く液晶アニール工
程で上記液晶封入体が上記液晶のネマチック−等方相転移温度以上に加熱されると、等方
相となって流動性の増した液晶中にシール剤中の硬化性樹脂成分が溶出して液晶汚染を生
じる。また、液晶アニール工程での加熱による液晶の膨張により液晶封入体のシール剤が
変形した状態で硬化され、その後の冷却により液晶が収縮すると、得られる液晶表示素子
の基板間のギャップにばらつきが生じる。保持時間が120分を超えると、シール剤のゲ
ル分率は充分に高いものとなり、続く液晶アニール工程で液晶汚染が生じたり、得られる
液晶表示素子の基板間にギャップのばらつきが生じたりすることはないが、液晶表示素子
の製造に非常に長時間を要することとなり製造効率の低下を招く。また、長時間加熱を加
え続けることで液晶が劣化することもある。
なお、硬化工程における上記液晶封入体の加熱保持時間は、使用するシール剤や液晶等に
合わせて適宜決定される。
次に、上記硬化工程を経た液晶封入体を上記液晶のネマチック−等方相転移温度以上の温
度に加熱する液晶アニール工程を行う。
この液晶アニール工程では、上記液晶を一旦等方相に加熱し再配向させるとともに、シー
ル剤を確実にかつ完全に硬化させる。
上記硬化工程を経た液晶封入体を加熱する温度、及び、保持時間等は特に限定されず、使
用する液晶やシール剤の種類等に合わせて適宜決定される。
上記液晶アニール工程を行うことで、シール剤は等方相となり流動性の増した液晶と直に
接触することになるが、上記硬化工程により充分に架橋反応の進行したシール剤は、上記
等方相となって流動性の増した液晶と直に接触しても、含有するエポキシ樹脂等の硬化性
樹脂成分が液晶中に溶出することがなく、液晶が汚染されることがない。また、架橋反応
が進行して高い硬化性を有するシール剤は、液晶アニール工程の加熱により膨張した液晶
によっては容易に変形することがなく、得られる液晶表示素子の基板間にギャップのばら
つきが生じることもない。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、40℃以上、使用する液晶のネマチック−等方相転
移温度未満で架橋反応が開始するシール剤を用いて、滴下工法により作製した液晶封入体
を、40℃以上、上記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱し、10〜1
20分間保持する硬化工程と、上記硬化工程を経た液晶封入体を上記液晶のネマチック−
等方相転移温度以上の温度に加熱する液晶アニール工程とを有するため、上記シール剤は
、上記硬化工程で該シール剤中の硬化性樹脂の架橋反応が進行してある程度硬化するため
、続く液晶アニール工程にて上記液晶のネマチック−等方相転移温度以上の温度に加熱さ
れて等方相となり流動性の増した液晶と、シール剤とが直に接触しても、シール剤中の硬
化性樹脂成分が液晶中に溶出することがない。また、硬化工程で架橋反応を進行させたシ
ール剤は、ある程度硬化した強度の高いものとなるため液晶アニール工程における加熱で
膨張した液晶によって変形することがない。そのため、得られる液晶表示素子の基板間に
ギャップのばらつきが生じることもない。
本発明の液晶表示素子の製造方法により製造されてなる液晶表示素子もまた、本発明の1
つである。
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、シール剤中の成分が液晶中に溶出して液
晶汚染を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少なく、また、基板間のギ
ャップのばらつきが生じることのない液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子の製
造方法、及び、液晶表示素子を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセルユーシービー社
製、EB3700)60重量部及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシ
レジン社製、エピコート828EL)40重量部、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製
、PN−23)25重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、IR
−651)2重量部、充填剤として球状シリカ(アドマテックス社製、SO−C1)10
重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、KBM403)2重量部を配合し、遊星
式攪拌装置にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール
剤を得た。
得られた液晶表示素子用シール剤の架橋反応が開始する温度は70℃であった。
得られた液晶表示素子用シール剤100重量部に対して、スチレン−ジビニルベンゼン樹
脂からなる樹脂微粒子の表面に金からなる導電金属層が形成された導電性微粒子(積水化
学工業社製、ミクロパールAU)5重量部を添加し、充分に混練して上下導通材料を得た
透明電極付きの2枚の透明基板の一方に、得られた液晶表示素子用シール剤を長方形の枠
を描くようにディスペンサーを用いて塗布した。また透明基板の電極の位置に得られた上
下導通材料を塗布した。次いで、ネマチック−等方相転移温度が73℃である液晶(チッ
ソ社製、JC−5004LA)の微小滴を透明基板上に、シール剤による枠内全面に滴下
し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせて、高圧水銀ランプを用いて紫外線を100mW
/cmの強度で30秒間照射して仮固定を行った。その後、70℃、60分間硬化工程
を行い、更に、120℃、1時間加熱して、液晶アニールを行った。
液晶アニール後の液晶表示素子について、目視により評価を行ったところ、表示むらは全
く認められず、また、基板間のギャップむらも全く発生していなかった。
(比較例1)
硬化工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子を製造した。
液晶アニール後の液晶表示素子について、目視により評価を行ったところ、液晶表示素子
用シール剤と上下導通材料の周りに表示むらが認められ、また、基板間のギャップむらも
認められた。
本発明によれば、液晶表示素子の製造において、シール剤中の成分が液晶中に溶出して液
晶汚染を引き起こすことがないため液晶表示において色むらが少なく、また、基板間のギ
ャップのばらつきが生じることのない液晶表示素子を得ることができる液晶表示素子の製
造方法、及び、液晶表示素子を提供できる。

Claims (2)

  1. 基板上に液晶表示素子用シール剤を用いてシールパターンを形成し、前記シールパターン
    内又は他の基板に液晶を滴下した後、他の基板を前記シールパターン及び液晶を介して重
    ね合わせて液晶が封入された液晶封入体を得る液晶封入工程と、
    前記液晶封入体を40℃以上、前記液晶のネマチック−等方相転移温度未満の温度に加熱
    し、10〜120分間保持する硬化工程と、
    前記硬化工程を経た前記液晶封入体を、前記液晶のネマチック−等方相転移温度以上の温
    度に加熱する液晶アニール工程とを有し、
    前記液晶表示素子用シール剤は、40℃以上、前記液晶のネマチック−等方相転移温度未
    満で架橋反応が開始するものである
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の液晶表示素子の製造方法により製造されてなることを特徴とする液晶表示
    素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155325A (ja) * 2006-04-25 2012-08-16 Sekisui Chem Co Ltd 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示装置

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JP2012155325A (ja) * 2006-04-25 2012-08-16 Sekisui Chem Co Ltd 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示装置

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