JP2005194561A - めっき方法、及び電子部品の製造方法 - Google Patents

めっき方法、及び電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】置換Auめっきを行った後に還元Auめっきを行っても、Auが容器にめっき付着したり被めっき物に異常析出をするのを抑制することができ、また還元Auめっき液が浴分解するのを抑制する。
【解決手段】置換Auめっき工程21で被めっき物に置換Auめっきを施して第1のAu皮膜を形成した後、洗浄工程22で少なくとも水温40℃以上、還元Auめっき液が非シアン系の場合は、水温50℃以上、好ましくは60℃以上の水を使用して洗浄処理を行う。次いで、還元Auめっき工程23で被めっき物に還元Auめっきを施し、第2のAu皮膜を形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明はめっき方法、及び電子部品の製造方法に関し、より詳しくはNi皮膜等で形成された下地金属上にAu皮膜を形成するめっき方法、及びこのめっき方法を使用したセラミック多層基板等の電子部品の製造方法に関する。
従来より、セラミック多層基板やプリント基板等の表面に配線パターンが形成された電子部品では、はんだに含有されるスズが下地電極であるCu電極上に拡散して信頼性低下を招いたりCu自体の酸化を防ぐために、Niめっきを施してCu電極上にNi皮膜を形成し、さらにAuめっきを施して前記Ni皮膜上にAu皮膜を形成し、これにより良好なはんだ濡れ性を得ている。
また、この種の電子部品では、小形化、高密度化の要請から配線パターンの形状も複雑化してきており、このため上記Ni皮膜及びAu皮膜は電流分布の影響を受けることのない無電解めっきで形成されるのが一般的である。
ところで、前記無電解めっき法には、還元剤を含有しためっき液に被めっき物を浸漬し、還元剤の酸化反応によって生ずる電子を金属の析出反応に利用する還元型めっき(「自己触媒型めっき」ともいう)と、溶液中の金属イオンと下地金属間で生じる置換反応を利用した置換型めっきとがある。
そして、前記Au皮膜を形成する場合は、通常、置換型めっきを行ってNi皮膜の表面に薄膜の第1のAu皮膜を形成した後、還元型めっきを行って第2のAu皮膜を形成し、これにより厚膜のAu皮膜を得ている。
そして、従来の無電解Auめっき液には人体に有害なシアン化合物が含有されていたため、作業性が悪く、このため環境保全上の理由から、近年では、シアン化合物を含有しない非シアン系の無電解Auめっき液が使用されることも多くなってきている。
また、めっき工程には、脱脂工程、エッチング工程、触媒付与工程、無電解Niめっき工程、置換Auめっき工程、還元Auめっき工程等の各種工程が存在するが、各工程に使用される処理液が次工程に持ち込まれるのを回避するために、各工程間には洗浄工程が介在しており、各洗浄工程では常温(20〜25℃)の純水を使用して洗浄処理を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
したがって、置換Auめっき工程が終了した後も洗浄工程で純水洗浄が行われ、その後還元Auめっき工程で還元Auめっきが行われる。
古藤田哲哉著「貴金属めっき」槙書店1992年7月30日 p.98
しかしながら、非特許文献1に記載されているような従来のめっき方法では、置換Auめっき工程後も常温で純水洗浄しているため、被めっき物や該被めっき物を収容した容器に付着したAu塩を十分に除去することが困難であった。このため、還元Auめっき工程では置換Auめっき工程から持ち込まれたAu塩が還元されてAuが析出し、しかもAuの析出が自己触媒的に増大して異常析出し、セラミック素体等の本来めっきされるべき部位以外の部位にもAuが析出するという問題点があった。
また、還元Auめっき液は不純物の影響を受け易く、このため洗浄が十分に行われずに置換めっき中のAu塩以外の他の成分、例えば、Ni隠蔽剤、界面活性剤等が還元Auめっき液に混入すると、浴分解が生じ易くなるという問題点があった。そしてこれは、特に還元Auめっき液が非シアン系Auめっき液の場合に顕著であった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、置換Auめっきを行った後に還元Auめっきを行っても、Auが容器にめっき付着したり被めっき物に異常析出をするのを抑制することができ、また還元Auめっき液が浴分解するのを抑制することができるめっき方法、及びこのめっき方法を使用した電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意研究したところ、置換Auめっきを行った後の洗浄処理を少なくとも水温40℃以上の水で行うことにより、その後還元Auめっきを行っても、被めっき物を収容した容器にめっき付着するのを抑制することができ、しかもAuめっき液がシアン系の場合は被めっき物へのAuの異常析出や還元Auめっき液の浴分解も抑制することができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るめっき方法は、下地金属が形成された被めっき物を第1のAuめっき液に浸漬し、前記下地金属との間で置換反応を生じさせて前記下地金属上に第1のAu皮膜を形成する置換めっき工程と、前記第1のAu皮膜が形成された被めっき物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄された被めっき物を還元剤が含有された第2のAuめっき液に浸漬し、前記第1のAu皮膜上に第2のAu皮膜を形成する還元めっき工程とを含むめっき方法において、前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温40℃以上の水で洗浄することを特徴としている。
また、本発明者がさらに鋭意研究を重ねたところ、Auめっき液が非シアン系の場合は、水温50℃以上の水で洗浄することにより、還元Auめっき後の被めっき物へのAuの異常析出も抑制できることが判明した。
すなわち、本発明のめっき方法は、前記第1及び第2のAuめっき液はシアン系化合物を含有しない非シアン系Auめっき液を使用し、前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温50℃以上の水で洗浄することを特徴としている。
さらに、本発明者の研究結果により、Auめっき液が非シアン系の場合は、水温60℃以上の水で洗浄することにより、還元Auめっき液の浴分解も抑制できることが分った。
すなわち、本発明のめっき方法は、前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温60℃以上の水で洗浄することを特徴としている。
また、本発明のめっき方法は、前記下地金属はニッケルを主成分とすることを特徴としている。
さらに、本発明に係る電子部品の製造方法は、表面に導電部が形成された部品素体を被めっき物とし、上述しためっき方法を使用して前記被めっき物にめっき処理を施し、電子部品を製造することを特徴としている。
上記めっき方法によれば、置換Auめっき工程後の洗浄工程を水温40℃以上の水で洗浄しているので、容器へのめっき付着を抑制することができ、Auめっき液がシアン系の場合は被めっき物へのAuの異常析出や還元Auめっき液の浴分解をも抑制することができ、所望のAu皮膜を下地金属上に安定的に形成することができる。
また、Auめっき液が非シアン系の場合は、置換Auめっき工程後の洗浄工程を水温50℃以上の水で洗浄することにより、被めっき物へのAuの異常析出を抑制することができ、さらに前記洗浄工程を水温60℃以上の水で洗浄することにより、還元Auめっき液の浴分解を抑制することができる。
また、下地金属がNiを主成分とすることにより、Ni系皮膜の表面に所望膜厚のAu皮膜を容易に形成することができ、セラミック多層基板やプリント基板等の電子部品に好適なめっき方法を実現することが可能となる。
また、上記電子部品の製造方法によれば、表面に導電部が形成された部品素体を被めっき物とし、上述しためっき方法を使用して前記被めっき物にめっき処理を施し、電子部品を製造しているので、Au皮膜が部品素体に異常析出することもなく、信頼性に優れた電子部品を高効率で容易に製造することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳説する。
図1は本めっき方法で製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図であって、該セラミック多層基板は、複数のセラミックシート(第1〜第5のセラミックシート1a〜1e)が積層されてセラミック素体6を形成している。
また、セラミック素体6の表面には外部導体4(4a〜4c)が形成されると共に、該セラミック素体6の内部には所定パターンの内部導体3(3a〜3h)が埋設されており、ビアホール5(5a〜5k)を介して各内部導体3間、又は内部導体3と外部導体4とが電気的に接続されている。そして、本実施の形態では、第4のセラミックシート1dを介して内部導体3gと内部導体3eとが対向状に配されてコンデンサ部を形成し、外部導体4c及び内部導体3h、3f、3d、3bがビアホール5k、5g、5e、5cを介して電気的に接続されインダクタ部を形成している。
また、外部導体4は、図2に示すように、下地電極としてのCu電極7の表面にNi−P皮膜8が形成され、さらにNi−P皮膜8の表面に第1のAu皮膜9が形成され、かつ第1のAu皮膜9の表面に第2のAu皮膜10が形成されている。
そして、該セラミック多層基板は、ドクターブレード法等で所定寸法のセラミックシート1a〜1eを作製した後、Cuを主成分とした導電性ペーストを使用して所定パターンの内部導体3a〜3hをスクリーン印刷し、次いで、これらセラミックシート1a〜1eを積層・圧着した後、焼成処理を施し、その後セラミック素体6の表面にCuを主成分とした導電性ペーストを塗布・焼付けて所定パターンのCu電極7を形成する。そしてしかる後、Cu電極7が形成されたセラミック素体6を被めっき物として無電解めっきを施し、Cu電極7上にNi−P皮膜8及び第1及び第2のAu皮膜9、10を順次形成し、これにより前記セラミック多層基板が製造される。
図3は、本めっき方法の処理手順を示すめっき工程図である。
まず、脱脂工程11では、被めっき物から有機物質や無機物質による汚染を除去するため、酸性脱脂液やアルカリ性脱脂液等を使用して被めっき物に脱脂処理を施し、続く洗浄工程12では常温(20〜25℃)の水で洗浄処理を行なう。
次に、エッチング工程13では、被めっき物を所定のエッチング液に浸漬してCu電極7の表面に形成されている酸化物をエッチング除去し、まためっき皮膜との密着性を向上させるために表面形状を適度に平滑化或いは粗化等して表面形状の微調整を行い、次いで洗浄工程14では常温の水で洗浄処理を行なう。
ここで、エッチング液としては、過酸化水素系溶液や過硫酸アンモニウム系溶液を使用することができる。
次に、触媒付与工程15では、塩酸と塩化パラジウムとの混合溶液(パラジウム濃度:約5.0×10−3wt%)をパラジウム触媒化処理液として使用し、被めっき物を前記パラジウム触媒化処理液に所定時間(例えば、0.5分〜10分)浸漬し、被めっき物の表面にパラジウム触媒を付与する。すなわち、無電解めっき反応を進行させるためには電極材料であるCuが還元剤の酸化反応に対し触媒活性である必要があるが、Cuは、一般に、リン化合物等の還元剤の酸化反応に対し触媒活性度が低く、このため、Cu電極7にパラジウム触媒を付与し、活性化する。
次に、洗浄工程16では常温の水で洗浄処理を行ない、その後無電解Niめっき工程17に進む。
無電解Niめっき工程17では、還元剤としてホスフィン酸塩等のリン化合物を含有したNiめっき液を使用し、還元型Niめっきを行ってCu電極7上に膜厚2μm〜5μmのNi−P皮膜8を形成する。
尚、ホスフィン酸塩としては、ホスフィン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム、ホスフィン酸カルシウム等の可溶性塩を使用することができる。
また、Niめっき液には、上述した還元剤の他、Ni2+の供給源として各種Ni塩、錯化剤,pH緩衝剤、安定剤等が適宜添加される。
ここで、Ni塩としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウム等を使用することができる。
また、錯化剤は、Ni2+をめっき液中で存在させてNi塩として沈殿するのを防止するために添加されるが、斯かる錯化剤としては、クエン酸、乳酸、酒石酸等のオキシカルボン酸、マロン酸、マイレン酸、コハク酸、グルタミン酸等のジカルボン酸、酢酸、グリシン等のモノカルボン酸を使用することができる。
また、pH緩衝剤は、Niめっき液中での水素イオン指数pHが大幅に低下してめっき速度が低下するのを防止するために添加されるが、斯かるpH緩衝剤としては、例えばアンモニウム塩を使用することができる。
また、安定剤としては、例えば、鉛、ビスマス、タリウム等の硝酸塩や所定のイオウ化合物の中から選択された1種又は2種以上を使用することができる。
そして、このようにして無電解Niめっき工程17が終了すると、洗浄工程18に進み、常温の水で洗浄処理を行う。そして続く、希酸処理工程19では被めっき物を3vol%〜10vol%の希硫酸又は希塩酸に浸漬し、希酸処理を行なう。すなわち、上述したNi−P皮膜8の形成後に行われる洗浄処理によりNi−P皮膜8が酸化されて表面に酸化物が形成されてしまうおそれがあり、このため後述する置換Auめっきでの第1のAu皮膜9との密着性を確保すべく希酸処理を行ない、前記酸化物を除去する。尚、Niめっき後の水洗時間が短い場合(3分以下)は、希酸処理は行わなくてもよい。
そして、希酸処理工程19が終了した後、洗浄工程20では常温の水で洗浄処理を行い、その後置換Auめっき工程21に進む。
置換Auめっき工程21では、被めっき物を所定の容器に入れ、Au或いはAu3+を含有した置換Auめっき液に前記容器を浸漬してめっき処理を行い、Ni−P皮膜8上に第1のAu皮膜9を形成する。
すなわち、Ni−P皮膜8が形成された被めっき物を置換Auめっき液に浸漬すると、電気化学的に卑な金属であるNiが溶出して電子(e)を放出し、該放出された電子(e)によって貴なAu或いはAu3+が還元され、AuがNi−P皮膜8上に析出し、これにより膜厚0.03μm〜0.5μmの第1のAu皮膜9がNi−P皮膜8上に形成される。
尚、置換Auめっき液のAu或いはAu3+の供給源としては、塩化金ナトリウムや亜硫酸金ナトリウム、或いはシアン化金カリウムなどの金塩を使用することができ、また置換Auめっき液には、前記金塩の他、シアン化ナトリウムや亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸などの錯化剤、その他の添加剤が含有され、水素イオン指数pHが3〜13に調製されている。
次に、洗浄工程22に進み、少なくとも水温40℃以上の水で洗浄処理を行い、またAuめっき液、特に後述する還元Auめっき液がシアン系化合物を含有しない非シアン系Auめっき液の場合は、水温50℃以上、好ましくは水温60℃以上の水で洗浄処理を行う。
このように少なくとも水温40℃以上の水を使用して洗浄することにより、シアン系、非シアン系を問わず、置換Auめっき処理でセラミック素体6や容器に付着したAu塩を十分に除去することができる。そして、還元Auめっき液がシアン系の場合は、不純物が微量であればAuめっきに悪影響を及ぼさないため、洗浄処理の被めっき物へのAuの異常析出や還元Auめっき液が浴分解するのを抑制することが可能となる。
また、還元Auめっき液がシアン系化合物を含有しない非シアン系Auめっき液の場合は、微量の不純物の混入により被めっき物へのAuの異常析出や還元Auめっき液の浴分解が生じる。しかしこの場合であっても、洗浄温度をさらに上昇させて水温50℃以上の水を使用することにより、異常析出を抑制することができ、置換Auめっき中のAu塩が残存するのを回避することができる。そして、水温60℃以上の水で洗浄処理を行うことにより、Au塩等の置換Auめっき液成分が還元Auめっき液に混入するのを確実に防止することができ、これによりAuめっき液が非シアン系であっても被めっき物へのAuの異常析出や還元めっき液の浴分解を抑制することができる。
このように洗浄工程22で、少なくとも水温40℃以上、またAuめっき液、特に還元Auめっき液が非シアン系の場合は、水温50℃以上、好ましくは水温60℃以上の水で洗浄処理を行い、その後還元Auめっき工程23に進む。
この還元めっき工程23では、還元剤を含有した還元Auめっき液に被めっき物を浸漬し、還元Auめっきを行う。すなわち、被めっき物を還元めっき液に浸漬すると、還元剤の酸化反応により第1のAu皮膜9を下地膜としてAuが自己触媒的に還元析出し、第2のAu皮膜10が第1のAu皮膜9上に形成される。
尚、還元Auめっき液に含有される還元剤としては、非シアン系Auめっき液の場合はアスコルビン酸、チオ尿素等を好適に使用することができ、シアン系Auめっき液の場合は、テトラヒドロホウ酸カリウムやジメチルアミンボラン等を好適に使用することができる。また、還元剤以外の他の主含有成分は置換Auめっき液と同様の化学物質を使用することができる。
そしてこの後、洗浄工程24で常温の水で洗浄処理を行った後、乾燥工程25を経てセラミック多層基板が製造される。
このように本実施の形態では、置換Anめっき工程21後の洗浄工程22を少なくとも水温40℃以上の水で洗浄処理を行っているので、置換Auめっき処理でセラミック素体6や容器に付着したAu塩が容易に除去することができ、Auめっき液がシアン系の場合は被めっき物であるセラミック素体6にAuが異常析出することもなく、また、還元Auめっき液が浴分解するのを抑制することができる。
また、Auめっき液が非シアン系の場合は、水温50℃以上の水を使用して洗浄することにより、Au塩が被めっき物に付着するのを回避することができ、これにより還元Auめっき工程23でセラミック素体6にAuが異常析出を抑制することができる。さらにこの場合、水温60℃以上の水で洗浄処理を行うことにより、Au塩等の置換Auめっき液成分の還元Auめっき液への混入を確実に防止することができ、したがって還元Auめっき液の浴分解を抑制することができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない、上記実施の形態では電子部品の代表例としてセラミック多層基板について説明したが、積層セラミックコンデンサや単板セラミックコンデンサ等、外部導体を有する各種セラミック電子部品についても同様に適用可能であるのはいうまでもなく、またプリント基板への応用も可能である。
また、上記実施の形態では、外部導体4の下地電極としてCu電極7を使用したが、Cu以外の電極、例えばAg電極を使用した場合も同様の効果を得ることができるのはいうまでもない。
また、本発明は、実用的には、第1のAu皮膜9の下地膜としては、上述したNiを主成分としたNi系皮膜が好適であるが、下地膜はNi系皮膜に限定されることはなく、他の金属種にも応用することができる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
非シアン系の置換Auめっき液及び還元Auめっき液を使用し、被めっき物をラックに入れてAuめっきを施し、ラックのめっき付着の有無、異常析出の有無、及び還元Auめっきの浴分解の有無を観察した。
すなわち、まず、被めっき物として、表面にCu電極が形成されたセラミック基板を用意した。
セラミック基板30は、具体的には図4に示すように縦50mm、横50mmの方形状からなり、マトリックス状にX方向、及びY方向に各々10個ずつに領域分割されている。また、各分割基板30、30……30100は、図5に示すように、その表面にCu電極31が一定パターンで形成されている。すなわち、図5に示すパターン状のCu電極31が100個の分割基板30、30……30100のそれぞれに形成されている。
そして、この被めっき物をラックに入れ、各処理液を1Lビーカーに1L入れてめっき処理を行った。
具体的には、まず、奥野製薬社製ICPクリーン91を使用し、25℃で3分間脱脂処理を行い、次いで、常温の水を使用して洗浄処理を行った。そしてこの後、被めっき物を奥野製薬社製ICPアクセラに温度25℃下、1分間浸漬して被めっき物にパラジウム触媒を付与し、その後常温の水を使用して洗浄処理を行った。
次に、被めっき物を浴温80℃の奥野製薬社製ICPニコロンUSDに20分間浸漬して還元Niめっきを施し、Cu電極31上に膜厚4.0μmのNi−P皮膜を形成した。次いで、常温の水を使用して洗浄処理を行い、その後、濃度が10重量%の希硫酸を使用して希酸処理を行い、さらに常温の水を使用して洗浄処理を行った。
次に、被めっき物を奥野製薬社製ムデンノーブル(Au非シアン系置換Auめっき液;浴温65℃)に10分間浸漬して置換Auめっきを施し、Ni−P皮膜上に膜厚0.07μmの第1のAu皮膜を形成した。
次いで、温度30〜99℃の範囲で種々水温を変えて被めっき物を3分間洗浄した。
そしてこの後、被めっき物を奥野製薬社製セルフゴールドOTK(非シアン系還元Auめっき液;浴温60℃)に60分間浸漬して還元Auめっきを施し、第1のAu皮膜上に膜厚1.0μmの第2のAu皮膜を形成し、その後、常温の水を使用して洗浄処理を行い、さらに乾燥させて実施例1〜7及び比較例1の試験片を得た。
表1は、置換Auめっき後の洗浄温度とラックへのめっき付着の有無、被めっき物へのAuの異常析出の有無、還元Auめっきの浴分解の有無をそれぞれ示している。
尚、ラックへのめっき付着の有無及び被めっき物へのAuの異常析出は目視で判断し、還元Auめっき液の浴分解の有無は、ビーカーの底に沈殿物が堆積しているか否かを目視観察して判断した。
Figure 2005194561
この表1から明らかなように、比較例1では置換Auめっき後の洗浄温度が30℃と低く、このためラックへのめっき付着、被めっき物へのAuの異常析出、及び還元Auめっき液の浴分解が認められた。これは洗浄温度が低いため、置換Auめっきで被めっき物やラックに付着したAu塩を十分に除去できず、その結果還元Auめっきで置換Auめっきから持ち越されたAu塩が還元されてAuがセラミック基板30に異常析出したりラックにめっき付着し、また還元Auめっき液に不純物が混入して浴分解が生じやすくなるものと思われる。
これに対して実施例1では上記洗浄温度を40℃で行っているので、ラックへのめっき付着が生じるのを回避することができ、実施例2では上記洗浄温度を50℃で行っているので、被めっき物へのAuの異常析出も生じるのを回避することができ、さらに実施例3〜7では上記洗浄温度を60〜99℃で行っているので、還元Auめっき液の浴分解も生じないことが確認された。
置換Auめっき液は〔実施例1〕と同様、非シアン系Auめっき液を使用する一方、還元Auめっき液としてシアン系Auめっき液を使用し、〔実施例1〕と同様の被めっき物にめっき処理を施し、ラックのめっき付着の有無、異常析出の有無、及び還元Auめっきの浴分解の有無を観察した。
すなわち、まず、〔実施例1〕と同様の方法・手順で脱脂処理→洗浄処理→触媒付与処理→洗浄処理→還元Niめっき処理→洗浄処理→希酸処理→洗浄処理→置換Auめっき処理→洗浄処理を行った。
次いで、被めっき物を奥野製薬社製ムデンゴールド25(シアン系還元Auめっき液;浴温73℃)に10分間浸漬して還元Auめっきを施し、第1のAu皮膜上に膜厚1.0μmの第2のAu皮膜を形成し、その後、常温の水を使用して洗浄処理を行い、さらに乾燥して実施例11〜17及び比較例11の試験片を得た。
表2は、置換Auめっき後の洗浄温度とラックへのめっき付着の有無、被めっき物へのAuの異常析出の有無、還元Auめっきの浴分解の有無をそれぞれ示している。
尚、〔実施例1〕と同様、ラックへのめっき付着の有無及び被めっき物へのAuの異常析出は目視で判断し、還元Auめっき液の浴分解の有無は、ビーカーの底に沈殿物が堆積しているか否かを目視観察して判断した。
Figure 2005194561
この表2から明らかなように、比較例11では置換Auめっき後の洗浄温度が30℃と低く、このため〔実施例1〕の比較例1と同様、ラックへのめっき付着、被めっき物へのAuの異常析出、及び還元Auめっき液の浴分解が認められた。
これに対して実施例11〜17では上記洗浄温度を40℃以上で行っているので、ラックへのめっき付着、被めっき物へのAuの異常析出、還元Auめっき液の浴分解のいずれも生じないことが確認された。これは、還元Auめっき液がシアン系の場合は、非シアン系Auめっき液に比べて不純物の混入に対し敏感に反応せず、微量の不純物であれば影響を受けないものと思われる。
本発明の無電解ニッケル液を使用して製造されたセラミック電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図である。 図1の要部拡大図である。 本発明のめっき方法の一実施の形態を示す工程図である。 実施例で使用したセラミック基板の平面図である。 図4のセラミック基板の要部拡大図である。
符号の説明
6 セラミック素体(部品素体)
7 Cu電極(導電部)
8 Ni−P皮膜
9 第1のAu皮膜
10 第2のAu皮膜
21 置換Auめっき工程
22 洗浄工程
23 還元Auめっき工程

Claims (5)

  1. 下地金属が形成された被めっき物を第1の金めっき液に浸漬し、前記下地金属との間で置換反応を生じさせて前記下地金属上に第1の金皮膜を形成する置換金めっき工程と、前記第1の金皮膜が形成された被めっき物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄された被めっき物を還元剤が含有された第2の金めっき液に浸漬し、前記第1の金皮膜上に第2の金皮膜を形成する還元金めっき工程とを含むめっき方法において、
    前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温40℃以上の水で洗浄することを特徴とするめっき方法。
  2. 前記第1及び第2の金めっき液は、シアン系化合物を含有しない非シアン系金めっき液を使用し、
    前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温50℃以上の水で洗浄することを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
  3. 前記洗浄工程は、前記被めっき物を水温60℃以上の水で洗浄することを特徴とする請求項2記載のめっき方法。
  4. 前記下地金属はニッケルを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のめっき方法。
  5. 表面に導電部が形成された部品素体を被めっき物とし、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のめっき方法を使用して前記被めっき物にめっき処理を施し、電子部品を製造することを特徴とする電子部品の製造方法。
JP2004000909A 2004-01-06 2004-01-06 めっき方法、及び電子部品の製造方法 Pending JP2005194561A (ja)

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