JP2005191438A - コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板の陽極電極パターンの拡大化が図られたコンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明に係るコンデンサ10は、陽極部24と陰極部28とを有するコンデンサ素子12と、素子搭載面14aに、陽極部24に接続される陽極電極パターン38Aと陰極部28に接続される陰極電極パターン38Bとが形成され、且つ裏面14bに、厚さ方向に沿って延びる陽極ビア44及び陰極ビア48を介して対応する陽極電極パターン38A及び陰極電極パターン38Bに接続された陽極ランドパターン40A及び陰極ランドパターン40Bが形成された基板14とを備え、陽極電極パターン38Aが、基板14の素子搭載面14aの領域において、陽極ランドパターン40Aに対応する領域の少なくとも一部と陰極ランドパターン40Bに対応する領域の少なくとも一部とを含む領域に一体的に形成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、コンデンサに関するものである。
電解コンデンサ等のコンデンサに用いられるコンデンサ素子は、一般に、絶縁性酸化皮膜形成能力を有するアルミニウム、チタン、タンタルなどの金属(いわゆる弁金属)を陽極に用い、この弁金属の表面を陽極酸化して、絶縁性酸化皮膜を形成した後、実質的に陰極として機能する有機化合物等からなる固体電解質層を形成し、さらに、グラファイトや銀などの導電層を陰極として設けることによって作製される。
このようなコンデンサの低インピーダンス化を図る方法としては、等価直列インダクタンス(ESL)の低減や等価直列抵抗(ESR)の低減を図る方法がある。そして、ESRの方を低減するために、リードフレームを省略したコンデンサが、下記特許文献1に開示されている。この公報に開示されたコンデンサは、基板の素子搭載面に一対の電極対を有する2端子型のコンデンサ素子が搭載されたコンデンサであり、基板の素子搭載面の電極とその裏面の電極とはスルーホールを介して接続されている。
ここで、コンデンサが実装される実装基板には、陽極電極端子と陰極電極端子の2種類の端子が設けられており、コンデンサが多端子型の場合には、一般にこれらの陽極電極端子と陰極電極端子とが交互に並ぶ。そのため、基板の素子搭載面の反対面には、陽極電極端子と陰極電極端子にそれぞれ対応する陽極外部接続端子と陰極外部接続端子とが交互に並ぶ。そして、上述したスルーホールをこの基板に単純に適用した場合には、スルーホールを介して陽極外部接続端子に接続される陽極電極パターンと、スルーホールを介して陰極外部接続端子に接続される陰極電極パターンとが、基板の素子搭載面に交互に並び、その並び方向は反対面の陽極外部接続端子と陰極外部接続端子とが並ぶ方向と同じである。
特開2001−102252号公報
基板の素子搭載面に形成された陽極電極パターンは、その面積が大きいほど、コンデンサ素子の陽極部を接続する際の作業性が向上する。また、コンデンサ素子の陽極部との接続に利用可能な面積を拡大できるため、接続強度の向上を図ることが可能である。
しかしながら、前述した従来のコンデンサにおいては、陽極電極パターンが小さいため、コンデンサ素子と基板との接続時における作業性の向上及びコンデンサ素子と基板との間の接続強度の向上が十分に図られていないという問題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、基板の陽極電極パターンの拡大化が図られたコンデンサを提供することを目的とする。
発明者は、コンデンサにスルーホールを適用する技術に関する研究を重ね、図6に示すような基板を有する8端子型コンデンサについての検討をおこなった。ここで図6(a)は検討段階における基板114の素子搭載面114aを示した図であり、図6(b)は検討段階における基板114の素子搭載面114aの裏面114bを示した図である。そして素子搭載面114aには、図示しないコンデンサ素子の陽極部に接続される陽極電極パターン138A及び陰極部に接続される陰極電極パターン138Bが形成されており、その裏面114bには陽極ランドパターン140Aと陰極ランドパターン140Bとが形成されている。なお、符号144は陽極電極パターン138Aと陽極ランドパターン140Aとを接続する陽極ビアであり、符号148は陰極電極パターン138Bと陰極ランドパターン140Bとを接続する陰極ビアである。
図6に示すようなコンデンサにおいては、基板114の素子搭載面114aの陽極電極パターン138Aは、裏面114bの陽極ランドパターン140Aに略対応する領域に形成されており、対応する陽極ランドパターン140Aの面積と略同じ面積となっている。そのため、陽極電極パターン138Aの面積は小さく、基板114にコンデンサ素子を搭載する際に、コンデンサ素子の陽極部を基板14の陽極電極パターン138Aに接続する作業が困難であったり、十分な接続強度を得られなかったりする場合があった。
そこで、本発明に係るコンデンサは、陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子と、一方面に、陽極部に接続される陽極電極パターンと陰極部に接続される陰極電極パターンとが形成され、且つ他方面に、厚さ方向に沿って延びる導通路を介して対応する陽極電極パターン及び陰極電極パターンに接続された陽極ランドパターン及び陰極ランドパターンが形成された基板とを備え、陽極電極パターンが、基板の一方面の領域において、陽極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部と陰極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部とを含む領域に一体的に形成されている。
このコンデンサにおいては、コンデンサ素子の陽極部に接続される基板の陽極電極パターンが形成される領域が、陽極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部を含むだけでなく、陰極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部をも含む。そのため、このコンデンサにおいては、陽極ランドパターンに対応する領域に形成され、陽極ランドパターンと略同じ面積である陽極電極パターンが形成された基板(図6参照)を有するコンデンサに比べて、陽極電極パターンの面積を拡大することができる。
また、実装基板の接続端子に接続される、陽極ランドパターンの外部接続端子部と陰極ランドパターンの外部接続端子部とが交互に並んでいることが好ましい。この場合、汎用基板に容易に適用することができる。
本発明に係るコンデンサは、複数の陽極部と、陰極部とを有するコンデンサ素子と、一方面に、各陽極部に接続される複数の陽極電極パターン及び陰極部に接続される陰極電極パターンとが形成され、且つ、一方面に形成された各陽極電極パターン及び陰極電極パターンのそれぞれから、厚さ方向に沿って他方面まで延びる複数の導通路が形成された基板とを備え、陰極電極パターンの少なくとも一側には、陽極電極パターンが複数並列しており、これらの並列する陽極電極パターンに挟まれる領域には陰極電極パターンが形成されていない。
このコンデンサにおいては、基板の一方面に、並列する複数の陽極電極パターンが形成されている。そして、複数の陽極電極パターンは陰極電極パターンを挟まないように並列されている。そのため、このコンデンサにおいては、陽極電極パターンと陰極電極パターンとが交互に並ぶ基板(図6参照)を有するコンデンサに比べて、陽極電極パターンの面積をその並列方向に有意に拡大することができる。
また、基板の他方面には、導通路を介して陽極電極パターンに接続される陽極ランドパターンと、導通路を介して陰極電極パターンに接続される陰極ランドパターンとが形成されており、実装基板の接続端子に接続される、陽極ランドパターンの外部接続端子部と陰極ランドパターンの外部接続端子部とが交互に並んでいることが好ましい。この場合、汎用基板に容易に適用することができる。
また、陽極電極パターンの形成領域には、陽極ランドパターンと陰極ランドパターンとの並設方向に並ぶ複数の導通路が形成されており、且つ、陰極電極パターンの形成領域には、陽極電極パターンに形成された導通路と隣り合うように複数の導通路が形成されていることが好ましい。この場合、コンデンサのESLを有意に低減することができる。
本発明によれば、コンデンサの基板の陽極電極パターンの拡大化が図られる。
以下、添付図面を参照して本発明に係るコンデンサを実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電解コンデンサを示す斜視図である。図1に示すように、電解コンデンサ10は、コンデンサ素子12と、コンデンサ素子12が載置される方形薄片状の基板14と、コンデンサ素子12及び基板14をモールドする樹脂モールド16とを備えている。
コンデンサ素子12は、表面が粗面化(拡面化)されると共に化成処理が施された箔状のアルミニウム基体(弁金属基体)上の一部の領域(後述)に、固体高分子電解質層及び導電体層が順次積層されたものである。
以下、図2を参照しつつ、その積層構造についてより具体的に説明する。図2は、図1に示した電解コンデンサ10の要部を示す模式断面図である。図2に示すように、エッチングによって粗面化されたアルミニウム基体18は、化成処理、すなわち陽極酸化によって、その表面18aに誘電体として機能する絶縁性の酸化アルミニウム皮膜20が成膜されている。そして、導電性高分子化合物を含む固体高分子電解質層21が、拡面化されたアルミニウム基体18の凹部に含浸している。この固体高分子電解質層21は、モノマーの状態でアルミニウム基体18の凹部に含浸させ、その後、化学酸化重合又は電解酸化重合して形成される。
固体高分子電解質層21上には、グラファイトペースト層22及び銀ペースト層23(導電体層)がスクリーン印刷法、浸漬法(ディップ法)及びスプレー塗布法のいずれかによって順次形成されている。そして、これらの固体高分子電解質層21、グラファイトペースト層22及び銀ペースト層23によってコンデンサ素子12の陰極部28が構成されている。
図1に示すように、コンデンサ素子12は、長方形薄片状の蓄電部26と、蓄電部26の長辺の側面から外方に突出する薄片状の陽極部24とで構成されている。以下、説明の便宜上、蓄電部26の長辺方向をX方向、蓄電部26の短辺方向をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
各陽極部24は、図2で示したように、酸化アルミニウム皮膜20が形成されたアルミニウム基体18で構成されている。一方、蓄電部26は、酸化アルミニウム皮膜20が形成されたアルミニウム基体18の外周面、すなわち両面及びX方向の端面の略全域(図1のドットハッチ部分)を、固体高分子電解質層21、グラファイトペースト層22及び銀ペースト層23からなる陰極部28が覆う構造を有している。
陽極部24は、蓄電部26の各長辺の側面に1対ずつ形成されており、いずれの陽極部24もY方向に延在している。また陽極部24は、対向する長辺に形成された陽極部24と互いに対応する位置から突出している。また、いずれの陽極部24も、蓄電部26の延在方向(X方向)と同方向に延びる長方形状を有している。なお、蓄電部26の表面領域のうち、陽極部24が設けられた側の縁領域には、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂からなる絶縁樹脂層27が設けられており、この絶縁樹脂層27により蓄電部26に設けられている陰極部28と陽極部24との絶縁と分離が確実に図られている。
なお、上述した形状のコンデンサ素子12は、表面が粗面化され、且つ化成処理が施されたアルミニウム箔を打抜き加工することにより成形される。そのため、成形後のアルミニウム箔を化成液に浸漬することにより、アルミニウムが露出した箔の端面に酸化アルミニウム皮膜を形成している。化成液は、例えば、濃度3%のアジピン酸アンモニウム水溶液等が好ましい。
ここで、コンデンサ素子12となるアルミニウム箔に施す処理について、図3を参照しつつ説明する。図3は、コンデンサ素子12となるアルミニウム箔30に陽極酸化処理を施している状態を示す図である。まず始めに、コンデンサ素子12の蓄電部26となるべき部分26Aの表面領域のうち、陽極部24となるべき部分24Aが設けられた側の縁領域に絶縁樹脂層27を形成する。このように所定領域に絶縁樹脂層27を形成することで、後段において形成される陽極部24と陰極部28との絶縁と分離が確実に図られる。
そして、アルミニウム箔30の一側の部分24Aを、熱硬化型レジスト29によってマスクすると共に、他側の部分24Aを支持して、アルミニウム箔30を、ステンレスビーカ34中に収容された化成溶液36中に浸漬する。次いで、支持されたアルミニウム箔部分24Aをプラス、ステンレスビーカ34をマイナスにして電圧を印加する。印加電圧の値は、形成する酸化アルミニウム皮膜20の膜厚に応じて適宜決定することができ、10nm〜1μmの膜厚を有する酸化アルミニウム皮膜20を形成する場合には、通常、数ボルト〜20ボルト程度である。
電圧印加により陽極酸化が開始されると、毛細管現象により、化成溶液36は、表面が粗面化されたアルミニウム箔30の表面を通って液面から上昇する。従って、端面を含む表面が粗面化されているアルミニウム箔30の全表面に酸化アルミニウム皮膜20が成膜される。こうして作製されたアルミニウム箔30に、公知の方法で陰極部28を形成すると共に、レジスト29を除去して、上述したコンデンサ素子12の作製が完了する。
次に、コンデンサ素子12が搭載される基板14について、図4を参照しつつ説明する。ここで図4(a)は基板14の素子搭載面14aを示した図であり、図4(b)は基板14の素子搭載面14aの裏面14bを示した図である。
基板14は、両面14a,14bに所定形状の銅箔パターンがエッチング成形されたFR4材(エポキシ樹脂材)製のプリント基板である。基板14のコンデンサ素子12が搭載される素子搭載面14aは、コンデンサ素子12の陽極部24と接続される陽極電極パターン38Aと、コンデンサ素子12の陰極部28と導電性接着剤39を介して接続される陰極電極パターン38Bとが形成されている。そして図4(a)に示すように、陰極電極パターン38Bは、長方形の基板14の中央部において基板14の延在方向(X方向)に延びた長方形状を有しており、同じく長方形状を有する4つの陽極電極パターン38Aは、陰極電極パターン38Bの長辺側の縁に沿って延在している。
陽極電極パターン38Aは、陰極電極パターン38Bを介して対峙する2対の同形状パターンであり、いずれも陰極電極パターン38Bに近接している。また、陽極電極パターン38Aの長さL1は、陰極電極パターン38Bの長さL2の略半分であり、陰極電極パターン38Bの同じ側に位置する陽極電極パターン38A同士は近接している。なお、これらの陽極電極パターン38Aとコンデンサ素子12の陽極部24とは、抵抗溶接又はYAGレーザスポット等の金属溶接によって接続される。
4つの陽極電極パターン38Aの形成領域には、陰極電極パターン38B側の縁に沿って5個の陽極ビア(導通路)44が並設されている。また、陰極電極パターン38Bの形成領域にも、各陽極ビア44と対応するように20個の陰極ビア(導通路)48が形成されており、各陽極電極パターン38Aが位置する縁部に5個ずつ並んでいる。陽極ビア44及び陰極ビア48は、陽極電極パターン38A及び陰極電極パターン38Bの延在方向(X方向)に並んでおり、対応する陽極ビア44と陰極ビア48とは陽極電極パターン38Aと陰極電極パターン38Bとの並列方向(Y方向)に近接して並んでいる。また、陽極ビア44及び陰極ビア48はともに基板14の厚さ方向(Z方向)に沿って裏面14bまで延びている。なお、陽極ビア44及び陰極ビア48はいずれも、円形断面を有しており、基板14にドリル加工で形成した円形貫通孔に無電解銅メッキがメッキ処理により埋められたものである。
なお、陽極電極パターン38Aの陽極ビア44が形成された縁領域(図4(a)の一点鎖線で囲まれた領域)50には、絶縁性樹脂層が形成されているが、図4(a)においては図示を省略している。この絶縁性樹脂層は、陽極電極パターン38Aと陰極電極パターン38Bとを分離及び絶縁するものであり、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の材料を適用でき、数十ミクロンの厚さで塗布形成される。
基板14の素子搭載面14aの裏面14bは、図4(b)に示すように、陽極ランドパターン40Aと陰極ランドパターン40Bとの対が4対形成されている。各陽極ランドパターン40Aは、上述した陽極ビア44の端部領域を含む帯状パターン42aから基板14の縁領域に向かって外部接続端子として機能する矩形状パターン(外部接続端子部)42bが突出するL字形状となっている。また、各陰極ランドパターン40Bは、上述した陰極ビア48の端部領域を含む帯状パターン46aから、陽極ランドパターン40Aと接触しないように陽極ランドパターン40Aを迂回して、基板14の縁領域に形成された外部接続端子として機能する矩形状パターン(外部接続端子部)46bまで這いまわされたJ字形状となっている。
そして、基板14の対向する縁領域それぞれには、2対の陽極ランドパターン40Aの矩形状パターン42bと陰極ランドパターン40Bの矩形状パターン46bとが、交互になるように一列に並んでいる。そして、これらの矩形状パターン42b,46bが、電解コンデンサ10の実装基板(図示せず)の対応する接続端子と接続される。このように、外部接続端子として機能する矩形状パターン42b,46bが交互に並んでいるため、特殊な端子配置を有する実装基板を別途準備する必要がなく、汎用的な実装基板を利用することができる。なお、矩形状パターン42b,46bが形成された領域以外の領域(図4(b)の一点鎖線で囲まれた領域)52には、絶縁性樹脂層が形成されているが、図4(b)においては図示を省略している。この絶縁性樹脂層は、陽極ランドパターン40Aと陰極ランドパターン40Bとを分離及び絶縁するものであり、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の材料を適用でき、数十ミクロンの厚さで塗布形成されている。
つまり、基板14においては、コンデンサ素子12の陰極部28と実装基板とを接続する導通経路は、裏面14bの配線パターンのみで基板14の縁領域に導かれている。そのため、基板14は、素子搭載面とその裏面の両面において当該導通経路を縁領域に導く基板(図6参照)に比べて、素子搭載面14aにおいて陽極電極パターン38Aがとりうる形状の自由度が飛躍的に向上している。すなわち、基板14においては、図4(a)に示したように、素子搭載面14aの縁領域の全域に亘って陽極電極パターン38Aを形成することができる。
従って、図5に示すように、素子搭載面14aの陰極電極パターン38Bが、隣り合う陽極電極パターン38A,38A同士に挟まれる領域54に形成されないようにすることが可能である。ここで、素子搭載面14aの陽極電極パターン38Aの形成領域は、裏面14bの陽極ランドパターン40Aの形成領域に対応する領域を含んでいると共に、矩形状パターン46bを含む陰極ランドパターン40Bの一部領域を含んでいる。
そして、陽極電極パターン38Aは、陰極ランドパターン40Bの形成領域の一部を含むようにして、隣り合う陽極電極パターン38Aに近づくように延びている。このように陽極ビア44の並列方向(X方向)への陽極電極パターン38Aの伸長が図られている場合には、その伸長した分だけより多くの陽極ビア44を並列させることができる。そのため、基板14では、陽極電極パターン38Aに形成する陽極ビア44と陰極電極パターン38Bに形成する陰極ビア48との対を多く形成できる。
以上で詳細に説明したように、電解コンデンサ10においては、コンデンサ素子12の陽極部24に接続される基板14の陽極電極パターン38Aが形成される領域が、陽極ランドパターン40Aに対応する領域を含むだけでなく、陰極ランドパターン40Bに対応する領域の一部を含んでいる。また、隣り合う陽極電極パターン38Aの間には陰極電極パターン38Bが形成されていない。そのため、図6に示したような基板を有する電解コンデンサに比べて、陽極電極パターン38Aが有意に拡大している。従って、コンデンサ素子12と基板14との接続作業を容易におこなうことができる。なお、陽極電極パターン38Aが形成される領域は、必ずしも陽極ランドパターン40Aに対応する全領域を含む必要はなく、陽極ランドパターン40Aに対応する領域の少なくとも一部を含んでいればよい。
また、陽極電極パターン38Aの拡大にあわせてコンデンサ素子12の陽極部24を拡大することで、陽極電極パターン38Aと陽極部24との接触面積が拡大する。そのため、例えば、YAGレーザのスポット数を増やすこと等が可能となり、陽極電極パターン38Aと陽極部24との間の接続強度を有意に向上させることができる。
さらに、電解コンデンサ10に電圧が印加されて誘電体部(酸化アルミニウム皮膜)20に電荷が蓄えられる際、及び、蓄えられた電荷が放電される際、陽極ビア44及び陰極ビア48には電流が流れるが、上述したように陽極ビア44と陰極ビア48とが、隣り合う陽極電極パターン38Aと陰極電極パターン38Bとの近接する縁領域に形成されているため、陽極ビア44内を流れる電流に起因して発生する磁界と、陰極ビア48内を流れる電流に起因して発生する磁界とは互いに強く打ち消しあう。それにより電解コンデンサ10のESLが低減し、それに伴ってインピーダンスが低減する。
また、基板14においては、陽極電極パターン38Aが、陽極ランドパターン40Aの矩形状パターン42bと陰極ランドパターン40Bの矩形状パターン46bとの並列方向(X方向)に伸長されたことにより、陽極ビア44と陰極ビア48との対が多く形成されており、電解コンデンサ10の低ESL化が促進されている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、陽極ビア及び陰極ビアの断面形状は、円形に限らず、楕円形状や四角形状などであってもよい。またビアの数は、適宜増減してもよい。さらに、ビアは、必要に応じて中央部が貫通しているビアホールに変更することが可能である。またコンデンサは、特に電解コンデンサが好ましいが、電解コンデンサに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るコンデンサを示す斜視図である。 図1に示したコンデンサの要部を示す模式断面図である。 コンデンサ素子となるアルミニウム箔に陽極酸化処理を施している状態を示す図である 図4(a)は基板の素子搭載面を示した図であり、図4(b)は基板の素子搭載面の裏面を示した図である。 図4(a)に示した素子搭載面の要部拡大図である。 図6(a)は検討段階における基板の素子搭載面を示した図であり、図6(b)は検討段階における基板の素子搭載面の裏面を示した図である。
符号の説明
10…電解コンデンサ、12…コンデンサ素子、14,114…基板、14a、114a…素子搭載面、14b,114b…裏面、18…アルミニウム基体、24…陽極部、28…陰極部、38A,138A…陽極電極パターン、38B,138B…陰極電極パターン、40A,140A…陽極ランドパターン、40B,140B…陰極ランドパターン、42b…矩形状パターン、44,144…陽極ビア、46b…矩形状パターン、48,148…陰極ビア。

Claims (5)

  1. 陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子と、
    一方面に、前記陽極部に接続される陽極電極パターンと前記陰極部に接続される陰極電極パターンとが形成され、且つ他方面に、厚さ方向に沿って延びる導通路を介して対応する前記陽極電極パターン及び前記陰極電極パターンに接続された陽極ランドパターン及び陰極ランドパターンが形成された基板とを備え、
    前記陽極電極パターンが、前記基板の一方面の領域において、前記陽極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部と前記陰極ランドパターンに対応する領域の少なくとも一部とを含む領域に一体的に形成されている、コンデンサ。
  2. 実装基板の接続端子に接続される、前記陽極ランドパターンの外部接続端子部と前記陰極ランドパターンの外部接続端子部とが交互に並んでいる、請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 複数の陽極部と、陰極部とを有するコンデンサ素子と、
    一方面に、前記各陽極部に接続される複数の陽極電極パターン及び前記陰極部に接続される陰極電極パターンとが形成され、且つ、前記一方面に形成された前記各陽極電極パターン及び前記陰極電極パターンのそれぞれから、厚さ方向に沿って他方面まで延びる複数の導通路が形成された基板とを備え、
    前記陰極電極パターンの少なくとも一側には、前記陽極電極パターンが複数並列しており、これらの並列する前記陽極電極パターンに挟まれる領域には前記陰極電極パターンが形成されていない、コンデンサ。
  4. 前記基板の前記他方面には、前記導通路を介して前記陽極電極パターンに接続される陽極ランドパターンと、前記導通路を介して前記陰極電極パターンに接続される陰極ランドパターンとが形成されており、
    実装基板の接続端子に接続される、前記陽極ランドパターンの外部接続端子部と前記陰極ランドパターンの外部接続端子部とが交互に並んでいる、請求項3に記載のコンデンサ。
  5. 前記陽極電極パターンの形成領域には、前記陽極ランドパターンの前記外部接続端子部と前記陰極ランドパターンの前記外部接続端子部との並設方向に並ぶ複数の前記導通路が形成されており、且つ、前記陰極電極パターンの形成領域には、前記陽極電極パターンに形成された前記導通路と隣り合うように複数の前記導通路が形成されている、請求項2又は4に記載のコンデンサ。
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