JP2005187695A - 液体漂白性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 疎水性しみ汚れを除去する効果を有する水溶性ポリマーを、酸素系漂白剤を含む液体組成物中に、安定に配合することが可能な技術を提供する。好適には、疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白剤組成物、特に好適には、ポリエステル系繊維やアクリル系繊維等の疎水性繊維に付着した疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白性組成物を提供する。
【解決手段】(A)過酸化水素、(B)アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマー、及び(C)界面活性剤を含有することを特徴とする液体漂白性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は液体漂白性組成物に関する。
清潔に対する意識は年々高まる傾向にあり、漂白剤は広く消費者に受け入れられ、消費されるようになり、使用量は年々増加している。衣料用酸素系漂白剤は、白物ばかりでなく色柄物を含む幅広い衣料に使用できることから、毎日の洗濯に使用することを洗濯習慣とし、実行している消費者も少なくない。
また、消費者は従来から漂白剤の対象としてきた水溶性のしみだけでなく、洗剤で落とすべき疎水性しみ汚れ(親油性の汚れ;例えば、食べこぼしの油性汚れ、皮脂汚れ等)、も漂白剤の対象と考え、さらに、ホームクリーニングの増加に伴い、幅広い衣類材質に対して使用を試みている。
一方、洗濯機の大型化に伴う機械力の低下、浴比の低下、さらに洗濯ネット使用によって、機械力がかかりにくい状況で洗濯が行われる場合が増えている。
したがって、疎水的な汚れは落ちにくく、特に疎水的な繊維に付着した汚れはさらに通常の洗濯において満足のいくレベルまで落とすことは難しくなってきている。
この様に、特に汚れの落ちにくい疎水性繊維(例えばポリエステル繊維、アクリル繊維の1種以上を含む繊維等)の疎水性しみ汚れを落とす手段として、例えば、ソイルリースポリマー(SR剤)と呼ばれる水溶性高分子等の添加剤が挙げられ、過去に検討されてきた(例えば下記特許文献1〜7参照)。その例として、粒状洗剤を中心に、漂白剤を配合したものも開示されている(例えば特許文献3、4、6、7参照)。
特開平7−166192号公報 特開2001−303096号公報 特表2000−239365号公報 特表2000−26492号公報 特表2002−504948号公報 特開平9−169996号公報 特表平8−512347号公報
一方、液体タイプのものは溶けやすさ、直接汚れのついた衣料に塗布できること等の簡便性の点から、酸素系漂白剤の主流となっている。
液体製品で、漂白成分と、上述の様な疎水性しみ汚れ除去効果の高い水溶性ポリマーを配合することにより、疎水性繊維を含む幅広い用途において、油等の疎水性しみ汚れの性能向上が期待できる。
しかしながら、従来、そのような酸素系漂白剤と、水溶性ポリマーとを含有した液体タイプの例は開示されていない。
その理由として、液体の漂白剤に水溶性ポリマーを配合すると、水溶性ポリマーが、長期保存により、分解してしまうことが挙げられる。これに伴い、性能の低下が生じる。また、過酸化水素が水溶性ポリマーを分解することにより、過酸化水素自身も分解し、これにより貯蔵容器が膨らんでしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、疎水性しみ汚れを除去する効果を有する水溶性ポリマーを、酸素系漂白剤を含む液体組成物中に、安定に配合することが可能な技術を提供することを課題とする。
そして、好適には、疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白剤組成物、特に好適には、ポリエステル系繊維やアクリル系繊維等の疎水性繊維に付着した疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、特定の水溶性ポリマーを用いることにより解決できることを見出し、本発明を完成させた。
第1の発明は、(A)過酸化水素、(B)アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマー、及び(C)界面活性剤を含有することを特徴とする液体漂白性組成物である。
第2の発明は、25℃でのpHが4〜8である前記第1の発明の液体漂白性組成物である。
第3の発明は、前記(B)成分の重量平均分子量が500〜8000である前記第1の発明または第2の発明の液体漂白性組成物である。
第4の発明は、さらに、(D)ホスホン酸系金属補足剤及び/または(E)フェノール系ラジカルトラップ剤を含有する前記第1〜3のいずれかの発明の液体漂白性組成物である。
第5の発明は、ポリエステル系繊維及び/又はアクリル系繊維を含有する疎水性繊維用である前記第1〜4のいずれかの発明の液体漂白性組成物である。
本発明においては、疎水性しみ汚れを除去する効果を有する水溶性ポリマーを、酸素系漂白剤を含む液体組成物中に、安定に配合することが可能な技術を提供できる。
そして、好適には、疎水性しみ汚れの除去に優れた、液体漂白剤組成物、特に好適には、ポリエステル系繊維やアクリル系繊維等の疎水性繊維に付着した疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白性組成物を提供できる。
以下本発明について詳細に説明する。なお、以下に説明する「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキレン基」等の炭化水素基は、特に明示がない限り、直鎖または分岐鎖のいずれでもよいものである。
◆(A)過酸化水素
本発明の液体漂白性組成物においては、(A)成分を必須とする。これにより酸素系の液体漂白剤組成物が得られる。
(A)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量(容器質量は除く、以下同様)に対して0.1〜10質量%が好適であり、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは2〜6質量%である。(A)成分の配合量が少なすぎると、充分な漂白性能が得られない場合があり、また多すぎると例えば家庭用として使用し難くなる場合がある。
◆(B)アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマー
(B)成分を配合することにより、疎水性しみ汚れの除去に優れた液体漂白性組成物が得られる。そして、疎水性繊維(例えばポリエステル繊維及び/又はアクリル繊維等を含む疎水性繊維)の疎水性しみ汚れについての漂白洗浄性能が向上する。
さらに驚くべきことに、当該(B)成分を配合すると、液体漂白性組成物の粘度は、温度変化によって左右されにくい。これは、エタノールなどの一般的なハイドロトロープ剤にはない新たな特徴である。そのため、(B)成分は、好適には、粘度調整作用としての機能も有しており、液体漂白性組成物の減粘作用を有する。
この様に、(B)成分の作用によって温度に対する粘度が安定であるので、環境温度が変化してもハンドリング性に変化が生じず、好ましい。
(B)成分は1種または2種以上混合して用いることができる。
ここで、「アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する」とは、(b1)アルキレンテレフタレート単位とイソフタレート単位の一方あるいは両方を有し、かつ、(b2)オキシアルキレン単位とポリオキシアルキレン単位の一方あるいは両方を有すること示す。
なお、アルキレンテレフタレート単位とイソフタレート単位は通常混合物で得られる。
ここで、「単位」とは重合体を構成するモノマー単位を示す。
(B)成分は、これら必須の(b1)単位、(b2)単位以外の単位(例えば重合開始剤、重合停止剤等に由来する単位や、その他共重合可能な単位)を含んでいてもよいが、これら必須の単位によって、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が形成されていることが好ましい。
水溶性ポリマーとは、例えば、40℃の条件で、1000gの水に10gの高分子を添加、12時間、スターラー(太さ8mm、長さ50mm、1Lビーカー)で200rpm攪拌したとき、溶解するものと定義する。
当該(B)成分は、例えば(b1)単位と、(b2)単位が、ランダムまたはブロックで重合している高分子化合物であることが好ましく、特にブロックで重合しているものが好ましい。
・(b1)単位
アルキレンテレフタレート単位は、下記一般式で表されるものである。
Figure 2005187695
(Rは低級アルキレン基である。)
式中、Rは低級アルキレン基であるが、例えば炭素数4以下、特に2〜4であることが好ましい。
アルキレンテレフタレート単位としては、具体的には、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、n-ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等から1種または2種以上を用いることができ、中でもプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
アルキレンイソフタレート単位は、下記一般式で表されるものである。
Figure 2005187695
(Rは低級アルキレン基である。)
式中、Rは低級アルキレン基であるが、例えば炭素数4以下、特に2〜4であることが好ましい。
アルキレンイソフタレート単位としては、具体的には、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n-ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位、及びこれらの混合物が挙げられ、中でもプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
(B)成分中、(b1)単位から選ばれるものは、1種または2種以上含まれても良い。
・(b2)単位
オキシアルキレン単位とポリオキシアルキレン単位は、まとめて一般式−(R’O)n−で表すことができる。式中、R’は低級アルキレン基であり、その炭素数は例えば4以下であることが好ましい。nは1以上の整数である。
すなわち、オキシアルキレン単位はnが1の場合であり、ポリオキシアルキレン単位はnが2以上の場合である。
オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位としては、nが1以上(nは、好ましくは5〜150、さらに好ましくは10〜100)のオキシアルキレン単位又はポリオキシアルキレン単位が好ましく、例えばオキシエチレン単位又はポリオキシエチレン単位;オキシプロピレン単位又はポリオキシプロピレン単位;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位等が挙げられるが、オキシエチレン単位又はポリオキシエチレン単位が好ましい。
(B)成分中、(b2)単位から選ばれるものは1種または2種以上含まれていてもよい。
また、(B)成分は、重量平均分子量が500以上のもの、好ましくは、800以上のもの、特に好ましくは1000以上のものが好ましい。一方重量平均分子量の上限値は8000以下、好ましくは7000以下、特に6000以下が好ましい。
ここで重量平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で溶媒をTHF(テトラヒドロフラン)で測定したとき、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用い換算したときの値である。
この重量平均分子量の範囲で用いると、水への溶解分散性を向上させることができ、かつ
疎水性繊維の疎水性しみ汚れの塗布漂白洗浄性能が十分に発現し、しかも漂白組成物の液外観が良好で実使用上好ましい。
(B)成分の製造方法は、各種の文献、教科書及び特許等に開示されている。
例えば、Journalof Polymer Science,第3巻,609〜630ページ(1948年)、Journal ofPolymer Science,第8巻,1〜22ページ(1951年)、特開昭61−218699号公報記載の方法を用いてもよく、それ以外の方法を用いて製造してもよい。
(B)成分の具体的例としては、商品名TexCareSRN−100(ドイツ、Clariant GmbH社製、重量平均分子量 3000)(以下、SRN−100と略記する。)、商品名TexCareSRN−300(ドイツ、ClariantGmbH社製、重量平均分子量 7000)(以下、SRN−300と略記する。)、として市販されているものが挙げられる。特に好ましいのはTexCareSRN−100(ドイツ、Clariant GmbH社製)である。その理由は、水への溶解性が高く、したがって透明感の高い液体漂白性組成物が得られるからである。
以下に、上記SRN−100、SRN−300に対応する、(B)成分として好適なものの、具体的な構造を下記一般式で示す。なお、以下の一般式はテレフタレートであるが、イソフタレートとの混合物でも良い。
Figure 2005187695
当該一般式において、A、Bは、水素原子もしくはメチル基であるが、好ましくはメチル基が好ましい。
は、炭素数2〜4のアルキレン基である。
yは、1〜100、好ましくは1〜80、特に好ましくは1〜50である。
は、メチル基及び/または水素原子であるが、好ましくはメチル基が良い。
また、上記一般式において、Xの部分構造のうち、下記の構造のものが含まれても良い。
Figure 2005187695
式中 Xは、上記ふたつの一般式に共通して、0〜10,好ましくは0.5〜5、特に好ましくは0.5〜2.5である。
X,Yがこの範囲であると、性能が十分に発揮され、かつ水に対する溶解性が向上し、透明感の高い液体漂白性組成物が得られる。
一般的な高分子は増粘する傾向があるが、上述の様に(B)成分、特に、製品名TexCareSRN−100(ドイツ、Clariant GmbH社製)は、粘度調整剤としての機能を有しており、液体漂白性組成物の減粘作用を有する。
(B)成分は、液体漂白性組成物中に0.1〜3質量%、好ましくは0.2〜2質量%の範囲で用いることが好ましい。この範囲外では性能が十分に発現しないか、コストの問題で好ましくない場合がある。
◆(C)界面活性剤
(C)成分を配合することにより、漂白洗浄効果を向上させることができる。また、好適には粘度調整剤としても機能する。
(C)成分は1種又は2種以上混合して用いることができる。
(C)成分としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種または2種以上が用いられる。
これらの界面活性剤の中でも、炭素数8〜24、特に10〜20のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有する界面活性剤;炭素数8〜24、特に10〜20のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有する界面活性剤を用いるのが好ましい。
上記アルキル基としては、例えばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
また、アルケニル基としては、上記アルキル基に対応するアルケニル基が挙げられ、例えばデセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基等が挙げられる。
・ノニオン界面活性剤
(C)成分のうち、ノニオン界面活性剤として、より具体的には、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、脂肪酸モノグリセライド、アミンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、特にポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、特に好ましいものは、下記一般式(1)で示される化合物である。
11−O−(CHCHO)nav−H・・・(1)
(式中、R11は炭素数7〜16のアルキル基又はアルケニル基を示し、navはエチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数を示す。)
ここで当該一般式(1)において、R11で示されるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は7〜16であり、好ましくは10〜16、より好ましくは12〜14である。具体的なアルキル基としては、例えばヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等を挙げることができる。
また、アルケニル基としては、上記アルキル基に対応するアルケニル基が挙げられ、例えば、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、R11が異なる化合物混合物であってもよく、例えば2種類以上のアルコールにエチレンオキサイドを付加させたものでもよい。
上記一般式(1)において、エチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数navは3〜15、好ましくは3〜6が好適である。
ここで、navは使用するアルコール1モルに対して反応させたエチレンオキサイドのモル数を意味する。navがこの範囲内にあれば油シミ(疎水性しみ汚れ)に対する良好な漂白効果が得られ好ましい。
ここで、エチレンオキサイド鎖を有するノニオン界面活性剤の場合、エチレンオキサイドの付加反応によって、通常、平均付加モル数を中心として、付加モル数の異なる分布を有するノニオン界面活性剤が得られる。
エチレンオキサイド(EO)の平均付加モル数navが3〜15、特に3〜6の場合、上記一般式(1)におけるエチレンオキサイドの付加モル数の分布がシャープなノニオン界面活性剤(上記一般式(1)のノニオン界面活性剤の合計質量に対する、nav−2からnav+2の範囲に含まれる式(1)のノニオン界面活性剤の合計質量(Yi)が55質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上)を用いると、製品の香気が良好である。
このようなエチレンオキサイドの付加モル数の分布がシャープなノニオン界面活性剤の製造方法は特に限定されるものでなく、例えば、高級アルコールとエチレンオキサイドから常法により合成した反応生成物から蒸留等により必要分子量範囲のものを分取することにより得られる。
また、例えば、特定のアルコキシル化触媒を使用して脂肪族アルコール等にエチレンオキサイドを付加反応させることによって容易に得ることができる。
この場合、アルコキシル化触媒としては、例えば特公平6−15038号公報に記載されているアルコキシル化触媒を使用することができる。具体的には、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等を使用することができる。
なお、上記一般式(1)で示されるノニオン界面活性剤におけるエチレンオキサイド付加分布は、例えばカラムに製品名ZORBAXC8(デュポン製)、移動相にアセトニトリルと水の混合溶媒を使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって容易に測定することができる。
更に、これらのノニオン界面活性剤の中でも疎水性パラメーターlogP値が2.0〜5.0であるものが、性能面において特に高い効果を有しているので、より好ましい。
logP値が2.0〜5.0であるノニオン界面活性剤の具体例を挙げると、上記式(1)において、R11=C1225,nav=5(logP=3.29)、R11=C1429,nav=5(logP=4.08)、R11=C1225,nav=10(logP=4.12)、R11=C1225,nav=15(logP=4.94)である化合物等が挙げられる。
更に、logP値が2.5〜4.5のノニオン界面活性剤を使用すると、適度な粘度を発現し、例えば詰め替え時の液はねが低減されるため、更に好ましい。
なお、ここで言う疎水性パラメーターとは、対象とする化合物の性質を示すパラメーターとして一般的に用いられている。logP値におけるP(分配係数)は、水とオクタノールとの間における平衡状態での物質の活動度の比としてP=Co/Cwとして表される(ここでCoはオクタノール中の濃度、Cwは水中の濃度である)。疎水性パラメーターについての詳細は例えば科学の領域増刊号122号(1979年)、第73頁に記載されている。
分配係数の測定方法としては、Flask Shaking法や薄層クロマトグラフ法、HPLCによる測定法が知られているが、Ghose,Pritchett,Crippenらのパラメーターを用いて計算によって算出することもできる。(J.Comp.Chem.,9,80(1998))
・アニオン界面活性剤
(C)成分のうち、アニオン界面活性剤として、より具体的には、例えばアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖、または分岐のアルキル硫酸エステル塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;高級脂肪酸塩等が挙げられる。
なお、これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、炭素数8〜16のものが好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドを付加したのものが好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
高級脂肪酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アニオン界面活性剤として、特に上記炭素数(8〜24、好ましくは10〜20)のアルキル基やアルケニル基を有するものを使用すると、(B)成分と(C)成分を充分に可溶化でき、液が分離や白濁を示さない液体漂白性組成物をより容易に得ることができる。
・カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩であれば何れのものであっても使用できる。
例えば、ジアルキル型第4級アンモニウム塩の場合は、長鎖アルキル基の炭素数は6〜24、特に10〜20が好ましく、短鎖アルキル基の炭素数は1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基が好ましい。
・両性界面活性剤
両性界面活性剤としては、例えばカルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等を挙げることができ、炭素数は10〜20が好ましい。
本発明の液体漂白性組成物においては、上記一般式(1)で示されるノニオン界面活性剤やアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤を含有するのが好ましく、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を含有するのがより好ましい。
これらの界面活性剤を使用することにより、(B)成分を安定に可溶化し、液の分離や白濁をより有効に防止することができる。更に被洗物への浸透性が良好で、より高い漂白性能を得ることができる。
特に、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤(特にアルキルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸系アニオン)を併用すると、特に良好な粘度に調整できるので、特に好ましい。
(C)成分の配合量は特に制限されるものではないが、通常、液体漂白性組成物全量に対して0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%含有すると好適である。配合量が少なすぎると、性能面で充分な効果が得られない場合があり、多すぎると、コストや安定性に問題が生じる場合がある。
◆(D)ホスホン酸系金属補足成分
本発明の液体漂白性組成物において、(D)成分は必須ではないが、(D)成分を配合することにより、(A)、(B)成分の分解を抑制するという効果が得られる。
(D)成分は1種または2種以上混合して用いることができる。
(D)成分である、「ホスホン酸系金属補足成分」は、(A)、(B)成分の分解を抑制する効果がある。すなわち、組成物中に微量の鉄イオン、又は銅イオンが存在すると、漂白性組成物の安定性が低下し、(A)、(B)成分が分解する。その結果、(B)成分の性能低下や(A)成分の分解により、ガス発生量が増加し容器の膨らみや亀裂などを引き起こす可能性がある。これら金属イオンの影響を抑制するには、キレート効率の指標として、一般的に用いられているキレート安定度定の対数値(log K)の値が多いほど良いといえる。つまり、(D)成分は、ホスホン構造を有し、Fe3+,Cu2+に対するキレート安定度定数の対数値(log K)がそれぞれ10以上であり、好ましくは12以上である。
(D)成分としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体が挙げられる。
これらの中でも特に1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸などがより好ましい。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の主な市販品としては、例えばオルブライトウィルソン社の製品名BRIQUEST ADPA、キレスト社の製品名キレストPH−210、モンサント社の製品名DEQUEST 2010等が挙げられる。これらの何れを使用しても同様の効果が得られる。
(D)成分は、液体漂白性組成物中に0.05〜3質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%含有すると好適である。この範囲であると液外観も良好であり、漂白性組成物の安定性、漂白成分の安定性も良好である。
◆(E)フェノール系ラジカルトラップ剤
本発明の液体漂白性組成物において、(E)成分は必須ではないが、(E)成分を配合することにより、(B)成分の分解を抑制するという効果が得られる。また、これにより、(A)成分の分解も抑制される。これは、フェノール系ラジカルトラップ剤は、他のラジカルトラップ剤よりラジカルをトラップする効果が高いためであると推測される。
(E)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
(E)成分である「フェノール系ラジカルトラップ剤」は、フェノール及びフェノール誘導体であって、フェノール性OH基を有することにより、ラジカルをトラップする作用を有するものである。
(E)成分としては、フェノール性OH基を有する化合物、又はフェノール性OH基のエステル誘導体、エーテル誘導体が好ましい。フェノール性OH基のエステル誘導体とは、当該OH基の水素が、置換されて、エステル結合を形成しているものである。フェノール性OH基のエーテル誘導体とは、当該OH基の水素が置換されてエーテル結合を形成しているものである。
なお、フェニル基がOH基以外の置換基を有する場合、その置換位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。
これらの中でも、フェノール性OH基を有する化合物がより好ましい。
そして、例えば分子量80〜250のものが好ましい。
これらの中でも更に好ましい化合物は、G.E.Penketh,J.Appl.Chem,7,512(1957)に記載された酸化還元電位(O.P.)0が1.25V以下の化合物であり、特に好ましくは、0.75V以下の化合物である。
これらの化合物の中でも、好ましくはジメトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等を挙げることができ、これらの中でも特に好ましくは4−メトキシフェノールが挙げられる。
以下に、本発明の(E)成分の具体例として、代表的な化合物の構造式を示す。なお、式中に示してあるMeは、メチル基を、Etはエチル基を示す。
Figure 2005187695
Figure 2005187695
Figure 2005187695
(E)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、通常、0.01〜6質量%が好適であり、より好ましくは0.05〜5質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。0.1質量%未満では(B)成分の分解を抑制するには不充分であり、また、過酸化水素の分解を防止するにも不充分であるおそれがある。また、6質量%を超えると製剤の安定性が不充分となる場合があり、結晶の析出や液の分離が生じる恐れがある。
なお、(D)成分と(E)成分は、いずれも(B)成分の分解や、(A)成分の分解を抑制するものであるので、その効果の点ではいずれか一方を配合すればよいが、両方を配合することが好ましい。
◆その他の任意成分
液体漂白性組成物には、例えば以下に示す様な、その他の任意成分を適宜配合可能である。
・有機過酸前駆体
有機過酸前駆体を配合すると、さらに漂白効果を向上させることができる。
有機過酸前駆体の代表例としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等を挙げることができる。これらの中でも特にノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸等がより好ましい。
・ハイドロトロープ剤
ハイドロトロープ剤を用いると香料等の各種成分を安定配合することができる。
具体的には、エタノール、イソプロパノール、フェニルポリオキシエチレンアルコール等の1価のアルコール類や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等を挙げることができる。
・香料
本発明の液体漂白性組成物には、更に香料を配合することもでき、香料としては、通常、下記香料原料を複数組み合わせ配合した香料組成物が好適に使用される。当該香料組成物の配合量は、組成物全量に対して0.001〜20質量%が好適であり、より好ましくは、0.01〜10質量%配合される。
香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)及び「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)及び「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)及び「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)及び「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
液体漂白性組成物には、その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウムなどの無機塩類や、シリコーン類、殺菌剤、蛍光染料、酵素等の、一般に液体洗浄剤組成物や液体漂白剤組成物に配合される成分であれば必要に応じて配合することができる。
◆25℃でのpHが4〜8であること
液体漂白性組成物のpHは、25℃でのpHを4〜8に調整するのが好ましく、さらにpH5〜7に調整するのがより好ましい。pHをこの範囲に規定することにより、より安定でしかも疎水性繊維の疎水性しみ汚れ(油性よごれ)の漂白洗浄性能の性能が得られる。
pHの調整は、酸性物質、アルカリ性物質を適宜選択し、適量添加することにより行うことができる。
酸性物質としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、ホスホン酸誘導体等の有機酸が好適なものとして挙げられる。アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等が好適なものとして挙げられる。
◆製造方法
本発明の液体漂白性組成物の製造方法は常法が適用可能である。例えば、上記必須とする材料と適宜選択される好ましい材料や任意成分等を、適度な濃度になる様に水に溶解して混合するとともに、上述の様に酸性物質やアルカリ性物質を用いてpHを調整することにより、製造することができる。そして、適当な容器に収納して製品とする。
◆収納容器
液体漂白性組成物を収納する容器としては、特に限定することはなく、一般的に用いられている容器に収納することができる。
例えば、計量キャップを備えたノズル型容器や中栓型容器、自動計量機構または簡易計量機構を備えたスクイズ容器やポンプ容器、液を吹きかけるあるいは泡状に塗布するトリガー容器やスクイズ容器、液を塗りつける塗布面を持った塗布容器、詰め替え容器(パウチ、薄肉ボトル、付け替えボトル等)等が挙げられる。
本発明における液体漂白性組成物を収納する容器は特に規定しないが、過酸化水素製剤を収納する容器として好ましい容器が、例えば特開2003−338997号公報、特開平11−100594号公報等に提示されている。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また特に断りがないときは「%」は質量%である。
[実施例1〜19及び比較例1〜6]
下記表1、表2、表3の組成となるように、液体漂白性組成物を常法に準じて調製し、実施例1〜19及び比較例1〜7の液体漂白性組成物を得た。なお(E)成分については上記[化5]に記載の記号で示した。
Figure 2005187695
Figure 2005187695
Figure 2005187695
表1、2、3中の*1〜15は、下記の通りである。
*1 三菱瓦斯化学社製 35%水溶液
*2 クラリアント社製 100% 上記SRN-300
*3 クラリアント社製 100% 上記SRN-100
* 4、5 ノニオン界面活性剤(ライオン(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、Yiは、上記一般式(1)のノニオン界面活性剤の合計質量に対するnav−2からnav+2範囲に含まれるノニオン界面活性剤の合計質量の割合である。
ノニオン界面活性剤*4:Yi=84(%)、アルキル基;C12、EO平均付加モル数=5
ノニオン界面活性剤*5:Yi=40(%)、アルキル基;C12/14:7/3、EO平均付加モル数=6
*6 炭素数10〜14アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製)
* 7 炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(リポランLB−440:ライオン社製)40%品
* 8 ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン合成品)特開平06−316700号公報に記載 された漂白活性化剤(I−3)における合成方法に準じて製造した。
*9 フェニルポリオキシエチレンアルコール(EO2モル)(サンファインPH−20:三洋化成社製)
* 10 四ホウ酸ナトリウム十水和物(BORAX;BORAX社製)
*11 ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(BRIQUEST ADPA;オルブライトウィルソン社製)60%品
*12 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(DEQUEST 2010;モンサント社製)60%品
* 13 エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸(BRIQUEST 422;オルブライトウィルソン社製)60%品
*香料成分:特開2003ー268398号公報、表7〜14に記載の香料組成物A〜D
これらについて、下記の洗浄性能評価法、液外観の評価に従って評価を行った。
結果を表1、表2、表3にあわせて示した。
[洗浄性能評価法]
疎水性汚れの一つとして皮脂汚れモデルを選択した。
1)汚垢布の調製
人体から分泌される皮脂のモデルとして、オレイン酸/トリオレインモデル汚垢布を採用した。
オレイン酸0.5g、トリオレイン0.5gをクロロホルム15gに溶かし、洗浄のインジケーターとしてカーボンを0.01g添加し、良く分散させた。この分散液0.01mLをポリエステル布(ポリエステルトロピカル布、5cm×5cm)に裁断した清浄布に滴下して風乾し、汚垢布を作成した。
2)洗浄方法
液体漂白性組成物を皮脂汚れモデル汚垢布5枚に0.12mLずつ塗布し、5分間放置した後、製品名Terg−O−Tometer(U.S.Testing社製)(120rpm,25℃、4°DH水道水、浴比30、洗剤なし)で10分間、洗浄、次いで1分間脱水し、2分間流水すすぎを行ない、1分間脱水した。
洗浄後の汚染布をアイロンで乾燥後、反射率系(日本電色社製Σ90)を用いて下記数式1で表されるクベルカムンク式により洗浄率を求めた。なお、洗浄力の評価は、試験布5枚の平均値で行った。
Figure 2005187695
洗浄性能の評価基準は以下の様にした。
すなわち、上記洗浄率(%)を算出後、以下の判定基準で性能を評価した。
◎:76〜100
○:51〜75
△:26〜50
×:0〜25
[液外観評価法]
以下の判定基準で、各液体漂白性組成物を作製して1日後の液の外観を評価した。
<判定基準>
○:変化なし
△:微濁
×:分離又は白濁
[安定性試験]
実施例10〜19の液体漂白性組成物を、図1、表4に示す容器に500mL充填し、キャップを硬く閉め、50℃の恒温室に1ヵ月放置し、容器の膨らみを目視判定した。保存後、前記の性能評価を同様に行った。評価基準は下記の通りとした。
◎:膨らみは認められない、
○:胴部が若干膨らむ、
△:胴部が明らかに膨らみさわるとぐらつく、
×:底部が飛び出る
Figure 2005187695
なお、図1に記載の符号は、表4の説明に対応している。図1、表4に示した容器は、ボトル本体3の上方開口部に、計量キャップ2を備えたノズルキャップ5がかぶせられ、前記本体ボトル3と一体化されたものである。
表4には、本体ボトル3、ノズルキャップ5、計量キャップ2の材料が記載されている。また、容器胴部(本体ボトル3)の平均肉厚が記載されている。また、本体ボトル3の底部(容器底部)には、本体ボトル3の内側に突出する窪みが設けられており、表4にはその窪みの深さが記載されている。
結果を表3にあわせて示した。
表1〜3に示した結果より、実施例1〜9に示すように、本発明に係る実施例の液体漂白性組成物の保存前の漂白洗浄力は良好であった。したがって、本発明に係る実施例では、疎水性繊維の疎水性しみ汚れの漂白洗浄性能が格段に向上することがわかった。
さらに実施例10〜19に示すように、本発明に係る実施例の液体漂白性組成物は、高温下で長期間保存しても性能が低下せず、またボトルの膨らみを引き起こさない、安定性の良好な液体漂白性組成物であることが認められた。
これに対して、比較例1〜6に示す様に、比較例の液体漂白性組成物は、製造直後も保存後も性能が悪いものであった。
ついで、本発明の液体漂白性組成物が、温度条件が変化しても粘度が変動しにくいことを示すため、代表的な組成である実施例12の液体漂白性組成物について、以下の粘度試験を行った。また、比較のため、比較例5の液体漂白性組成物についても同様の試験を行った。
[粘度試験]
300mLのトールビーカーに配合した組成物を300mL入れ、各温度に調温し、それぞれB型粘度計、NO.1ローター、60rpm、ガードを装着したときの粘度を測定した。
結果を下記表5及び図2に示す。温度変化によって、粘度の変化が小さい組成物であることが確認できた。なお他の実施例も同様な傾向であった。
Figure 2005187695
実施例で用いた容器の説明図である。 粘度試験の結果を示したグラフである。
符号の説明
3・・・ボトル本体、2・・・計量キャップ、5・・・ノズルキャップ

Claims (5)

  1. (A)過酸化水素、
    (B)アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位とを有する水溶性ポリマー、及び
    (C)界面活性剤を含有することを特徴とする液体漂白性組成物。
  2. 25℃でのpHが4〜8である請求項1に記載の液体漂白性組成物。
  3. 前記(B)成分の重量平均分子量が500〜8000である請求項1または2に記載の液体漂白性組成物。
  4. さらに、(D)ホスホン酸系金属補足剤及び/または(E)フェノール系ラジカルトラップ剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の液体漂白性組成物。
  5. ポリエステル系繊維及び/又はアクリル系繊維を含有する疎水性繊維用である請求項1〜4のいずれかに記載の液体漂白性組成物。

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