JP6101570B2 - 洗浄剤 - Google Patents
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Description
例えば、漂白剤とゼオライトと珪酸と特定の分子量のカルボン酸ポリマーとを含有し、特定のpHである洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、エチレンオキシテレフタレート単位とポリエチレンオキシテレフタレート単位とを含む汚れ剥離重合体、及び水溶性第4級アンモニウム界面活性剤を含む洗濯洗剤が提案されている(例えば、特許文献2)。
あるいは、特定の非イオン多糖エーテルと、少なくとも1個のオキシアルキレン単位を含む防汚剤とを含む洗剤組成物が提案されている(例えば、特許文献3)。
そこで、本発明は、泥汚れに対する洗浄力をより高められる洗浄剤を目的とする。
前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は0.1〜70であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤は、(A)成分:高度分岐環状デキストリンと、(B)成分:アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位を有し、かつ(ポリ)オキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマーとを含有する。
洗浄剤の剤形は、液体でもよいし、粒状、シート状、タブレット状等の固体でもよい。
液体の洗浄剤(以下、液体洗浄剤ということがある)の場合、pH2〜7が好ましく、pH3〜6がより好ましい。pHが上記範囲内であれば、(B)成分の分解を良好に防ぎ、洗浄剤の安定性が高まる。
pHは、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM−30G」)等により、25℃で測定される値である。
液体洗浄剤の粘度は、特に限定されず、9〜300mPa・sが好ましい。上記範囲内であれば、洗浄剤を計量する際の取り扱いが良好である。
粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)により測定される値(測定条件:ロータNo.2、回転数30rpm、10回転後の粘度)である。
粒状洗浄剤の平均粒子径は、例えば、200〜1500μmが好ましく、250〜1000μmがより好ましい。平均粒子径が200μm以上であれば、使用時の粉立ちが抑制される。一方、1500μm以下であれば、水への溶解性が高まる。
粒状洗浄剤の平均粒子径は、質量基準のメジアン径である。
(A)成分は高度分岐環状デキストリンである。洗浄剤は、(A)成分を含有することで、泥汚れに対する洗浄力をより高められる。
(A)成分は、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有するグルカンである。内分岐環状構造部分は、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状のグルカン鎖であり、外分岐構造部分は、内分岐環状構造部分に結合した非環状のグルカン鎖で構成される。このような(A)成分は、クラスターデキストリンとも呼ばれる。
(A)成分は、分子内に内分岐環状構造部分を1つ有し、この内分岐環状構造部分に多数の非環状のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のものを主に含む。
(A)成分の分子量は、例えば、3万〜100万が好ましい。
(A)成分の内分岐環状構造部分の重合度は、例えば、10〜100が好ましい。
(A)成分の外分岐構造部分の重合度は、例えば、40以上が好ましい。
(A)成分の外分岐構造部分を構成する各グルカン鎖の重合度は、例えば、平均で10〜20が好ましい。
原料であるデンプンは、グルコースがα−1,4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって分岐した構造をもつアミロペクチンとからなる。アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。
ブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
(A)成分としては、特開平8−134104号公報に記載された、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有し、重合度が50〜10000の範囲にあるグルカンが挙げられる。(A)成分は、上記の通り特定の構造を有し、かつ重合度(分子量)が大きいものであり、α−シクロデキストリン(グルコース単位=6)、β−シクロデキストリン(グルコース単位=7)、γ−シクロデキストリン(グルコース単位=8)等、グルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンとは異なる。
(A)成分としては、クラスターデキストリン(登録商標、グリコ栄養食品株式会社製)が挙げられる。
(B)成分は、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(以下、(b1)単位ということがある)を有し、かつ(ポリ)オキシアルキレン単位(以下、(b2)単位ということがある)を有する水溶性ポリマーである。洗浄剤は、(B)成分を含有することで、泥汚れに対する洗浄力を発揮できる。
水溶性とは、1Lビーカー中の1000gの水に10gの試料を加え、12時間、スターラー(太さ:8mm、長さ50mm)で攪拌(200rpm)した場合に、溶解するものである。
アルキレンテレフタレート単位は、下記一般式(b1−1)で表され、アルキレンイソフタレート単位は、下記一般式(b1−2)で表される。
アルキレンテレフタレート単位としては、例えば、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられ、中でも、プロピレンテレフタレート単位が好ましい。
(B)成分は、これらのアルキレンテレフタレート単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
アルキレンイソフタレート単位としては、例えば、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられ、中でもプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
(B)成分は、これらのアルキレンイソフタレート単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
(b2)単位は、下記一般式(b2−1)で表される。
nは、1以上の数である。
(b2)単位としては、(ポリ)オキシエチレン単位、(ポリ)オキシプロピレン単位、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン単位等が挙げられ、中でも、(ポリ)オキシエチレン単位が好ましい。
(B)成分は、これらの(b2)単位を1種単独で有してもよいし、2種以上を有してもよい。
(B)成分は、(b1)単位及び(b2)単位以外の単位(例えば、重合開始剤、重合停止剤等に由来する単位、その他、(b1)単位又は(b2)単位と重合可能な単位)を含んでいてもよい。ただし、(B)成分における(b1)単位と(b2)単位との合計は80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
(B)成分の重量平均分子量の上限値は、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、7000以下がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、水への分散性を高められる。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として測定し、ポリエチレングリコール(PEG)を較正曲線に用い換算した値である。
SRN−100、SRN−300に対応する(B)成分としては、例えば、下記一般式(B1)で表されるポリマーが挙げられる。
R11は、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基である。
yは、(R11O)の平均繰り返し数を表す数であり、1〜100が好ましく、1〜80がより好ましく、1〜50がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、水への溶解性がより高まり、泥汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
R12は、メチル基又は水素原子であり、メチル基が好ましい。
xは、構成単位の平均繰り返し数を表す数であり、0〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜2.5がさらに好ましい。上記上限値以下であれば、水への溶解性がより高まり、泥汚れに対する洗浄力のさらなる向上を図れる。
(B1)式において、xが付された構成単位には、下記一般式(b1−3)で表される構造が含まれてもよい。
zは、0〜10であることが好ましく、0.5〜5がより好ましく、特に0.5〜2.5が好ましい。
(A)成分+2×(B)成分≦25 ・・・(i)
液体洗浄剤は、(A)〜(B)成分以外に、界面活性剤、漂白成分、金属捕捉成分、フェノール系ラジカルトラップ剤、香料組成物、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、ホウ酸化合物、溶媒等を任意成分として含有してもよい。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等、従来公知の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
mはオキシエチレン基の平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を示す2〜15の数である。mが2未満では、ノニオン界面活性剤としての機能が低下するおそれがある。mが上記範囲内であれば、油汚れに対する洗浄力や、液体洗浄剤の塗布洗浄力をより高められる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有するものが好ましく、2級アルカンスルホン酸塩がより好ましい。
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩が好ましい。
アニオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
洗浄剤中、ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、剤形等を勘案して決定される。例えば、液体洗浄剤中のノニオン界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.3〜3質量%がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、液体洗浄剤の粘度が過度に低下するのを抑制でき、上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の粘度が過度に増加するのを抑制できる。
洗浄剤は、漂白成分を含有することで、漂白機能、消臭機能、塗布洗浄力を高められる。
漂白成分としては、例えば、過酸化水素又は水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物等が挙げられる。液体洗浄剤には、漂白成分として過酸化水素が用いられ、固体洗浄剤には、漂白成分として水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物が用いられる。
水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物等が挙げられ、使用時の溶解性や貯蔵時の安定性を考慮すると、過炭酸ナトリウムが好ましい。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
固体洗浄剤中の漂白成分の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば、殺菌効果が発揮されやすい。上記上限値超では、洗浄力が低下することがある。
液体洗浄剤中の漂白成分の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば、高い漂白効果が得られる。上記上限値以下であれば、漂白成分の安定性を高められる。従って、液体洗浄剤を容器等に入れて保存した場合に、容器が膨張するのを抑制でき、保存安定性が良好となる。
洗浄剤は、ホスホン酸系金属捕捉剤等の金属捕捉成分を含有することで、例えば、過酸化水素の分解を抑制できる。かかる理由は以下のように考えられる。
液体洗浄剤中に微量の鉄イオン又は銅イオンが存在すると、液体洗浄剤の安定性が低下し、過酸化水素は分解しやすくなる。その結果、ガス発生量が増加し容器の膨らみや亀裂等を引き起こす可能性がある。
金属イオン捕捉成分としては、ホスホン酸系金属捕捉剤が好ましい。金属イオンの影響を抑制するには、キレート効率の指標として、一般的に用いられているキレート安定度定数Kの対数値(logK)の値が多いものほどよいといえる。従って、ホスホン酸系金属捕捉剤としては、ホスホン構造を有し、Fe3+、Cu2+に対するキレート安定度定数の対数値(logK)がそれぞれ10以上であるものが好ましく、12以上であるものがより好ましい。
ホスホン酸系金属捕捉剤としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体が挙げられる。中でも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸がより好ましい。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸の主な市販品としては、例えばローディア社製の「BRIQUEST ADPA」、キレスト社製の「キレストPH−210」、モンサント社製の「DEQUEST 2010」等が挙げられる。これらのいずれを使用しても同様の効果が得られる。
これらのホスホン酸系金属捕捉剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。また、洗浄剤は、ホスホン酸系金属捕捉剤以外の金属捕捉成分を含有してもよい。
液体洗浄剤中の金属捕捉成分の含有量は、0.05〜3質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.3〜3質量%がさらに好ましい。上記範囲内であると、液外観も良好であり、液体洗浄剤の安定性、漂白成分の安定性も良好である。
フェノール系ラジカルトラップ剤は、ラジカルをトラップする作用を有するものである。フェノール系ラジカルトラップ剤を配合することにより、過酸化水素の分解も抑制される。これは、フェノール系ラジカルトラップ剤は、他のラジカルトラップ剤よりラジカルをトラップする効果が高いためであると推測される。
フェノール系ラジカルトラップ剤としては、フェノール性水酸基(OH基)を有する化合物(フェノール化合物)、又はそのエステル誘導体、エーテル誘導体が好ましい。
フェノール化合物のエステル誘導体とは、フェノール化合物におけるフェノール性OH基の水素原子が置換されてエステル結合を形成している化合物(エステル化OH基を有する化合物)である。
フェノール化合物のエーテル誘導体とは、フェノール化合物におけるフェノール性OH基の水素原子が置換されてエーテル結合を形成している化合物(エーテル化OH基を有する化合物)である。
これらの化合物において、フェノール性OH基、エステル化OH基又はエーテル化OH基が結合したベンゼン環は、それぞれ、フェノール性OH基、エステル化OH基又はエーテル化OH基以外の置換基を有していてもよい。当該ベンゼン環がフェノール性OH基、エステル化OH基又はエーテル化OH基以外の置換基を有する場合、その置換位置は、フェノール性OH基、エステル化OH基又はエーテル化OH基に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよい。
これらの中でも、フェノール性OH基を有する化合物が好ましい。
フェノール系ラジカルトラップ剤としては、例えば分子量80〜250のものが好ましい。
これらの化合物の中でも、ジメトキシフェノール、カテコール、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等がさらに好ましい。
フェノール系ラジカルトラップ剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中のフェノール系ラジカルトラップ剤の含有量は、0.01〜6質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。上記下限値以上であれば、過酸化水素の分解をより良好に防止できる。上記上限値以下であれば、結晶の析出や液の分離が生じにくいなど、液体洗浄剤の安定性が良好である。
洗浄剤は、商品の付加価値向上等を目的として、芳香のための香料組成物を含有してもよい。
香料組成物は、香料成分と、香料用溶剤と、香料安定化剤とを含む。
香料成分として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料化学と商品知識」,印藤元一著,化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of NaturalOrigin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香りの百科」,日本香料協会編,朝倉書店(1989)、「Perfumery MaterialPerformance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)、「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
香料組成物中の香料成分の含有量は、0.0001〜15質量%が好ましく、0.001〜10質量%がより好ましい。
香料組成物中の香料用溶剤の含有量は、0.1〜99質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
香料組成物中の香料安定化剤の含有量は、0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましい。
液体洗浄剤は、ハイドロトロープ剤を含有することが好ましい。液体洗浄剤は、ハイドロトロープ剤を含有することで、液外観の安定性を確保できる。
ハイドロトロープ剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、質量平均分子量が約200のポリエチレングリコール、質量平均分子量が約400のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等の水混和性の有機溶剤が挙げられる。これらのハイドロトロープ剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中のハイドロトロープ剤の含有量は、0.1〜15質量%が好ましい。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、クエン酸、ホスホン酸誘導体等の有機酸;ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ホウ酸化合物を含有することで水性シミに対する洗浄力を高められる。
ホウ酸化合物としては、例えば、オルトホウ酸(H3BO3);ホウ酸イオン(BO3 3−)もしくは(BO4 5−)の作る塩、またはそれらが縮合した陰イオンの塩(縮合ホウ酸塩)等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
上述したホウ酸化合物の中でも、オルトホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、四ホウ酸アンモニウム等がより好ましく、オルトホウ酸、四ホウ酸ナトリウムがさらに好ましい。
前記四ホウ酸ナトリウムとしては、例えば、四ホウ酸ナトリウム・5水塩、四ホウ酸ナトリウム・10水塩(ホウ砂)等の含水塩が好ましい。
これらのホウ酸化合物は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄剤中のホウ酸化合物の含有量は、洗浄剤の剤形等を勘案して決定される。例えば、液体洗浄剤中のホウ酸化合物の含有量は、0.2〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。なお、ホウ酸化合物として四ホウ酸ナトリウムの含水塩を用いた場合の含有量は、四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7)換算で算出した濃度(即ち、Na2B4O7量)を示す。
ホウ酸化合物の含有量が0.2質量%以上であると、特に水性のしみ汚れに対する洗浄力を高められる。ホウ酸化合物の含有量が10質量%以下であると、低温における液体洗浄剤の保存安定性を高められる。
液体洗浄剤における溶媒としては、水が挙げられる。
液体洗浄剤中の水の含有量は、例えば、10〜95質量%が好ましい。
洗浄剤は、剤形に応じて、常法に準じて製造される。
液体洗浄剤の製造方法としては、水等の溶媒に、(A)〜(B)成分及び必要に応じて任意成分を加え、攪拌する方法が挙げられる。
固体洗浄剤の製造方法としては、(A)〜(B)成分及び必要に応じて任意成分を粉体混合したり、(A)〜(B)成分及び必要に応じて任意成分を造粒したりして粒状物を得る方法、得られた粒状物を任意の剤形に成形する方法等が挙げられる。
洗浄剤の使用方法としては、例えば、洗浄剤を単独で、又は公知の漂白剤や柔軟剤と共に水に入れて洗浄液とし、この洗浄液に被洗物を入れ、洗濯機で洗浄する方法、洗浄液又は液体洗浄剤を被洗物に塗布し、これを洗濯機で洗浄する方法等が挙げられる。
被洗物としては、例えば、衣料、布帛、シーツ、カーテン、絨毯等の繊維製品が挙げられる。
<(A)成分>
A−1:クラスターデキストリン(商品名、グリコ栄養食品株式会社製)。表中、CCDと記載。
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
A’−1:β−シクロデキストリン(特級、純分98質量%、純正化学株式会社製)。表中、β−CDと記載。
A’−2:第4級アンモニウム(塩化ベンザルコニウム、関東化学株式会社製)。
A’−3:ノニオン多糖エーテル(CMCダイセル(商品名)、グレード1170、ダイセル化学株式会社製)。
B−1:TexCare SRN−100(商品名、Clariant GmbH社(ドイツ)製、重量平均分子量3000)。
B−2:TexCare SRN−300(商品名、Clariant GmbH社(ドイツ)製、重量平均分子量7000)。
<(B’)成分:(B)成分の比較品
B’−1:マレイン酸アクリル酸共重合体(SOKALAN CP7、BASF社製)。表中、MA剤と記載。
ノニオン界面活性剤:(I)式中のR21が炭素数12のアルキル基、mが6のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、(I)式中のR21が炭素数14のアルキル基、mが6のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの混合物。
アニオン界面活性剤:直鎖アルキル基の炭素数が10〜14である、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム。
過酸化水素:過酸化水素35質量%溶液。
金属捕捉成分:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸。
フェノール系ラジカルトラップ剤:p−メトキシフェノール。
四ホウ酸ナトリウム・5水和物:Neobor(商品名、Borax社製)。
香料:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物A。
pH調整剤:水酸化ナトリウム25質量%溶液。
表1〜2の組成に従い、各原料を水に加え、これを攪拌して各例の液体洗浄剤を得た。得られた液体洗浄剤について、泥汚れ洗浄力及び液外観を評価し、その結果を表中に示す。
なお、表中の各成分の配合量は純分換算値であり、pH調整剤の配合量「適量」は、液体洗浄剤をpH6.0にするのに要した量である。また、水の配合量「バランス」は、液体洗浄剤を全体で100質量%とするのに必要な量である。
<泥汚れに対する洗浄力(泥汚れ洗浄力)>
園芸用黒土(kyotochiya製)10gを水道水500gに投入した。これをホモジナイザー(商品名:ポリトロン Type PT 10/35、KINEMATICA(スイス)社製)にて、80rpmで5分間攪拌して、泥分散液を得た。
得られた泥分散液に10cm×25cmの綿メリヤスニット布(綿ニット未シル晒、染色試材(株)谷頭商店製)15枚を浸漬した。泥分散液中で布を手で揉み、布全体に泥分散液を含ませた。泥分散液から布を取り出し、ローラーで軽く絞った。絞った布を1時間自然乾燥した後、さらに105℃の恒温槽で1時間、乾燥した。
布を恒温槽から取り出し、布の表面をウレタン製スポンジで擦って、余分な黒土を落とした。余分な黒土を落とした布を4cm×4cm角に切断して、評価布とした。
この洗浄液に評価布5枚を浸漬した10時間後、評価布と洗浄液との全てをTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に入れた。さらに、Terg−O−Tometerにイオン交換水(硬度3°DH、水温15℃)750mLを入れ、120rpmで10分間の攪拌洗浄をした(浴比20倍)。この攪拌洗浄時の洗浄液中の(A)成分又は(A’)成分の濃度を表中に「洗浄液中の(A)成分濃度として示す。また、攪拌洗浄時の洗浄液中の(B)成分又は(B’)成分の濃度を表中に「洗浄液中の(B)成分濃度」として示す。
洗浄された評価布をザルに入れ、次いで、評価布を二槽式洗濯機(CWC−30A1型、三菱電機株式会社製)の脱水槽で1分間脱水した。
脱水した評価布5枚とイオン交換水(硬度3°DH、水温15℃)900mLとをTerg−O−Tometerに入れ、3分間攪拌してすすぎ(すすぎ操作)、その後、二槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した(脱水操作)。再度、すすぎ操作と脱水操作とを行った後、評価布を風乾した。
泥汚れ付着前の原布と、洗浄前後の評価布のZ値(反射率)を測色色差計(日本電色株式会社製、製品名:SE2000)を用いて測定し、下記(1)式により泥汚れに対する洗浄率(%)を算出した。表中に記載の洗浄率は、5枚の評価布における平均値である。洗浄率が40%以上のものを「泥汚れに対する洗浄力が良好」と判断した。
各例の液体洗浄液を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。「△」〜「◎」を合格とした。
◎:透明で白濁なし。
○:わずかに濁りがある。
△:少し濁りがある。
×:白濁し、透明感がない。
これに対し、(A)成分又は(B)成分を含まない比較例1〜2は、洗浄率が22%以下であった。(A)成分に代えて(A’)成分を用いた比較例3〜5は、洗浄率が36%以下であった。(A)成分及び(B)成分を含有しない比較例6は、洗浄率が25%であった。(B)成分に代えて(B’)成分を用いた比較例7は、洗浄率が33%であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、泥汚れに対する洗浄力をより高められることが確認された。
Claims (2)
- (A)成分:内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度が50〜10000のグルカンであり、前記内分岐環状構造部分は、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状のグルカン鎖であり、前記外分岐構造部分は、前記内分岐環状構造部分に結合した非環状のグルカン鎖である高度分岐環状デキストリンと、
(B)成分:アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位を有し、かつ(ポリ)オキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマーと、を含有する洗浄剤。 - 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は0.1〜70である、請求項1に記載の洗浄剤。
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