JP2005187535A - スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 以下の工程からなることを特徴とする、スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法により解決する。
第1工程:高分子ポリオールを、ポリウレタン樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤に溶解又は分散させる工程。
第2工程:分散液中の高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマー分散液を得る工程。
第3工程:分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーを、鎖延長剤及びブロック剤と反応させる工程。
第4工程:液から粉末ポリウレタン樹脂を分離し、乾燥させる工程。
【選択図】 なし
Description
(1) 以下の工程を含むことを特徴とする、スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法。
第1工程:高分子ポリオールを、ポリウレタン樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤に溶解又は分散させる工程。
第2工程:分散液中の高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマー分散液を得る工程。
第3工程:分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーを、鎖延長剤及びブロック剤と反応させる工程。
第4工程:液から粉末ポリウレタン樹脂を分離し、乾燥させる工程。
本発明に用いられる高分子ポリオールの数平均分子量は500〜10,000、好ましくは500〜5,000であり、種類は特に制限はなく、例えばポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等の高分子ポリオールが挙げられ、これらは単独又は併用して用いられる。本発明における高分子ポリオールは、ポリエステルポリオールが好ましい。
第1工程:高分子ポリオールを、ポリウレタン樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤(分散媒)に分散させる工程。
第2工程:分散液中の高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマー分散液を得る工程。
第3工程:分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーを、鎖延長剤及びブロック剤と反応させる工程。
第4工程:液から粉末ポリウレタン樹脂を分離し、乾燥させる工程。
合成例1
攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管のついた容量:2,000mlの反応器に、アジピン酸762g、無水マレイン酸49g、エチレングリコール386gを仕込み、窒素ガスを流し攪拌しながら、150℃、常圧でエステル化反応させた。縮合水が出なくなったところで、テトラブチルチタネートを0.1g仕込み、反応系内の圧力を徐々に0.07kPaまで減圧し、また、反応温度を190℃まで徐々に加温し、反応を続けた。得られたポリエステルの数平均分子量は2,000、ヨウ素価は12.7gI/100gであった。続いて、上記と同様な容量:500mlの反応器に、上記のポリエステル74g、酢酸ブチル150g仕込んだ。窒素ガスを流しながら110℃になるまで加熱、攪拌した。その後、2−エチルヘキシルメタクリレート75gと過酸化ベンゾイル1gの溶解混合物を滴下ロートから1時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を130℃に加温して更に2時間反応させて、分散剤溶液D−1を得た。分散剤溶液D−1の固形分は50%であった。
実施例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:3Lの反応器に、PES−1を790.6g、D−1を23.7g、分散媒としてキョーワゾールC−800を1000g仕込み、40℃にて均一に攪拌・分散させた。次いでHDIを199.2g、DOTDLを0.1g仕込み、90℃にて3時間反応させた。次にMEKOを3.4g仕込み90℃で2時間反応させた後、水を68g仕込み、90℃でイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後、濾過、乾燥させて、粉末ポリウレタン樹脂組成物Pow−1を得た。Pow−1の平均粒径は130μmであった。
実施例1と同様な反応器に、PES−2を601.0g、PES−3を257.6g、D−1を25.8g、キョーワゾールC−800を1000g仕込み、40℃にて均一に攪拌・分散させた。次いでHDIを129.8g、DOTDLを0.1g仕込み、90℃にて3時間反応させた。次にMEKOを6.0g仕込み90℃で2時間反応させた後、水を56g仕込み、90℃でイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後、濾過、乾燥させて、粉末ポリウレタン樹脂組成物Pow−2を得た。Pow−2の平均粒径は160μmであった。
実施例1と同様な反応器に、PES−3を747.3g、D−1を22.4g、キョーワゾールC−800を1000g仕込み、40℃にて均一に攪拌・分散させた。次いでHDIを207.1g、DOTDLを0.1g仕込み、90℃にて3時間反応させた。次にMEKOを15.0g仕込み90℃で2時間反応させた後、1,4−BDを20.9g仕込み90℃で2時間反応させた。次に水を97g仕込み、90℃でイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後、濾過、乾燥させて、粉末ポリウレタン樹脂組成物Pow−3を得た。Pow−3の平均粒径は120μmであった。
実施例1と同様な反応器に、PES−2を841.9g、D−1を25.3g、キョーワゾールC−800を1000g仕込み、40℃にて均一に攪拌・分散させた。次いでHDIを141.4g、DOTDLを0.1g仕込み、90℃にて3時間反応させた。次に1,4−BDを7.2g仕込み、60℃で反応させた。次に水を58g仕込み、60℃でイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後、濾過、乾燥させて、粉末ポリウレタン樹脂組成物Pow−4を得た。Pow−4の平均粒径は110μmであった。
実施例1と同様な反応器に、PES−3を756.0g、分散剤溶液D−1を22.7g、分散媒としてキョーワゾールC−800を1000g仕込み、40℃にて均一に攪拌・分散させた。次いでHDIを209.6g、DOTDLを0.1g仕込み、90℃にて3時間反応させた。次に1,4−BDを23.5g仕込み、60℃で反応させた。次に水を110g仕込み、60℃でイソシアネート基が消失するまで反応させた。その後、濾過、乾燥させて、粉末ポリウレタン樹脂組成物Pow−5を得た。Pow−5の平均粒径は170μmであった。
PES−1:
1,6−ヘキサンジオールとイソフタル酸から得られるポリエステルジオール
数平均分子量=1,000
PES−2:
1,4−ブタンジオールとアジピン酸から得られるポリエステルジオール
数平均分子量=2,000
PES−3:
ネオペンチルグリコール/エチレングリコール=9/1(モル比)、アジピン 酸/イソフタル酸=1/1(モル比)の混合ジカルボン酸と混合グリコールか ら得られるポリエステルジオール
数平均分子量=2,000
1,4−BD:
1,4−ブタンジオール
HDI:
ヘキサメチレンジイソシアネート
DOTDL:
ジオクチルチンジラウレート
キョーワゾールC−800:
イソオクタン系溶媒、沸点110〜120℃
※キョーワゾール:協和発酵工業の登録商標
MEKO:
メチルエチルケトオキシム
実施例1〜4、比較例1で得られたPow−1〜5を、それぞれ220℃に加熱した金型に10秒間接触させ熱溶融後、未溶融の粉末を除去し、350℃のオーブン中で1分間放置した後、水冷して厚さ1mmの成形シートを作成した。得られた成形シートについて下記試験方法により性能試験を行った。その結果を表2に示す。
外観:
得られたシート表面にピンホール等の異常の有無を確認する。
○:異常なし。
△:ピンホール等の異常が多少確認される。
×:ピンホール等の異常がかなり確認される。
耐ブルーム性:
得られたシートを25℃の水中に120時間入れ乾燥させた後、表面のブルームの有無を確認する。
○:異常なし。
△:ブルームが多少確認される。
×:ブルームがかなり確認される。
耐折れジワ性:
得られたシートを折り曲げ、再度広げて24時間静置後のシートの状態を観察する。
○:折れジワの発生がほとんど認められない。
△:薄い折れジワが認められる。
×:明確な折れジワが認められる。
耐溶剤性:
得られたシートの表面を、メチルエチルケトンをしみ込ませた脱脂綿を100回擦り、表面の状態を観察する。
○:変化なし。
△:表面荒れが多少観察される。
×:著しい表面荒れが観察される。
破断時強度、伸び:
JIS K6301に準じて測定した。
Claims (2)
- 以下の工程を含むことを特徴とする、スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法。
第1工程:高分子ポリオールを、ポリウレタン樹脂を実質的に溶解しない有機溶剤に溶解又は分散させる工程。
第2工程:分散液中の高分子ポリオールと、有機ポリイソシアネートを反応させて、イソシアネート基末端プレポリマー分散液を得る工程。
第3工程:分散液中のイソシアネート基末端プレポリマーを、鎖延長剤及びブロック剤と反応させる工程。
第4工程:液から粉末ポリウレタン樹脂を分離し、乾燥させる工程。 - 第2工程における「有機ポリイソシアネート」がヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1に記載のスラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法。
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