JP2005187392A - 大腸ガン抑制剤及びそれを含む食品 - Google Patents

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【課題】 人体に投与するにあたり安全性が高く、且つ優れた生理活性効果を発揮できる有効成分を提供し、また、そのような有効成分を含む食品を提供することである。
【解決手段】 真菌類から抽出されるグルコシルセラミド画分を有効成分として含有する大腸ガン抑制剤;真菌類が酵母、カビ及びキノコから選択される、上記の大腸ガン抑制剤;大腸ガンの発症を予防する上記の大腸ガン抑制剤;上記の大腸ガン抑制剤を配合した食品。
【選択図】 なし

Description

本発明は大腸ガン抑制剤に関し、詳しくは大腸ガンの発症を抑制し、大腸ガンを予防するのに有効な剤に関する。本発明はさらに、そのような大腸ガン抑制剤を配合した食品に関する。
近年、天然成分が有する生理活性機能が注目されている。中でもスフィンゴ脂質(スフィンゴイド塩基を有する脂質の総称)に興味深い生理活性が見出されており、皮膚における保湿性向上や美肌効果などが報告され、機能性脂質として注目されている。スフィンゴ脂質はほとんどの真核生物に普遍的に存在しており、化粧品や医薬品原料として用いられている。近年まで、スフィンゴ脂質の供給源の主なものは、ウシやヒツジなどの動物の脳神経組織であった。しかし、食品や医薬品原料として利用する場合、その安全性に問題がある。
一方、試験管内での大腸ガン細胞を用いた実験において、小麦に存在するスフィンゴイド塩基が大腸ガン細胞死を誘導することが報告されている(非特許文献1及び非特許文献2参照。)。また、乳から得られた4-スフィンゲニンを主体とするスフィンゴイド塩基を含む動物由来のスフィンゴ脂質が、マウスにおいて大腸腺腫(aberrant crypt foci (ACF))を抑制することが報告されている(非特許文献3参照。)。
現在、機能性食品が注目されている中、安全に摂取でき且つ優れた効果を発揮できる有効成分が求められている。
Sugawara, T., Kinoshita, M., Ohnishi, M., Miyazawa, T., Apoptosis induction by wheat-fluor sphingoid bases in DLD-1 human colon cancer cells, Biosci. Biotechnol. Biochem., 66 (10), 2228-2231, 2002 Aida, K., Takakuwa, N., Kinoshita, M., Sugawara, T., Imai, H., Ono, J., Ohnishi, M., Properties and physiological effects of plant cerebroside species as functional lipids, N. Murata et al. (eds.), Advanced Research on Plant lipids, 233-236, 2003 Schmelz et al., J. Nutr., 130, 522-527, 2000
本発明の目的は、人体に投与するにあたり安全性が高く、且つ優れた生理活性効果を発揮できる有効成分を提供し、また、そのような有効成分を含む食品を提供することである。
本発明者らは、安全に摂取でき且つ優れた生理活性効果を発揮できる天然成分を見出すべく、研究を重ねた結果、真菌類から得られるスフィンゴ脂質であるグルコシルセラミドが実際の生体内で大腸ガン発症抑制効果を示すことを見出した。具体的には、マウスを用いた化学発ガンモデル系を使用して、真菌類より抽出、分離精製したグルコシルセラミド画分を飼料に混合して投与した結果、大腸ガン発症の第1段階である大腸腺腫(前ガン病変(Aberrant Crypt Foci:ACF))の発生が、無投与群(コントロール)と比較して有意に減少することを見出した。この結果から、真菌類由来のグルコシルセラミド画分に大腸ガン発症予防効果が期待できる。
従って本発明は、真菌類から抽出されるグルコシルセラミド画分を有効成分として含む大腸ガン抑制剤である。本発明の具体的実施態様では、抽出原料である真菌類の例として、酵母、カビ、及びキノコ類が挙げられる。該グルコシルセラミド画分は具体的に、スフィンゴイド塩基部位として9-メチル-4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンを含むグルコシルセラミド、及びスフィンゴイド塩基部位として4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンを含むグルコシルセラミドから選ばれる少なくとも1種を含有するものである。
本発明はまた、上記大腸ガン抑制剤を配合した食品にも向けられている。
本発明の大腸ガン抑制剤は、人体が摂取するのに安全性が高く、大腸ガンの発症を予防するのに有用である。本発明の大腸ガン抑制剤は日常的に摂取することができる。また、本発明の大腸ガン抑制剤は、大腸ガンの治療中、又は大腸ガンの治療後に転移を予防するために使用することができる。本発明の大腸ガン抑制剤を配合した食品は、該有効成分を簡便に摂取するのに有利である。
本発明で使用するグルコシルセラミド画分を抽出する原料となる真菌類は、グルコシルセラミドを含有するものであり、抽出原料となる部位は特に限定されることがない。抽出原料となる真菌類の例として、酵母、カビ、及びキノコが挙げられる。
酵母の例として、サッカロマイセス属、具体的にサッカロマイセス・クルイヴェリ(Saccharomyces kluyveri)など、クルイヴェロマイセス属、具体的にクルイヴェロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイヴェロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromayces thermotolerans)、クルイヴェロマイセス・ワルティ(Kluyveromayces waltii)、クルイヴェロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイヴェロマイセス・ウィッケルハミ(Kluyveromyces wickerhamii)など、チゴサッカロマイセス属、具体的にチゴサッカロマイセス・シドリ(Zycosaccharonyces cidri)、チゴサッカロマイセス・フェルメンタティ(Zygosaccharomyces fermentati)などがある。
また、カビの例として、アスペルギルス属、具体的にアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)など、リゾープス属、具体的にリゾープス・オリゼ(Rhizopus oryzae)などがある。
また、キノコとしては食用できるキノコであれば特に制限はなく、子実体、菌糸体のいずれも使用することができる。キノコの例としてマイタケ(Grifola frondosa)、シイタケ(Lentinus edodes)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、エリンギ(Pleurotus eryngii)、タモギタケ(Pluerotus cornucopiae)、エノキダケ(Flammulina velutipes)、ナメコ(pholiota nameko)、ツクリタケ(Agaricus bisporus)などがある。
抽出原料としては、これらの材料の粉砕物が好ましく使用できる。中でも好ましくは、送風乾燥粉砕物、熱風乾燥粉砕物、スプレードライ物、フレンチプレス乾燥物、凍結乾燥粉砕物などが使用される。
使用する抽出溶媒としては、有機溶剤及び/又は有機溶剤と水との混合物が挙げられ、具体的にはエタノール、含水エタノール、メタノール、含水メタノール、ヘキサン、アセトン、クロロホルム、クロロホルム−メタノール混液、ベンゼン、イソプロパノールなどがある。中でも好ましくはエタノール及び含水エタノール(エタノール含量が70〜99容量%程度)が挙げられる。抽出溶媒として2種以上を使用することができる。
抽出にあたり、真菌類抽出原料に対して一般的に2〜100倍量(容量)の抽出溶媒を使用し、好ましくは3〜10倍量の抽出溶媒を使用する。抽出方法としては攪拌抽出、還流抽出、浸漬抽出、振とう抽出、超音波抽出などを採用することができ、抽出温度は室温でもよく、一般に20〜100℃、好ましくは50〜70℃である。抽出時間は30分から24時間が適当で、好ましくは30分〜4時間程度である。
なお、抽出操作は一回に限定されず、抽出残さに新鮮な溶媒を再度添加し、抽出操作を繰り返して施すことができ、10回程度まで、好ましくは3回まで連続抽出をしてもよい。
このようにして得られた抽出液は、適当な濃縮操作により、例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮し、濃縮液を得ることができる。さらに濃縮乾燥させて、濃縮乾固物を得ることもできる。このようにして得た濃縮乾固物は、通常、黄色の固形油脂の形状である
こうして得られた抽出物から適当な精製手段によりグルコシルセラミド画分を得ることができる。例えば、該抽出物をシリカゲルカラムにてクロロホルム−メタノールを用いて数回精製し、固形油脂状のグルコシルセラミド画分を得ることができる。
こうして得られたグルコシルセラミド画分におけるグルコシルセラミドを定量するには、例えばHPLC−光散乱検出器を使用することができる。実際、上記の抽出操作により、グルコシルセラミドを80〜99質量%程度含有するグルコシルセラミド画分を得ることができる。
真菌類由来のグルコシルセラミドは、グルコース部位と2−ヒドロキシ脂肪酸残基とスフィンゴイド塩基部位からなる。真菌類から抽出されるグルコシルセラミドの中で、主に存在するのは、スフィンゴイド塩基部位が9-メチル-4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンであるグルコシルセラミドと、4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンであるグルコシルセラミドである。
9-メチル-4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンは、真菌類に特徴的に存在するスフィンゴイド塩基であることが知られている。また、4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンは真菌類や植物に特徴的に存在するスフィンゴイド塩基であることが知られている。
以下に真菌類由来のグルコシルセラミドの分子種の一例として、2−ヒドロキシ脂肪酸残基が炭素原子数18からなる飽和脂肪酸であり、スフィンゴイド塩基部位が9-メチル-4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンからなるグルコシルセラミドの構造を示す。この構造は、“18h:0-9Me d18:24t,8t-Glc”と記載される。
Figure 2005187392
真菌類から上記のようにして抽出、精製して得られたグルコシルセラミド画分におけるグルコシルセラミドのセラミド部位の組成は、得られたグルコシルセラミドを、含水メタノール性1N塩酸、メタノール性5%塩酸あるいはジオキサン性5%水酸化バリウムを用いて分解し、得られた構成成分(スフィンゴイド塩基、脂肪酸及び糖)の組成をガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより求めることができる。以下の表1に、酵母、カビ、キノコ、及び牛乳から抽出されたグルコシルセラミドにおけるセラミド部位の構成成分の分析結果の一例を示す。
Figure 2005187392
N.D.:検出せず (単位:質量%)
*1 Saccharomyces kluyveri
*2 Aspergillus oryzae
*3 Grifola frondosa
上記表中、 “18h:1”は炭素原子数18で炭素-炭素二重結合を1つ有することを表す。
上述のようにして得られた真菌類からのグルコシルセラミド画分は、極めて毒性の低いものである。これらを有効成分とする本発明の大腸ガン抑制剤は、経口投与にて摂取することが適当である。上記のグルコシルセラミド画分は、そのまま摂取することができる。本発明の大腸ガン抑制剤は上記有効成分の他に添加剤を含んでもよい。
また、有効成分であるグルコシルセラミド画分を適当な助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口投与が可能な大腸ガン抑制剤とすることができる。そのような剤形として例えば錠剤、軟・硬カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤(粉剤)、液剤(水溶液、油性製剤、シロップ、ドライシロップなど)、ガムなどが挙げられる。経口投与の剤形のほか、坐薬、軟膏、クリームなどに製剤化することも可能である。
本発明の大腸ガン抑制剤の摂取量は、年齢、病状や一般状態などによって変化し得るが、有効成分として、成人の場合約10〜10,000mg/日が適当であり、好ましくは10〜5,000mg/日である。本発明の大腸ガン抑制剤における有効成分であるグルコシルセラミド画分の含有量は、剤形などに応じて適宜変更され得、特に制限されないが、通常経口投与されるとき、0.1〜50.0質量%が適当である。
製剤化に当たって、有効成分に長時間の保存に耐える安定性及び耐酸性を付与して薬効を完全に持続させるために、更に医薬的に許容し得る被膜を施して製剤化すれば、優れた安定性を有する大腸ガン抑制剤とすることができる。
本発明の大腸ガン抑制剤の製剤化に用いられる界面活性剤、賦形剤、滑沢剤、佐剤及び医薬的に許容し得る被膜形成物質などの例として以下のものがある。
製剤の溶解、溶出を良好にするために、界面活性剤、例えばアルコール、エステル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類などの1種又は2種以上を添加することができる。
また、賦形剤として、例えば蔗糖、乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの1種又は2種以上を組み合わせて添加することができる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などを1種又は2種以上添加することができ、また、矯味剤及び矯臭剤として、食塩、サッカリン、糖、マンニット、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸などの甘味料、香料、着色剤、保存量などを含有させてもよい。
懸濁剤、湿潤剤のような佐剤としては、例えばココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質などを含有させることができる。また、被膜形成物質としてはセルロース、糖類などの炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロース(CAP)、アクリル酸系共重合体、二塩基酸モノエステル類などのポリビニル誘導体として、アクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げられる。
また、上記被膜形成物質をコーティングするに際し、通常使用されるコーティング剤、例えば可塑剤のほか、コーティング操作時の薬剤相互の付着防止のための各種添加剤を添加することによって被膜形成剤の性質を改良したり、コーティング操作をより容易にすることができる。
真菌類由来のグルコシルセラミド画分を有効成分とする大腸ガン抑制剤はまた、食品、健康食品に配合することができ、また食品添加物の成分とすることもできる。食品中における該有効成分の配合量は、一般的に0.001〜25質量%の範囲で、好ましくは0.01〜10質量%である。
本発明の大腸ガン抑制剤を配合させる食品の種類はいかなるものであってもよく、例えばパン、麺、シリアル、菓子、ビスケット、ホットケーキ、錠果等の穀粉や澱粉を主体とする食品、チョコレート、ゼリー、グミ、バター、マーガリン、ジャム、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、乳飲料、ジュース、ドレッシング、ドリンク、健康食品などが挙げられる。グルコシルセラミド画分を食品に配合させる方法としては、各種食品に応じてその製造過程で適宜の段階で配合すればよい。
[酵母からのグルコシルセラミド画分の抽出と精製]
酵母菌体は Saccharomyces kluyveri NBRC10847株を用いた。酵母乾燥菌体20kgより、エタノール120リットルで70℃にて4時間、撹拌抽出し、濾過して得られた抽出液を減圧乾固した。得られた抽出物をシリカゲルカラム(富士シリシア化学(株)製、商品名:BW−820MH)にてクロロホルム−メタノールを用いて4回精製し、グルコシルセラミド画分19.9g得た。これは白色の固形油脂状であった。
得られたグルコシルセラミド画分においてグルコシルセラミドの定量を、HPLC−蒸発光散乱検出器((株)島津製作所製、LC−VP蒸発光散乱検出システム、蒸発光散乱検出器(ELSD−LT))を用いて行った。
移動相は、A液:クロロホルム,B液:メタノール−水(95:5;v/v)の2液を用いて、下記グラジエント溶媒系を設定した。
Figure 2005187392
カラムはシリカカラム(Inertsil SIL 100−5;4.6φ×150mm;GLサイエンス製)を用い、カラムオーブン:35℃、流速;1ml/minにて、蒸発光散乱検出器:ELSD(エバポレーター温度:70℃、ガス流量:350MPa)で行った。グルコシルセラミド標準品は、トウモロコシ胚芽より抽出し、分取用薄層クロマトグラフにてグルコシルセラミドを単一に精製して調製したものを用いた。
その結果、上記グルコシルセラミド画分においてグルコシルセラミドの含量が95%以上であることが判った。
このグルコシルセラミド画分を用いて、以下の試験で使用するグルコシルセラミド食群に与える試験食を調製した。
[In vivoにおける大腸腺腫の発症を抑制する効果の試験]
4週齢のBALB/c雄マウス((株)日本クレア)30匹を用い、ブランク群、コントロール群、グルコシルセラミド0.1%食群の3群に分け、各群10匹とした。
マウスは購入後、市販固形飼料(ノーサン実験動物用飼料;ラボMRストック:日本農産工業(株))で10日間の予備飼育の後、各群に応じてAIN-76A(American Institute of Nutrition, J. Nutr. 107: 1340-1348 (1977))を基にした試験食でペアフィーディングで試験食を投与した(試験食量はペアフィーディングで4.4g/匹/日)。飲水は各群とも自由摂取とした。各試験食の組成(質量%)を下記表に示す。









Figure 2005187392
*上記の酵母から抽出、精製して得たグルコシルセラミド画分。
<ACF測定法による評価>
試験食投与一週間後よりDMH(1,2-dimethylhydrazine dihydrochloride、大腸ガン誘発物質)を30mg/kg body weightで週1回腹腔内投与した。10週間試験食で飼育した後、24時間絶食後、断頭屠殺し、大腸(肝臓、血液)を摘出。肝臓は重量を測定した後、−80℃にて保管した。
摘出した大腸の内容物を滅菌した生理的食塩水で洗い出した後、大腸を切り開き、幅、長さを測定した。その後、4%ホルマリンで固定し、0.3%メチレンブルー染色し、顕微鏡下で大腸腺腫(Aberrant Crypt Foci:ACF)数を計測した。なお有意差の判定は、一元分散分析の後、Scheffeの多重比較検定により評価を行った。
その結果を下記表4に示す。
Figure 2005187392
※ACF数の各値はmeans±SD。
ACF数はグルコシルセラミド摂取群でコントロール群に比べて、有意に減少した。なお、体重変化に有意差がなく、肝臓重量にも有意差がなかった。
以下に試験食投与前の体重と最終体重とを、各群1匹当たりの数値(means±SD)で示す。





Figure 2005187392
以下に、上記のようにして得た酵母由来のグルコシルセラミド画分を用いた製剤例及び食品の例を挙げる。
[実施例1]
錠果及び錠剤の製造
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g、微結晶セルロース40g、還元麦芽糖285g、グルコシルセラミド25gをミキサーによって常法により混和した後、打錠し、錠果及び錠剤を製造した。
[実施例2]
ビスケットの製造
小麦粉120g、グルコシルセラミド2.4g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニウム0.75g、水20gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
[実施例3]
パンの製造
小麦粉3kg、グルコシルセラミド3g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水2070gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してパンを製造した。
[実施例4]
中華麺の製造
準強力小麦粉100質量部に対して、1質量部のグルコシルセラミド、34質量部の水、1質量部の食塩及び1質量部のかんぷんを加えたものを、12分間混捏した後、麺機にて数回圧延、成形して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。

Claims (5)

  1. 真菌類から抽出されるグルコシルセラミド画分を有効成分として含有する大腸ガン抑制剤。
  2. 真菌類が酵母、カビ及びキノコから選択される、請求項1記載の大腸ガン抑制剤。
  3. 大腸ガンの発症を予防する請求項1又は2記載の大腸ガン抑制剤。
  4. グルコシルセラミド画分が、スフィンゴイド塩基部位として9-メチル-4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンを含むグルコシルセラミド、及びスフィンゴイド塩基部位として4-トランス,8-トランス-スフィンガジエニンを含むグルコシルセラミドから選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の大腸ガン抑制剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の大腸ガン抑制剤を配合した食品。
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