JP6443804B2 - ナチュラルキラー細胞活性促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、カテキン代謝物を有効成分とするナチュラルキラー細胞(以下、「NK細胞」ともいう)活性促進剤や、NK細胞活性を促進するための医薬品や、NK細胞活性を促進するためのサプリメントや、NK細胞活性を促進するための飲食品に関する。
免疫は、体内に侵入する病原体やウイルスなどの抗原から身を守る防御システムであり、種々の器官、臓器、細胞が密に連携することで機能を発揮する。ところが、一旦機能が障害されると抗体産生の低減や抗原侵入頻度の増加などが起こり、感染症やがん、自己免疫疾患をはじめとする疾病の引き金となる。また、免疫機能低下と加齢との関連性も深く、高齢社会のわが国にとって深刻な問題となっている。このような背景から、免疫機能の維持向上は病気に罹りにくい体をつくる上で重要であると考えられ、免疫応答メカニズムや免疫調節成分の探索、臨床試験への応用など幅広い研究がなされてきた。特に近年では、予防医学の概念に基づいた免疫学研究が注目されており、疾病予防に向けた免疫機能の重要性はますます高まっている。
生体において、免疫は自然免疫と獲得免疫の2大システムから成り立っている。自然免疫は、初期の免疫応答を主体とした抗原非特異的な先天性免疫であり、獲得免疫はB細胞やT細胞などのリンパ球を主体とした抗原特異的な後天性免疫である。
自然免疫は、抗原侵入から数分から数時間という極めて速やかな時間内に起こり、獲得免疫の予備段階として働く。自然免疫を担う細胞群には、樹状細胞やマクロファージ、好中球などの貪食細胞やNK細胞などが挙げられ、抗原の分解や消化、サイトカイン産生などに関与する。
一方、獲得免疫は細胞性免疫と体液性免疫に大別され、細胞性免疫ではCD4陽性ヘルパーT細胞やCD8陽性キラーT細胞による細胞内抗原の排除に、体液性免疫ではB細胞より産生された抗体による細胞外抗原の排除や毒素の中和を行う。また、獲得免疫は一度誘導されると長期にわたり抗原を記憶し、同一の抗原が再度侵入した際に速やかに応答することができる。
NK細胞はリンパ球に属する自然免疫系細胞の一つであり、NK細胞内に存在する細胞障害性顆粒ががん細胞やウイルス感染細胞などの抗原を非特異的に殺傷する。また、NK細胞によるサイトカイン産生は自然免疫と獲得免疫の双方に重要な役割を果たしており、例えば感染早期においてNK細胞よりインターフェロンγが産生されると、ヘルパーT細胞の機能分化を引き起こして獲得免疫を誘導する一方、マクロファージの殺菌能を高めるなど自然免疫にも関与する。
免疫機能低下の要因には、加齢や遺伝、大気汚染などの環境要因の他に、食生活の乱れや運動不足、ストレスなどの生活習慣も深く関わっている。特に、ストレス社会と呼ばれる現代では上記の要因が組み合わさり、慢性的な免疫機能低下状態に陥りやすいことが懸念される。
免疫機能低下に対する治療法には、免疫賦活剤を用いた薬物療法などが知られている。例えば、ピシバニールは好中球、マクロファージ、リンパ球などの増加促進やNK細胞の活性促進により免疫賦活に関与する。一般に、免疫賦活剤はがん患者の延命目的に化学療法と併用されることが多いが、副作用として発熱や疼痛、さらにはアナフィラキシー様症状や急性腎不全など重篤な症状をきたす可能性もある。よって、健常者が疾病予防を目的に摂取する場合には、副作用リスクが低く、これまでの食経験から日常的に摂取可能な天然物由来のものが望ましいとされている。
植物ポリフェノールの一種である茶由来のカテキン類には、抗酸化作用、抗菌、抗ウイルス、抗う蝕、抗突然変異、血小板凝集抑制、血中コレステロール低下、血糖上昇抑制、抗アレルギー、消臭作用など非常に広範な生理活性がある。茶及び茶由来のカテキン類の免疫調節作用に関する研究も行われており、18〜70歳のヒトを対象とした介入研究では、カテキン類及びテアニンの摂取によりγδT細胞の作用が増強され、風邪やインフルエンザ様症状の発生を抑制することが報告されている(非特許文献1参照)。また、カテキン類の血中IgG、IgA産生誘導作用(特許文献1参照)や、エピガロカテキン/エピガロカテキンガレートのある一定比率での摂取がマクロファージ貪食作用の活性化及び分泌型IgA産生の促進に寄与すること(特許文献2参照)、さらに、茶葉ポリフェノールの一種であるストリクチニンがヒト単核球やB細胞におけるIL−4シグナリングを阻害すること(非特許文献2参照)などが報告されている。
カテキン類の優れた生理機能が数多く報告される一方で、カテキン類の生体内動態に関する研究も広く行われている。カテキン類は生体内への吸収量が非常に低く、経口摂取した大部分のカテキン類は腸内において腸内微生物(腸内細菌)の作用により分解され、代謝物として生体内へ吸収されることが示されている。腸内微生物によるカテキン類の代謝に関する報告は多く(非特許文献3−6参照)、主な代謝物として5−フェニル−γ−バレロラクトン(5−phenyl−γ−valerolactone)や5−フェニル−4−ヒドロキシ−吉草酸(5−phenyl−4−hydroxy−valeric acid)などが挙げられる。また、5−フェニル吉草酸(5−phenyl−valeric acid)、3−フェニルプロピオン酸(3−phenyl−propionic acid)、フェニル酢酸(phenyl acetic acid)、安息香酸(benzoic acid)など様々な代謝物が尿中から見出されている(非特許文献7−9参照)。
カテキン代謝物の生体内での機能性に関する知見としては、上記に示した5−フェニル−γ−バレロラクトン及び5−フェニル−4−ヒドロキシ吉草酸の血圧上昇抑制作用、5−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンの抗炎症作用、5−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンの食道扁平上皮がん細胞、ヒト結腸腺がん細胞に対する増殖抑制効果及び抗炎症作用などが報告されている(特許文献3、非特許文献10、11参照)。しかしながら、カテキン代謝物のNK細胞活性に対する作用については知られていない。
特開2005−232115号公報 特開2011−168579号公報 特開2012−144532号公報
J. Am. Coll. Nutr., 26, 445−452, 2007 Biochem. Biophys. Res. Commun.,280, 53−60, 2001 J. Agric. Food Chem., 49, 4102−4112, 2001 Chem. Res. Toxicol., 13, 177−184, 2000 J. Agric. Food Chem., 51, 5561−5566, 2003 J. Agric. Food Chem., 51, 6893−6898, 2003 J. Agric. Food Chem., 58, 1313−1321, 2010 J. Agric. Food Chem., 58, 1296−1304, 2010 Chem. Pharm. Bull., 45, 888−893, 1997 Free Radical Biol. Med., 53, 305−313, 2012 Bioorg. Med. Chem. Lett., 15, 873−876, 2005
本発明の課題は、長年食されて安全性が経験的に確認されている天然物由来の成分を有効成分とするNK細胞活性促進剤、NK細胞活性を促進するための医薬品、サプリメント又は飲食品を提供することにある。
本発明者らは、主なカテキン類の代謝物として報告のある5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン[5−(3,5−dihydroxyphenyl)−γ−valerolactone]の生理活性作用を検討した。その結果、このカテキン代謝物には、免疫賦活と深く関与するマウス脾臓NK細胞の活性促進効果があることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に開示されるとおりのものである。
(1)以下の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(以下、「本件化合物」ともいう)を有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤。
(式中、4位の立体配置はR配置又はS配置とする。)
(2)上記の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤が、医薬品製剤形態で調製され、投与されるものであることを特徴とする請求項1に記載のナチュラルキラー細胞活性促進剤
)上記の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤が、サプリメント或いは飲食品の形態で投与されるものであることを特徴とする請求項1に記載のナチュラルキラー細胞活性促進剤。
本発明により、免疫機能の向上を図り様々な免疫疾患の予防又は治療が可能となるNK細胞活性促進剤や、NK細胞活性を促進する医薬品、サプリメント又は飲食品を提供することができる。さらに、本発明のNK細胞活性促進剤や、本発明のNK細胞活性を促進する医薬品、サプリメント又は飲食品は、有効成分がカテキン代謝物であり、長年食されて安全性が経験的に確認されていることから、副作用リスクが低く安全性に優れている。
マウス脾臓NK細胞に対して、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン又はエピガロカテキン(EGC)を添加した場合のYAC−1細胞障害活性率を調べた結果を示す図である(マウス脾臓NK細胞:YAC−1細胞=20:1)。 マウス脾臓NK細胞に対して、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン又はエピガロカテキン(EGC)を添加した場合のYAC−1細胞障害活性率を調べた結果を示す図である(マウス脾臓NK細胞:YAC−1細胞=40:1)。
本発明のNK細胞活性促進剤としては、本件化合物を有効成分とするNK細胞活性促進剤(以下、「本件NK細胞活性促進剤」ともいう)であれば特に制限されず、かかるNK細胞活性促進剤はどのような形態であってもよく、例えば、水溶液や混濁物や乳化物などの液状形態、ゲル状やペースト状の半固形状形態、粉末や顆粒やカプセル、タブレットなどの固形状形態であってもよい。
本件NK細胞活性促進剤は、製剤化のために通常使用され薬学的に許容される賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、香味剤、緩衝剤などの添加物を含んでいてもよい。
本件NK細胞活性促進剤の摂取量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に有効成分である本件化合物の含量として0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜500mgの範囲で、1日1回から数回経口又は非経口摂取することができる。
本発明の医薬品としては、本件化合物を有効成分として含有するNK細胞活性を促進するための医薬品(以下、「本件医薬品」ともいう)であれば特に制限されず、かかる医薬品としては日本薬局方に収められている医薬品であって、胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、食道がん、肝臓がん、悪性リンパ腫などのがんや、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギーや、関節リウマチ、乾癬性関節炎などの自己免疫疾患や、白血病などの血液疾患や、B型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎などの免疫機能の障害に起因する疾患を治療又は予防するための医薬品を挙げることができ、がんを治療又は予防するための医薬品、すなわち抗がん剤を好適に挙げることができる。なお、本件医薬品として、上記本件NK細胞活性促進剤を含有させてもよい。
上記医薬品の製剤形態としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤、チュアブル剤、液剤(ドリンク剤)、輸液剤などが挙げられる。外用剤の場合は、皮膚表面や粘膜などから体内へ吸収されるものであればどのような形態でもよく、例えばローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、テープ剤、パッチ剤、エアゾール剤、吸引剤などが挙げられる。
また、本件医薬品は、製剤化のために通常使用され薬学的に許容される賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、香味剤、緩衝剤などの添加物を含んでいてもよい。
本件医薬品の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に有効成分である本件化合物の含量として0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜500mgの範囲で、1日1回から数回経口又は非経口投与することができる。
本件NK細胞活性促進剤を医薬部外品として用いてもよい。上記医薬部外品としては、厚生労働大臣が指定した医薬部外品であって、吐き気その他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止や、あせも、ただれなどの防止や、脱毛の防止、育毛又は除毛を行うための医薬部外品であれば特に限定されず、医薬部外品の製剤形態としては、例えば内服液剤、健康飲料、ビタミン含有保健剤、錠剤、顆粒剤、液剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、テープ剤、パッチ剤、エアゾール剤などが挙げられる。
本発明のサプリメントとしては、本件化合物を有効成分として含有するNK細胞の活性を促進するためのサプリメント(以下、「本件サプリメント」ともいう)であれば特に制限されず、かかるサプリメントはどのような形態であってもよく、例えば、水溶液や混濁物や乳化物などの液状形態、ゲル状やペースト状の半固形状形態、粉末や顆粒やカプセル、タブレットなどの固形状形態であってもよい。
また、本発明のサプリメントは、ロイシン、バリンなどのアミノ酸、亜鉛、カルシウムなどのミネラル、ビタミンA、ビタミンB、B、B、B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、βカロチン、コエンザイムQ10などのビタミンや、通常サプリメントの製剤に使用される賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、香味剤、緩衝剤などの添加物を含んでいてもよい。
本件サプリメントの摂取量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に有効成分である本件化合物の含量として0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜500mgの範囲で、1日1回から数回経口又は非経口摂取することができる。
本発明の飲食品としては、本件化合物を有効成分として含有するNK細胞の活性を促進するための飲食品(以下、「本件飲食品」ともいう)であれば特に制限されず、かかる飲食品はどのような形態であってもよく、例えば、水溶液や混濁物や乳化物などの液状形態、ゲル状やペースト状の半固形状形態、粉末や顆粒やカプセル、タブレットなどの固形状形態であってもよい。
上記飲食品としては、例えば、即席食品類(即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席味噌汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズドライ食品など)、炭酸飲料、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)の果汁や果汁飲料や果汁入り清涼飲料、柑橘類の果肉飲料や果粒入り果実飲料、トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガスなどの野菜を含む野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料やタバコなどの嗜好飲料・嗜好品類、マカロニ・スパゲッティ、麺類、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉、ギョーザの皮などの小麦粉製品、キャラメル・キャンディー、チューイングガム、チョコレート、クッキー・ビスケット、ケーキ・パイ、スナック・クラッカー、和菓子・米菓子・豆菓子、デザート菓子などの菓子類、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類、甘味料などの基礎調味料、風味調味料、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類などの複合調味料・食品類、バター、マーガリン類、マヨネーズ類、植物油などの油脂類、牛乳・加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリームなどの乳・乳製品、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済み冷凍食品などの冷凍食品、水産缶詰め、果実缶詰め・ペースト類、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、水産乾物類、佃煮類などの水産加工品、畜産缶詰め・ペースト類、畜肉缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物・煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)などの農産加工品、ベビーフード、ふりかけ・お茶漬けのりなどの市販食品などが挙げられる。
なお、本発明の他の態様としては、(a)5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを対象に投与することを特徴とするNK細胞活性の促進方法や、(b)5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを対象に投与することを特徴とする免疫賦活方法や、(c)本件NK細胞活性促進剤、本件医薬品、本件サプリメント又は本件飲食品として使用するための5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンや、(d)本件NK細胞活性促進剤、本件医薬品、本件サプリメント又は本件飲食品の調製における5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンの使用を挙げることができる。
上記「NK細胞活性」とは、NK細胞における細胞障害活性を意味し、具体的には、NK細胞における、腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対するアポトーシス誘導能力や、サイトカイン産生能力を挙げることができる。なお、NK細胞活性促進としては、in vivoにおけるNK細胞の活性促進であっても、in vitroにおけるNK細胞の活性促進であってもよい。また、NK細胞の活性促進により免疫賦活化が誘導される。
本件NK細胞活性促進剤、本件医薬品、本件サプリメント又は本件飲食品の有効成分である本件化合物は、カテキン代謝物、すなわちヒト、ラット、マウス、ブタなどの哺乳動物の生体内に生息する微生物の作用などにより、カテキン類から生成しうる化合物であることから、安全性に優れたNK細胞活性促進剤、医薬品、サプリメント又は飲食品とすることが可能である。
本件化合物を本件NK細胞活性促進剤、本件医薬品、本件サプリメント又は本件飲食品に含有させるには、精製された本件化合物を含有させてもよく、あるいは、粗精製された本件化合物を含有する組成物を含有させてもよい。
本件化合物は、次の文献に示す公知の有機化学合成法(SYNTHESIS, 9, 1512−1520, 2010)などにより得ることができ、例えば、3,5−(tert−ブチルジメチルシロキシ)ブロモベンゼン[(3,5−(tert−Butyldimethylsiloxy)bromobenzene)を基質としてスワーン酸化、ウィッティヒ反応を含む7つの反応を用いることで調製することが可能である。
また、本件化合物は、上記非特許文献7−9に示す腸内微生物を用いた微生物変換法により製造することも可能である。微生物変換法によりカテキン代謝物である本件化合物を製造する場合、ラットやヒトの腸内微生物を含む糞や盲腸内容物を培養して腸内微生物を増殖させた後、培養菌体を緩衝液、生理食塩水、水などに懸濁させ、懸濁液に基質となるカテキン類を加えてインキュベーション処理する方法を挙げることができる。
基質として加えるカテキン類としては、非ガレート型カテキン類である(+)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−ガロカテキンや、ガレート型カテキン類である(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレートを挙げることができ、(−)−エピガロカテキンを好適に挙げることができる。
カテキン類を式(II)で表わされる化合物(1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−3−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−プロパン−2−オール)に変換する能力を持つ微生物の好ましい例としては、エガーテラ・レンタ:Eggerthella lenta JCM9979株や、アドラークルーツィア・エクオーリファシエンス:Adlercreutzia equolifaciens MT4s−5株(受託番号FERM P−21738)及びJCM14793株、アサッカロバクター・セラツス:Asaccharobacter celatus JCM14811株、スラッキア・エクオーリファシエンス:Slackia equolifaciens JCM16059株を挙げることができる(Biol. Pharm. Bull., 38, 325−330, 2015参照)。
(式中、4位の立体配置はR配置又はS配置とする。)
式(II)で表わされる化合物を、式(I)で表わされる本件化合物に変換する能力を有する微生物の好ましい例としては、フラボニフラクター属細菌(旧学名;ユウバクテリウム属細菌及びクロスリジウム属細菌)を挙げることができ、さらに好ましくは、フラボニフラクター・プラウティ:Flavonifractor plautii(旧学名;ユウバクテリウム・プラウティ:Eubacterium plautii)ATCC29863株、フラボニフラクター・プラウティ:Flavonifractor plautii(旧学名;ユウバクテリウム・プラウティ:Eubacterium plautii)MT42株(受託番号FERM P−21765)及びフラボニフラクター・プラウティ:Flavonifractor plautii(旧学名;クロストリジウム・オルビシンデンス:Clostridium orbiscindens)ATCC49531株を挙げることができる。
カテキン類を式(II)で表わされる化合物に変換する能力を持つ微生物と、式(II)で表わされる化合物を式(I)記載の本件化合物に変換する能力を有する微生物を共存させた培養菌体懸濁液又は培養液に、カテキン類及び/又はカテキン含有物を基質として添加し、嫌気条件下でインキュベーション処理することで上記の本件化合物含有物を容易に得ることができる。インキュベーション処理方法については、上記微生物を培養後、集菌したものを緩衝液や生理食塩水、水などに懸濁させ基質を添加する方法、若しくは上記微生物の培養時あるいは培養開始後一定期間経過後に基質を添加する方法がある。さらに、上記微生物の生育する培養液中に基質を添加し、嫌気条件下でインキュベーション処理することで式(I)記載の化合物を容易に得ることもできる。
なお、カテキン類のうちピロガロール型カテキン類を式(II)の化合物に微生物変換するためには、培地中に水素及び/又は蟻酸を添加する必要がある。また、水素や蟻酸を培地中に添加しない場合には、水素及び/又は蟻酸生成微生物を共存させることも可能である。このような微生物の例として、大腸菌(Escherichia coli)を挙げることができる。
上記に示した微生物を培養する場合には、該当微生物が生育できる栄養源含有培地に接種し、嫌気的条件下で培養する。培養菌体を得るための微生物培養及び基質存在下での微生物培養は、一般的な嫌気性微生物の培養方法を採用することができる。また、培養菌体を集菌した後、上記基質の存在下でインキュベーション処理する場合にも、嫌気条件下で行うことが望ましい。培養に用いられる培地としては、上記微生物が生育できる培地であれば特に限定されないが、例えばGAMブイヨン(日水製薬社製)などが利用可能である。
培養条件は、上記微生物が生育しうる範囲内で適宜選択することができる。通常、pH6.0〜7.5、35〜40℃であり、好ましくはpH6.5〜7.3、37〜39℃である。培養時間は通常24〜120時間、好ましくは48〜72時間である。上述した各種の培養条件は、使用する微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更でき、最適条件を選択することができる。
微生物変換法によりカテキン代謝物を製造する場合、調製時には数種類のカテキン代謝物を含む抽出物が得られるが、精製を重ねることで高純度のカテキン代謝物を得ることが出来る。有機合成方法と同様に種々の既知精製手段を選択し、組み合わせて行うことで所望する純度が得られる。例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ブタノールなどを用いた溶媒抽出、合成樹脂吸着剤の脱吸着を利用する方法、シリカゲルなどのカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを単独あるいは適宜組み合わせて分離・精製し、抽出物中のカテキン代謝物の含有率を調節することが出来る。
以下に、本件化合物の製造例、試験例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[本件化合物の製造例]
(製造例1:エガーテラ・レンタJCM9979株とフラボニフラクター・プラウティATCC29863株及び大腸菌K12株の共存下での((R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン[(R)−5−(3,5−dihydroxyphenyl)−γ−valerolactone])の製造方法)
エガーテラ・レンタJCM9979株を30mLのGAMブイヨン(日水製薬社製)に植菌し、37℃で48時間嫌気培養し、前培養液とした。大腸菌K12株及びユウバクテリウム・プラウティATCC29863株は10mLのGAMブイヨンで24時間嫌気培養し、前培養液とした。(−)−エピガロカテキン290mgを含む100mLのGAMブイヨンにJCM9979株、大腸菌K12株の前培養液を加え、37℃で48時間嫌気培養した。培養液1mLをサンプリングして高速遠心分離(15000×g、10分)により菌体を除去し、上清をLC/MS分析することで(S)−1−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−3−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−プロパン−2−オールの生成を確認した。LC/MS分析条件を以下に記載する。
カラム:Capcellpak C18 MG(2.0i.d.×100.0mm、5μm、(資生堂社製)、流速:0.2mL/分、カラム温度:40℃、溶媒A:(水/アセトニトリル/酢酸=100:2.5:0.1 容量比(v/v/v))、溶媒B:(水/アセトニトリル/メタノール/酢酸=35:2.5:65:0.1 容量比(v/v/v/v))、グラジエント;0分:A100% B0%、3分:A100% B0%、25分:A0% B100%、25.1分:A100% B0%、33分:A100% B0%、検出器:PDA及び質量分析計、インターフェース:ESI、ポラリティ:ネガティブとした。
次に、上記のユウバクテリウム・プラウティATCC29863株の前培養液を加えて37℃で48時間嫌気培養を行った。その後、培養液1mLをサンプリングして高速遠心分離(15000×g、10分)に供し、得られた上清を上記と同様のLC/MS分析に供して(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンの生成を確認した。
培養液を高速遠心分離(10000×g、20分間、10℃)し、菌体を除去した。得られた上清に塩酸を加えてpH2.0に調整し、37℃で約12時間インキュベートした後、200mLの酢酸エチルで3回抽出した。この酢酸エチル層はエバポレーターにより濃縮乾固し、得られた濃縮液を適量の5%メタノール水溶液に溶解して分取HPLCに供した。分取HPLC条件は以下に記載する。
カラム:Capcellpak MG(20i.d.×150mm、5μm、(資生堂社製)、流速15mL/分、溶媒A:アセトニトリル:メタノール:水:酢酸(5:5:90:0.3 容量比(v/v/v))、溶媒B:アセトニトリル:メタノール:水:酢酸(5:65:30:0.5 容量比(v/v/v))、グラジエント;0分:A80% B20%、5分:A80% B20%、20分:A10% B90%、25分:A1% B90%、26分:A80% B20%、35分:A80% B20%、検出器:UV270nmとした。
分取後、上記LC/MS分析と同条件で分析し、目的とする代謝物の含まれる画分を確認した。その後、分取液をエバポレーターで濃縮乾固し、乾固物に5mLの純水を加えて再度濃縮乾固する操作を3回繰り返して画分中の酸を完全除去した。最後に、少量の純水を加えて溶解させた乾固物を凍結乾燥させることで(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを45mg得た。
(製造例2:ラット腸内微生物の存在下での(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン[(R)−5−(3,5−dihydroxyphenyl)−γ−valerolactone]の製造方法)
Wistar系ラット(♂、日本チャールスリバー株式会社)5匹から糞便を5.6g採取し、GAMブイヨン300mLに入れ、37℃で2日間嫌気培養を行った。次に、この培養液を滅菌済みの遠心管に入れ、9000×gで20分間遠心分離を行った。上清を捨て、菌体に200mLの滅菌水を加えて菌体を洗浄した後、再度遠心分離(9000×g、20分)を行った。得られた菌体を(−)−エピガロカテキン50mgを含む100mLの0.2Mリン酸緩衝液(pH7.2)に懸濁した。37℃で10日間嫌気培養した。その後、培養液に2M塩酸水を加えてpH4.0に調整し、遠心分離(9000×g、20分)に供して菌体を除去した。上清を100mLの酢酸エチルで3回抽出を行った後、酢酸エチル層を合わせてエバポレーターで減圧濃縮し、得られた濃縮液を10%メタノール水溶液で溶解して分取HPLCに供した。分取HPLCは製造例1と同様の方法に従って行った。
分取後、代謝物を含む画分を製造例1に記載の方法と同様に濃縮乾固し、凍結乾燥に供することにより(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを5.5mg得た。
[試験例:(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンのマウス脾臓NK細胞活性促進試験]
以下にマウス脾臓NK細胞活性促進試験について説明する。
(a)使用動物及び飼育方法
5週齢の雌性BALB/cマウスを無菌特殊環境下で3週間予備飼育した後、8週齢から試験に用いた。飼育条件は、室温20℃、相対湿度60%、照射時間12時間(8時〜20時)とした。
(b)マウス投与試験
製造例1及び2の方法に従って調製した(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン、又はエピガロカテキン(EGC:三井農林社製)を2.5%ジメチルスルホキシド(DMSO)含有生理食塩水に溶解し、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンはマウスの体重1kgあたり1mg若しくは10mg(1mg/kg若しくは10mg/kg)、EGCはマウスの体重1kgあたり10mg(10mg/kg)となるように金属製胃ゾンデを用いて経口投与した。コントロール群に対しては、2.5%DMSO含有生理食塩水を経口投与した。投与量は200μL/匹とし、各群10匹のマウスに1日1回、計14日間反復投与した。14日目の投与終了後にマウスを屠殺し、血清、パイエル板、腸管膜リンパ節、脾臓を得た。
(c)マウス脾臓NK細胞の調製
マウスより摘出した脾臓を、5mLのロズウェルパーク記念研究所(RPMI)1640培地を入れた5mLディッシュに浸した。次に、脾臓をスライドガラスですり潰して細胞懸濁液とし、金属メッシュを用いてろ過した。ろ過後、遠心分離(350×g、5分)により上清を除去し、赤血球溶解バッファーで1分間培養した後、新しいRPMI1640培地を10mL加えて懸濁した。この洗浄操作を2回繰り返し行った後、CD4 Positive kit(STEM CELL社製)を用いて細胞を分離し、RPMI培地にて1×10 cells/mLとなるように調製した。調製方法はキットのプロトコールに従い行った。
(d)マウス脾臓NK細胞活性促進試験方法
マウスリンパ腫細胞であるYAC−1細胞を1×10 cells/mLとなるように調製し、カルセインーアセトキシメチルエステル(calcein−AM)を最終濃度が10μg/mLとなるように加えて37℃で1時間培養した。calcein−AMにより染色したYAC−1細胞(1×10 cells/100μL)に対して、調製したマウス脾臓NK細胞を4×10 cells/100μLまたは2×10 cells/100μLとなるように加え、U底96穴プレートで4時間半培養した。その後、培養液を100×gで5分間遠心分離し、上清液100μLを黒96穴プレートに移した後、プレートリーダーにより蛍光度を測定した。測定時の励起波長は355nm、蛍光波長は450nmとした。
(c)統計処理方法
得られた測定結果を以下の式に代入し、YAC−1細胞に対する細胞障害活性を算出した。各群の細胞障害活性は平均値(mean)及び標準誤差(S.E.M)で示し、Tukey’s testによりコントロール群と各試料の有意差を調べた。結果を図1及び図2に示す。有意水準は、異符号間をp<0.05とした。
細胞障害活性(% cytolysis)=(サンプル蛍光強度−自然遊離蛍光強度)/(最大蛍光強度−自然遊離蛍光強度)×100
図1及び図2において、横軸は添加した化合物、縦軸はコントロール群を100とした場合の相対細胞障害活性レベルを示す。なお、図中において(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンをIaと表記している。
図1及び図2に示すように、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを10mg/kgを投与した群では、コントロール群、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを1mg/kg投与した群及びEGCを10mg/kg投与した群に比べてYAC−1細胞障害活性レベルが有意に上昇していることが確認された。
また、図2に示すように、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを1mg/kgを投与した群では、EGCを10mg/kg投与した群に比べてYAC−1細胞障害活性レベルが有意に上昇していることが確認された。
NK細胞の活性が促進されると、YAC−1細胞に対する攻撃性すなわち細胞障害活性レベルが上昇することから、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを経口投与したマウスにおいて脾臓NK細胞活性が促進されることが明らかとなった。なお、今回見られたNK細胞活性促進作用はNK細胞の増殖によるものではないことが確認されている。
(製造例:錠剤)
(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(0.5重量%)、キシリトール(33.8重量%)、マンニトール(30.6重量%)、微結晶性セルロース(6.1重量%)、着香料(14.1重量%)、ステアリン酸(4.3重量%)、タルク(0.6重量%)及びソルビトール(10.0重量%)を混合した粉体を錠剤プレスによって圧縮し、(R)−5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的とした錠剤を得た。
(製造例:皮膚外用液剤)
精製水に5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(5.0重量%)、グリセリン(5.0重量%)及びプロピレングリコール(4.0重量%)を加え溶解した。一方、エタノール(0.1重量%)にオレイルアルコール(0.1重量%)及び安息香酸(0.05重量%)を室温で溶解した。これを精製水部に加えて可溶化してろ過後、充填することにより、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的とした皮膚外溶液剤を得た。
(製造例:軟膏)
精製水に5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(3.0重量%)、ハッカ油(0.5重量%)、ティーツリー油(0.3重量%)、ワセリン(25.0重量%)、ステアリルアルコール(20.0重量%)、プロピレングリコール(12.0重量%)、POE硬化ヒマシ油(4.2重量%)、モノステアリン酸グリセリン(1.0重量%)、プロピルパラベン(0.1重量%)及びメチルパラベン(0.1重量%)を湯浴上で加温融解させて混合した後、混合物を室温に冷却し、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的とした軟膏を得た。
(製造例:キャンディー)
砂糖(33.0重量%)、水飴(66.0重量%)、クエン酸(0.67重量%)、香料(0.21重量%)、着色料(0.07重量%)及び5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(0.05重量%)をキャンディー処方により常法で調製し、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的としたキャンディーを得た。
(製造例:清涼飲料水)
果糖ブドウ糖液糖(13.0重量%)、クエン酸(0.3重量%)、アスコルビン酸(0.03重量%)、クエン酸ナトリウム(0.02重量%)、香料(グレープフルーツフレーバー)(0.1重量%)及び5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(0.1重量%)に水を加えて溶解し、5Lの飲料を調製した。溶液は100mLをガラス瓶容器に分注して常法により殺菌を行い、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的とした清涼飲料を得た。
(製造例:無糖茶飲料)
市販無糖茶飲料として緑茶(三井農林社製)200mLに5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン0.1gを添加溶解後、常法にて殺菌し、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的とした無糖茶飲料を得た。
(製造例:スポーツ飲料)
5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトン(0.1mg)、ビタミンB塩酸塩(0.45mg)、ビタミンB(0.2mg)、ビタミンC(10mg)、ナイアシン(0.8mg)、パントテン酸Ca(0.22mg)、クエン酸鉄アンモニウム(12.57mg)、クエン酸(100mg)及び果糖(2.5g)の成分にイオン交換水を加え全量を200mLとし、5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを含有するNK細胞活性促進又は免疫機能の維持向上を目的としたスポーツ飲料を調製した。
本件NK細胞活性促進剤、本件医薬品、本件サプリメント又は本件飲食品は、NK細胞の活性を促進することから、免疫機能の向上を図り、様々な免疫疾患の予防又は治療分野で有用である。

Claims (3)

  1. 以下の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤。


    (式中、4位の立体配置はR配置又はS配置とする。)
  2. 以下の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤が、医薬品製剤形態で調製され、投与されるものであることを特徴とする請求項1に記載のナチュラルキラー細胞活性促進剤


    (式中、4位の立体配置はR配置又はS配置とする。)
  3. 以下の式(I)で表される5−(3,5−ジヒドロキシフェニル)−γ−バレロラクトンを有効成分とするナチュラルキラー細胞活性促進剤が、サプリメント或いは飲食品の形態で投与されるものであることを特徴とする請求項1に記載のナチュラルキラー細胞活性促進剤。


    (式中、4位の立体配置はR配置又はS配置とする。)
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