JP7290905B2 - カテキン代謝物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は嫌気性微生物によるカテキン代謝物の製造方法に関する。
カテキン類の優れた生理機能が数多く報告される一方で、カテキン類の生体内動態に関する研究も広く行われている。
カテキン類は生体内への吸収量が非常に低く、経口摂取した大部分のカテキン類は腸内において腸内微生物(腸内細菌)の作用により分解され、代謝物として生体内へ吸収されることが示されている。腸内微生物によるカテキン類の代謝に関する報告は多く(非特許文献1乃至4参照)、主な代謝物として5-フェニル-γ-バレロラクトンや5-フェニル-4-ヒドロキシ吉草酸などが挙げられる。また、5-フェニル吉草酸、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、安息香酸など様々な代謝物が尿中から見出されている(非特許文献5乃至7参照)。
近年、茶カテキン代謝物は、様々な有効な作用について研究されておきており、なかでも、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸が幅広い機能を発揮することが知られている。これらの化合物の機能として、例えば、血圧上昇抑制効果(特許文献1)、ナチュラルキラー細胞活性促進効果(特許文献2)、免疫細胞増殖促進効果(特許文献3)、子宮頸癌増殖抑制効果(特許文献4)、脳神経細胞増殖促進効果(特許文献5)、糖取り込み促進効果(特許文献6)、ジペプチジルペプチダーゼ-IV阻害効果(特許文献7)などが挙げられる。
5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンは、化学合成法で製造できることが知られている(非特許文献8)。しかし、化学合成法では合成のステップが多く煩雑である。また、化学合成ゆえに食品として利用する目的としては適さないものであるという問題点がある。
上記の問題点を解決するために、特許文献8、非特許文献9には、アドラークルーツィア・エクオーリファシエンスMT4s-5、ユウバクテリウム・プラウティMT42及び大腸菌K12の3菌株の培養により、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)γ-バレロラクトンを得る生物学的な製造方法が開示されている。この製造方法は、フェニル基の4’位の水酸基を水素にする(脱水酸基)ために、培地中に水素や蟻酸を添加するか、水素および/または蟻酸生成微生物である大腸菌を共存させるものである。
特開2012-144532号公報 特開2016-160238号公報 特開2016-003200号公報 特開2015-030724号公報 特開2017-061438号公報 特開2017-101010号公報 特開2018-118939号公報 特開2011-87486号公報
J.Agric.Food Chem.,49,4102-4112,2001 Chem.Res.Toxicol.,13,177-184,2000 J.Agric.Food Chem.,51,5561-5566,2003 J.Agric.Food Chem.,51,6893-6898,2003 J.Agric.Food Chem.,58,1313-1321,2010 J.Agric.Food Chem.,58,1296-1304,2010 Chem.Pharm.Bull.,45,888-893,1997 Hamada M. et al., Synthesis, 9, 1512-1520,2010 Arch.Microbiol.,196(10),681-695,2014
しかし、特許文献8と非特許文献9に開示された製造方法においては、いずれも水素を添加すること、あるいは、水素および/または蟻酸生成微生物である大腸菌を共存させることが必要であり、製造上安全性を保つためには、特別な製造設備が必要である。また、3菌株を使用するために、製造コスト、製造管理の面で課題がある。
そこで、本発明は、培地中に水素や蟻酸を添加をしない場合、又は、水素及び/又は蟻酸生成微生物である大腸菌を共存させない場合であっても、嫌気性微生物を培養することによってカテキン代謝物である5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)γ-バレロラクトンを製造できる方法を提供する。
本発明者らは、鋭意研究の結果、五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖を培地に使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 嫌気性条件下で、嫌気性微生物によるカテキン類から5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの少なくとも一種を製造する製造方法において、五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を含む培地を使用することを特徴とする製造方法。
[2] 前記嫌気性微生物がエガーテラ・レンタJCM9979株及びフラボニフラクター・プラウティATCC49531株の少なくとも一種であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記カテキン類がエピガロカテキンである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記糖類において、単糖である五炭糖又は多糖の構成糖である五炭糖が、キシロース、D-アラビノース、L-アラビノース及びリボースからなる群から選択される、[1]乃至[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記培地中の前記糖類の濃度が、1~20g/Lである、[1]乃至[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 嫌気性条件下で、嫌気性微生物によるカテキン類から5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの少なくとも一種を製造する製造方法において、キシロース及びキシロースを構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を含む培地を用いることを特徴とし、前記嫌気性微生物が、エガーテラ・レンタJCM9979株及びフラボニフラクター・プラウティATCC49531株である、製造方法。
[7] 前記キシロース及びキシロースを構成糖として含む多糖が、キシロース、キシロビオース、キシロオリゴ糖及びキシランからなる群から選択される、[6]に記載の製造方法。
[8] カテキン類がエピガロカテキンである[6]又は[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、嫌気性微生物を利用して、カテキン類を出発原料とした5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸および5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの効率的、かつ、安全な製造が実現できる。また、当該製造方法は、高い変換率で上記化合物を製造できる。
図1は、実施例1乃至7及び比較例1乃至8の代謝物の変換率を示し、(A)は4日間培養後の代謝物の変換率であり、(B)は7日間培養後の代謝物の変換率である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
[カテキン代謝物]
本発明は、嫌気性微生物によりカテキン類からカテキン代謝物を製造する方法である。本発明のカテキン代謝物とは、式(I)
Figure 0007290905000001

(式中、波線は立体配置がR配置又はS配置を表す。)
で示される5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン(以下、化合物Iで記載する場合もある)、及び式(II)
Figure 0007290905000002

(式中、波線は立体配置がR配置又はS配置を表す。)
で示される5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸(以下、化合物IIで記載する場合もある)である。
式(I)及び式(II)の化合物は、カテキン類を出発物質として、製造することができる。ここでカテキン類とは、主にお茶に含まれるポリフェノールの一種である。基質として加えるカテキン類としては、非ガレート型カテキン類であるエピガロカテキン、ガロカテキンや、ガレート型カテキン類である(-)-ガロカテキンガレート、(-)-エピガロカテキンガレートを挙げることができ、特に、(-)-エピガロカテキン、(-)-ガロカテキンを挙げることができ、(-)-エピガロカテキンを好適に用いることができる。ガレート型カテキン類を使用する場合は、タンナーゼを工程中に添加させて、加水分解してから使用してもよい。本明細書において、エピガロカテキンは、式(III)で示される化合物をいうものとする。
Figure 0007290905000003
エピガロカテキンを出発物質として嫌気性微生物によってカテキン代謝物を生成する一例として、エピガロカテキンから式(IV)、式(V)の化合物を生成し、その後さらに反応が進み、フェニル基の4’位の水酸基を水素に変換された化合物I、IIが生成される。4位が水素に置換されることで、酸化安定性に優れ、様々な生理機能性素材としての利用範囲が広がり、あるいは生理機能において高い活性が期待できる。
Figure 0007290905000004

(式中、波線は立体配置がR配置又はS配置を表す。)
Figure 0007290905000005

(式中、波線は立体配置がR配置又はS配置を表す。)
好適な基質として挙げられた(-)-エピガロカテキンは、ツバキ属の常緑樹であるチャノキ(Camellia sinensis)の葉、茎、木部、樹皮、根、実、種子やこれらの混合物もしくはそれらの粉砕物から水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒あるいはこれらの混合物等により抽出し精製することにより得られる。また、生成物の形態的には液体、固体(粉末を含む)の別を問わない。
また、(-)-エピガロカテキンは、シグマアルドリッチ株式会社、富士フィルム和光純薬(株)、Hunan Sunfull Bio-tech社などから入手したものを使用することができる。
[嫌気性微生物]
本発明で用いられる嫌気性微生物は、カテキン類を式(I)及び/又は式(II)の化合物へ変換する能力を有する嫌気性微生物であれば、特に制限されるものではない。ここで、嫌気性微生物とは、増殖に酸素を必要としない生物である。そのような嫌気性微生物の好ましい例としては、エガーテラ属細菌に属する細菌及びフラボニフラクター属細菌に属する細菌を挙げることができる。
エガーテラ属細菌に属する細菌の中でも、エガーテラ・レンタ(Eggerthella lenta)JCM9979株がより好ましい。また、フラボニフラクター属細菌に属する細菌としては、フラボニフラクター・プラウティATCC29863株、ATCC49531株がより好ましい。また、これらを組み合わせてもよく、エガーテラ・レンタJCM9979株と、フラボニフラクター・プラウティATCC49531株とを組み合わせて使用することが最も好ましい。
[培養方法]
本発明において、嫌気性微生物は、下記する培地において、嫌気性条件下でカテキン類と共存させて培養することができる。この培養方法は、公知の微生物の培養方法にしたがって培養することができる。培養装置は、嫌気性培養装置(ジャーファーメンター)を使用することができ、具体例としては、実施例において用いた嫌気性培養装置BME-05NCS-M(エイブル社製)等を用いることができる。
嫌気性培養装置は、金属、ガラス、あるいは合成樹脂製の気密容器を備え、当該容器の内部を大気中の酸素から遮断することができる構造になっている。
さらに、ガスボンベ等から任意の気体を嫌気性培養装置へと供給することができる。供給ガスを構成する気体の組み合わせは特に制限されるものではなく、水素、二酸化炭素、窒素などから選択される1種類以上の気体を構成成分として用いることが可能である。酸素を含まないことが好ましい。
供給ガスの培養装置への通気量は嫌気性微生物が生育しうる範囲内で適宜選択することができる。好ましくは0.005~1.0vvmであり、さらに好ましくは0.01~0.1vvmである。「vvm」とは、1分間で、液容量に対して何倍の通気をするかということを示すものである。
なお、嫌気性微生物を培養する際の圧力条件は、当該嫌気性微生物が生育できる条件であれば特に限定されるものではないが、好ましい加圧条件としては、0.02~0.2MPaの範囲を挙げることができる。
本発明において、カテキン類から5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸および5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンを製造する際には、従来は、水素を用いる必要があった。これは、水素が存在すると反応途中の脱水酸基が進行しやすくなるためだと推測される。しかしながら、本発明では、雰囲気を形成するガスに水素を添加しなくても反応が進行し、さらには、培地に蟻酸生成微生物である大腸菌等を共存させなくても、反応が進行するという特徴を有する。五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を添加することにより、水素を添加しなくても反応が進行する理由としては、(1)使用菌でも水素が発生する、(2)使用菌の生育が良くなる(代謝の変化)、(3)脱水酸基に関連する遺伝子の発現が増える、などの理由が考えられる。
なお、本発明においては、水素を添加しなくても、カテキン代謝物の生成は進行するが、水素の使用を除外するものではない。水素を使用すれば、製造装置の負荷や安全面がやや不安になるものの、生成の進行速度は高くなると推測される。本明細書において、「水素を添加しない」とは、外部から系の中に積極的に水素を供給することを意味し、外部から系の中に積極的に水素を供給しなければ、不可避的に存在してしまう水素や、何らかの理由により反応中に発生してしまう水素が存在していてもよいものとする。
培養時のpH及び温度は、嫌気性微生物が生育しうる範囲内で適宜選択することができる。pHは、好ましくは6.0~8.0、より好ましくはpH6.5~7.5であり、温度は、好ましくは35~40℃、より好ましくは37~39℃である。培養時間は好ましくは10~300時間、より好ましくは24~200時間である。上述した各種の培養時のpH、温度や培養時間は、使用する微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更でき、最適条件を選択することができる。
カテキン類を含む培地においてカテキン代謝物(化合物I及びII)を生産する際に、嫌気性微生物を植菌する方法は一般的な嫌気性微生物を植菌する方法を採用することができる。例えば、GAMブイヨン培地(日水製薬(株)製)のような一般的な嫌気性微生物が生育する培地にて嫌気性微生物を2~5日間培養して得られた前培養液を、カテキン類を含む培地に少量添加する方法が挙げられる。ここで前培養液とは、反応に用いられる嫌気性微生物を含んだ培養液をいう。好ましくは、実施例で用いた方法のようにエガーテラ・レンタJCM9979株、フラボニフラクター・プラウティATCC49531株等の異なる株の菌を別々のGAMブイヨン培地にて2~5日間培養して得られた前培養液を共存させて植菌に用いる。なお、ここでいう前培養液とは、カテキン類を用いて培養する前の培養した液をいう。
[培地]
本発明において、嫌気性微生物の培養に用いられる培地としては、五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を添加する以外は、嫌気性微生物が生育できる培地であれば特に限定されないが、当業者は、適切な培地を選択することができる。
[培地に添加する糖類]
培地に添加する糖類として、五炭糖の単糖又は五炭糖を構成糖として含む多糖からなる糖類を使用することが、本発明の特徴の一つである。五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖からなる糖類は、これらのいずれかを培地に添加してもよく、複数種用いる場合は、混合して用いることもできる。
五炭糖の具体例としては、キシロース、D-アラビノース(特にD-(-)-アラビノース)、L-アラビノース(特にL-(+)-アラビノース)、リボース等が挙げられる。また、これらの五炭糖は、多糖を構成する五炭糖としても好ましい。
本発明において、多糖とは、2分子又はそれ以上の単糖で構成される糖をいう。すなわち、ここでいう多糖は、二糖やオリゴ糖も含まれる。多糖は、直鎖状であってもよく、分岐鎖を有していてもよい。多糖は、1種の単糖で構成されていてもよく、2種又はそれ以上の単糖で構成されていてもよく、重合度は特に制限されない。
そして、本発明で用いることができる多糖は、多糖を構成する単糖の一部または全部が五炭糖であるという特徴を有する。したがって、多糖を構成する単糖のすべてが五炭糖である必要はなく、例えば、六炭糖などの他の単糖を構成糖として含んでもよい。多糖としては、二糖であるキシロビオース(構成単糖はキシロースの2分子)、プリメベロース(構成単糖はキシロース、グルコースの2分子)、ビシアノース(構成単糖はアラビノース、グルコースの2分子)、そのほか多糖としては、キシロースを構成糖としたオリゴ糖であるキシロオリゴ糖、キシロースを主要な構成糖とした高分子多糖であるキシランなどが挙げられる。
本発明において、キシロースを構成単位として含む糖類を用いることも好ましい。キシロースを構成単位として用いる糖類としては、キシロビオース、キシロトリオース、キシロオリゴ糖、アラビノオリゴ糖、キシラン、アラビノキシラン(アラビノースとキシロースを構成とする)、ヘミセルロースが挙げられ、これらを二種以上で混合して用いてもよい。
五炭糖の単糖及び/又は五炭糖を構成糖として含む多糖かなる糖類の培地に添加する濃度範囲は、培地1Lあたり、1~20g/Lであり、より好ましくは3~10g/Lである。
キシロースを構成単位として含む糖類の好ましい濃度範囲は、培地1Lあたり、1~20g/Lであり、より好ましくは3~10g/Lである。
その他の炭素源として、ソルボース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、デキストリン、吉草酸、酪酸、プロピオン酸、酢酸、ギ酸をさらに用いてもよい。
本発明で用いられる培地には、通常の発酵に用いうる各種の栄養源をさらに用いることができる。栄養源としてはアミノ酸類、ペプトン類、酵母エキス、肉エキス、魚エキス、肝臓エキス、麦芽エキス、消化血清末などが好ましく、アルギニン、シトルリン、オルニチン、酵母エキス、ペプトン類がより好ましい。特に、酵母エキスが好ましい。
栄養源であるペプトン類とはタンパク質の加水分解物であり、例えば、カゼインの酵素分解物(例えば、ハイポリペプトン(日本製薬社))、カゼインの膵液分解物(例えば、Bacto Tryptone及びBBL,Trypicase Peptone(いずれもBectone,Dickinson and Company製)、大豆の酵素分解物(例えばハイポリペプトンS、ハイポリペプトンN、ハイポリペプトンNS(いずれも日本製薬社製))、又は大豆のパパイン分解物(例えば、BBL,Phytone Peptone(Bectone,Dickinson and Company製))などが挙げられる。これらの中でも、カゼインの分解物が好ましい。
さらに嫌気性微生物の培養に適した他の無機化合物、ビタミン剤、動植物由来の微生物増殖補助因子を培地に加えることもできる。例えば、ビタミンなどの補助因子や各種の塩類等の無機化合物を培地中に加えることによって、嫌気性微生物の増殖や活性を増強できる場合もある。無機化合物、ビタミン類として以下のものを挙げることができる。
無機化合物として、例えば、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、塩化ナトリウム、塩化コバルト、塩化カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、明ばん、モリブデン酸ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸等、塩化ニッケル、タングステン酸ナトリウム、セレン酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウムが挙げられる。
また、ビタミン類として、例えば、ビオチン、葉酸、ピリドキシン、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ビタミンB12、チオオクト酸、p-アミノ安息香酸が挙げられる。さらに、ポルフィリン化合物であるヘミンを添加するとよい場合がある。
培地の成分としてカゼインの分解物及び酵母エキスを含む培地を利用することによって、化合物I、IIのカテキン代謝物を効率よく製造することができる。
本発明において、カテキン類の添加量は、嫌気性微生物による変化が可能な範囲内で適宜選択することができる。通常は、培養液1mlあたり0.0001~0.5gであり、好ましくは1mlあたり0.001~0.1gであり、さらに好ましくは1mlあたり0.005~0.01gである。
[単離方法]
生成されたカテキン代謝物(化合物I、II)を単離するには、種々の既知精製手段を選択し、組み合わせて行うことができる。例えば、酢酸エチル、ブタノール、エーテルなどを用いた溶媒抽出、合成樹脂吸着剤の脱吸着を利用する方法、シリカゲルなどのカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを単独あるいは適宜組み合わせて分離・精製することができる。
本発明で得られた化合物I及び/又はIIは、血圧上昇抑制効果、ナチュラルキラー細胞活性促進効果、免疫細胞増殖促進効果、子宮頸癌増殖抑制効果、脳神経細胞増殖促進効果、糖取り込み促進効果、ジペプチジルペプチダーゼ-IV阻害効果が期待されるため、これらの化合物を有効成分とする飲食品、サプリメント、医薬品等に利用できる。
以下、本発明について具体的な例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、各実施例においては、以下の方法により、エピガロカテキン、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの定量を行った。
すなわち、反応後の培養液を1mL採取し、カテキン類を安定化するために、採取した培養液に25μLの2M塩酸を加え、その後、高速遠心分離(9000×g、10分、25℃)して、菌体を除去し、上清を0.45μmのPTFE膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、以下の条件で分析を行った。
(HPLC条件)
・システム:Alliance HPLCシステム(ウォーターズ社)
・カラム:MightySil RP-18GP 150-4.6(4.6×150.0mm,5μm 関東化学(株))
・カラム温度:40℃
・流速:1.0mL/分
・移動相:
移動相A;水/メタノ-ル/燐酸=97/3/0.01(体積比)
移動相B;水/メタノ-ル/燐酸=50/50/0.01(体積比)
・グラジエント条件:0~2分 A;90% B;10%、2~14.5分 A;90→72% B;10→28%、14.5~16.5分 A;72→15% B;28→85%、16.5~18分 A;15% B;85%、18~18.1分 A;15→90% B;85→10%、18.1~25分 A;90% B;10%、※グラジエントはリニアグラジエント
・検出:UV(270nm)
・サンプル注入量:10μL
なお、各実施例及び比較例において、変換率は培養開始直後の培養液中のエピガロカテキンのモル濃度(mM)に対する5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ(以下化合物II)及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン(以下化合物I)各化合物のモル濃度(mM)であり、変換率は、以下の式により算出した。
変換率(%)=(各化合物のモル濃度)/(培養開始直後のエピガロカテキンのモル濃度)×100
(前培養液の製作)
エガーテラ・レンタJCM9979(Eggerthella lenta JCM9979)株及びフラボニフラクター・プラウティATCC49531(Flavonifractor plautii ATCC49531)株をそれぞれ5mLのGAMブイヨン(日水製薬(株)製)で72時間嫌気培養し、2菌株の前培養液を得た。
<培地に添加する糖類の検討>
(培地)
試験用の培地(代謝物生産培地A)は、以下のものを使用した。
Figure 0007290905000006

上記の成分を純水に溶解し、pHを7.1に調整し、代謝物生産培地Aとした。
(実施例1乃至7、比較例1乃至8)
代謝物生産培地Aにさらに、添加糖類として、表2に記載した各種糖類(実施例6のキシロオリゴ糖は、物産フードサイエンス(株)製、実施例7のキシランは、東京化成化学工業(株)製、その他の糖類はすべて富士フィルム和光純薬製)を滅菌前に終濃度3g/Lとなるように添加し、実験培地とした。調製後の実験培地は115℃、15分間オートクレーブ滅菌をした。上記実験培地(5mL)に、フィルター滅菌したエピガロカテキン(式(III)で表される化合物)(純度95%、Hunan Sunfull Bio-tech社製)溶液を、終濃度が1mMとなるように上記実験培地に加えた。さらに上記2菌株の前培養液100μLを植菌し、嫌気性条件下(アネロパックケンキ(三菱ガス化学(株)社製)を使用)において、37℃に保持しながら試験管にて7日間嫌気培養した。嫌気培養開始直後および開始から4日間後と7日間後に培養液を1mL採取し、高速液体クロマトグラフィーにより5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸(化合物II)と5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン(化合物I)を定量して、化合物IとIIの合計の変換率を算出した。
結果を表2に示す。
Figure 0007290905000007
4日間の嫌気培養後では、五炭糖の単糖(キシロ-ス、D-(-)-アラビノ-ス、L-(+)-アラビノース、リボ-ス)を含む実験培地において、4日間の嫌気培養後の化合物IとIIの合計で、変換率は50%以上(生産量0.5mM以上)であった。
7日間の嫌気培養後では、いずれの培地においても化合物I及び化合物IIが生産されており、その生産量は、その他の糖類および糖類の添加なしの条件に比べて多く、五炭糖を含む培地では、7日間の嫌気培養後の化合物IとIIの合計で、変換率は86%以上(生産量0.86mM以上)であった。
以上の結果より、水素の添加がない場合でも、五炭糖を使用した場合において化合物I、IIが効率的に生産されることが確認できた。
4日間の嫌気培養後では、五炭糖を構成糖として含む多糖(キシロ-ス、キシロビオース、キシロオリゴ糖、キシラン)を含む実験培地において、4日間の嫌気培養後の化合物Iと化合物IIの合計で、変換率は50%以上(生産量0.5mM以上)であった。特にキシロビオースは、4日間で変換率が非常に高かったのが、その一方、糖類を添加しない培地および、グルコースを添加した培地では、化合物I及びIIがほとんど生産されなかった。
7日間の嫌気培養後では、いずれの培地においても化合物I及び化合物IIが生産されていた。その量は、五炭糖を構成糖として含む多糖 > グルコース > 糖類なしの順に多かった。五炭糖を構成糖として含む多糖を含む培地では7日間の嫌気培養後の化合物Iと化合物IIへの変換率が合計で100%又は100%近い値であった。
以上の結果より、水素添加がない場合でも五炭糖又は五炭糖を構成糖として含む多糖ともに短期間で化合物I、IIが効率よく製造できることが確認できた。
<添加糖類の濃度>
(実施例8乃至12)
実施例1のキシロースの濃度を1g/L(実施例8)、2g/L(実施例9)、6g/L(実施例10)、10g/L(実施例11)、20g/L(実施例12)に変更し、実施例1と同様の方法で培養を行った。実施例1(キシロース濃度3g/L)及び比較例1(キシロース濃度0g/L)と併せて、結果を表3に示す。
Figure 0007290905000008
4日間の嫌気培養後では、1~20g/Lのキシロ-スを添加した培地のいずれでも化合物I及び化合物IIが生産されていた。その生産量は0~3g/Lのキシロース添加濃度では濃度の増加とともに増加し、3~10g/Lの添加濃度ではほぼ一定となった。
7日間の嫌気培養後においても同様の傾向が見られ、3~10g/Lの添加濃度で化合物Iと化合物IIの生産量が最大となった。このとき、3~10g/Lのキシロ-スを添加した培地における化合物Iと化合物IIの合計の生産量は0.75mMを超え、変換率は75%を超える値を示した。
以上の結果より、五炭糖を培地1Lあたり1~20g/L、特に3~10g/Lの濃度範囲で、水素を添加しない条件においても化合物I、IIが効率的に生産されることが確認できた。
20g/Lの添加濃度では、生産速度が低下したが生産は進行しているため、長時間培養することで生産することができる。
<栄養源の検討その1>
(培地)
試験用の培地(代謝物生産培地B)は、以下のものを使用した。
Figure 0007290905000009

上記の成分を純水に溶解し、pHを7.1に調整し、代謝物生産培地Bとした。
(比較例9乃至13)
代謝物生産培地Bにペプトン類として、10g/Lの表5に示す各種ペプトン類を添加し、実験培地とした。調製後の実験培地は115℃、15分間のオートクレーブ滅菌をした。上記実験培地(5mL)にエピガロカテキン(式(III)で表される化合物)を終濃度が1.1 mMとなるように滅菌後の培地に加えた。さらに上記2菌株の前培養液100μLを植菌し、37℃に保持しながら試験管にて7日間嫌気培養した。
なお、前培養液の製造方法は、前述の「(前培養液の製作)」の項目に記載されている方法と同様の方法で行った。
嫌気培養開始直後および開始から4日間後と7日間後に培養液を1mL採取し、高速液体クロマトグラフィーにより化合物Iと化合物IIを定量して、化合物IとIIの合計の変換率を算出した。
ペプトン類は下記の製品を使用した。
ハイペプトン: 日水製薬(株)製
ハイポリペプトンS: 日本製薬(株)製
Bacto Trypton: Bectone,Dickinson and Company製)
BBL, Trypticase Peptone: Bectone,Dickinson and Company製
BBL,Phytone Peptone: Bectone,Dickinson and Company製
(実施例13乃至17)
比較例9乃至13において使用したそれぞれの実験培地に、添加糖類として、キシロースを3g/L添加した他は、比較例9乃至13と同様の方法で培養を行い、化合物Iと化合物IIを定量して、化合物IとIIの合計の変換率を算出した。
比較例9乃至13、実施例13乃至17の結果を表5に示す。
Figure 0007290905000010
4日間の嫌気培養後では、キシロ-スを含む実験培地では添加したペプトン類の種類によらず化合物I及び化合物IIが生産されていた。一方、糖類を添加しない培地では化合物I及び化合物IIはほとんど生産されなかった。
7日間の嫌気培養後においても、培地中のキシロースの有無によって、化合物I及び化合物IIの生産量が大きく異なった。化合物I及び化合物IIは、キシロースを添加した実験培地においてはいずれの培地でも、7日間の嫌気培養後の化合物IとIIの合計で、変換率は45%以上(生産量0.4mM以上)を示す一方、キシロースを添加しない実験培地においてはいずれの培地でも変換率は13%以下(0.2mM以下)にとどまった。
以上により、キシロースを添加することによって、無添加の場合と比較して、ペプトン類の種類にかかわらず、化合物I、IIが生成できることが確認できた。
また、ペプトン類の中では、カゼイン酵素分解物が最も高い変換率を示した。
<栄養源の検討その2>
(培地)
試験用の培地(代謝物生産培地C)は、以下のものを使用した。
Figure 0007290905000011

上記の成分を純水に溶解し、pHを7.1に調整し、代謝物生産培地Cとした。
(比較例9及び比較例14乃至17)
代謝物生産培地Cにエキス類として、10g/Lの各種エキスを添加し、実験培地とした。調製後の実験培地を115℃、15分間オートクレーブ滅菌した。上記実験培地(5mL)にエピガロカテキンを終濃度が1.1mMとなるように滅菌後の培地に加えた。さらに上記2菌株の前培養液100μLを植菌し、37℃に保持しながら試験管にて7日間嫌気培養した。
なお、前培養液の製造方法は、前述の「(前培養液の製作)」の項目に記載されている方法と同様の方法で行った。
嫌気培養開始直後および開始から4日後と7日後に培養液を1mL採取し、高速液体クロマトグラフィーにより化合物Iと化合物IIを定量して、化合物IとIIの合計の変換率を算出した。なお、粉末酵母エキスを使用したものは、前記の比較例9と同じ内容であるため、表7中も比較例9とした。
使用したエキスは、下記のとおりである。
粉末酵母エキス: 極東製薬工業(株)製
粉末肉エキス: 極東製薬工業(株)製
細菌用魚エキス: 極東製薬工業(株)製
35%エルリッヒカツオエキス: 極東製薬工業(株)製(表7では、「カツオエキス」と表記)
Bacto,Malt extract: Bectone,Dickinson and Company製
(実施例13及び実施例18乃至21)
比較例9及び比較例14乃至17において使用した実験培地に、添加糖類として、キシロースを3g/L添加した他は、比較例9乃至13と同様の方法で培養を行い、化合物Iと化合物IIを定量して、化合物IとIIの合計の変換率を算出した。なお、粉末酵母エキスを使用したものは、前記の実施例13と同じ内容であるため、表7中も実施例13とした。
比較例9及び比較例14乃至17、実施例13及び実施例18乃至21の結果を表7に示す。
Figure 0007290905000012
4日間の嫌気培養後では、キシロ-スを含む実験培地では添加したエキス類の種類によらず化合物I及び化合物IIが生産されていた。一方、糖類を添加しない培地では化合物I及び化合物IIは生産されなかった。
7日間の嫌気培養後においても、キシロースを添加した実験培地においてはいずれの培地でも、7日間の嫌気培養後の化合物Iと化合物IIの合計で、変換率は10%以上(生産量0.1mM以上)であった。一方、キシロースを添加しない実験培地においてはいずれの培地でもほとんど生産されなかった。
エキス類としては、粉末酵母エキスを用いたものが、最も高い変換率を示した。
(実施例22)
エガーテラ・レンタJCM9979(Eggerthella lenta JCM9979)株およびフラボニフラクター・プラウティATCC49531(Flavonifractor plautii ATCC49531)株をそれぞれ60mLのGAMブイヨンで72時間嫌気培養し、2菌株の前培養液を得た。
式(III)で示されたエピガロカテキン(純度95%、Hunan Sunfull Bio-tech社製)6gを3Lの下記代謝物生産培地Dに加え、さらに上記2菌株の前培養液60mLを加え、嫌気性培養装置BME-05NCS-M(エイブル社製)にて37℃でpH7.1に保持しながら48時間嫌気培養した。この間のpHは、2Mの水酸化ナトリウム水溶液を使用して、ジャーファーメンター槽内のpHを保持した。
なお、代謝物生産培地Dは組成及び製造方法は下記に示す。添加糖類として五炭糖であるキシロースを添加している。
Figure 0007290905000013

上記の成分を純水に溶解し、pHを7.1に調整し、115℃、15分間オートクレーブ滅菌をし、代謝物生産培地Dとした。
この際、窒素ガス:90mL/min, 二酸化炭素ガス:12mL/minを通気し、100rpmの回転数で撹拌した。嫌気培養開始直後および開始から24時間後と48時間後に培養液を1mL採取し、高速液体クロマトグラフィーにより化合物Iと化合物IIを定量して、化合物Iと化合物IIの合計の変換率を算出した。
結果を表9に示す。
Figure 0007290905000014
培養開始から24時間後と48時間後の、エピガロカテキンから化合物Iと化合物IIへの変換率(化合物Iと化合物IIの合計)は、それぞれ12.50%と90.50%となった。
以上の結果より、嫌気性培養装置を使用した場合、水素を添加しなくても5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンが効率よく生成できることがわかった。

Claims (8)

  1. 嫌気性条件下で、嫌気性微生物によるカテキン類から5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの少なくとも一種を製造する製造方法において、五炭糖の単糖及び五炭糖を構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を含む培地を使用することを特徴とする製造方法。
  2. 前記嫌気性微生物がエガーテラ・レンタJCM9979株及びフラボニフラクター・プラウティATCC49531株の少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記カテキン類がエピガロカテキンである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記糖類において、単糖である五炭糖又は多糖の構成糖である五炭糖が、キシロース、D-アラビノース、L-アラビノース及びリボースからなる群から選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記培地中の前記糖類の濃度が、1~20g/Lである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 嫌気性条件下で、嫌気性微生物によるカテキン類から5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシ吉草酸及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトンの少なくとも一種を製造する製造方法において、キシロース及びキシロースを構成糖として含む多糖の少なくとも一種からなる糖類を含む培地を用いることを特徴とし、前記嫌気性微生物が、エガーテラ・レンタJCM9979株及びフラボニフラクター・プラウティATCC49531株である、製造方法。
  7. 前記キシロース及びキシロースを構成糖として含む多糖が、キシロース、キシロビオース、キシロオリゴ糖及びキシランからなる群から選択される、請求項6に記載の製造方法。
  8. カテキン類がエピガロカテキンである請求項6又は7に記載の製造方法。
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