JP2005187241A - 複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 - Google Patents
複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005187241A JP2005187241A JP2003428382A JP2003428382A JP2005187241A JP 2005187241 A JP2005187241 A JP 2005187241A JP 2003428382 A JP2003428382 A JP 2003428382A JP 2003428382 A JP2003428382 A JP 2003428382A JP 2005187241 A JP2005187241 A JP 2005187241A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zirconia
- composite ceramic
- magnesia
- spinel
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Abstract
【解決手段】 本複合セラミックスは、マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl2O4)及びジルコニア(ZrO2)を含み、マグネシアとスピネルとの質量比(マグネシア/スピネル)が20/1〜1/1であり、且つマグネシア、スピネル及びジルコニアの合計を100質量%とした場合に、ジルコニアが1〜40質量%である。また、本複合セラミックスは、ラマン分光分析において、ジルコニアの立方晶系のピーク、正方晶系のピーク及び単斜晶系のピークのうち少なくとも立方晶系のピーク及び正方晶系のピークを示すことが好ましい。本固体電解質形燃料電池は、上記複合セラミックスからなる構成部材[例えば、絶縁枠等の絶縁部材、セル間セパレータ等の構造部材など]を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明の複合セラミックスは、固体電解質形燃料電池(以下、「SOFC」ともいう。)、特に耐熱金属製の構成部材が使用された低温型SOFCにおける絶縁部材などの構成部材等として幅広く利用される。
(1)マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl2O4)及びジルコニア(ZrO2)を含む複合セラミックスであって、該マグネシアと該スピネルとの質量比(マグネシア/スピネル)が20/1〜1/1であり、且つ該マグネシア、該スピネル及び該ジルコニアの合計を100質量%とした場合に、該ジルコニアが1〜40質量%であることを特徴とする複合セラミックス。
(2)室温から1000℃までの熱膨張係数が11.0×10−6〜14.0×10−6/℃である上記(1)に記載の複合セラミックス。
(3)上記ジルコニアが、上記マグネシア、上記スピネル及び該ジルコニアの合計を100質量%とした場合に、1〜25質量%である上記(1)又は(2)に記載の複合セラミックス。
(4)ラマン分光分析において、ジルコニアの立方晶系のピーク、正方晶系のピーク及び単斜晶系のピークのうち少なくとも該立方晶系のピーク及び正方晶系のピークを示す上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の複合セラミックス。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の複合セラミックスからなる構成部材を備えることを特徴とする固体電解質形燃料電池。
(6)上記構成部材が絶縁部材である上記(5)に記載の固体電解質形燃料電池。
また、上記複合セラミックスの熱膨張係数が特定の範囲である場合には、10.0×10−6〜16.0×10−6/℃程度の熱膨張係数を有する耐熱金属製部材と容易に整合させることができる。更に、ジルコニアの含有量を所定の範囲とした場合には、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ、高強度であり且つ絶縁性に優れる複合セラミックスとなる。
また、ラマン分光分析において、少なくともジルコニアの立方晶系及び正方晶系の各ピークを示す場合には、より強度に優れた複合セラミックスとなる。
本発明の固体電解質形燃料電池は、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ且つ高強度な上記複合セラミックスからなる構成部材を備えているため、急激な昇降温サイクルが生じても、この構成部材が使用された部分での破損を十分に抑制することができ、高い信頼性を有する。
更に、絶縁性にも優れる上記複合セラミックスからなる絶縁部材を備える場合には、SOFCのセル間の絶縁等が十分に確保でき、電気化学エネルギーの利用効率が非常に高いSOFCとなる。
[1]複合セラミックス
本発明の複合セラミックスは、マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl2O4)及びジルコニア(ZrO2)を含むものである。
本発明の複合セラミックスにおいて、上記「マグネシア」と上記「スピネル」との質量比(マグネシア粉末/スピネル粉末)は、20/1〜1/1であり、この範囲内で、目的及び用途に応じて、特に所定の耐熱金属の熱膨張係数に応じて、適宜調整される。この質量比が20/1〜1/1である場合、所望の熱膨張係数、特にジルコニア(室温から1000℃までの熱膨張係数;8.0×10−6〜11.0×10−6)よりも熱膨張係数の大きい耐熱金属(室温から1000℃までの熱膨張係数;10.0×10−6〜16.0×10−6)の熱膨張と整合する複合セラミックスとなる。例えば、室温から1000℃までの熱膨張係数が11.0×10−6〜14.0×10−6/℃の複合セラミックスとなる。また、室温から700℃までの熱膨張係数が10.0×10−6〜13.0×10−6/℃の複合セラミックスとなる。一方、この質量比におけるマグネシア粉末の質量比が20を超える場合、複合セラミックスの強度が不十分となる。また、マグネシア粉末の質量比が1未満の場合、耐熱金属の熱膨張と整合する複合セラミックスが得られない。
上記他の成分としては、例えば、カルシア(CaO)、イットリア(Y2O3)、スカンジア(Sc2O3)及び希土類酸化物などのジルコニアを部分安定化又は安定化させることができる成分等が挙げられる。
上記構成部材としては、後述する固体電解質形燃料電池の説明をそのまま適用することができる。
本発明の複合セラミックスを製造する方法は特に限定されないが、例えば、マグネシア粉末、スピネル粉末及びジルコニア粉末を含む混合粉末を用いてなる成形体を焼成することにより製造することができる。
上記マグネシア粉末及び上記スピネル粉末の配合量は、上記混合粉末において、マグネシア粉末とスピネル粉末との質量比(マグネシア粉末/スピネル粉末)が、20/1〜1/1であることが好ましい。この質量比が20/1〜1/1である場合、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ、十分な強度を有する複合セラミックスを得ることができる。
また、上記部分安定化ジルコニア粉末の種類は特に限定されないが、イットリア(Y2O3)が2〜4モル%添加された部分安定化ジルコニア粉末であることが好ましい。このジルコニア粉末は、どのようにして製造されたものを用いてもよく、市販品を用いることもできる。また、この粉末の平均粒径及び比表面積は特に限定されず、目的及び用途等に応じて適宜調整できる。
本発明のSOFCは、前記複合セラミックスからなる構成部材を備えるものである。尚、「複合セラミックス」については、前記の説明をそのまま適用することができる。
また、上記「構成部材」としては、例えば、構造部材、絶縁部材等が挙げられる。
構造部材としては、セル間セパレータ、隔離セパレータ等が挙げられる。
絶縁部材としては、平板スタックの絶縁枠、外部マニホールドの絶縁管等が挙げられる。尚、絶縁部材とする場合には、上記複合セラミックスのジルコニアの含有量が1〜25質量%、特に1〜15質量%、更には5〜15質量%であるものが用いられる。
更に、絶縁性にも優れる上記複合セラミックスからなる絶縁部材を備える場合には、SOFCのセル間の絶縁等が十分に確保でき、電気化学エネルギーの利用効率が非常に高いSOFCとなる。
このSOFC1は、複数の単セルが、上記複合セラミックスからなる構造部材(セル間セパレータ31)を介して積層された構造を備えており、各々の単セルは、固体電解質層21、固体電解質層21の一面に設けられた燃料極22、及び他面に設けられた空気極23を有する発電層と、一部が固体電解質層21に接合され、且つ燃料極22に燃料ガスを導入するための流路と空気極23に支燃性ガスを導入するための流路とを隔離する耐熱金属からなる隔離セパレータ331、332、333と、上記複合セラミックスからなり、且つ複数の上記単セルの各々の発電層間を電気的に絶縁するための絶縁部材(絶縁枠6)と、を備えている。
これらの隔離セパレータ、及び蓋部材、底部材等のその他の構成部材は、いずれも耐熱金属により形成されている。また、前記複合セラミックスにより構成され、且つそれぞれの単セルの発電層間を電気的に絶縁するための上記絶縁枠6が、積層方向の所定部分に積層されており、短絡が防止されている。
更に、耐熱金属の熱膨張係数と複合セラミックスの熱膨張係数との差が、±2.0×10−6/℃以内であることが好ましく、より好ましくは±1.0×10−6以内、更に好ましくは±0.5×10−6以内である。
1.複合セラミックスの製造及び評価
実験例1〜8
1−1.複合セラミックスの製造
マグネシア粉末(市販品、平均粒径:約4.4μm、比表面積:13m2/g)、スピネル粉末(市販品、平均粒径:約0.9μm、比表面積:4.2m2/g)及びジルコニア粉末[市販品、部分安定化ジルコニア(3YSZ)、平均粒径:約1.5μm、比表面積:16m2/g]を、表1に示す組成となるように所定量秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルにより湿式混合を行った。混合にはジルコニア製のポット及び玉石を用いた。混合した粉末よりエタノールを乾燥除去し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を用いて、金型により予備成形を行った後、冷間静水圧プレス(CIP)により1.5t/cm2で成形し、得られた成形体を焼成炉に配置して温度1600℃で焼成した。この際の焼成条件は昇温速度を4℃/minとし、室温まで降温速度10℃/minとした。そして、得られた焼結体を平面研削盤を用いて加工し、3×4×35mmの各試験片を作製した。尚、各焼結体におけるマグネシア、スピネル及びジルコニアの合計を100質量%とした場合のジルコニアの含有量は、ICP分光分析[使用装置;誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)装置、JARRELL ASH社製、型番「IRIS ADVANTAGE」]により得られた値の小数点第一位を四捨五入した値である。
上記1−1.で得られた各試験片を用いて、下記の各特性について評価し、その結果を表1に併記した。
(1)4点曲げ強度の測定
各試験片の室温における4点曲げ強度を、JIS 1601に従い、卓上型材料試験機と上スパン10mm、下スパン30mmの4点曲げ試験専用治具とを用いて、クロスヘッドスピード0.5mm/分にて測定した。各実験例において、30試料を測定し、その平均値を4点曲げ強度とした。
(2)熱膨張係数の測定
大気中における室温から700℃までの熱膨張係数、及び室温から1000℃までの熱膨張係数を、JIS R 3103に従って測定した。
(3)絶縁性の評価
大気中において、700℃における絶縁性(熱間体積抵抗率)を測定した。この試験片として、直径50mm、厚さ2.0mmに加工したものを3点作製し、その平均値を体積抵抗率とした。前処理として、試験片電極(導電性白金ペースト)を、試験片上に規定の大きさとなるよう印刷し、1000℃、10分の条件で焼き付け処理を行った。
尚、この体積抵抗率が1.0×107以上である場合に「○」とし、1.0×107未満の場合に「×」とした。
表1によれば、マグネシアの質量比がスピネルに対して少ない実験例1では、4点曲げ強度が320MPaであり、体積抵抗率が2.0×109と高く、絶縁性の評価が「○」であったが、室温から700℃までの熱膨張係数が9.8×10−6/℃であり、且つ室温から1000℃までの熱膨張係数が10.6×10−6/℃であり、耐熱金属の熱膨張との整合性に劣るものであった。
また、マグネシアの質量比がスピネルに対して多い実験例8では、体積抵抗率が1.0×109と高く、絶縁性の評価が「○」であり、室温から700℃までの熱膨張係数が12.7×10−6/℃であり、室温から1000℃までの熱膨張係数が13.6×10−6/℃であったが、4点曲げ強度が230MPaであり、十分な強度を得ることができなかった。
これらに対して、実験例2〜7では、4点曲げ強度が250〜330MPaであり、体積抵抗率が1.2×109〜1.8×109と高く、絶縁性の評価が全て「○」であり、室温から700℃までの熱膨張係数が10.6×10−6〜12.6×10−6/℃であり、且つ室温から1000℃までの熱膨張係数が11.2×10−6〜13.6×10−6/℃であった。
これらのことから、実験例2〜7の複合セラミックスは、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ、高強度であり且つ絶縁性に優れていることが分かった。また、マグネシアの質量比を所定の範囲とすることにより、強度を維持したまま熱膨張係数を増加させることができることが分かった。
実験例9〜15
2−1.耐熱金属材料の熱膨張と整合させた複合セラミックスの製造
メタルセパレータに用いる一般的な耐熱金属材料(SUS430、室温から1000℃までの熱膨張係数;12.5×10−6/℃)の熱膨張との整合性が得られ、且つ十分な絶縁性を有していた上記1.における実験例4と同様の組成[マグネシア/スピネル=2.33/1(70/30)]に着目して、ジルコニアの含有量が表2に示すように、0、5、10、15、25、30、40質量%である試験片を、上記1−1.と同様にして作製した。尚、ジルコニアの含有量は上記1−1.と同様にして測定した値である。
上記2−1.で得られた各試験片を用いて、上記1−2.と同様にして、4点曲げ強度の測定、熱膨張係数の測定及び絶縁性の評価を行った。その結果を表2に併記した。
表2によれば、部分安定化ジルコニアを含有していない実験例9は、体積抵抗率が2.3×1011と高く、絶縁性の評価は「○」であったが、4点曲げ強度が220MPaと低く、十分な強度を有するものではなかった。
これらに対して、部分安定化ジルコニアの含有量が5〜40質量%である実験例10〜15では、4点曲げ強度が290〜380MPaと高く、室温から700℃までの熱膨張係数が10.2×10−6〜11.6×10−6/℃であり、且つ室温から1000℃までの熱膨張係数が11.0×10−6〜12.3×10−6/℃であった。また、実験例14及び15以外においては、体積抵抗率が2.0×108〜1.8×109と高く、絶縁性の評価が全て「○」であった。
このことから、実験例10〜15の複合セラミックスは、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ且つ高強度であることが分かった。また、部分安定化ジルコニアの含有量を所定の範囲とすることで、強度を向上させることができ、且つ絶縁性を付与できることが分かった。更に、部分安定化ジルコニア粉末の配合量は、熱膨張係数にほぼ影響しないことが分かった。
実験例16〜18
3−1.ジルコニア粉末の種類を変化させた複合セラミックスの製造
前記耐熱金属材料(SUS430)の熱膨張との整合性に優れ且つ高強度であり、更には絶縁性に優れていた、上記2.における実験例12と同様の組成[マグネシア/スピネル=2.33/1(70/30)、ジルコニアの含有量:15質量%]に着目して、配合するジルコニア粉末の種類を、表3に示すように、安定化ジルコニア(8YSZ)粉末[市販品、平均粒径:約1.5μm、比表面積:16m2/g]、部分安定化ジルコニア(3YSZ)粉末[市販品、平均粒径:約1.5μm、比表面積:16m2/g]、及び非安定化ジルコニア粉末[市販品、平均粒径:約1.5μm、比表面積:16m2/g]とした試験片を、上記1−1.と同様にして作製した。尚、ジルコニアの含有量は上記1−1.と同様にして測定した値である。
上記3−1.で得られた各試験片を用いて、上記1−2.と同様にして、4点曲げ強度の測定を行い、その結果を表3に併記した。尚、比較として上記1.における実験例9のデータを表3に併記した。
また、ラマン分光分析により、各試験片の結晶系を同定した。それらの結果を表3に併記した。尚、表3における「ラマンスペクル」欄の「○」は、該当する結晶相の同定(存在)が確認できたことを意味する。
更に、実験例16〜18のラマン分光分析のチャートによる説明図を図1〜3に示した。
表3及び図1〜3によれば、配合されたジルコニア粉末の種類が安定化ジルコニア粉末である実験例18は、立方晶系のピークのみを示しており(図3参照)、4点曲げ強度が240MPaであった。また、部分安定化ジルコニア粉末が配合された実験例16は、正方晶系及び立方晶系の各ピークを示しており(図1参照)、且つ4点曲げ強度が360MPaであった。更に、非安定化ジルコニア粉末が配合された実験例17では、単斜晶系、正方晶系及び立方晶系の各ピークを示しており(図2参照)、且つ4点曲げ強度が360MPaであった。
このように、ジルコニア粉末が配合されていない実験例9の4点曲げ強度が220MPaであることから、ジルコニアを含有させることで強度が向上することが確認できた。更には、部分安定化ジルコニア粉末を配合させて得られる複合セラミックスは、正方晶系及び立方晶系の各ピークを有しており、より強度に優れるものとなることが分かった。また、非安定化ジルコニア粉末を配合させて得られる複合セラミックスにおいても、単斜晶系、正方晶系及び立方晶系の各ピークを有しており、より強度に優れるものとなることが分かった。特に、正方晶系及び立方晶系の各ピークのみを示すものの方が、熱履歴により相転移し易い単斜晶系の結晶相が存在しない分、長期安定性に優れると考えられる。
実験例19
4−1.固体電解質形燃料電池の構造
3個の発電層が積層された、平板型SOFCスタック1の外観を図4に斜視図により示す。また、図5は、図4におけるA−A断面の模式図である。
この平板型SOFCスタック1では、3個の単セルが上記2−1.で得られた複合セラミックス(実験例12)からなる2個のセル間セパレータ31を介して積層されている。尚、このセル間セパレータ31には、図6に示すように、マニホールド用穴部311が4箇所に設けられており、且つ中心部付近に銀製の導通部312が形成されたものである。また、各々の単セルが備える発電層は、それぞれNiとYSZとからなり、平面形状が正方形であり、厚さが1000μmの燃料極22を基板としている。この燃料極22の表面にはそれぞれ安定化ジルコニア(YSZ)からなり、平面方向の形状、寸法が燃料極22と同じであり、厚さが30μmの固体電解質層21が形成されている。更に、この固体電解質層21の表面にはそれぞれLa1−xSrxMnO3系複合酸化物からなり、平面方向の形状が固体電解質層21と同じであり、寸法が固体電解質層21より小さく、厚さが30μmの空気極23が形成されている。
中間の単セルは、セル間セパレータ31の上面に配設されたニッケルフェルト層4、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23及びニッケル基合金繊維メッシュ層5をこの順に備える。また、下面が固体電解質層21及び金属製枠74と接合され、上面が上記複合セラミックスにより構成された絶縁枠6及び金属製枠73を介してセル間セパレータ31と接合されている中間単セル用隔離セパレータ332を有する。
下部の単セルは、底部材34の上面に配設されたニッケルフェルト層4、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23及びニッケル基合金繊維メッシュ層5をこの順に備える。また、下面が固体電解質層21及び金属製枠76と接合され、上面が絶縁枠6及び金属製枠75を介してセル間セパレータ31と接合されている下部単セル用隔離セパレータ333を有する。
これらは、全て金属質の接合層9によりシールされているため、複合セラミックスにより構成される絶縁枠6の部分で、セル内の絶縁が確保されており、短絡が防止されている。
実験例19の固体電解質形燃料電池は、耐熱金属の熱膨張との整合性に優れ且つ高強度である複合セラミックスからなる絶縁部材(絶縁枠6)及び構造部材(セル間セパレータ31)を備えているため、急激な昇降温サイクルが生じてもこれらの部分での破損を十分に抑制することができ、信頼性の高いSOFCスタックとなる。更に、上記複合セラミックスは、強度に優れているため、従来よりも構成部材を薄く設計することができ、スタックのコンパクト化にも寄与している。また、この複合セラミックスは、絶縁性にも優れているため、SOFCのセル間の絶縁が十分に確保でき、電気化学エネルギーの利用効率が非常に高い。
Claims (6)
- マグネシア(MgO)、スピネル(MgAl2O4)及びジルコニア(ZrO2)を含む複合セラミックスであって、該マグネシアと該スピネルとの質量比(マグネシア/スピネル)が20/1〜1/1であり、且つ該マグネシア、該スピネル及び該ジルコニアの合計を100質量%とした場合に、該ジルコニアが1〜40質量%であることを特徴とする複合セラミックス。
- 室温から1000℃までの熱膨張係数が11.0×10−6〜14.0×10−6/℃である請求項1に記載の複合セラミックス。
- 上記ジルコニアが、上記マグネシア、上記スピネル及び該ジルコニアの合計を100質量%とした場合に、1〜25質量%である請求項1又は2に記載の複合セラミックス。
- ラマン分光分析において、ジルコニアの立方晶系のピーク、正方晶系のピーク及び単斜晶系のピークのうち少なくとも該立方晶系のピーク及び該正方晶系のピークを示す請求項1乃至3のいずれかに記載の複合セラミックス。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の複合セラミックスからなる構成部材を備えることを特徴とする固体電解質形燃料電池。
- 上記構成部材が絶縁部材である請求項5に記載の固体電解質形燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003428382A JP2005187241A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003428382A JP2005187241A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005187241A true JP2005187241A (ja) | 2005-07-14 |
Family
ID=34787376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003428382A Pending JP2005187241A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005187241A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008044429A1 (fr) * | 2006-10-05 | 2008-04-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Structure support pour piles à combustible à électrolyte solide et module à piles à combustible à électrolyte solide doté de celle-ci |
JP2009117208A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
US7625648B2 (en) | 2006-08-22 | 2009-12-01 | Praxair Technology, Inc. | Electrochemical cell assembly |
JP2010524816A (ja) * | 2007-04-18 | 2010-07-22 | セラムテック アクチエンゲゼルシャフト | 金属材料により規定される熱膨張係数に調整された組成を有するセラミック材料 |
JP2013122935A (ja) * | 2013-02-15 | 2013-06-20 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP6001805B1 (ja) * | 2015-07-07 | 2016-10-05 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池スタック |
JP6046851B1 (ja) * | 2015-07-07 | 2016-12-21 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池 |
WO2018021429A1 (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
WO2018021424A1 (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6291466A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-25 | 品川白煉瓦株式会社 | セラミツクコンデンサ−焼成用セツタ− |
JPH06111833A (ja) * | 1992-09-25 | 1994-04-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
JPH09115527A (ja) * | 1995-10-13 | 1997-05-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
JP2003317743A (ja) * | 2002-02-22 | 2003-11-07 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003428382A patent/JP2005187241A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6291466A (ja) * | 1985-09-26 | 1987-04-25 | 品川白煉瓦株式会社 | セラミツクコンデンサ−焼成用セツタ− |
JPH06111833A (ja) * | 1992-09-25 | 1994-04-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
JPH09115527A (ja) * | 1995-10-13 | 1997-05-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
JP2003317743A (ja) * | 2002-02-22 | 2003-11-07 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体電解質型燃料電池 |
Cited By (23)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7625648B2 (en) | 2006-08-22 | 2009-12-01 | Praxair Technology, Inc. | Electrochemical cell assembly |
WO2008044429A1 (fr) * | 2006-10-05 | 2008-04-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Structure support pour piles à combustible à électrolyte solide et module à piles à combustible à électrolyte solide doté de celle-ci |
JP5077238B2 (ja) * | 2006-10-05 | 2012-11-21 | 株式会社村田製作所 | 固体電解質形燃料電池支持構造体とそれを備えた固体電解質形燃料電池モジュール |
JP2010524816A (ja) * | 2007-04-18 | 2010-07-22 | セラムテック アクチエンゲゼルシャフト | 金属材料により規定される熱膨張係数に調整された組成を有するセラミック材料 |
CN101795993A (zh) * | 2007-04-18 | 2010-08-04 | 陶瓷技术股份公司 | 具有与金属材料预定的热膨胀系数匹配的组合物的陶瓷材料 |
US20100233497A1 (en) * | 2007-04-18 | 2010-09-16 | Alfred Thimm | Ceramic material with a composition which is matched to a coefficient of thermal expansion specified by a metallic material |
US8889273B2 (en) * | 2007-04-18 | 2014-11-18 | Ceramtec Gmbh | Ceramic material with a composition which is matched to a coefficient of thermal expansion specified by a metallic material |
JP2009117208A (ja) * | 2007-11-07 | 2009-05-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP2013122935A (ja) * | 2013-02-15 | 2013-06-20 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池 |
JP6046851B1 (ja) * | 2015-07-07 | 2016-12-21 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池 |
CN107710488A (zh) * | 2015-07-07 | 2018-02-16 | 日本碍子株式会社 | 燃料电池堆 |
WO2017006945A1 (ja) * | 2015-07-07 | 2017-01-12 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池スタック |
WO2017006944A1 (ja) * | 2015-07-07 | 2017-01-12 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池 |
JP6001805B1 (ja) * | 2015-07-07 | 2016-10-05 | 日本碍子株式会社 | 燃料電池スタック |
CN107710488B (zh) * | 2015-07-07 | 2020-09-22 | 日本碍子株式会社 | 燃料电池堆 |
US10020528B2 (en) | 2015-07-07 | 2018-07-10 | Ngk Insulators, Ltd. | Fuel cell |
US9947954B2 (en) | 2015-07-07 | 2018-04-17 | Ngk Insulators, Ltd. | Fuel cell stack |
WO2018021429A1 (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
JP2018026333A (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-15 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
JP2018026336A (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-15 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
WO2018021424A1 (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 日本碍子株式会社 | 電気化学セルスタック |
US10847828B2 (en) | 2016-07-27 | 2020-11-24 | Ngk Insulators, Ltd. | Electrochemical cell stack |
US10854905B2 (en) | 2016-07-27 | 2020-12-01 | Ngk Insulators, Ltd. | Electrochemical cell stack |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5044628B2 (ja) | コーティング体 | |
JP5075183B2 (ja) | 電気化学装置 | |
US20070037031A1 (en) | Cermet and ceramic interconnects for a solid oxide fuel cell | |
KR101608293B1 (ko) | 연료전지 셀, 셀 스택, 연료전지 모듈, 및 연료전지 장치 | |
KR101848337B1 (ko) | 셀, 셀 스택 장치, 모듈 및 모듈 수용 장치 | |
JP5079991B2 (ja) | 燃料電池セル及び燃料電池 | |
CN107710488A (zh) | 燃料电池堆 | |
JPWO2009001739A1 (ja) | 高温構造材料と固体電解質形燃料電池用セパレータ | |
JP2005187241A (ja) | 複合セラミックス及びそれを用いた固体電解質形燃料電池 | |
JP5170815B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池ユニット及びスタック | |
JP6154042B1 (ja) | 燃料電池スタック | |
JPWO2011138915A1 (ja) | 高温構造材料、固体電解質形燃料電池用構造体および固体電解質形燃料電池 | |
JP2008053045A (ja) | 固体電解質形燃料電池及びその製造方法 | |
JP2004303455A (ja) | 固体電解質型燃料電池セル | |
JP6134085B1 (ja) | 電気化学セル | |
JP5717559B2 (ja) | 被覆膜付部材および集電部材ならびに燃料電池セル装置 | |
JPH11354139A (ja) | 固体電解質型燃料電池 | |
JP4994287B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池の製造方法および該製造に用いる焼成治具 | |
JP2008091290A (ja) | 固体電解質形燃料電池用セパレータ | |
JP6427652B2 (ja) | 燃料電池セル | |
JP2017201601A (ja) | 燃料電池 | |
JP5030747B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池の製造方法および該方法に用いる焼成治具 | |
JP6335267B2 (ja) | 燃料電池スタック | |
US8226858B2 (en) | Interconnect material for solid oxide fuel cell and process for the preparation thereof | |
JP6060224B1 (ja) | 集電部材及び燃料電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050606 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060915 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100928 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110823 |