JP6427652B2 - 燃料電池セル - Google Patents
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Description
図3に示すように、燃料マニホールド200は、燃料ガスを各燃料電池セル301に分配するように構成されている。燃料マニホールド200は、中空状であり、内部空間を有している。燃料マニホールド200の内部空間には、導入管201を介して燃料ガスが供給される。燃料マニホールド200は、互いに間隔をあけて並ぶ複数の貫通孔202を有している。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の天板203に形成されている。各貫通孔202は、燃料マニホールド200の内部空間と外部とを連通する。
図2に示すように、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200から延びている。詳細には、各燃料電池セル301は、燃料マニホールド200の天板203から上方(x軸方向)に延びている。すなわち、各燃料電池セル301の長手方向(x軸方向)は、上方に延びている。図4及び図5に示すように、燃料電池セル301は、複数の発電素子部10と、支持基板20と、複数のインターコネクタ31と、を備えている。
支持基板20は、支持基板20の長手方向(x軸方向)に沿って延びる複数のガス流路21を内部に有している。各ガス流路21は、支持基板20の基端側から先端側に向かって延びている。各ガス流路21は、互いに実質的に平行に延びている。なお、基端側とは、ガス流路のガス供給側を意味する。具体的には、燃料マニホールド200に燃料電池セル301を取り付けた場合において、その燃料マニホールド200に近い側を意味する。また、先端側とは、ガス流路のガス供給側とは反対側を意味する。具体的には、燃料電池セル301を燃料マニホールド200に取り付けた場合において、その燃料マニホールド200から遠い側を意味する。例えば、本実施形態の図2では、下側が基端側であり、上側が先端側となる。
各発電素子部10は、支持基板20の各主面23に支持されている。なお、各発電素子部10は、支持基板20の一方の主面23のみに支持されていてもよい。各発電素子部10は、支持基板20の長手方向において、互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施形態に係る燃料電池セル301は、いわゆる横縞型の燃料電池セルである。長手方向に隣り合う発電素子部10は、インターコネクタ31によって互いに電気的に接続されている。
図5に示すように、燃料極4は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極4は、燃料極集電部41(内側電極集電部の一例)と、燃料極活性部42(内側電極活性部の一例)とを有する。
燃料極集電部41は、第1凹部22内に配置されている。詳細には、燃料極集電部41は、第1凹部22内に充填されており、第1凹部22と同様の外形を有する。燃料極集電部41は、第2凹部411及び第3凹部412を有している。第2凹部411内には、燃料極活性部42が配置されている。また、第3凹部412には、インターコネクタ31が配置されている。
燃料極活性部42は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。燃料極活性部42は、燃料極集電部41よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、燃料極活性部42における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、燃料極集電部41における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
電解質5は、燃料極4上を覆うように配置されている。詳細には、電解質5は、あるインターコネクタ31から隣のインターコネクタ31まで長手方向に延びている。すなわち、支持基板20の長手方向(x軸方向)において、電解質5とインターコネクタ31とが交互に連続して配置されている。電解質5は、支持基板20の各主面23を覆うように構成されている。
反応防止膜7は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜7は、電解質5と空気極活性部61との間に配置されている。反応防止膜7は、電解質5内のYSZと空気極6内のSrとが反応して電解質5と空気極6との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。
空気極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極6は、電解質5を基準にして、燃料極4と反対側に配置されている。空気極6は、空気極活性部61と空気極集電部62とを有している。
空気極活性部61は、反応防止膜7上に配置されている。空気極活性部61は、酸素イオン伝導性を有するとともに、電子伝導性を有する。空気極活性部61は、空気極集電部62よりも酸素イオン伝導性を有する物質の含有率が大きい。詳細には、空気極活性部61における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合は、空気極集電部62における、気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合よりも大きい。
空気極集電部62は、空気極活性部61上に配置されている。また、空気極集電部62は、空気極活性部61から、隣の発電素子部10に向かって延びている。なお、燃料極集電部41と空気極集電部62とは、発電領域から互いに反対側に延びている。なお、発電領域とは、燃料極活性部42と電解質5と空気極活性部61とが重複する領域である。
図6に示すように、インターコネクタ31は、支持基板20の長手方向(x軸方向)に隣り合う発電素子部10を電気的に接続するように構成されている。すなわち、インターコネクタ31は、第1発電素子部10aと第2発電素子部10bとの間に配置され、第1発電素子部10aと第2発電素子部10bとを電気的に接続している。
以上のように構成された燃料電池セル301は、隣り合う燃料電池セル301と、集電部材302によって電気的に接続されている。図2に示すように、集電部材302は、一対の燃料電池セル301間に配置されている。そして、集電部材302は、厚さ方向(z軸方向)において隣り合う燃料電池セル301同士を電気的に接続するよう、導電性を有している。詳細には、集電部材302は、燃料電池セル301の基端側において、隣り合う燃料電池セル301同士を接続している。集電部材302は、基端側発電素子部10cよりも基端側に配置されている。詳細には、図7に示すように、集電部材302は、基端側発電素子部10cから延びる空気極集電部62上に配置されている。
以上のように構成された燃料電池スタック100は、次のようにして発電する。燃料マニホールド200を介して各燃料電池セル301のガス流路21内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板20の両面を酸素を含むガス(空気等)に曝す。
(1/2)・O2+2e−→O2− …(1)
H2+O2−→H2O+2e− …(2)
発電状態においては、電流は、図10において矢印で示すように流れる。インターコネクタ31、及び発電素子部10において、電流は厚さ方向に流れる。
次に、上述したように構成された燃料電池セルの製造方法について説明する。図11から図17において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が焼成前であることを示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、支持基板20は平板状であったが、円筒状であってもよい。すなわち、燃料電池セル301は、円筒型であってもよい。
上記実施形態では、燃料極集電部41が第2凹部411及び第3凹部412を有しているが、燃料極集電部41の構成はこれに限定されない。例えば、燃料極集電部41は第2凹部411及び第3凹部412などの凹部を有していなくてもよい。この場合、燃料極活性部42は、燃料極集電部41上に形成されており、燃料極集電部41に埋設されていない。また、インターコネクタ31は、燃料極集電部41上に形成されており、燃料極集電部41に埋設されていない。
図6に示すような構成の複数の燃料電池セル301を作製した。なお、試験Aでは、第1接触部分621aの勾配、第1空気極集電部62aの材料、インターコネクタ31の材料、第1接触部分621aの長さL1を異ならせた。各サンプルにおける、第1接触部分621aの勾配、第1空気極集電部62aの材料、インターコネクタ31の材料、第1接触部分621aの長さL1は、表1の通りである。なお、その他の条件は、各サンプル間で基本的に同じとした。また、サンプルNo1〜3の燃料電池セル301は、比較例であり、第1接触部分621aは勾配していない。
以上のように作製された各サンプルNo.1〜20に対して、熱サイクル試験1を行った。具体的には、まず、常温から800℃まで昇温速度200℃/hrで昇温した後、800℃で2hr維持し、200℃/hrで50℃まで降温するサイクルを20回繰り返した。
図6に示すような構成の複数の燃料電池セル301を作製した。なお、試験Bでは、第2接触部分411bの勾配、第2燃料極集電部41bの材料、インターコネクタ31の材料、第2接触部分411bの長さL2を異ならせた。各サンプルにおける、第2接触部分411bの勾配、第2燃料極集電部41bの材料、インターコネクタ31の材料、第2接触部分411bの長さL2は、表2の通りである。なお、その他の条件は、各サンプル間で基本的に同じとした。また、サンプルNo.1〜3の燃料電池セル301は、比較例であり、第2接触部分411bは勾配していない。
以上のように作製された各サンプルNo.1〜20に対して、上述した熱サイクル試験1を行った。その後、各サンプルに対して、クラックの有無を確認した。具体的には、第2接触部分411bにおいてクラックが発生しているか否かを走査型電子顕微鏡を用いた断面解析により倍率100〜1000倍にて観察を行い確認した。
4a 第1燃料極
41a 第1燃料極集電部
42a 第1燃料極活性部
61a 第1空気極活性部
62a 第1空気極集電部
10b 第2発電素子部
4b 第2燃料極
41b 第2燃料極集電部
42b 第2燃料極活性部
61b 第2空気極活性部
62b 第2空気極集電部
20 支持基板
31 インターコネクタ
Claims (5)
- 内部にガス流路を有する支持基板と、
第1内側電極、第1電解質、及び第1外側電極を有し、前記支持基板に支持される第1発電素子部と、
第2内側電極、第2電解質、及び第2外側電極を有し、前記第1発電素子部と間隔をあけて前記支持基板に支持される第2発電素子部と、
前記第1発電素子部と前記第2発電素子部との間に配置され、前記第1発電素子部と前記第2発電素子部とを電気的に接続するインターコネクタと、
を備え、
第1外側電極は、第1外側電極活性部と、前記第1外側電極活性部から前記第2発電素子部に向かって延びて前記インターコネクタと接触する第1外側電極集電部と、を有し、
前記第2内側電極は、第2内側電極活性部と、前記第2内側電極活性部から前記第1発電素子部に向かって延びて前記インターコネクタと接触する第2内側電極集電部と、を有し、
前記第1外側電極集電部における前記インターコネクタと接触する第1接触部分及び前記第1接触部分より先端部分の厚さは、前記第1接触部分及び前記先端部分の全体に亘って、前記第2発電素子部に近付くにつれて漸減し、
前記第2内側電極集電部における前記インターコネクタと接触する第2接触部分の厚さは、前記第2接触部分の全体に亘って、前記第1発電素子部に近付くにつれて漸減する、
燃料電池セル。
- 前記第1接触部分の厚さの勾配は、0.005〜0.5である、
請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記第2内側電極集電部は、前記インターコネクタと接触する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有し、
前記第2内側電極集電部の前記第2接触部分における第2主面は、前記第1発電素子部に近付くにつれて前記インターコネクタに近付くように傾斜する、
請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
- 前記第2接触部分の厚さの勾配は、0.005〜0.5である、
請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池セル。
- 前記第1外側電極集電部における前記インターコネクタと接触する部分の中央部の厚さは、前記第1外側電極集電部における前記第1外側電極活性部と接触する部分の中央部の厚さよりも薄い、
請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池セル。
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