JP2005186604A - インクジェット記録体の製造方法およびインクジェット記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録体の製造方法において、透気性基材または透気性基材に設けた記録層の上に平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料と親水性バインダーとを含有する記録層を塗工して乾燥する工程で、該記録層が減率乾燥部になる前に塗料を増粘またはゲル化させ、かつ減率乾燥部以降で前記微細顔料を含有する最表層を該記録層の上に塗工して、該最表層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着して得られることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
顔料インク中の着色顔料は塗工表面に留まり易く、これまでに供されている染料インク対応の高光沢のインクジェット記録体では、顔料インクの定着性や擦過性が劣っているため、染料、顔料インクともに高画質で印画可能な記録メディアが強く要望されている。
特開2001−246832号公報(特許文献2参照)では、支持体とインク記録層との間の支持体上に、硼酸またはホウ素化合物が支持体の一方の表面あたり0.1g/m2以上塗工されており、記録層中のポリビニルアルコールは下塗りの硼酸またはホウ素化合物により架橋されて、該記録層が減率乾燥部になる前に塗料がゲル化して、塗膜のひび割れを抑制している。しかし、この方法においても得られた記録体の表面光沢はまだ満足できるレベルのものではなかった。
また特公平7−37175号公報は、ホウ砂または硼酸を片面あたり0.1g/m2以上塗工してなる基紙及び該基紙の被塗工面の一方に5〜20g/m2のインク受容層を設けるインクジェット記録体であるが、これも平均粒子径が1μm以上の湿式シリカをインク受容層に使用しているため、高い光沢や画像濃度は得られなかった。
(1)基材上に記録層、最表層を設けるインクジェット記録体の製造方法において、基材が透気性基材であり、記録層が、平均粒子径0.01〜1μmの微細顔料と親水性バインダーを含有する記録層用塗液を、基材の一方の面に塗布、乾燥され、且つ、該塗布と同時に、ないしは乾燥時の塗液が減率乾燥速度を示すようになる前に、該塗布された塗液を増粘またはゲル化させて形成され、最表層は、記録層が減率乾燥速度を示すようになった後の記録層上に、平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料を含有する最表層用塗液を塗工し、該最表層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着処理して得られることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である(第一発明ともいう)。
(3)基材の片面に0.01〜1.5g/m2のホウ素化合物が含浸又は塗工され、かつ記録層中に該ホウ素化合物により架橋反応が可能なポリマーが含まれる(1)又は(2)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(4)ホウ素化合物により架橋反応が可能なポリマーが、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート、スチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種である、(3)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(5)記録層用塗液に含有する親水性バインダーが、感温点よりも高い温度で疎水性を、感温点より低い温度で親水性を可逆的に示す感温性高分子化合物であり、記録層用塗液を塗布後、感温点以下の温度に冷却することにより増粘またはゲル化がされる(1)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(7)記録層及び最表層の細孔直径分布曲線におけるピークが、ほぼ0.001〜0.2μmにあることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一つに記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(9)記録層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物から選ばれる少なくとも1種のシリカ微細顔料を、カチオン性化合物で処理したシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子であることを特徴とする(8)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(11)最表層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、コロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のシリカ微細顔料を、カチオン性化合物で処理したシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子である(10)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(12)最表層用塗液に含有する微細顔料が、アルミナ酸化物である(10)記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(13)最表層用塗液に含有する微細顔料の平均粒子径が、記録層用塗液に含有する微細顔料の平均粒子径よりも小さい(1)〜(12)記載のいずれか一つに記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(15)最表層用塗液及び記録層用塗液が、オンラインで塗工されることを特徴とする(1)〜(14)のいずれか一つに記載のインクジェット記録体の製造方法。
(16)記録層用塗液が前計量法の塗工方法によって塗工されることを特徴とする(1)〜(15)のいずれか一つに記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(19)基材の緊度(JIS−P−8118)が0.8〜1.1g/m2で、かつ厚さが160〜270μmであることを特徴とする(1)〜(18)のいずれか一つに記載のインクジェット記録体の製造方法である。
(22)基材上に記録層、最表層を設けるインクジェット記録体の製造するにおいて、連続する基材を供給する工程と、微細顔料と親水性バインダーを含有する記録層用塗液を塗布する工程と、記録層用塗液を増粘またはゲル化させる工程と、記録層用塗液を減率乾燥速度を示すまで乾燥する工程と、形成された記録層上に微細顔料を含有する最表層用塗液を塗布する工程と、最表層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧着する工程を有するインクジェット記録体の製造装置である。
本発明は、インクジェット記録体の表面光沢を高くするなどの目的で、最表層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着、好ましくは圧着、乾燥させるため、透気性基材を使用する。透気性基材としては、透気性を有する基材であれば特に限定されるものではなく、一般の塗工紙等に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材が適宜使用される。また透気性を有する樹脂シート類や不織布類などでも用いることができる。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度である。平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従ってフリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類が適宜使用される。
なお、インク吸収性を調整したり、下塗り層上に塗工する塗工液の浸透を制御する目的で、副成分として平均粒子径の小さい顔料を配合することができる。この様な顔料としてはコロイダルシリカ、アルミナゾルが挙げられる。
また、基材の厚さは160〜270μmであることがより好ましい。厚さが160μmより薄いと得られたインクジェット記録体の表面のボコツキが大きくなり、また270μmより厚いと鏡面ドラムへの圧着時にドラムへの貼り付きが悪くなり、高光沢を得ることが困難になるため好ましくない。
本発明は、上記の透気性基材に記録層を形成する。記録層は、最表層を通過あるいは吸収しきれないインク中の染料や溶剤成分を吸収定着すること目的で形成する層である。そのため、インク吸収速度とインク吸収容量のバランスが要求される。また、最表層の光沢性を高めるために、記録層には平滑性や成膜性が要求されるが、過度の成膜は、インクの吸収性を損なうことになる。
これは、塗料を乾燥初期に増粘またはゲル化させることで乾燥時の熱風による塗工層のひび割れを防ぎ、また基材への塗料のしみ込みを防止する大きな効果を有すると考えられる。
インク吸収速度とインク吸収容量のバランスから、記録層の塗布量は後で述べる最表層塗布量の3倍以上が好ましい。7倍以上がさらに好ましく、10〜60倍は最も好ましい範囲である。
一般に、塗布された塗液の乾燥工程は、乾燥初期の恒率乾燥部、その後の減率乾燥部、そして乾燥終点に分類される。ここで恒率乾燥部とは、塗工層中の水分の含有量が一定の乾燥条件であれば時間に比例して減少する乾燥領域のことで、比較的自由な水が水の気化熱を奪いながら蒸発していくため、塗工層の表面温度はほぼ一定である。乾燥方法や塗工時の塗料の温度にもよるが、100℃以上の熱風乾燥の場合、恒率乾燥部での表面温度20〜45℃である。
これに対し、減率乾燥部とは塗工層中の水分の含有量が塗工層の空隙容量よりも少なくなった時の乾燥領域のことで、この領域では相互作用のある水を蒸発させるためのエネルギーも必要となるため、塗工層の表面温度は上昇する。この減率乾燥が終了すると、乾燥熱風の温度と塗工層の表面温度が一致する領域となり、これが乾燥終点である。
例えば、(a)記録層に配合した親水性バインダーと架橋反応可能な架橋剤を用いて増粘またはゲル化させる方法、(b)電子線などのエネルギーを供給することにより増粘またはゲル化させる方法、(c)親水性バインダーとして、温度条件によって親水性と疎水性を示す感温性高分子化合物を用い、温度変化させることにより増粘またはゲル化させる方法などが挙げられる。
ホウ素化合物の含有量は、ホウ素化合物及び親水性バインダーの種類にもよるが、基材の片面に0.01〜1.5g/m2含有されるのが好ましい。1.5g/m2より多いと親水性バインダーとの架橋密度が高くなり、塗膜が硬くなって折り割れしやすくなる。また、0.01g/m2より少ないと親水性バインダーとの架橋が弱く、塗料のゲル化も弱くなって塗膜がひび割れやすくなる。
(1)単独重合することによって該温度応答性(親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))の1種あるいは2種以上をポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下で重合して得られる高分子化合物、あるいは、(2)該主モノマー(M)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))と主モノマー(M)とをポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下で重合して得られる高分子化合物である。
副モノマー(N)を共重合成分に使用することによって、感温点や成膜性の異なる高分子化合物を得ることが可能となる。
主モノマー(M)、副モノマー(N)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体は各々1種あるいは2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
主モノマー(M)と副モノマー(N)、ポリビニルアルコールおよび/又はポリビニルアルコール誘導体の使用割合は、得られる高分子化合物(A)が温度応答性を呈する範囲の中で決められ、高分子化合物(A)中のポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール誘導体の含有率は該条件の範囲の中においては特に制限されないが最終的に得られる記録媒体の塗工膜の耐水性の観点から、0.1〜50wt%が好ましく用いられ、更に好ましくは0.5〜20wt%である。
この場合、透気性基材のコッブ法による60秒の吸水度は10〜120g/m2であることが好ましく、更には15〜100g/m2であることが好ましい。基材の吸水度が10g/m2より小さいと架橋剤の溶液が基材に十分に吸水されず、また120g/m2より大きいと得られたインクジェット記録体の表面のボコツキが大きく、印字後にはコックリングが発生して光沢感が劣るので好ましくない。
架橋剤としては、前記架橋剤が適宜使用でき、中でも、ホウ素化合物は、増粘またはゲル化が早く生じるので特に好ましい。ホウ素化合物の中でも、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが塗料を適度に増粘させる効果があるために好ましく用いられる。
本発明は、上記記録層上に最表層を形成する。この際、記録層が、増粘またはゲル化した記録用塗液が乾燥され、減率乾燥速度を示すようになった後に、最表層塗工液を形成する。最表層は表面光沢を得るために形成するが、これ以外に、インク中の染料または顔料をすばやく定着させ、高発色(高印字濃度)、且つ、均一画像(ドットの真円性)を得る機能を発現するための層である。
表面光沢を得るためには、前述した記録層が減率乾燥速度を示すようになった後に、平均粒子径0.01から1μmの微細顔料を含有する最表層用塗液を記録層の上に塗工し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧着することにより、最表層を形成する必要がある。これは、減率乾燥部以降での記録層に含有される水分、及び湿潤状態にある最表層に含有される水分は、加熱された鏡面ドラムに圧着されることにより蒸発し、鏡面ドラムから最表層を剥離すると、インク吸収性及び光沢に優れた最表層を有するインクジェット記録体を得ることができる。
ラテックスバインダーは、特に限定するものではないが、例えば、アクリル系樹脂エマルション、(ポリ)ウレタン系樹脂エマルション、スチレン系樹脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体系エマルション、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体や共重合体系エマルション、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体エマルション、或いはこれら各種重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体エマルションなどが挙げられる。特に、アクリル系樹脂エマルション、(ポリ)ウレタン系樹脂エマルション、スチレン系樹脂エマルションが好ましく選択される。光沢発現、印字濃度からエマルションラテックスの平均粒子径は0.08μm以下が好ましく、より好ましくは0.005〜0.05μmの範囲である。インクの定着性からエマルションラテックスはカチオン変性のものが好ましい。
最表層の微細顔料とラテックスバインダーの比率は、インク吸収性を阻害しなければ特に規定するものではないが、質量比で100/100〜100/3の範囲が好ましく、インク吸収性と塗膜強度のバランスから100/30〜100/10がさらに好ましい。
また、鏡面ドラムで乾燥するのでなく、鏡面ドラムに圧着(ニップ)した後、後工程で乾燥を行っても構わない。後工程の乾燥方法としては、特に限定するものではなく、従来から公知の熱風乾燥、ガスヒーター乾燥、高周波乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥、レーザー乾燥、電子線乾燥等の各種加熱乾燥方式が適宜使用される。このなかで、熱風乾燥がコストの面で有利であるため好ましく採用される。
なお、キャスト法においても、鏡面ドラムに圧着後、表面層の乾燥が不十分である場合は、後工程で乾燥するとよいし、鏡面ドラムに圧着、乾燥の際に、裏面から、赤外線などにより、乾燥を補助することも可能である。また、得られた記録体のカールを矯正するために、乾燥後に調湿エリアを設けてもよい。
各手段の間に巻き取り状に巻き取ったりすることなく、続けて製造される、すなわち、一つの装置で製造されるので、流れ方向での品質のバラツキが無くなるばかり、光沢感の高いものが得られる。
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調整される。
平均粒子径1.0μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:エアロジルA300、平均1次粒子径:約0.008μm)を用い、ホモミキサーにより分散した後、平均粒子径が0.08μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。前記10%水分散液に5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700、分子量:30万)10部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.15μmの10%の水分散液を調製した。
上記カチオン性シリカ微粒子Aの10%水分散液を、更に高速流衝突型ホモジナイザーで分散して、平均粒子径が0.1μmの10%の水分散液を調製した。
(メソポーラスシリカの調整)
水60gにテンプレートとしてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合物(旭電化工業製、プルロニックP123)8gと2N塩酸水溶液240gを加えて35℃で攪拌溶解させた。これに1,3,5−トリメチルベンゼン1.6gを攪拌しながら加えた。さらにテトラエトキシシラン17gを攪拌しながら添加し、35℃で20時間攪拌し、90℃で24時間静置した。得られた複合体を濾過し、水洗後48時間風乾し、シリカとテンプレートの複合体粉末を得た。得られた粉末を500℃で6時間焼成しメソポーラスシリカを得た。
得られた粉末を用い、ホモミキサーにより分散した後、平均粒子径が0.1μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。前記10%水分散液に5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700M、分子量:3万)10部を添加し、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.3μmの10%の水分散液を調製した。
(活性ケイ酸水溶液の調製)
SiO2濃度30重量%、SiO2/Na2Oモル比3.1のケイ酸ソーダ溶液(トクヤマ社製、商品名:三号珪酸ソーダ)に蒸留水を混合し、SiO2濃度4.0重量%の希ケイ酸ソーダ水溶液を調製した。この水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSK−1BH)が充填されたカラムに通じて活性ケイ酸水溶液を調製した。得られた活性ケイ酸水溶液中のSiO2濃度は4.0重量%、pHは2.9であった。また、Na2O換算濃度は0.1重量%以下であった。
還流器、攪拌機、温度計を備えた5リットルのガラス製反応容器中で、500gの蒸留水を100℃に加温した。この熱水を100℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を1.5g/分の速度で合計450g添加し、シード液を調製した。
上記のガラス製反応容器中で、950gの上記シード液に対しアンモニアを0.015モル添加し安定化させ、100℃に加温した。このシード液に対して、上記の活性ケイ酸水溶液を1.5g/分の速度で合計550g添加した。活性ケイ酸の添加終了後、そのまま溶液を100℃に保って9時間加熱還流を行い、シリカ微粒子分散液を得た。この分散液をエバポレーターにて濃縮し、10%の水分散液を調製した。
前記10%水分散液に5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700M、分子量:3万)10部を添加し、平均粒子径が0.5μmになるまで高速流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散し、10%の水分散液を調製した。
平均粒子径約3.0μmの高純度アルミナ(住友化学工業社製、商品名:AKP−G015、γ結晶酸化アルミナ、平均1次粒子径:約0.1μm)を用い、ホモミキサーにより分散した後、高速流衝突型ホモジナイザーで更に分散し、平均粒子径が0.2μmになるまで液流衝突型ホモジナイザーで粉砕分散操作を繰り返し、10%の水分散液を調製した。
[塗工液A]
カチオン性シリカ微粒子A100部に、バインダーとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度3500、けん化度88.5%)18部、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05部の混合水分散液(濃度:15%)を調製した。
[塗工液B]
カチオン性シリカ微粒子B100部に、バインダーとしてエマルション型アクリル樹脂ラテックス(平均粒子径:0.03μm、Tg=−20℃)15部、離型剤(オレイン酸アンモニウム)5部を混合した5%水溶液を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度72秒の原紙(厚さ232μm、緊度0.91g/m2)にホウ砂を1g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Aを塗工量が20g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は25℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を減率乾燥部まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は70℃であった。
続いて、オンラインにて該記録層上に塗工液Bを塗工量が2g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクジェット記録体を作製し、仕上げに裏面に高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm3、メルトインデックス20g/10分)65部と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、メルトインデックス4g/10分)35部からなるポリエチレンのラミネート層を設けた。
このようにして得られた、記録体の最表層の細孔ピークは0.018μmであった。
記録層の乾燥後の表面温度を110℃にして、記録層を乾燥終点にした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.020μmであった。
[インクジェット記録体の作製]
透気度30秒の原紙(厚さ219μm、緊度0.80g/m2)にホウ砂を1.5g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Aを塗工量が16g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は25℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、オンラインにて該記録層上に塗工液Aを塗工量が1g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.023μmであった。
[塗工液C]
カチオン性シリカ微粒子D100部に、バインダーとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−140、重合度4000、けん化度98%)18部、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05部の混合水分散液(濃度:15%)を調製した。
[塗工液D]
アルミナ微粒子A100部に、バインダーとしてエマルション型アクリル樹脂ラテックス(平均粒子径:0.03μm、Tg=−20℃)15部、離型剤(ステアリン酸アミド)5部を混合した5%水溶液を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度38秒の原紙(厚さ193μm、緊度0.88g/m2)にホウ砂を0.1g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Cを塗工量が20g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は30℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、オンラインにて該記録層上に塗工液Dを塗工量が1g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.025μmであった。
[インクジェット記録体の作製]
透気度60秒の原紙(厚さ194μm、緊度0.90g/m2)にホウ砂を0.5g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Aを塗工量が20g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は25℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、オンラインにて該記録層上に塗工液Dを塗工量が2g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.020μmであった。
[塗工液E]
カチオン性シリカ微粒子C100部に、バインダーとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度3500、けん化度88.5%)20部、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.2部の混合水分散液(濃度:15%)を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度402秒の原紙(厚さ170μm、緊度1.08g/m2)にホウ砂を0.05g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Cを塗工量が16g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は40℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、該記録層上に塗工液Bを塗工量が2g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.018μmであった。
[塗工液F]
市販沈降法シリカ(トクヤマ社製、商標:ファインシールX−37、粒子径:約2.6μm)100部を水に分散して、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(ハイモ社製、商品名:SC−700、分子量:30万)10部を添加し、、バインダーとしてポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度3500、けん化度88.5%)30部、及び分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.2部を加えて、混合水分散液(濃度:20%)を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度60秒の原紙(厚さ194μm、緊度0.90g/m2)の上に、シリカとポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Fを塗工量が8g/m2になるように塗工して、原紙の上にあらかじめ記録層を設けた。この記録層を含めた原紙の透気度は50秒であった。
この記録層の上にホウ砂を1g/m2含有させた後、実施例2と同じようにしてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.020μmであった。品質評価の結果を表1に示した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度19000秒でコッブ法による吸水度が2g/m2のアート紙(厚さ120μm、緊度1.15g/m2)にホウ砂を0.05g/m2含有し、ホウ砂が塗布された面の上に、カチオン性シリカ微粒子とポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Aを塗工量が16g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は40℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、該記録層上に塗工液Bを塗工量が2g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着させたが、原紙の透気度が高いために塗工層中の水分が裏面から抜けず、ドラムに圧着させることはできなかった。このようにして得られたインクジェット記録体の最表層の細孔ピークは0.015μmであった。品質評価の結果を表1に示した
[インクジェット記録体の作製]
透気度38秒の原紙(厚さ193μm、緊度0.88g/m2)にホウ砂を0.5g/m2含有させた後、ホウ砂が塗布された面の上に、シリカとポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Fを塗工量が16g/m2になるように塗工して、速やかに塗料をゲル化させた。この時の塗工層の表面温度は25℃であった。
その後、110℃の熱風で塗工層を乾燥終点まで乾燥させて、記録層を得た。この時の塗工層の表面温度は110℃であった。
続いて、オンラインにて該記録層上に塗工液Aを塗工量が1g/m2になるように塗工し、湿潤状態である間に表面温度が95℃の鏡面ドラムに圧着して乾燥、剥離させてインクェット記録体を作製した。
比較例3
実施例1において、最表層を塗工しないこと以外はすべて実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.015μmであった。
[インクジェット記録体の作製]
実施例1において、記録層が減率乾燥部になってから(記録層の表面温度70℃)ホウ砂を塗布したこと以外はすべて実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製したところ、記録層は減率乾燥部ではすでにひび割れており、ホウ砂を塗布しても改善の効果はなく、記録層を設けることはできなかった。
[インクジェット記録体の作製]
実施例1において、記録層が減率乾燥部になる前に(記録層の表面温度40℃)最表層を塗布したこと以外はすべて実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.020μmと1.00μmの2つであった。品質評価の結果を表1に示した。
[インクジェット記録体の作製]
実施例1において、基材にホウ砂を含有しないこと以外はすべて実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製したが、ホウ砂による塗料のゲル化がないために塗膜はひび割れ、記録層を設けることはできなかった。
実施例8
[インクジェット記録体の作製]
実施例1において、透気度が30秒、吸水度が130g/m2の原紙(厚さ255μm、緊度0.75g/m2)を用いたこと以外はすべて実施例1と同様にしてインクジェット記録体を作製した。得られた最表層の細孔ピークは0.015μmであった。品質評価の結果を表1に示した。
実施例1〜7および比較例1〜7で得られたインクジェット記録体の最表層の細孔分布ピーク、インク吸収性、画質、光沢は、以下に示す方法で評価した。また印字は、市販のインクジェットプリンターを用いた。(EPSON社製、商標:PM−950C、印字モード:PM写真用紙 きれいモード。)
本発明の規定の細孔直径分布曲線におけるピークについて説明する。測定方法としては、支持体の影響を避けるために、塗工層をカッター等で剥がし取り測定に用いた。細孔分布は、マイクロメトリックス・ポアサイザー9320(島津製作所製)を用い、水銀圧入法により求めた。水銀圧入法による細孔直径の測定は、細孔の断面を円形と仮定して導かれた下記の式を使って計算した。
R=−2γCOSθ/P
ただし、式中でそれぞれR:細孔半径(2R=細孔直径)、γ:水銀の表面張力、θ:接触角、P:圧力を示す。
水銀の表面張力は482.536dyn/cmとし、使用接触角は130°とし、水銀圧力の低圧部(0〜30psia、測定細孔半径:180〜3μm)と高圧部(0〜30001psia、測定細孔半径:3〜0.003μm)にて測定した。
細孔直径分布は、上記の原理を利用して、水銀に加える圧力を徐々に変化させ、その時に細孔内に進入した水銀の体積すなわち細孔容量Vを測定し、上記式に従って換算した細孔直径(2R)と細孔容積との関係を描き、この関係曲線の微分係数dV/d(2R)を求めて縦軸とし、細孔直径2Rを横軸にすることで求められる。塗工層の細孔直径分布曲線は通常1〜数個のピークが認められる。
記録体にグリーンベタ印字し、ベタ印字の斑があるかどうかを目視で観察し、以下の4段階で評価した。印字斑は、先に打ち込まれたインクが、完全にインクジェット記録体の塗工層に吸収されないうちに次のインクが飛来して表面で重なった場合に生じる現象であり、インク吸収速度が遅くなると、顕著に表れる。
◎:印字斑は、全く見られない。
○:印字斑は、多少あるが、実用上問題ないレベル。
△:印字斑が見られ、実用上問題あるレベル。
×:印字斑が多い。
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、画像の均一性(背景部)を目視で観察し、評価した。ドットが真円状であれば、ドットとドットが多く重なっている部分は極めて均一になるが、ドットが真円性からずれるほど、均一性に欠ける。
○:画像が均一で斑が見えない(ドットは真円で、エッジ部にギザギザは全く見られない)。
×:画像が不均一で、斑が見られる(ドットは真円性がなく、エッジ部がギザギザである)。
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、印字部に対して横の角度から目視し、以下の4段階で評価した。
◎:銀塩写真と同レベルの光沢感がある。
○:銀塩写真よりやや劣るレベルの光沢感がある。
△:コックリングが若干発生し、光沢感がやや劣るが。
×:一般市販の光沢インクジェット記録体同等か以下である。
××:光沢はなくマット調。
[塗工液G]
カチオン性シリカ分散液A100部に、バインダー兼ゲル化剤として降温により増粘ゲル化する感温性ポリマー(ALB−8.01、感温点15℃、ガラス転移温度90℃、旭化成製)20部を添加して、濃度12%の塗工液Gを調製した。
[塗工液H]
カチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK、日産化学製)100部とポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−235、重合度3500、けん化度88.5%)5部、離型剤としてステアリン酸アミド2部を配合して濃度15%のキャスト塗工液を調製した。
[インクジェット記録体の作製]
透気度60秒の原紙(厚さ194μm、緊度0.90g/m2)の上に、シリカとポリビニルアルコールを主成分とする塗工液Fを塗工量が10g/m2になるように塗工して、原紙の上にあらかじめ記録層を設けた。この記録層を含めた原紙の透気度は43秒であった。
この記録層上に、塗工液Gを5g/m2になるように塗工し、続いて冷風機を用いて温度が10℃になるまで冷却し、該塗工液をゲル化させた後に乾燥した。続いて塗工液Hを塗工量が1g/m2になるように塗工して、湿潤状態にある間に、表面温度90℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用紙を得た。
実施例9において、塗工液Gを塗工した後、冷却することなく、乾燥し、次いで、続いて塗工液Hを塗工量が1g/m2になるように塗工して、湿潤状態にある間に、表面温度90℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用紙を得た。
実施例9および比較例7で得られたインクジェット記録体の最表層の細孔分布ピーク、インク吸収性、画質、光沢は、以下に示す方法で評価した。また印字は、市販のインクジェットプリンターを用いた。(EPSON社製、商標:PM−950C、印字モード:PM写真用紙 きれいモード。)
2:基材
3:記録層
4:最表層用塗液
5:鏡面ロール
6:プレスロール
7:塗布液層
8:最表層
9:乾燥装置
Claims (21)
- 基材上に記録層、最表層を設けるインクジェット記録体の製造方法において、基材が透気性基材であり、記録層が、平均粒子径0.01〜1μmの微細顔料と親水性バインダーを含有する記録層用塗液を、基材の一方の面に塗布、乾燥され、且つ、該塗布と同時に、ないしは乾燥時の塗液が減率乾燥速度を示すようになる前に、該塗布された塗液を増粘またはゲル化させて形成し、最表層は、記録層が減率乾燥速度を示すようになった後の記録層上に、平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料を含有する最表層用塗液を塗工し、該最表層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着処理して形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
- 基材上に記録層、最表層を設けるインクジェット記録体の製造方法において、基材が透気性基材であり、記録層に使用する親水性バインダーと架橋反応が可能な架橋剤を有する塗液を基材の一方の面に塗布し、該塗液を乾燥後、あるいは乾燥することなく、塗布面に、平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料と親水性バインダーを含有する記録層用塗液を塗布、乾燥して記録層を形成し、記録層が減率乾燥速度を示すようになった後に、該記録層上に、平均粒子径が0.01〜1μmの微細顔料を含有する最表層用塗液を塗工し、該最表層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着処理して形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
- 基材の片面に0.01〜1.5g/m2のホウ素化合物が含浸又は塗工され、かつ記録層中に該ホウ素化合物により架橋反応が可能なポリマーが含まれることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録体の製造方法。
- ホウ素化合物により架橋反応が可能なポリマーが、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート、スチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種である、請求項3記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層用塗液に含有する親水性バインダーが、感温点よりも高い温度で疎水性を、感温点より低い温度で親水性を可逆的に示す感温性高分子化合物であり、記録層用塗液を塗布後、感温点以下の温度に冷却することにより増粘またはゲル化がされる請求項1記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 透気性基材の、透気度(JIS−P−8117)が30〜500secであり、かつコッブ法による60秒の吸水度(JIS−P−8140)が10〜120g/m2である請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層及び最表層の細孔直径分布曲線におけるピークが、0.001〜0.2μmにあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、アルミナ酸化物、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物から選ばれる少なくとも1種のシリカ微細顔料を、カチオン性化合物で処理したシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子であることを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、コロイダルシリカ、アルミナ酸化物、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層用塗液に含有する微細顔料が、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物、コロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種のシリカ微細顔料を、カチオン性化合物で処理したシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子である請求項10記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層用塗液に含有する微細顔料が、アルミナ酸化物である請求項10記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層用塗液に含有する微細顔料の平均粒子径が、記録層用塗液に含有する微細顔料の平均粒子径よりも小さい請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。、
- 基材の記録層及び最表層を有さない面に、最表層が形成された後にポリオレフィン樹脂を含むラミネート層が設けられることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層用塗液及び記録層用塗液が、オンラインで塗工されることを特徴とする請求項1〜14記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層用塗液が前計量法の塗工方法によって塗工されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 記録層の塗工量は、最表層の塗工量の3〜60倍を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 最表層のヘイズ値(JIS K 7105)が30%以下で、かつ最表層と記録層のヘイズ値の和が50%以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 基材の、緊度(JIS−P−8118)が0.8〜1.1g/m2で、かつ厚さが160〜270μmであることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法。
- 基材上に記録層、最表層を設けるインクジェット記録体の製造方法において、連続する基材を供給する工程と、微細顔料と親水性バインダーを含有する記録層用塗液を塗布する工程と、記録層用塗液を増粘またはゲル化させる工程と、記録層用塗液を減率乾燥速度を示すまで乾燥する工程と、形成された記録層上に微細顔料を含有する最表層用塗液を塗布する工程と、最表層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧着する工程を有する塗工装置を用いて製造するインクジェット記録体の製造方法。
- 請求項1〜20のいずれか一項に記載のインクジェット記録体の製造方法により製造されたインクジェット記録体。
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