JP2005182860A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができ、かつ、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層にも、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができる光記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】 基板11と、基板11上に、中間層12を介して、積層された第一の情報層20、第二の情報層30を備え、第二の情報層30が、Cuを主成分として含む第一の記録膜33aと、Siを主成分として含む第二の記録膜33bとを有し、第一の記録膜33aが、2nmないし19.5nmの厚さを有することを特徴とする光記録媒体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の情報層を有する光記録媒体に関するものであり、とくに、複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができ、かつ、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層にも、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができる光記録媒体に関するものである。
従来より、デジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録媒体が広く利用されている。このような光記録媒体に要求される記録容量は年々増大し、光記録媒体の記録容量を増大させるために、種々の提案がなされている。
その一つとして、二層の情報層を備えた光記録媒体が提案されており、再生専用の光記録媒体であるDVD−VideoやDVD−ROMにおいて、すでに実用化されている。
再生専用の光記録媒体は、プリピットが表面に形成された二枚の基板が、中間層を介して、積層された構造を有している。
また、近年、ユーザによるデータの記録が可能な書き換え型の光記録媒体についても、二層の情報層を備えた光記録媒体が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載された書き換え型の光記録媒体においては、記録膜と、記録膜を挟んで形成された誘電体膜(保護膜)とによって情報層が形成され、かかる構造を有する情報層が、中間層を介して、積層されている。
このような二層の情報層を備えた書き換え型の光記録媒体にデータを記録する場合には、レーザビームのフォーカスをいずれか一方の情報層に合わせ、レーザビームのパワーを再生パワーPrよりも十分に高レベルの記録パワーPwに設定して、レーザビームを情報層に照射することによって、情報層に含まれている記録膜の相状態を変化させて、情報層の所定の部分に記録マークを形成する。
こうして形成された記録マークは、記録マークが形成されていないブランク領域とは異なる反射率を有するため、レーザビームのフォーカスをいずれか一方の情報層に合わせ、パワーが再生パワーPrに設定されたレーザビームを情報層に照射し、情報層からのレーザビームの光量を検出することによって、情報層に記録されたデータを再生することができる。
特開2001−243655号公報
このように、二層の情報層が形成された書き換え型光記録媒体においては、レーザビームのフォーカスをいずれか一方の情報層に合わせて、レーザビームを照射して、その情報層にデータを記録し、その情報層に記録されたデータが再生されるように構成されているため、光入射面から遠い側の情報層(以下、「第一の情報層」という)に、データを記録し、記録されたデータを再生するときに、光入射面から近い側の情報層(以下、「第二の情報層」という)を介して、第一の情報層に、レーザビームが照射されることになる。
また、第二の情報層にも記録マークが形成されて、データが記録されるため、所望のように、第一の情報層にデータを記録し、第一の情報層に記録されたデータを再生するためには、第二の情報層に記録マークが形成される前後で、第二の情報層の光透過率が大きく変化しないことが必要である。
同様な問題は、二層の情報層を有する追記型の光記録媒体においても生じ、第二の情報層には同様の特性が要求されている。
したがって、本発明は、複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができ、かつ、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層にも、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができる光記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、基板と、基板上に、少なくとも中間層を介して、積層された複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層のうちの少なくとも一層の情報層が、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有し、前記第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有することを特徴とする光記録媒体によって達成される。
本発明者の研究によれば、第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有するように、形成された場合には、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層において、記録マークが形成された領域と、記録マークが形成されていない領域とのレーザビームに対する光透過率差を小さくすることができるのが見出されている。
こうして、本発明によれば、記録マークが形成された領域と、記録マークが形成されていない領域とで、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層が、ほぼ同じ光透過率を有するから、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層にデータが記録された後に、光入射面から最も遠い情報層に、レーザビームが照射されても、光入射面から最も遠い情報層に照射されるレーザビームの光量にばらつきが生じることがなく、したがって、光入射面から最も遠い情報層に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することが可能となる。
また、本発明においては、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層に含まれる第一の記録膜および第二の記録膜は、第一の記録膜がCuを主成分として含み、第二の記録膜がSiを主成分として含んでおり、かかる元素の組み合わせを有する第一の記録膜および第二の記録膜は、記録パワーのレーザビームが照射されたときに、第一の記録膜に主成分として含まれる元素と、第二の記録膜に主成分として含まれる元素とが、速やかに混合されて、混合領域が形成される。
したがって、本発明によれば、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層に、所望のように、データを記録することが可能となる。また、こうして形成された混合領域は、それ以外の領域と、レーザビームに対する反射率が大きく異なるから、光入射面から最も遠い情報層以外の情報層に記録されたデータを、所望のように、再生することも可能である。
本発明の好ましい実施態様においては、前記レーザビームの入射面側から最も遠い情報層以外の情報層が、いずれも、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有し、前記第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有している。
本発明においては、第一の記録膜は、2nmないし16.5nmの厚さを有することが好ましく、2nmないし14nmの厚さを有することが、さらに好ましい。これらの場合には、記録マークが形成された領域と、記録マークが形成されていない領域との光透過率の差を、より一層、小さくすることが可能となる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、第二の記録膜が、2nmないし10nmの厚さを有している。
第二の記録膜の厚さが2nm未満のときには、記録マークが形成された領域と記録マークが形成されていない領域との反射率差が小さくなるおそれがあり、第二の記録膜の厚さが10nmを越えるときには、第二の情報層の透過率や記録感度の悪化を招くおそれがあるため、これらを考慮すると、第二の記録膜は、2nmないし10nmの厚さを有していることが好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第一の記録膜が、Al、Zn、Sn、Mg、Auからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が添加されている。
これらの元素を、Cuを主成分として含む第一の記録膜に添加した場合には、再生信号のノイズレベルを低下させることが可能になるとともに、長期間の保存に対する信頼性を向上させることが可能になる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数の情報層が、380nmないし450nmの波長を有するレーザビームを用いて、データの記録および再生が可能に構成されている。
本発明によれば、複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができ、かつ、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層にも、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することができる光記録媒体を提供することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の略斜視図であり、図2には、図1のAで示される部分の略拡大断面図である。
図1に示されるように、本実施態様にかかる光記録媒体1は、円板状をなし、図2において、矢印で示される方向から、350nmないし450nmの波長λを有するレーザビームが、λ/NA≦640を満たす開口数NAを有する対物レンズを介して、光記録媒体1に照射されるように構成されている。
図2に示されるように、本実施態様にかかる光記録媒体1は、支持基板11と、支持基板11の表面上に形成された第一の情報層20と、第一の情報層20の表面上に形成された中間層12と、中間層12の表面上に形成された第二の情報層30と、第二の情報層30の表面上に形成された光透過層13を備えている。
第一の情報層20および第二の情報層30は、それぞれ、データを記録する層であり、本実施態様にかかる光記録媒体10は、中間層12を介して、二層の情報層が形成されている。
支持基板11は、光記録媒体1の機械的な支持体として、機能するものである。
支持基板11を形成するための材料は、光記録媒体1の支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではなく、たとえば、ガラス、セラミック、樹脂などによって、形成することができる。これらのうち、成形の容易性の観点から、樹脂が好ましく使用される。このような樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂がとくに好ましく、本実施態様においては、支持基板11は、ポリカーボネート樹脂によって形成される。
本実施態様においては、支持基板11は、約1.1mmの厚さを有している。
本実施態様においては、レーザビームは、支持基板11とは反対側に位置する光透過層13を介して、照射されるから、支持基板11が、光透過性を有していることは必ずしも必要ではない。
支持基板11の表面には、交互に、グルーブ11aおよびランド11bが形成されている。支持基板11の表面に形成されたグルーブ11aおよび/またはランド11bは、第一の情報層20にデータを記録する場合および第一の情報層20からデータを再生する場合において、レーザビームのガイドトラックとして機能する。グルーブ11aの深さは、λ/(18n)ないしλ/(4n)(λは、レーザビームの波長であり、nは、光透過層13の屈折率である。)に設定することが好ましく、グルーブ11aのピッチは、0.2μmないし0.4μmに設定することが好ましい。
図2に示されるように、支持基板11の表面上には、第一の情報層20が形成されている。
図2に示されるように、第一の情報層20は、支持基板11の表面上に形成された反射膜21と、反射膜21の表面上に形成された第二の誘電体膜22と、第二の誘電体膜22の表面上に形成された第一の記録膜23aと、第一の記録膜23aの表面上に形成された第二の記録膜23bと、第二の記録膜23bの表面上に形成された第一の誘電体膜24を備えている。
反射膜21は、光透過層13を介して、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bに照射されるレーザビームを反射し、再び、光透過層13から出射させる役割を果たすとともに、レーザビームの照射によって、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bに生じた熱を効果的に放熱させる役割を果たす。
反射膜21を形成するための材料は、レーザビームを反射することができるとともに、熱を放熱することができれば、とくに限定されるものではなく、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ag、Pt、Auなどによって、反射膜21を形成することができる。これらのうちでも、高い反射率を有しているAl、Au、Ag、Cu、または、AgとCuとの合金などのこれらの金属の少なくとも1つを含む合金などの金属材料が、反射膜21を形成するために、好ましく用いられる。
反射膜21は、20nmないし200nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。反射膜21の厚さが20nm未満であると、反射膜21の反射率を十分に高くすることが困難になるとともに、第一の記録層20に生成された熱を放熱することが困難になり、その一方で、反射膜21の厚さが200nmを越えていると、反射膜21の成膜に長い時間を要するため、生産性が低下し、また、内部応力などによって、クラックが発生するおそれがある。
第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24は、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bを物理的、化学的に保護するとともに、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bに記録されたデータを再生するときの光学特性を調整する機能を有している。
第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24を形成するための材料は、レーザビームの波長領域において、透明な誘電体材料であれば、とくに限定されるものではないが、第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24は、Si、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Sn、Ca、Ce、V、Cu、Fe、Mgよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいは、これらの複合物から形成されることが好ましい。第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24は、いずれも、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法など気相成長法によって、形成することができる。
第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24は、それぞれ、2nmないし150nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。
第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bは、データを記録する記録膜であり、二つの記録膜によって、一つの記録層を構成している。第一の記録膜23aはCuを主成分として含み、第二の記録膜23bはSiを主成分として含んでいる。本明細書において、ある元素を主成分として含むとは、当該元素の含有量が50原子%ないし100原子%であることを意味する。
本実施態様において、Cuを主成分として含む第一の記録膜23aには、Al、Zn、Sn、Mg、Auからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が添加されていることが好ましい。これらの元素を、Cuを主成分として含む膜に添加した場合には、再生信号のノイズレベルを低下させることが可能になるとともに、長期間の保存に対する信頼性を向上させることが可能になる。
第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bは、その総厚が、4nmないし40nmとなるように形成されることが好ましい。第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bの総厚が、4nm未満の場合には、レーザビームを照射する前後の反射率の変化が少なくなり、高いC/N比の再生信号を得ることができなくなり、一方、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bの総厚が、40nmを越えると、記録感度が悪化してしまう。
第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bは、いずれも、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法など気相成長法によって、形成することができる。
図2に示されるように、第一の情報層20の表面上には、中間層12が形成されている。
中間層12は、第一の情報層20と第二の情報層30とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる機能を有している。
中間層12の表面には、交互に、グルーブ12aおよびランド12bが形成されており、中間層12の表面に形成されたグルーブ12aおよび/またはランド12bは、第二の情報層30にデータを記録する場合および第二の情報層30からデータを再生する場合において、レーザビームのガイドトラックとして、機能する。中間層12の表面に形成されたグルーブ12aの深さおよびピッチは、支持基板11の表面に設けられたグルーブ11aの深さおよびピッチと同程度に設定することができる。
中間層12は、レーザビームが通過するため、高い光透過率を有していることが必要である。中間層12を形成するための材料は、レーザビームに対する透過性を有していれば、とくに限定されるものではないが、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることが好ましい。
中間層12は、5μmないし50μmの厚さを有するように形成されることが好ましく、さらに好ましくは、10μmないし40μmの厚さを有するように、形成される。
図2に示されるように、中間層12の表面上には、第二の情報層30が形成されている。
図2に示されるように、第二の情報層30は、中間層12の表面上に形成された第二の誘電体膜32と、第二の誘電体膜32の表面上に形成された第一の記録膜33aと、第一の記録膜33aの表面上に形成された第二の記録膜33bと、第二の記録膜33bの表面上に形成された第一の誘電体膜34を備えている。
第二の誘電体膜32および第一の誘電体膜34は、第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bを物理的、化学的に保護する役割を果たすとともに、第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bに記録されたデータを再生するときの光学特性を調整する機能を有している。
第二の誘電体膜32および第一の誘電体膜34は、第一の情報層20に含まれる第二の誘電体膜22および第一の誘電体膜24と、同様の材料によって、形成することができ、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法など気相成長法によって、形成することができる。
第二の誘電体膜32および第一の誘電体膜34は、それぞれ、2nmないし150nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。
第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bは、データを記録する記録膜であり、第一の情報層20に含まれる第一の記録膜23aおよび第二の記録膜23bと同様に、二つの記録膜によって、一つの記録層を構成している。第一の記録33aはCuを主成分として含み、第二の記録膜33bはSiを主成分として含んでいる。
Cuを主成分として含む第一の記録膜33aには、第一の情報層20に含まれる第一の記録膜23aと同様に、Al、Zn、Sn、Mg、Auからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が添加されていることが好ましく、こうして第一の記録膜33aが形成された場合には、再生信号のノイズレベルを低下させることが可能になるとともに、長期間の保存に対する信頼性を向上させることが可能になる。
本実施態様においては、第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bのうち、第一の記録膜33aは、2nmないし19.5nmの厚さを有している。
本発明者の研究によれば、第一の記録膜33aが、2nmないし19.5nmの厚さを有するように形成された場合には、第二の情報層30の記録マークが形成された領域と、第二の情報層30の記録マークが形成されていない領域との光透過率差を小さくすることができるのが見出されている。
本実施態様においては、第一の記録膜33aは、2nmないし16.5nmの厚さを有することが好ましく、2nmないし14nmの厚さを有することがさらに好ましい。これらの場合には、記録マークが形成された領域と、記録マークが形成されていない領域との光透過率の差を、より一層、小さくすることが可能となる。
一方、第二の記録膜33bは、第一の記録膜33aが、2nmないし19.5nmの厚さを有する場合には、2nmないし10nmの厚さを有することが好ましい。第二の記録膜33bの厚さが2nm未満のときには、記録マークが形成された領域と記録マークが形成されていない領域との反射率差が小さくなるおそれがあり、一方、第二の記録膜33bの厚さが10nmを越えるときには、第二の情報層30の透過率や記録感度の悪化を招くおそれがあるため、これらを考慮すると、第二の記録膜33bは、2nmないし10nmの厚さを有していることが好ましい。
本実施態様においては、第二の記録膜33bは、2nmないし8nmの厚さを有することが好ましく、3nmないし6nmの厚さを有することがさらに好ましい。これらの場合には、第二の情報層30の透過率や記録感度を向上させることが可能となる。
第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bは、いずれも、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法など気相成長法によって、形成することができる。
図2に示されるように、第二の情報層30の表面上には、光透過層13が形成されている。
光透過層13は、レーザビームを透過させる層であり、その一方の表面によって、光入射面13aが構成されている。
光透過層13を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、中間層12と同様に、紫外線硬化性アクリル樹脂を用いることが好ましい。光透過層13は、スピンコーティング法や、光透過性樹脂によって形成されたシートを、接着剤を用いて、接着することによって、形成することができる。
光透過層13は、30μmないし200μmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
以上のような構成を有する光記録媒体1には、次のようにして、データが記録され、記録されたデータが再生される。
本実施態様において、光記録媒体1にデータを記録し、記録されたデータを再生するにあたっては、光透過層13の光入射面13aを介して、380nmないし450nmの波長λを有するレーザビームが照射され、第一の情報層20および第二の情報層30のいずれかに、レーザビームがフォーカスされる。
第二の情報層30に、データを記録する場合には、記録パワーPwに設定されたレーザビームが、第二の情報層30にフォーカスされ、光透過層13を介して、第二の情報層30に照射される。こうして、第二の情報層30に、レーザビームが照射されると、第二の情報層30が加熱され、第一の記録膜33aに主成分として含まれる元素と、第二の記録膜33bに主成分として含まれる元素とが混合され、混合領域が形成される。こうして形成された混合領域は、それ以外の領域と、レーザビームに対する反射率が大きく異なるため、記録マークとして、利用することができる。
本実施態様においては、第二の情報層30に含まれる第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bは、第一の記録膜33aがCuを主成分として含み、第二の記録膜33bがSiを主成分として含んでおり、かかる元素の組み合わせを有する第一の記録膜33aおよび第二の記録膜33bは、記録パワーPwのレーザビームが照射されたときに、第一の記録膜33aに主成分として含まれる元素と、第二の記録膜33bに主成分として含まれる元素とが、速やかに混合されて、混合領域が形成される。したがって、第二の情報層30に、速やかに記録マークを形成することができ、所望のように、データを記録することが可能となる。
一方、第二の情報層30に、記録されたデータを再生する場合には、再生パワーPrに設定されたレーザビームが、第二の情報層30に照射される。そして、第二の情報層30によって反射され、光記録媒体1から出射されるレーザビームの光量が、光検出器で検出されて、第二の情報層30に記録されたデータが再生される。
第一の記録膜33aに主成分として含まれるCuと、第二の記録膜33bに主成分として含まれるSiとが混合されて、形成された混合領域は、それ以外の領域と、レーザビームに対する反射率が大きく異なるから、第二の情報層30に記録されたデータを、感度良く、再生することが可能である。
また、第一の情報層20に、データを記録する場合には、記録パワーPwに設定されたレーザビームが、第一の情報層20にフォーカスされて、光透過層13を介して、第一の情報層20に照射される。こうして、第一の情報層20に、レーザビームが照射されると、第二の情報層30と同様に、第一の記録膜23aに主成分として含まれるCuと、第二の記録膜23bに主成分として含まれるSiとが混合され、記録マークが形成される。
このように、第一の情報層20にデータが記録される場合には、レーザビームが、第二の情報層30を介して、第一の情報層20に照射されることになる。こうした場合に、第二の情報層30の記録マークが形成された領域と、第二の情報層30の記録マークが形成されていない領域とで、レーザビームに対する光透過率が大きく相違していると、均一な光量のレーザビームを照射しても、第二の情報層30の記録マークが形成された領域を透過するレーザビームの光量と、第二の情報層30の記録マークが形成されていない領域を透過するレーザビームの光量とが大きく相違する。この結果、第一の情報層20に照射されるレーザビームの光量にばらつきが生じ、第一の情報層20にデータを記録するときの記録感度や、第一の情報層20に記録されたデータを再生するときの再生信号の信号特性に大きく影響を及ぼすことになる。したがって、第二の情報層30は、記録マークが形成された領域と、記録マークが形成されていない領域とで、レーザビームに対する光透過率が大きく相違しないことが必要である。
本実施態様においては、第一の記録膜33aが、2nmないし19.5nmの厚さを有するように形成されており、第二の情報層30の記録マークが形成された領域と、第二の情報層30の記録マークが形成されていない領域とで、ほぼ同じ光透過率を有するから、第二の情報層30にデータが記録された後に、第一の情報層20にレーザビームを照射しても、第一の情報層20に照射されるレーザビームの光量にばらつきが生じるのを防止することができる。したがって、第二の情報層30にデータが記録された後にも、第一の情報層20に、所望のように、データを記録することが可能となる。
一方、第一の情報層20に、記録されたデータを再生する場合には、再生パワーPrに設定されたレーザビームが、第一の情報層20に照射される。そして、第一の情報層20によって反射され、第二の情報層30を介して、光記録媒体1から出射されるレーザビームの光量が、光検出器で検出されて、第一の情報層20に記録されたデータが再生される。
本実施態様においては、第二の情報層30の記録マークが形成された領域と、第二の情報層30の記録マークが形成されていない領域とで、ほぼ同じ光透過率を有するから、第一の情報層20によって反射されたレーザビームが第二の情報層30を透過するときに、レーザビームの光量が変化するのを防止することができ、したがって、第二の情報層30にデータが記録された後にも、第一の情報層20に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能である。
以上のように、本実施態様においては、第一の情報層20に、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することが可能であり、かつ、第二の情報層30にも、所望のように、データを記録し、記録されたデータを再生することが可能である。
以下、本発明の効果をより明瞭なものとするため、実施例を掲げる。
実施例1
まず、射出成型法により、厚さが1.1mm、直径が120mmで、表面に、グルーブおよびランドが、0.32μmのグルーブピッチで形成されたポリカーボネート基板を作製した。
次いで、ポリカーボネート基板をスパッタリング装置にセットし、グルーブおよびランドが形成された表面上に、ZnSとSiOの混合物を主成分として含み、115nmの厚さを有する第二の誘電体膜、Cuを主成分とし、23原子%のAlと13原子%のAuが添加された4.5nmの厚さを有する第一の記録膜、Siを主成分として含み、4.5nmの厚さを有する第二の記録膜、TiOを主成分として含み、21nmの厚さを有する第一の誘電体膜を、順次、スパッタリング法により形成し、情報層を形成した。第二の誘電体膜を形成するに際しては、ZnSとSiOのモル比率が、80:20である混合物ターゲットを使用した。
次いで、情報層の表面上に、紫外線硬化性アクリル樹脂を、スピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜に、紫外線を照射して、紫外線硬化性アクリル樹脂を硬化させ、100μmの厚さを有する光透過層を形成した。
こうして、光記録ディスクサンプル#1を作製した。
第一の記録膜の厚さを6.5nmとした点を除き、光記録ディスクサンプル#1と同様にして、光記録ディスクサンプル#2を作成した。
第一の記録膜の厚さを8.0nmとした点を除き、光記録ディスクサンプル#1と同様にして、光記録ディスクサンプル#3を作成した。
第二の記録膜の厚さを3.5nmとした点を除き、光記録ディスクサンプル#2と同様にして、光記録ディスクサンプル#4を作成した。
第二の記録膜の厚さを5.5nmとした点を除き、光記録ディスクサンプル#2と同様にして、光記録ディスクサンプル#5を作成した。
次いで、光記録ディスクサンプル#1ないし#5を、パルステック工業株式会社製の光記録媒体評価装置「DDU1000」(商品名)に、順次、セットし、光記録ディスクサンプル#1ないし#5に、それぞれ、データを記録した。
波長が405nmの青色レーザビームを、記録用レーザビームとして用い、開口数NAが0.85の対物レンズを用いて、レーザビームを、光透過層を介して、情報層に集光し、下記の記録信号条件で、(1、7)RLL変調方式における2Tないし8Tの長さの記録マークを、ランダムに組み合わせて、形成し、光記録ディスクサンプル#1ないし#5の情報層に、データを記録した。データを記録するにあたっては、レーザビームの記録パワーPwを、約7mWに設定し、その後、約7mWないし約12mWの範囲で、少しずつ、パワーを増大させていき、順次、データを記録した。
変調方式:(1,7)RLL
記録線速度:5.3m/秒
チャンネルビット長:0.12μm
チャンネルクロック:66MHz
記録方式:オングルーブ記録
次いで、STEAG ETA−Optik社製の分光光度計を用いて、光記録ディスクサンプル#1ないし#5の情報層に、405nmの波長を有するレーザビームを照射し、記録マークが形成されていない領域(以下、「ブランク領域」という)の透過率T1と、記録マークが形成された領域(以下、「マーク領域」という)の透過率T2を、それぞれ、測定した。透過率T2を測定するにあたっては、レーザビームを記録パワーPwを、約7mWないし約12mWの範囲で、変化させて、記録したデータのうち、最少のジッタが得られたデータを、測定の対象とした。さらに、透過率T1から透過率T2を減算して、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを算出した。
透過率T1、透過率T2、透過率差ΔTおよび透過率T2の測定対象となったデータを記録したときのレーザビームの記録パワーPwが、それぞれ、表1に示されている。
Figure 2005182860
表1に示されるように、第二の記録膜の厚さを4.5nmに固定し、第一の記録膜の厚さを変更した光記録ディスクサンプル#1ないし#3においては、第一の記録膜の厚さを厚くするのに従って、透過率差ΔTが小さくなるのが認められた。一方、第一の記録膜の厚さを6.5nmに固定し、第二の記録膜の厚さを変更した光記録ディスクサンプル#2、#4および#5においては、第二の記録膜の厚さを変えても、透過率差ΔTは、ほとんど変化しないのが認められた。これらの結果から、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを小さくするには、第一の記録膜の厚さを変更するのが有効であることが判明した。
次いで、光記録ディスクサンプル#1ないし#3につき、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフを作成した。グラフは、図3に示されている。
さらに、図3に示されるグラフをもとに、透過率差ΔTを2%以内、1.5%以内および1.0%以内の各範囲に収めることができる第一の記録膜の厚さについて、それぞれ、検討した。
図3から明らかなように、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となるためには、第一の記録膜が0.3nmないし14.0nmの厚さを有する必要があることが認められた。しかしながら、第一の記録膜が2nm未満の厚さを有する場合には、第一の記録膜の記録特性を著しく損なうおそれがあるため、第一の記録膜の厚さの下限値を、2nmと規定した。したがって、2nmないし14nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成することにより、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となる情報層を形成し得るのが分かった。
また、図3から明らかなように、2nmないし12.5nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.5%以内にすることが可能となり、3.8nmないし10.8nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.0%以内にすることが可能となるのが、それぞれ、分かった。
実施例2
第一の記録膜の厚さを4.5nmとした点、第二の記録膜の厚さを4.0nmにした点およびZnSとSiOの混合物を主成分として含み、30nmの厚さを有する第一の誘電体膜を形成した点を除き、光記録ディスクサンプル#1と同様にして、光記録ディスクサンプル#6を作製した。第一の誘電体膜を形成するに際しては、ZnSとSiOのモル比率が、80:20である混合物ターゲットを使用した。
第一の記録膜の厚さを6.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#6と同様にして、光記録ディスクサンプル#7を作製した。
第一の記録膜の厚さを7.5nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#6と同様にして、光記録ディスクサンプル#8を作製した。
第一の記録膜の厚さを9.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#6と同様にして、光記録ディスクサンプル#9を作製した。
第一の記録膜の厚さを12.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#6と同様にして、光記録ディスクサンプル#10を作製した。
第一の記録膜の厚さを14.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#6と同様にして、光記録ディスクサンプル#11を作製した。
次いで、実施例1と同じ光記録媒体評価装置に、光記録ディスクサンプル#6ないし#11を、順次、セットし、実施例1と同様にして、光記録ディスクサンプル#6ないし#11の情報層に、それぞれ、データを記録した。
次いで、上述の分光光度計を用いて、光記録ディスクサンプル#6ないし#11の情報層に、405nmの波長を有するレーザビームを照射し、ブランク領域の透過率T1と、マーク領域の透過率T2を、それぞれ、測定した。さらに、実施例1と同様にして、透過率差ΔTを算出した。
透過率T1、透過率T2、透過率差ΔTおよび透過率T2の測定対象となったデータを記録したときのレーザビームの記録パワーPwが、表2に示されている。
Figure 2005182860
次いで、表2に示される透過率差ΔTをもとに、光記録ディスクサンプル#6ないし#11につき、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフを作成した。グラフは、図4に示されている。
次いで、図4に示されるグラフをもとに、透過率差ΔTを2%以内、1.5%以内および1.0%以内の各範囲に収めることができる第一の記録膜の厚さについて、それぞれ、検討した。
図4から明らかなように、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となるためには、第一の記録膜が、19.5nm以下の厚さを有する必要があることが認められた。しかしながら、第一の記録膜が2nm未満の厚さを有する場合には、第一の記録膜の記録特性を著しく損なうおそれがあるため、第一の記録膜の厚さの下限値を、2nmと規定した。したがって、2nmないし19.5nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成することにより、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となる情報層を形成し得るのが分かった。
また、図4から明らかなように、2nmないし15.5nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.5%以内にすることが可能となり、2nmないし11nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.0%以内にすることが可能となるのが、それぞれ、分かった。
実施例3
Cuを主成分とし、23原子%のAlが添加された5.0nmの厚さを有する第一の記録膜を形成した点、第二の記録膜の厚さを5.0nmにした点およびZnSとSiOのモル比率が80:20である混合物ターゲットを使用して、25nmの厚さを有する第一の誘電体膜を形成した点を除き、光記録ディスクサンプル#1と同様にして、光記録ディスクサンプル#12を作製した。
第一の記録膜の厚さを7.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#12と同様にして、光記録ディスクサンプル#13を作製した。
第一の記録膜の厚さを9.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#12と同様にして、光記録ディスクサンプル#14を作製した。
第一の記録膜の厚さを14.0nmにした点を除き、光記録ディスクサンプル#12と同様にして、光記録ディスクサンプル#15を作製した。
次いで、実施例1と同じ光記録媒体評価装置に、光記録ディスクサンプル#12ないし#15を、順次、セットし、実施例1と同様にして、光記録ディスクサンプル#12ないし#15の情報層に、それぞれ、データを記録した。
次いで、上述の光記録媒体評価装置を用いて、光記録ディスクサンプル#12ないし#15の情報層に、再生パワーPrに設定されたレーザビームを照射し、ブランク領域の透過率T1と、マーク領域の透過率T2を、それぞれ、測定した。さらに、実施例1と同様にして、透過率差ΔTを算出した。
透過率T1、透過率T2、透過率差ΔTおよび透過率T2の測定対象となったデータを記録したときのレーザビームの記録パワーPwが、表3に示されている。
Figure 2005182860
次いで、表3に示される透過率差ΔTをもとに、光記録ディスクサンプル#12ないし#15につき、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフを作成した。グラフは、図5に示されている。
さらに、図5に示されるグラフをもとに、透過率差ΔTを2%以内、1.5%以内および1.0%以内の各範囲に収めることができる第一の記録膜の厚さについて、それぞれ、検討した。
図5から明らかなように、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となるためには、第一の記録膜が、16.5nm以下の厚さを有する必要があることが認められた。しかしながら、第一の記録膜が2nm未満の厚さを有する場合には、第一の記録膜の記録特性を著しく損なうおそれがあるため、第一の記録膜の厚さの下限値を、2nmと規定した。したがって、2nmないし16.5nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成することにより、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTが2.0%以内となる情報層を形成し得るのが分かった。
また、図5から明らかなように、2nmないし14.3nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.5%以内にすることが可能となり、3nmないし12nmの厚さを有するように、第一の記録膜を形成すれば、ブランク領域とマーク領域との透過率差ΔTを1.0%以内にすることが可能となるのが、それぞれ、分かった。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図1および図2に示された実施態様においては、光記録媒体1は、支持基板11と、第一の情報層20と、中間層12と、第二の情報層30と、光透過層13を備え、二層の情報層が設けられているが、本発明は、二層の情報層を有する光記録媒体に限定されるものではなく、広く、二層以上の情報層を有する光記録媒体に適用することができる。この場合には、第一の情報層20以外の情報層が、いずれも、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有し、第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有している必要はなく、第一の情報層以外の情報層のうちの少なくとも一つの情報層が、かかる第一の記録膜と第二の記録膜を有していればよい。
また、図1および図2に示された実施態様においては、第一の情報層20が、追記型の情報層によって構成されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、第一の情報層20が、再生専用の情報層や書き換え型の情報層によって、構成されても構わない。たとえば、第一の情報層20が、再生専用の情報層として構成される場合には、第一の情報層としての情報層はとくに設けられず、支持基板11、あるいは、中間層12が、レーザビームの入射面から最も遠い情報層として機能し、支持基板11、あるいは、中間層12の表面上に、ピットが形成され、かかるピットによって、データが記録される。すなわち、本発明においては、レーザビームの入射面から最も遠い情報層は、情報層の組成やタイプは、とくに限定されるものではなく、適宜、変更が可能である。
また、図1および図2に示される実施態様においては、光記録媒体1は、第二の情報層30に含まれる第一の記録膜33aと第二の記録膜33bとが隣接して形成されているが、第二の情報層30の記録特性を損なわない範囲で、第一の記録膜33aと第二の記録膜33bとの間に、他の膜が介在しても構わない。このことは、第一の情報層20においても同様であり、第一の記録膜23aと第二の記録膜23bとの間に、他の膜が介在してもよい。
また、図1および図2に示される実施態様においては、光記録媒体1は、光透過層13を備えているが、光透過層13に代えて、または、光透過層13の表面上に、ハードコート組成物を主成分として含むハードコート層を設けてもよいし、さらに、潤滑性や防汚性の機能を付与するために、ハードコート層に潤滑剤を含ませてもよいし、ハードコート層の表面上に、潤滑剤を主成分として含む潤滑層を、別途、設けるようにしてもよい。
さらに、図1および図2に示される実施態様においては、レーザビームは、光透過層13を介して、第一の情報層20および第二の情報層30に照射されるように構成されているが、本発明は、約0.6mmの厚さを有する光透過性基板と、約0.6mmの厚さを有するダミー基板と、光透過性基板とダミー基板との間に、二層以上の情報層を備えたDVD型の光記録媒体に適用することも可能である。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録媒体の略斜視図である。 図2は、図1のAで示された部分の略拡大図である。 図3は、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフである。 図4は、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフである。 図5は、透過率差ΔTと第一の記録膜の厚さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 光記録媒体
11 支持基板
11a グルーブ
11b ランド
12 中間層
12a グルーブ
12b ランド
13 光透過層
20 第一の情報層
21 反射膜
22 第二の誘電体膜
23a 第一の記録膜
23b 第二の記録膜
24 第一の誘電体膜
30 第二の情報層
32 第二の誘電体膜
33a 第一の記録膜
33b 第二の記録膜
34 第一の誘電体膜

Claims (5)

  1. 基板と、基板上に、少なくとも中間層を介して、積層された複数の情報層を備え、レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層のうちの少なくとも一層の情報層が、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有し、前記第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記レーザビームの入射面から最も遠い情報層以外の情報層が、いずれも、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有し、前記第一の記録膜が、2nmないし19.5nmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記第二の記録膜が、2nmないし10nmの厚さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 前記第一の記録膜が、Al、Zn、Sn、Mg、Auからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が添加されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 前記複数の情報層が、380nmないし450nmの波長を有するレーザビームを用いて、データの記録および再生が可能に構成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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