JP2006347082A - 追記型光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 追記特性にすぐれた無機記録膜構成による追記型光記録媒体を作製するものである。
【解決手段】 本発明は、無機記録膜を有する追記型光記録媒体10であって、無機記録膜が、酸化物GeOを主成分とする酸化物膜3と、この酸化物膜3に隣接する金属膜2とを有し、金属膜2は酸化されており、その酸素の組成が9原子%以上38原子%以下とされた構成とされる。この構成によってジッターの改善、膜総数少ない追記型光記録媒体が得られるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、追記型光記録媒体、特に、無機記録膜を有する追記型光記録媒体に関する。
追記型光記録媒体は、例えば追記型のCD(Compact Disc)や、追記型のDVD(Digital Versatile Disc)の、いわゆるCD−Rや、DVD−Rで知られているように、有機色素をスピンコートした記録膜によるものが主流となっている。
また、例えばCD−R対応において無機記録膜による記憶部材の提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
これに対し、次期光記録媒体として目されているブルーレイディスク(Blu-ray Disc、BD)においては、これらよりも高密度情報記録を実現し、ハイビジョン映像の録画を可能にするものである。
初代BD録画装置は、既に発売されているが、これは相変化材料を記録層に用いた、リライタブルメディアに対応したものである。
しかし、市場のニーズとしては、BDの追記型のメディア(BD−R)も要求されており、かつ、リライタブルメディアと比較して低廉であるものが望まれている。
このBD−Rとしては、初代BDの規格が相変化材料をベースに作られているということもあり、プッシュプル信号、記録感度などのメディア特性の観点から無機材料を用いて設計する方が特性の合わせこみが容易である。
このBD−Rとして、相変化材料をベースにして、これにおいて、再記録ができないようにして、BD−Rの規格に入れることも可能である。しかしながら、この構成では、初期化が必要であり、また、膜構成、膜層数や材料がリライタブルメディアと同等になることから、コストを低く抑えることが困難であって低廉なメディアを実現することは困難である。
なかでも、特にコストに大きく影響するのは、膜層数である。この膜層数が減少すれば、スパッタ法により成膜するための真空装置の設備投資が大幅に削減されて、これがメディアのコストの低廉化に反映される。
したがって、膜層数はなるべく少ないほうが好ましく、相変化メディアよりも少ない層数の3層〜4層以下光記録媒体の実現が望まれている。
ところで、BDメディアは、読み出し面が基板とは反対側の、記録膜のカバーとしての薄い例えば厚さ100μmの光透過層側からなされる。この光透過層の厚さは、BDにおいて、2層メディアの場合には約70μm、更に多層メディアの規格が完成すればこれに応じて変わるが、10μm〜177μmの範囲がスキュー特性、記録再生特性の面で良好である。
この光透過層の形成方法としては、PC(ポリカーボネート)樹脂シートを、感圧性粘着材(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)で貼り付ける方式、あるいはPCシートを、紫外線硬化型のいわゆるUVレジンで貼り付ける方式、または例えば厚さ100μm程度の光透過層の全てをUVレジンで形成する方式などが提案されている。
これらのうち、PSAは、UVレジンによる場合と比較すると硬度が低く、記録材料によっては特性にも大きな影響を与える。したがって、PSAを用いても良好な記録が行える、安定した記録材料や、構成が求められる。
特開平11−144316号公報
本発明においては、上述した各要求に対応することができ、記録特性にすぐれた追記型光記録媒体を、少ない膜総数で構成し、また強度にすぐれた光透過層の形成を可能にした追記型光記録媒体を提供するものである。
本発明は、無機記録膜を有する追記型光記録媒体であって、上記無機記録膜が、ゲルマニウム(Ge)の酸化物GeOを主成分とする酸化物膜と、該酸化物膜に隣接するチタン(Ti)を主成分とする金属膜とを有して成ることを特徴とする。
また、本発明は、上記金属膜が酸化されており、該金属膜の酸素の組成が9原子%以上38原子%以下であることを特徴とする。
また、本発明は、上記金属膜が、チタン・シリコン合金TiSiを主成分とする金属膜より成ることを特徴とする。
また、本発明は、上記金属膜が酸化されており、該金属膜の酸素の組成が9原子%以上38原子%以下であることを特徴とする。
また、本発明は、上記GeOを主成分とする酸化物膜の上記金属膜と隣接する側とは反対側の面に、誘電体膜が隣接して配置されて成ることを特徴とする追記型光記録媒体。
また、本発明は、上記誘電体膜が、ZnS−SiOより成ることを特徴とする。
また、本発明は、上記誘電体膜が、上記GeOを主成分とする酸化物膜に隣接する第1の誘電体膜と、該第1の誘電体膜上に形成された第2の誘電体膜とを有して成り、上記第1の誘電体膜がZnS−SiO2より成り、上記第2の誘電体膜が、SiNより成ることを特徴とする。
また、本発明は、上記酸化物膜のGeOの酸素濃度が、Ge1の原子組成としたとき、
1.3≦x≦2.2
であることを特徴とする。
本発明による追記型光記録媒体では、記録の際にはTiを主成分とする層は記録前後でほとんど物理的特性が変化することはなく、Geの酸化物層との界面での反応を促進する、いわば触媒的作用を有する。記録後には、Geの酸化物層の酸素が分離し、Tiを主成分とする層との界面に酸素組成の多いGe層が形成される。こうして、Geの酸化物層が光学定数の異なる保存安定性の高い安定な2層に分離し、再生光を照射した際に反射光量が変化し、良好な信号が得られる。
また、本発明による追記型光記録媒体は、後述するところから明らかなように、安定した記録感度の向上、記録特性の向上(ジッターの減少)が得られる。
また、誘電体層をZnS−SiOとすることにより、記録信号のS/Nが向上し、良好な特性が得られる。
本発明による追記型光記録媒体の実施の形態を例示するが、本発明は、これらに限られるものではない。
図1は、本発明によるブルーレイ対応の例えばBD(Blu-ray Disc)の追記型光記録媒体10の基本構成による概略断面図である。
この場合、例えばグルーブ11Gおよびランド11Lが形成された凹凸面11を有するポリカーボネート(PC)樹脂基板、ガラス基板等による基板1上に、順次無機記録膜を構成する金属膜2、酸化物膜3が形成され、この上に第1の誘電体膜4、第2の誘電体膜5が形成され、更に、この上に光透過層6が形成されて成る。
この追記型光記録媒体に対する追記および再生の光照射は、光透過層6側からなされ、凹凸面は、光透過層6側に凸形状を有する部分をランド11Lとする。
酸化物膜3は、ゲルマニウム(Ge)の酸化物GeOを主成分とする酸化物膜であり、酸化物膜3のGeOの酸素濃度は、Ge1の原子組成としたとき、
1.3≦x≦2.2
とされる。
この酸化物膜3に隣接する金属膜2は、Tiを主成分とする金属膜、例えばTiSi合金を主成分とする金属膜2であって酸化されており、この金属膜2は、その酸素の組成が9原子%以上38原子%以下とされる。
この金属膜2のTiSiは、Si組成が、8原子%以上、32原子%以下とされる。
また、酸化物膜3に隣接して配置される第1の誘電体膜4は、ZnS−SiOより構成される。
また、この第1の誘電体膜4上に形成される第2の誘電体膜5、すなわち第1の誘電体膜4の、酸化物膜3と隣接する側とは反対側の面に隣接する第2の誘電体膜5は、SiNより構成される。
この誘電体膜上に形成される光透過層6は、その膜厚が、10μm〜177μmとされる。
この追記型光記録媒体10に対する追記を行う光記録および再生は、前述したように光透過層6側からの光照射によってなされる。
その照射光は、405nm±5nmとされ、光照射の光学系の対物レンズの開口数(N.A.)は0.85±0.01とされる。
次に、本発明による追記型光記録媒体を、実施例1〜5を挙げて説明する。
いずれの実施例も、BD(ブルーレイディスク)の追記型光記録媒体であり、金属膜2の酸素濃度を21at.%とした。
また、その光学系は、開口数0.85の2群対物レンズと波長405nmの青紫色半導体レーザ光源を用いた光ディスク記録再生装置による。
評価装置はパルステック工業株式会社製のBDディスク検査機、ODU−1000を用いた。光源の波長は405.2nmである。
再生信号のC/N測定は(独)Rohde-Schwartz社製のスペクトラムアナライザー、FSP3を用いて測定した。
また、ジッター測定はパルステック工業株式会社製のイコライザーボードを通して、横河電機株式会社製のタイムインターバルアナライザー、TA720を用いて測定した。
その他、振幅、変調度などの測定にはテクトロニクス社製のデジタルオシロスコープ、TDS7104を用いた。
記録の線速度は9.83m/s(2倍速記録)、再生時の線速度は4.92m/s(1倍速)、チャンネルビット長は74.50nm(直径12cmの光ディスクに25GBの記録密度)で行った。
変調方式は17PPであり、最短マークである2Tマークのマーク長は0.149μm、8Tマークのマーク長は0.596μmである。トラックピッチは、0.32μmである。
[実施例1]
図2は、この実施例1における追記型光記録媒体10の記録膜構成を示す図である。
この実施例における追記型光記録媒体10は、厚さ1.1mmのPC基板1上に、図2では示されていないが、図1で説明したように、グルーブ11Gおよびランド11Lによる凹凸面11が形成されてなる。このグルーブの深さは21nmとし、トラックピッチは0.32μmとした。
BDにおいては、光入射面は基板とは反対側の面とされるものであって、基板1上に、記録膜として、順次厚さ25nmのTiSi膜による金属膜2、厚さ22nmのGeOによる酸化物膜3、厚さ45nmのZnS−SiOによる第1の誘電体膜4、厚さ10nmのSiNによる第2の誘電体膜5を成膜した。そして、この第2の誘電体膜5上に、光透過層6を形成した。この光透過層6は、感圧性粘着材(PSA)によりポリカーボネートシートを貼り合せることによって形成した。その厚さは、PSAおよびポリカーボネートシートを含めて100μmとした。
金属膜2のTiSiの組成は、Siの組成を20at.%(原子%)とし、酸素濃度は、21at.%とした。
また、酸化物膜3のGeOの組成は、Geで、x=1.8とした。
第1の誘電体膜4のZnS−SiO2の組成は、比ZnS:SiO(原子比)において80:20とした。
第2の誘電体膜5は、Siとした。
この実施例1による追記型光記録媒体10と、この構成において、金属膜2のTiSiの組成を変更したときの記録再生特性、すなわち記録光のパワーPw(記録感度)と、ジッターの測定結果を図3に示す。
BDにおける追記型光記録媒体(BD−R)の規格値は、2倍速記録で、記録密度25GBにおいて、ジッター値が6.5%以下、記録感度が7.0mWであることから、実施例1の構成は、この規格を満たしている。
更に、この結果から、ジッターの規格を満たすには、TiSiのSi組成が8at.%以上であり、記録感度を満たすのは32at.%以下であって、Siの組成は、8at.%〜32at.%とすることが、良好な特性を有するBD−Rを作製できることが分かる。
尚、上述の構成において、Siによる第2の誘電体膜5は、第1の誘電体膜4のZnS−SiOと、光透過層6のPSAとが反応して劣化することを防止する隔離層の機能を持たせるために設けられるものである。このため、このSiNによる第2の誘電体膜5の膜厚は、この隔離層としての機能を有する範囲でできるだけ薄くする。この第2の誘電体膜5の厚さは、8nmまでは、その厚さを薄くしても、記録感度、ジッター共に全く変化がないことを確認した。
この第2の誘電体膜5は、上述のPSAとの反応のおそれがない場合、例えば光透過層6としてPSAを用いずに、UVレジンによるとき、あるいは短時間利用等においては、その形成を省略することができる。
[実施例2]
実施例1と同一構成において、その第1の誘電体膜4の膜厚T1を10nm〜43nmで変化させ、第2の誘電体膜5の膜厚T2を0〜35nmに変化させた。
そして、この実施例2における第1の誘電体膜4の膜厚が10nm〜43nm、第2の誘電体膜5の膜厚T2が0〜35nmの構成による場合と、比較のために、この実施例の範囲以外の構成とした第1の誘電体膜4を設けない構成(膜厚T1=0)、第2の誘電体の膜厚T2を60nmとしたときの、記録マークの前端側のジッター(Leading jitter)と後端側のジッター(Trailing jitter)の測定結果を図4の表1に示す。
これによれば、実施例2における実施例1と同一構成において、その第1の誘電体膜4の膜厚を10nm〜43nmとし、第2の誘電体膜5の膜厚を0〜35nmとするとき、各ジッターを6.5%以下とすることができることがわかる。
すなわち、第1の誘電体膜4のZnS−SiOの膜厚に対してはきわめて広い膜厚範囲でジッター値が6.5%を下回っており、良好な記録ができており、特に23nm以上の膜厚で特性が安定していることがわかる。したがって、第1の誘電体膜4のZnS−SiOの膜厚は、上述した10nm〜43nm、好ましくは23nm〜43nmとする。
そして、このように、第1の誘電体膜4の膜厚を広い範囲から選定することができることから、この膜厚は、反射率の面から、光学的に最適な膜厚を選ぶことができる。
一方、第1の誘電体膜4を形成することなく、第2の誘電体膜5のSiNのみとするときは、ジッターが、0.5%低下することから、規格の6.5%を満たす範囲が狭くなる。
つまり、通常の膜厚範囲であれば、膜厚によらずZnS−SiOを誘電体膜として用いることが記録再生特性向上に有効である。
[実施例3]
この実施例においては、その膜構成を図5に示すように、実施例1の構成にあって、金属膜2の組成TiSiにおいて、そのSiを10at.%とし、膜厚を30nmとし、酸化物膜3の膜厚を20nmとした。
そして、ZnS−SiOによる第1の誘電体膜4の膜厚を30nmとし、SiNによる第2誘電体膜5の膜厚を10nmとした。
[実施例4]
この実施例においては、その膜構成を図6に示すように、第1の誘電体膜を形成することなく、膜厚60nmのSiNによる第2の誘電体膜5のみを形成した。
実施例3および4において、その反射率は、共に15%程度とし、酸化物膜3、金属膜2への光の吸収量はほぼ同じになるように設計した。
実施例3および4の各BD−RのC/Nと変調度のそれぞれの記録感度(記録パワーPw)の依存性の測定結果を、図7および図8に示す。
これによれば、誘電体膜として、SiNのみを形成した場合に比し、ZnS−SiO2による第1の誘電体膜4を形成したBD−Rは、その変調度が大きくなり、かつ、C/Nが高いという結果が得られた。
尚、Siに代えて、Ge、Snを用いても同様の効果が得られる。この場合の組成はSiの場合と同様である。
また、金属膜2のTiSiに対する他の添加物は、耐久性、記録特性を向上するものとして、Cu,Pd, Ni, C, Cr, Fe, Mg,V, Ca,B,Nb,Zr,S,Se,Mn,Ga,Mo, Tb, Dy, Ndが挙げられる。
[実施例5]
この実施例においては、実施例1と同様の膜構成とするが、TiSi金属膜2のSi組成20at.%とした。
そして、この構成において、酸化物膜3のGeの酸素組成xを変えたときの特性への影響、すなわちジッターへの影響を測定した。この測定結果を図9Aの表2とこれをプロットした図9Bのグラフに示す。
このジッター測定において、記録線速度は2×(9.83m/s)とした。
これによれば、Geの酸素濃度には最適範囲が存在することがわかる。
そして、ジッターの規格値である6.5%を満した酸素濃度は、この表2の測定結果の酸素濃度依存性データから、
1.3≦x≦2.2
が最適範囲であることがわかる。
つまり、本発明の膜構成において、Ge酸素濃度を、1.3≦x≦2.2とすることによって良好な特性の追記型光記録媒体が得られるものである。
次に、この追記型光記録媒体にあって、その特性、特にジッター値への、金属膜2の膜厚、酸化物膜3の膜厚の依存性を考察した。
図10にその測定結果の表3を示す。
この測定資料の追記型光記録媒体は、全体の膜構成は、基本的には実施例1と同一とした。
この場合、膜厚によって、記録膜の熱特性が変わるために、最適な記録パルスの形状(幅、タイミング、パワー)が変わることから、それぞれの媒体に応じて最適化して、最も良いジッター値のみに注目し、その結果を図10の表3に示した。
これによると、ここに示した例のみでも、金属膜2の膜厚範囲20nmから27nmまで、また酸化物膜3の膜厚範囲16nmから22.5nmまでジッター値は、規格値の6.5%をはるかに下回っており、膜厚に対するマージンが極めて大であることがわかる。
上述した各実施例においては、金属膜2の酸素濃度を21at.%とした場合であるが、本発明による追記型光記録媒体の特性(ジッター特性)の、金属膜2における酸素濃度に関する依存性を考察した。
[実施例6]
実施例1と同様の構成としたが、この実施例においては、金属膜2のTiSi合金の組成は、Si組成を20at.%とし、金属膜2の成膜にあたって、そのスパッタは、TiSi合金のターゲットを用い、Arと酸素ガスの雰囲気中で、リアクティブスパッタにより酸化させ、その酸素ガスの流量調整によって、酸素濃度を変化させたTiSiOによる金属膜2を成膜した。
また、酸化物膜3は、そのGeにおいてx=1.8とした。
この場合のジッター測定は、前述した測定方法と同様に、BD評価装置によって行った。この評価装置は、前述したときと同様のパルステック工業(株)製ODU−1000(BD仕様)である。光源の波長は405.2nm、対物レンズの開口数N.A.は0.85である。
記録密度は、直径12cmのディスクに25GB容量相当とし、記録線速度は2倍速記録の規格に相当する9.83m/sとした。
この記録密度では、リミットイコライザーを通したジッターレベルとして6.5%以下で、記録媒体として良好な特性を有するという判断の指標とすることができる。
図11は、この光記録媒体のジッター値の、金属膜2の酸素濃度依存性の測定結果である。
これによると、酸素を導入することによりジッター値が改善することが示される。これはノイズ成分の低下および酸化物膜GeO層の反応性の向上が原因と考えられる。
また、酸素濃度が高すぎるとジッターが悪くなるが、これはTiSiの吸収係数が低下し感度が徐々に悪くなり、記録時の温度分布が理想的ではなくなることが原因と考えられる。
したがって、酸素をTiSi層に導入することは特性改善に非常に有効であり、また、その酸素濃度には最適な範囲が存在し、図11のジッターの規格6.5%を下回る範囲としては、9原子%以上38at.%である。
この場合においても、SiのTiに対する組成比としては、8at.%以上、32at.%以下の範囲が良好である。
上述したところから明らかなように、本発明によれば、反射率、感度、光学系等に合わせて、本発明の膜構成をもってすぐれた追記型光記録媒体が実現できる。
短波長、高開口数によるブルーレイ対応の高密度記録を行うBD−Rとしてもすぐれた特性の追記型光記録媒体を構成することができるものである。
そして、無機記録膜構成において、その層数を3層ないしは4層にとどめることができ、製造コストの低廉化を図ることができるものである。
また、その光透過層6は、実施例におけるように、PSA/樹脂シート構成としても、すぐれた特性を有することができるものであり、安定した保存性、耐久性にすぐれた追記型光記録媒体、例えばBD−Rを構成することができる。
本発明による追記型光記録媒体の一実施例の要部の概略断面図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例の膜構成図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例のジッターと、記録パワー(記録感度)における金属膜TiSiのSi組成の依存性の測定結果を示す図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例の誘電体膜の膜厚と、ジッター値との関係の測定結果を示す表図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例の膜構成図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例の膜構成図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例のC/Nおよび変調度の記録パワー依存性の測定結果を示す図である。 本発明による追記型光記録媒体の一実施例のC/Nおよび変調度の記録パワー依存性の測定結果を示す図である。 AおよびBは、本発明による追記型光記録媒体の酸化物膜の酸素濃度を変化させたときのジッター測定結果を示す表図およびこれをプロットした曲線図である。 本発明による追記型光記録媒体の金属膜、および酸化物膜の膜厚を変化させたときのジッター測定結果を示す表図である。 本発明による追記型光記録媒体の金属膜の酸素濃度を変化させたときのジッターの測定結果をプロットした曲線図である。
符号の説明
1……基板、2……金属膜、3……酸化物膜、4……第1の誘電体膜、5……第2の誘電体膜、6……光透過膜、10……追記型光記録媒体、11……凹凸面、11G……グルーブ、11L……ランド
次に、本発明による追記型光記録媒体を、実施例1〜5を挙げて説明する。
いずれの実施例も、BD(ブルーレイディスク)の追記型光記録媒体であり、金属膜2の酸素濃度を21原子%とした。
また、その光学系は、開口数0.85の2群対物レンズと波長405nmの青紫色半導体レーザ光源を用いた光ディスク記録再生装置による。
評価装置はパルステック工業株式会社製のBDディスク検査機、ODU−1000を用いた。光源の波長は405.2nmである。
再生信号のC/N測定は(独)Rohde−Schwartz社製のスペクトラムアナライザー、FSP3を用いて測定した。
また、ジッター測定はパルステック工業株式会社製のイコライザーボードを通して、横河電機株式会社製のタイムインターバルアナライザー、TA720を用いて測定した。
その他、振幅、変調度などの測定にはテクトロニクス社製のデジタルオシロスコープ、TDS7104を用いた。
記録の線速度は9.83m/s(2倍速記録)、再生時の線速度は4.92m/s(1倍速)、チャンネルビット長は74.50nm(直径12cmの光ディスクに25GBの記録密度)で行った。
変調方式は17PPであり、最短マークである2Tマークのマーク長は0.149μm、8Tマークのマーク長は0.596μmである。トラックピッチは、0.32μmである。
金属膜2のTiSiの組成は、Siの組成を20原子%とし、酸素濃度は、21原子%とした。
また、酸化物膜3のGeOの組成は、Geで、x=1.8とした。
第1の誘電体膜4のZnS−SiO2の組成は、ZnS:SiO(原子比)において80:20とした。
第2の誘電体膜5は、Siとした。
この実施例1による追記型光記録媒体10と、この構成において、金属膜2のTiSiの組成を変更したときの記録再生特性、すなわち記録光のパワーPw(記録感度)と、ジッターの測定結果を図3に示す。
BDにおける追記型光記録媒体(BD−R)の規格値は、2倍速記録で、記録密度25GBにおいて、ジッター値が6.5%以下、記録感度が7.0mWであることから、実施例1の構成は、この規格を満たしている。
更に、この結果から、ジッターの規格を満たすには、TiSiのSi組成が8原子%(8at.%)以上であり、記録感度を満たすのは32原子%(32at.%)以下であって、Siの組成は、8原子%〜32原子%とすることが、良好な特性を有するBD−Rを作製できることが分かる。
[実施例3]
この実施例においては、その膜構成を図5に示すように、実施例1の構成にあって、金属膜2の組成TiSiにおいて、そのSiを10原子%とし、膜厚を30nmとし、酸化物膜3の膜厚を20nmとした。
そして、ZnS−SiOによる第1の誘電体膜4の膜厚を30nmとし、SiNによる第2誘電体膜5の膜厚を10nmとした。
[実施例5]
この実施例においては、実施例1と同様の膜構成とするが、TiSi金属膜2のSi組成20原子%とした。
そして、この構成において、酸化物膜3のGeの酸素組成xを変えたときの特性への影響、すなわちジッターへの影響を測定した。この測定結果を図9Aの表2とこれをプロットした図9Bのグラフに示す。
このジッター測定において、記録線速度は2×(9.83m/s)とした。
これによれば、Geの酸素濃度には最適範囲が存在することがわかる。
そして、ジッターの規格値である6.5%を満した酸素濃度は、この表2の測定結果の酸素濃度依存性データから、
1.3≦x≦2.2
が最適範囲であることがわかる。
つまり、本発明の膜構成において、Ge酸素濃度を、1.3≦x≦2.2とすることによって良好な特性の追記型光記録媒体が得られるものである。
上述した各実施例においては、金属膜2の酸素濃度を21原子%とした場合であるが、本発明による追記型光記録媒体の特性(ジッター特性)の、金属膜2における酸素濃度に関する依存性を考察した。
[実施例6]
実施例1と同様の構成としたが、この実施例においては、金属膜2のTiSi合金の組成は、Si組成を20原子%とし、金属膜2の成膜にあたって、そのスパッタは、TiSi合金のターゲットを用い、Arと酸素ガスの雰囲気中で、リアクティブスパッタにより酸化させ、その酸素ガスの流量調整によって、酸素濃度を変化させたTiSiOによる金属膜2を成膜した。
また、酸化物膜3は、そのGeにおいてx=1.8とした。
図11は、この光記録媒体のジッター値の、金属膜2の酸素濃度依存性の測定結果である。
これによると、酸素を導入することによりジッター値が改善することが示される。これはノイズ成分の低下および酸化物膜GeO層の反応性の向上が原因と考えられる。
また、酸素濃度が高すぎるとジッターが悪くなるが、これはTiSiの吸収係数が低下し感度が徐々に悪くなり、記録時の温度分布が理想的ではなくなることが原因と考えられる。
したがって、酸素をTiSi層に導入することは特性改善に非常に有効であり、また、その酸素濃度には最適な範囲が存在し、図11のジッターの規格6.5%を下回る範囲としては、9原子%以上38原子%(すなわち、8at.%以上、32at.%以下)である。
この場合においても、SiのTiに対する組成比としては、8原子%以上、32原子%以下の範囲が良好である。

Claims (8)

  1. 無機記録膜を有する追記型光記録媒体であって、
    上記無機記録膜が、
    ゲルマニウム(Ge)の酸化物GeOを主成分とする酸化物膜と、
    該酸化物膜に隣接するチタン(Ti)を主成分とする金属膜とを有して成る
    ことを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 上記金属膜が酸化されており、該金属膜の酸素の組成が9原子%以上38原子%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  3. 上記金属膜が、チタン・シリコン合金TiSiを主成分とする金属膜より成る
    ことを特徴とする追記型光記録媒体。
  4. 上記金属膜が酸化されており、該金属膜の酸素の組成が9原子%以上38原子%以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の追記型光記録媒体。
  5. 上記GeOを主成分とする酸化物膜の上記金属膜と隣接する側とは反対側の面に、誘電体膜が隣接して配置されて成る
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の追記型光記録媒体。
  6. 上記誘電体膜が、ZnS−SiOより成る
    ことを特徴とする請求項5に記載の追記型光情報録媒体。
  7. 上記誘電体膜が、上記GeOを主成分とする酸化物膜に隣接する第1の誘電体膜と、該第1の誘電体膜上に形成された第2の誘電体膜とを有して成り、
    上記第1の誘電体膜がZnS−SiO2より成り、上記第2の誘電体膜が、SiNより成ることを特徴とする請求項5に記載の追記型光記録媒体。
  8. 上記酸化物膜のGeOの酸素濃度が、Ge1の原子組成としたとき、
    1.3≦x≦2.2
    である
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の追記型光記録媒体。
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