JP2006004491A - 光記録媒体 - Google Patents

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賢一 下舞
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Abstract

【課題】L1層08の記録再生特性改善のためL1層08はイングルーブ記録を用い、イングルーブ記録に適したL1層08の溝形状を有する光記録媒体を提供する。
【解決手段】片側2層貼合せ構造の光記録媒体Aであって、
第1、第2の記録媒体を中間貼合せ層を介して貼り合せてなり、
第2の記録媒体の第2の基板05の溝深さDgが、
100nm≦Dg≦200nmの範囲であると、
前記第2の基板05の溝幅(半値幅)Wは、
前記第2の基板05のトラックピッチをTpとすると、
0.1≦W/Tp≦0.45
が成り立つように設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の照射によって情報の記録、消去、再生を行う光記録媒体に関するものである。特に本発明では、光ディスク、光カードなどの書き換え不能な有機色素型記録媒体において、片側2層の記録層を有するいわゆる片側2層貼合せ構造の光記録媒体を提供する。
有機色素型記録媒体は、近年のCD−R、DVD−Rに例を見るように、音楽情報や映像情報といったアーカイバル記録することを可能とするものである。DVD−Rはその大容量を活かしてビデオレコーダーにも使われてきている。そこで、連続的に長時間記録したい、と言うニーズが高まっており、このことから、更なる容量増大が求められている。
DVD−Rディスクは、0.74ミクロンピッチで深さ150〜170nm程のグルーブを転写した0.6mm厚のポリカーボネート基盤に、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系などの有機色素をスピンコータ等で塗布し、その上に、アルミニウムや銀合金の反射膜を形成し、UV硬化型樹脂を介して、0.6mm厚のダミー基盤と貼り合わせて形成したものである。
記録容量を増大させる手段として、ディスク盤面上のスポット径を小さくして高密度記録をするために、使用するレーザー波長を青色領域まで短波長化する提案や、また、対物レンズNAを増大させるなどの提案がされている。しかし、これらの方法には現行DVDプレーヤとの再生互換を取ることは困難であり、近年では、記録層数を増やす提案が、特許第2702905号公報などで開示されている。
本発明は2層記録媒体についての発明であり、ここでは記録レーザの入射側に記録層を有する媒体をL0、記録レーザ入射に対し奥側に記録層を有する媒体をL1と以後の説明では呼ぶことにする。2層記録媒体の作製方法として、特開2003-281791号公報には紫外線硬化樹脂とスタンパ−を用いL0層上にL1層の案内溝を転写させる方法が明示されている。
しかしこのような積層タイプは工法が複雑な上に生産性が悪いという課題があった。
また別の工法として片面に案内溝を形成した基板上に記録層、半透明膜を順次積層したL0層と、片面に案内溝を形成した基板上に反射膜、記録層を順次積層したL1層を、記録層が形成された側を対面させ貼り合わせる工法(以下貼り合わせ法と呼ぶ)がある。貼り合わせ方を用いた2層の記録媒体を作製する工法は作製プロセスが複雑でなく、従来の1層のみで構成されるDVDディスクの製造工程を利用できるため低コストで製造できる。
しかしこの工法を用いて作製された2層記録媒体のL1層の構造はL0層と異なるため、L0層同等の記録再生特性をL1層にて得ることが困難でありL1層の特性改良が必要であった。
特許第2702905公報 特開2003-281791号公報
前述した課題に鑑みて本発明は創案されたものであり、前述した貼り合わせ工法による2層光記録媒体において、L1層の特性改善のためL1層はイングルーブ記録を用い、イングルーブ記録に適したL1層の溝形状を提供することで、良好な記録再生特性が得られる2層光記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段として、本発明は、下記(1),(2)の構成を有する光記録媒体を提供する。
(1) 図1に示すように、片側2層貼合せ構造の光記録媒体Aであって、
片面に第1の案内溝01aを形成した第1の基板01上に第1の有機色素記録層02、半透明膜03を順次積層した第1の記録媒体04と、
片面に第2の案内溝05aを形成した第2の基板05上に反射膜06、第2の有機色素記録層07を順次積層した第2の記録媒体08と、
中間貼合せ層09とを有し、
前記第1の記録媒体04と前記第2の記録媒体08とを、前記第1、第2の有機色素記録層02,07がそれぞれ形成された側同士を対面させ前記中間貼合せ層09を介して貼り合せてなり、
前記第2の記録媒体08の前記第2の基板05の溝深さDgが、
100nm≦Dg≦200nmの範囲であると、
前記第2の基板05の溝幅(半値幅)Wは、
前記第2の基板05のトラックピッチをTpとすると、
0.1≦W/Tp≦0.45
が成り立つように設定されており、
前記第1の記録媒体04側から光を入射して前記第1の記録媒体04の前記第1の有機色素記録層02と前記第2の記録媒体08の前記第2の有機色素記録層07とに情報をそれぞれ記録する際に、前記第1の有機色素記録層02に対する記録は光の入射側から見て凸の部分となる前記第1の案内溝01aの位置に記録するいわゆるオングルーブ記録を用いて行い、前記第2の有機色素記録層07に対する記録は光の入射側から見て凹の部分となる前記第2の案内溝05aの位置に記録するいわゆるイングルーブ記録を用いて行うことを特徴とする光記録媒体。
(2) 前記第1の記録媒体04における前記半透明膜03の厚みをT1、前記第2の記録媒体08における前記反射膜06の厚みをT2とすると、
厚みT1,T2は、それぞれ、
5nm≦T1≦70nm
70nm≦T2≦200nm
の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
本発明は、片側2層貼合せ構造の光記録媒体において、第2の記録媒体(第2の有機色素記録層)における記録特性の一層の改善のために、イングルーブ記録を用い、このイングルーブ記録に最適な第2の記録媒体(第2の案内溝)の溝形状を設定することによって、第1の記録媒体に対する記録再生特性の向上は勿論、第2の記録媒体に対する記録再生特性をさらに向上できる光記録媒体を提供することができる。
以下、
(A)本発明の技術思想
(B)本発明を実施するための最良の形態
の順に説明する。
(A)本発明の技術思想
(1) 本発明は、片側2層貼合せ構造の光記録媒体であって、
片面に第1の案内溝を形成した第1の基板上に第1の有機色素記録層、半透明膜を順次積層した第1の記録媒体と、
片面に第2の案内溝を形成した第2の基板上に反射膜、第2の有機色素記録層を順次積層した第2の記録媒体と、
中間貼合せ層とを有し、
前記第1の記録媒体と前記第2の記録媒体とを、前記第1、第2の有機色素記録層がそれぞれ形成された側同士を対面させ前記中間貼合せ層を介して貼り合せてなり、
前記第2の記録媒体の前記第2の基板の溝深さDgが、
100nm≦Dg≦200nmの範囲であると、
前記第2の基板の溝幅(半値幅)Wは、
前記第2の基板のトラックピッチをTpとすると、
0.1≦W/Tp≦0.45
が成り立つように設定されており、
前記第1の記録媒体側から光を入射して前記第1の記録媒体の前記第1の有機色素記録層と前記第2の記録媒体の前記第2の有機色素記録層とに情報をそれぞれ記録する際に、前記第1の有機色素記録層に対する記録は光の入射側から見て凸の部分となる前記第1の案内溝の位置に記録するいわゆるオングルーブ記録を用いて行い、前記第2の有機色素記録層に対する記録は光の入射側から見て凹の部分となる前記第2の案内溝の位置に記録するいわゆるイングルーブ記録を用いて行うことを特徴とする光記録媒体である。
(1A) 上記(1)の本発明を換言するならば、本発明は、片面に案内溝を形成した基板上に有機色素記録層、半透明膜を順次積層した第1の記録媒体と、片面に案内溝を形成した基板上に反射膜、有機色素記録層を順次積層した第2の記録媒体を、有機色素記録層が形成された側を対面させ中間貼合せ層を介して貼り合せ、第1の記録媒体側から光を入射して第1の記録媒体と第2の記録媒体の両層に記録する2層光記録媒体において、第1の記録媒体は光の入射側から見て凸の部分に記録するいわゆるオングルーブ記録を用い、第2の記録媒体は光の入射側から見て凹の部分に記録するいわゆるイングルーブ記録を用いる2層光記録媒体であって、前記第2の記録媒体の基板の溝深さDgが
100nm≦Dg≦200nmの範囲でありかつ
溝幅(半値幅)WはトラックピッチをTpとすると
0.1≦W/Tp≦0.45
が成り立つよう設定されることを特徴とする光記録媒体である。
(2) また、本発明は、前記第1の記録媒体における前記半透明膜の厚みをT1、前記第2の記録媒体における前記反射膜の厚みをT2とすると、
厚みT1,T2は、それぞれ、
5nm≦T1≦70nm
70nm≦T2≦200nm
の範囲にあることを特徴とする上記(1)に記載の光記録媒体である。
(3) さらに本発明は、前記第2の記録媒体の案内溝形成用のスタンパーがガラスエッチング法の工程を経て作製されることを特徴とする上記(1)、(1A)、(2)のいずれかに記載の光記録媒体である。
ここで、上記(1)〜(3)の本発明に至った経緯について詳述する。
図1は本発明光記録媒体の貼り合せ構造を説明するための部分拡大縦断面図である。
図1中、01はL0層基板、01a,05a案内溝、02はL0層有機色素、03はL0層半透明膜、04はL0層記録媒体、05はL1層基板、06FL1層反射膜、07はL1層有機色素、
08はL1層記録媒体、09は中間貼合わせ層、Aは光記録媒体である。
図1に示すように本発明の2層光記録媒体の作製方法によるL0層の半透明膜はほぼフラットに色素上に形成されているのに対し、L1層は基板に対して先に反射膜を形成するため、L1層の反射膜は溝形状に沿って形成される形状となる。
L1層からの反射光はL0層を通してピックアップが検出するため、L1層の反射率の規格値である18%を確保するためには、L0層は反射率18%以上を確保しつつ十分大きな透過率を有し、かつL1層での反射が十分大きくなければならない。
そのL1層での反射は、L1層の溝深さ、色素厚み、その他の付加的な層を含めて、入射面側から見て凸の溝と凹の溝での中間層端面からの光路差ΔΦが支配的要因となる。他の要素を一定であると仮定すると、L1層の反射率はL1層の溝深さに対してcos(ΔΦ)で周期的に変化する形で概略シミュレーションが出来る。溝深さ0の場合がミラー部の反射率と同じで最も反射率が大となり、理想的にはπの周期で反射率が変化する。
しかしながら、溝の形状(溝のエッジ部形状や溝壁の角度等)による光学干渉の影響から変調度やプッシュプル信号などを最適に設定できる溝深さでは、反射率が減衰して十分な反射率を得るのが困難であった。またL1層の記録トラックが光の入射側から見て凹の部分に記録するいわゆるイングルーブ記録か凸の部分に記録するオングルーブ記録かどちらを用いるかによってそれぞれに適した溝形状が異なる。
本発明は、良好なL1層の記録再生特性を得るために創案されたものであり、L1層はイングルーブ記録を用い、イングルーブ記録に適したL1層の溝形状を提供することで、良好な記録再生特性が得られる2層光記録媒体を提供することを目的とする。本発明は次の構成1〜構成3を有する光記録媒体を提供する。
(構成1)
図1に示すように片面に案内溝を形成した基板01上に有機色素記録層02、半透明膜03を順次積層した第1の記録媒体04と、片面に案内溝を形成した基板05上に反射膜06、有機色素記録層07を順次積層した第2の記録媒体08を、有機色素記録層が形成された側を対面させ中間貼合せ層09を介して貼り合せ、第1の記録媒体側から光を入射して第1の記録媒体と第2の記録媒体の両層に記録する2層光記録媒体において、第1の記録媒体は光の入射側から見て凸の部分に記録するいわゆるオングルーブ記録を用い、第2の記録媒体は光の入射側から見て凹の部分に記録するいわゆるイングルーブ記録を用いる2層光記録媒体であって、前記第2の記録媒体の基板の溝深さDgが
100nm≦Dg≦200nmの範囲でありかつ
溝幅(半値幅)WはトラックピッチをTpとすると
0.1≦W/Tp≦0.45
が成り立つよう設定されることを特徴とする光記録媒体。
この構成1は、L1層の反射率が最も向上するミラー部の状態にL1の溝形状を近づけるために、十分にグルーブの幅Wを狭めて、イングルーブトラッキングでありながら、オングルーブ記録状態を実現するものである。このときL1のプッシュプル信号は必要十分な強度が得られる必要があり、その条件として溝形状は上記範囲内であることが望ましいことが本研究によって得られている。溝深さは上記範囲以外ではプッシュプル信号の低下によりトラッキングが不安定となる。また溝幅Wに関してはW/Tp>0.45の範囲ではL1層からの十分な反射率が得られない。また0.1>W/Tpの範囲ではスタンパの作製及び基板の成形が困難となるばかりか、プッシュプル信号が小さくなりトラッキングが不安定となった。
(構成2)
前記第1の記録媒体における半透明膜の厚みをT1、第2の記録媒体における反射膜の厚みをT2とすると、
5nm≦T1≦70nm
70nm≦T2≦200nm
である事を特徴とする光記録媒体。
この構成2においてT1はL0層の反射率と透過率を制御しており、上記範囲内でL0層の反射率は規格値18%を満足しかつ、L1層からの反射率が18%を得られるだけの十分大きな透過率をもっている。T1<5nmの範囲ではL0層で十分な反射率が得られず、T1>70nmでは透過率が小さくなりL1層からの反射率が小さくなる。T2はL1層の反射率を高める必要から上記範囲内に設定されている。T2<70nmの範囲では光が透過しL1層の反射率は十分な反射率が得られない。T2>200nmの範囲ではこれ以上反射膜厚を厚くしてもL1層の反射率は増大せず意味がない。
(構成3)
前記第2の記録媒体の案内溝形成用のスタンパがガラスエッチング法の工程を経て作製されることを特徴とする光記録媒体。
この構成3は、鋭意検討の結果、ガラスエッチング法の工程を用いスタンパを作製することにより、上記の溝形状が容易に得られることを見出したものである。
(B)本発明を実施するための最良の形態
以下、
(光記録媒体の構成)
(光記録媒体の製造方法)
の順に、本発明の実施の態様につきその好ましい実施例について述べる。
(光記録媒体の構成)
本発明の光記録媒体は図1に示すように片面に案内溝を形成した基板01上に有機色素記録層02、半透明膜03を順次積層した第1の記録媒体04と、片面に案内溝を形成した基板05上に反射膜06、有機色素記録層07を順次積層した第2の記録媒体08を、有機色素記録層が形成された側を対面させ中間貼合せ層09を介して貼り合せた構成の光記録媒体を基本構成とする。
ここで記録又は再生用レーザー光は基板01側から照射され、L0層への記録ではL0層色素面へ、L1層への記録ではL1層色素面へレーザー光はフォーカスが合わされる。フォーカス分離のため、中間接着層は、50μm程度が必要である。
ここで、記録材料として用いられる色素材料としては、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系などの基本骨格をもつ有機色素を、成分調整の上、示差熱特性や波長特性を最適化し、スピンコータ等で塗布する。本発明の最大の特徴は、片面記録ディスクを作るプロセスでL0層,L1層をそれぞれ作製し、DVDの片面ディスク作製と同様のプロセスでL0層,L1層を貼合せて2層記録ディスクとすることにある。このプロセスにより作製したディスクのL1層側にイングルーブで記録する場合には、光学位相によってはL1層側のランドプリピットの信号極性はL0層に対して反転する。
本発明の光記録媒体としては、DVD−Rなどのライトワンス型2層光ディスク、2層光カードなどの情報記録可能な媒体が挙げられる。なお以下の説明においては本発明の実施例としてライトワンス型2層光ディスクについて説明するが、これ以外の光カード等の同様な構成を有する光記録媒体についても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
前記した基板01、05の材料としては、透明な各種の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。このような透明基板の材料として、ガラス、ポリカーボネ−ト、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。特に、光学的複屈折、吸湿性が小さく、成形が容易であることからポリカーボネ−ト樹脂が好ましい。
上記基板01,05の厚さは、特に限定するものではないが、デジタル多用途ディスク(以下「DVD」と記す)との互換性を考慮すると0.6mm厚が好ましい(DVDの全厚は1.2mm)。基板01,05はフレキシブルなものでも良いし、リジッドなものであっても良い。フレキシブルな基板01,05は、テープ状、シート状、カード状で使用する。リジッドな基板01,05は、カード状、或いはディスク状で使用する。
基板01,05は射出成形にて作製され、DVDの場合には0.74ミクロンピッチのスパイラル状の案内溝が形成されたスタンパを用い、成形時スタンパの案内溝が十分基板に転写するように射出条件の設定を行い作製される。
L0層の半透明膜03の材料としては、光反射性を有するAl、Au、Agなどの金属、およびこれらを主成分とし、1種類以上の金属または半導体からなる添加元素を含む合金及びAl、Au、Agなどの金属に金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなどが挙げられる。
Al、Au、Agなどの金属、及びこれらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導度を高くできることから好ましく、それらの合金の例として、AlにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Zrなどの少なくとも1種の元素を、或いは、Au或いはAgにCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、Nd、In、Caなどの少なくとも1種の元素を加えたものなどが一般的である。高線速記録を考慮した場合には、とりわけ熱伝導率の高いAgを主成分とする金属または合金が記録特性の点から好ましい。
この半透明膜03の厚さは、半透明膜03を形成する金属或いは合金の熱伝導率の大きさを考慮し、また2層媒体であるために十分な透過率を確保できる厚みにする必要がある。半透明膜03の厚さは5nm〜70nmの範囲であるのが好ましい。半透明膜03は5nmより小さくとなるとL0層の反射率の値が小さくなり、かつ冷却速度が不十分となり良好な記録ができなくなる。また70nmより大きくなると光の透過率が小さくなり、L1層からの反射率が小さくなり、2層記録媒体には適さない。
色素02の組成は、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系などの基本骨格をもつ有機色素を、成分調整の上、示差熱特性や波長特性を最適化し、スピンコータ等で塗布出来る様粘度を調整して用いる。また、色素02の膜厚は、適切な吸光度になるよう設定される。膜厚は、直接の膜厚測定ではなく、色素の極大吸収波長における吸光度(Absorbance)を測定することによってにて制御を行った。吸光度が小さいと変調度が取れず、大きすぎるとジッタが悪化する。色素の種類や調製によるが、吸光度は0.55〜0.8Absが望ましい。
L1層に設ける膜の形成順としては、基板05に、反射膜06をスパッタ装置で形成し、その後に色素07をスピンコートで塗布形成する。この反射膜06の厚さは70nm〜200nmの範囲であるのが好ましい。
色素層07の表面には、後述する貼り合せの際の保護層を設けても良い。この保護層の材料としては、窒化物、酸化物、炭化物のうち少なくとも1種を含む材料が好ましく、具体的には窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、炭化シリコン、炭素のうち少なくとも1種を含む材料が好ましい。また、これらの材料に酸素、窒素、水素などを含有させても良い。前述の窒化物、酸化物、炭化物は化学量論組成でなくても良く、窒素、酸素、炭素が過剰或いは不足していても良い。このことで界面層が剥離しにくくなり、保存耐久性等が向上するなど、膜の特性が向上する場合がある。
さらにこの保護層には、ZnSとSiO2の化合物を設けることも可能である。
上述のように作製した、L0層とL1層を、色素面側を対向させるように貼り合せる。貼り合せのための中間貼り合せ膜09としては、UV硬化型樹脂や両面粘着シートを使用した方式が用いられる。中間貼り合せ膜の厚みは、レーザー光のフォーカス分離が出来る50ミクロン程度が望ましい。
(光記録媒体の製造方法)
次に、本発明の光記録媒体の製造方法について述べる。
まず、基板01,05上に形成する半透明膜或いは反射膜を積層する方法としては、公知の真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着法(抵抗加熱型や電子ビーム型)、イオンプレーティング法、スパッタリング法(直流や交流スパッタリング、反応性スパッタリング)などが挙げられる。特に、組成、膜厚のコントロールが容易であることから、スパッタリング法が好ましい。また、色素の形成には、膜厚むらを少なくするために、色素の温度管理、塗布環境の温湿度管理を十分な精度で、好ましくは±0.1℃で行う。
基板に溝を転写するスタンパは、一般的な技術、即ちガラス原盤にレジストを所定厚み塗布し、所望の厚みのグルーブ深さが得られるようにレーザー光の強度を調整して、内周から外周までスパイラルな連続溝を露光する。このとき、DVD−Rのようなフォーマットの場合には、2ビームカッティングなどで、グルーブと同時にランドプリピット(LPP)も露光させる。その後、現像し、後のプロセスを経てスタンパ化される。本発明においては、L1層の基板05の溝幅(半値幅)がトラックピッチ0.74ミクロンに対し、10%以上45%以下の比率となるようにL1層用のスタンパーを作製する。
基板05のスタンパーはガラスエッチング法を用いて作製しても良い。この手法では現像後、エッチングの際レジスト部はマスクとなりエッチングされず、現像で露出した溝部にあたるガラス面のみエッチングされるため、狭い溝を作製するのに適している。上記カッティングで連続溝形成後現像しガラス表面を露出させる。その後CF4もしくはCHF3などのガスを用いて所定のグルーブ深さまでガラスのエッチングを行う。このときのエッチング装置としては、RIE(リアクティブ イオン エッチング)などを用いる。
さて、以下に本発明の光記録媒体の(実施例)及び(比較例1)〜(比較例8)について順次説明する(表1参照)。ここでは2層DVD−Rディスクを例にして述べる。
以下の実施例では、波長が658nmのレーザダイオード、NA=0.60の光学レンズを搭載したパルステック社製光ディスクドライブテスタ(DDU1000)を用いて記録を行った。
記録線速度は3.5m/s(DVD規格1倍速相当)で、8−16変調ランダムパターンによる評価を行った。クロック周期Tは38.4ns(DVD1倍速)で、ビット長は0.267μm/bitである。DVD−ROMと同密度の記録を行い、容量は4.7Gbytesに相当する。記録は、隣接トラックも含め1回書き込み後、その再生信号の振幅の中心でスライスし、クロック・トゥー・データ・ジッタを測定した。なお再生パワーPrは0.7mWで一定とした。また、記録ストラテジ(パルスパターン)はDVD−R Version2.0の規格に従った分割パルス系列を用いた。
以下の実施例では、基板01は、0.74ミクロンピッチのスパイラル溝がDVD−Rフォーマットに基づき形成されたスタンパを予め作製し、射出成型にて、作製された。色素02、07はシアニン系の基本骨格をもつ有機色素を、成分調整の上、示差熱特性や波長特性を最適化し、スピンコータ等で塗布出来る様粘度を調整して用いた。また、膜厚は、吸光度(Absorbance)0.7Apsとなるよう、塗布した。
上記の記録条件で測定し、L0層は変調度が60%以上、反射率は18%以上であり、必要特性が満たされることを確認した上で、以下の各種条件と組み合わせて、イングルーブ記録でのL1層の特性の評価を行った。
(実施例)
L1層基板05の溝転写用スタンパは、上述のエッチング法にて作製し、L1層の溝深さは170nm、溝幅WはTpに対しW/ Tpは0.28とした。またL0層の半透明層の膜厚は20nm、L1層の反射膜厚は150nmとした。結果を表1に示す。
Figure 2006004491
上記は代表例であり、L1層の溝深さは100nmから200nm、溝幅WはTpに対しW/ Tpは0.1から0.45である種々の基板を作製し、L0層の半透明膜は5nmから70nm、L1層の反射膜は70nmから200nmの種々の条件の膜厚で作製した媒体についても、すべての組み合わせにおいてL1層の特性(反射率、変調度、ジッタ−、プッシュプル等)は規格値を満足しており、記録再生特性は良好であった。
図2はL0層半透明膜を70nm、L1層の反射膜厚70nmとしたときの、L1層反射率のL1層溝深さDgと溝幅比W/Tp依存性を示す図である。L1層の反射率の絶対値はL0層半透明膜厚とL1層の反射膜厚によって変化するが、溝深さと溝幅比に対する傾向は変わらなかった。L0層半透明膜厚を厚くすると、透過率が減少しL1層の反射率の絶対値は小さくなる。
またL1層の反射膜厚を薄くすると、L1層での光の透過が発生し、L1層での反射率の絶対値が減少する。よって図2の条件であるL0層半透明膜厚が70nm、L1層の反射膜厚70nmという条件は請求範囲内で最もL1層の反射率が小さくなる条件であり、溝深さDgが100nm≦Dg≦200nm、溝幅比W/Tpが0.1≦W/Tp≦0.45の範囲は反射率の規格値18%以上が得られる条件である。
図3はL0層半透明膜を70nm、L1層の反射膜厚70nmとしたときの、プッシュプル信号値のL1層溝深さDgと溝幅比W/Tp依存性を示す図である。プッシュプル信号はトラッキングの安定性を表す指標となり、規格値は0.22以上となっている。またプッシュプル信号の大きさはL0層半透明膜、L1層の反射膜厚には依存しなかった。
(比較例1)
L1層基板05の溝深さDgを90nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。図3に示すように溝深さDgがDg<100nmの範囲ではL1層のプッシュプル信号が低下し、トラッキングが不安定となった。
(比較例2)
L1層基板05の溝深さDgを208nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。図3に示すように溝深さDgがDg>200nmの範囲ではL1層のプッシュプル信号が低下し、トラッキングが不安定となった。
(比較例3)
L1層基板05の溝幅WをTpに対しW/Tp=0.06とした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。図3に示すようにW/ Tp<0.1の範囲ではL1層のプッシュプル信号が低下し、トラッキングが不安定となった。
(比較例4)
L1層基板05の溝幅WをTpに対しW/Tp=0.5とした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。図2に示すようにW/ Tp>0.45の範囲ではL1層の反射率が低下し、規格値の18%を満足できなかった。
(比較例5)
L0層の半透明膜の厚さT1を3nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。T1<5nmの範囲ではL0層の反射率が低下し、規格値の18%を満足できなかった。
(比較例6)
L0層の半透明膜の厚さT1を76nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。T1>70nmの範囲ではL1層の反射率が低下し、規格値の18%を満足できなかった。
(比較例7)
L1層の反射膜の厚さT2を64nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。T2<70nmの範囲ではL1層の反射率が低下し、規格値の18%を満足できなかった。
(比較例8)
L1層の反射膜の厚さT2を215nmとした以外は実施例1と同様の媒体を作製した。評価結果を表1に示す。T2>200nmの範囲では実施例と同一の特性となり、T2の厚さをこれ以上大きくしても効果は認められなかった。
上記した(実施例)にある本発明の光記録媒体では良好な記録再生特性が得られた。これに対し(比較例1)から(比較例8)にのように、本発明の請求の範囲を超えた記録媒体においては表1に示すように良好な特性が得られない項目があった。
以上の結果より本発明の構成を有する記録媒体は、2層DVD−RのL1層のイングルーブ記録における良好な記録再生特性を得ることを可能にし、従来プロセスに近い形である貼り合せ方式を可能にし、低コストで安定に生産が可能な2層光記録媒体を提供することができる。
本発明光記録媒体の貼り合せ構造を説明するための部分拡大縦断面図 反射率の溝深さDgと溝幅W/Tp依存性を示す図 プッシュプル信号の溝深さDgと溝幅W/Tp依存性を示す図
符号の説明
01 L0層基板(第1の基板)
01a 第1の案内溝
02 L0層有機色素(第1の有機色素記録層)
03 L0層半透明膜(半透明膜)
04 L0層記録媒体(第1の記録媒体)
05 L1層基板(第2の基板)
05a 第2の案内溝
06 L1層反射膜(反射膜)
07 L1層有機色素(第2の有機色素記録層)
08 L1層記録媒体(第2の記録媒体)
09 中間貼合わせ層
A 光記録媒体

Claims (2)

  1. 片側2層貼合せ構造の光記録媒体であって、
    片面に第1の案内溝を形成した第1の基板上に第1の有機色素記録層、半透明膜を順次積層した第1の記録媒体と、
    片面に第2の案内溝を形成した第2の基板上に反射膜、第2の有機色素記録層を順次積層した第2の記録媒体と、
    中間貼合せ層とを有し、
    前記第1の記録媒体と前記第2の記録媒体とを、前記第1、第2の有機色素記録層がそれぞれ形成された側同士を対面させ前記中間貼合せ層を介して貼り合せてなり、
    前記第2の記録媒体の前記第2の基板の溝深さDgが、
    100nm≦Dg≦200nmの範囲であると、
    前記第2の基板の溝幅(半値幅)Wは、
    前記第2の基板のトラックピッチをTpとすると、
    0.1≦W/Tp≦0.45
    が成り立つように設定されており、
    前記第1の記録媒体側から光を入射して前記第1の記録媒体の前記第1の有機色素記録層と前記第2の記録媒体の前記第2の有機色素記録層とに情報をそれぞれ記録する際に、前記第1の有機色素記録層に対する記録は光の入射側から見て凸の部分となる前記第1の案内溝の位置に記録するいわゆるオングルーブ記録を用いて行い、前記第2の有機色素記録層に対する記録は光の入射側から見て凹の部分となる前記第2の案内溝の位置に記録するいわゆるイングルーブ記録を用いて行うことを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記第1の記録媒体における前記半透明膜の厚みをT1、前記第2の記録媒体における前記反射膜の厚みをT2とすると、
    厚みT1,T2は、それぞれ、
    5nm≦T1≦70nm
    70nm≦T2≦200nm
    の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。

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